JP2006117821A - 反応染料組成物及び該組成物を用いた染色法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的は、各種の染色又は捺染条件において、水に対して充分な溶解度を有する青色反応染料組成物を提供することにある。また、黄色反応染料及び/又は赤色反応染料と配合染色した際に得られた染色物に斑が生じない青色反応染料組成物を提供することにある。さらに、青色反応染料組成物を黄色反応染料及び/又は赤色反応染料と配合染色した際に、得られた染色物の摩擦堅牢度や耐光堅牢度等が良好である繊維材料の染色方法を提供することにある。
(i)遊離酸の形で表すと、下式(II)で示される染料群から選ばれる少なくとも2種の青色反応染料を含むことを特徴とする青色反応染料含有組成物。
(iii)上記(i)又は(ii)記載の反応染料含有組成物を用いることを特徴とする繊維材料の染色方法。
(iv)上記(i)又は(ii)記載の反応染料含有組成物を用いることを特徴とする繊維材料の捺染方法。
染料群(II)や染料群(I)において、X’及びX1は塩素原子、フッ素原子、臭素原子又は水酸基を表す。
染料群(II)において、Q’は−SO2CH=CH2又は−SO2CH2CH2L1を表す。L1はアルカリの作用で脱離する基又は水酸基を表す。
染料群(I)において、Qは−SO2CH=CH2又は−SO2CH2CH2L2を表す。L2はアルカリの作用で脱離する基又は水酸基を表す。
上記のアルカリの作用で脱離する基L1やL2としては、例えば、硫酸エステル基、チオ硫酸エステル基、燐酸エステル基、酢酸エステル基、ハロゲン原子又はピリジニオ基等を挙げることができる。該ピリジニオ基における水素原子の1〜2個は、カルボキシ基及びカルバモイル基からなる群より選ばれる置換基の1〜2個によって置換されていてもよい。
さらに、好ましい染料群(I)としては、−NH−基及びQが置換されたベンゼン環上の−NH−基が結合した炭素原子を1−位としたとき、上記Qが3−位又は4−位の炭素原子に結合する染料が挙げられる。
本発明(ii)では、青色染料群(II)の合計量と赤色染料群(I)の合計量との重量比が、(0.5〜50.0):(50.0〜99.5)の範囲であることが好ましい。
本発明(ii)では、青色染料群(II)の合計量と赤色染料群(I)の合計量との重量比が(1〜50):(50〜99)の範囲であることが特に好ましい。
例えば、セルロース繊維上に吸尽染色法で染色する場合においては、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、第三燐酸ソーダや苛性ソーダ等のアルカリの存在下、必要に応じて芒硝、食塩等の中性塩を加え、さらに必要に応じて溶解助剤、浸透剤又は均染剤等を併用し、30〜100℃程度の温度で染色する方法等が例示される。ここでアルカリや中性塩等の添加は、一度に行ってもよく、分割して行ってもよい。
セルロース繊維上に連続染色法で染色する場合においては、アルカリ(炭酸ソーダや重炭酸ソーダ等)の存在下、室温又は高められた温度でパジング後、スチーミング又は乾熱により処理する一相パジング法や、本発明の組成物が溶解されているパジング液に繊維を浸漬後、中性塩(芒硝又は食塩等)及びアルカリ(苛性ソーダやケイ酸ソ−ダ等)をパジングし、スチーミング又は乾熱することにより処理する二相パジング法等が例示される。
綿繊維からなる編み物100部をセットした各染色装置(浴比は1:10、浴温は60℃)中に、組成物No.1〜6で示される各染料組成物の4部及び無水芒硝50部をそれぞれ投入した。次いで、60℃で約20分間編み物を処理後、炭酸ソーダ20部を浴中に投入した。
次に、60℃で60分間編み物を染色した。染色を終了した後に洗浄して、斑のない均一な濃青色の染色物を得た。該染色物の耐光堅牢度及び摩擦堅牢度は良好であった。また、上記染色の再現性も良好であった。
a)綿繊維からなる編み物100部をセットした各染色装置(浴比は1:10、浴温は70℃)中に、組成物No.7〜12で示される各染料組成物の8部及び無水芒硝50部をそれぞれ投入した。次に、70℃で約20分間編み物を処理後、炭酸ソーダ20部を浴中に投入した。次いで、70℃で60分間編み物を染色した。染色を終了した後に洗浄して、斑のない均一な濃青色の染色物を得た。該染色物の耐光堅牢度は良好であった。また、上記染色の再現性も良好であった。
b)綿繊維からなる編み物100部をセットした各染色装置(浴比は1:10、浴温は70℃)中に、組成物No.7〜12で示される各染料組成物の4部及び無水芒硝50部をそれぞれ投入した。次に、70℃で約20分間編み物を処理後、炭酸ソーダ20部を浴中に投入した。次いで、70℃で60分間編み物を染色した。染色終了後に染色物を洗浄して、斑のない均一な濃青色の染色物を得た。該染色物の耐光堅牢度は良好であった。また、上記染色の再現性も良好であった。
c)上記のa)で得た染色物は、上記のb)で得た染色物に比べて、その表面濃度が充分に濃く染まっていた。
綿繊維からなる編み物100部をセットした各染色装置(浴比は1:10、浴温は80℃)中に、組成物No.13〜19で示される各染料組成物8部及び無水芒硝の60部を、それぞれ投入した。次に、60℃で約20分間編み物を処理後、38度ボーメの苛性ソーダ3mlを浴中に投入し、60℃で50分間編み物を染色した。染色終了後に染色物を洗浄して、斑のない均一な濃青色の染色物を得た。該染色物の耐光堅牢度及び摩擦堅牢度は良好であった。また、上記染色の再現性も良好であった。
綿繊維からなる糸1000部をセットしたチーズ染色装置(浴比は1:10、浴温は50℃)中に組成物No.20〜21で示される各染料組成物60部及び食塩の500部を、それぞれ投入した。50℃で20分間処理後、炭酸ソーダ200部を浴中に投入した。次いで、50℃で60分間染色後、得られた染色物を洗浄した。
得られた染色物の耐光堅牢度及び摩擦堅牢度は良好であった。また、チーズの内層と外層間で濃度差のない均一な濃青色の染色糸を得た。チーズの最内層部を観察したが、染色糸に染料の凝集は認められなかった。さらに、チーズ染色の再現性も良好であった。
レーヨンからなる編み物100部をセットした染色装置(浴比は1:10、浴温は80℃)中に、組成物No.1〜8で示される各染料組成物2部及び無水芒硝30部をそれぞれ投入した。80℃で20分間編み物を処理した後、炭酸ソーダ20部を投入し、80℃で60分間染色後、得られた染色物を洗浄した。耐光堅牢度及び摩擦堅牢度が良好であり、斑の無い均一な濃青色の染色物が得られた。また、上記染色の再現性も良好であった。
レーヨン織物100部をセットした染色装置(浴比は1:20、浴温は70℃)中に、組成物No.9〜15で示される各染料組成物3部及び無水芒硝各40部をそれぞれ投入し、70℃で20分間編み物を処理後、炭酸ソーダ20部を浴中に投入した。次いで、70℃で60分間編み物を処理して染色した。染色終了後、洗浄して得た染色物は、斑の無い均一な濃青色であり、染色物の耐光堅牢度及び摩擦堅牢度はいずれも良好であった。また、上記染色の再現性も良好であった。
組成物No.16〜19で示される各染料組成物200部を熱水で溶解後、25℃に冷却し、各液にアルギン酸ソーダ1部、メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダ10部及び炭酸水素ナトリウム20部をそれぞれ添加し、さらに水を加えて、25℃で全量を1000部とした。この液をパジング液として用いて各木綿織物をパジングし、織物を120℃で2分間乾燥した。次に100℃で5分間スチーミングして染料を固着させた。均一な濃青色の染色物がそれぞれ得られた。各染色物の耐光堅牢度及び摩擦堅牢度は良好であった。また、上記染色を繰り返しても、染色の再現性は良好であった。
組成物No.1〜6で示される各染料組成物0.2部、遊離酸の形で表すと下式(IIIa)で示される黄色反応染料(特開昭56−15481号公報参照)0.2部、遊離酸の形で表すと下式(IVa)で示される赤色染料(特開昭50−178号公報参照)0.2部及び無水芒硝50部を、綿繊維からなる編み物100部をセットした染色装置(浴比は1:10、浴温は60℃)中に投入した。投入後、60℃で約20分間編み物を処理した。次いで、炭酸ソーダ20部を浴中に投入し、60℃で60分間編み物を染色した。この際、染色途中において、各色染料間の相容性を観察したところ、各色染料の染着速度が揃っており、相容性は良好であった。染色終了後、洗浄して、均一で斑のない茶褐色の染色物を得た。該染色物の耐光堅牢度及び摩擦堅牢度は良好であった。また、上記染色を繰り返し実施した。得られた各染色物の色相は、一回目と二回目で一致していた。
実施例8で用いた組成物No.1で示される染料組成物の代りに青色反応染料(III)の0.2部を用い、且つ、綿繊維からなる編み物100部をセットした染色装置(浴比は1:10、浴温は60℃)中に式(IIIa)で示される黄色反応染料0.2部、式(IVa)で示される赤色染料0.2部及び無水芒硝50部を投入した。投入後、60℃で約20分間編み物を処理した。次いで、炭酸ソーダ20部を浴中に投入し、60℃で60分間編み物を染色した。染色途中において、各色染料間の相容性を観察したところ、青色染料の染色速度が速すぎて、好ましくない相容性であった。染色終了後、洗浄し、次いで乾燥した。得られた茶褐色の染色布を観察したところ、染色布表面の着色が不均一であった。また、上記の染色布の耐光堅牢度及び摩擦堅牢度は、実施例8で得た染色布に比べて0.5級程度劣っていた。また、上記染色を繰り返し実施したところ、得られた染色布の色相は、一回目の染色時と二回目の染色時で一致しなかった。
組成物No.10〜19で示される各反応染料組成物0.5部、遊離酸の形で表すと下式(Va)で示される黄色反応染料(特開昭56−15481号公報参照)0.1部、遊離酸の形で表すと下式(VIa)で示される赤色反応染料(特開昭50−178号公報参照)0.2部及び無水芒硝50部を、綿繊維からなるチーズ100部をセットした染色装置(浴比は1:7、浴温は70℃)中に投入し、投入後70℃で約20分間処理後、炭酸ソーダ20部を浴中に投入し、70℃で60分間染色した。各色反応染料の相容性を、染色途中において確認した。各色反応染料の染着速度は揃っており、良好であった。染色終了後に洗浄して、上記チーズの内層と外層とで、濃度差の無い均一なグレー色の染色物が得られた。染色物の耐光堅牢度及び摩擦堅牢度は良好であった。また、上記染色を繰り返し実施したところ、得られた染色物の色相は良く一致していた。
組成物No.1〜8で示される各反応染料組成物を用いて、以下の組成をもつ色糊を作製した。
<色糊組成>
反応染料組成物 5部
尿素 5部
アルギン酸ソーダ(5%)元糊 50部
熱湯 25部
重曹 2部
バランス(水) 13部
合 計 100部
上記の実施例10において、組成物No.1で示される反応染料組成物を用いて得た染色布に、以下の組成からなる抜染糊を印捺し、中間乾燥後、100℃で15分間スチーミングを行い、次いで、湯洗い、ソーピング、湯洗い及び乾燥して仕上げた。得られた捺染布は、上記抜染糊を印捺した部分が紺から白色となり、白色抜染法に耐える白度を有していた。
<抜染糊組成>
アルギン酸ソーダ(5%)元糊 50部
熱湯 20部
スルフィン系還元剤 15部
炭酸カリウム 3部
バランス(水) 12部
合 計 100部
組成物No.1における化合物R1に代えて式(IVa)で示される染料を用いた以外は、実施例10と同様に処理した捺染布を用意した。この捺染布を用いる以外は上記実施例11と同じ方法で抜染処理を行った。抜染糊印捺部は紺色から赤色に変色し、充分な白度を有する布が得られなかった。
組成物No.9〜15で示される各反応染料組成物30部をそれぞれ熱水に溶解した後、25℃に冷却した。各染料溶液中に32.5%苛性ソーダ水溶液15部及び50度ボーメの水ガラス150部を添加後、25℃で水を加えて全量を1000部とし、直後に、この液をパジング液として木綿織物をパジングした。パジングした木綿織物を巻き上げ、ポリエチレンフィルムで密閉し、25℃の室温で20時間放置した。次いで、常法で洗浄し、乾燥して仕上げた。各染色物の濃度は濃いものであった。また、各染色物の諸堅牢度も良好であった。
また、本発明(iii)の染色方法や(iv)の捺染方法によれば、均一で斑のない染色物や捺染物が得られる。
Claims (6)
- 式(I)で示される染料群から選ばれる赤色反応染料の合計と式(II)で示される染料群から選ばれる青色反応染料の合計との重量比が、(0.5〜50.0):(50.0〜99.5)の範囲である請求項1又は2に記載の反応染料組成物。
- 式(I)で示される染料群から選ばれる赤色反応染料の合計と式(II)で示される染料群から選ばれる青色反応染料の合計との重量比が、(1〜50):(50〜99)の範囲である請求項1又は2に記載の反応染料組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の反応染料組成物を用いることを特徴とする繊維材料の染色方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の反応染料組成物を用いることを特徴とする繊維材料の捺染方法。
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