JP2006109688A - 多相直列多重電力変換装置のpwm制御方法 - Google Patents

多相直列多重電力変換装置のpwm制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多相直列多重電力変換器の搬送波位相を変更/選択する機能をもたせたPWM制御において、デッドタイムの影響による量子化された線間電圧の電圧変化に2レベル以上となる電圧変化が発生しないようする。
【解決手段】指令電圧から判別する領域とレベルを定義する。CPS方式においては、領域が切り替わる時に90度ずらしたキャリア信号か、原キャリア信号かを2レベル以上となる電圧変化が起こらないように選択することになるので、キャリア信号の位相切り替え前と、切り替え後のゲート信号状態からゲート信号のレベル変化を判別し、テーブルでキャリア信号の位相切り替え対象を決定し、キャリア信号の位相切り替えは、ゲート信号にレベル変化を起こさせないよう、相ごとに各ユニットインバータ内に対角に配置される素子毎に適用するキャリア信号を選択して位相切り替えをする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体式単相インバータを複数個直列接続して各相をそれぞれ構成した多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法に関する。
インバータ(直流から交流に電力変換する機器)には種々の回路方式があるが、その中でも高電圧に対応する多相交流電圧を出力するインバータには、1組の単相ブリッジ回路で構成されるインバータ(以後ユニットインバータ)を直列に複数台接続して一相を構成し、前記の単相直列多重インバータの位相をずらして構成される多相直列多重インバータ方式がよく用いられる。
直列多重インバータの出力波形を制御するために、それぞれのユニットインバータ内のスイッチング素子にONまたはOFFを指示するゲートパルス信号を入力するが、ゲートパルス信号の生成には主にPWM(Pulse Width Modulation)制御方式が採用される。
3相直列多重インバータの構成例を図28に示す。この図では破線ブロックで示すユニットインバータを各相(U,V,W)につき3つ直列に接続している。各ユニットインバータには直流電圧源が接続されており、これを前記ユニットインバータで交流電圧に変換する。
4つのスイッチング素子で構成された各ユニットインバータにより直流電圧を単相交流電圧に変換するが、希望する電圧、周波数の正弦波交流電圧を得るためのスイッチング素子の制御にはPWM制御方式が用いられる。ゲートパルス信号は出力波形の基本波電圧に対応した電圧指令信号(以後、基本波電圧指令信号)と、三角波などのキャリア信号との振幅を比較し、その大小関係から生成される。
このときの基本波電圧指令信号とキャリア信号の構成には様々な方法があり、一般的なものとしてPS(Phase Shift)方式、PD(Phase Disposition)方式、VCD(Voltage Command Distribution)方式がある(例えば、特許文献1、非特許文献1、および特許文献2参照)。
また、VCD方式と異なり、電圧指令はそのままで、キャリア信号の配置を加工する方式がある(例えば、非特許文献2参照)。この方式は、基本的にはPD方式のように各段の位相を一致させているが、段ごとにスイッチングの順番を変えて利用率が均一となるようなキャリア信号の波形を生成している。VCD方式と同じく、線間電圧歪みの低減とユニット利用率均一化が実現できる。
特許第3316801号 電気学会論文誌D 121巻4号p476-p483 平成13年 電圧ダイレクトインバータのPWM制御法 特開2002−58257 D.Kang,Y.Lee,B.Suh,C.Chui and D.Hyum:貼ochAn improved carrirwave-based SVPWM method using phase voltage redundancies for generalized multilevel inverter topology能och,in proc.IEEE APEC'00,pp.542-548(2000)
上記の特許文献1および非特許文献1の第2章に、従来技術の説明とともにその問題点が開示されている。以下、それを改めて簡単に説明する。
(1)PS方式の問題点
図29はPS方式による直列3多重インバータの1相分の構成例である。また、図30はPS方式によるユニットインバータの出力電圧と相電圧波形を示し、図31には図29の回路のU相,V相電圧波形(Vu2,Vv2)とUV線間電圧波形(Vuv2)を示す。相電圧波形は+側(正側)に3レベル、−側(負側)に3レベルで0(零点)を含めて7レベル(3多重の場合)の電圧変化が現れる。また、線間電圧波形は13レベルの電圧変化が現れるが、この線間電圧波形には2レベル分の電圧変化をしているところが多く見られる。このような2レベル分となる大きな電圧変化はインバータの負荷となる誘導電動機の絶縁を劣化、及び破壊させる原因となるため好ましい制御方法ではない。このような2レベル分の電圧変化が起こる原因を以下に示す。
図32はPS方式による直列3多重PWMインバータの基本波電圧指令信号Vuと各ユニットインバータに与えるキャリア信号es4〜es6,−es4〜−es6、各ユニットインバータの出力電圧Vdc4〜Vdc6、及び相電圧Vp2を示している。キャリア信号の位相差がユニットインバータ間で60度であるため、ユニットインバータの出力電圧となる相電圧Vpの量子化波形パルス(以後、相電圧パルス)は60度間隔に現れ、その電圧の大きさは各ユニットインバータの出力波形を重ね合わせたものになる。2つもしくは3つのユニットインバータの出力が重なるときに、相電圧VP2の大きさが、1つのユニットインバータの出力ゲート信号Vdcの2倍または3倍になる。しかし、ユニットインバータの出力電圧の重なり方が相電圧VP2の大きさによって異なるため、相電圧の中心位相が相電圧VP2の大きさによって異なるという現象がおきる。
線間電圧波形VLは2相間の相電圧VP2の電圧レベル差で表される。そして、図33のように2相間の相電圧パルスの発生する位相によって線間電圧波形VLに現れるパルス波形も変わる。2相間の相電圧パルスの発生条件により、ユニットインバータの出力電圧の2レベル分の電圧変化がおきる。
PS方式ではU,V,W相それぞれに与える基本波電圧指令は異なるが、キャリア信号は同じのため、2多重以上のPWMインバータでは必ず相間で異なる位相を持った相電圧パルスの組み合わせができるため、出力線間電圧VLが個々のユニットインバータの出力電圧の2レベル分となる電圧変化が起こることを防ぐことはできない。
(2)PD方式の問題点
図34はPD方式による直列3多重PWMインバータの基本波電圧指令信号と各ユニットインバータに与えるキャリア信号、各ユニットインバータの出力電圧Vdc7〜Vdc9と相電圧Vp3を示し、図35はPD方式による直列3多重PWMインバータのU相、V相電圧波形(Vu3,Vv3)とUV線間電圧波形(Vuv3)である。
PS方式の場合と同じく相電圧波形は7レベル、線間電圧波形は13レベル現れる。PS方式とは異なり、ユニットインバータの出力電圧の2レベル分となる電圧変化をする相電圧パルスは現れていない。これは、PS方式では複数のユニットインバータの出力電圧の重ね合わせで作られていた相電圧VP2が、PD方式の相電圧VP3では常にひとつのユニットインバータによって作られ、その他のユニットインバータは一定電圧もしくはゼロを出力するため、キャリア信号に対する相電圧パルスの位相変化が起こらないからである。
図35をみると、ユニットインバータ間でスイッチング回数が極端に異なっていることが分かる。これは相電圧VP3のパルス波形を発生させるユニットインバータが常に一つであるために起こる。スイッチング回数が異なると、ユニットインバータごとの損失のバランスが崩れ、ユニットインバータの発熱や寿命などのバランスも大きく崩れてしまうため好ましくない。
(3)VCD方式の問題点
図36はVCD方式による直列3多重PWMインバータの基本波電圧指令信号と各ユニットインバータに与えるキャリア信号、各ユニットインバータの出力電圧(Vdc10〜Vdc12)と相電圧波形(VP4)を示し、図37はそのU,V相電圧波形(Vu4,Vv4)とUV線間電圧波形(Vuv4)である。このVCD方式は、前記のPD方式を基礎としてその問題点を修正したものである。PD方式での問題点であるスイッチングの集中を電圧指令の分配などによって解決しているが、基本波電圧指令信号を各ユニットインバータ毎に個別に計算し、かつスイッチング回数が最小となるようにキャリア信号の位相を考慮した配分パターンにすることを必要とし、PWM制御回路の構成が複雑になる。また、後述のデッドタイムの影響が考慮されていない。
(4)キャリア信号の配置を加工する方式(非特許文献2の方式)の問題点
VCD方式と同様に、理論的に高圧ダイレクトインバータに適した制御法であるといえるが、実際に制御を行うと、線間電圧のレベルが切り替わる時に、わずかながらサージ電圧が発生する場合がある。これは、単相インバータの上下アームの短絡保護のために設けているデッドタイムが影響している。実装する際は、上下アームがどちらもオフとなるデッドタイム期間が必要となるので、両方式をそのまま利用した場合はこの影響を避けられない。
前記の非特許文献2に示される線間電圧実測波形には、そのレベル切り替わり時点ではっきりと2段分のサージ電圧(2段変化)が発生している。線間電圧のパルスの立ち上がり、または立ち下がりの間隔が近接してほぼ連続的に発生する場合も、実際は疑似2段変化として考えられるため、十分なパルス間隔を保つ必要がある。
前記までにおける2段変化の問題を解決する方法を、本願出願人は、既に提案している(例えば、特願2004−85925)。この方法は、図38に回路構成例を示すように、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御する多相直列多重電力変換装置において、多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれが発生したとき、基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替える方法、または基準相と他相との基本波電圧指令信号に位相ずれが発生したとき、基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替える方法としている。
この方法は、インバータのスイッチング動作にデッドタイムがない理想的なスイッチングの時にのみ成立するもので、そのまま装置に適用した場合、キャリア信号の位相を変更する(90度ずらす)ときに、デッドタイムと負荷電流方向に依存した望まないパルス波形により、インバータ出力の線間電圧波形で2レベルの電圧変化(単相セルユニットインバータ交流電圧の2倍分の変化)を生じ、結果として高圧モータの絶縁劣化を早めるおそれがある。
このように、ある条件により瞬時的にキャリア信号の位相を変更/選択する方式(以後、CPS方式=搬送波位相選択方式(Carrier Phase Select Method)と呼ぶ)を実際の装置に用いる場合は、デッドタイムの影響をなくす必要がある。
参考までに、図39にデッドタイムを考慮しない場合の実測波形を示す。図36のシミュレーション波形と異なり、負荷電流やデッドタイム期間に依存して、所々(図中丸印)で2レベルの電圧変化を生じてしまっていることが分かる。
本発明の目的は、多相直列多重電力変換器の搬送波位相を変更/選択する機能をもたせたPWM制御において、デッドタイムの影響による量子化された線間電圧の電圧変化に2レベル以上の電圧変化が発生しないようにしつつ、且つ全てのユニットインバータの利用率の均一化を実現する多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法を提供することにある。
前記の課題を解決するための本発明は、以下の方法を特徴とする。
(1)複数の単相直列多重インバータを出力波形が平衡になる位相差で各々を接続することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御し、多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との相電圧パルスの中心位相にずれが発生したとき、基準相の相電圧パルスの中心位相と他相の相電圧パルスの中心位相とが同位相となるようにキャリア信号の位相を切り替えることで、量子化された線間電圧の電圧変化が1ステップあたり2レベル以上とならないようにした多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法において、
キャリア信号の位相切り替え前と切り替え後の相毎及び各ユニットインバータ内に対角に配置される素子毎のゲート信号状態から、位相切り替え前後のゲート信号のレベル変化が起こらないように、相毎及び各ユニットインバータ内に対角に配置される素子毎に適用するキャリア信号を選択して位相切り替えをすることを特徴とする。
(2)前記ゲート信号状態をテーブル化して、位相切り替え前後のゲート信号のレベル変化を判別し、相毎及び各ユニットインバータ内に対角に配置される素子毎にレベル変化が起こらないキャア信号を前記テーブルから選択して位相切り替えすることを特徴とする。
(3)前記選択されたキャリア信号ステートとなるフラグを制御するロジック回路で位相切り替えすることを特徴とする。
(4)基本波電圧指令信号の任意の周期毎に、各相分の原キャリア信号と前記原キャリア信号から90度進みまたは遅れとなる位相のキャリア信号とを入れ替えてユニットインバータ間のスイッチングバランスのばらつきを防ぐようにして位相切り替えすることを特徴とする。
(5)位相切り替え前のキャリア信号位相、位相切り替え前のキャリア信号瞬時値、キャリア信号のアップダウン状態および基本波電圧指令信号が存在する電圧領域のレベルから、位相切り替えするキャリア信号を一意に選択することを特徴とする。
(6)線間電圧を形成する任意の相電圧のうち、一方の相電圧のレベルおよび基本波電圧指令信号の電圧領域から、他方の一時的な相電圧のレベル変化が出力されても量子化された線間電圧の電圧変化が1ステップあたり2レベル以上とならない場合には各ユニットインバータのゲート信号をそのまま出力し、1ステップあたり2レベル以上となる場合には負荷電流極性との兼ね合いで前記各ユニットインバータのゲート信号がレベル変化しても、デッドタイムの影響を受けなかったユニットインバータの位相切り替え前のゲート信号状態を、デッドタイムに相当する期間もしくはそれを少し超える期間分だけ保持して出力することを特徴とする。
(7)基本波電圧指令信号の電圧領域の境界近傍で、且つ複数あるキャリア信号が交差する時間軸近傍に位相切り替え禁止帯を設定し、相電圧を形成する各ユニットインバータの出力パルスの幅がデッドタイム期間より短い場合は位相切り替えを行わないことで、電圧領域の境界近傍で起こりうるキャリア信号の多数回切り替えを防止したことを特徴とする。
(8)前記PWM制御回路は、各ユニットインバータに分散する構成、またはワンボードに一括して全ユニットを制御する構成としたことを特徴とする。
(9)複数の単相直列多重インバータを出力波形が平衡になる位相差で各々を接続することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御し、多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との相電圧パルスの中心位相にずれが発生したとき、基準相の相電圧パルスの中心位相と他相の相電圧パルスの中心位相とが同位相となるようにキャリア信号の位相を切り替えることで、量子化された線間電圧の電圧変化が1ステップあたり2レベル以上とならないようにした多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法において、
基本波電圧指令信号の電圧領域移行時に、相毎の各ユニットインバータ内に対角に配置される素子の全ゲート信号状態がレベル変化しない条件を、各キャリア信号の瞬時値と基本波電圧指令信号の瞬時値における大小比較の条件から選択し、前記条件に一致するキャリア信号位相ΔPh、
ΔPh=(90+180*シフト回数N)/直列多重数M[deg]
ただし、0≦N≦(2M−1)
となるシフト回数Nを相毎及び各ユニットインバータ内に対角に配置される素子毎に適用するキャリア信号を選択する位相切り替えを特徴とする。
(10)前記キャリア信号位相ΔPhを(90°/直列多重数M)として、位相の進み/遅れのみを選択することを特徴とする。
(11)基準線間隔における任意のキャリア信号と電圧領域の境界となるレベルで区切られるエリアを定義し、位相切り替え前後の前記エリアの移行によるレベル変化と、位相切り替え後の位相切り替え方向をテーブル化して、相毎及び各ユニットインバータ内に対角に配置される素子毎に適用するキャリア信号を選択する位相切り替えを特徴とする。
(12)位相切り替え前後のエリア移行の変化方向及び前記エリア移行がキャリア信号下頂点の右側または左側であるかを検出し、前記検出に基づきフラグを制御するロジック回路で位相切り替えすることを特徴とする。
(13)量子化された基本波電圧指令信号の更新タイミングをキャリア信号の振幅の中点となる位置に設定し、前記更新タイミングで更新する電圧変化を1ステップあたり1/2レベルとすることを特徴とする。
(14)電圧領域の境界となるレベルの上下近傍にキャリア信号の位相切り替え禁止帯を設定し、各相毎に基本波電圧指令信号を強制的に前記禁止帯の外側となる電圧補正することを特徴とする。
(15)前記基本波電圧指令信号が禁止帯に入った時のゲート信号状態をラッチして、禁止帯に入っている間はそのラッチ状態を維持し、ゲート信号がレベル変化しないことを特徴とする。
(16)電圧領域の境界となるレベルの上下近傍にキャリア信号の位相切り替え禁止帯を設定し、基本波電圧指令信号が禁止帯に入った時のゲート信号状態をラッチして、禁止帯に入っている間はそのラッチ状態を維持し、ゲート信号がレベル変化しないことを特徴とする。
(17)電圧領域の境界となるレベルの上下近傍にキャリア信号の位相切り替え禁止帯を設定し、基本波電圧指令信号が禁止帯に入った時に禁止帯の外側となる電圧補正を行い、この補正した電圧分を他の基本波電圧指令信号に加えることを特徴とする。
(18)量子化された基本波電圧指令信号の更新タイミングで更新する電圧変化のステップ幅を、キャリア信号の波形変化率と同じ変化率としたことを特徴とする。
(19)前記電圧補正の変化分の最大値を基にキャリア信号の最小周波数を決定することを特徴とする。
(20)基本波電圧指令の更新タイミングをキャリア信号及び禁止帯域幅から決まる更新タイミングに限定することを特徴とする。
(21)最大領域または最小領域のキャリア信号の頂点部分に基本波電圧指令信号がこないように、最大領域又は最小領域から禁止帯幅だけ減算または加算したリミッタ値に基本波電圧指令信号を制限することを特徴とする。
(22)基本波電圧指令信号のキャリア頂点部分をリミットしておき、このリミット処理で出なくなった電圧分を余り値として保持し、次回の電圧信号指令値に加算することを特徴とする。
(23)基本波電圧指令信号の更新タイミングをキャリア信号の1周期に1回とすることを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、多相直列多重電力変換器の搬送波位相を変更/選択する機能をもたせたPWM制御において、デッドタイムの影響による量子化された線間電圧の電圧変化が1ステップあたり2レベル以上となることを防止できる。具体的には、
実施形態1では、キャリア信号の位相切り替え時の一切のゲート信号にレベル変化をなくすようなキャリア信号を選択してデッドタイムによる線間電圧の2レベル以上の電圧変化の問題を解決できる。また、ある程度のキャリア信号の位相切り替え機能を持つため、スイッチングのバランス化が図れる。これにより、ユニット内のIGBTの耐久性等のアンバランス化を防止できる。
実施形態2では、実施形態1に加えて更に定期的に位相の異なるキャリア信号を入れ替えることにより、各相間、各ユニットインバータ間のスイッチングアンバランス化を防止できる。
実施形態3では、仮ゲート信号を生成する実施形態1を改良し、仮ゲートを生成することなくキャリア信号のカウントアップ/ダウンの状態、キャリア信号の瞬時値、指令値の瞬時値、キャリア信号位相切り替えの状態(0or1)の条件から直接最終的なゲート信号を生成する方式であるので、より高速な演算時間で実現でき、FPGA等のロジックエレメントの消費も軽減できる。
実施形態4では、デッドタイムの影響によるパルスが発生しても、線間電圧としては2レベル以上となる電圧変化の問題が発生しないように負荷電流などの条件から判断して制御することができる。また、実施形態1,3と異なり、デッドタイムの影響によるパルスがあっても2レベル以上となる電圧変化は発生しない。
実施形態5では、電圧領域の境界でのレベル変化が激しいような制御を行った場合に、キャリア信号位相切り替えの回数を低減することで、2レベル以上となる電圧変化の発生を防止できる。
実施形態6では、制御回路構成をワンボードにて全ユニット一括に行う場合と、各セルユニットで個別に制御し、同期を取ることができる。
実施形態7では、デッドタイムの影響を受けないように、電圧領域の移行前後でゲート信号にレベル変化を生じないように、キャリア信号群の位相切り替え回数を制御する。これにより、常にゲート信号のレベル変化がない領域移行を行うことができる。
実施形態8では、実施形態7の効果に加え、キャリア信号の位相を電圧領域が移行するたびに、90°/直列多重数Mの進みか遅れに位相切り替え方向を決定することで、ゲート信号のレベル変化がない電圧領域移行を決定する。これにより、実施形態7よりも簡単に位相切り替えすべきキャリア信号の位相を選択できる。
実施形態9では、実施形態7,8の効果に加え、予めキャリア信号群を位相切り替えすべき方向とエリアの移行によるレベル変化をテーブルで定義しておき、さらに簡単で高速な位相選択処理を行える。
実施形態10では、実施形態9で定義したエリアの移行において、禁止すべきエリアの移行を完全にするために、ステップ幅制限と基本波電圧指令更新タイミングを決めて、デッドタイムの影響のない安定したエリア移行を実現できる。
実施形態11では、実施形態10のステップ幅制限や更新タイミングに拘束されることなく基本波電圧指令信号のエリア移行を行うために、ステップ幅に変化率制限を加えて、実施形態9で定義したデッドタイムの影響を受けないエリア移行を実施する。これにより、基本波電圧指令信号の変化率をキャリア信号の傾き以下に制限すれば、基本波電圧指令信号の更新タイミングとステップ幅の電圧変化はより自由に設定でき、きめ細かい制御が実現できる。
実施形態12では、電圧領域の境界となるレベル近傍における極小幅のパルスの発生を防止し、結果としてデッドタイム遅延による悪影響を防止する。本実施形態では、極小パルス幅となる場合に幅を広げる制御を行う。
実施形態13では、実施形態12と異なり、極小パルス幅自体を消滅させる。これにより、電圧領域の境界となるレベル近傍における極小パルスのスイッチングをなくし、スイッチング回数を減らすことができる。
実施形態14では、実施形態12,13では、相電圧単位で極小パルス幅の制御を行うため、厳密に考えると三相の線間電圧平均値バランスを崩すことになる。このバランスを崩さないように、本実施形態では三相すべてに同じ零相電圧を加えて禁止帯を回避する。これにより、三相の平均値バランスを崩すことなく極小パルスを防止することができる。
実施形態15では、実施形態14の効果に加え、実施形態11の基本波電圧指令信号の変化率制限を加える。この際、基本波電圧指令信号が禁止帯内を通過することになるが、禁止帯内の基本波電圧指令信号の変化率をキャリア信号の傾きと常に一致させることにより、極小パルスの発生を防止することができる。
実施形態16では、線間電圧の疑似2段変化の問題を明確に定義し、パルスの立ち上がり/立ち下がりの最小間隔を決定する手法である。これにより、疑似2段変化についても防止することができる。
実施形態17では、実施形態14を用いた場合のスイッチング周波数の最小化を決定できる。
実施形態18では、任意の基本キャリア信号1本のみを位相選択し、キャリア信号を比較する直前でそのほかの位相のキャリア信号群を作成することにより、位相選択中の制御を明確・簡単化できる。
実施形態19では、基本波電圧指令信号の変化率制限をかけている場合に、基本波電圧指令の更新タイミングをキャリア信号及び禁止帯域幅から決まる更新タイミングに限定することで、2段変化を防止できる。
実施形態20では、実施形態19において、基本波電圧指令信号が最大領域または最小領域のキャリア頂点部分に該電圧指令信号をリミッタにより制限することで2段変化を防止できる。
実施形態21では、実施形態20において、基本波電圧指令信号のキャリア頂点部分をリミットしておき、このリミット処理で出なくなった電圧分を余り値として保持し、次回の電圧信号指令値に加算することで、2段変化を防止し、しかも電圧指令値の平均としてはバランスさせることができる。
実施形態22では、実施形態19〜21において、基本波電圧指令信号の更新タイミングをキャリア信号の1周期に1回とすることで、電圧アンバランスを防止することができる。
多重インバータをPS方式でPWM制御すると、その相電圧パルスの発生するタイミングはキャリア信号に依存する。図32の3多重インバータの場合を例とすると、電圧指令が0<Vmax/3、若しくは2Vmax/3<Vmaxの時、発生パルスの中心が一段目のインバータに入れるキャリア信号(es1)を規準とした場合そのキャリア信号の位相の0度、60度、120度のところに現れる(キャリア信号の半周期分で)。 電圧指令がVmax/3<2Vmax/3の場合、発生パルスの中心はキャリア信号の位相が30度、90度、150度のところに現れる。これは、電圧レベルに応じてパルスが90度ずれて現れているといえる(0度→90度、60度→150度…)。
次に、入力するキャリア信号自体の位相を元のキャリア信号と90度ずらしてみる(es1’、es2’,es3’、−es1’、−es2’、−es3’)と、その発生パルスの中心の位相は各電圧指令のレベルでそれぞれ同じ90度ずれて現れる。すなわち、電圧指令が0<Vmax/3、若し<は2Vmax/3<Vmaxの時、キャリア信号(es1)を規準とした場合、そのキャリア信号の位相が30度、90度、150度のところに現れる。電圧指令がVmax/3<2Vmax/3の場合、発生パルスの中心はキャリア信号の位相が0度、60度、120度のところに現れる。
キャリア信号の位相を90度ずらして入力してやると、基準キャリア信号es1に対するパルスの位相も90度ずれることを利用して線間電圧の2レベル変化を抑えることができる。
上記方式は、従来の問題点で述べたようにキャリア信号を90度ずらす際に理想スイッチングすることを前提とした方式であるため、実際にはデッドタイム期間にロジックが崩れる。この問題点を解消するいくつかの実施形態を以下に説明する。なお、すべての実施形態において、図28のような単相ユニットインバータセルの3多重三相インバータを例として考える。
(実施形態1)
3多重の場合、出力される相電圧のレベル数は7となる。今、指令電圧から判別する電圧領域とレベルを図1のように定義する。CPS方式においては、電圧領域が切り替わる時に90度ずらしたキャリア信号か、原キャリア信号かを2レベル以上となる電圧変化が起こらないように選択することになるので、level1〜6をクロスするたびに位相切り替え指令が入ることと等しい。特願2004−85925の方式であると、位相切り替え指令が入ったとき、指令電圧と比較する対象のキャリア信号が1相で3段分、つまり6レベル分切り替わることになり、その切り替わり方はその時の指令電圧のデューティ比(大きさ)と指令電圧周波数/位相に依存し、非同期PWMでは特に一意に定まることはない。このことは同じ相電圧出力レベルでも各段の出力の仕方は異なることを意味する。
例:U相のみに着目し、領域4→5に切り替わるlevel4に注目すると、例えばインバータの1段目出力1、2段目出力0、3段目出力0で相電圧出力1を作っている状態からインバータの1段目0、2段目1、3段目0で同じ相電圧出力1を保つ場合、相電圧レベルに変化はないが、各段の出力となるユニットインバータ(つまりゲート信号レベル)には、このように複数の組み合わせが存在する。
キャリア信号を位相切り替えしたとき、各ユニットインバータの複数のゲート信号が同時にオンオフ動作を行うことになるので、本当の意味でオンオフが同時に起きないと、出力される相電圧レベルに変化を生じることになる。しかしながら、実機では短絡保護のためデッドタイムが必須となるため、同時にオンオフすることはあり得ない。これを回避する手段として、位相切り替え時は一切のゲート信号にレベル変化を起こさせないよう、相ごとに各段のユニットインバータ内に対角に配置される素子に適用するキャリア信号を選択して位相切り替えする方式を適用する。
<デッドタイムを考慮したCPS方式>
1段目のIGBT1のゲート信号をG11といったようにゲート信号名を定義すると、3多重の場合にはG11,G14,G21,G24,G31,G34の6つのゲートに注目してローテーション条件を定義すればよい。通常のCPS方式で制御した場合の6つのゲート信号レベルの状態変化を予め考えてテーブル化すると、全部で64通りとなる(実際にあり得ないパターンも含む)。この64通りのゲート状態から、キャリア信号の位相切り替えのとき、どのゲート信号状態に移るかをテーブルで判別する。判別した仮の位相となるステート結果から、実際に選択すべきキャリア信号を決定し、ゲート信号にレベル変化を生じずに相電圧出力レベルを一定に保つ。表1にゲート信号状態の組み合わせのテーブルを示す。
Figure 2006109688
表中、灰色(背景が半透明)の部分は、キャリア信号の位相切り替え時にはあり得ないステートである。キャリア信号の位相切り替え(表中のステート移行)は、同じ相電圧レベル内での変化にとどまるので、それぞれのレベルで、さらにステート移行のパターンを考えればよい。換言すれば、電圧領域のレベル変化時以外で位相切り替え指令が入った場合は成立しないという前提条件である。
例えば、キャリア信号位相切り替え時に、表1中のstate1→state2に移行するような変化を仮判別したとする。このとき、実際のゲート信号生成時にG31,G34で使用しているキャリア信号だけを交換(位相切り替え)してやれば、state1のゲート信号状態のままキャリア信号位相切り替えを完了することが出来る。これにより、デッドタイムの影響自体をなくすことが可能となる。他のステートについても同様に、位相切り替えすべきキャリア信号を各ステート移行パターンにおいてテーブル化すると、結果として20通り前後のパターンに集約することが出来る。この方式で実装した場合の線間電圧出力波形を図2に示す。図39のような2レベル以上となる電圧変化は生じず、所望の波形が得られる事が分かる。
また、この方式は選択するキャリア信号が条件によって位相切り替えするので、ある程度のキャリア信号の分散効果(各相、段におけるIGBTスイッチング回数のばらつき防止)も期待できる。
(実施形態2)
上記、実施形態1の方式においても、ある程度のキャリア信号の位相切り替えによるスイッチングバランスのばらつき防止を有するが、本実施形態では、さらに相電圧指令波形(基本波電圧指令信号波形)の任意の周期毎(例えば、1周期または零クロス毎)に各相分(6つ)の原キャリア信号と、この原キャリア信号から90度進みまたは遅れとなる位相のキャリア信号に入れ替える。実施形態1の位相切り替え機能に加え、さらなる相間スイッチングバランスの平均化を実現できる。
このキャリア信号の位相切り替え時にも、実施形態1で述べたゲート信号のレベル変化の問題が発生するので、同様の手法でゲート信号のレベル変化をなくし、デッドタイムの影響が及ばないようになる。
(実施形態3)
実施形態1は、表1のステート移行(キャリア信号の位相切り替え)の前後(キャリア信号位相切り替え前と、キャリア信号位相切り替え後の仮ステート)のゲート状態から位相切り替えするステートを判別し、テーブルで位相切り替え対象を決定している。本実施形態では位相切り替え前後のゲート信号状態まで計算することなく、ステート移行前のキャリア信号位相切り替え指令の状態(原キャリア信号か90度遅延キャリア信号か)、位相切り替え前のキャリア信号の瞬時値、キャリアカウント(キャリア信号のアップ時とダウン時のカウント値)のアップダウン状態および基本波電圧指令信号が存在する電圧領域のレベルから、実際に位相切り替えするキャリア信号を一意に選択する。
本実施形態では、キャリア信号位相切り替え指令状態および現在のキャリア信号の瞬時値とカウント状態より、位相切り替え後のキャリア信号の瞬時値も決定される(キャリア信号位相切り替えの位相変化幅は必ず0度か90度である)ので、仮ゲート信号を生成した場合の状態変化が、実際に生成することがないことが分かる。したがって、位相切り替えの対象となるキャリア信号の組み合わせが分かるので、仮ゲート出力を必要とすることなく位相切り替えが実現できる。このことは、キャリア信号の位相切り替え演算時間の短縮やハード実装時の回路規模節約に繋がる。
(実施形態4)
実施形態1〜3までは、相電圧の電圧値領域のレベル変化とキャリア信号位相切り替えのタイミングが同じ場合を前提としてキャリア信号を入れ替えることにより、ゲート出力の変化自体を無くしてデッドタイムの影響をなくす方式である。本実施形態では、位相切り替え指令時にゲート信号が変化してデッドタイムの影響を受けた場合でも線間電圧の2レベル以上となる電圧変化をなくす。
デッドタイムの影響は、その時の負荷電流の極性に依存するため、図28のような主回路の場合、負荷電流を各相で正確に検出する。検出した電流極性により、キャリア信号のキャリア信号位相切り替え時にユニットインバータの出力がデッドタイムの間だけ位相切り替え前の電圧値を維持するか、もしくは瞬時に新しい電圧値を出力できるかが決定される。もしここで、位相切り替え前の電圧値を維持してしまい、デッドタイムによる誤差分が生じてしまう場合であっても線間電圧波形に2レベル以上となる電圧変化の影響がでないように工夫する。
例えば、図3の位相切り替え時を考える。理想状態では、ユニットインバータ出力の2段目と3段目の出力が交互に変化し、相電圧出力としては電圧値を維持しようとする。しかし、実際の波形は負荷電流の極性とデッドタイムの影響により、例えば位相切り替え後の2段目の立ち上がりが遅れるような波形が現れたりする。これにより、相電圧出力で一時的に電圧値が変化する。この相電圧の一時的な電圧値変化が線間出力電圧に与える影響は、関わり合う他の相電圧との関係(例えばUV間なら、U相とV相の関係)によって決まる。
そこで、本実施形態では。相手の相電圧の電圧値および基本波電圧指令信号の電圧領域を把握し、この一時的な相電圧のレベル変化が出力されても量子化された線間電圧の電圧変化が1ステップあたり2レベル以上とならない場合にはユニットインバータのゲート信号をそのまま出力し、1ステップあたり2レベル以上となる場合には、図3のように、負荷電流極性との兼ね合いでユニットインバータのゲート信号の電圧レベルが変化してもデッドタイムの影響を受けなかった段(ここでは3段目)のユニットインバータの位相切り替え前(キャリア信号の位相切り替え前)の状態を、デッドタイムに相当する期間もしくはそれを少し超える期間分だけゲート信号をラッチ(保持)して出力する。
これにより、相電圧波形は相手の相電圧との兼ね合いで決定する線間電圧波形に2レベル以上となる電圧変化を生じないような方向でパルスを出力する(もしくは出力されない)ことができる。このようにして他の位相切り替え時においても、負荷電流とユニットインバータの出力変化の情報を用いてパターン化することにより。線間電圧波形で2レベル以上となる電圧変化をなくすことができる。
(実施形態5)
CPS方式におけるキャリア信号位相切り替え指令は、図1で定義した領域の切り替わりでチェンジすることになる。通常の電圧指令波形(例えばV/f制御で三次高調波加算した指令波形など)では、レベル領域が滑らかに切り替わるが、実際はV/f安定化制御、デッドタイム補償、直流安定化制御等が加わり、1周期内で領域変化を数多く発生するモードというのもあり得る。
その結果、キャリア信号位相切り替え指令も多く発生し、キャリア信号が高速に何度も切り替わることになる。実施形態1〜3のような方式では理論上問題ないはずであるが、回路に実装する場合は無駄にキャリア信号の位相切り換え回数を増やすことはノイズや誤動作防止の観点から避けておきたい場合もある。
そこで、本実施形態では、キャリア信号を切り替える基本波電圧指令信号の電圧領域の境界毎に、ある程度の位相切り替え禁止帯を設定しておき、2つのキャリア信号の交差する近傍の位相切り替え禁止帯内で、相電圧のパルス幅がデッドタイム期間より短い場合は相電圧の電圧変化を行わないことで、電圧領域の変化が多数回発生する電圧指令の入力に対して、位相切り替え禁止帯の設定によりキャリア信号の位相切り替えを少なくする。つまり、その電圧領域内で起こり得る高速な変化を無視して一定のパルス(そのレベルを出力するパルス)になるよう指令値を固定しておく。
(実施形態6)
本実施形態では上記の実施形態それぞれにおいての回路構成方法を2パターン挙げる。図4の制御ブロック例におけるキャリアフェイズセレクト制御部5までを一つのボード(CPU+FPGA)で構成し、三段三相分(単相インバータ9ユニット)の制御を一括して行う方法と、電圧指令のみ一括でCPU1から与えて、FPGA等で構成するキャリア信号生成部3、レベル領域判定部2、ローテーション制御部4、キャリアフェイズセレクト制御部5、デッドタイム生成部6等はすべて各ユニットインバータに分散して制御する手法の2通りがある。
前者は、ワンボードですべてのユニットインバータの制御が一括して行える利点があるが、各ユニットに配分するゲート信号線が長い配線となり、ノイズ等が懸念される。後者は、制御部を分散するため、各ユニット間で厳密な同期を取る必要があり、制御・タイミング的に複雑となるが、ゲート信号のノイズ等の懸念は軽減される。
(実施形態7)
以上までの実施形態では、デッドタイムの影響を考慮して、線間電圧2レベル以上となる電圧変化が発生しないアルゴリズムを提案した。例えば、レベル切り替わり時のゲート信号の変化自体をなくし、切り替わりのデッドタイムの影響が出ないように位相切り替えをする。この手法で2レベル以上となる電圧変化をより完全に防止できるものの、多段化するに連れてテーブルデータが指数関数的に膨大となり、実装の都合を考えると3段直列あたりが限界であったと言える。
そこで、本実施形態では、前記までの方式でテーブル膨大化につながっていたローテーション機能を省略して、キャリア信号群の配列を固定にするものである。なお、キャリア信号群の配列の位相切り替えとは、例えば、carrier1→carrier2→carrier3の順で配置していたのを、carrier1→carrier3→carrier2といった感じで入れ替えることである。このキャリア信号群の配列の位相切り替えは制御性能上あまり意味が無く、無駄に判別条件とテーブルを増やしてしまう。
上記のように、本実施形態の大きな違いは、キャリア信号群の配列の固定による判別条件/テーブル削減である。本実施形態の場合、キャリア信号群の配列は、carrier11,carrier21,carrier31,carrier14,carrier24、carrier34の順で固定している。carrier11とは,単相インバータ1段目のスイッチ1用のキャリア信号の意味(図1参照)であり、carrier11とcarrier14は180°反転の関係である。その他のキャリア信号についても同様である。
本実施形態以降の実施形態を説明する前に、言葉の定義と重要な課題となる2レベル以上となる電圧変化の発生メカニズムとその防止条件を明確にしておく。図5は、3段直列多重の場合を例として電圧領域の境界となる「レベル」と「電圧領域」について示している。以後、3段直列を基本とする。各相の電圧指令は3次高調波加算済みのものを用いて、最大値を片側Duty1として、レベル領域を6つに区分している。
<2段変化発生メカニズムと2段変化防止〉
図6は、PD・PSの両方式について、任意の2つの電圧領域間で表したキャリア信号と電圧指令、および相電圧出力の例である。図のように、仮に電圧領域xのキャリア信号の頂点ごとに基準線を引いたとして、基準線間隔で相電圧パルスの位相がどのような型であるか(基準線中央が凸型か凹型か)を定義する。
PD方式(図6(a))の場合は、キャリア信号が全電圧領域で同位相のため、基準線内における「パルス位相の型」は基本波電圧指令信号が存在する電圧領域に関わらず常に凸型となっている。一方、PS方式(図6(b))の場合,領域xでは基準線内でV字キャリア信号なので凸型となるが、基本波電圧指令信号が領域yに移行した後は逆V字キャリア信号と比較することになり、凹型に変化する。
つまり、PS方式のキャリア信号波形を電圧領域毎に見た場合、V字と逆V字が繰り返されているので、電圧指令の領域変化に応じて相電圧パルスも交互に凹凸を繰り返す結果となる。
以上を踏まえ、図7に相電圧パルスの型と線間電圧の関係の例として、U相電圧とV相電圧およびU相一V相で形成されるUV線間電圧を示す。図中(a)、(b)のようにパルス中心位相が同じ凸型の場合は線間電圧が1段変化となるが、(c)のように凸型と凹型の組み合わせで、凸中央の幅と凹中央の幅が一致している状態では、線間電圧で2レベル以上となる電圧変化を生じる。また、(d)のように凹凸の幅が完全一致しなくとも似通った幅であれば疑似的な2レベル以上となる電圧変化(以下、「疑似2段変化」と呼ぶ)を生じる。したがって、パルス位相の型は線間電圧を形成する2相間で常に一致するようにしなければならない。PS方式では、レベル領域移行時に型が毎回入れ替わるが、相手の相電圧の型も同期して常に一致するとは限らないため、2レベル以上となる電圧変化を生じることになる。
次に、図7(e)の条件を見ると、相電圧は同じ凸型であるため、本来ならば2レベル以上となる電圧変化を発生しないモードである。しかし、凸部の幅の大小関係が2相間で切り替わるときに線間電圧のパルス連続立ち上がり/立ち下がり間隔が狭くなる場合がある。図7(e)の例では「U相凸幅」<「V相凸幅」から「U相凸幅」>「V相凸幅」に大小関係が切り替わるタイミングを示しているが、凸幅が最大近傍となる(電圧領域の境界となるレベル下側近傍でキャリア信号と電圧指令が交差する)場合を含んで入れ替わっているため、線間電圧で疑似2段変化に近い状態を生じている。
疑似2段変化となる連続パルス最小間隔と絶縁劣化の関係について明確な定義を決定することは難しいが、デッドタイムが数μs程度であることから、本実施形態では10μs程度の最小間隔を維持することで疑似2段変化防止条件を満たしているとする。
また、図7(f)、(g)、(h)は基本的にすべて凸型とし、基準線内の任意の場所でレベル領域移行による相電圧レベル変化を伴う過渡状態の例である。(f)は、U相電圧が凸の中央より左側で立ち上がり変化を起こした場合である。線間電圧を見ると、このモードでは2レベル以上となる電圧変化を生じないことがわかる。一方、(g)はU相電圧が凸の中央より右側で立ち上がり変化を起こした場合であるが、V相電圧の立ち下がりタイミングと一致した場合は特に線間電圧で2レベル以上となる電圧変化を生じている。(h)は凸の中央より左側の立ち下がりが問題になることを示している。すなわち、2相間でパルスの立ち上がりと立ち下がりタイミングが同時、もしくは近接する可能性自体をなくすことが2レベル以上となる電圧変化を完全に防止する条件となる。
なお、電圧指令自体が2レベル以上の電圧変化率を持つ場合は線間電圧の電圧変化も2レベル以上となることを付け加え、定常的な「2レベル以上となる電圧変化防止条件」としてまとめると、以下のように定義できる。
(1)相電圧パルス位相の型の一致
(2)凸幅最大近傍(電圧領域の境界となるレベル下側近傍でのキャリア信号と電圧指令の交差)の禁止
(3)相電圧パルスの凸中央より左側での立ち下がりおよび右側での立ち上がりの禁止
(4)キャリア信号の傾き以上の変化率となる電圧指令入力の禁止
上記の2段変化発生メカニズムと防止条件を踏まえて、搬送波位相選択方式(Carrier Phase Selection:CPS方式)の概要と実施形態を説明する。
<搬送波位相選択方式(Carrier Phase Selection:CPS方式)の概要>
図8に、搬送波位相選択方式のキャリア群配置例を示す。この方式は、PS方式を基本としており、本来のパルス位相の型が凹型となるレベル領域2,4,6の時は、基準線間隔の半分(3段直列の場合は30°)さらに右に位相切り替えしている。基準線間隔の半分の位相差を与えることにより、凹型→凸型の変換を可能としている。
ここで、図8のcarrier11とは、図28におけるユニットインバータ1段目のスイッチSw1で用いるキャリア信号を意味しており、各相共通である。carrier14は1段目のSw4,carrier21は2段目のSw1、…といった形で、レグ数分用意する。Sw2,Sw3のゲート信号はSw1,Sw4の反転値を用いるので、キャリア信号は不要となる。また、30°(90°/直列多重数M=3)位相差を持つキャリア信号群も予め作成しておき、電圧指令の存在するレベル領域に応じて原キャリア信号群と30°位相差を持つキャリア信号群とを瞬時に入れ替える制御を各相別々に行う。
図8は任意の相において、キャリア信号群入れ替え制御済みのキャリア信号配置を示していることになるが、CPS方式をレベル領域毎に見た場合の仮想のキャリア信号配置(以後、「仮想キャリア信号」と呼ぶ)は、PD方式と同じく全相全段全領域で位相が一致するため、理想的には2段変化を発生することがない。さらに、実際のキャリアは、PS方式のように等間隔に位相切り替えされたキャリア信号の配列を基本としているため、段順に均等なスイッチングが行われて、ユニットインバータ利用率の均一化も同時に可能となる。
また、図8では偶数レベル領域のキャリア信号群が30°(90°/直列多重数M=3)右位相切り替え状態で固定されているが、凹凸変換可能な位相差を維持していれば、位相切り替え位相や方向を流動的に選択してもかまわない。つまり、電圧指令が領域移行するたびに、(1)式のN(整数:位相切り替え回数)を決定してキャリア信号の位相ΔPhを選択すればよい。(M:段数)
Figure 2006109688
3段直列の場合は以下の式となる。
Figure 2006109688
この式に従って、レベル領域移行する時に位相切り替えする位相を決定すれば、2レベル以上となる電圧変化防止条件(1)を満たすことができる。
〈実施形態の説明〉
基本的には図8のようなキャリア信号を用いることにより、VCD方式や非特許文献2の方式と同様に、ユニット利用率均一化と線間電圧2レベル以上となる電圧変化防止を実現できるが、上述の通り、このままでは厳密にデッドタイムの影響を考慮していない。
実装してインバータを制御する際、上下アーム短絡防止のために必ずデッドタイム期間を設ける。デッドタイムが相電圧パルスに与える影響は、デッドタイム設定値、デバイスの特性、負荷電流極性等に依存するが、例えば図9のように、3段直列の場合で、電圧指令がレベル領域5から6に移行する時のデッドタイムの影響を考える。図中、gate11とは図28におけるユニットインバータ1段目のスイッチSw1用のゲート信号を意味しており、そのほかも同様である。
図9(a)は、領域移行後に左に30°(90°/直列多重数M=3)位相切り替え、(b)は右に30°位相切り替えした場合であり、理想的には同じ相電圧波形が得られる。しかし、両者を比較すると、(b)の場合は領域移行したときにgate11,gate21が入れ替わるようにゲート変化を伴っている。理想条件であれば相電圧に影響を与えないが、実際はゲート信号の立ち上がり等でデッドタイム期間を作成する。その結果、ユニットインバータの出力はそのときの負荷電流極性に応じて、立ち上がりもしくは立ち下がりで遅延を生じる。
図9(b)の例では、領域移行時に2段目ユニットインバータ出力の立ち上がりが遅れた場合を示している。立ち上がりが遅れた分、相電圧出力も1レベル低下し、結果として相電圧パルスの凸中央より左側で立ち下がり変化を引き起こし、2レベル以上となる電圧変化防止条件(3)を満たすことができない。一方、(a)の場合は領域移行したときにゲート信号にレベル変化がないため、(b)のようなデッドタイムの影響を受けることはない。
したがって、図9の領域移行条件では左に30°(90°/直列多重数M=3)位相切り替えするように制御すればよいことがわかる。つまり、図9の条件では(2)式のNに5を代入すれば良いことになる。
そこで、本実施形態では、各ユニットインバータの全ゲート信号の出力が変化しない条件を各キャリア信号の瞬時値と基本波電圧指令信号の瞬時値における大小比較の条件から選択し、電圧領域移行時に前記条件に一致するまで位相切り替えを繰り返す、つまり(2)式の位相切り替え回数N(3段直列ならば、Nは0,1,2,3,4,5のいずれか)を順に選択して、その条件に一致するまで位相切り替えを繰り返す。以下の表に示すように、適切な領域移行モードであれば、必ずデッドタイムの影響を受けない条件が存在するため、厳密に線間電圧2レベル以上となる電圧変化を防止できる。処理手順例を図10に示す。
Figure 2006109688
(実施形態8)
実際に全領域について適切な移行を実施したならば(後述、表1)、3段直列の場合、図9のように30°(90°/直列多重数M=3)右か左かを選択するのみで必ずデッドタイムの影響を受けない条件となる。
したがって、本実施形態では位相切り替えを行う位相切り替えの位相角を30°(90°/直列多重数M=3)として、位相切り替え方向の進み/遅れだけを選択する。位相切り替え方向の決定は、実施形態7と同様に全キャリア信号の瞬時値と基本波指令信号瞬時値における大小比較の関係から領域移行前後の変化を読取り、ゲート信号にレベル変化がない場合の位相切り替え方向を選択する。処理手順例を図11に示す。
(実施形態9)
本実施形態では、実施形態8に加え、予め、任意の2つの電圧領域間で領域移行モードを定義して、最終的な位相切り替え方向を直ちに決定する。すなわち、電圧領域移行時の位相切り替えは、基準線間隔における任意のキャリア信号と電圧領域の境界を区切るエリアから、相電圧の電圧領域の変化と位相切り替えの進みまたは遅れをテーブル化して、キャリア信号の位相を選択する。
図12および前記の表2は、エリアとエリアの移行モードをテーブルで定義し、デッドタイムの影響がない(ゲート信号にレベル変化がない)ように移行時の位相切り替えの方向を決定したものである。この表に基づいて位相切り替え方向を決定すれば、ゲート状態の変化を把握して一致条件を見つける作業が不要となる。
図12および表2は、任意の2つの電圧領域間において、FPGAやDSPに実装した場合で電圧指令がデジタル的な変化(縦方向変化)をするときに考えられる領域の分割とエリア移行モードを定義したものである。図12に示すように、基準線間隔において任意のキャリア信号と電圧領域の境界となるレベルで区切られるエリアR1〜R8を定義すれば、エリアの移行モードは16パターン考えられる。表1では、そのときの相電圧レベルの変化と選択すべき位相切り替え方向を示しているが、原理的に相電圧のレベル変化を伴う(デッドタイムの影響を受ける)エリア移行モードを禁止するように定義している。
例えば、Mode2,7,11,14はエリア移行時にキャリア信号と2回交差するため、2レベル以上となる電圧変化防止条件(4)を満たせない。Mode5,8,9,12はキャリア信号と1回交差し、2レベル以上となる電圧変化防止条件(3)を満たせない条件である。また、Mode1,4,13,16はキャリア信号と1回交差するものの、2レベル以上となる電圧変化防止条件(3)を満たすモードであるが、あくまでデッドタイムの影響を受けないことを前提条件とし、ここでは禁止モードとする。
したがって、実際は表2のとおり、Mode3と15ならば30°(90°/直列多重数M=3)左位相切り替え、Mode6と10ならば30°右位相切り替えといったように、位相切り替え方向を右か左か選択するのみで、デッドタイムの影響による2レベル以上となる電圧変化を簡単に防止することができる。
禁止モードを上記のように設定して、それが確実に禁止されているのであれば、領域移行はMode3,6,10,15のいずれかとなる。したがって、実質この4モードを判別すれば位相切り替え方向が決定できる。
本実施形態では、この4モードを判別するため、基本波電圧指令信号の電圧変化方向(上方向か下方向か)と、図12のキャリア信号の下頂点(中央線)より左側か右側か(R1,2,5,6かR3,4,7,8か)を検出する。電圧変化方向については、前回値からの差分を見て、正なら1、負なら0といったフラグを制御する。キャリア信号の下頂点より右か左かは、図13のように原キャリア信号群と30°(90°/直列多重数M=3)位相差をもつキャリア信号群の上頂点ごとに0,1を入れ替えるようなフラグを用意しておく。これらフラグのロジック回路(ExOR,ExNORなど)をとることで、右位相切り替えか左位相切り替えかを決定できる。図14には、デッドタイムの影響を受けない電圧領域の移行モードとなるフラグのロジック回路構成のブロック図例を示す。
(実施形態10)
実施形態7〜9において、相電圧のレベル変化を伴ってしまう(デッドタイムの影響を受ける)領域移行またはエリア移行モードを完全に禁止するためには、表2で定義した禁止モードを確実にしなければならない。つまり、図12において、エリア移行と同時にキャリアもクロスしてしまう場合を防止すればよい。
本実施形態では、DSPやFPGA/ASIC等に実装した場合の量子化された基本波電圧指令信号の更新タイミングを、図15に示す位置(各レベル領域におけるキャリア信号の頂点の中間)に設定する。この更新タイミングで更新する電圧のステップ幅をユニットインバータの出力直流電圧値の1/2、つまり電圧指令の1更新あたりのステップの半分(つまり電圧領域の半分)の値で制限すれば、どのような場合でも必ずMode3,6,10,15のいずれかで領域移行できる。等間隔な指令更新(演算周期)を行う場合は、この位置が最もステップ制限幅を広げられるタイミングであり、簡単な方法である。
(実施形態11)
実施形態10では、1更新あたりの電圧のステップ幅を1レベル領域の半分に制限しているが、このとき、キャリア信号の傾きと電圧指令の傾き最大値の関係を比較すると、ステップ幅を制限しているため、キャリア信号の1/2の傾きが電圧指令の変化率限度となる。もし、電圧指令の大きな変化にもなるべく対応できるように変化率を大きく設定したい場合は、実施形態10の場合では更新タイミングが決まってしまっているため、キャリア信号の周波数を上昇させて更新間隔を狭めるしかない。つまり、実施形態10の例では、キャリア信号の傾きを電圧指令変化率最大値の2倍以上に設定しなければならないことになる。
不用意にキャリア信号を高周波化すると、スイッチング損失が増加し、効率低下を招くので、(基本波電圧指令信号の変化率<キャリア信号の傾き)を維持する範囲で基本波電圧指令信号の変化を最大限利用するには、実施形態10のようなステップ幅制限を解く必要がある。
そこで、本実施形態では、図16に示すような手法で禁止モードの回避と変化率制限を行っている。同図は、電圧領域4から5に移行する時の例で、(a)は基本波電圧指令信号の変化率制限をしない場合、(b)は電圧指令変化率制限を加えた場合である。
(a)を見ると、禁止モードであるMode5でエリア領域が移行しており、ユニットインバータ1段目の出力でデッドタイムの影響による遅延を生じる。結果として、相電圧の凸中央(基準線間隔の中央)より右側で立ち上がり変化を生じるため、前記の2レベル以上となる電圧変化防止条件(3)を満たすことができない。
一方、図16(b)では基本波電圧指令信号の更新タイミングで更新する電圧のステップ幅を、キャリア信号の波形変化率(傾き)と同じ変化率で制限を行っているため、キャリア信号と交差することなくエリア移行はMode6となる。したがって、右30°(90°/直列多重数M=3)位相切り替えを行えば、ゲート信号にレベル変化なくエリア移行が完了し、(a)のような相電圧のレベル変化および2レベル以上となる電圧変化は起こらない。
なお、変化率制限は、基本波電圧指令信号のステップ変化時に本来の基本波電圧指令信号の値に達するまで、キャリア信号生成に使用するクロック周期(FPGA等による高速な周期)で更新させる。DSP等で生成する本来の基本波電圧指令信号の更新周期は、演算処理能力次第で柔軟に設定できる。図16の例では、キャリア信号周期の1/24倍(各レベル領域あたりで考えた仮想キャリア信号周期の1/4倍)の更新周期としている。
(実施形態12)
CPS方式における仮想キャリア信号の頂点は、実際は2種類のキャリア信号が交差する点であるので、その頂点近傍、つまり電圧領域の境界となるレベル近傍に電圧指令が入力された時には極小幅の相電圧パルスを出力する可能性がある。
例えば、図17の(a)のように電圧指令が電圧領域の境界となるレベル近傍でキャリア信号と比較され、デッドタイムの影響による遅延時間以下の幅のパルスを出力する場合を考える。図中、ユニットインバータ間の立ち上がり/立ち下がり部分は、デッドタイムの影響で遅延する期間を意味している。各ユニットインバータ出力の立ち上がりが遅れる負荷電流条件であったとして、相電圧はこれらの遅延を考慮したパルス波形を示している。ユニットインバータ3段目出力の立ち上がりが遅延する箇所に注目すると、遅延ありの場合となしの場合では相電圧パルスの出力方向が異なっており、遅延を生じる場合は前記の2レベル以上となる電圧変化防止条件(3)を満たせないことが分かる。すなわち、電圧領域の境界となるレベル近傍で極小幅パルスを出力する場合は、2レベル以上となる電圧変化防止条件を完全に満たすことができない。
そこで、図17の(b)に示すように、キャリア信号の頂点となる基本波電圧指令信号の電圧領域の境界の上下領域にキャリア信号の位相切り替え禁止帯を設定し、禁止帯に基本波電圧指令信号を入力させなければ遅延時間以下のパルスは出力されない。段数Mのときの禁止帯幅(片側分)Hは(3)式で決まる。
Figure 2006109688
fc:キャリア信号周波数[Hz]、Td:遅延時間設定値[s]
この境界近傍の禁止帯幅に入力された場合の処理として、本実施形態では図18のように、各相電圧単位で基本波電圧指令信号を強制的に禁止帯幅の外側へ出す手法を用いる。拡大図で示すように、本来は極小幅のパルスを出力するところを、パルス幅を広げるように補正されている。実際にデッドタイムによる遅延が生じても、逆方向パルスが出力されないような幅まで広げて補正しているため、前記の2レベル以上となる電圧変化防止条件を崩すことはない。
本実施形態は、各相電圧単位で実施するため、線間電圧を形成する相手の相電圧のことまで考慮せずに,手軽に補正できる。
(実施形態13)
実施形態12は、極小パルスが出力される条件になった場合に、幅を広げてデッドタイムによる遅延に対応させていた。
本実施形態では、幅を広げるのではなく、極小パルス自体を消滅させる手法を用いる。
図19のように、基本波電圧指令信号が禁止帯に入った時のゲート信号の状態をラッチし、基本波電圧指令信号が禁止帯に入っている間はそのラッチ状態を維持し、ゲート信号のレベル変化をしないようにする。つまり、どの単相インバータにもスイッチングをさせないため、極小パルスが発生することはない。
また、本来の基本波電圧指令信号が禁止帯を抜けた時にラッチを解除するが、このとき、ラッチ開始前のゲート信号状態と一致させる必要がある。ゲート信号状態をラッチの前後で一致させないと、ゲート信号変化を伴う領域移行と同じ結果となり、デッドタイムの影響を受けることになる。ゲート信号状態を一致させるには、実施形態7で述べた手法で位相切り替えを繰り返し、全ゲート信号状態と基本波電圧指令信号の瞬時値から判別して一致する条件で位相切り替え回数を決定すれば良い。
本実施形態によれば、極小パルスとデッドタイムの影響による2レベル以上となる電圧変化を防止するだけでなく、電圧領域の境界となるレベル近傍における制御上あまり意味を持たないスイッチングの回数を減らすことができる。
(実施形態14)
実施形態12,13は、相電圧単位で補正をかけるため、補正した分だけ三相の電圧バランスを平均値的に崩すことになる。三相電圧の平均値のバランスを厳密に保つためには、三相を同時に考慮して禁止帯を回避する必要がある。
本実施形態では、基本波電圧指令信号が禁止帯に入った時に禁止帯から抜け出す電圧補正を行い、この補正した電圧分を他の基本波電圧指令信号に加えること、すなわち三相に零相電圧を加算して禁止帯を回避する手法を用いる。図20は、その様子を示しているが、U相電圧が禁止帯に入った時に、実施形態12と同様に禁止帯から抜け出す処理をする。その際、補正した電圧分を他の相電圧指令にも加える。三相すべてに同じ零相電圧を加えることに等しいため、線間電圧を平均値で見た場合は三相のバランスを崩すことなくモータに印加できる。
ただし、ある相が禁止帯を抜けることにより、他の相が禁止帯に入ってしまう場合も考えられる。例えば、図21で示すように、(a)でU相が禁止帯に入ったとする。禁止帯を回避するため零相電圧を加算し、(b)のように移動したとすると、今度はV相が禁止帯に入力される。ここで、零相電圧加算値が最小で済むように禁止帯を回避するには、(c)のようにU相を逆側の禁止帯(この場合では上側禁止帯)の縁にくるように加算する。さらに(c)のような条件で、W相が禁止帯に入ってしまった場合は、当初電圧領域の境界となるレベルに2番目に近かったV相が逆側禁止帯の縁にくるように加算する。すると、最終的には(d)のようにすべての相電圧が禁止帯を回避できることになる。
図21の例は最も厳しい条件を例にしているが、このように、零相電圧加算値がなるべく最小になるような条件で極小パルスを回避するアルゴリズム例を図22(a)及び図22(b)に示す。
零相電圧加算値が大きいと、零相加算によって領域移行考引き起こす原因となるので、実施形態10を用いる場合などではステップ幅制限を与える際に、この零相電圧変動分を考慮して制限値を設定する必要がある。なお、図22(a),(b)のアルゴリズムを用いた場合の零相電圧変動幅の最大値は、禁止帯(片側分)の3倍となる。
本実施形態によれば極小パルスの禁止帯を回避しつつ、三相の線間電圧平均値のバランスを厳密に維持することができる。
(実施形態15)
本実施形態では、実施形態14の零相電圧加算による極小パルス回避に加え、実施形態11の電圧指令変化率制限を加える。
実施形態10(図16の左側)のように、完全なデジタルで電圧指令を考えた場合、実施形態14の手法を用いれば禁止帯に入ることはないが、実施形態11(図16の右側)のように変化率制限で準アナログ的な基本波電圧指令信号を与えた場合、実施形態14の零相電圧加算による回避手法を用いても、必ず禁止帯に入力される期間がある。しかし、このような期間では、キャリア信号の傾きと等しい変化率で電圧指令の領域移行が行われているため、禁止帯内で2種類のキャリア信号とクロスすることは決してない。1種類のキャリア信号とクロスするのみであれば、相電圧の出力としては極小パルスの発生する条件とはならない。つまり、図23のように禁止帯幅を定義すれば、禁止帯に入力された場合でも問題なく制御できるので、実施形態11の変化率制限のパターンでも極小パルス問題を回避できる。
(実施形態16)
疑似2段変化とは、線間電圧におけるパルスの立ち上がり、もしくはパルスの立ち下がりが微少な間隔で連続的に発生することにより、ほぼ2レベル以上となる電圧変化として扱われる問題である。
この疑似2段変化が線間電圧で発生する条件は2つあり、線間電圧を形成する2つの相電圧のどちらかのレベルが変化する時と、2つの相電圧の凸幅(各レベル領域におけるDuty幅)の大小関係が切り替わる時の2カ所である。このうち、相電圧のレベルの切り替わり時は、実施形態11を用いれば電圧指令の変化率が最大であっても疑似2段変化問題とならない。
一方、図24のように相電圧パルスの凸幅の大小関係が切り替わるときに関しては、実施形態12〜15で述べた極小パルス禁止帯を用いて疑似2段変化を回避する。電圧領域の境界となるレベル近傍で凸幅が最大となる場合を禁止すればよい。これは2段変化防止条件(2)に相当する。図24のように禁止幅を設けることにより、その2倍の幅が疑似2段変化最小間隔として保証されることになる。この禁止帯幅は(3)式で決定できるため、極小パルス禁止帯幅との兼ね合いになる。
以上より、本実施形態では(3)式により決定される最小間隔を適切に設定することにより、線間電圧レベル切り替わりにおける疑似2段変化の問題を解決することができる.
(実施形態17)
本実施形態では、スイッチング周波数の最小化について考える。定常的に2レベル以上となる電圧変化防止条件(4)を満たすには、基本的に(キャリア信号の傾きdC/dt)>(電圧指令変化率dv/dt)とする必要がある。ここで、3次高調波を加算した電圧指令V*を(4)式のようにおく。
Figure 2006109688
ω:電圧指令角周波数[rad/s]、V:電圧指令の振幅[V]
3次高調波加算による電圧利用率改善係数2√3を用いると、Vは(5)式となる。
Figure 2006109688
M:段数、K:電圧指令duty(0〜1)
定常時に電圧指令変化率が最大となるのはt=0の時であるので、(4)、(5)式より、電圧指令変化率dv/dtは(6)式となる。
Figure 2006109688
fr:電圧指令周波数[Hz]
一方、CPS方式におけるキャリア信号の変化率dC/dtは、
Figure 2006109688
fc:キャリア信号周波数[Hz]、Tc:キャリア信号の1周期[s]
となる。したがって、基本的には「キャリア信号の傾き>電圧指令変化率」となるには、(6)、(7)式より、
Figure 2006109688
で与えられるキャリア信号の周波数が最小値となるが、零相電圧加算を行う場合は、図20で示すように、零相電圧のレベル変化分の最大値(3H)を考慮してキャリア信号の周波数の最小値を決定しなければならない。すなわち、実際は(9)式が条件式となる。
Figure 2006109688
ここで、電圧指令更新周期をΔTとして、dt=ΔTの時、(9)式に(3)、(6)、(7)式を代入すると、以下のようになる。
Figure 2006109688
ただし、禁止帯幅Hは更新周期ΔTにかかわらず、任意の設定値で不変であるので、更新周期ΔTの 条件(11)式を考慮する必要がある。
Figure 2006109688
さらに、電圧指令更新周期ΔTをキャリア信号の周期Tcの1/x倍(キャリア信号周波数のx倍)と定義した場合、以下の(12)式を(10)式に代入すると設定すべきキャリア信号周波数の範囲が(13)式のように求められる。
Figure 2006109688
電圧指令周波数frの最大値を120[Hz],K:duty1、デッドタイム遅延時間Dt(極小パルス禁止帯幅設定)は余裕を見て10μsに設定し、(13)式に代入した場合のキャリア信号の周波数範囲例を表2に示す。
Figure 2006109688
なお、電圧指令更新を高速化できる限界値を、xを用いて表すと(14)式となる。
Figure 2006109688
零相電圧加算で極小パルス禁止帯を回避する手法を用いる場合は、上述した条件を満たす範囲でキャリア信号の周波数の最小化を実現できる。
(実施形態18)
上記の実施形態は、原キャリア信号群と30°(90°/直列多重数M=3)位相差を持つキャリア信号群をすべて予め作成しておき、それらの位相を選択する制御を行っているが、本実施形態では、基本キャリア信号を1本作成しておき、その位相切り替えを上述した実施形態と同様に制御する。適切な位相選択を終えた基本キャリア信号から、その他のキャリア信号群を最後に作成する。キャリア信号群の位相関係や配列は決まっている訳なので,基本キャリア信号に加算すれば簡単に決定できる。
本実施形態によれば、基本となる任意のキャリア信号1本の選択を行うのみでよい。
図25は機能のシミュレーション波形(キャリア周波数1ユニットあたり333Hz,3段直列総合2kHz、電圧指令周波数50Hz、デッドタイム5μs)である。図31や図35のPS方式やPD方式のシミュレーション結果と比較して、線間電圧の2レベル以上となる電圧変化とユニットインバータ出力のスイッチングアンバランスを改善していることがわかる。また、実測波形を図26および図27に示す。図26は、デッドタイムを考慮せずに行った場合の波形であるが、レベル切り替わりにおいて各所で2レベル以上となる電圧変化を生じていることが分かる。図27は本発明の機能を実装した場合の実測波形であるが、図26で問題となっていたデッドタイムの影響は消え、全領域で2レベル以上となる電圧変化のない低サージの線間電圧波形を得ることができた。1段分の電圧が高い高圧モータ駆動時には、特に効力を発揮できる。
(実施形態19)
実施形態11等では、PWM処理で(基本波電圧指令信号の変化率<キャリア信号の傾き)となるよう、基本波電圧指令信号の変化率制限をかけている。したがって、電圧更新タイミングを非同期にした場合、図40に示すように、電圧指令信号の変化率制限によりそれが禁止帯外であっても、電圧指令信号が禁止帯内でキャリア信号とクロスし、スイッチングをしてしまい、2段変化を起こしてしまう。
そこで、本実施形態では、PWM制御に際して、基本波電圧指令の更新タイミングをキャリア信号及び禁止帯域幅から決まる更新タイミングに限定することで、2段変化を防止する。図40の例では、電圧指令の更新タイミングを時刻t1とすることで、キャリア信号とは禁止帯域でのクロスを防止する。
(実施形態20)
実施形態12等において、基本波電圧指令信号の電圧領域の境界の上下領域にキャリア信号の位相切り替え禁止帯を設定するが、最大領域のキャリア頂点(山側)と最小領域のキャリア頂点(谷側)はスイッチングしないため、禁止帯とはしていない。この場合、図41に示すように、基本波電圧指令信号が最大領域のキャリア頂点に張り付いた状態から更新されると、その変化率制限により禁止帯内でスイッチングし、2段変化を起こすことがある。
そこで、本実施形態では、キャリア信号の頂点部分に基本波電圧指令信号がこないように、該電圧指令信号をリミッタにより制限することで2段変化を防止する。このときのリミッタ値は最大領域又は最小領域から禁止帯幅だけ減算または加算した値とする。
(実施形態21)
実施形態20により、基本波電圧指令信号が最大領域または最小領域側の禁止帯内に入ることはなくなるが、図42に示すように、他相の電圧指令信号を禁止帯回避のために零相電圧を加算した場合に禁止帯内に入る可能性がある。
そこで、基本波電圧指令信号のキャリア頂点部分をリミットしておき、このリミット処理で出なくなった電圧分(リミッタ値との間の偏差)を余り値として保持し、次回の電圧信号指令値に加算するようにしておく。これにより、2段変化を防止し、しかも電圧指令値の平均としてはバランスさせる。
(実施形態22)
実施形態19〜21による禁止帯回避によれば2段変化を防止できるが、図43に示すように、キャリア信号の半周期毎に電圧指令を更新すると、この間にスイッチングする相としない相ができ、零相変調が成り立たず、電圧アンバランス(高圧機でセル直流電圧が不安定になる現象)が生じる。
そこで、本実施形態では、図43中に示すように、基本波電圧指令信号の更新タイミングをキャリア信号の1周期に1回とすることで、電圧アンバランスを防止する。
本発明の実施形態1における相電圧指令波形の電圧領域とレベルの定義。 実施形態2におけるデッドタイムを考慮したCPS方式による線間電圧出力波形例(実測)。 実施形態4におけるデッドタイムの影響が現れた場合の補正方法。 実施形態6における制御ブロック図。 実施形態7におけるレベルと電圧領域の境界となるレベルの定義(3段直列)。 実施形態7におけるパルス位相。 実施形態7における相電圧と線間電圧の関係。 実施形態7におけるCPS方式のキャリア信号の配置例。 実施形態7におけるCPS方式のキャリア信号の配置例。 実施形態7における流れ図。 実施形態8における流れ図。 実施形態9におけるレベル定義例。 実施形態9における左右領域判別用のフラグの例。 実施形態9のブロック図例。 実施形態10における電圧指令更新タイミングとステップ幅制限。 実施形態11における電圧指令変化率制限による回避。 実施形態12における極小パルスの問題。 実施形態12における極小パルスの補正。 実施形態13における極小パルスの補正。 実施形態14における極小パルスの補正。 実施形態14における極小パルスの補正処理手例。 実施形態14における極小パルス幅の補正のアルゴリズム例(その1)。 実施形態14における極小パルス幅の補正のアルゴリズム例(その2)。 実施形態15における変化率制限と極小パルス禁止帯。 実施形態16における相電圧の凸幅の大小関係と線間電圧出力。 実施形態におけるCPS方式のシミュレーション波形。 デッドタイムを考慮しない場合の線間電圧実測波形。 デッドタイムを考慮したCPS方式の線間電圧実測波形。 3相直列多重インバータ構成例(3多重)。 PS方式による直列3多重PWMインバータの1相分回路構成例。 PS方式によるユニットインバータ出力電圧と相電圧波形。 PS方式によるU相、V相電圧波形とUV線間電圧波形。 PS方式波形例。 相電圧と線間電圧の関係。 PD方式によるユニットインバータ出力電圧と相電圧波形。 PD方式によるU相、V相電圧波形とUV線間電圧波形。 VCD方式によるユニットインバータ出力電圧と相電圧波形。 VCD方式によるU相、V相電圧波形とUV線間電圧波形。 デッドタイムを考慮しない従来の回路構成例。 CPS方式の従来の線間電圧出力波形(実測波形)。 実施形態19における電圧更新タイミングの説明図。 実施形態20における更新タイミングをキャリア頂点(山)とした場合の電圧指令の上限の説明図。 実施形態21における電圧指令とリミッタ値との偏差の補償の説明図。 実施形態22における禁止帯回避量の最大条件の説明図。
符号の説明
1 CPU
2 レベル領域判定部
3 キャリア信号生成部
4 ローテーション制御部
5 キャリアフェイズセレクト制御部
6 デッドタイム生成部

Claims (23)

  1. 複数の単相直列多重インバータを出力波形が平衡になる位相差で各々を接続することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御し、多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との相電圧パルスの中心位相にずれが発生したとき、基準相の相電圧パルスの中心位相と他相の相電圧パルスの中心位相とが同位相となるようにキャリア信号の位相を切り替えることで、量子化された線間電圧の電圧変化が1ステップあたり2レベル以上とならないようにした多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法において、
    キャリア信号の位相切り替え前と切り替え後の相毎及び各ユニットインバータ内に対角に配置される素子毎のゲート信号状態から、位相切り替え前後のゲート信号のレベル変化が起こらないように、相毎及び各ユニットインバータ内に対角に配置される素子毎に適用するキャリア信号を選択して位相切り替えをすることを特徴とする多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  2. 前記ゲート信号状態をテーブル化して、位相切り替え前後のゲート信号のレベル変化を判別し、相毎及び各ユニットインバータ内に対角に配置される素子毎にレベル変化が起こらないキャア信号を前記テーブルから選択して位相切り替えすることを特徴とする請求項1に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  3. 前記選択されたキャリア信号ステートとなるフラグを制御するロジック回路で位相切り替えすることを特徴とする請求項2に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  4. 基本波電圧指令信号の任意の周期毎に、各相分の原キャリア信号と前記原キャリア信号から90度進みまたは遅れとなる位相のキャリア信号とを入れ替えてユニットインバータ間のスイッチングバランスのばらつきを防ぐようにして位相切り替えすることを特徴とする請求項2または3に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  5. 位相切り替え前のキャリア信号位相、位相切り替え前のキャリア信号瞬時値、キャリア信号のアップダウン状態および基本波電圧指令信号が存在する電圧領域のレベルから、位相切り替えするキャリア信号を一意に選択することを特徴とする請求項1乃至3に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  6. 線間電圧を形成する任意の相電圧のうち、一方の相電圧のレベルおよび基本波電圧指令信号の電圧領域から、他方の一時的な相電圧のレベル変化が出力されても量子化された線間電圧の電圧変化が1ステップあたり2レベル以上とならない場合には各ユニットインバータのゲート信号をそのまま出力し、1ステップあたり2レベル以上となる場合には負荷電流極性との兼ね合いで前記各ユニットインバータのゲート信号がレベル変化しても、デッドタイムの影響を受けなかったユニットインバータの位相切り替え前のゲート信号状態を、デッドタイムに相当する期間もしくはそれを少し超える期間分だけ保持して出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  7. 基本波電圧指令信号の電圧領域の境界近傍で、且つ複数あるキャリア信号が交差する時間軸近傍に位相切り替え禁止帯を設定し、相電圧を形成する各ユニットインバータの出力パルスの幅がデッドタイム期間より短い場合は位相切り替えを行わないことで、電圧領域の境界近傍で起こりうるキャリア信号の多数回切り替えを防止したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  8. 前記PWM制御回路は、各ユニットインバータに分散する構成、またはワンボードに一括して全ユニットを制御する構成としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  9. 複数の単相直列多重インバータを出力波形が平衡になる位相差で各々を接続することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御し、多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との相電圧パルスの中心位相にずれが発生したとき、基準相の相電圧パルスの中心位相と他相の相電圧パルスの中心位相とが同位相となるようにキャリア信号の位相を切り替えることで、量子化された線間電圧の電圧変化が1ステップあたり2レベル以上とならないようにした多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法において、
    基本波電圧指令信号の電圧領域移行時に、相毎の各ユニットインバータ内に対角に配置される素子の全ゲート信号状態がレベル変化しない条件を、各キャリア信号の瞬時値と基本波電圧指令信号の瞬時値における大小比較の条件から選択し、前記条件に一致するキャリア信号位相ΔPh、
    ΔPh=(90+180*シフト回数N)/直列多重数M[deg]
    ただし、0≦N≦(2M−1)
    となるシフト回数Nを相毎及び各ユニットインバータ内に対角に配置される素子毎に適用するキャリア信号を選択する位相切り替えを特徴とする多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  10. 前記キャリア信号位相ΔPhを(90°/直列多重数M)として、位相の進み/遅れのみを選択することを特徴とする請求項9に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  11. 基準線間隔における任意のキャリア信号と電圧領域の境界となるレベルで区切られるエリアを定義し、位相切り替え前後の前記エリアの移行によるレベル変化と、位相切り替え後の位相切り替え方向をテーブル化して、相毎及び各ユニットインバータ内に対角に配置される素子毎に適用するキャリア信号を選択する位相切り替えを特徴とする請求項10に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  12. 位相切り替え前後のエリア移行の変化方向及び前記エリア移行がキャリア信号下頂点の右側または左側であるかを検出し、前記検出に基づきフラグを制御するロジック回路で位相切り替えすることを特徴とする請求項11に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  13. 量子化された基本波電圧指令信号の更新タイミングをキャリア信号の振幅の中点となる位置に設定し、前記更新タイミングで更新する電圧変化を1ステップあたり1/2レベルとすることを特徴とする請求項11に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  14. 電圧領域の境界となるレベルの上下近傍にキャリア信号の位相切り替え禁止帯を設定し、各相毎に基本波電圧指令信号を強制的に前記禁止帯の外側となる電圧補正することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  15. 前記基本波電圧指令信号が禁止帯に入った時のゲート信号状態をラッチして、禁止帯に入っている間はそのラッチ状態を維持し、ゲート信号がレベル変化しないことを特徴とする請求項14に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  16. 電圧領域の境界となるレベルの上下近傍にキャリア信号の位相切り替え禁止帯を設定し、基本波電圧指令信号が禁止帯に入った時のゲート信号状態をラッチして、禁止帯に入っている間はそのラッチ状態を維持し、ゲート信号がレベル変化しないことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  17. 電圧領域の境界となるレベルの上下近傍にキャリア信号の位相切り替え禁止帯を設定し、基本波電圧指令信号が禁止帯に入った時に禁止帯の外側となる電圧補正を行い、この補正した電圧分を他の基本波電圧指令信号に加えることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  18. 量子化された基本波電圧指令信号の更新タイミングで更新する電圧変化のステップ幅を、キャリア信号の波形変化率と同じ変化率としたことを特徴とする請求項13または請求項17あるいは請求項13および請求項17に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  19. 前記電圧補正の変化分の最大値を基にキャリア信号の最小周波数を決定することを特徴とする請求項17に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  20. 基本波電圧指令の更新タイミングをキャリア信号及び禁止帯域幅から決まる更新タイミングに限定することを特徴とする請求項9〜19のいずれか1項に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  21. 最大領域または最小領域のキャリア信号の頂点部分に基本波電圧指令信号がこないように、最大領域又は最小領域から禁止帯幅だけ減算または加算したリミッタ値に基本波電圧指令信号を制限することを特徴とする請求項20に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  22. 基本波電圧指令信号のキャリア頂点部分をリミットしておき、このリミット処理で出なくなった電圧分を余り値として保持し、次回の電圧信号指令値に加算することを特徴とする請求項21に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  23. 基本波電圧指令信号の更新タイミングをキャリア信号の1周期に1回とすることを特徴とする請求項20〜22のいずれか1項に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
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