JP2016165213A - 電力変換装置及び電力変換装置の制御方法 - Google Patents

電力変換装置及び電力変換装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 キャパシタ電圧のアンバランスを抑制できる電力変換装置を実現する。【解決手段】 キャパシタと複数のスイッチング素子とを有するスイッチ部M1〜Mnが複数直列接続されてなる複数のアーム部2を有する電力変換部1と、電力変換部1を制御する制御部3とを備え、制御部3は、各々のアーム部2において、複数のキャリア波と変調波とに基づいてスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々のスイッチ部M1〜Mnの2つのスイッチング素子をペアにして、ペアごとにキャリア波を1個ずつ重複しないように割り当て、変調波と割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるようにペアを構成する2つのスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、この制御中に、いずれか2つのスイッチ部の間でスイッチング素子のオンオフ状態が変更されることのないタイミングでキャリア波の入れ替えをするよう構成されている。【選択図】 図11

Description

本発明は、交流を異なる交流に変換する電力変換装置及び電力変換装置の制御方法に関する。
交流を異なる交流に変換する電力変換装置として、交流を直流に変換する順変換部と直流を交流に変換する逆変換部とで構成される電力変換装置の他、近年、9個の双方向スイッチを用いて、交流から交流へ直接変換する方式のマトリックスコンバータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなマトリックスコンバータにおいて、Hブリッジセルを直列多段接続して双方向スイッチを構成することにより、大容量化等が図れ、高電圧システムにも対応することができるモジュラーマトリックスコンバータが知られている。Hブリッジセルは、4個のスイッチング素子と1個のキャパシタとで構成される。
特開2014−117079号公報
上記のHブリッジセルを直列多段接続して双方向スイッチを構成したマトリックスコンバータにおいて、PD(Phase Disposition)方式のPWM制御を適用する場合、出力波形の歪率を抑えられる一方で、直列接続したHブリッジセル間でキャパシタ電圧のアンバランスが発生する場合がある。これは、ある一定期間において直列接続した複数のHブリッジセルの各々の使用頻度が異なり、あるHブリッジセルにおいてキャパシタの充電もしくは放電状態が継続するためである。
また、Hブリッジセルを直列多段接続して双方向スイッチを構成したマトリックスコンバータにおいて、PS(Phase Shift)方式のPWM制御を適用する場合も、直列接続したHブリッジセル間でキャパシタ電圧のアンバランスが発生する場合がある。
また、順変換部と逆変換部とで構成される電力変換装置においても、Hブリッジセル等のキャパシタを含むセルを直列多段接続してアームを構成し、PWM制御を適用する場合には、直列接続したセル間でキャパシタ電圧のアンバランスが発生する場合がある。
上記いずれの場合も、直列接続したHブリッジセル等のセル(スイッチ部)間でキャパシタ電圧のアンバランスが発生すると良好な出力特性が得られなくなる。
一方、キャパシタ電圧のバランス制御では、循環電流を流す方式や空間ベクトル制御による最適スイッチングパターン算出等の方法が報告されている。しかし、循環電流を流す方式では電流が増加するため、損失の増加・素子の大型化などが懸念される。また、空間ベクトル制御では、演算量が大幅に増加して高速制御が困難となり、負荷に制御周期の早いモータ等を用いる場合には制御処理が間に合わなくなる可能性がある。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、電流の増加や大幅な演算量の増加を抑え、キャパシタ電圧のアンバランスを抑制することができる電力変換装置及び電力変換装置の制御方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある形態に係る電力変換装置は、三相交流が入力される3つの入力端子と三相交流が出力される3つの出力端子との間に接続され、キャパシタと複数のスイッチング素子とを有するスイッチ部が複数直列接続されてなる複数のアーム部を有する電力変換部と、前記3つの入力端子から入力される三相交流電圧を異なる三相交流電圧に変換して前記3つの出力端子から出力するよう前記電力変換部を制御する制御部と、を備えた電力変換装置であって、前記制御部は、各々の前記アーム部において、複数のキャリア波と変調波とに基づいて、前記スイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部の2つの前記スイッチング素子をペアにして、ペアごとに前記キャリア波を1個ずつ重複しないように割り当て、前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記ペアを構成する2つの前記スイッチング素子のオンオフ動作を制御する制御処理と、各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えによって前記スイッチング素子のオンオフ状態が変更されることのないタイミングで前記キャリア波の入れ替えをするキャリア波入替処理と、を行うよう構成されている。
この構成によれば、キャリア波入替処理を行うことにより、入れ替えられたキャリア波が割り当てられているスイッチング素子のペアを有する2つのスイッチ部の一方のキャパシタと他方のキャパシタとの間で、充放電状態を逆にすることが可能となり、キャパシタ間での電圧のアンバランスの抑制が可能になる。また、キャリア波の割り当てを変更するだけなので、電流の増加や大幅な演算量の増加も抑えられる。
前記電力変換部は、前記各入力端子と前記各出力端子との間に、n個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された9個の前記アーム部を有し、各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、前記制御部は、各々の前記アーム部において、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波と、全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子を第1のペアとし、前記第3及び第4のスイッチング素子を第2のペアとして、前記2n個のキャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第1のペアに割り当てるとともに、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第2のペアに割り当て、前記第1のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに、前記第2のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うとともに、各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の前記第1のペア同士または前記第2のペア同士の間で、前記キャリア波の入れ替えをするよう、前記キャリア波入替処理を行うよう構成されていてもよい。
前記制御部は、各々の前記アーム部において行う前記キャリア波入替処理において、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在し、かつ、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアが存在する場合に、この第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行う際には、前記キャリア波が最大値となる時点において入れ替えを行い、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在し、かつ、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアが存在する場合に、この第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行う際には、前記キャリア波が最小値となる時点において入れ替えを行い、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在し、かつ、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアが存在する場合に、この第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行う際には、前記キャリア波が最大値となる時点において入れ替えを行い、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在し、かつ、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアが存在する場合に、この第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行う際には、前記キャリア波が最小値となる時点において入れ替えを行うようにしてもよい。
また、各々の前記アーム部の入出力電流の向きを検出する電流検出手段と、各々の前記スイッチ部の前記キャパシタの電圧を測定する電圧測定手段とがさらに備えられ、前記制御部は、各々の前記アーム部において行う前記キャリア波入替処理において、前記第1のペア同士の間で前記キャリア波の入れ替えを行う場合、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲と異なる前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行い、その際に、前記変調波の存在する専有範囲と異なる前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられ前記入れ替えが行われる前記第1のペアを、前記変調波の値と、前記アーム部の入出力電流の向きと、前記各々のスイッチ部の前記キャパシタの測定電圧とに基づいて決定するようにして行い、前記第2のペア同士の間で前記キャリア波の入れ替えを行う場合、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲と異なる前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行い、その際に、前記変調波の存在する専有範囲と異なる前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられ前記入れ替えが行われる前記第2のペアを、前記変調波の値と、前記アーム部の入出力電流の向きと、前記各々のスイッチ部の前記キャパシタの測定電圧とに基づいて決定するようにして行うようにしてもよい。
また、前記制御部は、各々の前記アーム部において行う前記キャリア波入替処理において、前記アーム部の入出力電流の向きが正方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最大値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が大きいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記キャパシタの測定電圧が大きい方の前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第1の入替処理を行い、
前記アーム部の入出力電流の向きが正方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最小値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が小さいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記キャパシタの測定電圧が小さい方の前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第2の入替処理を行い、
前記アーム部の入出力電流の向きが正方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最大値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が大きいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記キャパシタの測定電圧が大きい方の前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第3の入替処理を行い、
前記アーム部の入出力電流の向きが正方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最小値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が小さいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記キャパシタの測定電圧が小さい方の前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第4の入替処理を行い、
前記アーム部の入出力電流の向きが負方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最大値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が小さいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記キャパシタの測定電圧が小さい方の前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第5の入替処理を行い、
前記アーム部の入出力電流の向きが負方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最小値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が大きいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記キャパシタの測定電圧が大きい方の前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第6の入替処理を行い、
前記アーム部の入出力電流の向きが負方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最大値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が小さいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記キャパシタの測定電圧が小さい方の前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第7の入替処理を行い、
前記アーム部の入出力電流の向きが負方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最小値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が大きいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記キャパシタの測定電圧が大きい方の前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第8の入替処理を行うようにしてもよい。
また、前記第1の入替処理は、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最大である前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
前記第2の入替処理は、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最小である前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
前記第3の入替処理は、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最大である前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
前記第4の入替処理は、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最小である前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
前記第5の入替処理は、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最小である前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
前記第6の入替処理は、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最大である前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
前記第7の入替処理は、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最小である前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
前記第8の入替処理は、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最大である前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行うようにしてもよい。
また、前記制御部は、各々の前記アーム部において行う前記キャリア波入替処理を、予め定められた周期で、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1または第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲と異なる前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1または第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行うよう構成されていてもよい。
また、各々の前記アーム部は、前記スイッチ部が2個直列接続されて構成されていてもよい。
前記電力変換部は、前記各入力端子と前記各出力端子との間に、n個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された9個の前記アーム部を有し、各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、前記制御部は、各々の前記アーム部において、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとするとともに、前記第3及び第4のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記2n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うよう構成されていてもよい。
各々の前記アーム部に対応する2n個の前記キャリア波は、それぞれが(360/2n)度の位相差を有することが好ましい。
前記電力変換部は、3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、各々の前記スイッチ部は、第1及び第2の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる回路と、前記キャパシタとが、並列に接続されてなり、前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記逆変換部の前記負側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を入力端とし、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を出力端とするよう構成され、前記順変換部の前記負側のアーム部及び前記逆変換部の前記正側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を入力端とし、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を出力端とするよう構成され、前記制御部は、3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するよう構成されるとともに、同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうちのいずれかn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りのn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるとともに、同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうちのいずれかn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りのn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、各々の前記アーム部において、前記対応させたn個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うよう構成されていてもよい。
前記順変換部および前記逆変換部の各々の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して生成される2n個の前記キャリア波は、それぞれが(360/2n)度の位相差を有することが好ましい。
前記電力変換部は、3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、前記制御部は、3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するよう構成されるとともに、同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうちのいずれか2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りの2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるとともに、同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうちのいずれか2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りの2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、各々の前記アーム部において、前記対応させた2n個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとするとともに、前記第3及び第4のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記2n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うよう構成されていてもよい。
前記順変換部および前記逆変換部の各々の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して生成される4n個の前記キャリア波は、それぞれが(360/4n)度の位相差を有することが好ましい。
前記制御部は、前記キャリア波入替処理を行う際、前記入れ替えられる2個のキャリア波が同値となる時点において前記キャリア波の入れ替えを行うよう構成されていてもよい。
各々の前記アーム部の入出力電流の向きを検出する電流検出手段と、各々の前記スイッチ部の前記キャパシタの電圧を測定する電圧測定手段とがさらに備えられ、前記制御部は、前記キャリア波入替処理を行う際、前記キャリア波の入れ替えが行われる2つの前記ペアを、前記アーム部の入出力電流の向きと、前記各々のスイッチ部の前記キャパシタの測定電圧とに基づいて決定するよう構成されていてもよい。
前記電力変換部は、3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、各々の前記スイッチ部は、第1及び第2の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる回路と、前記キャパシタとが、並列に接続されてなり、前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記逆変換部の前記負側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を入力端とし、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を出力端とするよう構成され、前記順変換部の前記負側のアーム部及び前記逆変換部の前記正側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を入力端とし、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を出力端とするよう構成され、前記制御部は、3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するよう構成されるとともに、同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、各々の前記アーム部において、前記対応させたn個の前記キャリア波と全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うよう構成されていてもよい。
前記電力変換部は、3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、前記制御部は、3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するよう構成されるとともに、同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が4n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方の2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方の2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が4n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方の2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方の2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、各々の前記アーム部において、前記対応させた2n個の前記キャリア波と全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子を第1のペアとし、前記第3及び第4のスイッチング素子を第2のペアとして、前記2n個のキャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第1のペアに割り当てるとともに、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第2のペアに割り当て、前記第1のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに、前記第2のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うとともに、各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の前記第1のペア同士または前記第2のペア同士の間で、前記キャリア波の入れ替えをするよう、前記キャリア波入替処理を行うよう構成されていてもよい。
前記制御部は、第1の制御基板と、各々対応する前記アーム部が決められた複数の第2の制御基板とで構成され、前記第1の制御基板は、前記変調波を生成して前記第2の制御基板へ送信するよう構成され、前記第2の制御基板は、前記第1の制御基板から前記変調波を受信し、対応する前記アーム部における前記制御処理と前記キャリア波入替処理とを行うよう構成されていてもよい。
前記第1の制御基板は、同期信号を生成して前記第2の制御基板へ高速シリアル通信によって送信するよう構成され、前記第2の制御基板は、前記第1の制御基板からの前記同期信号に同期して前記キャリア波を生成し前記制御処理を行うよう構成されていてもよい。
本発明のある形態に係る電力変換装置の制御方法は、三相交流が入力される3つの入力端子と三相交流が出力される3つの出力端子との間に接続され、キャパシタと複数のスイッチング素子とを有するスイッチ部が複数直列接続されてなる複数のアーム部を有する電力変換部を備え、前記3つの入力端子から入力される三相交流電圧を異なる三相交流電圧に変換して前記3つの出力端子から出力するよう前記電力変換部を制御する電力変換装置の制御方法であって、各々の前記アーム部において、複数のキャリア波と変調波とに基づいて、前記スイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部の2つの前記スイッチング素子をペアにして、ペアごとに前記キャリア波を1個ずつ重複しないように割り当て、前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記ペアを構成する2つの前記スイッチング素子のオンオフ動作を制御する制御処理と、各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えによって前記スイッチング素子のオンオフ状態が変更されることのないタイミングで前記キャリア波の入れ替えをするキャリア波入替処理と、を有している。
この制御方法によれば、キャリア波入替処理を行うことにより、入れ替えられたキャリア波が割り当てられているスイッチング素子のペアを有する2つのスイッチ部の一方のキャパシタと他方のキャパシタとの間で、充放電状態を逆にすることが可能となり、キャパシタ間での電圧のアンバランスの抑制が可能になる。また、キャリア波の割り当てを変更するだけなので、電流の増加や大幅な演算量の増加も抑えられる。
前記電力変換部は、前記各入力端子と前記各出力端子との間に、n個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された9個の前記アーム部を有し、各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、各々の前記アーム部において、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波と、全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子を第1のペアとし、前記第3及び第4のスイッチング素子を第2のペアとして、前記2n個のキャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第1のペアに割り当てるとともに、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第2のペアに割り当て、前記第1のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに、前記第2のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うとともに、各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の前記第1のペア同士または前記第2のペア同士の間で、前記キャリア波の入れ替えをするよう、前記キャリア波入替処理を行うようにしてもよい。
前記電力変換部は、前記各入力端子と前記各出力端子との間に、n個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された9個の前記アーム部を有し、各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、各々の前記アーム部において、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとするとともに、前記第3及び第4のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記2n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うようにしてもよい。
前記電力変換部は、3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、各々の前記スイッチ部は、第1及び第2の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる回路と、前記キャパシタとが、並列に接続されてなり、前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記逆変換部の前記負側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を入力端とし、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を出力端とするよう構成され、前記順変換部の前記負側のアーム部及び前記逆変換部の前記正側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を入力端とし、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を出力端とするよう構成され、3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するとともに、同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうちのいずれかn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りのn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるとともに、同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうちのいずれかn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りのn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、各々の前記アーム部において、前記対応させたn個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うようにしてもよい。
前記電力変換部は、3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するとともに、同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうちのいずれか2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りの2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるとともに、同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうちのいずれか2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りの2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、各々の前記アーム部において、前記対応させた2n個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとするとともに、前記第3及び第4のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記2n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うようにしてもよい。
前記電力変換部は、3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、各々の前記スイッチ部は、第1及び第2の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる回路と、前記キャパシタとが、並列に接続されてなり、前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記逆変換部の前記負側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を入力端とし、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を出力端とするよう構成され、前記順変換部の前記負側のアーム部及び前記逆変換部の前記正側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を入力端とし、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を出力端とするよう構成され、3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するとともに、同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、各々の前記アーム部において、前記対応させたn個の前記キャリア波と全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うようにしてもよい。
前記電力変換部は、3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するとともに、同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が4n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方の2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方の2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が4n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方の2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方の2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、各々の前記アーム部において、前記対応させた2n個の前記キャリア波と全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子を第1のペアとし、前記第3及び第4のスイッチング素子を第2のペアとして、前記2n個のキャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第1のペアに割り当てるとともに、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第2のペアに割り当て、前記第1のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに、前記第2のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うとともに、各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の前記第1のペア同士または前記第2のペア同士の間で、前記キャリア波の入れ替えをするよう、前記キャリア波入替処理を行うようにしてもよい。
本発明は、以上に説明した構成を有し、電流の増加や大幅な演算量の増加を抑え、キャパシタ電圧のアンバランスを抑制することができる電力変換装置及び電力変換装置の制御方法を提供することができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態における電力変換装置の一例を示す回路図である。 図2は、図1におけるアーム部の詳細な構成の一例を示す回路図である。 図3(A)、図3(B)は、それぞれ、任意の1つのアーム部に関する制御部の内部構成の一例を示す図である。 図4は、キャリア波生成部で生成するキャリア波を示す図である。 図5は、アーム部を第1実施形態の一方式によってPWM制御する場合のキャリア波の波形、変調波の波形、出力電流の波形、スイッチング素子のオン(ON)オフ(OFF)状態、キャパシタの充放電状態の時間的変化を示す図である。 図6は、アーム部を比較例のPD方式によってPWM制御する場合のキャリア波の波形、変調波の波形、出力電流の波形、スイッチング素子のオン(ON)オフ(OFF)状態、キャパシタの充放電状態の時間的変化を示す図である。 図7は、n個の双方向スイッチ部を有するアーム部の構成を示す図である。 図8は、図7に示すアーム部のn個の双方向スイッチ部の制御信号の生成に用いられる2n個のキャリア波を示す図である。 図9は、第1実施形態において制御部によるキャリア波入替方法を説明するためのフローチャートである。 図10は、第1実施形態において制御部によるキャリア波入替方法を説明するためのフローチャートである。 図11は、第1実施形態において制御部を複数の制御基板で構成した場合の第1例のマトリックスコンバータを示す図である。 図12は、第1実施形態において制御部を複数の制御基板で構成した場合の第2例のマトリックスコンバータを示す図である。 図13は、第2実施形態におけるキャリア波入替処理を用いてマトリックスコンバータを制御する場合のU相出力端子に接続された3つのアーム部における各2つの双方向スイッチ部の各々のキャパシタ電圧のシミュレーション結果を示す図である。 図14は、第3実施形態の一例で用いるPS方式による4個のキャリア波を示す図である。 図15は、第3実施形態において、キャリア波の入替制御を行わないでPWM制御する場合と入替制御を行ってPWM制御する場合の各スイッチング素子のペアに割り当てられるキャリア波の波形、変調波の波形、スイッチング素子のオン(ON)オフ(OFF)状態、キャパシタの充放電状態の時間的変化の一例を示す図である。 図16は、第3実施形態において制御部によるキャリア波入替方法を説明するためのフローチャートである。 図17は、第3実施形態におけるキャリア波入替方法を用いてマトリックスコンバータを制御する場合のある1つのアーム部における2つの双方向スイッチ部のキャパシタ電圧の測定試験結果を示す図である。 図18は、第3実施形態において各アーム部にn個の双方向スイッチ部を有する場合のn個の双方向スイッチ部の制御信号の生成に用いられる2n個のキャリア波を示す図である。 図19は、第4実施形態における電力変換装置の一例を示す回路図である。 図20は、図19におけるアーム部の詳細な構成の一例を示す回路図である。
以下、好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する場合がある。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
以下の各実施形態では、入力される交流を周波数等の異なる別の交流に変換する電力変換装置について述べる。第1〜第3実施形態では、交流を別の交流に直接変換する電力変換装置(マトリックスコンバータ)について述べ、第4実施形態以降では、交流を直流に変換する順変換部と、直流を交流に変換する逆変換部とを有する電力変換装置について述べる。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における電力変換装置の一例を示す回路図である。
この電力変換装置は、マトリックスコンバータであり、電力変換部1と、電力変換部1を制御する制御部3とを有している。
電力変換部1は、例えば、図1に示すように、三相交流電源4と三相交流負荷5との間に接続され、三相交流電源4から入力される三相(R,S,T相)交流を、制御部3の制御によって所望の周波数及び電圧の三相(U,V,W相)交流に変換して三相交流負荷5へ出力するよう構成される。ここで、制御部3の制御によって、U,V,W相の各相の出力端子1u,1v,1wへのそれぞれの出力電圧及び出力電流の位相は2π/3ずつずれるように制御される。
電力変換部1は、入力側の各相の入力端子1r,1s,1tと出力側の各相の出力端子1u,1v,1wとの間にそれぞれ接続された9個のアーム部2(2ru,2su,2tu,2rv,2sv,2tv,2rw,2sw,2tw)を備えている。各々のアーム部2は、同一構成であり、各々、入力リアクトルr1と出力リアクトルr2との間に、Hブリッジセルからなる複数(図1では2個)の双方向スイッチ部(スイッチ部)M1,M2が直列接続されて構成されている。
図2は、アーム部2の双方向スイッチ部M1,M2の詳細な構成を示す回路図である。
双方向スイッチ部M1は、それぞれ逆並列接続されたダイオードを有する第1〜第4の4個のスイッチング素子Q11〜Q14と、1個のキャパシタC1とを備えている。そして、第1のスイッチング素子Q11と第2のスイッチング素子Q12とが直列接続されてなる第1の回路と、第3のスイッチング素子Q13と第4のスイッチング素子Q14とが直列接続されてなる第2の回路と、キャパシタC1とが、並列に接続されている。そして、第1と第2のスイッチング素子Q11,Q12の接続点を双方向スイッチ部M1の入力端とし、第3と第4のスイッチング素子Q13,Q14の接続点を双方向スイッチ部M1の出力端とするよう構成されている。
同様に、双方向スイッチ部M2は、それぞれ逆並列接続されたダイオードを有する第1〜第4の4個のスイッチング素子Q21〜Q24と、1個のキャパシタC2とを備えている。そして、第1のスイッチング素子Q21と第2のスイッチング素子Q22とが直列接続されてなる第1の回路と、第3のスイッチング素子Q23と第4のスイッチング素子Q24とが直列接続されてなる第2の回路と、キャパシタC2とが、並列に接続されている。そして、第1と第2のスイッチング素子Q21,Q22の接続点を双方向スイッチ部M2の入力端とし、第3と第4のスイッチング素子Q23,Q24の接続点を双方向スイッチ部M2の出力端とするよう構成されている。
各アーム部2の全てのスイッチング素子の動作は制御部3によって制御される。図3(A)、図3(B)は、それぞれ、任意の1つのアーム部2に関する制御部3の内部構成の一例(電流センサ40及び電圧センサ41,42を除く)を示す図である。制御部3は、例えば、DSPなどのマイクロセッサ及びFPGAなどのロジック回路等からなる演算装置を備えており、図3(A)、図3(B)では、上記演算装置において、それに内蔵されているメモリに格納されたプログラムがそれに内蔵されている処理部によって実行されることにより実現される、任意の1つのアーム部2に関する機能ブロック(電流センサ40及び電圧センサ41,42を除く)が示されている。なお、制御部3は、集中制御する単独の制御部によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御部によって構成されていてもよい。
まず、図3(A)の場合について説明する。この制御部3は、変調波refを生成する変調波生成部31と、PD方式による同位相の4個のキャリア波(三角波)Tq2〜Tp2(Tq2,Tq1,Tp1,Tp2)を生成するキャリア波生成部32と、キャリア波入替判定部33と、スイッチ部S1〜S4と、比較器D1〜D4と、論理反転器E1〜E4とを備えている。
図4は、キャリア波生成部32で生成するキャリア波を示す図である。キャリア波生成部32は、PD方式による同位相の4個のキャリア波Tq2〜Tp2(Tq2,Tq1,Tp1,Tp2)を生成し、スイッチ部S1,S2,S3,S4へ出力する。4個のキャリア波Tq2〜Tp2には、所定範囲α(−100%〜100%)を均等に4分割し、この4分割された各範囲が各々の専有範囲として割り当てられる。各キャリア波Tq2〜Tp2は、そのピークピーク(peak to peak)の範囲が各々の専有範囲となるように生成される。
そして、変調波生成部31では出力電圧指令値である変調波refを生成する。この変調波refは、その最小値がキャリア波Tq2の専有範囲(−100%〜−50%)内の値となり、最大値がキャリア波Tp2の専有範囲(50%〜100%)内の値となるように生成される。
各比較器D1〜D4では、変調波refの値と、スイッチ部S1〜S4から入力されるキャリア波の値とを比較し、変調波refの値の方が大きい(小さい)ときには、スイッチング素子をオン状態(オフ状態)にするための信号を出力し、スイッチング素子(Q23,Q13,Q12,Q22)のゲートに制御信号として入力される。また、各論理反転器E1〜E4は、各比較器D1〜D4の出力信号の反転信号を出力し、スイッチング素子(Q24,Q14,Q11,Q21)のゲートに制御信号として入力される。
ここで、スイッチング素子Q23とQ24、スイッチング素子Q13とQ14、スイッチング素子Q12とQ11、スイッチング素子Q22とQ21が、それぞれペアとなり、一方がオン(導通)状態のときには、必ず他方がオフ(非導通)状態となるように制御される。
キャリア波入替判定部33では、変調波refとキャリア波Tq2〜Tp2とを入力し、所定の条件に基づくキャリア波入替方法(詳細は後述)に基づいて、スイッチ部S1〜S4を切り替える。ここで、2個のスイッチ部S1,S2、及び、2個のスイッチ部S3,S4は、それぞれペアとなり、各ペアのスイッチ部は必ず同時に切り替えられる。
このキャリア波入替判定部33では、スイッチ部S1〜S4の切替えによってスイッチング素子Q11〜Q14,Q21〜Q24のオンオフ状態が変更されることがないタイミングで、スイッチ部S1〜S4を切り替えるようにしている。これについて説明する。
例えば、スイッチ部S1〜S4が図3(A)に図示された状態であるとする。このとき、スイッチング素子Q23,Q24は、キャリア波Tq2と変調波refとの大小関係によってオンオフ動作し、スイッチング素子Q13,Q14は、キャリア波Tq1と変調波refとの大小関係によってオンオフ動作し、スイッチング素子Q12,Q11は、キャリア波Tp1と変調波refとの大小関係によってオンオフ動作し、スイッチング素子Q22,Q21は、キャリア波Tp2と変調波refとの大小関係によってオンオフ動作する。
そして、変調波refが、図4の変調波ref1で示されるように、キャリア波Tq2の専有範囲内にあるとき、例えば、キャリア波が最大値となる時刻t11においては、キャリア波Tq2と変調波ref1との大小関係(Tq2>ref1)は、キャリア波Tq1と変調波ref1との大小関係(Tq1>ref1)と等しくなる。よって、時刻t11のようにキャリア波が最大値となる時刻において、スイッチ部S1,S2を切り替えても、スイッチング素子Q23,Q24及びスイッチング素子Q13,Q14のオンオフ状態が変更されることはない。
一方、キャリア波が最小値となる時刻t12においては、キャリア波Tq2と変調波ref1との大小関係は、キャリア波Tq1と変調波ref1との大小関係と逆になるので、時刻t12において、スイッチ部S1,S2を切り替えると、スイッチング素子Q23,Q24及びスイッチング素子Q13,Q14のオンオフ状態が切り替わって逆になる。
また、変調波refが、図4の変調波ref2で示されるように、キャリア波Tq1の専有範囲内にあるとき、例えば、キャリア波が最小値となる時刻t12においては、キャリア波Tq1と変調波ref2との大小関係(Tq1<ref2)は、キャリア波Tq2と変調波ref2との大小関係(Tq2<ref2)と等しくなる。よって、時刻t12のようにキャリア波が最小値となる時刻において、スイッチ部S1,S2を切り替えても、スイッチング素子Q23,Q24及びスイッチング素子Q13,Q14のオンオフ状態が変更されることはない。
一方、キャリア波が最大値となる時刻t11においては、キャリア波Tq1と変調波ref2との大小関係は、キャリア波Tq2と変調波ref2との大小関係と逆になるので、時刻t11において、スイッチ部S1,S2を切り替えると、スイッチング素子Q23,Q24及びスイッチング素子Q13,Q14のオンオフ状態が切り替わって逆になる。
また、変調波refが、図4の変調波ref3で示されるように、キャリア波Tp1の専有範囲内にあるとき、例えば、キャリア波が最大値となる時刻t11においては、キャリア波Tp1と変調波ref3との大小関係(Tp1>ref3)は、キャリア波Tp2と変調波ref3との大小関係(Tp2>ref3)と等しくなる。よって、時刻t11のようにキャリア波が最大値となる時刻において、スイッチ部S3,S4を切り替えても、スイッチング素子Q11,Q12及びスイッチング素子Q21,Q22のオンオフ状態が変更されることはない。
一方、キャリア波が最小値となる時刻t12においては、キャリア波Tp1と変調波ref3との大小関係は、キャリア波Tp2と変調波ref3との大小関係と逆になるので、時刻t12において、スイッチ部S3,S4を切り替えると、スイッチング素子Q11,Q12及びスイッチング素子Q21,Q22のオンオフ状態が切り替わって逆になる。
また、変調波refが、図4の変調波ref4で示されるように、キャリア波Tp2の専有範囲内にあるとき、例えば、キャリア波が最小値となる時刻t12においては、キャリア波Tp2と変調波ref4との大小関係(Tp2<ref4)は、キャリア波Tp1と変調波ref4との大小関係(Tp1<ref4)と等しくなる。よって、時刻t12のようにキャリア波が最小値となる時刻において、スイッチ部S3,S4を切り替えても、スイッチング素子Q11,Q12及びスイッチング素子Q21,Q22のオンオフ状態が変更されることはない。
一方、キャリア波が最大値となる時刻t11においては、キャリア波Tp2と変調波ref4との大小関係は、キャリア波Tp1と変調波ref4との大小関係と逆になるので、時刻t11において、スイッチ部S3,S4を切り替えると、スイッチング素子Q11,Q12及びスイッチング素子Q21,Q22のオンオフ状態が切り替わって逆になる。
よって、本実施形態では、変調波refの値が、キャリア波Tq2,Tp1の専有範囲内にあるときには、そのキャリア波が最大値となる時点(例えば時刻t11)のタイミングで、スイッチ部(S1,S2/S3,S4)を切り替えることにより、その切替動作によってスイッチング素子のオンオフ状態が変更されることがない。また、変調波refの値が、キャリア波Tq1,Tp2の専有範囲内にあるときには、そのキャリア波が最小値となる時点(例えば時刻t12)のタイミングで、スイッチ部(S1,S2/S3,S4)を切り替えることにより、その切替動作によってスイッチング素子のオンオフ状態が変更されることがない。
図5は、アーム部2を本実施形態の一方式によってPWM制御する場合のキャリア波Tq2〜Tp2の波形、変調波refの波形、出力電流iの波形、スイッチング素子Q11〜Q14,Q21〜Q24のオン(ON)オフ(OFF)状態、キャパシタC1,C2の充放電状態の時間的変化を示す図である(横軸は時間軸)。ここでも、制御部3は、図3(A)に示す構成であるものとして説明する。
図5において、破線L1は、比較器D1に入力されるキャリア波(Tq2,Tq1)すなわちスイッチング素子Q23,Q24の制御信号の生成に用いられるキャリア波を示し、一点鎖線L2は、比較器D2に入力されるキャリア波(Tq1,Tq2)すなわちスイッチング素子Q13,Q14の制御信号の生成に用いられるキャリア波を示し、破線L3は、比較器D3に入力されるキャリア波(Tp1,Tp2)すなわちスイッチング素子Q12,Q11の制御信号の生成に用いられるキャリア波を示し、二点鎖線L4は、比較器D4に入力されるキャリア波(Tp2,Tp1)すなわちスイッチング素子Q22,Q21の制御信号の生成に用いられるキャリア波を示している。
例えば、時刻t1では、変調波refがキャリア波Tp1の専有範囲内にあるので、そのキャリア波Tp1が最大値となる時点のタイミングで、スイッチ部S3,S4が切り替えられ、比較器D3と比較器D4に入力されるキャリア波(Tp1,Tp2)が入れ替えられている。
また、時刻t2では、変調波refがキャリア波Tp2の専有範囲内にあるので、そのキャリア波Tp2が最小値となる時点のタイミングで、スイッチ部S3,S4が切り替えられ、比較器D3と比較器D4に入力されるキャリア波(Tp1,Tp2)が入れ替えられている。
また、時刻t3では、変調波refがキャリア波Tq2の専有範囲内にあるので、そのキャリア波Tq2が最大値となる時点のタイミングで、スイッチ部S1,S2が切り替えられ、比較器D1と比較器D2に入力されるキャリア波(Tq2,Tq1)が入れ替えられている。
また、時刻t4では、変調波refがキャリア波Tq1の専有範囲内にあるので、そのキャリア波Tq1が最小値となる時点のタイミングで、スイッチ部S1,S2が切り替えられ、比較器D1と比較器D2に入力されるキャリア波(Tq2,Tq1)が入れ替えられている。
上記のようなタイミングでキャリア波が入れ替えられることにより、その入れ替え時点においてスイッチング素子Q11〜Q14,Q21〜Q24のオンオフ状態が変更されることはない。
なお、スイッチ部S3,S4の切替動作によって、比較器D3と比較器D4に入力されるキャリア波(Tp1,Tp2)が入れ替えられることは、スイッチング素子Q12,Q11の制御信号を生成するために用いるキャリア波Tp1(Tp2)と、スイッチング素子Q22,Q21の制御信号を生成するために用いるキャリア波Tp2(Tp1)とが入れ替えられることである。また、スイッチ部S1,S2の切替動作によって、比較器D1と比較器D2に入力されるキャリア波(Tq2,Tq1)が入れ替えられることは、スイッチング素子Q23,Q24の制御信号を生成するために用いるキャリア波Tq2(Tq1)と、スイッチング素子Q13,Q14の制御信号を生成するために用いるキャリア波Tq1(Tq2)とが入れ替えられることである。よって、図3(A)のようにスイッチ部S1〜S4を比較器D1〜D4の前段に設けた構成に代えて、図3(B)のように比較器D1〜D4の後段にスイッチ部S1〜S4を設けた構成としても同様である。
一方、図6は、上記アーム部2を比較例のPD方式によってPWM制御する場合のキャリア波Tq2〜Tp2の波形、変調波refの波形、出力電流iの波形、スイッチング素子Q11〜Q14,Q21〜Q24のオン(ON)オフ(OFF)状態、キャパシタC1,C2の充放電状態の時間的変化を示す図である(横軸は時間軸)。
この比較例は、例えば、図3(A)において、スイッチ部S1〜S4を図3(A)に示す状態から切り替えない場合に相当する。
比較例の場合、図6に示すように、変調波refの一周期の間において、約半周期弱の期間に、スイッチング素子Q12、Q13が連続して導通し、期間T1においてキャパシタC1が連続して放電状態となる(i>0)。その後、約半周期弱の期間に、スイッチング素子Q11、Q14が連続して導通し、期間T2においてキャパシタC1が再び連続して放電状態となる(i<0)。
一方、図5に示す例の場合、図5のキャパシタC1,C2の状態で示されるように、同一のキャパシタが長時間連続して放電状態あるいは充電状態となるのを回避できる。すなわち、スイッチング素子の制御信号の生成に用いるキャリア波を入れ替えることにより、同一のキャパシタが長時間連続して放電状態あるいは充電状態となるのを回避できる。よって、長時間の放電によるキャパシタ電圧の低下を抑えるとともに、長時間の充電によるキャパシタ電圧の上昇を抑えて、キャパシタC1,C2間での電圧のアンバランスの抑制が可能になる。
そして、キャリア波を入れ替えるタイミングを、その入れ替えによってスイッチング素子のオンオフ状態が切り替わることのないタイミングとすることにより、不要なスイッチングを回避できる。
さらに本実施形態では、所定の入替方法に基づいて、キャリア波を入れ替えるようにしている。この入替方法について説明する。
各アーム部2には、図2に示すように、アーム部2の出力電流iを測定する電流センサ(電流検出手段)40と、各双方向スイッチ部M1,M2のキャパシタC1,C2の電圧V1,V2を測定する電圧センサ(電圧測定手段)41,42とが設けられている。
そして、キャリア波入替判定部33は、変調波ref及びキャリア波Tq2〜Tp2に加えて、電流センサ40で測定される出力電流iと、電圧センサ41、42で測定されるキャパシタ測定電圧V1,V2とを入力し、これらに基づいてキャリア波を入れ替える。
ここで、キャリア波の入替方法については、アーム部2が3つ以上の双方向スイッチ部を有する場合も同様にして説明できるので、以下では、アーム部2がn個(nは2以上の整数)の双方向スイッチ部を有している場合について説明する。
図7は、n個の双方向スイッチ部を有するアーム部2の構成を示す図である。
9個の各アーム部2には、入力リアクトルr1と出力リアクトルr2との間に、Hブリッジセルからなるn個の双方向スイッチ部M1〜Mnが直列接続されている。そして、アーム部2の出力電流iを測定する電流センサ40と、各双方向スイッチ部M1〜MnのキャパシタC1〜Cnの電圧V1〜Vnを測定する電圧センサ41〜4nとが設けられている。
また、図8は、図7に示すアーム部2のn個の双方向スイッチ部M1〜Mnの制御信号の生成に用いられる2n個のキャリア波を示す図である。
制御部3のキャリア波生成部では、図8に示されるPD方式による同位相の2n個のキャリア波を生成する。2n個のキャリア波は、所定範囲α(−100%〜100%)を均等に2n個に分割し、この分割された各範囲が専有範囲として割り当てられる。各キャリア波は、そのピークピーク(peak to peak)の範囲が専有範囲となるように生成される。図8では、0〜100%に割り当てられたn個のキャリア波をTp1〜Tpnとし、0〜−100%に割り当てられたn個のキャリア波をTq1〜Tqnとして示している。例えば、キャリア波Tpk,Tqkのそれぞれの専有範囲は、Zpk,Zqkで示す範囲である。
ここで、2n個のキャリア波のうち専有範囲が高い方のn個のキャリア波Tp1〜Tpnは、双方向スイッチ部M1〜Mnの第1,第2のスイッチング素子(Q11,Q12)〜(Qn1,Qn2)の制御信号の生成に用いられ、専有範囲が低い方のn個のキャリア波Tq1〜Tqnは、双方向スイッチ部M1〜Mnの第3,第4のスイッチング素子(Q13,Q14)〜(Qn3,Qn4)の制御信号の生成に用いられる。
例えば、専有範囲が高い方のキャリア波Tpkが制御信号の生成に用いられている第1、第2のスイッチング素子をQk1、Qk2とすると、変調波refがキャリア波Tpkより大きい値(小さい値)のときには、第1のスイッチング素子Qk1がオフ(オン)、第2のスイッチング素子Qk2がオン(オフ)となる。また、専有範囲が低い方のキャリア波Tqkが制御信号の生成に用いられている第3、第4のスイッチング素子をQk3、Qk4とすると、変調波refがキャリア波Tqkより大きい値(小さい値)のときには、第3のスイッチング素子Qk3がオン(オフ)、第4のスイッチング素子Qk4がオフ(オン)となる。
図9及び図10は、制御部3によるキャリア波入替方法を説明するためのフローチャートである。ここで、i>0は、アーム部2の出力電流iが入力側から出力側へ向かう方向(正方向)へ流れることを示し、i<0は、アーム部2の出力電流iが出力側から入力側へ向かう方向(負方向)へ流れることを示す。また、ref>0は、変調波refの値が、専有範囲が高い方のn個のキャリア波Tp1〜Tpnのいずれかの専有範囲に存在していることを示し、ref<0は、変調波refの値が、専有範囲が低い方のn個のキャリア波Tq1〜Tqnのいずれかの専有範囲に存在していることを示す。
また、キャリア波Tpx(xは1〜nの整数)が制御信号の生成に用いられているスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧を、V(Tpx)と記載し、同様に、キャリア波Tqx(xは1〜nの整数)が制御信号の生成に用いられているスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧を、V(Tqx)と記載する。
なお、図8に示すように、専有範囲が高い方のキャリア波Tpxにおいては、xの値が大きいほど、そのキャリア波の専有範囲は高い範囲になる。一方、専有範囲が低い方のキャリア波Tqxにおいては、xの値が大きいほど、そのキャリア波の専有範囲は低い範囲になる。
そして、初期(動作開始時)には、例えば、V(Tpx)=V(Tqx)=Vxとして設定されるようにしてもよい(Vxは、双方向スイッチ部Mxのキャパシタ測定電圧)。すなわち、キャリア波Tpxとキャリア波Tqxとが、双方向スイッチ部Mxの第1〜第4のスイッチング素子Qx1〜Qx4の制御信号の生成に用いられるようにしてもよい。
なお、各キャリア波は、ペアとなる2つのスイッチング素子の制御信号の生成に用いられるが、このことを、各キャリア波がペアとなる2つのスイッチング素子に割り当てられていると表現してもよい。以下ではこのような表現を用いて記載する。すなわち、専有範囲が高い方のキャリア波Tp1〜Tpnは、n個の双方向スイッチ部M1〜Mnの第1,第2のスイッチング素子に割り当てられ、それらの中で、割り当てが変更される(キャリア波が入れ替えられる)。また、専有範囲が低い方のキャリア波Tq1〜Tqnは、n個の双方向スイッチ部M1〜Mnの第3,第4のスイッチング素子に割り当てられ、それらの中で、割り当てが変更される(キャリア波が入れ替えられる)。
そして、図9、図10のステップS10,S20,S30,S40では、出力電流iの測定値及び変調波refの値に基づいて判断する。以下では、変調波refの値が存在する専有範囲を有するキャリア波をTpm(ref>0の場合)あるいはTqm(ref<0の場合)と記載する。
そして、i>0でかつ、ref>0である場合には、ステップS10からステップS11へ進み、キャリア波の状態(値)が最大であれば、V(Tpa)>V(Tpm)となるV(Tpa)が存在するか否かを判断し(ステップS12)、存在する場合には第1の入替処理を行う(ステップS13)。
ここで、Tpaのaは、m<a≦nとなる整数である。すなわち、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tpm)に対して、変調波refの存在するキャリア波Tpmの専有範囲よりも高い専有範囲のキャリア波Tpaが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tpa)の方が大きい、という事象が生じるときに、第1の入替処理を行う。
この第1の入替処理(ステップS13)では、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子と、上記キャリア波Tpaが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。ここで、V(Tpa)>V(Tpm)となるV(Tpa)が複数存在する場合には、その中で最大となるV(Tpa)に対応するキャリア波Tpaが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子と、キャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。
また、ステップS11で、キャリア波の状態(値)が最小であれば、V(Tpb)<V(Tpm)となるV(Tpb)が存在するか否かを判断し(ステップS14)、存在する場合には第2の入替処理を行う(ステップS15)。
ここで、Tpbのbは、1≦b<mとなる整数である。すなわち、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tpm)に対して、変調波refの存在するキャリア波Tpmの専有範囲よりも低い専有範囲のキャリア波Tpbが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tpb)の方が小さい、という事象が生じるときに、第2の入替処理を行う。
この第2の入替処理(ステップS15)では、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子と、上記キャリア波Tpbが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。ここで、V(Tpb)<V(Tpm)となるV(Tpb)が複数存在する場合には、その中で最小となるV(Tpb)に対応するキャリア波Tpbが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子と、キャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。
また、i>0でかつ、ref<0である場合には、ステップS20からステップS21へ進み、キャリア波の状態(値)が最大であれば、V(Tqc)>V(Tqm)となるV(Tqc)が存在するか否かを判断し(ステップS22)、存在する場合には第3の入替処理を行う(ステップS23)。
ここで、Tqcのcは、1≦c<mとなる整数である。すなわち、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tqm)に対して、変調波refの存在するキャリア波Tqmの専有範囲よりも高い専有範囲のキャリア波Tqcが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tqc)の方が大きい、という事象が生じるときに、第3の入替処理を行う。
この第3の入替処理(ステップS23)では、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子と、上記キャリア波Tqcが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。ここで、V(Tqc)>V(Tqm)となるV(Tqc)が複数存在する場合には、その中で最大となるV(Tqc)に対応するキャリア波Tqcが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子と、キャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。
また、ステップS21で、キャリア波の状態(値)が最小であれば、V(Tqd)<V(Tqm)となるV(Tqd)が存在するか否かを判断し(ステップS24)、存在する場合には第4の入替処理を行う(ステップS25)。
ここで、Tqdのdは、m<d≦nとなる整数である。すなわち、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tqm)に対して、変調波refの存在するキャリア波Tqmの専有範囲よりも低い専有範囲のキャリア波Tqdが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tqd)の方が小さい、という事象が生じるときに、第4の入替処理を行う。
この第4の入替処理(ステップS25)では、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子と、上記キャリア波Tqdが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。ここで、V(Tqd)<V(Tqm)となるV(Tqd)が複数存在する場合には、その中で最小となるV(Tqd)に対応するキャリア波Tqdが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子と、キャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。
また、i<0でかつ、ref>0である場合には、ステップS30からステップS31へ進み、キャリア波の状態(値)が最大であれば、V(Tpa)<V(Tpm)となるV(Tpa)が存在するか否かを判断し(ステップS32)、存在する場合には第5の入替処理を行う(ステップS33)。
ここで、Tpaのaは、m<a≦nとなる整数である。すなわち、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tpm)に対して、変調波refの存在するキャリア波Tpmの専有範囲よりも高い専有範囲のキャリア波Tpaが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tpa)の方が小さい、という事象が生じるときに、第5の入替処理を行う。
この第5の入替処理(ステップS33)では、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子と、上記キャリア波Tpaが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。ここで、V(Tpa)<V(Tpm)となるV(Tpa)が複数存在する場合には、その中で最小となるV(Tpa)に対応するキャリア波Tpaが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子と、キャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。
また、ステップS31で、キャリア波の状態(値)が最小であれば、V(Tpb)>V(Tpm)となるV(Tpb)が存在するか否かを判断し(ステップS34)、存在する場合には第6の入替処理を行う(ステップS35)。
ここで、Tpbのbは、1≦b<mとなる整数である。すなわち、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tpm)に対して、変調波refの存在するキャリア波Tpmの専有範囲よりも低い専有範囲のキャリア波Tpbが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tpb)の方が大きい、という事象が生じるときに、第6の入替処理を行う。
この第6の入替処理(ステップS35)では、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子と、上記キャリア波Tpbが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。ここで、V(Tpb)>V(Tpm)となるV(Tpb)が複数存在する場合には、その中で最大となるV(Tpb)に対応するキャリア波Tpbが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子と、キャリア波Tpmが割り当てられた第1,第2のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。
また、i<0でかつ、ref<0である場合には、ステップS40からステップS41へ進み、キャリア波の状態(値)が最大であれば、V(Tqc)<V(Tqm)となるV(Tqc)が存在するか否かを判断し(ステップS42)、存在する場合には第7の入替処理を行う(ステップS43)。
ここで、Tqcのcは、1≦c<mとなる整数である。すなわち、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tqm)に対して、変調波refの存在するキャリア波Tqmの専有範囲よりも高い専有範囲のキャリア波Tqcが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tqc)の方が小さい、という事象が生じるときに、第7の入替処理を行う。
この第7の入替処理(ステップS43)では、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子と、上記キャリア波Tqcが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。ここで、V(Tqc)<V(Tqm)となるV(Tqc)が複数存在する場合には、その中で最小となるV(Tqc)に対応するキャリア波Tqcが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子と、キャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。
また、ステップS41で、キャリア波の状態(値)が最小であれば、V(Tqd)>V(Tqm)となるV(Tqd)が存在するか否かを判断し(ステップS44)、存在する場合には第8の入替処理を行う(ステップS45)。
ここで、Tqdのdは、m<d≦nとなる整数である。すなわち、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tqm)に対して、変調波refの存在するキャリア波Tqmの専有範囲よりも低い専有範囲のキャリア波Tqdが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子を有する双方向スイッチ部のキャパシタ測定電圧V(Tqd)の方が大きい、という事象が生じるときに、第8の入替処理を行う。
この第8の入替処理(ステップS45)では、変調波refの存在する専有範囲のキャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子と、上記キャリア波Tqdが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。ここで、V(Tqd)>V(Tqm)となるV(Tqd)が複数存在する場合には、その中で最大となるV(Tqd)に対応するキャリア波Tqdが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子と、キャリア波Tqmが割り当てられた第3,第4のスイッチング素子との間で、割り当てられたキャリア波を入れ替える。
本例では、上記第1〜第8の入替処理によってキャリア波を入れ替えるキャリア波入替処理を行い、第1〜第8の入替処理以外では、キャリア波の入れ替えは行わないようにしている。
次に、図9、図10に示す入替方法を、n=2の場合、すなわち、図1、図2に示すように、2個の双方向スイッチ部M1,M2を有している構成のアーム部2に適用した場合を説明する。この場合、図4に示す4つのキャリア波Tq2,Tq1,Tp1,Tp2を用いることは前述した通りである。
まず、i>0でかつ、ref>0である場合には、ステップS11で、キャリア波の状態(値)が最大であれば、V(Tpa)>V(Tpm)となるV(Tpa)が存在するか否かを判断し(ステップS12)、存在する場合には第1の入替処理を行う(ステップS13)。
ステップS12において、Tpaのaは、m<a≦nであり、ここでは、n=2であるので、m=1の場合(すなわち変調波refがキャリア波Tp1の専有範囲内にある場合)にのみ、a=2となって、V(Tpa)>V(Tpm)となるV(Tpa)〔=V(Tp2)〕が存在する可能性がある。
よって、n=2の場合、ステップS12は、変調波refがキャリア波Tp1の専有範囲内にあり(Tpm=Tp1)、かつ、V(Tp2)>V(Tp1)を満足するか否かを判断することと等しく、これを満足する場合にのみ、ステップS13の第1の入替処理を行う。ここでの第1の入替処理は、双方向スイッチ部M1,M2は2個だけであるので、双方向スイッチ部M1の第1,第2のスイッチング素子Q11,Q12と、双方向スイッチ部M2の第1,第2のスイッチング素子Q21,Q22との間で、互いに割り当てられたキャリア波Tp1,Tp2を入れ替える。
例えば、図4の変調波ref3で示すように、変調波refがキャリア波Tp1の専有範囲内に存在するときに、図4の期間Aにおいて、例えば図3(A)に示す状態にスイッチ部S1〜S4が接続されているとした場合、スイッチング素子Q12,Q13,Q21,Q23がオン状態で、他のスイッチング素子Q11,Q14,Q22,Q24がオフ状態であり、このとき電流iは、図2の経路PAで示すように流れ、キャパシタC1は放電状態であり、キャパシタC2は充放電停止状態である。
そして、キャリア波の入替えが行われない場合は、期間Bにおいても期間Aと同じ状態となる。一方、キャリア波が最大値となる時刻t11において、双方向スイッチ部M1の第1,第2のスイッチング素子Q11,Q12と、双方向スイッチ部M2の第1,第2のスイッチング素子Q21,Q22との間で、割り当てられるキャリア波Tp1とTp2とを入れ替えた場合(スイッチ部S3,S4を切り替えた場合)には、期間Bにおいて、期間Aのときとはスイッチング素子Q11,Q12,Q21,Q22のオンオフ状態が逆になる。すなわち、期間Bにおいては、スイッチング素子Q11,Q13,Q22,Q23がオン状態で、他のスイッチング素子Q12,Q14,Q21,Q24がオフ状態となり、このとき電流iは、図2の経路PBで示すように流れ、キャパシタC1は充放電停止状態となり、キャパシタC2は放電状態となる。
このようにキャリア波の入替えを行うことにより、キャパシタC1とキャパシタC2との間で充放電状態が逆になり、上記の場合、キャパシタC1の電圧V1の減少が抑制されて、キャパシタC2の電圧V2の減少が促進される。よって、時刻t11において、V2>V1〔(V(Tp2)>V(Tp1)〕の場合に、キャリア波の入替えを行うことにより、キャパシタC1とキャパシタC2との電圧のアンバランスを抑制することができる。なお、電流iの向きが逆(i<0)の場合には、充放電の状態は逆になる。
なお、以下に述べる第2〜第8の入替処理については、上述のような例示はしないが、キャリア波の入替えを行うことにより、上記同様、キャパシタC1とキャパシタC2との間で充放電状態が逆になり、2つのキャパシタC1,C2の間の電圧のアンバランスを抑制することができる。
また、ステップS11で、キャリア波の状態(値)が最小であれば、V(Tpb)<V(Tpm)となるV(Tpb)が存在するか否かを判断し(ステップS14)、存在する場合には第2の入替処理を行う(ステップS15)。
ステップS14において、Tpbのbは、1≦b<mであり、ここでは、n=2であるので、m=2の場合(すなわち変調波refがキャリア波Tp2の専有範囲内にある場合)にのみ、b=1となって、V(Tpb)<V(Tpm)となるV(Tpb)〔=V(Tp1)〕が存在する可能性がある。
よって、n=2の場合、ステップS14は、変調波refがキャリア波Tp2の専有範囲内にあり(Tpm=Tp2)、かつ、V(Tp1)<V(Tp2)を満足するか否かを判断することと等しく、これを満足する場合にのみ、ステップS15の第2の入替処理を行う。ここでの第2の入替処理は、双方向スイッチ部M1,M2は2個だけであるので、双方向スイッチ部M1の第1,第2のスイッチング素子Q11,Q12と、双方向スイッチ部M2の第1,第2のスイッチング素子Q21,Q22との間で、互いに割り当てられたキャリア波Tp1,Tp2を入れ替える。
また、i>0でかつ、ref<0である場合には、ステップS21で、キャリア波の状態(値)が最大であれば、V(Tqc)>V(Tqm)となるV(Tqc)が存在するか否かを判断し(ステップS22)、存在する場合には第3の入替処理を行う(ステップS23)。
ステップS22において、Tqcのcは、1≦c<mであり、ここでは、n=2であるので、m=2の場合(すなわち変調波refがキャリア波Tq2の専有範囲内にある場合)にのみ、c=1となって、V(Tqc)>V(Tqm)となるV(Tqc)〔=V(Tq1)〕が存在する可能性がある。
よって、n=2の場合、ステップS22は、変調波refがキャリア波Tq2の専有範囲内にあり(Tqm=Tq2)、かつ、V(Tq1)>V(Tq2)を満足するか否かを判断することと等しく、これを満足する場合にのみ、ステップS22の第3の入替処理を行う。ここでの第3の入替処理は、双方向スイッチ部M1,M2は2個だけであるので、双方向スイッチ部M1の第3,第4のスイッチング素子Q13,Q14と、双方向スイッチ部M2の第3,第4のスイッチング素子Q23,Q24との間で、互いに割り当てられたキャリア波Tq1,Tq2を入れ替える。
また、ステップS21で、キャリア波の状態(値)が最小であれば、V(Tqd)<V(Tqm)となるV(Tqd)が存在するか否かを判断し(ステップS24)、存在する場合には第4の入替処理を行う(ステップS25)。
ステップS24において、Tqdのdは、m<d≦nであり、ここでは、n=2であるので、m=1の場合(すなわち変調波refがキャリア波Tq1の専有範囲内にある場合)にのみ、d=2となって、V(Tqd)<V(Tqm)となるV(Tqd)〔=V(Tq2)〕が存在する可能性がある。
よって、n=2の場合、ステップS24は、変調波refがキャリア波Tq1の専有範囲内にあり(Tqm=Tq1)、かつ、V(Tq2)<V(Tq1)を満足するか否かを判断することと等しく、これを満足する場合にのみ、ステップS25の第4の入替処理を行う。ここでの第4の入替処理は、双方向スイッチ部M1,M2は2個だけであるので、双方向スイッチ部M1の第3,第4のスイッチング素子Q13,Q14と、双方向スイッチ部M2の第3,第4のスイッチング素子Q23,Q24との間で、互いに割り当てられたキャリア波Tq1,Tq2を入れ替える。
また、i<0でかつ、ref>0である場合には、ステップS31で、キャリア波の状態(値)が最大であれば、V(Tpa)<V(Tpm)となるV(Tpa)が存在するか否かを判断し(ステップS32)、存在する場合には第5の入替処理を行う(ステップS33)。
ステップS32において、Tpaのaは、m<a≦nであり、ここでは、n=2であるので、m=1の場合(すなわち変調波refがキャリア波Tp1の専有範囲内にある場合)にのみ、a=2となって、V(Tpa)<V(Tpm)となるV(Tpa)〔=V(Tp2)〕が存在する可能性がある。
よって、n=2の場合、ステップS32は、変調波refがキャリア波Tp1の専有範囲内にあり(Tpm=Tp1)、かつ、V(Tp2)<V(Tp1)を満足するか否かを判断することと等しく、これを満足する場合にのみ、ステップS33の第5の入替処理を行う。ここでの第5の入替処理は、双方向スイッチ部M1,M2は2個だけであるので、双方向スイッチ部M1の第1,第2のスイッチング素子Q11,Q12と、双方向スイッチ部M2の第1,第2のスイッチング素子Q21,Q22との間で、互いに割り当てられたキャリア波Tp1,Tp2を入れ替える。
また、ステップS31で、キャリア波の状態(値)が最小であれば、V(Tpb)>V(Tpm)となるV(Tpb)が存在するか否かを判断し(ステップS34)、存在する場合には第6の入替処理を行う(ステップS35)。
ステップS34において、Tpbのbは、1≦b<mであり、ここでは、n=2であるので、m=2の場合(すなわち変調波refがキャリア波Tp2の専有範囲内にある場合)にのみ、b=1となって、V(Tpb)>V(Tpm)となるV(Tpb)〔=V(Tp1)〕が存在する可能性がある。
よって、n=2の場合、ステップS34は、変調波refがキャリア波Tp2の専有範囲内にあり(Tpm=Tp2)、かつ、V(Tp1)>V(Tp2)を満足するか否かを判断することと等しく、これを満足する場合にのみ、ステップS35の第6の入替処理を行う。ここでの第6の入替処理は、双方向スイッチ部M1,M2は2個だけであるので、双方向スイッチ部M1の第1,第2のスイッチング素子Q11,Q12と、双方向スイッチ部M2の第1,第2のスイッチング素子Q21,Q22との間で、互いに割り当てられたキャリア波Tp1,Tp2を入れ替える。
また、i<0でかつ、ref<0である場合には、ステップS41で、キャリア波の状態(値)が最大であれば、V(Tqc)<V(Tqm)となるV(Tqc)が存在するか否かを判断し(ステップS42)、存在する場合には第7の入替処理を行う(ステップS43)。
ステップS42において、Tqcのcは、1≦c<mであり、ここでは、n=2であるので、m=2の場合(すなわち変調波refがキャリア波Tq2の専有範囲内にある場合)にのみ、c=1となって、V(Tqc)<V(Tqm)となるV(Tqc)〔=V(Tq1)〕が存在する可能性がある。
よって、n=2の場合、ステップS42は、変調波refがキャリア波Tq2の専有範囲内にあり(Tqm=Tq2)、かつ、V(Tq1)<V(Tq2)を満足するか否かを判断することと等しく、これを満足する場合にのみ、ステップS42の第7の入替処理を行う。ここでの第7の入替処理は、双方向スイッチ部M1,M2は2個だけであるので、双方向スイッチ部M1の第3,第4のスイッチング素子Q13,Q14と、双方向スイッチ部M2の第3,第4のスイッチング素子Q23,Q24との間で、互いに割り当てられたキャリア波Tq1,Tq2を入れ替える。
また、ステップS41で、キャリア波の状態(値)が最小であれば、V(Tqd)>V(Tqm)となるV(Tqd)が存在するか否かを判断し(ステップS44)、存在する場合には第8の入替処理を行う(ステップS45)。
ステップS44において、Tqdのdは、m<d≦nであり、ここでは、n=2であるので、m=1の場合(すなわち変調波refがキャリア波Tq1の専有範囲内にある場合)にのみ、d=2となって、V(Tqd)>V(Tqm)となるV(Tqd)〔=V(Tq2)〕が存在する可能性がある。
よって、n=2の場合、ステップS44は、変調波refがキャリア波Tq1の専有範囲内にあり(Tqm=Tq1)、かつ、V(Tq2)>V(Tq1)を満足するか否かを判断することと等しく、これを満足する場合にのみ、ステップS45の第8の入替処理を行う。ここでの第8の入替処理は、双方向スイッチ部M1,M2は2個だけであるので、双方向スイッチ部M1の第3,第4のスイッチング素子Q13,Q14と、双方向スイッチ部M2の第3,第4のスイッチング素子Q23,Q24との間で、互いに割り当てられたキャリア波Tq1,Tq2を入れ替える。
以上に述べたように、例えば第1〜第8の入替処理のようなキャリア波入替処理を行うことにより、入れ替えられたキャリア波が割り当てられているスイッチング素子のペアを有する2つの双方向スイッチ部の一方のキャパシタと他方のキャパシタとの間で、充放電状態を逆にすることが可能となり、同一のキャパシタが長時間連続して放電状態あるいは充電状態となるのを回避できる。よって、長時間の放電によるキャパシタ電圧の低下を抑えるとともに、長時間の充電によるキャパシタ電圧の上昇を抑えて、キャパシタ間での電圧のアンバランスの抑制が可能になる。また、キャリア波の割り当てを変更するだけなので、電流の増加や大幅な演算量の増加も抑えられる。
なお、上記では、キャリア波入替処理において、電流センサ40でアーム部2の出力電流iの向きを検出するようにしたが、アーム部2に入出力される入出力電流の向きを検出すればよい。すなわち、アーム部2の入出力電流iの向きに基づいて、図9、図10のステップS10,S20,S30,S40の判定を行うようにすればよい。よって、アーム部2の入出力電流iの向きを検出するための電流センサ40は、例えば図7において、入力リアクトルr1とそれに最も近い双方向スイッチ部M1との間、互いに隣り合う2個の双方向スイッチ部の間、出力リアクトルr2とそれに最も近い双方向スイッチ部Mnとの間、のいずれかに配置することができる。
〔制御部の第1変形例〕
図11は、制御部3を複数の制御基板で構成した場合の第1例のマトリックスコンバータを示す図である。
この制御部3は、マスタ基板(第1の制御基板)3aと、9個のスレーブ基板(第2の制御基板)3ru,3su,3tu,3rv,3sv,3tv,3rw,3sw,3twとで構成されている。9個のスレーブ基板は、9個のアーム部2(2ru,2su,2tu,2rv,2sv,2tv,2rw,2sw,2tw)の各々と対応して設けられ、対応するアーム部2を制御する。
9個の各アーム部2には、図7のようにn個の双方向スイッチ部M1〜Mnが直列接続されている。
マスタ基板3aは、例えば、DSPなどのマイクロセッサ及びFPGAなどのロジック回路等からなる演算装置を備えており、入出力電力制御、出力周波数制御等を行う。
上記9個の各スレーブ基板は、例えば、FPGAなどのロジック回路等からなる演算装置を備えている。9個の各スレーブ基板は同一の構成及び機能を有しているので、ここでは、9個のスレーブ基板を代表して、アーム部2ruと対応するスレーブ基板3ruを用いて説明する。
マスタ基板3aとスレーブ基板3ruとの間のデータ通信は、例えばLVDSを用いた高速シリアル通信によって行われる。
マスタ基板3aは、公知の方法によって変調波(出力電圧指令値)refを生成し、スレーブ基板3ruへ送信する。
スレーブ基板3ruでは、マスタ基板3aから変調波refを受信するとともに、対応するアーム部2ruの電流センサ40で測定される出力電流iと、電圧センサ41〜4nで測定されるキャパシタ測定電圧V1〜Vnとを入力する。
そして、スレーブ基板3ruでは、対応するアーム部2ruを制御する。すなわち、スレーブ基板3ruでは、図8のようなキャリア波(Tp1〜Tpn,Tq1〜Tqn)を生成し、それらのキャリア波と変調波refとに基づいて、対応するアーム部2ruのn個の双方向スイッチ部M1〜Mnのスイッチング素子のオンオフ動作を制御する。この際、例えば、キャリア波と変調波refと出力電流iとキャパシタ測定電圧V1〜Vnとに基づいて、図9、図10で示す方法によるキャリア波入替処理も行う。
また、マスタ基板3aは、スレーブ基板3ruが生成するキャリア波と同一周期の三角波を生成し、その三角波が例えば最小値となるタイミングで順次同期信号を生成し、スレーブ基板3ruへ送信する。スレーブ基板3ruでは、マスタ基板3aから同期信号を受信した時点において、生成するキャリア波が上記最小値となるタイミングとなるようにキャリア波のリセットを行い、マスタ基板3aとの同期をとる。これにより、マスタ基板3aとスレーブ基板3ruとの間の時間遅れを軽減することができるとともに一定にすることができ、時間応答と安定性の高い制御が可能になる。
また、スレーブ基板3ruは、常時、アーム部2ruのキャパシタ測定電圧V1〜Vnを合計し、その合計値(アーム部キャパシタ電圧Vru)をマスタ基板3aへ送信するとともに、アーム部2ruの電流センサ40で測定される出力電流iの測定値(瞬時値)をマスタ基板3aへ送信する。
そして、マスタ基板3aでは、スレーブ基板3ruからアーム部キャパシタ電圧Vruとアーム部2ruの出力電流iの測定値とを受信し、公知の方法によって変調波refを生成し、スレーブ基板3ruへ送信する。ここで、例えば、アーム部キャパシタ電圧Vruをアーム部キャパシタ電圧指令値(所定値)に追従させるため、アーム部キャパシタ電圧Vruとアーム部キャパシタ電圧指令値との偏差にPI補償を施して電流指令値を算出し、さらに電流制御を行って変調波(出力電圧指令値)refを生成する。
なお、スレーブ基板3ruは、アーム部2ruのキャパシタ測定電圧V1〜Vnの合計値(アーム部キャパシタ電圧Vru)に代えて、キャパシタ測定電圧V1〜Vnの平均値を算出し、その平均値をマスタ基板3aへ送信するようにしてもよい。
以上のように、制御部3をマスタ基板3aと複数のスレーブ基板とで構成することにより、制御部3における演算処理の負担を分散させることができる。
〔制御部の第2変形例〕
図12は、制御部3を複数の制御基板で構成した場合の第2例のマトリックスコンバータを示す図である。
この制御部3は、マスタ基板(第1の制御基板)3aと、3個のスレーブ基板(第2の制御基板)3U,3V,3Wとで構成されている。すなわち、本例では、図11における3個のスレーブ基板3ru,3su,3tuに代えて1個のスレーブ基板3Uを設け、図11における3個のスレーブ基板3rv,3sv,3tvに代えて1個のスレーブ基板3Vを設け、図11における3個のスレーブ基板3rw,3sw,3twに代えて1個のスレーブ基板3Wを設けた構成である。3個の各スレーブ基板3U,3V,3Wは、例えば、FPGAなどのロジック回路等からなる演算装置を備えている。
本例では、スレーブ基板3Uは、3個のスレーブ基板3ru,3su,3tuの機能を有し、同様に、スレーブ基板3Vは、3個のスレーブ基板3rv,3sv,3tvの機能を有し、スレーブ基板3Wは、3個のスレーブ基板3rw,3sw,3twの機能を有している。すなわち、スレーブ基板3Uは、3個のアーム部2ru,2su,2tuを制御するとともに、マスタ基板3aとの間で高速シリアル通信によって、図11の3個のスレーブ基板3ru,3su,3tuとマスタ基板3aとの間で行われていた情報(同期信号を含む)の送受信を行う。他の2つのスレーブ基板3V,3Wについても同様である。
この図12の場合も、図11の場合と同様、制御部3をマスタ基板3aと複数のスレーブ基板とで構成することにより、制御部3における演算処理の負担を分散させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態における電力変換装置の一例は、図1と同様のマトリックスコンバータである。そして、各アーム部2(2ru,2su,2tu,2rv,2sv,2tv,2rw,2sw,2tw)は、図2のように、入力リアクトルr1と出力リアクトルr2との間に、2個の双方向スイッチ部M1,M2が直列接続されて構成されている。
この第2実施形態では、制御部3によるキャリア波入替方法が、第1実施形態における図9、図10に示された方法とは異なる。第2実施形態では、図3(A)または図3(B)の構成において、キャリア波入替判定部33が、電流センサ40で測定される出力電流iと、電圧センサ41、42で測定されるキャパシタ測定電圧V1,V2とを入力しない構成である。
制御部3は、図4に示すキャリア波Tp1,Tp2,Tq1,Tq2を生成し、予め定められた周期(入替周期Taとする)で、各々のアーム部2において、キャリア波入替判定部33がキャリア波入替処理を行うように構成されている。但し、キャリア波の入替えを行う際に、第1実施形態の場合と同様、キャリア波の入れ替えによってスイッチング素子Q11〜Q14,Q21〜Q24のオンオフ状態が変更されることがないタイミングで行う。
このキャリア波の入れ替えによってスイッチング素子Q11〜Q14,Q21〜Q24のオンオフ状態が変更されることがないタイミングは、変調波refの値が、キャリア波Tp1,Tq2の専有範囲内にあるときには、そのキャリア波が最大値となる時点であり、変調波refの値が、キャリア波Tp2,Tq1の専有範囲内にあるときには、そのキャリア波が最小値となる時点である。そして、入替周期Taは、キャリア波の周期よりも大きく、かつキャリア波の周期の1/2の整数倍とすることができる。また、入替周期Taが長すぎると、所望の効果が得られなくなるので、変調波refの周期の1/2以下とすることが好ましい。
また、変調波refの値が、キャリア波Tp1,Tp2のいずれかの専有範囲内にあるときには、キャリア波Tp1とキャリア波Tp2とが入れ替えられる。変調波refの値が、キャリア波Tq1,Tq2のいずれかの専有範囲内にあるときには、キャリア波Tq1とキャリア波Tq2とが入れ替えられる。
図13は、本実施形態におけるキャリア波入替処理を用いてマトリックスコンバータを制御する場合のU相出力端子1uに接続された3つのアーム部2ru,2su,2tuにおける各2つの双方向スイッチ部M1,M2のキャパシタ電圧V1,V2(図2参照)のシミュレーション結果を示す図であり、横軸は時間軸である。
この場合のシミュレーション条件は、図13に示す通りである。スイッチング周波数が20〔kHz〕であり、キャリア波の周期は0.05〔ms〕である。また、キャリア波入替周波数が1.25〔kHz〕であり、入替周期Taは0.8〔ms〕である。よって、ここでは、入替周期Taをキャリア波の周期の16倍としている。また、出力周波数が400Hzであり、変調波refの周期が2.5〔ms〕であるので、入替周期Taは変調波refの周期の約1/3である。アーム部キャパシタ電圧指令値が720〔V〕というのは、各アーム部における2つのキャパシタの合計電圧の指令値である。
また、図13において、時刻tsまではキャリア波入替処理を実施しないで、時刻tsからキャリア波入替処理を実施している。図13において、符号101で括った3つの電圧波形は、3つのアーム部2ru,2su,2tuの各々の一方の双方向スイッチ部M1のキャパシタ電圧V1の推移を示し、符号102で括った3つの電圧波形は、3つのアーム部2ru,2su,2tuの各々の他方の双方向スイッチ部M2のキャパシタ電圧V2の推移を示している。
図13に示すように、キャリア波入替処理を実施しない時刻tsまでは、各アーム部2ru,2su,2tuにおいて、2個のキャパシタの合計電圧が指令値の720〔V〕になるように制御はされているが、各アーム部における2つのキャパシタ電圧に大きな隔たりがある。そして、時刻tsからキャリア波入替処理を実施することにより、各アーム部における2つのキャパシタ電圧がいずれも360〔V〕に収束している。
上記シミュレーション結果からわかるように、本実施形態のように周期的にキャリア波を入れ替えることによっても、電流の増加や大幅な演算量の増加を抑え、キャパシタ電圧のアンバランスを抑制することができる。
なお、本実施形態においても、制御部3は、例えば、図11、図12のように、マスタ基板3aと複数のスレーブ基板とで構成されていてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態における電力変換装置の一例は、図1と同様に示されるマトリックスコンバータである。そして、各アーム部2(2ru,2su,2tu,2rv,2sv,2tv,2rw,2sw,2tw)は、図2のように、入力リアクトルr1と出力リアクトルr2との間に、2個の双方向スイッチ部M1,M2が直列接続されて構成されている。
この第3実施形態では、PS方式によるPWM制御を行うようにしている。そのため、制御部3により生成されるキャリア波及びキャリア波入替方法が第1、第2実施形態とは異なる。
図14は、本実施形態の一例で用いるPS方式による4個のキャリア波を示す図である。この4個のキャリア波(三角波)TR1〜TR4は、同一周波数、同一振幅で所定範囲(−100%〜100%)内を変動し、かつ、それぞれが90度の位相差を有している。また、図示しないが、変調波refも上記所定範囲(−100%〜100%)内を変動する。
そして、例えば、図2のスイッチング素子Q11,Q12のペアにキャリア波TR1が割り当てられ、スイッチング素子Q13,Q14のペアにキャリア波TR2が割り当てられ、スイッチング素子Q21,Q22のペアにキャリア波TR3が割り当てられ、スイッチング素子Q23,Q24のペアにキャリア波TR4が割り当てられる。割り当てられたキャリア波と変調波refとの大小関係に基づく、スイッチング素子のペアのオンオフ動作は、第1実施形態の場合と同様である。
本実施形態においても、制御部3が、スイッチング素子のペアに割り当てるキャリア波の入替制御(入替処理)を行うようにしている。
図15は、入替制御を行わないでPWM制御する場合と入替制御を行ってPWM制御する場合の各スイッチング素子のペアに割り当てられるキャリア波の波形、変調波refの波形、スイッチング素子Q11〜Q14,Q21〜Q24のオン(ON)オフ(OFF)状態、キャパシタC1,C2の充放電状態の時間的変化の一例を示す図である(横軸は時間軸)。
図15において、実線のTR11は、スイッチング素子Q12,Q11のペアに割り当てられるキャリア波を示し、破線のTR12は、スイッチング素子Q13,Q14のペアに割り当てられるキャリア波を示し、二点鎖線のTR21は、スイッチング素子Q22,Q21のペアに割り当てられるキャリア波を示し、一点鎖線のTR22は、スイッチング素子Q23,Q24のペアに割り当てられるキャリア波を示す。
図15では、時刻ts1より前においては、キャリア波の入替制御を行わない場合を示し、時刻ts1より後においては、キャリア波の入替制御を行った場合を示している。この例では、時刻t21〜t24の各時刻において、スイッチング素子のペアに割り当てるキャリア波が入れ替えられている。この図15において、キャパシタC1,C2の充電、放電は、アーム部2の入出力電流iが入力側から出力側へ向かう方向(正方向:i>0)である場合のものであり、アーム部2の入出力電流iが出力側から入力側へ向かう方向(負方向:i<0)である場合は、かっこ書きで(充電)、(放電)と記載しているように充放電状態が逆になる。
図15に示すように、キャリア波の入替制御を行わない場合と、キャリア波の入替制御を行った場合とでは、キャパシタC1,C2の充放電状態が異なることがわかる。例えば、入出力電流iがi>0で、キャパシタC1,C2の電圧V1,V2が、V1>V2の場合には、図15のように、キャリア波が入替えられると、キャパシタC1が充電状態となるのが回避されるとともに、キャパシタC2が放電状態となるのが回避されるので、キャパシタC1,C2間での電圧のアンバランスの抑制が可能になる。
本実施形態では、各アーム部2には、図2に示すように、アーム部2の入出力電流iを測定する電流センサ(電流検出手段)40と、各双方向スイッチ部M1,M2のキャパシタC1,C2の電圧V1,V2を測定する電圧センサ(電圧測定手段)41,42とが設けられている。そして、割り当てられているキャリア波の状態と、電流センサ40で測定される入出力電流iの値(アーム部2の入出力電流iの向き)と、電圧センサ41、42で測定されるキャパシタ測定電圧V1,V2とに基づいてキャリア波を入れ替える。この入替方法の一例を図16を参照して説明する。
図16は、本実施形態において制御部3によるキャリア波入替方法を説明するためのフローチャートである。
なお、本例では、キャリア波の入替処理(図16のステップS56、S60)を行う際には、双方向スイッチ部M1の第1のペア(スイッチング素子Q11,Q12)と双方向スイッチ部M2の第2のペア(スイッチング素子Q23,Q24)との間で、割り当てられたキャリア波の入れ替えを行うと同時に、双方向スイッチ部M1の第2のペア(スイッチング素子Q13,Q14)と双方向スイッチ部M2の第1のペア(スイッチング素子Q21,Q22)との間で、割り当てられたキャリア波の入れ替えを行うようにしている。
また、本例では、各双方向スイッチ部M1、M2において、90度の位相差を有する2個のキャリア波を第1のペアと第2のペアとに割り当てるようにしている。例えば、初めには、双方向スイッチ部M1の第1のペア(スイッチング素子Q11,Q12)に図14のキャリア波TR1が割り当てられ、双方向スイッチ部M1の第2のペア(スイッチング素子Q13,Q14)に図14のキャリア波TR2が割り当てられる。また、双方向スイッチ部M2の第1のペア(スイッチング素子Q21,Q22)に図14のキャリア波TR3が割り当てられ、双方向スイッチ部M2の第2のペア(スイッチング素子Q23,Q24)に図14のキャリア波TR4が割り当てられる。
図16では、ステップS51において、入替え対象となるキャリア波のペアが同値であるか否かを判断する。本例の場合、スイッチング素子Q11,Q12に割り当てられているキャリア波TR11の値と、スイッチング素子Q23,Q24に割り当てられているキャリア波TR22の値とが同値であるか否かを判断する。あるいは、スイッチング素子Q13,Q14に割り当てられているキャリア波TR12の値と、スイッチング素子Q21,Q22に割り当てられているキャリア波TR21の値とが同値であるか否かを判断する。同値である場合には、ステップS52へ進む。
ステップS52では、アーム部2の入出力電流iの向きを判断し、i>0の場合、すなわち、入出力電流iが入力側から出力側へ向かう方向(正方向)へ流れる場合には、ステップS53へ進む。また、i<0の場合、すなわち、入出力電流iが出力側から入力側へ向かう方向(負方向)へ流れる場合には、ステップS57へ進む。
ステップS53では、キャパシタC1の測定電圧V1とキャパシタC2の測定電圧V2とを比較し、V1<V2の場合にはステップS54へ進み、ステップS54では、キャリア波の値を比較し、キャリア波TR11の値(=キャリア波TR22の値)がキャリア波TR12の値(=キャリア波TR21の値)より小さい場合には、前述のようにして入替処理(ステップS56)を行い(例えば図15の時刻t22の場合)、そうでない場合には入替処理を行わない。
また、ステップS53で、V1>V2の場合にはステップS55へ進み、ステップS55では、キャリア波の値を比較し、キャリア波TR11の値(=キャリア波TR22の値)がキャリア波TR12の値(=キャリア波TR21の値)より大きい場合には、前述のようにして入替処理(ステップS56)を行い(例えば図15の時刻t21の場合)、そうでない場合には入替処理を行わない。
一方、ステップS52で、i<0の場合にはステップS57へ進み、ステップS57では、キャパシタC1の測定電圧V1とキャパシタC2の測定電圧V2とを比較し、V1>V2の場合にはステップS58へ進み、ステップS58では、キャリア波の値を比較し、キャリア波TR11の値(=キャリア波TR22の値)がキャリア波TR12の値(=キャリア波TR21の値)より小さい場合には、前述のようにして入替処理(ステップS60)を行い、そうでない場合には入替処理を行わない。
また、ステップS57で、V1<V2の場合にはステップS59へ進み、ステップS59では、キャリア波の値を比較し、キャリア波TR11の値(=キャリア波TR22の値)がキャリア波TR12の値(=キャリア波TR21の値)より大きい場合には、前述のようにして入替処理(ステップS60)を行い、そうでない場合には入替処理を行わない。
図17は、マトリックスコンバータの試作装置を用いて試験を行った結果であり、上述の図16に示すキャリア波入替方法を用いてマトリックスコンバータを制御する場合のある1つのアーム部2における2つの双方向スイッチ部M1,M2のキャパシタ電圧V1,V2の測定試験結果を示す図であり、横軸は時間軸である。この場合の測定試験条件は、アーム部キャパシタ電圧指令値(2つのキャパシタC1,C2の合計電圧の指令値)が300〔V〕、出力電流は、最大出力ピーク電流が1〔Apeak〕で出力周波数が400〔Hz〕の正弦波である。
この図17において、時刻ts1の前まではキャリア波入替処理を実施しないで、時刻ts1からキャリア波入替処理を実施している。
図17に示すように、キャリア波入替処理を実施しない時刻ts1より前では、2個のキャパシタ電圧V1,V2の合計電圧が指令値の300〔V〕になるように制御はされているが、2つのキャパシタ電圧V1,V2には大きな隔たりがある。そして、時刻ts1からキャリア波入替処理を実施することにより、2つのキャパシタ電圧V1,V2は150〔V〕付近に収束している。
上記測定試験結果からもわかるように、本実施形態のようにキャリア波を入れ替えることによって、キャパシタ間の電圧のアンバランスを抑制することができる。また、キャリア波を入れ替える(キャリア波の割り当てを変更する)だけなので、電流の増加や大幅な演算量の増加を抑えることができる。
上記では、各アーム部2に2個の双方向スイッチ部M1,M2を有する場合のキャリア波入替方法を説明したが、アーム部2の双方向スイッチ部の個数が3個以上の場合も含む、各アーム部2に図7に示すようにn個(nは2以上の整数)の双方向スイッチ部M1〜Mnを有する場合について説明する。
図18は、各アーム部2において、n個の双方向スイッチ部M1〜Mnの制御信号の生成に用いられる2n個のキャリア波を示す図である。この2n個のキャリア波TR1〜TR(2n)は、同一周波数、同一振幅で所定範囲(−100%〜100%)内を変動し、かつ、それぞれが(360/2n)度の位相差を有している。また、図示しないが、変調波refも上記所定範囲(−100%〜100%)内を変動する。
以下では、図7に示すようなn個の双方向スイッチ部M1〜Mnのうち、ある1つの双方向スイッチ部Mxのスイッチング素子Qx1,Qx2のペアに割り当てられるキャリア波をTRx1、同双方向スイッチ部Mxのスイッチング素子Qx3,Qx4のペアに割り当てられるキャリア波をTRx2とし、双方向スイッチ部Mxとは異なる別の1つの双方向スイッチ部Myのスイッチング素子Qy1,Qy2のペアに割り当てられるキャリア波をTRy1、同双方向スイッチ部Myのスイッチング素子Qy3,Qy4のペアに割り当てられるキャリア波をTRy2として、図16を参照して説明する。なお、x,yは、1〜nのうちの互いに異なる任意の整数値である。
なお、本例では、キャリア波の入替処理(図16のステップS56、S60)を行う際には、いずれか2つの双方向スイッチ部Mx,Myのうちの一方の双方向スイッチ部Mxの第1のペア(スイッチング素子Qx1,Qx2)と他方の双方向スイッチ部Myの第2のペア(スイッチング素子Qy3,Qy4)との間で、割り当てられたキャリア波の入れ替えを行うと同時に、一方の双方向スイッチ部Mxの第2のペア(スイッチング素子Qx3,Qx4)と他方の双方向スイッチ部Myの第1のペア(スイッチング素子Qy1,Qy2)との間で、割り当てられたキャリア波の入れ替えを行うようにしている。
また、本例では、各々の双方向スイッチ部M1〜Mnにおいて、(360/2n)度の位相差を有する2個のキャリア波を2組のスイッチング素子のペア(第1及び第2のペア)に割り当てるようにしている。
図16では、ステップS51において、入替え対象となるキャリア波のペアが同値であるか否かを判断する。本例の場合、スイッチング素子Qx1,Qx2に割り当てられているキャリア波TRx1の値と、スイッチング素子Qy3,Qy4に割り当てられているキャリア波TRy2の値とが同値であるか否かを判断する。あるいは、スイッチング素子Qx3,Qx4に割り当てられているキャリア波TRx2の値と、スイッチング素子Qy1,Qy2に割り当てられているキャリア波TRy1の値とが同値であるか否かを判断する。同値である場合には、ステップS52へ進む。
ステップS52では、アーム部2の入出力電流iの向きを判断し、i>0の場合には、ステップS53へ進む。また、i<0の場合には、ステップS57へ進む。
ステップS53では、キャパシタC1の測定電圧VxとキャパシタC2の測定電圧Vyとを比較し、Vx<Vyの場合にはステップS54へ進み、ステップS54では、キャリア波の値を比較し、キャリア波TRx1の値(=キャリア波TRy2の値)がキャリア波TRx2の値(=キャリア波TRy1の値)より小さい場合には、前述のようにして入替処理(ステップS56)を行い、そうでない場合には入替処理を行わない。
また、ステップS53で、Vx>Vyの場合にはステップS55へ進み、ステップS55では、キャリア波の値を比較し、キャリア波TRx1の値(=キャリア波TRy2の値)がキャリア波TRx2の値(=キャリア波TRy1の値)より大きい場合には、前述のようにして入替処理(ステップS56)を行い、そうでない場合には入替処理を行わない。
一方、ステップS52で、i<0の場合にはステップS57へ進み、ステップS57では、キャパシタC1の測定電圧VxとキャパシタC2の測定電圧Vyとを比較し、Vx>Vyの場合にはステップS58へ進み、ステップS58では、キャリア波の値を比較し、キャリア波TRx1の値(=キャリア波TRy2の値)がキャリア波TRx2の値(=キャリア波TRy1の値)より小さい場合には、前述のようにして入替処理(ステップS60)を行い、そうでない場合には入替処理を行わない。
また、ステップS57で、Vx<Vyの場合にはステップS59へ進み、ステップS59では、キャリア波の値を比較し、キャリア波TRx1の値(=キャリア波TRy2の値)がキャリア波TRx2の値(=キャリア波TRy1の値)より大きい場合には、前述のようにして入替処理(ステップS60)を行い、そうでない場合には入替処理を行わない。
なお、上記に述べたキャリア波入替方法は一例であり、これに限られない。例えば、異なる2個の双方向スイッチ部に割り当てられている1組のキャリア波(2個のキャリア波)を入れ替えるようにしてもよい。また、入れ替える2個のキャリア波が割り当てられているスイッチング素子の2組のペアは、第1のペアと第2のペアとに限らず、第1のペア同士で入れ替えてもよいし、第2のペア同士で入れ替えてもよい。また、PD方式の場合の第2実施形態のように、周期的にキャリア波を入れ替えるようにしてもよい。
以上、種々の入替方法が考えられるが、入れ替えるタイミングは、キャリア波の入替えによるスイッチング素子の不要なスイッチング(オンオフ状態の変更)を避けるために、入れ替える2個のキャリア波が同値となるタイミングが好ましい。さらに、入出力電流iの向きと、入れ替えるキャリア波が割り当てられている2個の双方向スイッチ部のキャパシタの電圧とに基づいて、2個のキャパシタ間での電圧のアンバランスが解消あるいは軽減されるように入れ替えるキャリア波を決定することが好ましい。
また、各アーム部2のn個の双方向スイッチ部M1〜Mnに対して生成される2n個のキャリア波は、それぞれが(360/2n)度の均等な位相差を有するものとしたが、必ずしも均等な位相差に限られるものではなく、位相差に若干のばらつきがあっても構わない。
なお、本実施形態においても、制御部3は、例えば、図11、図12のように、マスタ基板3aと複数のスレーブ基板とで構成されていてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態における電力変換装置は、入力される三相交流を直流に変換する順変換部と、この順変換部で変換された直流を上記入力される三相交流とは周波数等が異なる三相交流に変換して出力する逆変換部とを備え、順変換部及び逆変換部の各相に対応する正側及び負側の各アーム部をチョッパセル(スイッチ部)を多段接続して構成し、このような順変換部と逆変換部とをPS方式によるPWM制御を行う制御部を備えている。
図19は、第4実施形態における電力変換装置の一例を示す回路図である。
この電力変換装置は、三相交流電源4と三相交流負荷5との間に接続された電力変換部51と、電力変換部51を制御する制御部54とを有している。制御部54は、例えば、DSPなどのマイクロセッサ及びFPGAなどのロジック回路等からなる演算装置を備えており、上記演算装置において、それに内蔵されているメモリに格納されたプログラムがそれに内蔵されている処理部によって実行されることにより電力変換部51を制御する。なお、制御部54は、集中制御する単独の制御部によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御部によって構成されていてもよい。
電力変換部51は、順変換部52と逆変換部53とを備える。そして、順変換部52は、制御部54の制御によって、三相交流電源4から入力される三相(R,S,T相)交流電圧を所定の直流電圧に変換して正側直流配線55及び負側直流配線56へ出力するよう構成されている。また、逆変換部53は、制御部54の制御によって、正側及び負側直流配線55,56から入力される直流電圧を所望の周波数の三相(U,V,W相)交流電圧に変換して三相交流負荷5へ出力するよう構成されている。
順変換部52は、入力側の各相の入力端子1r,1s,1tに接続された結合インダクタ57,57,57と、これら各結合インダクタ57,57,57と正側直流配線55との間に接続された正側のアーム部6R,6S,6Tと、各結合インダクタ57,57,57と負側直流配線56との間に接続された負側のアーム部7R,7S,7Tとを備えている。
逆変換部53は、出力側の各相の出力端子1u,1v,1wに接続された結合インダクタ57,57,57と、これら各結合インダクタ57,57,57と正側直流配線55との間に接続された正側のアーム部8U,8V,8Wと、各結合インダクタ57,57,57と負側直流配線56との間に接続された負側のアーム部9U,9V,9Wとを備えている。
順変換部52の正側及び負側の各アーム部6R,6S,6T,7R,7S,7Tには、直列接続されたn個(nは2以上の整数)のスイッチ部R〜R,S〜S,T〜T,Rn+1〜R2n,Sn+1〜S2n,Tn+1〜T2nが備えられている。
また、逆変換部53の正側及び負側の各アーム部8U,8V,8W,9U,9V,9Wには、直列接続されたn個のスイッチ部U〜U,V〜V,W〜W,Un+1〜U2n,Vn+1〜V2n,Wn+1〜W2nが備えられている。
図20は、図19におけるアーム部の詳細な構成の一例を示す回路図である。なお、図20に示すように、各々の結合インダクタ57は、これに代えて2つのインダクタ(リアクトル)57a,57bが用いられていてもよい。
順変換部52及び逆変換部53の各アーム部は同一の構成であり、順変換部52及び逆変換部53の各アーム部を構成する各スイッチ部はチョッパセルを用いた同一の構成である。
すなわち、各スイッチ部は、それぞれ逆並列接続されたダイオードを有する第1及び第2のスイッチング素子Q51,Q52と、1個のキャパシタC51とを備えている。そして、第1のスイッチング素子Q51と第2のスイッチング素子Q52とが直列接続されてなる回路と、キャパシタC1とが、並列に接続された構成である。
そして、順変換部52の正側のアーム部の各スイッチ部(例えば、アーム部6Rの各スイッチ部R〜R)と、逆変換部53の負側のアーム部の各スイッチ部(例えば、アーム部9Uの各スイッチ部Un+1〜U2n)とは、第2のスイッチング素子Q52とキャパシタC51との接続点を入力端とし、第1と第2のスイッチング素子Q51,Q52の接続点を出力端とするよう構成されている。
一方、順変換部52の負側のアーム部の各スイッチ部(例えば、アーム部7Rの各スイッチ部Rn+1〜R2n)と、逆変換部53の正側のアーム部の各スイッチ部(例えば、アーム部8Uの各スイッチ部U〜U)とは、第1と第2のスイッチング素子Q51,Q52の接続点を入力端とし、第2のスイッチング素子Q52とキャパシタC51との接続点を出力端とするよう構成されている。
そして、各スイッチ部には、キャパシタC51の電圧を測定する電圧センサ50が設けられており、その測定値は制御部54に入力される。また、各アーム部には、アーム部の入出力電流iを測定する電流センサ40が設けられており、その測定値は制御部54に入力される。電流センサ40は、アーム部に入出力される入出力電流iの向きを検出するためのもので、結合インダクタ57とそれに最も近いスイッチ部との間、互いに隣り合う2個のスイッチ部の間、または、直流配線(55,56)とそれに最も近いスイッチ部との間、のいずれかに配置することができる。
そして制御部54では、順変換部52及び逆変換部53をPS方式のPWM制御を用いて制御する。その際、制御部54は、各アーム部において、変調波(ref)及びPS方式によるキャリア波(三角波)を生成し、それらを用いて各スイッチ部のスイッチング素子Q51,Q52のオンオフ動作を制御する。
ここで、制御部54は、生成したキャリア波を各スイッチ部のスイッチング素子Q51,Q52のペアに1個ずつ割り当て、変調波refがキャリア波より大きい値のときには、第1のスイッチング素子Q51をオンにし、第2のスイッチング素子Q52をオフにする。また、変調波refがキャリア波より小さい値のときには、第1のスイッチング素子Q51をオフにし、第2のスイッチング素子Q52をオンにする。
制御部54は、順変換部52においては、同一の入力端子(1r,1s,1t)に接続される各相に対応する正側のアーム部及び負側のアーム部に対して、同一周波数、同一振幅で所定範囲(−100%〜100%)内を変動し、かつそれぞれが(360/2n)度の位相差を有する2n個のキャリア波を生成し、この2n個のキャリア波のうちのいずれかn個のキャリア波を正側のアーム部に対応させ、残りのn個のキャリア波を負側のアーム部に対応させる。
例えば、結合インダクタ57を介してR相の入力端子1rと接続されるR相に対応する正側、負側のアーム部6R、7Rに対して、図18に示すような2n個のキャリア波TR1〜TR(2n)のキャリア波を生成し、このうちのいずれかn個のキャリア波を正側のアーム部6Rに対応させ、残りのn個のキャリア波を負側のアーム部7Rに対応させる。S相に対応するアーム部6S,7Sについても、同様に2n個のキャリア波を生成してn個ずつのキャリア波を対応させ、T相に対応するアーム部6T,7Tについても、同様に2n個のキャリア波を生成してn個ずつのキャリア波を対応させる。
また、逆変換部53においても、順変換部52の場合と同様、同一の出力端子(1u,1v,1w)に接続される各相に対応する正側のアーム部及び負側のアーム部に対して、同一周波数、同一振幅で所定範囲(−100%〜100%)内を変動し、かつそれぞれが(360/2n)度の位相差を有する2n個のキャリア波を生成し、この2n個のキャリア波のうちのいずれかn個のキャリア波を正側のアーム部に対応させ、残りのn個のキャリア波を負側のアーム部に対応させる。
すなわち、順変換部52の場合と同様、U相に対応するアーム部8U,9Uについて、2n個のキャリア波を生成してn個ずつのキャリア波を対応させ、V相に対応するアーム部8V,9Vについて、2n個のキャリア波を生成してn個ずつのキャリア波を対応させ、W相に対応するアーム部8W,9Wについて、2n個のキャリア波を生成してn個ずつのキャリア波を対応させる。
以上のようにして、順変換部52及び逆変換部53の各々のアーム部に対応させたn個のキャリア波は、アーム部内のn個のスイッチ部のスイッチング素子Q51,Q52のペアに1個ずつ重複しないように割り当てる。
また、制御部54は、各々のアーム部に対して、キャリア波と同一の所定範囲(−100%〜100%)内を変動する変調波ref(出力電圧指令値)を生成し、各スイッチ部において、変調波refと、割り当てられているキャリア波との大小関係に基づいて、前述のようにスイッチング素子Q51,Q52をオンオフ動作させる。なお、本例では、入力側及び出力側の各相(R,S,T,U,V,W相)に対応する正側及び負側の2つのアーム部(いわゆるレグ)に同一の変調波refを用いるようにしている。
上記のように、制御部54では、順変換部52及び逆変換部53に対してPS方式によるPWM制御を行い、その際に、各々のアーム部内において、所定条件に基づいて、キャリア波入替処理を行う。例えば、アーム部6Rにおいて、いずれかのスイッチ部Rのスイッチング素子Q51,Q52に割り当てられているキャリア波と、別のスイッチ部Rのスイッチング素子Q51,Q52に割り当てられているキャリア波とを入れ替える。この入れ替えるタイミングは、キャリア波の入替えによるスイッチング素子Q51,Q52の不要なスイッチング(オンオフ状態の変更)を避けるために、入れ替える2個のキャリア波が同値となるタイミングが好ましい。また、入れ替える2個のキャリア波は、入出力電流iの向きと、入れ替えるキャリア波が割り当てられている2個のスイッチ部のキャパシタC51の測定電圧とに基づいて、2個のキャパシタC51間での電圧のアンバランスが解消あるいは軽減されるように決定することが好ましい。
本実施形態でも、各々のアーム部において、キャリア波を入れ替えることによって、電流の増加や大幅な演算量の増加を抑え、キャパシタ電圧のアンバランスを抑制することができる。
また、本実施形態において、順変換部52及び逆変換部53の各々において、各相に対応する正側及び負側の2つのアーム部に対して生成され、それぞれが(360/2n)度の位相差を有する2n個のキャリア波のうち、(360/n)度の位相差を有するn個のキャリア波を正側のアーム部に用い、残りの(360/n)度の位相差を有するn個のキャリア波を負側のアーム部に用いるようにすれば、各アーム部においてキャリア波の入れ替え可能なタイミング(2個のキャリア波が同値となる時点)が所定間隔で出現するので、キャリア波の入れ替えを行うタイミングの時間的なバランスがとれて好ましい。
なお、正側及び負側の2つのアーム部に対して生成される2n個のキャリア波は、それぞれが(360/2n)度の均等な位相差を有するものとしたが、必ずしも均等な位相差に限られるものではなく、位相差に若干のばらつきがあっても構わない。
(第5実施形態)
第5実施形態における電力変換装置は、入力される三相交流を直流に変換する順変換部と、この順変換部で変換された直流を上記入力される三相交流とは周波数等が異なる三相交流に変換して出力する逆変換部とを備え、順変換部及び逆変換部の各相に対応する正側及び負側の各アーム部をHブリッジセル(スイッチ部)を多段接続して構成し、このような順変換部と逆変換部とをPS方式によるPWM制御を行う制御部を備えている。すなわち、第4の実施形態における各スイッチ部を、チョッパセルに代えてHブリッジセルを用いた構成である。
この第5実施形態における電力変換装置も、図19と同様に示される。但し、各アーム部におけるn個のスイッチ部が、図7に示す双方向スイッチ部M1〜Mnで構成されている。
そして、制御部54は、順変換部52及び逆変換部53において、各相に対応する正側のアーム部及び負側のアーム部に対して、同一周波数、同一振幅で所定範囲(−100%〜100%)内を変動し、かつそれぞれが(360/4n)度の位相差を有する4n個のキャリア波を生成し、この4n個のキャリア波のうちのいずれか2n個のキャリア波を正側のアーム部に対応させ、残りの2n個のキャリア波を負側のアーム部に対応させる。
そして、順変換部52及び逆変換部53の各々のアーム部に対応させた2n個のキャリア波は、アーム部内のn個の双方向スイッチ部M1〜Mnの第1、第2のスイッチング素子Qk1,Qk2(kは1〜nの整数)のペアと、第3、第4のスイッチング素子Qk3,Qk4のペアとに1個ずつ割り当てる。
また、制御部54は、各々のアーム部に対して、キャリア波と同一の所定範囲(−100%〜100%)内を変動する変調波ref(出力電圧指令値)を生成し、変調波refと、割り当てられているキャリア波との大小関係に基づいて、ペアになっているスイッチング素子Qk1,Qk2/Qk3,Qk4をオンオフ動作させる。
例えば、制御部54は、Hブリッジセルを用いている第1〜第3実施形態の場合と同様、変調波refが第1、第2のスイッチング素子Qk1,Qk2のペアに割り当てられているキャリア波より大きい値(小さい値)のときには、第1のスイッチング素子Qk1をオフ(オン)にし、第2のスイッチング素子Qk2をオン(オフ)にする。また、変調波refが第3、第4のスイッチング素子Qk3,Qk4のペアに割り当てられているキャリア波より大きい値(小さい値)のときには、第3のスイッチング素子Qk3をオン(オフ)にし、第4のスイッチング素子Qk4をオフ(オン)にする。なお、本例では、入力側及び出力側の各相(R,S,T,U,V,W相)に対応する正側及び負側の2つのアーム部(レグ)に同一の変調波refを用いるようにしている。
上記のように、制御部54では、順変換部52及び逆変換部53に対してPS方式によるPWM制御を行い、その際に、各々のアーム部内において、異なるスイッチ部のスイッチング素子のペアに割り当てられているキャリア波を入れ替えるキャリア波入替処理を行う。例えば、アーム部6Rにおいて、いずれかのスイッチ部R(双方向スイッチ部Mx)の2組のスイッチング素子のペア(Qx1,Qx2/Qx3,Qx4)のうちのいずれかのペアに割り当てられているキャリア波と、別のスイッチ部R(双方向スイッチ部My)の2組のスイッチング素子のペア(Qy1,Qy2/Qy3,Qy4)のうちのいずれかのペアに割り当てられているキャリア波とを入れ替える。この入れ替えるタイミングは、キャリア波の入替えによるスイッチング素子の不要なスイッチング(オンオフ状態の変更)を避けるために、入れ替える2個のキャリア波が同値となるタイミングが好ましい。また、入れ替える2個のキャリア波は、入出力電流iの向きと、入れ替えるキャリア波が割り当てられている2個のスイッチ部のキャパシタCx,Cyの測定電圧とに基づいて、2個のキャパシタCx,Cy間での電圧のアンバランスが解消あるいは軽減されるように決定することが好ましい。
本実施形態でも、各々のアーム部において、キャリア波を入れ替えることによって、電流の増加や大幅な演算量の増加を抑え、キャパシタ電圧のアンバランスを抑制することができる。
また、本実施形態において、順変換部52及び逆変換部53の各々において、各相に対応する正側及び負側の2つのアーム部に対して生成され、それぞれが(360/4n)度の位相差を有する4n個のキャリア波のうち、(360/2n)度の位相差を有する2n個のキャリア波を正側のアーム部に用い、残りの(360/2n)度の位相差を有する2n個のキャリア波を負側のアーム部に用いるようにすれば、各アーム部においてキャリア波の入れ替え可能なタイミング(2個のキャリア波が同値となる時点)が所定間隔で出現するので、キャリア波の入れ替えを行うタイミングの時間的なバランスがとれて好ましい。
なお、正側及び負側の2つのアーム部に対して生成される4n個のキャリア波は、それぞれが(360/4n)度の均等な位相差を有するものとしたが、必ずしも均等な位相差に限られるものではなく、位相差に若干のばらつきがあっても構わない。
(他の実施形態1)
前述の第4実施形態では、図19に示す電力変換装置において、各スイッチ部にチョッパセルを用いて、PS方式によるPWM制御を行い、かつキャリア波入替処理を行うようにしたが、PD方式によるPWM制御を行い、かつキャリア波入替処理を行うようにしてもよく、この場合も電流の増加や大幅な演算量の増加を抑え、キャパシタ電圧のアンバランスを抑制することができる。
この場合、制御部54は、順変換部52及び逆変換部53の各相に対応する正側及び負側の両アーム部(レグ)に対して、所定範囲(−100%〜100%)が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個のキャリア波(図8参照)と、全ての専有範囲(上記所定範囲の−100%〜100%)内を変動する変調波refとを生成する。
そして、正側及び負側の両アーム部に対応する2n個のキャリア波のうち、専有範囲が高い方のn個のキャリア波を正側のアーム部に対応させ、専有範囲が低い方のn個のキャリア波を負側のアーム部に対応させる。
そして、各々のアーム部において、対応させられたn個のキャリア波と変調波refとに基づいて、チョッパセルを用いたn個のスイッチ部の第1及び第2のスイッチング素子Q51,Q52(図20)のオンオフ動作を制御する。その際、各々のスイッチ部において第1及び第2のスイッチング素子Q51,Q52をペアとして、n個のスイッチ部の各々のペアに対して重複しないようにn個のキャリア波を1個ずつ割り当てる。
具体的には、例えば、R相についてみれば、正側及び負側の両アーム部6R,7Rに対して生成する2n個のキャリア波を、専有範囲の低い方から順に、T(1),T(2),・・・,T(2n)とすると、このうちの専有範囲が高い方のn個のキャリア波T(n+1)〜T(2n)を、正側のアーム部6Rのn個のペア(スイッチング素子Q51,Q52)に割り当て、専有範囲が低い方のn個のキャリア波T(1)〜T(n)を、負側のアーム部7Rのn個のペア(スイッチング素子Q51,Q52)に割り当てる。
そして、第4実施形態の場合と同様、各々のペアに対して変調波refと割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように第1及び第2のスイッチング素子Q51,Q52のオンオフ動作を制御する。
また、キャリア波入替処理では、各々のアーム部において、PD方式を用いた第1実施形態の場合と同様、キャリア波の入れ替えによるスイッチング素子のオンオフ状態が変更されないタイミング(キャリア波が最大値または最小値となるタイミング)で、キャリア波の入れ替えを行う。また、入れ替える2個のキャリア波は、入出力電流iの向きと、入れ替えるキャリア波が割り当てられている2個のスイッチ部のキャパシタC51,C51の測定電圧とに基づいて、2個のキャパシタC51,C51間での電圧のアンバランスが解消あるいは軽減されるように決定することが好ましい。
(他の実施形態2)
前述の第5実施形態では、図19に示す電力変換装置において、各スイッチ部にHブリッジセルを用いて、PS方式によるPWM制御を行い、かつキャリア波入替処理を行うようにしたが、PD方式によるPWM制御を行い、かつキャリア波入替処理を行うようにしてもよく、この場合も電流の増加や大幅な演算量の増加を抑え、キャパシタ電圧のアンバランスを抑制することができる。
この場合、制御部54は、順変換部52及び逆変換部53の各相に対応する正側及び負側の両アーム部(レグ)に対して、所定範囲(−100%〜100%)が4n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の4n個のキャリア波(図8参照、但し、図8はキャリア波が2n個の場合)と、全ての専有範囲(上記所定範囲の−100%〜100%)内を変動する変調波refとを生成する。
そして、正側及び負側の両アーム部に対応する4n個のキャリア波のうち、専有範囲が高い方の2n個のキャリア波を正側のアーム部に対応させ、専有範囲が低い方の2n個のキャリア波を負側のアーム部に対応させる。
そして、各々のアーム部において、対応させられた2n個のキャリア波と変調波refとに基づいて、Hブリッジセルを用いたn個のスイッチ部の第1〜第4のスイッチング素子Qk1,Qk2,Qk3,Qk4(図7参照)のオンオフ動作を制御する。その際、各々のスイッチ部において、第1及び第2のスイッチング素子Qk1,Qk2を第1のペアとし、第3及び第4のスイッチング素子Qk3,Qk4を第2のペアとして、2n個のキャリア波のうち、専有範囲が高い方のn個のキャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個のスイッチ部の第1のペア(Qk1,Qk2)に割り当てるとともに、専有範囲が低い方のn個のキャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個のスイッチ部の第2のペア(Qk3,Qk4)に割り当てる。
具体的には、例えば、R相についてみれば、正側及び負側の両アーム部6R,7Rに対して生成する4n個のキャリア波を、専有範囲の低い方から順に、T(1),T(2),・・・,T(4n)とすると、このうちの専有範囲が高い方の2n個のキャリア波T(2n+1)〜T(4n)を、正側のアーム部6Rに対応させて、そのうちの専有範囲が高い方のn個のキャリア波T(3n+1)〜T(4n)を正側のアーム部6Rのn個のスイッチ部の第1のペア(Qk1,Qk2)に割り当て、専有範囲が低い方のn個のキャリア波T(2n+1)〜T(3n)を正側のアーム部6Rのn個のスイッチ部の第2のペア(Qk3,Qk4)に割り当てる。
また、上記4n個のキャリア波のうちの専有範囲が低い方の2n個のキャリア波T(1)〜T(2n)を、負側のアーム部7Rに対応させて、そのうちの専有範囲が高い方のn個のキャリア波T(n+1)〜T(2n)を負側のアーム部7Rのn個のスイッチ部の第1のペア(Qk1,Qk2)に割り当て、専有範囲が低い方のn個のキャリア波T(1)〜T(n)を負側のアーム部7Rのn個のスイッチ部の第2のペア(Qk3,Qk4)に割り当てる。
そして、第1、第5実施形態の場合と同様、第1のペアに対して変調波refと割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように第1及び第2のスイッチング素子Qk1,Qk2のオンオフ動作を制御するとともに、第2のペアに対して変調波と割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように第3及び第4のスイッチング素子Qk3,Qk4のオンオフ動作を制御する。
さらに制御部54は、上記制御中に、各々のアーム部において、いずれか2つのスイッチ部(双方向スイッチ部)の第1のペア同士または第2のペア同士の間で、キャリア波の入れ替えをする、キャリア波入替処理を行う。
このキャリア波入替処理では、各々のアーム部において、PD方式を用いた第1実施形態の場合と同様、キャリア波の入れ替えによるスイッチング素子のオンオフ状態が変更されないタイミング(キャリア波が最大値または最小値となるタイミング)で、キャリア波の入れ替えを行う。また、入れ替える2個のキャリア波は、入出力電流iの向きと、入れ替えるキャリア波が割り当てられている2個のスイッチ部(双方向スイッチ部)のキャパシタの測定電圧とに基づいて、2個のキャパシタ間での電圧のアンバランスが解消あるいは軽減されるように決定することが好ましい。
なお、上記の第4,第5実施形態および他の実施形態1,2においても、第1〜第3実施形態の場合と同様、制御部54が、第1の制御基板(マスタ基板)と、各々対応するアーム部が決められた複数の第2の制御基板(スレーブ基板)とで構成されていてもよい。この場合も、第1の制御基板は、変調波を生成して第2の制御基板へ送信するよう構成され、第2の制御基板は、第1の制御基板から変調波を受信し、対応するアーム部における制御処理とキャリア波入替処理とを行うよう構成される。そして、第1の制御基板は、同期信号を生成して第2の制御基板へ高速シリアル通信によって送信するよう構成され、第2の制御基板は、第1の制御基板からの同期信号に同期してキャリア波を生成し制御処理を行うよう構成されていてもよい。
例えば、第2の制御基板として、順変換部52の6つのアーム部6R,6S,6T,7R,7S,7Tに対応する基板と、逆変換部53の6つのアーム部8U,8V,8W,9U,9V,9Wに対応する基板との2つの基板が設けられていてもよい。また、第2の制御基板として、各レグを構成する2つのアーム部ごとに設けてもよい。すなわち、2つのアーム部6R,7Rに対応する基板と、2つのアーム部6S,7Sに対応する基板と、2つのアーム部6T,7Tに対応する基板と、2つのアーム部8U,9Uに対応する基板と、2つのアーム部8V,9Vに対応する基板と、2つのアーム部8W,9Wに対応する基板との6つの基板が設けられていてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、電流の増加や大幅な演算量の増加を抑え、キャパシタ電圧のアンバランスを抑制することができる電力変換装置及び電力変換装置の制御方法等として有用である。
1,51 電力変換部
1r,1s,1t 入力端子
1u,1v,1w 出力端子
2,2ru,2su,2tu,2rv,2sv,2tv,2rw,2sw,2tw アーム部
3,54 制御部
3a マスタ基板
3ru,3su,3tu,3rv,3sv,3tv,3rw,3sw,3tw,3U,3V,3W スレーブ基板
40 電流センサ
41,42,4n,50 電圧センサ
M1,M2,・・・,Mn 双方向スイッチ部
C1,C2,Cn,C51 キャパシタ
Q11〜Q14,Q21〜Q24,Qn1〜Qn4,Q51,Q52 スイッチング素子
52 順変換部
53 逆変換部
55 正側直流配線
56 負側直流配線
6R,6S,6T,7R,7S,7T,8U,8V,8W,9U,9V,9W アーム部
〜R2n,S〜S2n,T〜T2n,U〜U2n,V〜V2n,W〜W2n スイッチ部

Claims (27)

  1. 三相交流が入力される3つの入力端子と三相交流が出力される3つの出力端子との間に接続され、キャパシタと複数のスイッチング素子とを有するスイッチ部が複数直列接続されてなる複数のアーム部を有する電力変換部と、
    前記3つの入力端子から入力される三相交流電圧を異なる三相交流電圧に変換して前記3つの出力端子から出力するよう前記電力変換部を制御する制御部と、
    を備えた電力変換装置であって、
    前記制御部は、
    各々の前記アーム部において、複数のキャリア波と変調波とに基づいて、前記スイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部の2つの前記スイッチング素子をペアにして、ペアごとに前記キャリア波を1個ずつ重複しないように割り当て、前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記ペアを構成する2つの前記スイッチング素子のオンオフ動作を制御する制御処理と、
    各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えによって前記スイッチング素子のオンオフ状態が変更されることのないタイミングで前記キャリア波の入れ替えをするキャリア波入替処理と、を行うよう構成された、
    電力変換装置。
  2. 前記電力変換部は、
    前記各入力端子と前記各出力端子との間に、n個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された9個の前記アーム部を有し、
    各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、
    前記制御部は、
    各々の前記アーム部において、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波と、全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子を第1のペアとし、前記第3及び第4のスイッチング素子を第2のペアとして、前記2n個のキャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第1のペアに割り当てるとともに、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第2のペアに割り当て、前記第1のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに、前記第2のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うとともに、
    各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の前記第1のペア同士または前記第2のペア同士の間で、前記キャリア波の入れ替えをするよう、前記キャリア波入替処理を行うよう構成された、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、
    各々の前記アーム部において行う前記キャリア波入替処理において、
    前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在し、かつ、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアが存在する場合に、この第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行う際には、前記キャリア波が最大値となる時点において入れ替えを行い、
    前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在し、かつ、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアが存在する場合に、この第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行う際には、前記キャリア波が最小値となる時点において入れ替えを行い、
    前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在し、かつ、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアが存在する場合に、この第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行う際には、前記キャリア波が最大値となる時点において入れ替えを行い、
    前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在し、かつ、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアが存在する場合に、この第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行う際には、前記キャリア波が最小値となる時点において入れ替えを行う、
    請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 各々の前記アーム部の入出力電流の向きを検出する電流検出手段と、
    各々の前記スイッチ部の前記キャパシタの電圧を測定する電圧測定手段とがさらに備えられ、
    前記制御部は、
    各々の前記アーム部において行う前記キャリア波入替処理において、
    前記第1のペア同士の間で前記キャリア波の入れ替えを行う場合、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲と異なる前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行い、その際に、前記変調波の存在する専有範囲と異なる前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられ前記入れ替えが行われる前記第1のペアを、前記変調波の値と、前記アーム部の入出力電流の向きと、前記各々のスイッチ部の前記キャパシタの測定電圧とに基づいて決定するようにして行い、
    前記第2のペア同士の間で前記キャリア波の入れ替えを行う場合、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲と異なる前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行い、その際に、前記変調波の存在する専有範囲と異なる前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられ前記入れ替えが行われる前記第2のペアを、前記変調波の値と、前記アーム部の入出力電流の向きと、前記各々のスイッチ部の前記キャパシタの測定電圧とに基づいて決定するようにして行う、
    請求項2に記載の電力変換装置。
  5. 前記制御部は、
    各々の前記アーム部において行う前記キャリア波入替処理において、
    前記アーム部の入出力電流の向きが正方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最大値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が大きいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記キャパシタの測定電圧が大きい方の前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第1の入替処理を行い、
    前記アーム部の入出力電流の向きが正方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最小値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が小さいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記キャパシタの測定電圧が小さい方の前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第2の入替処理を行い、
    前記アーム部の入出力電流の向きが正方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最大値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が大きいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記キャパシタの測定電圧が大きい方の前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第3の入替処理を行い、
    前記アーム部の入出力電流の向きが正方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最小値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が小さいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記キャパシタの測定電圧が小さい方の前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第4の入替処理を行い、
    前記アーム部の入出力電流の向きが負方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最大値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が小さいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記キャパシタの測定電圧が小さい方の前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第5の入替処理を行い、
    前記アーム部の入出力電流の向きが負方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最小値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が大きいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記キャパシタの測定電圧が大きい方の前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第6の入替処理を行い、
    前記アーム部の入出力電流の向きが負方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最大値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が小さいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記キャパシタの測定電圧が小さい方の前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第7の入替処理を行い、
    前記アーム部の入出力電流の向きが負方向であり、かつ、前記変調波が前記2n個のキャリア波のうち前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波のいずれかの前記専有範囲内に存在する場合に、前記キャリア波が最小値となる時点において、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧に対して、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のキャパシタの測定電圧の方が大きいという事象が生じるときに、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記キャパシタの測定電圧が大きい方の前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替える第8の入替処理を行う、
    請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記第1の入替処理は、
    前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最大である前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
    前記第2の入替処理は、
    前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最小である前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
    前記第3の入替処理は、
    前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最大である前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
    前記第4の入替処理は、
    前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最小である前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
    前記第5の入替処理は、
    前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最小である前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
    前記第6の入替処理は、
    前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最大である前記スイッチ部の前記第1のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
    前記第7の入替処理は、
    前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも高い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最小である前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行い、
    前記第8の入替処理は、
    前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲よりも低い前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第2のペアを有する前記スイッチ部のうちで、前記キャパシタの測定電圧が最大である前記スイッチ部の前記第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波を入れ替えるようにして行う、
    請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記制御部は、
    各々の前記アーム部において行う前記キャリア波入替処理を、
    予め定められた周期で、前記変調波の存在する専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1または第2のペアと、前記変調波の存在する専有範囲と異なる前記専有範囲の前記キャリア波が割り当てられた前記第1または第2のペアとの間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えを行うよう構成された、
    請求項2または3に記載の電力変換装置。
  8. 各々の前記アーム部は、前記スイッチ部が2個直列接続されて構成された、
    請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 前記電力変換部は、
    前記各入力端子と前記各出力端子との間に、n個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された9個の前記アーム部を有し、
    各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、
    前記制御部は、
    各々の前記アーム部において、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとするとともに、前記第3及び第4のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記2n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うよう構成された、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  10. 各々の前記アーム部に対応する2n個の前記キャリア波は、それぞれが(360/2n)度の位相差を有する、
    請求項9に記載の電力変換装置。
  11. 前記電力変換部は、
    3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、
    前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、
    各々の前記スイッチ部は、第1及び第2の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる回路と、前記キャパシタとが、並列に接続されてなり、前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記逆変換部の前記負側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を入力端とし、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を出力端とするよう構成され、前記順変換部の前記負側のアーム部及び前記逆変換部の前記正側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を入力端とし、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を出力端とするよう構成され、
    前記制御部は、
    3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するよう構成されるとともに、
    同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうちのいずれかn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りのn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるとともに、
    同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうちのいずれかn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りのn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    各々の前記アーム部において、前記対応させたn個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うよう構成された、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  12. 前記順変換部および前記逆変換部の各々の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して生成される2n個の前記キャリア波は、それぞれが(360/2n)度の位相差を有する、
    請求項11に記載の電力変換装置。
  13. 前記電力変換部は、
    3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、
    前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、
    各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、
    前記制御部は、
    3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するよう構成されるとともに、
    同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうちのいずれか2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りの2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるとともに、
    同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうちのいずれか2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りの2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    各々の前記アーム部において、前記対応させた2n個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとするとともに、前記第3及び第4のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記2n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うよう構成された、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  14. 前記順変換部および前記逆変換部の各々の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して生成される4n個の前記キャリア波は、それぞれが(360/4n)度の位相差を有する、
    請求項13に記載の電力変換装置。
  15. 前記制御部は、
    前記キャリア波入替処理を行う際、前記入れ替えられる2個のキャリア波が同値となる時点において前記キャリア波の入れ替えを行うよう構成された、
    請求項9〜14のいずれかに記載の電力変換装置。
  16. 各々の前記アーム部の入出力電流の向きを検出する電流検出手段と、
    各々の前記スイッチ部の前記キャパシタの電圧を測定する電圧測定手段とがさらに備えられ、
    前記制御部は、
    前記キャリア波入替処理を行う際、前記キャリア波の入れ替えが行われる2つの前記ペアを、前記アーム部の入出力電流の向きと、前記各々のスイッチ部の前記キャパシタの測定電圧とに基づいて決定するよう構成された、
    請求項9〜15のいずれかに記載の電力変換装置。
  17. 前記電力変換部は、
    3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、
    前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、
    各々の前記スイッチ部は、第1及び第2の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる回路と、前記キャパシタとが、並列に接続されてなり、前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記逆変換部の前記負側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を入力端とし、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を出力端とするよう構成され、前記順変換部の前記負側のアーム部及び前記逆変換部の前記正側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を入力端とし、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を出力端とするよう構成され、
    前記制御部は、
    3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するよう構成されるとともに、
    同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    各々の前記アーム部において、前記対応させたn個の前記キャリア波と全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うよう構成された、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  18. 前記電力変換部は、
    3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、
    前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、
    各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、
    前記制御部は、
    3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するよう構成されるとともに、
    同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が4n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方の2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方の2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が4n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方の2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方の2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    各々の前記アーム部において、前記対応させた2n個の前記キャリア波と全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子を第1のペアとし、前記第3及び第4のスイッチング素子を第2のペアとして、前記2n個のキャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第1のペアに割り当てるとともに、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第2のペアに割り当て、前記第1のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに、前記第2のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うとともに、
    各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の前記第1のペア同士または前記第2のペア同士の間で、前記キャリア波の入れ替えをするよう、前記キャリア波入替処理を行うよう構成された、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  19. 前記制御部は、第1の制御基板と、各々対応する前記アーム部が決められた複数の第2の制御基板とで構成され、
    前記第1の制御基板は、前記変調波を生成して前記第2の制御基板へ送信するよう構成され、
    前記第2の制御基板は、前記第1の制御基板から前記変調波を受信し、対応する前記アーム部における前記制御処理と前記キャリア波入替処理とを行うよう構成された、
    請求項1〜18のいずれかに記載の電力変換装置。
  20. 前記第1の制御基板は、同期信号を生成して前記第2の制御基板へ高速シリアル通信によって送信するよう構成され、
    前記第2の制御基板は、前記第1の制御基板からの前記同期信号に同期して前記キャリア波を生成し前記制御処理を行うよう構成された、
    請求項19に記載の電力変換装置。
  21. 三相交流が入力される3つの入力端子と三相交流が出力される3つの出力端子との間に接続され、キャパシタと複数のスイッチング素子とを有するスイッチ部が複数直列接続されてなる複数のアーム部を有する電力変換部を備え、前記3つの入力端子から入力される三相交流電圧を異なる三相交流電圧に変換して前記3つの出力端子から出力するよう前記電力変換部を制御する電力変換装置の制御方法であって、
    各々の前記アーム部において、複数のキャリア波と変調波とに基づいて、前記スイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部の2つの前記スイッチング素子をペアにして、ペアごとに前記キャリア波を1個ずつ重複しないように割り当て、前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記ペアを構成する2つの前記スイッチング素子のオンオフ動作を制御する制御処理と、
    各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の間で、割り当てられた前記キャリア波の入れ替えによって前記スイッチング素子のオンオフ状態が変更されることのないタイミングで前記キャリア波の入れ替えをするキャリア波入替処理と、を有する、
    電力変換装置の制御方法。
  22. 前記電力変換部は、
    前記各入力端子と前記各出力端子との間に、n個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された9個の前記アーム部を有し、
    各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、
    各々の前記アーム部において、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波と、全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子を第1のペアとし、前記第3及び第4のスイッチング素子を第2のペアとして、前記2n個のキャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第1のペアに割り当てるとともに、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第2のペアに割り当て、前記第1のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに、前記第2のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うとともに、
    各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の前記第1のペア同士または前記第2のペア同士の間で、前記キャリア波の入れ替えをするよう、前記キャリア波入替処理を行う、
    請求項21に記載の電力変換装置の制御方法。
  23. 前記電力変換部は、
    前記各入力端子と前記各出力端子との間に、n個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された9個の前記アーム部を有し、
    各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、
    各々の前記アーム部において、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとするとともに、前記第3及び第4のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記2n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行う、
    請求項21に記載の電力変換装置の制御方法。
  24. 前記電力変換部は、
    3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、
    前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、
    各々の前記スイッチ部は、第1及び第2の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる回路と、前記キャパシタとが、並列に接続されてなり、前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記逆変換部の前記負側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を入力端とし、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を出力端とするよう構成され、前記順変換部の前記負側のアーム部及び前記逆変換部の前記正側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を入力端とし、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を出力端とするよう構成され、
    3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するとともに、
    同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうちのいずれかn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りのn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるとともに、
    同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうちのいずれかn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りのn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    各々の前記アーム部において、前記対応させたn個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行う、
    請求項21に記載の電力変換装置の制御方法。
  25. 前記電力変換部は、
    3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、
    前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、
    各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、
    3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するとともに、
    同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうちのいずれか2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りの2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるとともに、
    同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲内を変動し、かつ互いに位相が異なる2n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうちのいずれか2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、残りの2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    各々の前記アーム部において、前記対応させた2n個の前記キャリア波と前記所定範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとするとともに、前記第3及び第4のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記2n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行う、
    請求項21に記載の電力変換装置の制御方法。
  26. 前記電力変換部は、
    3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、
    前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、
    各々の前記スイッチ部は、第1及び第2の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる回路と、前記キャパシタとが、並列に接続されてなり、前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記逆変換部の前記負側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を入力端とし、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を出力端とするよう構成され、前記順変換部の前記負側のアーム部及び前記逆変換部の前記正側のアーム部の前記スイッチ部は、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を入力端とし、前記第2のスイッチング素子と前記キャパシタとの接続点を出力端とするよう構成され、
    3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するとともに、
    同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が2n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の2n個の前記キャリア波を生成し、この2n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    各々の前記アーム部において、前記対応させたn個の前記キャリア波と全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において前記第1及び第2のスイッチング素子をペアとして、n個の前記スイッチ部の各々の前記ペアに対して重複しないように前記n個のキャリア波を1個ずつ割り当て、各々の前記ペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行う、
    請求項21に記載の電力変換装置の制御方法。
  27. 前記電力変換部は、
    3つの前記各入力端子と正側の直流配線との間にn個(nは2以上の整数)の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、3つの前記各入力端子と負側の直流配線との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する順変換部と、
    前記正側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の正側の前記アーム部と、前記負側の直流配線と3つの前記各出力端子との間にn個の前記スイッチ部が直列接続された3個の負側の前記アーム部とを有する逆変換部とを備えており、かつ、
    各々の前記スイッチ部は、第1〜第4の前記スイッチング素子を有し、前記第1及び第2のスイッチング素子が直列接続されてなる第1の回路と、前記第3及び第4のスイッチング素子が直列接続されてなる第2の回路と、前記キャパシタとが、並列に接続され、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の入力端とし、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点を前記スイッチ部の出力端とするよう構成され、
    3つの前記入力端子から入力される三相交流電圧を直流電圧に変換して前記正側及び負側の直流配線へ出力するよう前記順変換部を制御するとともに、前記正側及び負側の直流配線の直流電圧を前記入力される三相交流電圧とは異なる三相交流電圧に変換して3つの前記出力端子から出力するよう前記逆変換部を制御するとともに、
    同一の前記入力端子に接続される前記順変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が4n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方の2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方の2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    同一の前記出力端子に接続される前記逆変換部の前記正側のアーム部及び前記負側のアーム部に対して、所定範囲が4n個に分割されてなる各々の専有範囲内を変動し、かつ同位相の4n個の前記キャリア波を生成し、この4n個の前記キャリア波のうち、前記専有範囲が高い方の2n個の前記キャリア波を前記正側のアーム部に対応させ、前記専有範囲が低い方の2n個の前記キャリア波を前記負側のアーム部に対応させるようにし、
    各々の前記アーム部において、前記対応させた2n個の前記キャリア波と全ての前記専有範囲内を変動する前記変調波とに基づいて、n個の前記スイッチ部の前記第1〜第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御し、その際、各々の前記スイッチ部において、前記第1及び第2のスイッチング素子を第1のペアとし、前記第3及び第4のスイッチング素子を第2のペアとして、前記2n個のキャリア波のうち、前記専有範囲が高い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第1のペアに割り当てるとともに、前記専有範囲が低い方のn個の前記キャリア波の中から1個ずつ重複しないようにn個の前記スイッチ部の前記第2のペアに割り当て、前記第1のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するとともに、前記第2のペアに対して前記変調波と前記割り当てられるキャリア波との大小関係に基づいて互いのオンオフ状態が逆になるように前記第3及び第4のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するよう、前記制御処理を行うとともに、
    各々の前記アーム部において、前記制御処理の処理中に、いずれか2つの前記スイッチ部の前記第1のペア同士または前記第2のペア同士の間で、前記キャリア波の入れ替えをするよう、前記キャリア波入替処理を行う、
    請求項21に記載の電力変換装置の制御方法。
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