JP2000074093A - 電磁スプリングクラッチ - Google Patents

電磁スプリングクラッチ

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JP2000074093A
JP2000074093A JP10262457A JP26245798A JP2000074093A JP 2000074093 A JP2000074093 A JP 2000074093A JP 10262457 A JP10262457 A JP 10262457A JP 26245798 A JP26245798 A JP 26245798A JP 2000074093 A JP2000074093 A JP 2000074093A
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JP10262457A
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Yozo Sunaga
陽三 須永
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Ogura Clutch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーマチュアの作動不良が防止された電磁ス
プリングクラッチを提供する。 【解決手段】 コイルばね4は、回転軸1と歯車2のば
ね巻締め部に跨って巻回され、一方の端部が回転軸1に
掛止されている。また、コイルばね4の外側には、係合
部6,7が形成された制御部材5が嵌合され、この制御
部材5にコイルばね4の他方の端部が掛止されている。
また、フィールドコア8には、制御部材5の係合部6,
7と係合離間する係合部14,15が形成されたアーマ
チュア13が傾動自在に支持されている。アーマチュア
13の下側両端には、プレス機械により打ち抜き加工さ
れた一対の係合溝13dが形成され、この係合溝13d
に、フィールドコア8の突出部9dが嵌合されている。
また、係合溝13dの角部分13eは、突出部13dに
載置される上壁面やこの上壁面と対向する下壁面より窪
んだ曲面状の角部分13eに形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機の紙送り
機構などに組込まれる電磁スプリングクラッチに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁スプリングクラッチは、同一
軸線上に配置された入力回転部材と出力回転部材のばね
巻締め部に跨って巻かれたコイルばねと、このコイルば
ねの外側に嵌合された制御部材とが設けられ、コイルば
ねの他方の端部を制御部材に掛止した構造のスプリング
クラッチと、このスプリングクラッチと同一軸線上に配
置され、電磁コイルが収容されたフィールドコアと、こ
のフィールドコアに傾動自在に支持され、スプリングク
ラッチの制御部材と係合離間するアーマチュアと、この
アーマチュアをスプリングクラッチの制御部材側に傾動
する弾性部材(圧縮コイルばね)が設けられた電磁石と
を備えている。
【0003】このような電磁スプリングクラッチは、実
公平2−27218号公報に開示されているように、制
御部材のフランジ部のうち、アーマチュアと対向する一
方の側面には第1係合部が形成され、反アーマチュア側
となる他方の側面には第2係合部が形成されている。ま
た、アーマチュアには、第1係合部と係合離間する第1
被係合部と、第2係合部と係合離間する第2被係合部が
形成されている。
【0004】このような電磁スプリングクラッチは、弾
性部材の押圧力によりアーマチュアが制御部材側に傾動
されることにより、アーマチュアの第1被係合部に形成
された平坦な係合面が、制御部材の第1係合部に形成さ
れた平坦な係合面に係合される。また、制御部材は、回
転が拘束されて静止状態になる。従って、コイルばねの
一方の端部が固定されるため、入力回転部材のばね巻締
め部の外周面とコイルばねの内周面との初期摩擦係合力
に抗して、入力回転部材は空転する。
【0005】また、弾性部材の押圧力に抗してアーマチ
ュアをフィールドコアに磁気吸引すると、アーマチュア
の第1被係合部は制御部材の第1係合部から離間するの
で、制御部材は拘束が解除されて回転自在になる。従っ
て、上記初期摩擦係合力と入力回転部材の回転により、
コイルばねは入力回転部材と出力回転部材のばね巻締め
部に巻締められ、これら回転部材が一体に回転する。な
お、このときのアーマチュアの第2被係合部の先端は、
制御部材のフランジ部の第2係合部側の側面に接近して
いるので、制御部材の第2係合部にアーマチュアの第2
被係合部が係合するまで、入力回転部材と出力回転部材
とは一体に回転する。
【0006】制御部材の第2係合部に形成された平坦な
係合面にアーマチュアの第2被係合部に形成された平坦
な係合部が係合すると、制御部材は回転が拘束されて静
止状態になるので、上記初期摩擦係合力に抗して入力回
転部材が空転する。また、フィールドコアの磁気吸引力
を解除するとともに弾性部材の押圧力によりアーマチュ
アを制御部材側へ傾動させると、アーマチュアの第2被
係合部が制御部材の第2係合部から離間する。従って、
制御部材の第1係合部にアーマチュアの第1被係合部が
係合するまで、入力回転部材と出力回転部材は一体に回
転する。
【0007】また、このような電磁スプリングクラッチ
は、実開昭59−123728号公報に開示されている
ように、鋼板をコ字状に折り曲げて形成するとともに、
対向する側板のうち下方の側板の先端に、四角形状の一
対の突出部が形成された外側継鉄部材を有するフィール
ドコアと、鋼板をプレス機械により打ち抜き加工するこ
とにより形成されるとともに、下側両端には、一対の係
合溝が形成されたアーマチュアとが設けられ、アーマチ
ュアの各係合溝にフィールドコアの各突出部を嵌合する
ことにより、アーマチュアをフィールドコアに傾動自在
に支持している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の電磁スプリング
クラッチは、アーマチュアの係合溝を、切削加工により
形成すると生産性が悪いので、プレス機械による打ち抜
き加工により形成するようにしていた。即ち、アーマチ
ュア(加工材料)をダイに載置してストリッパで固定支
持するとともに、パンチを降下させて剪断することによ
り、アーマチュアの係合溝を形成していた。また、この
ような係合溝を形成するに当たり、上壁面から奥壁面へ
移行する角部分や、下壁面から奥壁面へ移行する角部分
が直角になっていると、パンチ刃先のうち、その直角の
角部分を剪断するためのパンチ刃先部分に作用する荷重
が大きくなり、パンチの耐久性が悪くなり経済的ではな
いので、係合溝の上記角部分は、円弧状の壁面に設計さ
れていた。
【0009】そして、アーマチュアの自重により、アー
マチュアの係合溝の上壁面をフィールドコアの突出部の
上面に載置するとともに、アーマチュアの係合溝の奥壁
面とフィールドコアの突出部の内面とを、クリアランス
をおいて対向させるようにしていた。しかしながら、フ
ィールドコアの中心に対してアーマチュアの中心が偏心
すると、フィールドコアの突出部の角部分(上面から内
面へ移行する直角な角部分)とアーマチュアの係合溝の
上記円弧状の壁面とが干渉してしまうことがあった。即
ち、アーマチュアの一方の係合溝の角部分が、フィール
ドコアの突出部の角部分に乗り上げた状態になってしま
うことがあった。このような状態になると、弾性部材に
よりアーマチュアを制御部材側に傾動させるための抗力
が大きくなり、アーマチュアの作動不良が発生してしま
う。この発明は、アーマチュアの作動不良が防止された
電磁スプリングクラツチを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、この発明の電磁スプリングクラッチは、ばね
巻締め部(実施の形態において、符号1c,以下、同様
に示す。)と、このばね巻締め部(1c)の両側に形成
された第1、第2支持部(1f、1g)とが設けられた
回転軸(1)と、この回転軸(1)の第1支持部(1
f)に回転自在に支持されるとともに、前記ばね巻締め
部(1c)と隣接するばね巻締め部(円筒部材3)が形
成された回転部材(2)と、前記回転軸(1)のばね巻
締め部(1c)と前記回転部材(2)のばね巻締め部
(3)とに跨がり巻回され、一方の端部が前記回転軸
(1)に掛止されたコイルばね(4)と、このコイルば
ね(4)の外側に嵌合され、一方の開口部が前記回転軸
(1)側に支持され他方の開口部が前記回転部材(2)
側に支持されるとともに、前記コイルばね(4)の他方
の端部が掛止された円筒状のボス部(5a)と、このボ
ス部(5a)から半径方向外側に延設されたフランジ部
(5b)と、このフランジ部(5b)の側面に形成され
た係合部(6,7)が設けられた制御部材(5)と、前
記回転軸(1)の第2支持部(1g)に支持され回り止
めされるとともに、鋼板をコ字状に折り曲げた形状から
なり、対向する側板のうち下方の側板の先端に一対の突
出部(9d)が設けられた外側継鉄部材(9)と、この
外側継鉄部材(9)の底板に形成された中心穴に先端が
嵌合され固定された、断面がL字状で環状な形状からな
る内側継鉄部材(10)とを有するフィールドコア
(8)と、このフィールドコア(8)に収容された電磁
コイル(11)と、前記フィールドコア(8)と前記制
御部材(5)のフランジ部(5b)との間に設けられ前
記フィールドコア(8)に傾動自在に支持されるととも
に、上側には、前記制御部材(5)の係合部(6,7)
と係合離間する被係合部(14,15)が設けられ、下
側両端には、前記フィールドコア(8)の突出部(9
d)が個々に嵌合される一対の係合溝(13d)が設け
られたアーマチュア(13)と、このアーマチュア(1
3)の上側を前記制御部材(5)のフランジ部(5b)
側へ傾動させる弾性部材(16)とが設けられ、前記ア
ーマチュア(13)の各係合溝(13d)は、左右の側
面までの打ち抜き加工により形成され、前記フィールド
コア(8)の突出部(9d)の上面に載置される上壁面
と、この上壁面と対向する下壁面、及び奥壁面により画
定された溝であり、上壁面から奥壁面へ移行する角部分
と、下壁面から奥壁面へ移行する角部分は、上壁面また
は下壁面より窪んだ曲面状の角部分(13e)に形成さ
れていることを特徴とする。
【0011】このような構造にすると、アーマチュア
(13)の係合溝(13d)を打ち抜き加工したとき、
その係合溝(13d)の角部分は、上壁面または下壁面
より窪んだ角部分(13e)になるので、アーマチュア
(13)の角部分(13e)がフィールドコア(8)の
突出部(9d)の角部分に乗り上げることがなく、アー
マチュア(13)の作動不良は防止される。しかも、ア
ーマチュア(13)の係合溝(13d)の角部分(13
e)は、曲面状の角部分(13e)としたので、パンチ
の耐久性が悪くなることもない。
【0012】
【発明の実施の形態】図1から図4に示された電磁スプ
リングクラッチは、複写機の紙送り機構に組込まれるも
のであり、図1は正面図、図2は断面図、図3は制御部
材であり、(a)は正面図、(b)は断面図、(c)は
背面図である。図4はアーマチュアであり、(a)は断
面図、(b)は(a)の右側面図、(c)はフィールド
コアへの支持部分のみの拡大図である。以下、これら図
面に基づき、この発明の実施の形態を説明する。
【0013】電磁スプリングクラッチは、回転軸1を、
図示せぬ中実軸が挿入される軸穴1aが形成された合成
樹脂材製の中空軸としている。また、軸穴1aの一方の
開口部には、平坦な周壁を有するD穴部1bが形成され
ている。また更には、軸線方向の中央からD穴部1bと
は反対側に偏った部位に円筒状のばね巻締め部1cが形
成されている。また、このばね巻締め部1cのD穴部1
b側には、切欠き部1dを有するフランジ部1eが形成
されているとともに、ばね巻締め部1cに対してD穴部
1b側の外周面を円筒状の第2支持部1gとし、ばね巻
締め部1cに対してD穴部1bとは反対側の外周面を円
筒状の第1支持部1fとしている。
【0014】回転軸1の第1支持部1fには、回転部材
として合成樹脂材製の歯車2が回転自在に嵌合されリン
グにより抜け止めされている。歯車2には、円筒状のボ
ス部2aと、断面が略T字状のフランジ部2bとが形成
されている。そして、フランジ部2bの外周面に、図示
せぬ歯車と噛合う歯部が形成されている。また、フラン
ジ部2bの側面には、内側の円筒部2cと外側の円筒部
2dが形成されている。このような形状からなる歯車2
のボス部2aには、回転軸1のばね巻締め部1cの外周
面と略同一の外径寸法に形成された金属材製の円筒部材
3が嵌合され固定されている。なお、この円筒部材3
は、歯車2のばね巻締め部として設けられている。
【0015】回転軸1のばね巻締め部1cと歯車2に嵌
合された円筒部材3には、一方の端部が回転軸1の切欠
き部1dに掛止されたコイルばね4が巻回されている。
このコイルばね4は、円筒部材3の外周面に嵌合される
ことにより僅かに拡径されており、コイルばね4の内周
面と円筒部材3の外周面との間には、初期摩擦係合力が
付与された構造になっている。
【0016】コイルばね4の外側には、合成樹脂材製の
制御部材5が嵌合されている(図3参照)。この制御部
材5は、一方の開口部が回転軸1のフランジ部1eに回
転自在に嵌合され支持されているとともに、他方の開口
部が歯車2の内側の円筒部2cに回転自在に嵌合され支
持されている円筒状のボス部5aと、このボス部5aの
外周面から半径方向外側に延設された円板状のフランジ
部5bが形成されている。また、ボス部5aには、コイ
ルばね4の他方の端部が掛止された切欠き部5cが形成
されている。また更に、フランジ部5bの側面のうち、
回転軸1のフランジ部1e側の側面には、第1係合部6
が形成され、歯車2側の側面には、第2係合部7が形成
されている。
【0017】制御部材5の第1係合部6は、回転方向
(矢印T方向)側の端面をフランジ部5bに対して直角
となる係合面6aとし、回転方向とは反対側の端面をフ
ランジ部5bに対して約30度の角度に形成された非係
合面6bとして設けられている。また、制御部材5の第
2係合部7は、回転方向側の端面をフランジ部5bに対
して約45度の角度に形成された係合面7aとし、回転
方向とは反対側の端面をフランジ部5bに対して約30
度の角度に形成された非係合部7bとして設けられてい
る。
【0018】次に、回転軸1の第2支持部1gに軸受を
介して支持されているフィールドコア8について説明す
る。フィールドコア8は、鋼板をコ字状に折り曲げた形
状からなり、対向する側板に個々に形成された切り起こ
し片9a、9bと、上側の側板の先端に形成された折曲
げ部9c(後述するアーマチュア13の磁気吸着面)
と、下側の側板の先端の角部分に個々に形成された四角
形状の一対の突出部9d(図2において、一方のみ図示
されている。)とが設けられた外側継鉄部材9と、この
外側継鉄部材9の底板に形成された中心穴に先端が嵌合
され固定されているとともに、断面がL字状で環状な形
状からなる鋼材製の内側継鉄部材10とを備えた構造で
ある。
【0019】また、これら外側継鉄部材9と内側継鉄部
材10とにより形成された環状溝には、コイルボビンに
巻線された電磁コイル11が収容されている。また、コ
イルボビンの外側には、コイルカバー12が嵌合されて
いる。なお、電磁コイル11の巻端部は、コイルボビン
に一体に形成された端子ハウジング内の端子と電気的に
接続されている。
【0020】このような構造のフィールドコア8には、
図4に図示されているアーマチュア13が傾動自在に支
持されている。アーマチュア13は、鋼板を打ち抜き加
工することにより形成されたものであって、回転軸1の
フランジ部1eの外側に嵌合される貫通穴13aと、上
側中央に一体に形成された折曲げ片からなり、側面より
押し出されたコ字状の被係合部13bと、下側中央に突
出した掛止部13cと、フィールドコア8の外側継鉄部
材9に形成された突出部9dが嵌合される一対の係合溝
13dが設けられている。
【0021】アーマチュア13の係合溝13dは、フィ
ールドコア8の突出部9dの上面に載置される上壁面
と、この上壁面と対向する下壁面、及び奥壁面により画
定され、左右の側面まで打ち抜き加工された溝であり、
上壁面から奥壁面へ移行する角部分13eと、下壁面か
ら奥壁面へ移行する角部分13eは、上壁面または下壁
面より窪んだ曲面状の角部分として形成されている。そ
して、フィールドコア8の中心に対してアーマチュア1
3の中心が偏心して、アーマチュア13の係合溝13d
の奥壁面がフィールドコア8の突出部9dの内面に当接
しても、アーマチュア13の係合溝13dの角部分13
eがフィールドコア8の突出部9dの角部分に乗り上げ
ないように構成されている(図4(c)参照)。
【0022】このような形状のアーマチュア13は、被
係合部13bのうち、基部側を第1被係合部14とし、
先端側を第2被係合部15として設けられ、第1被係合
部14が制御部材5の第1係合部6と係合離間するとと
もに、第2被係合部15が制御部材5の第2係合部7と
係合離間するように、フィールドコア8の外側継鉄部材
9に傾動自在に支持されている。また、アーマチュア1
3の掛止部13cとフィールドコア8の外側継鉄部材9
に形成された切り起こし片9aとには、弾性部材として
の圧縮コイルばね16が掛けられている。なお、アーマ
チュア13の第1被係合部14と第2被係合部15の端
面(制御部材5の係合部6、7の係合面6a、7aが当
接される係合面)は、アーマチュア13の側面と直交す
る平面に形成されている。
【0023】以上のような構造からなる電磁スプリング
クラッチは、電磁コイル11に通電した励磁状態にする
と、図2のように、圧縮コイルばね16の引張り力に抗
して、アーマチュア13がフィールドコア8に磁気吸着
される。そして、アーマチュア13の第2被係合部15
に制御部材5の第2係合部7が係合され、制御部材5の
回転が拘束されて静止状態になる。従って、歯車2に嵌
合された円筒部材3の外周面(ばね巻締め部)とコイル
ばね4の内周面との間に設定された初期摩擦係合力に抗
して、歯車2は回転軸1上で空転する。
【0024】また、電磁コイル11への通電を停止した
無励磁状態にすると、アーマチュア13は、圧縮コイル
ばね16の引張り力により制御部材5のフランジ部5b
側へ傾動される。そして、アーマチュア13の第1被係
合部14に制御部材5の第1係合部6が係合され、制御
部材5の回転が拘束されて静止状態になる。従って、上
記初期摩擦係合力に抗して、歯車2は回転軸1上で空転
する。
【0025】また更に、励磁状態から無励磁状態にした
ときには、アーマチュア13の第1被係合部14と制御
部材5の第1係合部6とが係合されるまで、制御部材5
は拘束が解除されて回転自在となる。従って、上記初期
摩擦係合力と歯車2の回転力により、コイルばね4は、
縮径されて歯車2に嵌合された円筒部材3と回転軸1の
ばね巻締め部1cとに巻締められるので、歯車2と回転
軸1は一体に回転する。
【0026】また、無励磁状態から励磁状態にしたとき
には、アーマチュア13の第2被係合部15と制御部材
5の第2係合部7とが係合されるまで、同様に、制御部
材5は拘束が解除されて回転自在となるので、歯車2と
回転軸1は一体に回転する。なお、この発明の実施の形
態では、制御部材5の第1係合部6に形成された係合面
6aと第2係合部7に形成された係合面7aとを、回転
方向に180度変位させた構造であり、励磁状態から無
励磁状態、または、無励磁状態から励磁状態にしたと
き、歯車2の回転に対して回転軸1は180度だけ回動
されることになる。
【0027】このような作動を繰り返す電磁スプリング
クラッチは、制御部材5の第2係合部7の係合面7a
を、フランジ部5bに対して約45度の角度に形成した
ので、換言すれば、フランジ部5bの側面側から先端に
向かって反回転方向に変位する斜面としたので、従来の
ように、制御部材5の第2係合部7の係合面7aとアー
マチュア13の第2被係合部15の端面とが、平坦面と
平坦面との面合わせの状態で係合されることはない。
【0028】従って、歯車2の回転力が作用している制
御部材5の係合面7a上を、圧縮コイルばね16の引張
り力により傾動されるアーマチュア13の第2被係合部
15の端面が摺動しないため、その摺動抵抗がなくなっ
た分、アーマチュア13の第2被係合部15を制御部材
5の第2係合部7から離間させるタイミングが迅速にな
っている。また、制御部材5に作用している歯車2の回
転力の一部が、アーマチュア13の第2被係合部15を
制御部材5の第2係合部7から離間させる方向の分力と
してアーマチュア13に作用するので、作動タイミング
がより迅速になっている。即ち、圧縮コイルばね16の
引張り力を強くしなくても、作動タイミングの遅れが防
止されている。
【0029】なお、実施の形態として説明された電磁ス
プリングクラッチは、圧縮コイルばね16の引張り力に
よりアーマチュア13を傾動させる構造であるが、従来
の電磁スプリングクラッチと同様に、圧縮コイルばねの
押圧力によりアーマチュア13を傾動させる構造であっ
てもよい。また、中空軸として説明したが、回転軸1は
中実軸でもよい。また更に、歯車2と円筒部材3は、金
属材料により一体に形成してもよい。
【0030】
【発明の効果】以上のように、この発明の電磁スプリン
グクラッチは、アーマチュアの各係合溝を、左右の側面
までの打ち抜き加工により形成するとともに、フィール
ドコアの突出部の上面に載置される上壁面と、この上壁
面と対向する下壁面、及び奥壁面により画定された溝と
し、上壁面から奥壁面へ移行する角部分と、下壁面から
奥壁面へ移行する角部分とを、上壁面または下壁面より
窪んだ曲面状の角部分に形成したので、アーマチュアの
係合溝の角部分がフィールドコアの突出部の角部分に乗
り上げることがなく、アーマチュアの作動不良は防止さ
れる。しかも、アーマチュアの係合溝の角部分は、曲面
状の角部分としたので、パンチの耐久性が悪くなること
もなく、経済的にアーマチュアを形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態として示された電磁スプ
リングクラッチの正面図である。
【図2】図1の電磁スプリングクラッチの断面図であ
る。
【図3】制御部材が図示されており、(a)は正面図、
(b)は断面図、(c)は背面図である。
【図4】アーマチュアが図示されており、(a)は断面
図、(b)は(a)の右側面図、(c)はフィールドコ
アへの支持部分のみの拡大図である。
【符号の説明】
1 回転軸 1c ばね巻締め部 2 回転部材(歯車) 3 ばね巻締め部(円筒部材) 4 コイルばね 5 制御部材 8 フィールドコア 9d 突出部 11 電磁コイル 13 アーマチュア 13d 係合溝 13e 角部分 16 弾性部材(圧縮コイルばね)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ばね巻締め部と、このばね巻締め部の両
    側に形成された第1、第2支持部とが設けられた回転軸
    と、この回転軸の第1支持部に回転自在に支持されると
    ともに、前記ばね巻締め部と隣接するばね巻締め部が形
    成された回転部材と、前記回転軸のばね巻締め部と前記
    回転部材のばね巻締め部とに跨がり巻回され、一方の端
    部が前記回転軸に掛止されたコイルばねと、このコイル
    ばねの外側に嵌合され、一方の開口部が前記回転軸側に
    支持され他方の開口部が前記回転部材側に支持されると
    ともに、前記コイルばねの他方の端部が掛止された円筒
    状のボス部と、このボス部から半径方向外側に延設され
    たフランジ部と、このフランジ部の側面に形成された係
    合部とが設けられた制御部材と、前記回転軸の第2支持
    部に支持され回り止めされるとともに、鋼板をコ字状に
    折り曲げた形状からなり、対向する側板のうち下方の側
    板の先端に一対の突出部が設けられた外側継鉄部材と、
    この外側継鉄部材の底板に形成された中心穴に先端が嵌
    合され固定された、断面がL字状で環状な形状からなる
    内側継鉄部材とを有するフィールドコアと、このフィー
    ルドコアに収容された電磁コイルと、前記フィールドコ
    アと前記制御部材のフランジ部との間に設けられ前記フ
    ィールドコアに傾動自在に支持されるとともに、上側に
    は、前記制御部材の係合部と係合離間する被係合部が設
    けられ、下側両端には、前記フィールドコアの突出部が
    個々に嵌合される一対の係合溝が設けられたアーマチュ
    アと、このアーマチュアの上側を前記制御部材のフラン
    ジ部側へ傾動させる弾性部材とが設けられ、前記アーマ
    チュアの各係合溝は、左右の側面までの打ち抜き加工に
    より形成され、前記フィールドコアの突出部の上面に載
    置される上壁面と、この上壁面と対向する下壁面、及び
    奥壁面により画定された溝であり、上壁面から奥壁面へ
    移行する角部分と、下壁面から奥壁面へ移行する角部分
    は、上壁面または下壁面より窪んだ曲面状の角部分に形
    成されていることを特徴とする電磁スプリングクラッ
    チ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100390433C (zh) * 2004-12-15 2008-05-28 三菱电机株式会社 电磁离合器
CN100402879C (zh) * 2004-12-13 2008-07-16 三菱电机株式会社 电磁离合器

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100402879C (zh) * 2004-12-13 2008-07-16 三菱电机株式会社 电磁离合器
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