JP6892812B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に関する。
下記非特許文献1,2には、交流電圧系統に接続され、AC−DC変換またはAC−AC変換を行うMMC(Modular Multilevel Converter;モジュラーマルチレベルコンバータ)について記載されている。
萩原誠,他、「モジュラーマルチレベル変換器(MMC)のPWM制御法と動作検証」、電学論B、128巻7号、2008年 藤田英明,他、「MMCC-DSCC方式モジュラーマルチレベルコンバータのパワーフロー解析と直流コンデンサ電圧の制御」、電学論B、132巻6号、2012年
一般的に、MMCは直列に接続された複数のセルを有しており、各セルはコンデンサとスイッチング素子とを有している。ここで、MMCが接続されている交流電圧系統の電圧、電流レベルに高調波成分が多く含まれていると、これらコンデンサの電圧バランスが崩れ、合成される交流電圧の波形歪が大きくなるという問題がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、波形歪を小さくできる電力変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の電力変換装置は、各々が複数のスイッチング素子と、少なくとも一のコンデンサとを有し、直列接続された複数のセルと、位相情報を発生させる位相情報発生部と、各々の前記セルにおける複数の前記スイッチング素子を、前記位相情報と前記セルに対応するセル対応情報とに基づいたタイミングでオンオフさせるオンオフ制御部と、を備え、前記オンオフ制御部は、前記セル毎の変調波と、前記セル毎の搬送波と、に基づいて各々の前記セルにおける複数の前記スイッチング素子のオンオフ状態を制御するものであり、前記位相情報は、交流系統における電圧の位相と、前記搬送波との位相差とに係る情報であり、前記位相情報発生部は、前記位相情報を、所定期間毎に変更するものであり、各々の前記セルは、複数のセルグループのうち何れかのセルグループに属するものであり、前記オンオフ制御部は、一のセルグループに属する前記セルにおける前記搬送波の位相を、他のセルグループに属する前記セルにおける前記搬送波の位相とは異なるように設定することを特徴とする。
本発明によれば、波形歪を小さくできる。
本発明の第1実施形態によるMMCのブロック図である。 第1実施形態におけるセルのブロック図である。 制御装置が備える共通制御部のブロック図である。 制御装置が備えるU相制御部のブロック図である。 パルス幅変調器のブロック図である。 第1実施形態における各部の波形図である。 第1実施形態における搬送波の波形図である。 第1実施形態における搬送波位相信号の遷移状態を示す図である。 比較例における搬送波の波形図である。 第2実施形態における搬送波の波形図である。 図10における位相分布を示す図である。 第2実施形態における搬送波の他の波形図である。 第2実施形態における搬送波位相信号の遷移状態を示す図である。 第3実施形態によるMMCのブロック図である。 第4実施形態によるMMCのブロック図である。 第5実施形態による無効電力補償装置のブロック図である。 第5実施形態におけるセルのブロック図である。 第6実施形態によるMMCのブロック図である。 第6実施形態におけるセルのブロック図である。
[第1実施形態]
〈第1実施形態の全体構成〉
電力系統において、パワーエレクトロニクス技術を用いた電力変換装置は、直流送電や無効電力制御装置に加え、PCS(Power Conditioning System)等への適用が拡大している。ここで、PCSとは、太陽光発電システム、風力発電システム、蓄電システム等を電力系統に連系するためのシステムである。特に、大型の直流送電システムやPCSを高効率の電力変換装置として構成するには、装置に適用される直流電圧を高くすることが好ましい。MMC(Modular Multilevel Converter;モジュラーマルチレベルコンバータ)は、適用される直流電圧(アーム電圧)を高くできる電圧型自励変換装置の一つである。すなわち、MMCにおいて、U相、V相、W相の各相のアームは、直列に接続された複数のセルを有している。そして、セルの直列数を大きくすると、直流電圧(アーム電圧)を高くできるため、MMCは大容量の電力変換器に適している。
図1は、本発明の第1実施形態によるMMC102(電力変換装置)のブロック図である。
図示のMMC102は、ZC−MMC(Zero-Sequence Cancelling Modular Multilevel Converter;零相キャンセル型MMC)と呼ばれることもある。MMC102は、3相の電力系統101(交流系統)と、直流電力系統150との間に接続され、両者間で双方向の電力変換を行うものである。なお、直流電力系統150は、例えば、直流送電系統や、他のMMC等である。MMC102と、これと同様に形成された他のMMC(図示せず)とを背中合わせで接続すると、電力系統101と、他の電力系統(図示せず)との間で相互に電力を融通できる。なお、電力系統101における周波数を「系統周波数」と呼ぶ。
MMC102は、直流電力系統150の正極に接続される正極端子130Pと、直流電力系統150の負極に接続される負極端子130Nと、U相、V相、W相のアーム104U,104V,104W(以下、これらをアーム104と総称することがある)と、MMC102内の各部を制御する制御装置112と、3相の変圧器103と、初充電装置120と、遮断器121と、を備えている。直流電力系統150の出力電圧すなわち正極端子130Pと負極端子130Nとの間の直流電圧をVPNと呼ぶ。
3相の変圧器103は、Δ結線の一次巻線103aと、千鳥結線の二次巻線103bと、を備えている。アーム104U,104V,104Wは、それぞれ、正極端子130Pと、二次巻線103bのU相、V相、W相端子(符号なし)との間に接続されている。また、二次巻線103bの中性点(符号なし)は、負極端子130Nに接続されている。
各アーム104は、それぞれ、直列に接続されたM個(Mは複数)のセル108を有している。以降の説明において、複数のセル108のうち一のセルを、例えば「セル108jm」のような形式で表現することがある。ここで、jは相番号であり、「1」〜「3」のうち何れかである。そして、「j=1」はU相、「j=2」はV相、「j=3」はW相である。但し、相番号jとして、「1」〜「3」の文字に代えて、「u」,「v」,「w」等の文字を用いる場合もある。また、mはセル番号(セル対応情報)であり、「1」〜「M(セル直列数)」のうち何れかである。セル番号mは、対応するアーム内において、正極端子130Pから見て、m番目のセルであることを示す。
変圧器103の一次巻線103aは、遮断器121を介して、電力系統101に接続されている。遮断器121の系統側には電圧検出器110が接続されている。電圧検出器110は、電力系統101のU相、V相、W相の相電圧を検出し、検出結果である一次側電圧検出値VGU,VGV,VGWを制御装置112に供給する。また、各アーム104U,104V,104Wと、二次巻線103bとの間には、電流検出器111が挿入されている。電流検出器111は、二次巻線103bのU相、V相、W相に流れる二次側電流すなわちアーム電流を検出し、検出結果であるU相、V相、W相のアーム電流検出値IUP,IVP,IWPを制御装置112に供給する。
変圧器103の一次巻線103aと遮断器121との間には、電流検出器109が挿入されている。電流検出器109は、一次巻線103aのU相、V相、W相に流れる一次側電流を検出し、検出結果である一次側電流検出値IGU,IGV,IGWを制御装置112に供給する。直流電流検出器115は、二次巻線103bの中性点と負極端子130Nとの間に挿入されている。直流電流検出器115は、MMC102から直流電力系統150に流れる直流電流を検出し、検出結果である直流電流検出値IDCを制御装置112に供給する。
制御装置112は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等、一般的なコンピュータとしてのハードウエアを備えており、ROMには、CPUによって実行される制御プログラム、DSPによって実行されるマイクロプログラムおよび各種データ等が格納されている。図1において、制御装置112の内部は、制御プログラムおよびマイクロプログラム等によって実現される機能を、ブロックとして示している。
すなわち、制御装置112は、共通制御部140Cと、指令値発生部140P(位相情報発生部)と、U相、V相およびW相制御部140U,140V,140W(オンオフ制御部)と、を備えている。ここで、指令値発生部140Pは、図示せぬ上位制御装置からの指令に基づいて、各種指令値等を出力する。共通制御部140Cは、U相、V相、W相に対する共通の制御を実行する。U相、V相およびW相制御部140U,140V,140Wは、アーム104U,104V,104Wに対する制御をそれぞれ実行する。なお、指令値発生部140Pおよび各制御部140C,140U,140V,140Wの詳細については後述する。
各セル108に関する各種情報(詳細は後述する)は、伝送路114を介して制御装置112に供給される。また、制御装置112は、伝送路113を介して、各セル108に駆動パルス(詳細は後述する)を出力する。初充電装置120は、MMC102の動作開始時に変圧器103を介して、各セル108内に設けられたコンデンサ(詳細は後述する)を充電する。そして、初充電装置120による充電が完了すると、遮断器121がオン状態にされる。制御装置112は、遮断器121がオン状態にされた後、伝送路113を介して、駆動パルスを各セル108に出力する。これにより、変圧器103の二次巻線103bに交流電流が流れ、電力系統101と直流電力系統150との間で相互に電力が融通できるようになる。
〈セル108の構成〉
図2は、セル108(すなわちセル108jm)のブロック図である。
セル108jmは、一般的に「ハーフブリッジ」と呼ばれるものであり、入出力端子210a,210bと、セル制御部205と、スイッチング素子201H,201Lと、還流ダイオード202H,202Lと、コンデンサ203と、電圧検出器204と、を有している。なお、図示の例においてスイッチング素子201H,201LはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。入出力端子210a,210bを介して流れる電流をアーム電流Ijと呼ぶ。なお、図1に示したアーム電流検出値IUP,IVP,IWPは、このアーム電流Ijの検出値である。
セル制御部205は、制御装置112(図1参照)から伝送路113を介して、パルス信号GHjm,GLjmを受信する。セル制御部205は、パルス信号GHjmに基づいてスイッチング素子201Hをオン/オフ制御するとともに、パルス信号GLjmに基づいてスイッチング素子201Lをオン/オフ制御する。電圧検出器204は、コンデンサ203の端子電圧であるコンデンサ電圧VDCjmを検出し、伝送路114を介して、その検出結果を制御装置112に供給する。
入出力端子210a,210b間の電圧をセル電圧Vjmと呼ぶ。スイッチング素子201Lをオン状態にすると、セル電圧Vjmは零値になる。スイッチング素子201Lをオフ状態にしてスイッチング素子201Hをオン状態にすると、セル電圧Vjmは正値(入出力端子210aが210bよりも高電位)になる。
〈共通制御部140Cの構成〉
図3は、制御装置112が備える共通制御部140Cのブロック図である。
図3において、共通制御部140Cは、APR510(有効電力調整器)と、DCI−ACR511(直流電流調整器)と、加算器514と、DC−AVR522(直流電圧調整器)と、AQR524(系統無効電力調整器)と、ACR526(電流調整器)と、逆DQ変換器528と、2相3相変換器530と、加算器群532と、3相2相変換器540と、DQ変換器542と、電力演算器550と、位相検出器552と、3相2相変換器560と、DQ変換器562と、電圧平均値演算部564と、を備えている。
電力演算器550は、一次側電流検出値IGU,IGV,IGWと、一次側電圧検出値VGU,VGV,VGWと、に基づいて、MMC102の有効電力および無効電力を演算し、演算結果を有効電力計算値Pおよび無効電力計算値Qとして出力する。また、図中に示す有効電力指令値Pref、無効電力指令値Qref、コンデンサ電圧指令値VDCref、およびPN間電圧指令設定値VPNrefは、指令値発生部140P(図1参照)から共通制御部140Cに対して供給される指令値である。
ここで、有効電力指令値Prefおよび無効電力指令値Qrefは、MMC102が電力系統101に対して入出力する有効電力および無効電力の指令値である。また、コンデンサ電圧指令値VDCrefは、コンデンサ電圧VDCjm(図2参照)の指令値であり、各セル108jmに対して共通の値である。また、PN間電圧指令設定値VPNrefは、直流電圧VPN(図1参照)の指令値である。
3相2相変換器560は、下式(1)に基づいて、3相の一次側電圧検出値VGU,VGV,VGWを、2相の電圧信号Va,Vbに変換する。
Figure 0006892812
ここで、電圧信号Va,Vbの周期と同一周期で回転する回転座標を想定する。この回転座標において、有効電力に係る軸をd軸とし、d軸に直交する軸をq軸とする。DQ変換器562は、下式(2)に基づいて、2相の電圧信号Va,Vbを、d軸電圧Vdおよびq軸電圧Vqに変換する。
Figure 0006892812
また、3相2相変換器540は、下式(3)に基づいて、3相のアーム電流検出値IUP,IVP,IWPを、2相の電流信号Ia,Ibに変換する。
Figure 0006892812
そして、DQ変換器542は、下式(4)に基づいて、2相の電流信号Ia,Ibを、d軸電流Idおよびq軸電流Iqに変換する。
Figure 0006892812
位相検出器552は、電圧信号Va,Vbに対してディジタルフーリエ変換(DFT)処理を施し、電圧信号Va,Vbの基本波成分Va0,Vb0を求める。さらに、位相検出器552は、下式(5)に基づいて、系統位相信号φ(t)を演算する。式(5)におけるπ/3(60°)は、変圧器103の一次二次間の位相差を補正する値であり、変圧器103の結線状態によって決まる値である。
Figure 0006892812
電圧平均値演算部564は、伝送路114を介して、全てのセル108からコンデンサ電圧VDCjmを受信するとともに、下式(6)に基づいて、これらの平均値である全セルコンデンサ電圧平均値VDCaveを演算する。下式(6)において、Mは、一のアーム104におけるセル直列数、jおよびmは、上述した相番号(1〜3)および、セル番号(1〜M)である。
Figure 0006892812
DC−AVR522の前段の減算器(符号なし)は、コンデンサ電圧指令値VDCrefから全セルコンデンサ電圧平均値VDCaveを減算する。DC−AVR522は、この減算結果(VDCref−VDCave)に対して比例積分制御を行い、減算結果(VDCref−VDCave)が零に近づくような有効分電流指令値Idrefを出力する。DC−AVR522の後段の減算器(符号なし)は、有効分電流指令値Idrefからd軸電流Idを減算し、その減算結果(Idref−Id)をACR526に供給する。
また、AQR524の前段の減算器(符号なし)は、無効電力指令値Qrefから無効電力計算値Qを減算する。AQR524は、この減算結果(Qref−Q)に対して比例積分制御を行い、減算結果(Qref−Q)が零に近づくような無効電流指令値Iqrefを出力する。AQR524の後段の減算器(符号なし)は、無効電流指令値Iqrefからq軸電流Iqを減算し、その減算結果(Iqref−Iq)をACR526に供給する。
ACR526は、供給された減算結果(Idref−Id),(Iqref−Iq)に対して、それぞれ比例積分演算を行い、両減算結果が零に近づくようなd軸電圧指令Vdrおよびq軸電圧指令Vqrを出力する。ACR526の後段における一対の加算器(符号なし)は、d軸電圧指令Vdrとd軸電圧Vdとを加算し、加算結果をd軸電圧指令Vdrefとして出力するとともに、q軸電圧指令Vqrとq軸電圧Vqとを加算し、加算結果をq軸電圧指令Vqrefとして出力する。
逆DQ変換器528は、下式(7)に基づいて、d軸電圧指令Vdrefおよびq軸電圧指令Vqrefを、2相の電圧指令値Varef,Vbref(図示せず)に変換する。
Figure 0006892812
また、2相3相変換器530は、下式(8)に基づいて、2相の電圧指令値Varef,Vbrefを3相の電圧指令値Vuref0,Vvref0,Vwref0に変換する。
Figure 0006892812
また、APR510の前段の減算器(符号なし)は、有効電力指令値Prefから有効電力計算値Pを減算する。APR510は、この減算結果(Pref−P)に対して比例積分制御を行い、減算結果(Pref−P)が零に近づくような直流電流指令値IDCrefを出力する。APR510の後段の減算器(符号なし)は、直流電流指令値IDCrefから直流電流検出値IDCを減算する。
DCI−ACR511は、この減算結果(IDCref−IDC)が零に近づくようなPN間電圧補正指令値VDCref0を出力する。上述したように、PN間電圧指令設定値VPNrefは、直流電圧VPN(図1参照)の指令値である。加算器514は、PN間電圧指令設定値VPNrefと、PN間電圧補正指令値VDCref0とを加算し、加算結果をPN間直流電圧制御指令値VDCref1として出力する。このように、DCI−ACR511および加算器514を設けたことにより、APR510に入力される入力偏差、すなわち減算結果(Pref−P)を小さくすることができる。これにより、有効電力計算値Pを有効電力指令値Prefに追従させやすくなる。
加算器群532は、下式(9)に示すように、電圧指令値Vuref0,Vvref0,Vwref0に対して、それぞれPN間直流電圧制御指令値VDCref1を加算し、加算結果をU相、V相およびW相アーム出力電圧指令値Vuref1,Vvref1,Vwref1として出力する。これら指令値は、U相、V相およびW相制御部140U,140V,140W(図1参照)にそれぞれ供給される。
Figure 0006892812
〈U相制御部140Uの構成〉
図4は、制御装置112が備えるU相制御部140Uのブロック図である。なお、V相制御部140VおよびW相制御部140Wについては図示を省略するが、U相制御部140Uと同様に構成されている。
U相制御部140Uは、電圧平均値演算部604と、M系統(Mはセル108の直列数)のセル制御部620−1〜620−Mと、を備えている。但し、図4においては、セル制御部620−1〜620−Mのうち、一系統のセル制御部620−m(但し、1≦m≦M)のみを図示する。
電圧平均値演算部604は、M系統のU相コンデンサ電圧VDCu1〜VDCuMを加算平均し、その結果をU相コンデンサ電圧平均値VDCuaveとして出力する。セル制御部620−mに含まれる減算器605は、m番目のU相コンデンサ電圧VDCumからU相コンデンサ電圧平均値VDCuaveを減算し、減算結果を電圧差dVumとして出力する。
U相m番目セルに係るコンデンサ電圧バランス制御部602umは、電圧差dVumと、U相アーム電流検出値IUPとを入力信号とし、下式(10)に基づいて、U相m番目セルのコンデンサ電圧バランス制御指令VBumを出力する。なお、式(10)において、G1は制御ゲインである。
Figure 0006892812
加算器610は、コンデンサ電圧バランス制御指令VBumと、U相アーム出力電圧指令値Vuref1とを加算し、その結果を該m番目セルの変調波Vuref2mとして出力する。変調波Vuref2mは、U相m番目のパルス幅変調器612(図中ではPWMumと表記する)に入力される。上述した指令値発生部140P(図1参照)は、各制御部140U,140V,140Wに対して、位相設定番号A(位相情報)という値を出力する。ここで、位相設定番号Aは、「0」〜「M−1」の範囲で、系統周波数の1周期毎に循環的に「1」ずつインクリメントされる整数である。位相選択器606は、自セル番号mと、位相設定番号Aとを受信し、下式(11)に基づいて、搬送波位相信号φmを出力する。
Figure 0006892812
例えば、セル直列数Mが「9」であったとすると、搬送波位相信号φmすなわちφ1〜φ9は、0°,−40°,−80°,…,−280°または−320°のうち何れかの値になるとともに、相互に異なる値になる。
パルス幅変調器612は、系統位相信号φ(t)と、搬送波位相信号φmと、変調波Vuref2mと、を受信すると、U相m番目のセル108um(図2参照)に供給するパルス信号GHum,GLum(すなわち図2に示したパルス信号GHjm,GLjm)を出力する。電気光変換器614(図中ではE/Oと表記する)は、パルス信号GHum,GLumを光信号に変換し、対応する伝送路113umを介して、当該セル108umのセル制御部205(図2参照)に供給する。
〈パルス幅変調器612の構成〉
図5は、パルス幅変調器612のブロック図である。
乗算器710は、系統位相信号φ(t)にパルス数Kを乗算する。ここで、パルス数Kとは、系統周波数すなわち電力系統101の周波数と、パルス幅変調(PWM)のためのキャリア周波数との比である。例えば、系統周波数が50Hzであり、パルス数Kが「5」であれば、キャリア周波数は250Hzになる。乗算器710の出力信号を位相信号φk(t)と呼ぶ。加算器712は、位相信号φk(t)と、搬送波位相信号φmと、を加算し、加算結果をセル番号mに対するセル位相信号(φk(t)+φm)として出力する。
搬送波演算器721(搬送波生成部)は、セル位相信号(φk(t)+φm)に基づいて、パルス幅変調のための三角波の搬送波βm(t)を生成する。ここで、搬送波位相信号φmが「0°」であった場合の搬送波βm(t)を基準搬送波β(t)と呼ぶ。従って、搬送波βm(t)は、基準搬送波β(t)に対して、φmの位相差を有する波形になる。比較器722(CMP)は、変調波Vuref2mと搬送波βm(t)との大小関係を比較し、「Vuref2m≧βm(t)」であった場合は、“1”(オン)、それ以外の場合は“−1”(オフ)となるパルス信号GHを生成する。また、NOT回路724は、パルス信号GHの値を反転したパルス信号GLを出力する。
オンディレイ回路726,728は、パルス信号GH,GLの“−1”(オフ)から“1”(オン)への立上りタイミングを若干遅らせ、その結果を、パルス信号GHum,GLumとして出力する。上述したように、セル108umにおけるスイッチング素子201H,201L(図2参照)は、これらパルス信号GHum,GLumによってオン/オフされる。ここで、オンディレイ回路726,728においてパルス信号GHum,GLumの立上りタイミングを遅らせる理由は、スイッチング素子201H,201Lの双方がオフ状態になるデッドタイムを確保するためである。
図6は、本実施形態における各部の波形図であり、何れの波形も横軸は時間(秒)である。
図示のように、変調波Vuref2mは、略正弦波状である。図示の例は、パルス数Kが「5」である場合を想定している。系統周波数が50Hzであった場合、変調波Vuref2mの周期Tfは20ms(ミリ秒)になり、搬送波βm(t)の周期は4msになる。パルス信号GHum,GLumは、相互にほぼ反転した信号になる。なお、図6においては、デッドタイムの図示は省略している。セル電圧Vum(図2におけるVjm)は、パルス信号GHumに近似した波形を有し、レベルが0[V]またはVDCum(図2におけるコンデンサ電圧VDCjm)に交互に切り替わる電圧になる。
〈第1実施形態の動作〉
図7は、本実施形態における搬送波βm(t)の波形図である。
同図においては、セル直列数M=9、パルス数K=5、系統周波数=50Hzである。図中の区間TA1,TA2,TA3は、系統周波数の周期すなわち20ms毎の周期に対応する区間である。また、搬送波βm(t)すなわち搬送波β1(t)〜β9(t)は、周期が4msであり、順次40°ずつ位相の異なる三角波である。これら搬送波のうち、特にβ1(t)の波形を太線で示す。時刻t0において、β1(t)はピーク値になっている。従って、系統周波数の1周期が経過した時刻t10においても、搬送波β1(t)はピーク値になる。
但し、時刻t10において、位相設定番号Aが「1」だけインクリメントされたとする。式(11)によれば、搬送波位相信号φ1は40°だけ減少する。従って、搬送波β1(t)は、40°位相が遅れる。すると、時刻t10から40°相当の時間が経過した時刻t11において、搬送波β1(t)には、再びピークが現れる。また、時刻t10から系統周波数の1周期が経過した時刻t20において、位相設定番号Aは再び「1」だけインクリメントされる。すると、搬送波β1(t)は、さらに40°位相が遅れ、時刻t20から80°相当の時間が経過した時刻t21において、搬送波β1(t)にピーク値が現れる。
図8は、本実施形態における搬送波位相信号φmの遷移状態を示す図である。
図8において、位相分布PD01は、図7の区間TA1における位相分布である。この区間TA1におけるセル番号m=1の搬送波位相信号φmすなわち搬送波位相信号φ1は0°であることとする。そして、セル番号m=2〜9における搬送波位相信号φ2〜φ9は、搬送波位相信号φ1に対して、順次40°ずつ遅れた値になる。また、位相分布PD02は、図7の区間TA2における位相分布である。位相分布PD02においては、搬送波位相信号φ1〜φ9は、位相分布PD01のものと比較して、それぞれ40°ずつ遅れた値になる。また、位相分布PD03は、図7の区間TA3における位相分布である。位相分布PD03においては、搬送波位相信号φ1〜φ9は、位相分布PD02のものと比較して、それぞれ40°ずつ遅れた値になる。換言すれば、位相分布PD03における搬送波位相信号φ1〜φ9は、位相分布PD01のものと比較して、それぞれ80°ずつ遅れた値になる。
このように、時間経過とともに、搬送波の位相等の設定を少しずつ変更することを、以下「キャリアローテーション」と呼ぶ。本実施形態によれば、各セル108jmに対応する搬送波βm(t)の位相を系統周波数の1周期毎に変化させることができる。すると、系統周波数の1周期内におけるパルス信号GHjm,GLjm(図2、図6参照)の変化タイミングが固定されなくなる。従って、各セル108jmにおけるコンデンサ電圧VDCjmを平均化することができる。
〈比較例〉
次に、本実施形態の効果を明らかにするため、本実施形態の比較例について説明する。
比較例のハードウエア構成は、キャリアローテーションを実行しない点を除いて、第1実施形態のもの(図1〜図5)と同様である。すなわち、第1実施形態の構成において、位相設定番号Aを常に一定にした場合と等価である。
図9は、比較例における搬送波βm(t)の波形図である。図9において、セル直列数M=9、パルス数K=5、系統周波数=50Hzであることは、図7の波形図と同様である。
図9に示すように、搬送波β1(t)〜β9(t)の位相は一定であるため、これらの位相分布も一定になり、例えば、図8に示す位相分布PD01に固定される。すると、系統周波数の1周期内において、各セル108jmのパルス信号GHjm,GLjm(図2、図6参照)の変化タイミングは、固定される。ここで、各セル108には、スイッチング素子201H,201Lのスイッチング損失や、コンデンサ203の損失等、種々の個体差が存在する。そして、搬送波β1(t)〜β9(t)の位相分布が固定されていると、セル108の個体差によって、コンデンサ電圧VDCjmにアンバランスが生じることがある。コンデンサ電圧VDCjmのアンバランスを放置すると、合成される交流電圧の波形歪が大きくなる。
但し、比較例のMMCは、本実施形態と同様に、図4に示した構成を有するため、これによってある程度はコンデンサ電圧VDCjmのアンバランスを低減させることができる。すなわち、比較例のMMCは、各セル108におけるコンデンサ電圧VDCjm(図4に示すVDCu1〜VDCuM)と、コンデンサ電圧平均値VDCjave(同VDCuave)との差(同dVum)を求め、これによってスイッチング素子201H,201Lのオン時間を調整している。例えば、何れか一方の時間が他方よりも若干長くなるように、両者のオン時間を調整している。電力系統101の電圧または電流波形が正弦波に近ければ、このようにスイッチング素子のオン時間を調整するのみで、波形歪を抑制できることが多い。しかし、電力系統101の電圧または電流に高調波成分が多く含まれていると、セルに流れるアーム電流Ijの符号が系統周波数の1周期内において頻繁に変化することになるため、コンデンサ電圧VDCjmの制御を適切に実行できなくなり、コンデンサ電圧VDCjmのバランスが崩れ、波形歪が大きくなるという問題が生じる。
〈第1実施形態の効果〉
以上のように本実施形態によれば、オンオフ制御部(140U,140V,140W)は、各々のセル(108)における複数のスイッチング素子(201H,201L)を、位相情報(A)と各セル(108)に対応するセル対応情報(m)とに基づいたタイミングでオンオフさせることができる。
従って、位相情報(A)を適切に設定することにより、波形歪を小さくできる
また、オンオフ制御部(140U,140V,140W)は、セル(108)毎の変調波(Vuref2m)と、セル(108)毎の搬送波(βm(t))と、に基づいて各々のセル(108)における複数のスイッチング素子(201H,201L)のオンオフ状態を制御するものであり、位相情報(A(位相設定番号))は、交流系統(101)における電圧の位相と、搬送波(βm(t))との位相差とに係る情報である。
これにより、位相情報(A)によって、搬送波(βm(t))の位相を適切に設定することができる。
また、位相情報発生部(140P)は、位相情報(A)を、所定期間毎に変更する。
これにより、スイッチング素子(201H,201L)のオンオフタイミングを所定期間毎に変更することができ、コンデンサ(203)の電圧を平均化することができ、波形歪を一層小さくできる。
また、所定期間は、交流系統(101)における電圧周期に等しい。これにより、電圧周期毎に、スイッチング素子(201H,201L)のオンオフタイミングを変更することができる。
さらに、オンオフ制御部(140U,140V,140W)は、交流系統(101)における電圧に同期させつつ、搬送波(βm(t))を生成する搬送波生成部(721)を有する。
これにより、本実施形態によれば、コンデンサ電圧をバランスさせる制御の制御量を小さくできるため(あるいはバランス制御そのものを省略できるため)、制御装置112の構成を簡単化できるという効果も奏する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態によるMMCの構成を説明する。なお、以下の説明において、図1〜図9の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
なお、本実施形態のハードウエア構成は第1実施形態のもの(図1〜図5)と同様である。但し、本実施形態においては、キャリアローテーションによって搬送波位相信号φmが切り替えられる際、搬送波位相信号φmの変更幅は、第1実施形態のものと比較して大きくなる。
図10は、本実施形態における搬送波βm(t)の波形図である。図10において、セル直列数M=9、パルス数K=5、系統周波数=50Hzであることは、図7に示した第1実施形態の波形図と同様である。本実施形態においてもキャリアローテーションは実行されるが、図10は、キャリアローテーションによる位相の切替が発生していない区間の波形図である。
図10において、搬送波β2(t)は、搬送波β1(t)に対して120°遅れており、搬送波β3(t)は、搬送波β1(t)に対して240°遅れている。そして、搬送波β4(t),β5(t),β6(t)は、搬送波β1(t),β2(t),β3(t)に対して各々40°遅れており、搬送波β7(t),β8(t),β9(t)は、搬送波β4(t),β5(t),β6(t)に対して各々40°遅れている。
図11は、図10における位相分布PD21を示す図である。セル番号m=1の搬送波位相信号φmすなわち搬送波位相信号φ1を「0°」とすると、セル番号m=1〜9の搬送波位相信号φmは、図11に示すように配置される。ここで、セル番号mが1〜3であるセル108を総称したものをセル群GS1と呼ぶ。また、セル番号mが4〜6であるセル108を総称したものをセル群GS2と呼び、セル番号mが7〜9であるセル108を総称したものをセル群GS3と呼ぶ。
図12は、本実施形態における搬送波βm(t)の他の波形図であり、図示した範囲内において、キャリアローテーションによる位相の切替が発生している。
すなわち、同図の区間TB1,TB2,TB3は、系統周波数の周期すなわち20ms毎の周期に対応する区間であり、これらの境界である時刻t40および時刻t60において、キャリアローテーションによる位相の切替が発生している。
そして、本実施形態においては、時刻t40,t60において、各搬送波位相信号φ1〜φ9が120°ずつシフトされる。
図13は、本実施形態における搬送波位相信号φmの遷移状態を示す図である。
図13において、位相分布PD21は、図12の区間TB1における位相分布である。これは、図11に示したものと同様であり、この区間TB1におけるセル番号m=1の搬送波位相信号φmすなわち搬送波位相信号φ1は0°であることとする。また、位相分布PD22は、図12の区間TB2における位相分布である。位相分布PD02においては、搬送波位相信号φ1〜φ9は、位相分布PD01のものと比較して、それぞれ120°ずつ遅れた値になる。また、位相分布PD23は、図12の区間TB3における位相分布である。位相分布PD23においては、搬送波位相信号φ1〜φ9は、位相分布PD22のものと比較して、それぞれ120°ずつ遅れた値になる。換言すれば、搬送波位相信号φ1〜φ9は、位相分布PD21のものと比較して、それぞれ240°ずつ遅れた値になる。
このように、本実施形態においては、セル群GS1〜GS3が同一であるセルの間でキャリアローテーションが実行される。本実施形態においても、キャリアローテーションが実行される点で第1実施形態と同様であるため、第1実施形態のものと同様の効果を奏する。さらに、本実施形態においては、1回あたりのキャリアローテーションにおける搬送波位相信号φmの変更幅は、第1実施形態のものよりも大きくなっている。
仮に、セル直列数Mが大きい場合に上述した第1実施形態を適用すると、搬送波位相信号φmが元の値に戻るまでの周期が長くなり、コンデンサ電圧をバランスさせる効果が低下することも考えられる。このような場合に本実施形態を適用すると、搬送波位相信号φmが元の値に戻るまでの周期を短くすることができ、コンデンサ電圧のばらつきを効果的に抑制することができる。
[第3実施形態]
〈第3実施形態の構成〉
図14は、本発明の第3実施形態によるMMC162のブロック図である。なお、以下の説明において、図1〜図13の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
MMC162は、第1実施形態におけるアーム104に代えて、アーム164U,164V,164W(以下、これらをアーム164と総称することがある)を備えている。アーム164は、第1実施形態のアーム104と同様に、直列接続された複数のセル108を備えている。
但し、本実施形態においては、所定数(図示の例では4台)のセル108が一の「セルグループ」を構成し、複数のセルグループ(図示の例ではGR1〜GR5)が直列に接続されることにより、アーム164が構成されている。そして、搬送波βm(t)は、セルグループ毎に設定される。すなわち、同一グループに属するセル108には、共通の搬送波βm(t)が適用される。また、搬送波βm(t)の搬送波位相信号φmは、セルグループ間で異なる値に設定される。例えば、セルグループGR1〜GR5に対して、順次「360°/5=72°」ずつ異なる搬送波位相信号φmを設定するとよい。
〈第3実施形態の効果〉
以上のように本実施形態によれば、各々のセル(108)は、複数のセルグループ(GR1〜GR5)のうち何れかのセルグループに属するものであり、オンオフ制御部(140U,140V,140W)は、一のセルグループ(GR1〜GR5)に属するセル(108)における搬送波(βm(t))の位相を、他のセルグループ(GR1〜GR5)に属するセル(108)における搬送波(βm(t))の位相とは異なるように設定する。さらに、オンオフ制御部(140U,140V,140W)は、一のセルグループ(GR1〜GR5)に属するセル(108)における搬送波(βm(t))の位相を、同一の位相に設定する。
本実施形態においても、キャリアローテーションが実行される点で第1実施形態と同様であるため、第1実施形態のものと同様の効果を奏する。さらに、本実施形態においては、特にセル直列数Mが大きい場合、搬送波位相信号φmが元の値に戻るまでの周期を短くすることができる。これにより、第2実施形態と同様に、コンデンサ電圧のばらつきを効果的に抑制することができる。さらに、生成する搬送波(βm(t))およびこれらの搬送波位相信号φmの種類を少なくできるため、制御装置112の処理量を低減することができる。
[第4実施形態]
図15は、本発明の第4実施形態によるMMC172のブロック図である。なお、以下の説明において、図1〜図14の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
MMC172は、第1実施形態(図1参照)における変圧器103に代えて、変圧器173を備えている。ここで、変圧器173は、Δ−Δ結線、Y−Y結線、Y−Δ結線またはΔ−Y結線の通常の3相変圧器である。
変圧器173のU相、V相、W相の二次巻線には、レグ174U,174V,174W(以下、これらをレグ174と総称することがある)が接続されている。
レグ174Uは、アームリアクトル107UP,107UN(以下、これらをアームリアクトル107と総称することがある)と、アーム176UP,176UN(以下、これらをアーム176と総称することがある)と、を有している。アームリアクトル107UP,107UNの各一端は変圧器173の二次巻線に接続され、各他端はアーム176UP,176UNの一端に接続されている。また、アーム176UPの他端は正極端子130Pに接続され、アーム176UNの他端は負極端子130Nに接続されている。アーム176UP,176UNは、直列接続された複数のセル108を有している。アーム176UP,176UNに現れる電圧をアーム電圧VUP,VUNと呼ぶ。
レグ174V,174Wは、レグ174Uと同様に構成されている。すなわち、レグ174Vは、アームリアクトル107VP,107VNと、アーム電圧VVP,VVNを発生させるアーム176VP,176VNと、を有している。また、レグ174Wは、アームリアクトル107WP,107WNと、アーム電圧VWP,VWNを発生させるアーム176WP,176WNと、を有している。なお、アームリアクトル107は、アーム176の相互間(上下アーム間、または相間)を巡回する電流を抑制する機能を有する。
本実施形態においては、第1実施形態のものと同様に、各制御部140C,140U,140V,140Wによってキャリアローテーションが実行され、これによって第1実施形態のものと同様の効果を奏する。このように、ZC−MMC以外のMMC方式、すなわちアームリアクトル107を有するMMCについても、本発明を適用することができる。
[第5実施形態]
図16は、本発明の第5実施形態による無効電力補償装置182のブロック図である。なお、以下の説明において、図1〜図15の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
無効電力補償装置182は、アーム184U,184V,184W(以下、これらをアーム184と総称することがある)とを有しており、これらアーム184は、電力系統101の線間にΔ結線されている。そして、各アーム184は、直列接続された複数のセル188を備えている。
図17は、本実施形態に適用されるセル188のブロック図である。セル188は、一般的に「フルブリッジ」と呼ばれるものであり、入出力端子210a,210bと、セル制御部215と、各2個のスイッチング素子201H,201Lと、各2個の還流ダイオード202H,202Lと、コンデンサ203と、電圧検出器204と、を有している。なお、図17においても、スイッチング素子201H,201LはIGBTである。
上述したように、第1実施形態に適用されたセル108(図2参照)は、セル電圧Vjmとして、零値または正値(入出力端子210aが210bよりも高電位)のうち、何れかの値を取り得るものであった。一方、本実施形態におけるセル188は、セル電圧Vjmとして、零値、正値(入出力端子210aが210bよりも高電位)、または負値(入出力端子210aが210bよりも低電位)のうち何れかの値を取り得る。
図16に示すようにアーム184をΔ結線すると、アーム184の端子電圧に直流成分が含まれていた場合に、これら3台のアーム184を循環する循環電流が流れる。本実施形態のように、セル電圧Vjmとして、零値、正値または負値のうち何れかの値を取り得るセル188を採用すると、各アーム184の端子電圧から直流成分を除去しやすくなり、循環電流を抑制することができる。
無効電力補償装置182は、電力系統101から電流を流入させ、セルの損失分の電力をコンデンサ203(図17参照)に充電するとともに、コンデンサの電圧を使って交流電圧を作成して、電力系統101との接続点に出力する無効電力を制御する電力変換装置である。
本実施形態においては、第1実施形態のものと同様に、各制御部140C,140U,140V,140Wによって各セル188のキャリアローテーションが実行され、これによってコンデンサ203のコンデンサ電圧VDCjmが平均化される。従って、本実施形態においても第1実施形態のものと同様の効果を奏することができる。換言すれば、直流端子P,N(図1の130P,130N)を持たないMMCにおいても、本発明を適用することができる。
[第6実施形態]
図18は、本発明の第6実施形態によるMMC300のブロック図である。なお、以下の説明において、図1〜図17の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
MMC300は、3相の電力系統320,322の間に接続される。また、MMC300は、3台のアーム306UP,306VP,306WP(以下、これらをアーム306と総称することがある)を有しており、各アーム306は、複数のセル308を備えている。各アーム306と、電力系統320との間には、電圧検出器110と、電流検出器111と、初充電装置120と、遮断器121とが挿入されている。なお、各アーム306と、電力系統322との間にも同様のものが挿入されているが、図示を省略する。
図19は、本実施形態に適用されるセル308のブロック図である。
セル308は、一次側入出力端子310a,310bと、二次側入出力端子312a,312bと、を有している。一次側入出力端子310a,310bには、第5実施形態に適用したセル188(図17参照)と同様の構成を有する一次側フルブリッジ部330が接続されている。また、二次側入出力端子312a,312bには、一次側フルブリッジ部330と同様に構成された二次側フルブリッジ部332が接続されている。
一次側入出力端子310a,310bに現れる電圧を一次側セル電圧Vjm1と呼び、二次側入出力端子312a,312bに現れる電圧を二次側セル電圧Vjm2と呼ぶ。また、一次側フルブリッジ部330のコンデンサ203に現れる電圧を一次側コンデンサ電圧VDCjm1と呼び、二次側フルブリッジ部332のコンデンサ203に現れる電圧を二次側コンデンサ電圧VDCjm2と呼ぶ。DC/DCコンバータ1501は、一次側フルブリッジ部330と二次側フルブリッジ部332との間に接続され、双方向に電力を伝送する。
図18に戻り、各アーム306に含まれる複数のセル308は、一次側入出力端子310a,310b(図18では符号の図示を省略)が順次直列に接続されるとともに、電力系統320の各相に接続されている。同様に、これらセル308の二次側入出力端子312a,312b(図18では符号の図示を省略)も、順次直列に接続されるとともに、電力系統322の各相に接続されている。
本実施形態においては、第1実施形態のものと同様に、各制御部140C,140U,140V,140Wによって各セル308のキャリアローテーションが実行され、これによって、各コンデンサ203の一次側コンデンサ電圧VDCjm1および二次側コンデンサ電圧VDCjm2が平均化される。従って、本実施形態においても第1実施形態のものと同様の効果を奏することができる。換言すれば、交流電圧同士の直接変換を行う電力変換装置においても、本発明を適用することができる。
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記各実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
(1)上記第1〜第4実施形態においては、図2に示したハーフブリッジのセル108を適用した。しかし、これらの実施形態においても、図17に示したフルブリッジのセル188を適用してもよい。
(2)上記各実施形態において、指令値発生部140Pは、位相設定番号Aを電力系統101の電圧周期毎に変化させ、これによって搬送波βm(t)の位相も該電圧周期毎に切り替えていた。しかし、位相設定番号Aを変化させる周期はこれに限られるものではなく、任意に定めてもよい。但し、位相設定番号Aの変更周期を電圧周期の自然数倍にすると、それ以外の場合と比較して、高調波成分を抑制できる点で好ましい。
(3)上記各実施形態における制御装置112のハードウエアは一般的なコンピュータによって実現できるため、図3〜図5等に示したアルゴリズムに係るプログラム等を記憶媒体に格納し、または伝送路を介して頒布してもよい。
(4)また、図3〜図5等に示したアルゴリズムに係る処理は、上記各実施形態ではプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(field-programmable gate array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えてもよい。
101 電力系統(交流系統)
102 MMC(電力変換装置)
103 変圧器
104 アーム
107 アームリアクトル
108 セル
109 電流検出器
110 電圧検出器
111 電流検出器
112 制御装置
140C 共通制御部
140P 指令値発生部(位相情報発生部)
140U,140V,140W U相、V相およびW相制御部(オンオフ制御部)
201H,201L スイッチング素子
203 コンデンサ
721 搬送波演算器(搬送波生成部)
βm(t) 搬送波
A 位相設定番号(位相情報)
GR1〜GR5 セルグループ
m セル番号(セル対応情報)
Vuref2m 変調波

Claims (4)

  1. 各々が複数のスイッチング素子と、少なくとも一のコンデンサとを有し、直列接続された複数のセルと、
    位相情報を発生させる位相情報発生部と、
    各々の前記セルにおける複数の前記スイッチング素子を、前記位相情報と前記セルに対応するセル対応情報とに基づいたタイミングでオンオフさせるオンオフ制御部と、を備え、
    前記オンオフ制御部は、前記セル毎の変調波と、前記セル毎の搬送波と、に基づいて各々の前記セルにおける複数の前記スイッチング素子のオンオフ状態を制御するものであり、
    前記位相情報は、交流系統における電圧の位相と、前記搬送波との位相差とに係る情報であり、
    前記位相情報発生部は、前記位相情報を、所定期間毎に変更するものであり、
    各々の前記セルは、複数のセルグループのうち何れかのセルグループに属するものであり、
    前記オンオフ制御部は、一のセルグループに属する前記セルにおける前記搬送波の位相を、他のセルグループに属する前記セルにおける前記搬送波の位相とは異なるように設定する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記所定期間は、前記交流系統における電圧周期である
    ことを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
  3. 前記オンオフ制御部は、一のセルグループに属する前記セルにおける前記搬送波の位相を、同一の位相に設定する
    ことを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
  4. 前記オンオフ制御部は、前記交流系統における電圧に同期させつつ、前記搬送波を生成する搬送波生成部を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
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