JP4501483B2 - 多相直列多重電力変換装置およびそのpwm制御方法 - Google Patents

多相直列多重電力変換装置およびそのpwm制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4501483B2
JP4501483B2 JP2004085925A JP2004085925A JP4501483B2 JP 4501483 B2 JP4501483 B2 JP 4501483B2 JP 2004085925 A JP2004085925 A JP 2004085925A JP 2004085925 A JP2004085925 A JP 2004085925A JP 4501483 B2 JP4501483 B2 JP 4501483B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
voltage pulse
voltage
phases
pulse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004085925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005278266A (ja
Inventor
正太 漆畑
顕 紫垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Original Assignee
Meidensha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP2004085925A priority Critical patent/JP4501483B2/ja
Publication of JP2005278266A publication Critical patent/JP2005278266A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4501483B2 publication Critical patent/JP4501483B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)

Description

本発明は、半導体式単相インバータを複数個直列接続して各相をそれぞれ構成した多相直列多重電力変換装置に係り、特に前記多相直列多重電力変換装置およびそのPWM制御方法に関する。
インバータ(直流から交流に電力変換する機器)には種々の回路方式があるが、その中でも高電圧に対応する多相交流電圧を出力するインバータには、1組の単相ブリッジ回路で構成されるインバータ(以後ユニットインバータ)を直列に複数台接続して一相を構成し、前記の単相直列多重インバータの位相をずらして構成される多相直列多重インバータ方式がよく用いられる。
直列多重インバータの出力波形を制御するために、それぞれのユニットインバータ内のスイッチング素子にONまたはOFFを指示するゲートパルス信号を入力するが、ゲートパルス信号の生成には主にPWM(Pulse Width Modulation)制御方式が採用される。
3相直列多重インバータの構成例を図7に示す。この図では破線ブロックで示すユニットインバータを各相(U,V,W)につき3つ直列に接続している。各ユニットインバータには直流電圧源が接続されており、これを前記ユニットインバータで交流電圧に変換する。
4つのスイッチング素子で構成された各ユニットインバータにより直流電圧を単相交流電圧に変換するが、希望する電圧、周波数の正弦波交流電圧を得るためのスイッチング素子の制御にはPWM制御方式が用いられる。ゲートパルス信号は出力波形の基本波電圧に対応した電圧指令信号(以後、基本波電圧指令信号)と、三角波などのキャリア信号との振幅を比較し、その大小関係から生成される。
このときの基本波電圧指令信号とキャリア信号の構成には様々な方法があり、一般的なものとしてPS(Phase Shift)方式、PD(Phase Disposition)方式、VCD(Voltage Command Distribution)方式がある(例えば、特許文献1、非特許文献1、および特許文献2参照)。
特許第3316801号 電気学会論文誌D 121巻4号p476-p483 平成13年 電圧ダイレクトインバータのPWM制御法 特開2002−58257
上記の特許文献1および非特許文献1の第2章に、従来技術の説明とともにその問題点が開示されている。以下、それを改めて簡単に説明する。
(1)PS方式の問題点
図8はPS方式による直列3多重インバータの1相分の構成例である。また、図9はPS方式によるユニットインバータの出力電圧と相電圧波形を示し、図10には図8の回路のU相,V相電圧波形(Vu2,Vv2)とUV線間電圧波形(Vuv2)を示す。相電圧波形は+側(正側)に3段階、−側(負側)に3段階で0(零点)を含めて7段階(3多重の場合)の電圧変化が現れる。また、線間電圧波形は13段階の電圧変化が現れるが、この線間電圧波形には2段階分の電圧変化をしているところが多く見られる。このような2段階分となる大きな電圧変化はインバータの負荷となる誘導電動機の絶縁を劣化、及び破壊させる原因となるため好ましい制御方法ではない。このような2段階分の電圧変化が起こる原因を以下に示す。
図11はPS方式による直列3多重PWMインバータの基本波電圧指令信号Vuと各ユニットインバータに与えるキャリア信号es4〜es6,−es4〜−es6、各ユニットインバータの出力電圧Vdc4〜Vdc6、及び相電圧Vp2を示している。キャリア信号の位相差がユニットインバータ間で60度であるため、ユニットインバータの出力電圧となる相電圧Vpの量子化波形パルス(以後、相電圧パルス)は60度間隔に現れ、その電圧の大きさは各ユニットインバータの出力波形を重ね合わせたものになる。2つもしくは3つのユニットインバータの出力が重なるときに、相電圧VP2の大きさが、1つのユニットインバータの出力電圧パルスVdcの2倍または3倍になる。しかし、ユニットインバータの出力電圧の重なり方が相電圧VP2の大きさによって異なるため、相電圧の中心位相が相電圧VP2の大きさによって異なるという現象がおきる。
線間電圧波形VLは2相間の相電圧VP2の電圧レベル差で表される。そして、図12のように2相間の相電圧パルスの発生する位相によって線間電圧波形VLに現れるパルス波形も変わる。2相間の相電圧パルスの発生条件により、ユニットインバータの出力電圧の2段階分の電圧変化がおきる。
PS方式ではU,V,W相それぞれに与える基本波電圧指令は異なるが、キャリア信号は同じのため、2多重以上のPWMインバータでは必ず相間で異なる位相を持った相電圧パルスの組み合わせができるため、出力線間電圧VLが個々のユニットインバータの出力電圧の2段階分となる電圧変化が起こることを防ぐことはできない。
(2)PD方式の問題点
図13はPD方式による直列3多重PWMインバータの基本波電圧指令信号と各ユニットインバータに与えるキャリア信号、各ユニットインバータの出力電圧Vdc7〜Vdc9と相電圧Vp3を示し、図14はPD方式による直列3多重PWMインバータのU相、V相電圧波形(Vu3,Vv3)とUV線間電圧波形(Vuv3)である。
PS方式の場合と同じく相電圧波形は7段階、線間電圧波形は13段階現れる。PS方式とは異なり、ユニットインバータの出力電圧の2段階分となる電圧変化をする相電圧パルスは現れていない。これは、PS方式では複数のユニットインバータの出力電圧の重ね合わせで作られていた相電圧VP2が、PD方式の相電圧VP3では常にひとつのユニットインバータによって作られ、その他のユニットインバータは一定電圧もしくはゼロを出力するため、キャリア信号に対する相電圧パルスの位相変化が起こらないからである。
図13をみると、ユニットインバータ間でスイッチング回数が極端に異なっていることが分かる。これは相電圧VP3のパルス波形を発生させるインバータユニットが常に一つであるために起こる。スイッチング回数が異なると、ユニットインバータごとの損失のバランスが崩れ、ユニットインバータの発熱や寿命などのバランスも大きく崩れてしまうため好ましくない。
(3)VCD方式の問題点
図15はVCD方式による直列3多重PWMインバータの基本波電圧指令信号と各ユニットインバータに与えるキャリア信号、各ユニットインバータの出力電圧(Vdc10〜Vdc12)と相電圧波形(VP4)を示し、図16はそのU,V相電圧波形(Vu4,Vv4)とUV線間電圧波形(Vuv4)である。このVCD方式は、前記のPD方式を基礎としてその問題点を修正したものである。PD方式での問題点であるスイッチングの集中を電圧指令の分配などによって解決している。
しかし、基本波電圧指令信号を各ユニットインバータ毎に個別に計算し、かつスイッチング回数が最小となるようにキャリア信号の位相を考慮した配分パターンにすることを必要とし、PWM制御回路の構成が複雑になる。
本発明の目的は、線間電圧VLにユニットインバータの2段階分以上の電圧変化を発生させることなく、しかも各ユニット間、相間、相内で均等なスイッチングを得ることができる多相直列多重電力変換装置およびそのPWM制御方法を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との相電圧パルスの位相ずれを監視、または出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって基準相と他相との相電圧パルスの位相ずれを監視し、相電圧パルスに位相ずれが発生したときに基準相と他相の相電圧パルスの位相が同位相となるようにキャリア信号の位相を切り替えることで、線間電圧VLにユニットインバータの2段階分以上の電圧変化が発生しないようにする。さらに、前記の相電圧パルスの位相ずれを監視する方法に加えてキャリア信号の位相切り替えには、基準相を全相でローテーションし、さらにまた前記の相電圧パルスの位相ずれを監視する方法及び基準相を全相でローテーションすることに加えてキャリア信号も全相でローテーションし、ローテーションにより選択された基準相と他相との相電圧パルスの位相ずれを監視し、前記パルス波形の位相ずれが発生したときにキャリア信号の位相切り替えを行い、各相のスイッチング回数を均等化するもので、以下の方法および装置を特徴とする。
(方法の発明)
(1)複数の単相直列多重インバータを星型結線(Y結線)することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御する多相直列多重電力変換装置において、
多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えることを特徴とする。
(2)複数の単相直列多重インバータを星型結線(Y結線)することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御する多相直列多重電力変換装置において、
多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えることを特徴とする。
(3)前記多相直列多重電力変換装置の相電圧パルスの位相ずれを検出する方法に加えて、基準相を全相でローテーションし、このローテーションにより選択された基準相と他相との相電圧パルスの位相比較または出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって、基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、前記基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えることを特徴とする。
(4)前記多相直列多重電力変換装置の相電圧パルスの位相ずれを検出する方法及び基準相を全相でローテーションすることに加えて、基準相を全相でローテーションすると共に、キャリア信号の位相も全相でローテーションし、このローテーションにより選択された基準相と他相との相電圧パルスの位相比較または出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって、基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、前記基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えることを特徴とする。
(装置の発明)
(5)複数の単相直列多重インバータを星型結線(Y結線)することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御する多相直列多重電力変換装置において、
多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えるPWM制御部を備えたことを特徴とする。
(6)複数の単相直列多重インバータを星型結線(Y結線)することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御する多相直列多重電力変換装置において、
多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えるPWM制御部を備えたことを特徴とする。
(7)前記多相直列多重電力変換装置の相電圧パルスの位相ずれを検出する方法に加えて、基準相を全相でローテーションし、このローテーションにより選択された基準相と他相との相電圧パルスの位相比較または出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって、基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、前記基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えるPWM制御部を備えたことを特徴とする。
(8)前記多相直列多重電力変換装置の相電圧パルスの位相ずれを検出する方法及び基準相を全相でローテーションすることに加えて、基準相を全相でローテーションすると共に、キャリア信号の位相も全相でローテーションし、このローテーションにより選択された基準相と他相との相電圧パルスの位相比較または出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって、基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、前記基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えるPWM制御部を備えたことを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との相電圧パルスの位相ずれを監視、または出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって基準相と他相との相電圧パルスの位相ずれを監視し、相電圧パルスに位相ずれが発生したときに基準相と他相の相電圧パルスの位相が同位相となるようにキャリア信号の位相を切り替えることにより、出力線間電圧VLにユニットインバータの2段階分以上の電圧変化が発生するのを防止できる。
また、前記の効果に加えて、基準相を全相でローテーションし、ローテーションにより選択された基準相と他相との位相ずれ監視のもとにキャリア信号の位相を切り替えるようにしたため、相間のスイッチングが均等になる。
さらに、前記の効果に加えて、基準相を全相でローテーションすると共に、キャリア信号も全相でローテーションし、ローテーションにより選択された基準相と他相との位相ずれ監視のもとにキャリア信号の位相を切り替えるようにしたため、相内のスイッチングが均等になる。
本実施形態は、直列接続されている各インバータユニット(Vdc1〜Vdc3)の出力電圧を重ね合わせて、相電圧パルスVPを得るPWM制御方式(PS方式)をベースにして、出力線間電圧VLの電圧変化が前記インバータユニット出力電圧を越えないキャリア信号の発生方法を提案するものである。なお、以下の説明は3相直列3多重インバータの場合とするが、6相直列3多重インバータなど、多相直列多重インバータに適用して同等の作用効果を得ることができるのは勿論のことである。
(方法1)
図1は本実施形態に係わる3相直列3多重インバータの回路構成図で、直流電圧源を任意の電圧及び周波数の交流電圧源に変換するユニットインバータを3個直列接続(以後、単相3多重インバータ)し、さらに前記単相3多重インバータを星型結線(Y結線)して3相の交流電圧源を構成する。
図2は図1に示す3相直列3多重インバータの基準相の波形例として、基準相の基本波電圧指令信号Vu、各ユニットインバータに基準相から60度ずつ位相差を付けたキャリア信号(以後、基準キャリア信号)es1〜es3、−es1〜−es3、基準相の各ユニットインバータ出力電圧Vdc1〜Vdc3及び相電圧VPを示す。
図3は図1に示す3相直列3多重インバータの基準相とのベクトル合成により、線間電圧VLを得るための前記基準相とは異なる相(以後、他相)の波形例として、基準相に比べて120度位相がずれた基本波電圧指令信号Vv、基準キャリア信号es1〜es3、−es1〜−es3、他相の相電圧VP’のパルス波形の中心位相を基準相に合わせるための基準キャリア信号から位相をずらした(本実施形態では90度位相を遅らせている)キャリア信号(以後、移動キャリア信号)es1’〜es3’,−es1’〜−es3’、他相の各ユニットインバータ出力電圧Vdc1’〜Vdc3’及び他相の相電圧VP’を示す。
また、図4は実施形態のPWM制御法において、基準相としてU相の電圧波形を、他相としてV相の電圧波形を、出力線間電圧VLとしてUV線間電圧波形を示した例である。
図1に示す制御回路構成図において、基本波電圧指令信号Vu,Vv,Vwと基本キャリア信号es1〜es3,−es1〜−es3とを振幅比較し、各ユニットインバータの出力電圧を得る。また、前記ユニットインバータの出力電圧を同相毎に重ね合わせ、相電圧VP,VP’を得る。さらに、キャリア信号切替スイツチSu1〜Su3,Sv1〜Sv3,Sw1〜Sw3を切り替えることによって、キャリア信号の位相を任意にずらすこと(本実施形態では90度遅れ)が出来る。
図2の基準相の相電圧VPは、基本波電圧指令信号がA区間、もしくはC区間のときは、基準キャリア信号es1〜es3,−es1〜−es3を振幅変調し、発生する相電圧パルスの中心位相が、0度、60度、120度に現れる。また、前記基本波電圧指令信号がB区間のときは、発生する相電圧パルスの中心位相が、30度、90度、150度に現れる。これらは電圧レベルによって、相電圧パルスの中心位相がずれて制御されている。
一方、図3の他相の相電圧VP’は、A区間のときは、基準キャリア信号es1〜es3,−es1〜−es3を振幅変調し、発生する相電圧パルスの中心位相が、0度、60度、120度に現れる。しかし、B区間及びC区間のときに基準キャリア信号で振幅変調を行っても、相電圧パルスは基準相と異なる中心位相となる。このため、中心位相のずれを検出したときに、キャリア信号切替スイッチSu1〜Su3,Sv1〜Sv3.Sw1〜Sw3を切り替え、B区聞及びC区間のときに移動キャリア信号es1’〜es3’、−es1’〜−es3’で振幅変調を行い、相電圧パルスの中心位相は基準相と同じになる。
以上のように、本実施形態は、U,V,W相の任意の1相の相電圧パルスを基準として、その基準相の相電圧VPのパルス波形に対して他相の相電圧VP’のパルス波形が位相ずれを検出したときに、他相の相電圧パルスの中心位相を基準相と同じになるように、キャリア信号の位相を切り替える。
この方法により、すべての相において、相電圧パルスの中心位相が同じになるため、線間電圧はユニットインバータ出力電圧の2段階分以上の電圧変化は発生しない。
(方法2)
U,V,W相それぞれの電圧レベルを監視し、相電圧パルスの位相が90度ずれる電圧レベルになったことが検出されたときに、入力するキャリア信号の位相を90度ずれたものに入れ替えて、すべての相で相電圧パルスの中心位相を同じにする。
この方法によれば、すべての相において、相電圧パルスの中心位相は同じになるため、ユニットインバータの出力電圧の2段階分以上となる電圧変化は発生しない。
(方法3)
上記方法1または2において、UV,VW,WU線間電圧間の対称性を高めるため、方法1または2に加え、基準とする相を一つの相に固定せず、U,V,W相に一定の周期で変更(ローテーション)する。
図5にユニットインバータの出力電圧と相電圧波形を示し、図6にU相、V相電圧波形とUV線間電圧波形を示す。
この一定の周期は、多重インバータの出力基本波周波数(=電圧指令Vu*の周波数)に同期したものが好ましい。
(方法4)
上記方法1または2に加え、基準相をローテーションすると共に、キャリア信号もローテーションする。
上記方法1または2において、各相内の直列接続されたユニットインバータ間で、スイッチング回数をより均等化するため、一定周期(例えば、電圧周期の1周期)ごとにユニットインバータに入れるキャリア信号をローテーションする。
例えば、3多重インバータのユニットインバータの1段目に入れるキャリア信号をes1→es2→es3→es1→…と変更し、同様に2段目、3段目もローテーションする。
なお、上記までの方法1〜4を基にした3相直列多重電力変換装置を実現するには、従来の3相直列多重電力変換装置のPWM制御部として、基準相と他相との相電圧パルス位相を比較する位相比較回路、出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルを検出する電圧検出回路、これら検出による位相ずれ検出信号を基に基準相や他相に印加するキャリア信号を切り替える切替回路を追加した構成で済む。
本発明の実施形態を示す回路構成例。 実施形態における基準相(U相)の波形。 実施形態における基準相と異なる相(V相)の波形。 実施形態の方法1によるU相、V相電圧波形とUV線間電圧波形。 実施形態の方法2でのユニットインバータ出力電圧と相電圧波形。 実施形態の方法2によるU相、V相電圧波形とUV線間電圧波形。 3相直列多重インバータ構成例。 PS方式による直列3多重PWMインバータの1相分の回路構成例。 PS方式によるユニットインバータ出力電圧と相電圧波形。 PS方式によるU相、V相電圧波形とUV線間電圧波形。 PS方式波形例。 相電圧と線間電圧の関係。 PD方式によるユニットインバータ出力電圧波形と相電圧波形。 PD方式によるU相、V相電圧波形とUV線間電圧波形。 VCD方式によるユニットインバータ出力電圧波形と相電圧波形。 VCD方式によるU相、V相電圧波形とUV線間電圧波形。
符号の説明
1〜U3 U相ユニットインバータ
1〜V3 V相ユニットインバータ
1〜W3 W相ユニットインバータ
u1〜Su3 切り替えスイッチ
v1〜Sv3 切り替えスイッチ
w1〜Sw3 切り替えスイッチ

Claims (8)

  1. 複数の単相直列多重インバータを星型結線(Y結線)することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御する多相直列多重電力変換装置において、
    多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えることを特徴とする多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  2. 複数の単相直列多重インバータを星型結線(Y結線)することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御する多相直列多重電力変換装置において、
    多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えることを特徴とする多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  3. 前記多相直列多重電力変換装置の相電圧パルスの位相ずれを検出する方法に加えて、基準相を全相でローテーションし、このローテーションにより選択された基準相と他相との相電圧パルスの位相比較または出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって、基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、前記基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  4. 前記多相直列多重電力変換装置の相電圧パルスの位相ずれを検出する方法及び基準相を全相でローテーションすることに加えて、基準相を全相でローテーションすると共に、キャリア信号の位相も全相でローテーションし、このローテーションにより選択された基準相と他相との相電圧パルスの位相比較または出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって、基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、前記基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の多相直列多重電力変換装置のPWM制御方法。
  5. 複数の単相直列多重インバータを星型結線(Y結線)することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御する多相直列多重電力変換装置において、
    多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えるPWM制御部を備えたことを特徴とする多相直列多重電力変換装置。
  6. 複数の単相直列多重インバータを星型結線(Y結線)することにより多相直列多重インバータを構成し、出力波形の基本波電圧指令信号とキャリア信号との振幅比較により生成したPWMゲートパルス信号で出力波形を制御する多相直列多重電力変換装置において、
    多相直列多重電力変換装置の任意の1相を基準として、その基準相と他相との出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えるPWM制御部を備えたことを特徴とする多相直列多重電力変換装置。
  7. 前記多相直列多重電力変換装置の相電圧パルスの位相ずれを検出する方法に加えて、基準相を全相でローテーションし、このローテーションにより選択された基準相と他相との相電圧パルスの位相比較または出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって、基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、前記基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えるPWM制御部を備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の多相直列多重電力変換装置。
  8. 前記多相直列多重電力変換装置の相電圧パルスの位相ずれを検出する方法及び基準相を全相でローテーションすることに加えて、基準相を全相でローテーションすると共に、キャリア信号の位相も全相でローテーションし、このローテーションにより選択された基準相と他相との相電圧パルスの位相比較または出力波形の基本波電圧指令信号の電圧レベルによって、基準相と他相との相電圧パルスを位相比較し、前記基準相と他相との相電圧パルスに位相ずれを検出したとき、前記基準相の相電圧パルスの位相と他相の相電圧パルスの位相とが同位相となるように、キャリア信号の位相を切り替えるPWM制御部を備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の多相直列多重電力変換装置。
JP2004085925A 2004-03-24 2004-03-24 多相直列多重電力変換装置およびそのpwm制御方法 Expired - Fee Related JP4501483B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004085925A JP4501483B2 (ja) 2004-03-24 2004-03-24 多相直列多重電力変換装置およびそのpwm制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004085925A JP4501483B2 (ja) 2004-03-24 2004-03-24 多相直列多重電力変換装置およびそのpwm制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005278266A JP2005278266A (ja) 2005-10-06
JP4501483B2 true JP4501483B2 (ja) 2010-07-14

Family

ID=35177346

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004085925A Expired - Fee Related JP4501483B2 (ja) 2004-03-24 2004-03-24 多相直列多重電力変換装置およびそのpwm制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4501483B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009194949A (ja) * 2008-02-12 2009-08-27 Meidensha Corp Pwmインバータ装置
DE102012205095A1 (de) * 2012-03-29 2013-10-02 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum Aufheizen von Energiespeicherzellen einer Energiespeichereinrichtung und aufheizbare Energiespeichereinrichtung
DE102012205119A1 (de) * 2012-03-29 2013-10-02 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum Aufheizen von Energiespeicherzellen einer Energiespeichereinrichtung und aufheizbare Energiespeichereinrichtung
JP6704864B2 (ja) * 2017-01-16 2020-06-03 株式会社日立製作所 電力変換装置
JP6892812B2 (ja) * 2017-10-12 2021-06-23 株式会社日立製作所 電力変換装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06169572A (ja) * 1992-11-30 1994-06-14 Hitachi Ltd 並列多重インバータの制御方法及びその装置
JP3316801B2 (ja) * 1999-09-16 2002-08-19 株式会社日立製作所 多重電力変換装置の制御方法及び多重電力変換装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06169572A (ja) * 1992-11-30 1994-06-14 Hitachi Ltd 並列多重インバータの制御方法及びその装置
JP3316801B2 (ja) * 1999-09-16 2002-08-19 株式会社日立製作所 多重電力変換装置の制御方法及び多重電力変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005278266A (ja) 2005-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4665602B2 (ja) 多相直列多重電力変換装置のpwm制御方法
JP2685586B2 (ja) 多重インバータ装置
US6005783A (en) Method of synthesizing poly-phase AC voltage
JP5263150B2 (ja) 電力変換装置
US5680299A (en) Electric power conversion equipment
JP2009050059A (ja) 異常検出装置
JP4306298B2 (ja) モーター制御装置
JP4862475B2 (ja) 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法
CN103339845A (zh) 交流变换电路
JPH0832177B2 (ja) 3相対3相電力変換装置
JP2009232619A (ja) 電力変換装置
JP4501483B2 (ja) 多相直列多重電力変換装置およびそのpwm制御方法
JP2008099436A (ja) 電力変換装置
JP2007110811A (ja) インバータ装置とその制御方法
US6643156B2 (en) Transformerless two-phase inverter
JPH08331856A (ja) 電力変換装置
JP4178331B2 (ja) 直列多重パルス幅変調サイクロコンバータ装置およびその制御方法
KR101695503B1 (ko) 다중레벨 인버터 제어장치
JP3297184B2 (ja) 電力変換装置
JPH11122944A (ja) Npc変換器の制御装置
JP4177983B2 (ja) 多重電力変換器とその制御方法
JP2000217371A (ja) 電力回生装置
JP6501266B2 (ja) 電力変換装置及びその制御方法
JP2000083386A (ja) 自励式電力変換装置用pwm制御装置
JP3580133B2 (ja) 電動機制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140430

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees