JP2005220358A - ビスアゾ化合物又はその塩及びそれらの繊維材料への適用 - Google Patents
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Abstract
Description
Q1は−O−、−S−又は−NR6−を表す。R6は水素原子を表すか、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルコキシ、ハロゲノ、カルボキシ及びスルホから選ばれる置換基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルキルを表すか、又はスルホで置換されてもよいフェニルを表す。
r及びsは、それぞれ独立に2、3又は4を表し、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立に下式(3a)又は(3b)で示される繊維反応性基を表す。
(式中、Y1及びY2はそれぞれ独立に−CH=CH2又は−CH2CH2Lを表す。
Lはアルカリの作用で脱離する基である。R7は水素又は炭素数1〜4のアルキルを表し、mは1〜6の整数である。)]
X1及びX2はそれぞれ独立にフルオロ、クロロ、又は置換されてもよいピリジニオであり、Tは下式(4a)で示される非繊維反応性基を表す。
(4a)
{式中、R8は水素又は置換されていてもよいアルキルを表し、R9はシアノを表す。}
但し、[ ]内に示した2つの*印は、一方は−Uとの結合であり、他方は−Tとの結合を表す。]
R3としては、水素、メチル又はエチルが好ましく、R4およびR5としては、水素、メチル又はエチルが好ましい。
A1で表されるナフチレンとしては、1又は2個のスルホにより置換されてもよいナフチレンが好ましい。
かかるナフチレンの具体例としては、例えば、
等を挙げることができる。
また、R6で表されるフェニルとしては、スルホで置換されてもよいフェニルを挙げることができる。
R6は、好ましくは、水素原子、メチル又はエチルである。
式(2c)で示される基としては、r及びsがそれぞれ独立に2又は3であり、Q1が−O−である下記のものが好ましい。
**−CH2CH2−O−CH2CH2CH2−
**−CH2CH2CH2−O−CH2CH2−
**−CH2CH2CH2−O−CH2CH2CH2−
[式中、**印は−NR5−に接続する結合を意味する。R5は前記の意味を有する。]
式(2c)で示される基としては、とりわけ、下記の基が好ましい。
**−CH2CH2−O−CH2CH2−
〔式中、**印は前記の意味を有する。〕
Uが式(2a)で示される基である場合、A1が置換されてもよいフェニレンであり、且つ、R3が水素、メチル又はエチルであるものが好ましい。
また、Uが式(2b)で示される基である場合、A2がエチレン又はトリメチレンであり、且つ、R4が水素、メチル又はエチルであるものが好ましい。
Z1、Z2、Z3としては、好ましくは−CH=CH2、−CH2CH2Cl又は−CH2CH2OSO3H等が挙げられ、−CH=CH2及び−CH2CH2OSO3Hが特に好ましい。
X1及びX2としては、3−又は4−カルボキシピリジニオが好ましく、フルオロやクロロが特に好ましい。
R8で表されるアルキルの具体例としては、R1やR2において例示したものと同様のものを挙げることができる。この置換されてもよいアルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、2−ヒドロキシエチル、2−スルホエチル、2−メトキシエチル、2−カルボキシエチルや2−シアノエチルが好ましい。
先ず、ビスアゾ化合物(1)のうち、X1及びX2がクロロ又はフルオロであるものは、例えば、遊離酸の形が下式(5)
[式中、Tは前記の意味を有する。]
で示される化合物と下式(6)
で示されるジアミン化合物を、2,4,6−トリハロゲノ−s−トリアジンと公知の方法に準じて縮合させることにより、下式(7)
を得ることができる。
H−U (8)
[式中、Uは前記の意味を有する。]
で示される化合物及び下式(9)
で示されるジアミン化合物を、2,4,6−トリハロゲノ−s−トリアジンと公知の方法に準じて縮合させることにより、下式(10)
を得ることができる。
を得ることができる。
先ず、遊離酸の形が上式(6)と(8)で示される化合物を、2,4,6−トリハロゲノ−s−トリアジンと公知の方法に準じて縮合させることにより下式(13)
で示される化合物を得る。
の化合物を得る。
の化合物を得ることができる。
上式(11)で示される1−アミノ−8−ナフトール化合物としては、H酸及びK酸が好ましく、H酸が特に好ましい。
再生セルロース繊維材料としては、例えばレーヨン、ポリノジック、キュプラ繊維、及び商品名「テンセル」、「タフセル」、「モダール」、「セルティマ」等を挙げることができる。
天然又は合成ポリアミド繊維材料として、具体的には、羊毛、その他の動物毛、絹、ポリアミド−6,6、ポリアミド−6、ポリアミド−11、ポリアミド−4等を挙げることができる。
また、これらを含有する混紡材料としては、これらの繊維材料の混紡材料の他、これらの繊維材料と、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維との混紡材料等も例示することができる。
具体的には、例えば、上述の繊維材料上に、吸尽染色法、コールドバッチアップ法、連続染色法、捺染法等の方法により染色又は捺染する方法を挙げることができる。
例えばセルロース繊維材料上に吸尽染色する場合、炭酸ソーダ、第三燐酸ソーダ、重炭酸ソーダ、苛性ソーダのような酸結合剤の存在下、必要に応じて、芒硝や食塩等の中性塩を加え、さらに必要に応じて、溶解助剤、浸透剤又は均染剤等を併用し、30〜100℃程度の温度で染色する方法等が例示される。ここで酸結合剤、中性塩等の添加は、一度に行ってもよく、又常法により分割して行ってもよい。
セルロース繊維上にコールドバッチアップ法で染色する場合においては、芒硝や食塩等の中性塩、及び、苛性ソーダやケイ酸ソーダ等の酸結合剤を用いてパジング後、密閉包装材料中に一定温度で放置して処理する方法等が例示される。
セルロース繊維上に連続染色法で染色する場合においては、炭酸ソーダや重炭酸ソーダ等の酸結合剤の存在下、公知の方法で室温又は高められた温度でパジング後、スチーミング又は乾熱により処理する一相パジング法や、本発明の化合物が溶解されているパジング液に繊維を浸漬後、芒硝や食塩等の中性塩、及び、苛性ソーダやケイ酸ソーダ等の酸結合剤をパジングし、スチーミング又は乾熱することにより処理する二相パジング法等が例示される。
ここで、捺染ペーストには、例えばアルギン酸ソーダや澱粉エーテル等の糊剤及び/又は乳化剤を含んでいてもよく、また必要に応じて、例えば尿素等の捺染助剤及び/又は分散剤を含んでいてもよい。
塩化シアヌル3.69部と1−アミノベンゼン−4−β−スルファートエチルスルホン5.63部を水性媒体中で常法により、pH2〜6,温度−5℃〜20℃で縮合させ、次に、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸3.76部を、pH3〜7、10℃〜40℃で縮合させることにより、下式(17)の化合物を得た。
別途、式(18)の化合物を常法によりジアゾ化し、該ジアゾ化物を上記カップリング生成物とpH4〜8、0℃〜30℃でカップリング反応させ、次いで、得られた生成物を常法により塩析又は蒸発乾燥し、遊離酸の形で、下式(19)で示される化合物を得た。
塩化シアヌル3.69部と1−アミノベンゼン−4−β−スルファートエチルスルホン5.63部を水性媒体中で常法により、pH2〜6,温度−5℃〜20℃で縮合させ、次に、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸3.76部を、pH3〜7、10℃〜40℃で縮合させることにより、上式(17)の化合物を得た。
別途、上式(20)の化合物を常法によりジアゾ化し、該ジアゾ化物を上記カップリング生成物とpH4〜8、0℃〜30℃でカップリング反応させ、次いで、得られた生成物を常法により塩析又は蒸発乾燥し、遊離酸の形で下式(21)で示される化合物を得た。
塩化シアヌル3.69部と1−アミノベンゼン−4−β−スルファートエチルスルホン5.63部を水性媒体中で常法により、pH2〜6,温度−5℃〜20℃で縮合させ、次に、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸3.76部を、pH3〜7、10℃〜40℃で縮合させることにより、上式(17)の化合物を得た。
別途、式(22)の化合物を常法によりジアゾ化し、該ジアゾ化物を上記カップリング生成物とpH4〜8、0℃〜30℃でカップリング反応させ、次いで、得られた生成物を常法により塩析又は蒸発乾燥し、遊離酸の形で下式(23)で示される化合物を得た。
上式(17)の化合物の代わりに下表1における第4欄の化合物を、1−アミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸の代わりに同表の第3欄の化合物を、上式(20)の化合物の代わりに同表の第2欄の化合物を各々用いる以外は、実施例1と同様の方法で合成すると、各々、対応するビスアゾ化合物を得ることができる。
参考例1と同様にして上式(17)及び(18)の化合物を合成し、化合物(18)を常法によりジアゾ化し、得られたジアゾ化物を1−アミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸6.39部と、pH1〜3.5、0℃〜30℃でカップリングさせる。
別途、上式(17)の化合物を常法によりジアゾ化して、ジアゾ化合物を得た。このジアゾ化合物と上記で得たカップリング反応生成物とを、pH4〜8、0℃〜30℃でカップリング反応させる。得られる生成物を塩析又は蒸発乾燥すると、遊離酸の形が、下式(24)で示されるビスアゾ化合物が得られる。
上式(17)の化合物の代わりに下表2における第2欄の化合物を、1−アミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸の代わりに同表の第3欄の化合物を、上式(18)の化合物の代わりに同表の第4欄の化合物を各々用いる以外は、参考例3と同様の方法で合成すると、各々、対応するビスアゾ化合物が得られる。
参考例1と同様にして上式(19)の化合物を合成し、これに3−カルボキシピリジン4.92部をpH2〜4、40℃〜100℃で縮合させる。得られる生成物を塩析又は蒸発乾燥すると、遊離酸の形が、下式(25)で示される化合物が得られる。
上式(19)の化合物の代わりに下表3における第2欄の化合物を、3−カルボキシピリジニンの代わりに同表の第3欄の化合物を各々用いる以外は、参考例4と同様の方法で合成する。各々、対応するビスアゾ化合物が得られる。
実施例1で得た化合物0.3部を各々200部の水に溶解し、芒硝20部を加え、さらに木綿10部を加えて60℃に昇温する。60℃で30分保温後、炭酸ソーダ4部を加え、同温度で1時間染色し、次いで水洗いとソーピングを行った。水洗い時とソーピング時のウォッシュオフ性は良好であり、染色排水の着色量は僅かであった。得られた染色物は、均一で、濃い紺色であった。また、得られた染色物の諸堅牢度(耐塩素性、耐光性、耐汗性、耐汗日光性、耐酸加水分解性、耐アルカリ性、耐洗濯性や耐過酸化洗濯性)は、いずれも良好であった。
芒硝の使用量を20部から10部に変更する以外は染色例1と同様に染色を行う。得られる染色物は、各々、染色例1で得た染色物と同等の品質である。
芒硝の使用量を20部から4部に変更する以外は染色例1と同様に染色を行う。得られる染色物は、各々、染色例1で得た染色物と同等の品質である。
染色温度を60℃から70℃に変更する以外は染色例1〜3と同様に染色を行う。得られる染色物は、各々、染色例1〜3と同等の品質である。
染色温度を60℃から80℃に変更する以外は、染色例1〜3と同様に染色を行う。得られる染色物は、各々、染色例1〜3の染色物と同等の品質である。
各化合物0.3部を用いる代わりに、メチルナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合物のナトリウム塩(スルホン化度110%、平均重合度1.8)0.06部と各化合物0.3部の混合物を用いる以外は、染色例1〜5と同様に染色を行う。得られる染色物は、各々、染色例1〜5の染色物と同等の品質である。
実施例1で得られる各ビスアゾ化合物を用い、以下の組成をもつ色糊を作る。
化合物 5部
尿素 5部
アルギン酸ソーダ(5%)元糊 50部
熱湯 25部
重曹 2部
バランス(水) 13部
Claims (9)
- 下式(1)で示されるビスアゾ化合物又はその塩。
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルコキシ、ハロゲノ、カルボキシ及びスルホから選ばれる置換基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルキル又は水素を表し、Uは下式(2a)、(2b)又は(2c)で示される基を表す。
{ここで、R3は水素原子又はヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルコキシ、ハロゲノ、カルボキシ及びスルホから選ばれる置換基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルキルを表す。R4及びR5はR3と同義であるか又はフェニルを表す。A1は炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、スルホ及びハロゲノから選ばれる1又は2個の置換基で置換されてもよいフェニレン又は置換されてもよいナフチレンを表す。A2は炭素数1〜4のアルキル、ハロゲノ、ヒドロキシ、スルホ、シアノ及び炭素数1〜4のアルコキシから選ばれる置換基で置換されてもよい炭素数2〜4のアルキレンを表す。Q1は−O−、−S−又は−NR6−を表す。
R6は水素原子を表すか、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルコキシ、ハロゲノ、カルボキシ及びスルホから選ばれる置換基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルキルを表すか、又はスルホで置換されてもよいフェニルを表す。
r及びsはそれぞれ独立に2、3又は4を表し、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立に下式(3a)又は(3b)で示される繊維反応性基を表す。
(式中、Y1及びY2はそれぞれ独立に−CH=CH2又は−CH2CH2Lを表す。Lはアルカリの作用で脱離する基である。R7は水素又は炭素数1〜4のアルキルを表し、mは1〜6の整数である。)
X1及びX2はそれぞれ独立にフルオロ、クロロ又は置換されていてもよいピリジニオであり、Tは下式(4a)で示される非繊維反応性基を表す。
(4a)
{式中、R8は水素又は置換されていてもよいアルキルを表し、R9はシアノを表す。}
但し、[ ]内に示した2つの*印は、一方は−Uとの結合であり、他方は−Tとの結合を表す。] - R1及びR2が、水素である請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
- X1及びX2が、それぞれ独立に、フルオロ又はクロロである請求項1〜3のいずれかに記載の化合物又はその塩。
- X1及びX2が、置換されていてもよいピリジニオである請求項1〜3のいずれかに記載の化合物又はその塩。
- Uが、式(2a)又は(2b)で示される基である請求項1〜5のいずれかに記載の化合物又はその塩。
- Z1及びZ2が、式(3a)で示される基である請求項6に記載の化合物又はその塩。
- Tが、式(4a)で示される基であり、R8が水素である請求項1〜7のいずれかに記載の化合物又はその塩。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物又はその塩を用いることを特徴とする繊維材料の染色又は捺染方法。
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