JP2001086766A - 多重電力変換装置の制御方法及び多重電力変換装置 - Google Patents

多重電力変換装置の制御方法及び多重電力変換装置

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JP2001086766A JP26148099A JP26148099A JP2001086766A JP 2001086766 A JP2001086766 A JP 2001086766A JP 26148099 A JP26148099 A JP 26148099A JP 26148099 A JP26148099 A JP 26148099A JP 2001086766 A JP2001086766 A JP 2001086766A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多重インバータ装置の各ユニットインバータ
のパワーバランスを保ち、且つ出力波形の歪みを低減す
る。 【解決手段】 複数のユニットインバータ31u、32uの出
力を直列に接続してなる多重インバータのスイッチ素子
を、入力される電圧指令値Vu*に基づいてスイッチング
制御して直流を交流に変換するにあたって、電圧指令値
の取り得る範囲±2Vdをユニットインバータの数に合わ
せて正負対称の複数の電圧領域に分け、この電圧領域ご
とに三角波キャリアet1、et2と電圧指令値Vu*との大小
関係を比較してゲートパルスGu11〜Gu14、Gu21〜Gu24を
生成し、この生成されたゲートパルスによりユニットイ
ンバータを駆動し、かつゲートパルスにより駆動する対
象のユニットインバータを、電圧指令値の周期よりも短
い切替周期CNTで切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体スイッチ素
子を用いてなるインバータを多重接続してなる多重電力
変換装置に係り、具体的には出力波形の改善、各インバ
ータの消費電力および損失の均一化を図るスイッチング
制御の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】インバータ(直交電力変換器)の高圧化
及び大容量化を実現するため、複数のインバータ(以
下、ユニットインバータという)の出力側を直列に接続
してなる多重インバータ装置が広く知られている。この
ような多重インバータ装置を構成する複数のユニットイ
ンバータのスイッチ素子をスイッチング制御して所望の
電力を得る制御方法としては、文献「電気学会論文誌D
部門 Vol. 119-D, p769〜775, 1999年、6月」に纏めら
れているとおり、種々の方式が提案されている。
【0003】ここで、多重インバータ装置のスイッチン
グ制御方式について、三相電動機を駆動する多重インバ
ータ装置を例にして説明する。三相電動機の制御方式と
しては、V/F制御又はベクトル制御が広く知られてい
るが、いずれの場合もインバータのスイッチ素子を制御
するゲートパルスは、PWM(パルス幅変調)制御方式
により生成することが代表的である。すなわち、三相電
動機に供給する交流電圧に対応した電圧指令値を三角波
キャリアと比較し、その大小関係に基づいて各ユニット
インバータのスイッチ素子のゲートパルス(PWMパル
ス)を生成し、そのPWMパルスにより各スイッチ素子
をスイッチング制御して、所望の交流電圧を出力するよ
うにしている。このようなPWMパルスを生成する代表
的な方式として、電圧指令値との比較に用いる三角波キ
ャリアの特徴に基づいて、位相シフト方式とバイアス方
式とが知られている。これらの方式について、二重イン
バータ装置を例にして説明する。
【0004】位相シフト方式は、二重インバータ装置の
2つのユニットインバータに対応させて、2つの三角波
キャリアを用意する。それらの三角波キャリアは、周期
がTc、ピーク値が±2Vdc、それらの位相が90°ずら
して設定され、それらの三角波キャリアと共通の電圧指
令値とをそれぞれ比較してPWMパルスを生成する。な
お、周期がTcはインバータ出力に対応した電圧指令値
(交流波形)の周期よりも十分に小さく、ピーク値は各
ユニットインバータの直流電源電圧Vdcに基づいて設定
される。このように、2つのユニットインバータに対応
する三角波キャリアの位相が90°ずれていることから、
それら2つのユニットインバータは比較的が均等なスイ
ッチング動作により駆動される。その結果、素子の発生
する損失が均一化されるから、ユニットインバータ間の
熱バランスが保たれるという利点がある。二段以上に多
重化する場合も、電圧指令値はすべて共通化し、三角波
キャリアの位相をずらしてPWMパルスを作成する。
【0005】しかし、位相シフト方式の場合には、三角
波キャリアの位相が90°ずれていることから、2相の線
間電圧のパルス波形で見ると、パルスの高低電圧差が大
きくなる場合があり、線間電圧波形の歪みが増加する問
題がある。また、線間電圧の変化幅が大きいと、インバ
ータ・モータ間配線における反射により、電圧の跳ね上
がりが大きくなり、モータの絶縁を劣化させる恐れがあ
る。
【0006】他方のバイアス方式は、ユニットインバー
タの数に合わせて電圧指令値の範囲を正側と負側ごとに
複数の領域に分割し、その分割領域ごとに同一の三角波
キャリアのバイアスを変えて設定し、電圧指令値と各三
角波キャリアとの比較に基づいて、PWMパルスを生成
する方式である。例えば、二重インバータ装置の場合
は、電圧指令値の範囲を−2Vdc〜−Vdc、−Vdc〜
0、0〜+Vdc、+Vdc〜+2Vdcの4領域に分割し、同
一位相でピーク値幅がVdcの三角波キャリアを4つ用意
し、それらのバイアスを変えて各領域に割り当て、共通
の電圧指令値と比較してPWMパルスを生成する。
【0007】このバイアス方式は、同一電圧領域におい
ては、その領域の三角波キャリアに対応したユニットイ
ンバータがスイッチング制御されることになる。そし
て、スイッチングされるユニットインバータの出力波形
は均等なパルス波形となり、スイッチングされていない
ユニットインバータの出力波形は0又は±Vdcの一定値
になる。そのため、他相の多重インバータとの線間電圧
の変化幅はVdcとなり、位相シフト方式のような問題は
存在しない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
バイアス方式のPWMパルス生成法は、各ユニットイン
バータ相互間及びスイッチ素子相互間のスイッチング動
作に偏りがあることから、次のような問題がある。
【0009】つまり、同一期間においてスイッチング動
作するスイッチ素子が、特定のユニットインバータ又は
スイッチ素子に集中してしまうため、スイッチ素子相互
間の熱バランスが崩れ、特定の素子に負担が集中すると
いう問題がある。
【0010】また、各ユニットインバータの消費電力に
相違が生じるので、電源側に生じる高調波の発生量が個
々のユニットインバータで異なってくる。通常、二重イ
ンバータ装置の入力直流電力は、2次巻線がΔ巻線とY
巻線とからなる変圧器を介して供給される交流電力を整
流して得ている。これは、の運転により電源側に生じる
高調波(5、7、17、19次成分等)を、2つのユニットイ
ンバータ間でキャンセルさせるためである。しかし、各
ユニットインバータの消費電力が異なると、高調波のキ
ャンセルがうまく機能しなくなるという問題がある。
【0011】本発明の課題は、上述した問題を解決する
こと、すなわち、多重インバータ装置を構成する各ユニ
ットインバータのパワーバランスを保ち、且つ、出力波
形の歪みが少ないPWM制御を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により解決することができる。本発明は、基本的に従来
のバイアス方式と同様に、多重インバータを構成する複
数のユニットインバータに対して同一位相の三角波キャ
リアを用いることにより、線間電圧波形の歪みを抑制す
る。本発明の特徴は、バイアス方式の問題点である各ユ
ニットインバータ間のパワーバランスを均等にするた
め、電圧指令値の周期よりも短い切替周期でPWM制御
によるスイッチング対象のユニットインバータを切り替
えることにより、特定のユニットインバータにスイッチ
ング動作が集中しないようにして、ユニットインバータ
間のパワーの均等化を図ることにある。
【0013】すなわち、従来のバイアス方式は、まず、
n個のユニットインバータを直列接続した多重インバー
タの場合、±nVdcの範囲で変化する電圧指令値に対応
させて、電圧指令値の範囲を正側と負側ごとにそれぞれ
n個の電圧領域に等分する。このように等分された正側
領域と負側領域のうち、互いに対称な位置の正側領域と
負側領域を直列接続されたn個のユニットインバータの
正側アームと負側アームに順次対応付ける。そして、そ
れぞれの電圧領域に三角波キャリアを設定して電圧指令
値と比較してPWMパルスを生成し、このPWMパルス
に基づいて対応するユニットインバータのスイッチ素子
のゲートを制御していたことから、電圧指令値が属する
電圧領域のユニットインバータのみにスイッチングが集
中していたのである。
【0014】そこで、本発明は、各電圧領域において、
直列接続された複数のユニットインバータのスイッチン
グ動作を周期的に切り替えて行わせるようにしたことを
特徴とする。スイッチング動作させるユニットインバー
タの切り替え法としては、次のいづれか1つにより実現
できる。
【0015】(1)三角波キャリアと電圧指令値を比較
してゲートパルスを生成する各ユニットインバータのP
WM変調手段に入力する三角波キャリアを同一のものと
し、電圧指令値を各ユニットインバータのPWM変調手
段に周期的に切り替えて入力することにより実現でき
る。
【0016】(2)各ユニットインバータのPWM変調
手段に入力する三角波キャリアのバイアスを前述の電圧
領域に対応させて可変にしておき、各ユニットインバー
タのPWM変調手段に入力する三角波キャリアのバイア
スを各ユニットインバータ間で周期的に切り替えること
により実現できる。
【0017】具体的には、複数のユニットインバータの
出力を直列に接続してなる多重インバータのスイッチ素
子を、入力される電圧指令値に基づいてスイッチング制
御して直流を交流に変換するにあたり、前記電圧指令値
の取り得る範囲を前記ユニットインバータの数に合わせ
て正負対称の複数の電圧領域に分け、該電圧領域ごとに
三角波キャリアと前記電圧指令値との大小関係を比較し
て前記スイッチ素子のゲートパルスを生成し、該生成さ
れたゲートパルスにより前記ユニットインバータを駆動
するにあたり、前記ゲートパルスにより駆動する対象の
前記ユニットインバータを、前記電圧指令値の周期より
も短い切替周期で切り替えることにより実現できる。
【0018】この場合、前記制御装置は、前記電圧指令
値の取り得る範囲を前記ユニットインバータの数に合わ
せて正負対称の複数の電圧領域に分け、該複数の電圧領
域のそれぞれに前記ユニットインバータを対応づけ、該
対応関係を前記電圧指令値の周期よりも短い切替周期で
切り替えることができる。
【0019】さらに、前記制御装置は、前記三角波キャ
リアを前記複数のユニットインバータに対して共通に設
定し、前記電圧指令値の取り得る範囲を前記ユニットイ
ンバータの数に合わせて正負対称の複数の電圧領域に分
け、該複数の電圧領域の正負一対の電圧領域のそれぞれ
に前記ユニットインバータを対応づけ、入力される前記
電圧指令値が属する電圧領域を判別し、該判別された電
圧領域の零側の電圧領域との境界電圧を前記電圧指令値
から差し引いた値を、当該判別された電圧領域に係る前
記ユニットインバータの変調用電圧指令値とし、該変調
用電圧指令値と前記三角波キャリアとの大小関係に基づ
いて前記スイッチ素子のゲートパルスを生成し、当該判
別された電圧領域よりも絶対値が小さい電圧領域に係る
前記ユニットインバータに対しては全電圧出力のゲート
パルスを生成し、当該判別された電圧領域よりも絶対値
が大きい電圧領域に係る前記ユニットインバータに対し
ては出力短絡のゲートパルスを生成し、前記電圧領域と
前記ユニットインバータの対応関係を前記電圧指令値の
周期よりも短い切替周期で切り替えるものとすることで
実現できる。
【0020】また、これに代えて、前記制御装置は、前
記電圧指令値の取り得る範囲を前記ユニットインバータ
の数に合わせて正負対称の複数の電圧領域に分け、該複
数の電圧領域に対応させて前記電圧領域の電圧幅に対応
するピーク幅を有する三角波キャリアを設定するととも
に、該三角波キャリアに前記電圧領域の電圧幅に基づい
た異なるバイアス量を加算可能にし、前記電圧指令値の
周期よりも短い切替周期で前記バイアス量を切り替えな
がら、前記電圧指令値と前記三角波キャリアとの大小関
係に基づいて前記各ユニットインバータのスイッチ素子
のゲートパルスを生成するものとすることができる。
【0021】ここで、前記切替周期を短く設定すること
が好ましい。切替周期を短く設定するとパワーバランス
が均等化される利点があるが、極端に短か過ぎるとスイ
ッチング回数が増えて、スイッチング損失が増加してし
まう恐れがある。逆に、長く設定するとユニットインバ
ータ間の消費電力の変動が大きくなり、パワーバランス
が変動することになるが、スイッチング回数を低減でき
る。実用的には、三角波キャリア周期Tcの数周期程度
の値に設定することが好ましい。
【0022】また、切替周期は三角波キャリアの周期に
同期させなくても良いが、切替周期が三角波キャリアの
周期に同期していないと、各ユニットインバータ間の負
荷バランスを完全に均等化することは難しい。また、切
り替えのタイミングによっては、非常に狭い幅のPWM
パルスが発生し、スイッチング素子が追従できない場合
が生じることがあり、その結果、スイッチ素子への負担
を大きくしたり、波形の歪みが大きくなる可能性があ
る。
【0023】したがって、切替周期を三角波キャリアの
周期に同期させることが最も好ましい。この場合、三角
波キャリアの半周期を繰り返しカウントするカウンタを
設け、このカウンタの出力値が三角波キャリア周期の整
数倍のタイミングに前記切替周期を設定することが好ま
しい。これにより、スイッチング回数を一層均一化する
ことができ、また波形の歪みも低減できる。
【0024】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を用いて
説明する。 (第1実施形態)図1、2に、本発明の一実施形態の多
重電力変換装置の構成を示し、図3、4に各部の動作波
形図を示す。図1に示すように、本実施形態は、一相当
たりユニットインバータを二台ずつ直列に接続して構成
してなる多重インバータ装置である。三相交流電源1か
ら供給される交流電力は、変圧器2において所定電圧に
変換されると共に、位相が異なる複数の三相交流に変換
されて各相ごとに構成された多重インバータ3u、3
V、3wに入力されている。多重インバータ33u、3
V、3wは、それぞれ各相の相電圧を出力するものであ
り、基本的には同一の構成である。したがって、以下で
はu相の多重インバータ3uに基づいて、詳細構成を説
明する。多重インバータ3uは、2つのユニットインバ
ータ31u、32uを直列接続して構成される。ユニット
インバータ31u、32uは、それぞれ4つのスイッチ素
子(Qu11〜Qu14とQu21〜Qu24)を用いたフルブリッジの
インバータであり、ダイオード整流器4と平滑コンデン
サ5を備えて構成されている。多重インバータ3u、3
V、3wの出力は、誘導電動機等の交流モータ6に供給
されている。
【0025】このように構成される多重インバータ3
u、3v、3wの各スイッチ素子は、インバータ制御装
置7により制御される。インバータ制御装置7は、三角
波キャリア発生器71、交流モータに供給する電圧指令
値を与える電圧指令演算器72、各ユニットインバータ
のゲートパルス(PWMパルス)を生成して、各スイッ
チ素子に出力するPWM変調器73u、73V、73w、
切り替え信号発生器77、電圧指令分配器78u、78
V、78wを備えている。
【0026】電圧指令演算器72から出力される各相の
電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*は、それぞれ電圧指令
分配器78u、78V、78wに入力されている。電圧
指令分配器78u、78V、78wには、切り替え信号
発生器77から切替信号CNTが入力されている。電圧指
令分配器78u、78V、78wは、それぞれ同一構成
であり、入力される電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*と
切替信号CNTに基づいて各ユニットインバータへの電圧
指令値を生成する。
【0027】また、PWM変調器73u、73V、73w
はそれぞれ同一構成であり、PWM変調器73uは4つの
比較器74と、4つの反転器75を備えて構成される。
比較器74は、+入力端と−入力端に入力される信号の
値を比較し、「+」の方が大きい場合に「1」を出力
し、逆の場合に「0」を出力する。比較器75は、
「1」、「0」の信号を反転して出力する。2つの比較器
74の+入力端には、三角波発生器71から三角波キャ
リアet1が入力され、−入力端には電圧指令分配器78
uから電圧指令値Vu1p*、Vu1np*が入力され、残りの2
つの比較器74の+入力端には、三角波発生器71から
三角波キャリアet2が入力され、−入力端には電圧指令
分配器78uから電圧指令値Vu2p*、Vu2np*が入力され
ている。そして、比較器74及び反転器75の出力は、
スイッチ素子Qu11〜Qu14、Qu21〜Qu24のゲートパルスGu
11〜Gu14、Gu21〜Gu24となっている。
【0028】ここで、図1実施形態の動作の概略を説明
する。三相交流電源1から変圧器2を介して各ユニットイ
ンバータ31u、32uに電源が供給されると、ダイオー
ド整流器4と平滑コンデンサ5により直流電圧Vdcに変換
される。変圧器2は、ユニットインバータ間の絶縁と、
電源に流出する高調波を抑制する機能がある。つまり、
周知のように、変圧器2の二次側巻線は、各相毎にΔとY
の二巻線になっており、お互いに30°の位相差を持たせ
ることにより、電源に流出する高調波6m±1次(m=1、
3、5…)をキャンセルするようにしている。
【0029】ユニットインバータ31u、32uは、それ
ぞれVu1、Vu2の電圧を出力する。スイッチ素子Q11、Q12
のアーム、及びスイッチ素子Q21、Q22のアームを正側ア
ームと呼び、スイッチ素子Q13、Q14のアーム、及びスイ
ッチ素子Q23、Q24のアームを負側アームと呼ぶ。ユニッ
トインバータ3uの出力電圧Vuは、ユニットインバータ
31u、32uの出力電圧の和になる。電圧指令演算器7
2では、交流モータ6を制御するための電圧指令値Vu*〜
Vw*を、V/F制御あるいはベクトル制御等に基づいて演算
して出力する。
【0030】電圧指令分配器78u〜78wは、電圧指令
値Vu*〜Vw*に基づいて、各ユニットインバータ31u、
32uに分配する電圧指令値を作成する。その電圧指令
値の配分を切り替えるのが、切り替え信号発生器77か
ら出力される切替信号CNTである。これらに関しては、
本発明の特徴部分であり、後に詳細に説明する。
【0031】三角波キャリアet1、et2は、各相及び各ユ
ニットインバータに共通で、et1、et2共に0からVdcまで
の値で変化する。et1は、各ユニットインバータの正側
アーム用、et2は負側アーム用の三角波キャリアであ
る。et2はet1に比べて180°の位相差を持って変化す
る。
【0032】次に、本発明の特徴部分の1つである電圧
指令分配器の構成について、電圧指令分配器78uを例
にして動作と共に説明する。図2に示すように、電圧指
令分配器78uは、電圧指令変換器8とユニットインバ
ータ指令演算器9を含んで構成されている。電圧指令変
換器8は、電圧指令値が存在する電圧領域Kと、実質的
にPWMを行う成分であるパルス幅変調量xに分離する
機能を有し、領域判別器81とx演算器82を有してな
る。領域判別器81は電圧指令値の電圧領域を表わす
「K」の値を演算する機能を有する。すなわち、入力さ
れる電圧指令値Vu*を設定器84にそれぞれ設定され
たVdc、‐Vdcと比較器74で比較し、下記の数1〜
数3の関係に対応したKの値を出力する。x演算器82
は、パルス幅変調量xを演算するものであり、入力され
る電圧指令値Vu*に設定器84に設定されたVdcを2つ
の加算(減算)演算を行う加算(減算)器83を用い
て、下記の数4〜数6に対応したxの値を演算し、Kの
値に応じて切り替えられる切り替え器85を介して、パ
ルス幅変調量xをユニットインバータ指令演算器9に出
力する。
【0033】 Vdc≦Vu*のとき、K=1 (数1) ‐Vdc<Vu*<Vdcのとき、K=0 (数2) ‐Vdc≧Vu*のとき、K=-1 (数3) ここで、Kの概念についてさらに説明する。従来のバイ
アス方式の場合、本実施の形態のように2個のユニット
インバータ31u、32uを直列接続した多重インバータ
の場合、電圧指令値が±2Vdcの範囲で変化することに
対応させて、電圧指令値の範囲を正側と負側ごとにそれ
ぞれ2つの電圧領域に等分し、互いに対称な位置の正側
領域と負側領域をそれぞれユニットインバータ31u、
32uの正側アームと負側アームに対応付け、それぞれ
の電圧領域に三角波キャリアを設定して電圧指令値と比
較してPWMパルスを生成している。そして、それぞれ
の電圧領域に三角波キャリアを設定するために、共通の
三角波キャリアに電圧領域に対応させてバイアスをかけ
ている。ところで、三角波キャリアにバイアスをかける
ことは、電圧指令値にバイアスをかけることと実質的に
等価である。そこで、本実施形態では、三角波キャリア
を各ユニットインバータに共通のものとし、電圧指令値
が属する電圧領域を判別し、これに応じて電圧指令値に
相当するパルス幅変調量xを用いることにより電圧指令
値にバイアスをかけ、三角波キャリアにバイアスをかけ
たのと実質的に等価にしている。
【0034】また、パルス変調量xは、三角波キャリア
との比較によって、その大きさをパルス幅に変換する値
であり、実質的なパルス変調量と考えることができる。
xは、Kの値を用いて、以下の式で演算する。この演算
は、x演算器82にて加算器83と設定器84と切替器85を用
いて実現する。
【0035】 K = 1のとき、x = Vu* − Vdc (数4) K = 0のとき、x = Vu* (数5) K = −のとき、x = Vu* + Vdc (数6) ここで、図3と図4の(a)〜(c)に、Vu*に対するKとxの関
係を示す。Kは、Vu*の存在する電圧領域を表わす量であ
り、図3はK=0の場合、図4はK=1の場合の波形である。
【0036】このようにして求められたKは、ユニット
インバータ指令演算器9のゲイン91によりVdc倍され
て、切替器92aの切替端子「0」側と、切替器92cの切
替端子「1」側に入力される。同様に、xは、切替器92c
の切替端子「1」側と、切替器92dの切替端子「0」側に入
力される。切替器92a〜92dの他方の端子には設定
器93から「0」が入力される。これらの切替器92a〜
92dは切り替え信号発生器77から出力される切替信
号CNTの「0」、「1」に応じて切り替えられる。切替
信号CNTは、図3(d)に示すように、「1」、「0」の値
を周期Tcntで繰り返す信号である。切替器92aと92
b及び切替器92cと92dの出力は、それぞれ加算器
83で加算されてユニットインバータ32uと32uの
正側アーム用の電圧指令値として、また反転器76で反
転されて負側アーム用の電圧指令として、それぞれPWM
変調器73uに入力されている。
【0037】このようにして、各ユニットインバータ3
1u、32uの電圧指令値Vu1p*、Vu2p*は、下記のよう
になる。
【0038】 CNT = 1のとき Vu1p*= x、 Vu2p* = K・Vdc (数7) CNT = 0のとき Vu1p* = K・Vdc、 Vu2p*=x (数8) なお、Vu1n*とVu2n*は、それぞれVu1p*とVu2p*を反転す
ることで得られる。この結果、ゲートパルスは、図3(i)
〜(l)となる。ここで、Gu12、Gu14、Gu22、Gu24の波形
は、それぞれGu11、Gu13、Gu21、Gu23の反転となるの
で、波形の図示を省略している。
【0039】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、電圧指令値の取り得る範囲±2Vdcをユニットイン
バータの多重の数に合わせて正負対称の二対の電圧領域
に分け、正負二対の電圧領域にそれぞれユニットインバ
ータを対応づけ、その対応関係を電圧指令値の周期より
も短い切替周期で切り替えているのである。
【0040】つまり、三角波キャリアを2つのユニット
インバータに対して共通に設定し、電圧指令値の取り得
る範囲を2つのユニットインバータに合わせて正負対称
の二対の電圧領域に分け、その電圧領域のそれぞれにユ
ニットインバータを対応づけ、入力される電圧指令値が
属する電圧領域を判別し、判別された電圧領域の零側の
電圧領域との境界電圧を電圧指令値から差し引いた値
を、判別された電圧領域に係るユニットインバータの変
調用電圧指令値とし、その変調用電圧指令値と三角波キ
ャリアとの大小関係に基づいてスイッチ素子のゲートパ
ルスを生成し、判別された電圧領域よりも絶対値が小さ
い電圧領域に係るユニットインバータに対しては全電圧
出力のゲートパルスを生成し、判別された電圧領域より
も絶対値が大きい電圧領域に係るユニットインバータに
対しては出力短絡のゲートパルスを生成し、電圧領域と
ユニットインバータの対応関係を電圧指令値の周期より
も短い切替周期で切り替えているのである。
【0041】このように構成されることから、本実施形
態によれば、出力波形Vu(図3(o))は、従来のバイア
ス方式と等しくなるが、2つのユニットインバータ31
u、32uのどちらもほぼ等しくスイッチングを行ってお
り、パワーバランスが保たれている。
【0042】また、電圧指令値がK=1の領域にある場合
は図4のようになるが、図3と図4のVuを比較すると、
電圧指令値の大きさが異なるものの、パルスの位相は従
来のバイアス方式と等しい関係になるから、線間電圧の
歪みは抑制される。このことを図5と図6を用いてさら
に説明する。図5は、本実施形態のu‐v相間の線間電
圧波形を説明するために模式的に示したものであり、同
図(a)がu相、(b)がv相のユニットインバータの
出力波形を示す。図6は、従来例のu‐v相間の線間電
圧波形を説明する図である。それらの図を比較して明ら
かなように、本実施形態に係る各ユニットインバータの
出力波形Vu1、Vu2、Vv1、Vv2は、図6の従来例と異な
り、ユニットインバータのパワーバランスを均一に保つ
ように、どのインバータもスイッチング動作を行ってい
る。そして、それらの出力を加算した電圧波形Vu、Vvは
図6と同じになっている。したがって、線間電圧Vuvの波
形も図6の従来例と同じになり、線間電圧の歪みは抑制
される。
【0043】ここで、切替信号CNTの周期Tcntは、短く
設定するとパワーバランスが均等化されるが、極端に短
か過ぎるとスイッチング回数が増え、スイッチング損失
が増加してしまう恐れがある。逆に、長く設定すると、
ユニットインバータ間の消費電力の変動が大きくなり、
パワーバランスが変動することになるが、スイッチング
回数は増加しない。どちらもメリット、デメリットがあ
るが、現実的な値としては、Tcの数周期程度の値にセ
ットしておけばよい。
【0044】また、本実施形態では、正側アームと負側
アーム用に2つの三角波キャリアet1、et2を用い、それ
らの位相を180°ずらした例を示した。しかし、それら
を同位相にしても、本実施形態と同一の効果を奏するこ
とができる。つまり、図7に示すように、三角波キャリ
アet1に−Vdcのバイアスを加算したものをet2とするこ
とができる。この場合は、図2の電圧指令値Vu1p*、Vu2
p*だけを用い、Vu1n*、Vu2n*は用いない。また、ゲー
トパルスGu13、Gu14、Gu23、Gu24は図2の場合のゲート
パルスを反転したものになる。この場合の各部の波形
は、図8に示すようになり、図3と比較して明らかなよ
うに、全く同じゲートパルスが得られる。
【0045】このように、一方の三角波キャリアにバイ
アスを加算することで、1つの三角波キャリアを共通に
用いることができる。また、これに代えて、三角波キャ
リアを全く同じものにし、一方の電圧指令値(例えば、
Vu1n*とVu2n*)にバイアスを加えても、同じ効果が得
られる。要は、それぞれのユニットインバータに対し
て、共通の三角波キャリアを用いることが特徴であり、
結果的に従来のバイアス方式と同じ波形が得られるよう
に、三角波キャリアの位相やバイアス、又は電圧指令値
に加えるバイアス等を変えればよい。この点は、以下に
説明する他の実施形態でも全く同じことである。
【0046】(第2実施形態)図9〜11に本発明の第
2の実施形態を示す。本実施形態は、図1のインバータ
制御装置7を改良したものであり、図9のインバータ制
御装置7Aを図1の7に置き換えることで実現できる。図9
において、図2と同一符号を付したものは同一の機能構
成を有するものであるから説明を省略する。本実施形態
が図1、2に実施形態と異なる点は、切り替え信号CNT
の値に応じて電圧指令値の配分を変えてスイッチング回
数を均等化することに代えて、三角波キャリアのバイア
ス量を切り替えてスイッチング回数を均等化することに
ある。
【0047】バイアス加算器79は、三角波キャリア発生
器71から位相が180°異なる三角波キャリアet1とet2
を入力し、切り替え信号発生器77の切替信号CNTの状
態に従ってet1とet2にバイアスを加算して、新たな4つ
の三角波キャリアet1p、et2p、et1n、et2nを生成する。
バイアス加算器79により生成される三角波キャリアの波
形は、図10の(e)〜(h)のようになる。切り替え信号発
生器77の切替信号CNTが「1」のとき、et1pとet1nがVdc
のバイアスを持ち、CNTが「0」のときには、et2pとet2n
がVdcのバイアスを持つようになる。また、電圧指令値V
u*はそのままVu1p*とVu2p*としてPWM変調器73uへ入
力され、Vu*の符号を反転することでVu1n*とVu2n*を得
る。V、W相に関しても同様の処理がされる。
【0048】一方、 PWM変調器73Au〜73Awでは、比較器
74と反転器75を用いて、ゲートパルスGu11〜Gu23を作成
する。図9と図11に、電圧指令値Vu*が、0≦Vu*≦Vdc
である場合、及びVdc≦Vu*≦2Vdcの場合の動作波形をそ
れぞれ示す。各図の(i)〜(l)にGu11〜Gu23のゲートパル
スを示し、(m)〜(o)に出力電圧波形を示す。
【0049】同図に示すように、各ユニットインバータ
へのゲートパルスGu11〜Gu23は、ほぼ均等にスイッチン
グし、ユニットインバータ間のパワーバランスが一定に
保たれることがわかる。また、出力電圧波形Vuのパルス
の位相は、電圧指令値の大きさに依存せずに一定であ
り、電圧のひずみが低減できる。
【0050】言い換えれば、本実施形態は、電圧指令値
の取り得る範囲±2Vdcをユニットインバータの数に合
わせて正負対称の一対の電圧領域に分け、この一対の電
圧領域に対応させて、電圧領域の電圧幅に対応するピー
ク幅を有しバイアス量が異なる2つの三角波キャリアet
1p、et2pを作成するとともに、それらを反転したet1n、
et2nを作成し、電圧指令値の周期よりも短い切替周期で
三角波キャリアet1pとet2pのバイアス量を切り替えると
ともに、et1nとet2nのバイアス量を切り替えながら、電
圧指令値と三角波キャリアとの大小関係に基づいて各ユ
ニットインバータのスイッチ素子のゲートパルスを生成
することにより、簡単な構成でパワーバランスを均一に
保つことができる。
【0051】特に、第1の実施形態で必要であった電圧
領域Kの判別と、xの演算が不要であるから、演算の負
担が低減できる。
【0052】(第3実施形態)図12に、本発明の第3
の実施形態に係る特徴部の構成を示す。第1と第2の実施
形態では、電圧指令値の配分、あるいは三角波キャリア
のバイアス量を切り替えて、ユニットインバータ毎のス
イッチング回数を均等化することを示した。ここで、切
り替え周期Tcntは、三角波キャリアの周期の数倍程度で
あれば、ある程度のバランスが確保されるが、厳密にパ
ワーバランスを保つことは難しい。また、切り替えのタ
イミングによっては、非常に狭いパルスが発生し、その
ようなパルスに対して、スイッチング素子が追従できな
い場合が生じ、結果的に素子への負担を大きくしたり、
波形のひずみが大きくなる可能性がある。
【0053】本実施形態は、これらの点を改良したもの
であり、図1のインバータ制御装置78u〜78wを図12の
ものに置き換えたものである。図12において、78Buは
改良を加えた電圧指令分配器、8Bは電圧指令変換器、81
Bは電圧指令値の領域Rを判別する領域判別器、82Bはx演
算器、85Bは領域判別器81Bの出力Rに基づいて、スイッ
チを切り替える切り替え器、9Bはすべてのユニットイン
バータへの電圧指令値を演算するユニットインバータ指
令演算器、93は各ユニットインバータ毎の電圧指令値を
演算する演算ユニット、94は領域判別器81Bと切り替え
信号発生器77Bの出力に基づいて、信号Sを出力するS
データテーブル、95は領域判別器81Bと切り替え信号発
生器77Bの出力に基づいて、信号Cを出力するCデータ
テーブル、96は乗算器である。その他の部品は、図1、
2、9の同じ符号のものと同一のものである。
【0054】電圧指令値Vu*は、電圧指令変換器8Bにお
いて、領域を示す値Rとパルス幅変調量xに分離され
る。RはVu*の存在する電圧領域を表わす量であり、領
域判別器81Bにおいて下記の数9〜数12のように判別され
る。
【0055】 Vdc ≦ Vu* のとき、R = 1 (数9) 0 < Vu* < Vdc のとき、R = 0 (数10) -Vdc < Vu* < 0 のとき、R = 2 (数11) -Vdc ≧ Vu* のとき、R = 3 (数12) 領域判別器81Bでは、電圧指令値Vu*に対するRの値をテ
ーブル化しておいて、上記の判別を行う。パルス変調量
xは、x演算器82Bにおいて、Rの値を用いて、以下の数1
3〜数16ように演算する。
【0056】 R = 1のとき、x = Vu* - Vdc (数13) R = 0のとき、x = Vu* (数14) R = 2のとき、x = Vu* (数15) R = 3のとき、x = Vu* + Vdc (数16) 切り替え信号発生器77Bでは、図13に示すような切り
替え信号TWC1、TWC2の値を出力する。切り替え信号TWC
1、TWC2は0から3までの整数値を取り、三角波キャリア
の半周期Tc/2毎に、アップカウントを繰り返す。ま
た、切り替え信号TWC1とTWC2は、三角波キャリアのピー
クに同期して値が変化する。また、TWC1とTWC2の値は
「2」ずれている。このように、切り替え信号TWC1、TW
C2を三角波キャリアに同期させることで、スイッチング
回数を正確に均等化し、同時に、狭いパルスの発生を防
ぐことができる。
【0057】SデータテーブルおよびCデータテーブル
では、R及びTWC1(TWC2)の値に基づいて、信号S及び
Cを出力するようになっている。CデータテーブルとS
データテーブルの内容を、図14、図15に示す。図中のTW
Cは、TWC1又はTWC2を意味する(ユニットインバータ間
で、テーブルを共通化している)。図12の実施形態に
よると、ユニットインバータ31uへの電圧指令値Vu1p*
は、下記式数17のようになる。
【0058】Vu1p*=S・Vdc + C・x (数17) 図14、15に示すように、Cは「0」と「1」の値、
Sは「0」と「±1」の値を取る。Vu1n*は、Vu1p*の符
号を反転することで生成する。ユニットインバータ32u
に対しても、同じ処理がなされるが、切り替え信号とし
て、TWC1の代わりにTWC2を用いる。 また、他の相につ
いても、電圧指令分配器78Buと同じものを78Bv、78Bwと
して用いればよい。
【0059】図16〜図17に、Vu*の値が異なる電圧
領域にある時の電圧指令分配器78Buの動作波形を示す。
図16はR=0の領域にVu*がある場合の波形である。R=0
の時、図14より、TWC1=0、1の時、C=1となり、ま
た、図15より、Sは常に0であることがわかる。よっ
て、数17より、Vu1p*は、TWC1が0、1の時に「x」とな
り、TWC1=2、3の時は零になる(図16(d)、および
(e))。Vu2p*の方は、切り替え信号のTWC2が、TWC1に対
して「2」だけずれているので、TWC1=2、3の時に
「x」となり、それ以外は「0」になる(図16(d)およ
び(g))。この結果、ゲートパルスは、図16(i)〜(l)
となり、ユニットインバータ31uと32uへの波形の対称性
が保たれ、パワーバランスの完全に均等化される。ま
た、切り替え信号による狭いパルスが生じなくなる。
【0060】電圧指令値Vu*が、他の領域にある場合(R
=1〜3の場合)を図17〜19に示す。それらの図か
ら、図12の電圧指令分配器を用いることで、パワーバ
ランスの均等化、および狭いパルスの発生を防止できる
ことがわかる。また、各図の出力波形Vuを見るとわかる
ように、パルスの位相は全て等しく(Tc期間において、
中央部で凸になっている)、波形のひずみを抑制できる
ことがわかる。
【0061】なお、本実施形態では、各ユニットインバ
ータに用いるデータテーブルを共通化し、切り替え信号
の方をタイミングをずらしているが、切り替え信号を共
通化し、各ユニットインバータ毎にデータテーブルを用
意しても、全く等しい効果が得られる。
【0062】また、本実施形態では、一相当たり二段の
ユニットインバータを使用しているが、ユニットインバ
ータの段数をさらに増やした場合も、一部の構成を変更
することで適用できる。ユニットインバータをN段にし
た場合、電圧指令値の領域をN分割して、電圧指令値の
領域Rを判別する。また、切り替え信号(TWC)はN個
設け、最大値を2N‐1にセットし、TWC、RとS、Cの関係
を新たにテーブル化すればよい。
【0063】以上、本実施形態を用いることで、出力波
形のひずみを抑え、且つ、各ユニットインバータ間のパ
ワーバランスを完全に均一に保つ多重変換器が実現でき
るようになる。
【0064】(第4実施形態)図16に、本発明の第4
の実施形態を示す。前述した第3の実施形態を用いるこ
とで、各ユニットインバータ間のパワーバランスが完全
に保たれることを説明した。しかし、第3の実施の形態
のユニットインバータは、図1に示すのと同様に、Qu11
とQu12(又はQu21とQu22)からなる正側のアームと、Qu13
とQu14(又はQu23とQu23)からなる負側のアームで構成さ
れている。ユニットインバータ31uを例に考えると、ス
イッチ状態(モード)と出力電圧の関係は、下記のよう
になる。
【0065】 (モード1) Qu11=ON、Qu12=OFF、Qu13=OFF、Qu14=ONの時、Vu1=V
dc (モード2) Qu11=OFF、Qu12=ON、Qu13=ON、Qu14=OFFの時、Vu1=-
Vdc (モード3) Qu11=OFF、Qu12=ON、Qu13=OFF、Qu14=ONの時、Vu1=0 (モード4) Qu11=ON、Qu12=OFF、Qu13=ON、Qu14=OFFの時、Vu1=0 ここで、モード3とモード4は、両者とも出力電圧Vu1=0
であるが、スイッチングパターンが異なる。インバータ
の負荷として、電動機等の誘導性負荷を接続した場合
は、Vu1=0の場合も電流は流れ続けるため、モード3とモ
ード4をできるだけ均等に使用したい。仮に、Vu1=0の状
態を、モード3のみで出力すると、Qu12とQu14を流れる
電流が、Qu11とQu13を流れる電流よりも、トータルとし
て多くなり、素子の発生する損失が下側2つの素子(Qu
12とQu14)に集中する恐れがある。特に、IGBT等のスイ
ッチングデバイスは、1つのアームを1つのモジュール
で形成している場合が多く、上下の損失のアンバランス
が問題になる。つまり、第1〜3実施形態では、ユニッ
トインバータの出力を零電圧(短絡)にするのに、モー
ド3のみを使用している。例えば、図16から19にお
けるGu11とGu13を見ると、両者の値を零にすることで出
力電圧Vu1を零にしていることがわかる。Gu11、Gu13が
「0」というモードは、モード3であり、前述の問題が生
じる。
【0066】第4実施形態は、このような問題を解決す
るものである。この実施形態は、第3の実施形態におけ
るインバータ制御装置78Bu〜78Bwを図20のように改良
したものである。図20において、電圧指令分配器78Cu
は、すべてのユニットインバータへの電圧指令値を演算
するユニットインバータ指令演算器9Cと、各ユニットイ
ンバータ毎の電圧指令値を演算する演算ユニット93C
と、電圧指令変換器8Bと切り替え信号発生器77Cの出
力に基づいて信号SpとSnを出力するデータテーブル94
C、94Dと、電圧指令変換器8Bと切り替え信号発生器77C
の出力に基づいて信号CpとCnを出力するデータテーブ
ル95C、95Dと、切り替え信号TWC1CとTWC2Cを出力する切
り替え信号発生器77Cとから構成されている。その他
の部品番号のものは、図1、2、9、12の同一符合のも
のと同一のものである。
【0067】次に、第4の実施形態の動作原理について
説明する。電圧指令値Vu*は、第3の実施形態と同様
に、電圧指令変換器8BにおいてRとxに分離される。こ
のR、x、ならびに切り替え信号TWC1CとTWC2Cの値によ
って、各ユニットインバータの電圧指令値が演算され
る。このとき、演算ユニット93Cでは、各ユニットイン
バータに対して、アーム毎に個別の電圧指令値を演算し
ている。これまでの実施形態では、負側のアームの電圧
指令値Vu1n*は、単に正側の指令Vu1p*の符号を反転させ
ていた。電圧指令値の演算には、個別のデータテーブル
を使用している。DATA-Sp、DATA-Cp、DATA-Sn、DATA-Cn
のテーブルを、図22〜25に示す。また、切り替え信
号発生器77cから出力される切り替え信号は、図21
のようになる。三角波キャリアの零からピークまでの期
間を、三角波キャリアに同期してカウントし、0から7
までのアップ・カウントを繰り返す。さらに、TWC2C
は、TWC1Cに対して、「2」だけずれてカウントしてい
る。
【0068】各ユニットインバータへの電圧指令値は、
TWC1CあるいはTWC2Cの値とRの値から、SpとCp、あるい
はSnとCnの値を選び、下記式に従って電圧指令値を演算
する。
【0069】 Vu1p* = Vdc・Sp + x・Cp (数18) Vu1n* = Vdc・Sn + x・Cn (数19) つまり、第3の実施形態と比較すると、カウンタの最大
値を7にしたことと、負側のアームの電圧指令値を正側
とは個別に作成することが異なる。これにより、パルス
幅変調(PWM)の自由度が広がり、スイッチングモード
を増やすことができる。
【0070】図20の電圧指令分配器8Bを用いた時の
動作波形を、図26〜図29に示す。出力電圧波形Vu
は、第3の実施形態の場合の図16〜19に一致してい
るが、ゲートパルスの波形が大きく異なっていることが
わかる。特に、Vu1が零となる期間のGu11とGu13に注目
すると、モード3ならびにモード4を交互に出力してVu1=
0としていることがわかる。この関係は、電圧指令値が
どの領域にあっても変わることはない。
【0071】本実施形態では、一相当たり二段のユニッ
トインバータを使用しているが、ユニットインバータの
段数をさらに増やした場合も、本実施形態の僅かな変更
で適用できる。N段の場合、電圧指令値の領域をN分割
して、電圧指令値の領域Rを判別する。また、切り替え
信号(TWC)はN本用意し、最大値を4N‐1にセットし、
TWC、RとSp、Sn、Cp、Cnの関係を新たにテーブル化す
ればよい。
【0072】以上、本実施形態を用いることで、出力波
形のひずみを抑え、且つ、各ユニットインバータ間のパ
ワーバランスを完全に均一に保ち、さらにユニットイン
バータ内部の素子利用率を均等化できる多重変換器が実
現できる。
【0073】(第5実施形態)第3、4の実施形態にお
いては、電圧指令値を各ユニットインバータ毎に演算し
直して、パワーバランスの均等化を図った。そして、こ
れらの方式を実現するには、制御装置全体をマイクロプ
ロセッサを用いて構成することから、ソフトウエア上で
実現できる。しかし、多重方式の段数を増やした場合に
は、これらの処理の負担が増加し、モータ制御の応答性
に影響を与える恐れがある。
【0074】そこで、本発明の第5実施形態は、電圧指
令値をそのまま使用し、三角波キャリアのバイアス量を
変更して、第3、4実施形態と同等の効果が得られるP
WM制御方式とするものである。この場合、三角波キャ
リアを各ユニットインバータ毎に設ける必要があり、ハ
ードは複雑になるが、ソフトの処理が簡略化されるた
め、モータの高速応答が実現できるようになる。
【0075】図30に、本実施形態の特徴部の構成を示
す。図示のインバータ制御装置7Eは、第2の実施形態
のインバータ制御装置7Aに改良を加えたものである。
図30において、バイアス加算器79Eu〜79Ewが改良
を加えた部分であり、他の部品はこれまでの実施形態の
同一符号のものと同一のものである。
【0076】図30の実施形態の構成を動作とともに説
明する。三角波発生器71では、位相が180°異なる2つ
の三角波キャリアet1、et2を発生する。この三角波キャ
リアに同期して、切り替え信号発生器77Bでは切り替え
信号TWC1CとTWC2Cを発生する。これらの関係は、第4の
実施形態と同じであり、三角波キャリアの位相と切り替
え信号の関係は、図21に示した通りである。バイアス
加算器79Eu(79Ev、79Ew)では、電圧指令値Vu*(Vv*、
Vw*)の大きさと、切り替え信号の値から、三角波キャ
リアに加えるバイアスを計算し、それを三角波キャリア
に加算して出力する。バイアス加算器79Euから出力され
る三角波キャリアは、各相、各ユニットインバータのア
ーム毎に個別に生成される。電圧指令値は、正側アーム
用にはそのままの値が用いられ、負側アーム用には反転
して用いられ、第4実施形態のような電圧指令分配器は
設けられていない。
【0077】ここで、本実施形態の特徴部であるバイア
ス加算器79Euについて、図31を用いて説明する。同図
において、符号97は三角波キャリア修正器であり、ここ
において三角波キャリアに必要なバイアスを加算する。
三角波キャリア修正器97は、2つのデータテーブル94
E、94Fと、これに対応して設けられた設定器91と加算
器83とを備えて構成される。データテーブル94E(94F)
は、それぞれ切り替え信号TWC1C(TWC2C)と電圧指令値
の領域を表す信号Rに対するバイアス量を記録したデー
タテーブルである。図において、他の実施形態の同じ符
号を付したものは、同一の部品である。
【0078】このように構成されるバイアス加算器79Eu
では、Vu*の値が存在する電圧領域を領域判別器81Bにお
いて判別し、判別結果を表す信号Rを出力する。この点
は、第3、4実施形態と同じである(図12参照)。三角
波キャリア修正器97は、入力されるRと切り替え信号TWC
1C(TWC2C)に基づいて、データテーブル94E、94Fを参照
し、信号SpE、SnEを出力する。これらのデータテーブル
94E、94Fは、図32,33のように設定されており、Sp
EとSnEは、「1」、「0」、「‐1」、「‐2」の値を取る
ように設定されている。したがって、バイアス加算器79
Euによれば、出力される三角波キャリアet1puとet1nu
は、 et1pu = et1 + SpE・Vdc (数20) et1nu = et1 + SnE・Vdc (数21) となる。図34〜37に、本実施形態の動作波形図を示
す。図34は、Vu*がR=0の領域にある場合である。同図
(e)〜(h)を見ると、各ユニットインバータの電圧指令値
(Vu1p*、Vu1n*等)は元のVu*又は−Vu*であり、第4の
実施形態(図26)とは相違している。その代わりに、
三角波キャリアet1pu、et1nu、et2pu、et2nuは、TWC1C
の値に応じてバイアス量が変化している。ただし、ゲー
トパルスの波形、ならびにインバータの出力波形は、図
26の場合と同じである。
【0079】図35〜37に示したVu*が他の電圧領域
にある条件においても、各ユニットインバータへの電圧
指令値は元のVu*又は−Vu*であるが、図27〜29の出
力波形と同じ波形が得られる。
【0080】上述したように、本実施形態のインバータ
制御装置によれば、電圧指令値の信号処理を簡略化し
て、演算遅れを少なくでき、高応答な制御システムを実
現できる。
【0081】なお、本実施形態では、第4実施形態と性
能が等価になるものを説明した。しかし、切り替え信号
発生器を変更し、かつデータテーブル書き換えれば、第
3実施形態に等価な性能を得ることも可能である。
【0082】また、上述した第1〜5の実施形態におい
て、一相当たりのユニットインバータを二段にしたもの
を例に説明したが、段数が何段であっても本発明が適用
可能である。すなわち、段数がN段の場合、第1実施形
態の場合は、切り替え信号の値を「0」、「1」の2値
から、N値に変更し、切り替え器92をN接点のスイッチ
とし、電圧指令変換器8の領域判別とx演算の内容をN
段に合わせたものに変更すればよい。また、第2実施形
態では、切り替え信号発生器77とバイアス加算器79を対
応させて、新たに付加されるユニットインバータ用の三
角波キャリアを生成して出力するようにすればよい。第
3〜5の実施形態においては、切り替え信号発生器77
B、77Cの最大値と出力数及び電圧領域Rの判別を段数に
合わせたものに変更し、データテーブル(S、C、Sp、C
p、Sn、Cn等)を書き換えれば実現できる。
【0083】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、多
重インバータ装置の出力波形のひずみを抑え、且つ、各
ユニットインバータ間のパワーバランスを均一に保つこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る多重インバータ
装置の構成図を示す。
【図2】第1実施形態の電圧指令分配器の詳細構成図で
ある。
【図3】第1実施形態の動作波形図の一例である。
【図4】第1実施形態の動作波形図の他の例である。
【図5】本発明の第1の実施形態の効果を説明する動作
波形図である。
【図6】図5に対応して示した従来例の動作波形図であ
る。
【図7】第1の実施形態の変形例の制御装置の構成図で
ある。
【図8】図7の変形例の動作波形の一例である。
【図9】本発明の第2の実施形態の主要部の構成図であ
る。
【図10】第2実施形態の動作波形の一例を示す図であ
る。
【図11】第2実施形態の動作波形の他の例を示す図で
ある。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る電圧指令分配
器の構成図である。
【図13】第3実施形態の切り替え信号を説明する波形
図である。
【図14】第3実施形態のデータテーブルDATA‐Cの内
容を説明する図である。
【図15】第3実施形態のデータテーブルDATA‐Sの内
容を説明する図である。
【図16】第3実施形態の動作波形の一例を示す図であ
る。
【図17】第3実施形態の動作波形の他の例を示す図で
ある。
【図18】第3実施形態の動作波形のさらに他の例を示
す図である。
【図19】第3実施形態の動作波形のさらに他の例を示
す図である。
【図20】本発明の第4の実施形態に係る電圧指令分配
器の構成図である。
【図21】第4実施形態の切り替え信号を説明する波形
図である。
【図22】第4実施形態のデータテーブルDATA‐Cpの内
容を示す図である。
【図23】第4実施形態のデータテーブルDATA‐Cnの
内容を示す図である。
【図24】第4実施形態のデータテーブルDATA‐Sp の
内容を示す図である。
【図25】第4実施形態のデータテーブルDATA‐Snの
内容を示す図である。
【図26】第4実施形態の動作波形の一例を示す図であ
る。
【図27】第4実施形態の動作波形の他の例を示す図で
ある。
【図28】第4実施形態の動作波形のさらに他の例を示
す図である。
【図29】第4実施形態の動作波形のさらに他の例を示
す図である。
【図30】本発明の第5の実施形態に係る制御装置の主
要部構成図である。
【図31】第5実施形態のバイアス加算器の詳細構成図
である。
【図32】第5実施形態のデータテーブルDATA‐SpEの
内容を説明する図である。
【図33】第5実施形態のデータテーブルDATA‐SnEの
内容を説明する図である。
【図34】第5実施形態の動作波形の一例を示す図であ
る。
【図35】第5実施形態の動作波形の他の例を示す図で
ある。
【図36】第5実施形態の動作波形のさらに他の例を示
す図である。
【図37】第5実施形態の動作波形のさらに他の例を示
す図である。
【符号の説明】
1 三相交流電源 2 変圧器 3u〜3w 各相電圧を出力するインバータ 31u、32u ユニットインバータ 4 ダイオード整流器 5 平滑コンデンサ 6 交流モータ 7 制御装置 71 三角波キャリア発生器 72 電圧指令演算器 73u〜73w PWM変調器 77切り替え信号発生器 78u〜78w 電圧指令分配器
フロントページの続き (72)発明者 岡松 茂俊 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか事業所内 (72)発明者 金子 大吾 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5H007 BB06 CA01 CB05 CC06 CC23 DA06 DB02 DB07 EA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のユニットインバータの出力を直列
    に接続してなる多重インバータのスイッチ素子を、入力
    される電圧指令値に基づいてスイッチング制御して直流
    を交流に変換する多重電力変換装置の制御方法におい
    て、前記電圧指令値の取り得る範囲を前記ユニットイン
    バータの数に合わせて正負対称の複数の電圧領域に分
    け、該電圧領域ごとに三角波キャリアと前記電圧指令値
    との大小関係を比較して前記スイッチ素子のゲートパル
    スを生成し、該生成されたゲートパルスにより前記ユニ
    ットインバータを駆動するにあたり、前記ゲートパルス
    により駆動する対象の前記ユニットインバータを、前記
    電圧指令値の周期よりも短い切替周期で切り替えること
    を特徴とする多重電力変換装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 複数のユニットインバータの出力を直列
    に接続してなる多重インバータと、該多重インバータの
    スイッチ素子を入力される電圧指令値に基づいてスイッ
    チング制御する制御装置とを備え、該制御装置は、三角
    波キャリアと前記電圧指令値との大小関係に基づいてゲ
    ートパルスを生成して前記複数のユニットインバータの
    スイッチ素子を駆動し、前記ゲートパルスにより駆動す
    る対象の前記ユニットインバータを、前記電圧指令値の
    周期よりも短い切替周期で切り替えることを特徴とする
    多重電力変換装置。
  3. 【請求項3】 前記制御装置は、前記電圧指令値の取り
    得る範囲を前記ユニットインバータの数に合わせて正負
    対称の複数の電圧領域に分け、該複数の電圧領域のそれ
    ぞれに前記ユニットインバータを対応づけ、その対応関
    係を前記電圧指令値の周期よりも短い切替周期で切り替
    えることを特徴とする請求項2に記載の多重電力変換装
    置。
  4. 【請求項4】 複数のユニットインバータの出力を直列
    に接続してなる多重インバータと、該多重インバータの
    スイッチ素子を入力される電圧指令値と三角波キャリア
    との大小関係に基づいてスイッチング制御する制御装置
    とを備え、該制御装置は、前記三角波キャリアを前記複
    数のユニットインバータに対して共通に設定し、前記電
    圧指令値の取り得る範囲を前記ユニットインバータの数
    に合わせて正負対称の複数の電圧領域に分け、該複数の
    電圧領域の正負一対の電圧領域のそれぞれに前記ユニッ
    トインバータを対応づけ、入力される前記電圧指令値が
    属する電圧領域を判別し、該判別された電圧領域の零側
    の電圧領域との境界電圧を前記電圧指令値から差し引い
    た値を、当該判別された電圧領域に係る前記ユニットイ
    ンバータの変調用電圧指令値とし、該変調用電圧指令値
    と前記三角波キャリアとの大小関係に基づいて前記スイ
    ッチ素子のゲートパルスを生成し、当該判別された電圧
    領域よりも絶対値が小さい電圧領域に係る前記ユニット
    インバータに対しては全電圧出力のゲートパルスを生成
    し、当該判別された電圧領域よりも絶対値が大きい電圧
    領域に係る前記ユニットインバータに対しては出力短絡
    のゲートパルスを生成し、前記電圧領域と前記ユニット
    インバータの対応関係を前記電圧指令値の周期よりも短
    い切替周期で切り替えることを特徴とする多重電力変換
    装置。
  5. 【請求項5】 複数のユニットインバータの出力を直列
    に接続してなる多重インバータと、該多重インバータの
    スイッチ素子を入力される電圧指令値と三角波キャリア
    との大小関係に基づいてスイッチング制御する制御装置
    とを備え、該制御装置は、前記電圧指令値の取り得る範
    囲を前記ユニットインバータの数に合わせて正負対称の
    複数の電圧領域に分け、該複数の電圧領域に対応させて
    前記電圧領域の電圧幅に対応するピーク幅を有する三角
    波キャリアを設定するとともに、該三角波キャリアに前
    記電圧領域の電圧幅に基づいた異なるバイアス量を加算
    可能にし、前記電圧指令値の周期よりも短い切替周期で
    前記バイアス量を切り替えながら、前記電圧指令値と前
    記三角波キャリアとの大小関係に基づいて前記各ユニッ
    トインバータのスイッチ素子のゲートパルスを生成する
    ことを特徴とする多重電力変換装置。
  6. 【請求項6】 前記切替周期を、前記三角波キャリアの
    周期に同期させたことを特徴とする請求項2乃至5のい
    ずれかに記載の多重電力変換装置。
  7. 【請求項7】 前記三角波キャリアの半周期を繰り返し
    カウントするカウンタを設け、該カウンタの出力値が前
    記三角波キャリア周期の整数倍のタイミングに前記切替
    周期を設定することを特徴とする請求項5に記載の多重
    電力変換装置。
  8. 【請求項8】 複数のユニットインバータの出力を直列
    に接続してなる多重インバータと、該多重インバータの
    スイッチ素子を入力される電圧指令値と三角波キャリア
    との大小関係に基づいてスイッチング制御する制御装置
    とを備え、該制御装置は、前記三角波キャリアを前記複
    数のユニットインバータに対しては共通に、かつ前記ユ
    ニットインバータの正側アームと負側アームに対応させ
    て位相を180°ずらせた三角波キャリアを設定し、前記
    電圧指令値の取り得る範囲を前記ユニットインバータの
    数に合わせて正負対称の複数の電圧領域に分け、該複数
    の電圧領域の正負対称な一対の電圧領域のそれぞれに前
    記ユニットインバータを対応づけ、入力される前記電圧
    指令値が属する電圧領域を判別し、該判別された電圧領
    域の零側の電圧領域との境界電圧を前記電圧指令値から
    差し引いた値を、当該判別された電圧領域に係る前記ユ
    ニットインバータの正側又は負側アームの第1の変調用
    電圧指令値とし、該第1の変調用電圧指令値の極性を反
    転した値を他方のアームの第2の変調用電圧指令値と
    し、第1と第2の変調用電圧指令値と対応する前記三角
    波キャリアとの大小関係に基づいて正側及び負側アーム
    のスイッチ素子のゲートパルスを生成し、前記電圧領域
    と前記ユニットインバータの対応関係を前記電圧指令値
    の周期よりも短い切替周期で切り替えることを特徴とす
    る多重電力変換装置。
  9. 【請求項9】 前記三角波キャリアの半周期を繰り返し
    カウントするカウンタを設け、該カウンタの出力値が前
    記三角波キャリア周期の整数倍のタイミングに前記切替
    周期を設定することを特徴とする請求項8に記載の多重
    電力変換装置。
  10. 【請求項10】 複数のユニットインバータの出力を直
    列に接続してなる多重インバータと、該多重インバータ
    のスイッチ素子を入力される電圧指令値と三角波キャリ
    アとの大小関係に基づいてスイッチング制御する制御装
    置とを備え、該制御装置は、前記電圧指令値の取り得る
    範囲を前記ユニットインバータの数に合わせて正負対称
    の複数の電圧領域に分け、該複数の電圧領域に対応させ
    て前記電圧領域の電圧幅に対応するピーク幅を有する三
    角波キャリアを設定するとともに、該三角波キャリアに
    前記電圧領域の電圧幅に基づいた異なるバイアス量を加
    算可能にし、前記電圧指令値の周期よりも短い切替周期
    で前記バイアス量を切り替えながら、前記電圧指令値と
    前記三角波キャリアとの大小関係に基づいて前記各ユニ
    ットインバータの正側と負側アームのスイッチ素子のゲ
    ートパルスをそれぞれ生成することを特徴とする多重電
    力変換装置。
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