JP4177983B2 - 多重電力変換器とその制御方法 - Google Patents

多重電力変換器とその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は交流電源に接続した多重変換器に関し、特に出力する直流電流のリプル低減した多重変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
交流を直流、または直流を交流に変換する電力変換器の大容量化技術として、複数の電圧型PWM変換器の交流出力をトランスや相間リアクトルで直列接続することによる電力変換器の大容量化技術が既に知られており、これらの多重変換器の容量は、多重数をnとすると単機変換器容量の約n倍となり、単機変換器に比べて大容量の電力変換ができる。以下本明細書中では、直流コンデンサに接続して単機変換器の直流部が共通化された多重変換器を直流部共通多重変換器と記し、直流部共通多重変換器の多重数をnと表記する。
【0003】
直流部共通多重変換器の変換器出力電圧をPWM制御する方法には、従来、トランスにより交流出力が合成した直列多重変換器の搬送波の位相をそれぞれ多重数に応じてシフトする位相シフト方式や、特開昭60−98875号公報に記載の並列多重変換器の搬送波位相シフト方式がある。
【0004】
図3に2多重の直流部共通多重変換器の主回路構成を、図4に該直流部共通多重変換器を上記従来技術で制御する場合の、搬送波と、合成電圧指令と、合成電圧と、直流部共通多重変換器1の各相が交流電源3より受け取る電力と、直流電流の関係を示す。
【0005】
ここで、合成電圧とは交流電流Iu,Iv,Iwがゼロのときの、トランスの交流電源側端子電圧である。Vu*はU相の合成電圧指令値、Vdcはコンデンサ電圧、Vu,Vv,Vwは合成電圧、αは単機変換器出力電圧とトランス出力電圧の比、Iu,Iv,Iwは交流電流、Vu・Iu,Vv・Iv,Vw・Iwは直流部共通多重変換器1の各相が交流電源3から受け取る電力、Idcは直流電流である。互いに位相が360/2=180°ずれている2個の搬送波tr1,tr2と合成電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*が比較したことにより変換器のスイッチングタイミングを決定した。
【0006】
Vu*とtr1が比較され、Vu*がtr1より大きいときには単機変換器11のIGBTであるQu11がオン、Qu12がオフとなり、逆の場合はQu11がオフ、Qu12がオンとなる。Vu*とtr2が比較され、Vu*がtr2より大きいときには単機変換器12のIGBTであるQu21がオン、Qu22がオフとなり、逆の場合はQu21がオフ、Qu22がオンとなる。V相,W相についても同様にVv*,Vw*とtr1,tr2が比較され、単機変換器のIGBTがオン/オフした。
【0007】
以上のように該合成電圧指令値と前記搬送波の大小関係により単機変換器のスイッチングタイミングが決定した。
【0008】
合成電圧Vu,Vv,Vwは合成電圧指令値と三角波tr1,tr2との比較により出力した単機変換器の各相電圧の和をα倍したものである。各相が交流電源より受け取る電力Vu・Iu,Vv・Iv,Vw・Iwは、合成電圧Vu,Vv,Vwと3相平衡の正弦波である交流電流Iu,Iv,Iwの積をとることにより算出した。
【0009】
直流部多重変換器の交流部と直流部における電力平衡より(数1)式が成り立つ。
【0010】
Vdc・Idc=Vu・Iu+Vv・Iu+Vw・Iw …(数1)
(数1)式の左辺は直流部多重変換器が直流端子から負荷へ出力する電力であり、(数1)式の右辺は直流部多重変換器が交流端子から受け取る電力である。直流部多重変換器の各相が交流端子から受け取る電力は相電圧と相電流の積であり、(数1)式の右辺は各相が交流端子から受け取る電力の和である。(数1)式から、直流電流は各相の交流電力を直流電圧で割った商に等しい。
【0011】
図4に示すように、(数1)式の右辺に示す交流部から受け取る電力は、U相,V相,W相ともに周期Tri/2で同位相(中央が凸)のリプルが生じるため、直流負荷へ出力する電力にも周期Tri/2のリプルが生じ、直流電流に周期Tri/2でリプルが生じる。このように、直流電流リプルにはスイッチング周波数の2倍のリプル成分が現れる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
直流電流のリプルが生じると直流コンデンサ電圧リプルも生じるため、上記従来技術ではコンデンサ電圧において搬送波のn倍周波数のリプルが特に大きくなり、直流部の配線やコンデンサでの損失増加、直流部での騒音や振動発生の原因となる。
【0013】
コンデンサ電圧リプルを低減するには、搬送波の周波数を高くするなどの方法が考えられるが、これには変換器のスイッチング損失が増加して変換効率が低下する問題がある。
【0014】
本発明の目的は、スイッチング数を増やすことなく直流部共通多重変換器の直流電流のリプルを低減し、コンデンサ電圧のリプルも低減することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的は直流部共通多重変換器の各変換器の、スイッチングのタイミングを以下のように制御することにより達成できる。
【0016】
直流部共通多重変換器の出力可能な電圧領域を振幅方向にn等分し、それぞれの領域に位相と振幅の等しいn個の三角波を搬送波として配置し、合成電圧指令値と各搬送波を比較して変換器を駆動するスイッチングのタイミングを得ることにより直流電流のリプルを低減し、これによりコンデンサ電圧のリプル低減を達成できる。
【0017】
上記手段で直流リプルが低減できる理由を、図6を用いて説明する。図6にnが2であるときの合成電圧指令値Vu*と搬送波tr1,tr2と交流電圧Vu,Vv,Vwと各相の交流入力電力Vu・Iu,Vv・Iv,Vw・Iwと直流電流Idcとの関係を示す。直流部共通多重変換器の出力可能な領域を領域1と領域2に振幅方向に等分割し、それぞれの領域に三角波tr1,三角波tr2を配置する。
【0018】
合成電圧指令値がtr1より大きいとき合成電圧がαVdc、該合成電圧指令値がtr2より大きくtr1より小さいとき合成電圧がゼロ、該合成電圧指令値がtr2より小さいとき合成電圧が−αVdcとなるように単機変換器11,12をスイッチングする。
【0019】
以上のように2つの三角波と電圧指令値を比較することにより単機変換器11,12のスイッチングのタイミングを得ることができる。
【0020】
前記従来技術では各相の交流入力電力には周期Tri/2で同位相のリプルが生じていたのに対し、本発明では相によって交流入力電力のリプルが逆位相となる。本発明では搬送波を同位相とすることにより、各相の電圧リプルが電圧指令の極性によらず同位相となる。交流電流は3相平衡であり、相電流全てが正または全てが負になることが無く、交流電流と交流電圧の積である交流電力リプルは3相のうちいずれかが必ず逆位相になる。よって各相の交流電力のリプルには打ち消しあう成分が生じるため、全交流電力のリプルは減少する。各相の受け取る電力の和が直流電力と等しいため、相電力の和である直流電力のリプルも打ち消すことができる。ゆえに、直流電力のリプルを低減できるので直流電流のリプルを低減でき、コンデンサ電圧リプルを低減できる。
【0021】
従って、直流を交流、または交流を直流に変換する直流部が共通である複数の変換器と、該各変換器の交流電圧を合成して出力電圧を得る手段と、前記出力電圧の電圧指令信号を発生する手段と、所定周期であり且つ位相と振幅が等しく直流バイアス値の異なる搬送波信号をn個発生する手段と、該n個の搬送波信号と前記電圧指令信号に基づいてn個のパルス幅変調信号を出力する手段と、入力されたパルス幅変調信号に基づいて相対する変換器の出力電圧を制御する制御手段を備えた直流部共通多重変換器で、該パルス幅変調信号を搬送波の半周期ごと、または該搬送波半周期の整数倍周期ごとに各変換器の制御手段に振り分ける手段を備えているので、直流電流とコンデンサ電圧のリプルが低減できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本願発明を図面を用いて詳しく説明する。以下の各図で同じ符号は同じ構成要素を示す。
【0023】
(実施例1)
図1に本実施例の2多重の直流部共通多重変換器を示す。図1で符号1は直流部共通多重変換器、2は多重コンバータ一括PWM制御器、3は交流電源、4は直流負荷である。
【0024】
本実施例の主回路構成は以下の通りである。図1に示すように、直流部共通多重変換器1は交流電源3に接続しており、直流部共通多重変換器1の直流端子には負荷4が接続している。直流部共通多重変換器1はトランス10と単機変換器11,12とコンデンサ15とを備え、トランス10に単機変換器11と単機変換器12の交流端子が接続している。単機変換器11の直流端子と単機変換器12の直流端子はコンデンサ15に並列接続され、コンデンサ15の両端が直流部共通多重変換器1の直流端子となる。
【0025】
交流電源3が供給する電力を直流部共通多重変換器1で直流に変換し、この直流電力をコンデンサ15で平滑して負荷に供給する。コンデンサ15の電圧が一定になるように、多重コンバータ一括PWM制御器2が直流部共通多重変換器1を制御する。
【0026】
次に多重コンバータ一括PWM制御器2の動作を説明する。多重コンバータ一括PWM制御器2は、電圧検出器20が検出した直流電圧検出値と、電圧指令値発生器21の出力である電圧指令値との偏差を電圧調整器23に入力し、電圧調整器23と電流指令値発生器24とで電源電流指令値を演算し、電流調整器25u,25v,25wで交流の合成電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算し、該合成電圧指令値と搬送波発生器26が出力した三角波tr1,tr2をゲート信号発生器29u,29v,29wに入力する。
【0027】
該ゲート信号発生器に入力された合成電圧指令値と三角波tr1,tr2はそれぞれ比較器27u1〜27w2で比較され、該電圧指令値が比較した三角波よりも大きいときには該比較器はパルス分配器28uにオン信号を、逆の場合はオフ信号を出力してパルス幅変調(PWM)を行う。合成電圧指令値Vu*と、搬送波発生器24の出力する三角波tr1,tr2と、比較器27u1,27u2の出力Pu1,Pu2とを図2に示す。
【0028】
三角波tr1と合成電圧指令値Vu*の大小比較を比較器27u1で行った結果がPu1であり、三角波tr2と合成電圧指令値Vu*の大小比較を比較器27u2で行った結果がPu2である。これらのPu1とPu2をパルス分配器28uに入力する。
【0029】
パルス分配器28uは比較器27u1,27u2の出力であるPu1,Pu2を入力とし、ゲート信号Gu1,Gu2を出力する。具体的には、Pu1,Pu2とGu1,Gu2の対応を搬送波半周期ごとに切り替え、2台の変換器が交互にバランス良く動作するようにパルスを分配する。
【0030】
図5にパルスの分配を行ったときの合成電圧指令値Vu*、搬送波tr1,tr2、比較器27u1,27u2の出力Pu1,Pu2、ゲート信号Gu1,Gu2を示す。Pu1とPu2とをバランス良くGu1,Gu2に分配しているので、スイッチングが均等化している。
【0031】
Gu1はゲート信号Gu11に、Gu1の反転がゲート信号Gu12になる。例えばGu1がオンであればGu12はオフ、Gu1がオフであればGu12はオンである。Gu2〜Gw2もGu1と同様にGu21〜Gw22を決定する。
【0032】
パルス分配器28u,28v,28wの出力であるGu11〜Gw22は単機変換器11と単機変換器12のIGBTのゲート信号であり、ゲート信号とIGBTの対応は(数2)式から(数4)式に示すようになっている。
【0033】
Guxy⇔Quxy …(数2)
Gvxy⇔Qvxy …(数3)
Gwxy⇔Qwxy …(数4)
(x=1,2,3,…n、y=1,2)
(数2)式から(数4)式で、添え字“x”は単機変換器を示し、xは1からnまでの整数である。xが1のゲート信号は単機変換器11のゲート信号、xが2のゲート信号は単機変換器12のゲート信号である。また、添え字“y”は単機変換器の上下アームを示し、yは1または2の値である。y=1のゲート信号は上アームのゲート信号、y=2のゲート信号は下アームのゲート信号である。
【0034】
ゲート信号Gu11〜Gw22は単機変換器11と単機変換器12に入力され、それぞれに対応するIGBTをオン/オフする。ゲート信号Gu11〜Gw22へのパルス分配の詳細は、例えば特願平11−261480号に記載と同様である。
【0035】
図6に本実施例の動作波形を示す。図6に示すように直流部共通多重変換器1のU相,V相,W相合成電圧Vu,Vv,Vwには、周期がTri/2で、3相同時に同位相の電圧リプルが生じる。交流電流は3相平衡であり、相電流全てが正または全てが負になることが無く、交流電流と交流電圧の積である交流電力リプルは3相のうち何れかの相が必ず逆位相となる。従って各相の交流電力のリプルには打消し合う成分が生じ、各相の受け取る交流電力の和が直流電力と等しいため、直流電力のリプルを打消すことができる。このように、直流電力のリプルを低減できるので直流電流のリプルも低減でき、コンデンサ電圧リプルを低減できる。
【0036】
従って本実施例によればスイッチング回数を増やすことなく直流電流リプルを低減し、コンデンサ電圧のリプルを低減でき、かつスイッチング回数を均一化できる。また、直流電流リプルを低減したため、交流電流のリプルも低減し、トランスでの損失を低減できる。
【0037】
(実施例2)
図7に本実施例の4多重の直流部共通多重変換器1の構成を示す。前記実施例1は2多重の多重変換器であったが、多重数が増えても本発明は適用できる。また、実施例1ではコンバータ動作の場合を説明したが、本発明はインバータ動作にも適用できる。
【0038】
本実施例の主回路構成は以下の通りである。図7に示すように、直流部共通多重変換器1は交流電源3に接続しており、直流部共通多重変換器1の直流端子には負荷4が接続している。直流部共通多重変換器1はトランス10と単機変換器11〜14とコンデンサ15とを備え、トランス10には単機変換器11〜14の交流端子が接続している。単機変換器11〜14の直流端子がコンデンサ15に並列接続し、コンデンサ15の両端が直流部共通多重変換器1の直流端子となる。
【0039】
図8に直流負荷4の構成を示す。負荷4の直流端子は変換器41の直流端子に並列接続し、変換器41の交流端子はモータ42に接続している。モータの加速時のように、変換器41がモータ42に電力供給を行う場合、変換器41は直流部共通多重変換器1から直流電力を受け、直流電力を交流電力に変換し、モータ42に交流電力を供給する。この時、直流部共通多重変換器1は交流電源3から交流電力の供給を受け、交流電力を直流電力に変換し、変換器41へ直流電力を供給する。
【0040】
逆にモータの減速時のように、変換器41がモータ42から電力供給を受ける場合、変換器41はモータ42から受け取る交流電力を直流電力に変換し、直流部共通多重変換器1に直流の電力供給を行う。この時直流部共通多重変換器1は変換器42から受け取った直流電力を交流電力に変換し、交流電力を交流電源3へ回生する。多重コンバータ一括PWM制御器2はコンデンサ15の電圧を一定にするように直流部共通多重変換器1を制御する。
【0041】
本実施例の多重電力変換器は交流電源と直流部との双方向の電力変換を実現できるため、直流送電用変電所や、鉄道の直流き電変電所に好適である。
【0042】
次に多重コンバータ一括PWM制御器2の動作を図7を用いて説明する。多重コンバータ一括PWM制御器2は、電圧検出器20で検出した直流電圧検出値と電圧調整器23と電流指令値発生器24により電源電流指令値を演算し、電流調整器25u,25v,25wにより交流の合成電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算し、該合成電圧指令値と搬送波発生器26より出力した三角波tr1〜tr4をゲート信号発生器29u,29v,29wに入力する。ゲート信号発生器に入力された合成電圧指令値と三角波tr1〜tr4とはそれぞれ比較器27u1〜27w4で比較され、合成電圧指令値が比較した三角波より大きいとき、該比較器はパルス分配器28uにオン信号を、逆の場合はオフ信号を出力してパルス幅変調(PWM)を行う。合成電圧指令値Vu*と、搬送波発生器24の出力する三角波tr1〜tr4と、比較器27u1〜27u4の出力Pu1〜Pu4を図9に示す。
【0043】
三角波tr1と合成電圧指令値Vu*との大小を比較器27u1で比較した結果がPu1であり、三角波tr2と合成電圧指令値Vu*との大小を比較器27u2で比較した結果がPu2である。同様に、三角波tr3と合成電圧指令値Vu*の大小比較を比較器27u3で行った結果がPu3、三角波tr4と合成電圧指令値Vu*の大小比較を比較器27u4で行った結果がPu4である。これらのPu1〜Pu4はパルス分配器28uに入力する。
【0044】
パルス分配器28uは比較器27u1〜27u4の出力であるPu1〜Pu4を入力し、ゲート信号Gu1〜Gu4を出力する。具体的には、Pu1〜Pu4とGu1〜Gu4の対応を搬送波半周期ごとに切り替え、4台の変換器が交互にバランス良く動作するようにパルスを分配する。
【0045】
10にパルスの分配をした際の、合成電圧指令値Vu*,搬送波tr1〜tr4比較器27u1〜27u4の出力Pu1〜Pu4、ゲート信号Gu1〜Gu4を示す。Pu1〜Pu4をバランス良くGu1〜Gu4に分配したので、スイッチングが均等になっている。Gu1はゲート信号Gu11となり、Gu1の反転がゲート信号Gu12となる。例えばGu1がオンであればGu12はオフ、Gu1がオフであればGu12はオンである。Gu2〜Gw4もGu1同様にGu21〜Gw42を決定する。
【0046】
パルス分配器28u,28v,28wの出力であるGu11〜Gw42は単機変換器11〜単機変換器14のIGBTのゲート信号であり、ゲート信号とIGBTの対応は前記(数2)式から(数4)式と同様である。
【0047】
図11に本実施例の動作波形を示す。直流部共通多重変換器のU相,V相,W相合成電圧Vu,Vv,Vwには周期が1/ftriで、3相同時に同位相の電圧リプルが生じる。交流電流は3相平衡であり、相電流全てが正または全てが負になることが無く、交流電流と交流電圧の積である交流電力リプルは3相のいずれかの相が必ず逆位相となる。よって各相の交流電力のリプルには打ち消し合う成分が生じ、各相の受け取る交流電力の和が直流電力と等しいため、直流電力のリプルを打ち消すことができる。従って、本実施例では直流電力のリプルを低減できるので直流電流のリプルも低減でき、コンデンサ電圧リプルを低減できる。
【0048】
以上より、本実施例によれば多重数が増えた場合でも、スイッチング回数やスイッチング周波数を増すことなく直流電流リプルを低減し、コンデンサ電圧のリプルを低減でき、かつ各相のスイッチング回数を均一にできる。また、コンバータ動作のみならずインバータ動作のときにも適用できる。また、直流電流リプルが低減したため、交流電流のリプルも低減し、トランスの損失を低減できる。
【0049】
(実施例3)
図12に本実施例の直流部共通多重変換器1を示す。図12に示した本実施例は2多重の並列多重変換器である。実施例1,実施例2の直流部共通多重変換器ではトランス多重変換器であった。本発明は並列多重変換器にも適用できる。
【0050】
本実施例の主回路構成は以下の通りである。図12に示すように、直流部共通多重変換器1は交流電源3に接続しており、該多重変換器の直流端子には負荷4が接続している。直流部共通多重変換器1は相間リアクトル100と単機変換器11,12とコンデンサ15からなり、該相間リアクトルには単機変換器11と単機変換器12の交流端子が接続している。単機変換器11の直流端子と単機変換器12の直流端子はコンデンサ15に並列接続され、コンデンサ15の両端が直流部共通多重変換器1の直流端子となる。
【0051】
交流電源3から供給した電力は直流部共通多重変換器1で直流に変換し、この直流電力をコンデンサ15で平滑して負荷に供給する。多重コンバータ一括PWM制御器2は、コンデンサ15の電圧が一定になるように直流部共通多重変換器1を制御する。
【0052】
多重コンバータ一括PWM制御器2の動作を説明する。多重コンバータ一括PWM制御器2は、電圧検出器20で検出した直流電圧検出値と電圧指令値発生器21の出力である電圧指令値との偏差を電圧調整器23に入力し、電圧調整期23と電流指令値発生器24により電源電流指令値を演算し、電流調整器25u,25v,25wにより交流の合成電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算し、該合成電圧指令値と搬送波発生器26が出力した三角波tr1,tr2をゲート信号発生器29u,29v,29wに入力する。
【0053】
ここで、前記合成電圧とは、電源電流Iu,Iv,Iwがゼロの場合の、相間リアクトルの交流電源側端子電圧である。ゲート信号発生器に入力した合成電圧指令値と三角波tr1,tr2とはそれぞれ比較器27u1〜27w2で比較され、電圧指令値が比較した三角波よりも大きいときには該比較器はパルス分配器28uにオン信号を、逆の場合はオフ信号を出力してパルス幅変調(PWM)する。合成電圧指令値Vu*と、搬送波発生器24の出力する三角波tr1,tr2と、比較器27u1,27u2の出力Pu1,Pu2を図13に示す。
【0054】
三角波tr1と合成電圧指令値Vu*の大小を比較器27u1で比較した結果がPu1であり、三角波tr2と合成電圧指令値Vu*の大小を比較器27u2で比較した結果がPu2である。このPu1とPu2とをパルス分配器28uに入力する。
【0055】
パルス分配器28uは比較器27u1,27u2の出力であるPu1,Pu2を入力し、ゲート信号Gu1,Gu2を出力する。具体的には、Pu1,Pu2とGu1,Gu2の対応を搬送波半周期ごとに切り替え、2台の変換器が交互にバランス良く動作するようにパルスを分配する。
【0056】
図14にパルスの分配した際の合成電圧指令値Vu*、搬送波tr1,tr2、比較器27u1,27u2の出力Pu1,Pu2、ゲート信号Gu1,Gu2を示す。Pu1とPu2がバランス良くGu1,Gu2に分配しているので、スイッチングが均等になっている。Gu1はゲート信号Gu11になり、Gu1の反転がゲート信号Gu12となる。例えばGu1がオンであればGu12はオフ、Gu1がオフであればGu12はオンである。Gu2〜Gw2もGu1と同様にGu21〜Gw22を決定する。パルス分配器28u,28v,28wの出力であるGu11〜Gw22は単機変換器11と単機変換器12のIGBTのゲート信号であり、ゲート信号とIGBTの対応は前記(数2)式から(数4)式と同様である。
【0057】
図15に本実施例の動作波形を示す。直流部共通多重変換器のU相,V相,W相合成電圧Vu,Vv,Vwには周期が1/ftriで、3相同時同位相の電圧リプルが生じる。交流電流は3相平衡であり、相電流全てが正または全てが負になることが無く、交流電流と交流電圧の積である交流電力リプルは3相のうちいずれかの相が必ず逆位相となる。従って、各相の交流電力のリプルには打ち消し合う成分が生じ、各相の受け取る交流電力の和が直流電力に等しいために、直流電力のリプルを打ち消すことができる。このように直流電力のリプルを低減できるので直流電流のリプルを低減でき、コンデンサ電圧リプルを低減できる。
【0058】
以上より、本実施例によればリアクトル多重変換器において、スイッチング回数やスイッチング周波数を増すことなく直流電流リプルを低減し、コンデンサ電圧のリプルを低減でき、かつスイッチング回数も均一にできる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、直流部が共通である多重変換器の合成交流電圧リプルを同相にでき、該変換器の電力リプルは3相のうちいずれかが必ず逆位相となるため、直流電力のリプルを低減でき、コンデンサ電圧リプルを多重電力変換器の単機変換器のスイッチング回数を増やすことなく低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の直流部共通多重変換器の説明図である。
【図2】実施例1の信号波形の説明図である。
【図3】従来技術の直流部共通多重変換器の主回路である。
【図4】従来技術の直流部共通多重変換器の説明図である。
【図5】実施例1の信号波形の説明図である。
【図6】実施例1の動作波形の説明図である。
【図7】実施例2の直流部共通多重変換器の説明図である。
【図8】実施例2の直流負荷の説明図である。
【図9】実施例2の信号波形の説明図である。
【図10】実施例2の信号波形の説明図である。
【図11】実施例2の動作波形の説明図である。
【図12】実施例3の直流部共通多重変換器の説明図である。
【図13】実施例3の信号波形の説明図である。
【図14】実施例3の信号波形の説明図である。
【図15】実施例3の動作波形の説明図である。
【符号の説明】
1…直流部共通多重変換器、2…多重コンバータ一括PWM制御器、3…交流電源、4…負荷、10…トランス、11,12,13,14…単機変換器、15…コンデンサ、21…電圧指令発生器、22…交流電流検出器、23…電圧調整器、24…電流指令値発生器、25u,25v,25w…電流調整器、26…搬送波発生器、27u1〜27w4…比較器、28u,28v,28w…パルス分配器、29u,29v,29w…ゲート信号発生器、41…変換器、42…モータ、100…相間リアクトル。

Claims (2)

  1. 直流電圧を3相交流電圧に変換して直流電力を3相交流電力に変換、または3相交流電力を直流電力に変換する3相双方向電力変換器をn台備え、
    該3相双方向電力変換器の直流部が共通であり、該直流部にコンデンサが接続され、該複数の3相双方向電力変換器の交流出力端子をそれぞれ結線の等しい3相トランスに接続し、
    該トランスの系統側巻線を直列接続することで合成出力を得る直列多重電力変換器であって、
    該直列多重電力変換器の交流出力電圧の指令値を発生する手段と、
    該直列多重電力変換器の交流出力電圧指令値の領域を振幅方向にn等分し、交流出力電圧指令値の高電圧側の第1領域から第n領域のそれぞれの領域に振幅と位相が等しく直流バイアス値が異なるn個の搬送波を発生する手段と、
    該n個の搬送波と前記交流出力電圧の指令値を比較して、該交流出力電圧指令値が前記搬送波の辺もしくは頂点で交差するタイミングをスイッチングタイミングとする複数のPWM信号を生成する多重PWM制御手段と、
    該複数のPWM信号を、前記交流出力電圧の指令値が前記第1領域にある場合は、搬送波が下りから上りに変化する頂点ごとに前記複数の3相双方向電力変換器に切り替えて出力し、
    前記交流出力電圧の指令値が前記第n領域にある場合は、搬送波が上りから下りに変化する頂点ごとに前記複数の3相双方向電力変換器に切り替えて出力し、
    nが3以上で前記交流出力電圧の指令値が第2領域から第n−1(n>2)領域にある場合は、搬送波半周期ごとに前記複数の3相双方向電力変換器に切り替えて出力し、
    各3相双方向電力変換器のパルス数をn台の3相双方向電力変換器に均等分配するPWM分配手段とを備えた
    ことを特徴とする直列多重電力変換器。
  2. 直流電圧を3相交流電圧に変換して直流電力を3相交流電力に変換、または3相交流電力を直流電力に変換する3相双方向電力変換器をn台備え、
    該3相双方向電力変換器の直流部は共通であり、該直流部にコンデンサが接続され、該複数の3相双方向電力変換器の交流出力端子をそれぞれ結線の等しい3相トランスに接続し、
    該トランスの系統側巻線を直列接続して合成出力電圧を得る直列多重電力変換器の制御方法であって、
    該直列多重電力変換器の交流出力電圧の指令値を発生すること、
    直列多重電力変換器の交流出力電圧指令値の領域を振幅方向にn等分し、交流出力電圧指令値の高電圧側の第1領域から第n領域のそれぞれの領域に振幅と位相が等しく直流バイアス値が異なるn個の搬送波を発生すること、
    該n個の搬送波と前記交流出力電圧の指令値を比較して、該交流出力電圧指令値が前記搬送波の辺もしくは頂点で交差するタイミングをスイッチングタイミングとする複数のPWM信号を生成すること、
    該複数のPWM信号を、前記交流出力電圧の指令値が前記第1領域にある場合は、搬送波が下りから上りに変化する頂点ごとに前記複数の3相双方向電力変換器に切り替えて出力し、
    前記交流出力電圧の指令値が前記第n領域にある場合は、搬送波が上りから下りに変化する頂点ごとに前記複数の3相双方向電力変換器に切り替えて出力し、
    nが3以上で前記交流出力電圧の指令値が前記第2領域から第n−1(n>2)領域にある場合は、搬送波半周期ごとに前記複数の3相双方向電力変換器に切り替えて出力し、
    各3相双方向電力変換器のパルス数をn台の3相双方向電力変換器に均等分配することを特徴とする直列多重電力変換器の制御方法。
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