JP5291180B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置に関し、特に太陽電池などの分散電源の直流電力を三相出力の交流電力に変換して負荷に出力する電力変換装置に関するものである。
従来の電力変換装置として、太陽電池からの直流電力を三相出力の交流電力に変換して三相系統に連系する太陽光発電用電力変換装置に以下に示すものがある。
太陽電池の出力端子間に接続された平滑コンデンサを直流部とした3相インバータと、その各交流出力線にそれぞれ直列接続された単相インバータとでインバータ部を構成し、3相絶縁トランスを介して系統に連系する。3相インバータは、系統電圧半周期に対してパルス幅を半周期とする基本電圧パルス内に逆極性電圧パルスを出力し、各単相インバータは、半周期内で負担電力を概ゼロにすると共に、3相インバータの逆極性電圧パルスの発生期間では各相の目標出力電圧に共通電圧を減算する補正を行う(例えば、特許文献1参照)。
国際公開WO2008−102551号公報
上記のような従来の電力変換装置では、太陽電池に接続する三相インバータに三相2レベルインバータを用い、単相インバータの各相目標出力電圧に共通電圧を減算する補正を行って、単相インバータの出力電圧が大きくなるのを抑制している。このような単相インバータの出力補正は、三相2レベルインバータが逆極性電圧パルスを発生する期間のみであるため、通常、単相インバータの出力電圧が大きくなる位相が0、πの付近では変化がなく、単相インバータに必要な直流電圧の低減は限定的なものであった。
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、3相インバータ回路の各交流出力線に直列接続される単相インバータに必要な直流電圧を効果的に低減して、装置構成の小型化、低コスト化を図ると共に、電力変換の変換効率を高めることを目的とする。
この発明による電力変換装置は、第1の直流電源の正負端子間に接続された三相3レベルインバータと、該三相3レベルインバータの1レベルの電圧より小さい直流電圧を入力とし、該三相3レベルインバータの各相交流出力線にそれぞれ1あるいは複数直列接続された単相インバータとを備え、上記三相3レベルインバータの各相は、上記負荷への各相出力電圧の半周期に対して1パルスの電圧を出力し、上記各単相インバータはPWM制御により出力して、上記三相3レベルインバータの出力電圧と上記各単相インバータの出力電圧との総和を平滑フィルタを介して負荷に出力する。そして、上記負荷への各相出力電圧は、上記第1の直流電源の基準電位からゼロあるいは一定の直流電位を有した点を基準とし、各相が2π/3ずつ異なる位相で同じ波高値を有する正弦波電圧成分、および三相に共通する零相交流電圧成分を有するものである。
この発明による電力変換装置は、三相3レベルインバータと単相インバータとを組み合わせて、正弦波電圧成分と三相に共通な零相交流電圧成分とを有する電圧を出力するため、三相交流出力において三相平衡した線間電圧を保ちつつ、単相インバータの出力電圧を小さくでき、単相インバータに必要な直流電圧を効果的に低減できる。このため、単相インバータの各素子を低耐圧素子で構成でき装置構成の小型化、低コスト化が促進すると共に、スイッチング損失の低減により電力変換効率を向上できる。
この発明の実施の形態1による三相インバータ回路の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1による補償電源の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1による正弦波電圧および三相3レベルインバータの出力電圧の波形図である。 この発明の実施の形態1による正弦波電圧から三相3レベルインバータの相電圧を差し引いた差電圧の波形図である。 この発明の実施の形態1による正弦波電圧から三相3レベルインバータの相電圧を差し引いた各相差電圧の波形図である。 この発明の実施の形態1による単相インバータにおける重畳零相電圧の生成を説明する波形図である。 この発明の実施の形態1による単相インバータにおける制限後重畳零相電圧の波形図である。 この発明の実施の形態1による単相インバータの出力電圧指令の波形図である。 この発明の実施の形態1による三相インバータ回路の各相出力電圧の波形図である。 この発明の実施の形態1による三相インバータ回路の各線間電圧の波形図である。 この発明の実施の形態1による補償電源の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態2による三相インバータ回路の動作の比較例を説明する波形図である。 この発明の実施の形態2による三相インバータ回路の動作を説明する波形図である。 この発明の実施の形態3による単相インバータの出力電圧指令の波形図である。 この発明の実施の形態4による三相インバータ回路の構成を示す図である。 この発明の実施の形態5による三相インバータ回路の構成を示す図である。 この発明の実施の形態6による三相インバータ回路の構成を示す図である。 この発明の実施の形態7による三相インバータ回路の構成を示す図である。 この発明の実施の形態7による三相3レベルインバータの動作を説明する図である。 この発明の実施の形態8による三相インバータ回路の構成を示す図である。 この発明の実施の形態9による三相インバータ回路の構成を示す図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による電力変換装置を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による電力変換装置としての三相インバータ回路1の構成図である。三相インバータ回路1は、第1の直流電源2からの直流電力を三相交流電力に変換して負荷7に出力するもので、第1の直流電源2は、アースとの間に浮遊静電容量17を持つ太陽電池などの直流電源である。負荷7は負荷接地点16aで接地される。
三相インバータ回路1は、第1の直流電源2の電圧を母線電圧とする三相3レベルインバータ3と、三相3レベルインバータ3の各相交流出力線にそれぞれ直列接続された単相インバータ4と、単相インバータ4の後段に接続され、図示しないリアクトルおよびコンデンサから成る三相の平滑フィルタ6とを備える。
三相3レベルインバータ3の各相は、それぞれダイオードが逆並列接続されたIGBT等から成る半導体スイッチング素子8を4個と、2個のクランプダイオード9とから構成される。また、三相3レベルインバータ3は、第1の直流電源2を分圧する2直列のコンデンサとして、第1の直列コンデンサ10、第2の直列コンデンサ11を備え、第1の直列コンデンサ10と第2の直列コンデンサ11との接続点が、各相の2個のクランプダイオード9の接続点に接続される。即ち、第1の直列コンデンサ10と第2の直列コンデンサ11との接続点は、第1の直流電源2の電圧を2分割する電位点である中性点となり、各相の上下各アームを構成する2つの半導体スイッチング素子8の接続点が中性点電位にクランプされる。
各単相インバータ4は、4個の半導体スイッチング素子12から成るフルブリッジインバータと、電圧を保持する直流コンデンサ5とを備える。各相の単相インバータ4の出力電圧は、三相3レベルインバータ3の各相の出力電圧に重畳され、三相3レベルインバータ3の出力電圧と各単相インバータ4の出力電圧との電圧和を、平滑フィルタ6を介して負荷7に出力する。また、負荷7の前段には、通常、漏電電流を検出して遮断動作を行う漏電遮断器18が配設される。
なお、各単相インバータ4の直流コンデンサ5の電圧は、第1の直流電源2の電圧の1/2(あるいは第1、第2の直列コンデンサ10、11の電圧)に比べて小さく設定されている。即ち、直流コンデンサ5の電圧は三相3レベルインバータ3の1レベルの電圧より小さい。また、図1では、便宜上、3つの各単相インバータ4の内、1相のみの回路構成を図示し他の相を省略した。
また、第1の直流電源2の出力線である低圧側直流母線36(以下、直流N母線36と称す)および高圧側直流母線37(以下、直流P母線37と称す)は三相インバータ回路1の動作により電位変動し、第1の直流電源2の浮遊静電容量17から負荷接地点16a、負荷7を通り三相インバータ回路1の経路で零相電流が流れる。この零相電流を流さないために、直流N母線36および高圧側直流母線37の電位変動を補正する補償電源13が、アースと第1の直流電源2の一方の出力線、この場合、直流N母線36の補償電圧給電点15との間に接続される。16bは、補償電源13の接地点である。この補償電源13は、図2に示すように、第2の直流電源19と単相インバータ13aとから成る。
三相3レベルインバータ3、各単相インバータ4および補償電源13は、CPUやDSP、FPGAなどによる演算が可能な出力制御装置14から出力される三相3レベルインバータ制御信号14a、単相インバータ制御信号14b、補償電源制御信号14cにより駆動制御される。
このように構成される三相インバータ回路1の動作を、図3〜図10に示す電圧波形に基づいて以下に説明する。波形の電位は、第1の直列コンデンサ10と第2の直列コンデンサ11との接続点である中性点を基準とした電位である。
図3に、三相インバータ回路1が出力する1相分、例えばU相の正弦波電圧成分の電圧指令となる正弦波電圧20と、三相3レベルインバータ3のU相が出力する電圧波形(三相3レベルインバータ電圧21)とを示す。
第1の直流電源2により出力される直流電圧は、第1の直列コンデンサ10と第2の直列コンデンサ11との直列体に充電される。第1の直流電源2、第1の直列コンデンサ10、および第2の直列コンデンサ11の電圧は検出され、各検出電圧値は出力制御装置14へ伝送される。
出力制御装置14からの三相3レベルインバータ制御信号14aにより、三相3レベルインバータ3の各相は、第1の直列コンデンサ10および第2の直列コンデンサ11の直流電圧を入力電圧とし、第1の直列コンデンサ10の電圧値、第2の直列コンデンサ11の電圧値の各電圧値(あるいは第1の直流電源2の電圧の1/2の電圧値)に相当する波高値、この場合200Vの電圧パルスを、正弦波電圧20に対して半周期に1パルスの割合で出力する。この半周期に1パルスの電圧パルスを、以下、主電圧パルス21aと称す。ここでは、正弦波電圧20の一周期に、該正弦波電圧20の正側に1パルス、負側に1パルスの主電圧パルス21aを出力する。この主電圧パルス21aは、単相インバータ4の半周期(あるいは1周期)の電力収支が0となるように出力されるが、この制御についての詳細は後述する。
正弦波電圧20から三相3レベルインバータ電圧21(1相分)を減算して得られる1相分の差電圧22の電圧波形を図4に示す。図5は、各相の正弦波電圧20から各相の三相3レベルインバータ電圧21を減算して得られる各相差電圧(U相差電圧22a、V相差電圧22b、W相差電圧22c)の電圧波形を示す図である。
各相の単相インバータ4が、仮に各相差電圧22a〜22cを出力すると、3相インバータ回路1は正弦波電圧20を出力することになるが、各相の単相インバータ4は、以下に詳述するように、各相差電圧22a〜22cに三相共通の電圧を重畳した出力電圧指令に基づいて出力する。
まず、図6(a)に示すように、各相差電圧(U相差電圧22a、V相差電圧22b、W相差電圧22c)における各時点の最大値と最小値との平均値を採った平均電圧23を演算し、図6(b)に示すように、平均電圧23の極性を反転させて重畳零相電圧24を生成する。そして、図7に示すように、+側、−側共に電圧の制限を設けて、重畳零相電圧24を制限して制限後重畳零相電圧25とする。+側の制限は正極零相制限値26a、−側の制限は負極零相制限値26bである。制限後重畳零相電圧25の電圧レベルの目安は人体に影響を与えない電圧である。
次いで、図8に示すように、各相差電圧22a〜22cに三相共通の電圧である制限後重畳零相電圧25を重畳して各相の単相インバータ出力電圧指令27a〜27cを生成する。なお、図8では、簡略のためにU相の1相分のみ図示する。
各相の単相インバータ4は、単相インバータ出力電圧指令27a〜27cにより高周波PWM制御されて出力する。また各単相インバータ4は、このPWM制御において負荷7への出力電流が正弦波となるように制御される。各相差電圧22a〜22cの波形ピーク値は、例えば±125Vであったが、単相インバータ出力電圧指令27a〜27cでは波形ピーク値を各段と小さく(減少分28)でき、この電圧を出力するために必要な各単相インバータ4の母線電圧を各段と低減できる。
各相の単相インバータ4の出力電圧は、三相3レベルインバータ3の各相の出力電圧に重畳され、三相3レベルインバータ3の出力電圧と各単相インバータ4の出力電圧との電圧和を、平滑フィルタ6を介して負荷7に出力する。図9に、三相3レベルインバータ3の出力電圧と各単相インバータ4の出力電圧との電圧和である三相インバータ回路1の各相出力電圧29a〜29cを示す。
負荷7への各相出力電圧29a〜29cは、正弦波電圧20である各相の正弦波電圧成分、即ち、第1の直列コンデンサ10と第2の直列コンデンサ11との接続点である中性点の電位を基準に、各相が2π/3ずつ異なる位相で、同じ波高値を有する正弦波に、三相共通の零相交流電圧成分となる制限後重畳零相電圧25を重畳した電圧となる。
このように、負荷7への各相出力電圧29a〜29cは、各相の正弦波電圧成分に三相共通の制限後重畳零相電圧25を重畳した電圧であるが、三相共に同じ零相電圧が重畳されても相間の電圧差は一定で線間電圧波形には変化はない。三相インバータ回路1が出力する各線間電圧30a〜30cの波形を図10に示す。各線間電圧波形は正弦波になり、各相の電圧が三相共通の零相交流電圧成分を有しても波形歪みには問題がない。
次に、3相インバータ回路1に設けられた補償電源13の動作について図11に基づいて以下に説明する。
三相インバータ回路1の各相出力電圧29a〜29cは、零相交流電圧成分(制限後重畳零相電圧25)を有するため、第1の直流電源2の配線電位を変動させ、第1の直流電源2の浮遊静電容量17から負荷接地点16a、負荷7を通り三相インバータ回路1の経路に零相電流34を流そうとする。この零相電流34を流さないために、補償電源13により、補償電圧給電点15を基準にアース(接地点16b)へ向けて制限後重畳零相電圧25と同じ値の電圧を印加する。これは、アース電位を基準にして制限後重畳零相電圧25と逆極性で同じ大きさの電圧を補償電圧給電点15に印加するのと同じことである。
補償電源13が動作すると、補償電源13の接地点電位と、負荷7の三相インバータ回路1側の端子電圧が同じになり、即ち、負荷端子のアースからの電位差が0となる。これにより零相電流34は流れなくなり、代わりに補償電圧給電点15から第1の直流電源2の浮遊静電容量17とアースの経路で流れる補償電流33だけが流れる。
補償電流33が零相電流34に代わって流れることについて、以下に説明する。
仮に、負荷7の中性点が接地されていないと仮定すると、零相交流電圧成分(制限後重畳零相電圧25)は、負荷7の中性点と第1、第2の直列コンデンサ10、11の接続点(中性点)との間に発生する電圧となる。次に、この状態で負荷7の中性点を接地すると、つまり図11の構成とすると、負荷7の中性点と第1、第2の直列コンデンサ10、11の接続点との間に発生する零相交流電圧成分(以下、単に零相交流電圧とする)は浮遊静電容量17にかかり、これを充放電する電流が浮遊静電容量17に流れる。この充放電電流が零相電流34であるが、補償電源13が動作して、零相交流電圧を充放電する電流(補償電流33)を浮遊静電容量17に流せば、負荷7の中性点を通る充放電電流、即ち零相電流34は流れなくなる。つまり浮遊静電容量17にかかる零相交流電圧を補償電源13が予め発生するフィードフォワード制御を行うことで、浮遊静電容量17を流れる電流は全て補償電源13を経由する。
このように、単相インバータ出力電圧指令27a〜27cに重畳した三相共通の制限後重畳零相電圧25と同じ電圧を、補償電源13が出力することで、零相電流34をほぼゼロにできる。また、この零相電流34は各相の3つの電流を合算したもので、つまり漏電電流となるため、零相電流34が発生すると図1で示した漏電遮断器18が経路を遮断してしまう問題があった。この場合、漏電電流となる零相電流34をゼロにできるため、漏電遮断器18の誤作動を防止できると共に、三相インバータ回路1の電力変換効率が向上する。
次に、三相3レベルインバータ3の主電圧パルス21aの出力制御および単相インバータ4の電力収支について、図3を参照して以下に説明する。
上述したように、主電圧パルス21aは、単相インバータ4の半周期あるいは1周期の電力収支が0となるように出力される。三相3レベルインバータ3は、三相インバータ回路1全体の各相出力電圧29a〜29cにより出力される電力と同等の電力を主電圧パルス21aにより出力すれば良い。各相出力電圧29a〜29cは、正弦波電圧20の電圧成分と零相交流電圧成分とを有するが、零相電流が流れないときは、零相交流電圧成分は電力に影響しないため、三相インバータ回路1全体の各相出力電圧を正弦波電圧20のみと考えて主電圧パルス21aを出力制御する。
即ち、正弦波電圧20と三相3レベルインバータ3の各相の出力電圧との差を補うように単相インバータ4は出力すると考えるため、三相3レベルインバータ3は、正弦波電圧20により出力される電力と同等の電力を主電圧パルス21aにより出力すれば良い。
出力電流の位相を出力電圧の位相に一致するよう制御する(力率1運転)場合、正弦波電圧20のピーク電圧をVp、三相インバータ回路1に入力する直流電圧(ここでは、第1の直流電源2の電圧、あるいは、第1の直列コンデンサ10の電圧と第2の直列コンデンサ11の電圧との和)の1/2をEdとする場合、Vpは次の式(1)で表せる。但し、θ1(0<θ1<π/2)は主電圧パルス21aが立ち上がる位相である。
Figure 0005291180
上記式(1)から、主電圧パルス21aが立ち上がる位相θ1は、以下の式(2)となる。
Figure 0005291180
この様に演算される位相(nπ+θ1)で立ち上がるパルス幅が(π−2θ1)の電圧パルスが、主電圧パルス21aとなる。出力制御装置14では、以上の演算を行い、演算結果を基にした三相3レベルインバータ制御信号14aを三相3レベルインバータ3へ送り、三相3レベルインバータ3を出力制御する。なお、上記演算では主電圧パルス21aが立ち上がる位相θ1を演算したが、この位相θ1を決定することは、パルス幅(π−2θ1)を決定することと同じである。
以上のようにこの実施の形態では、三相3レベルインバータ3と単相インバータ4を用い、第1の直列コンデンサ10と第2の直列コンデンサ11との接続点である中性点の電位を基準に、各相が2π/3ずつ異なる位相で、同じ波高値を有する正弦波電圧20の成分、および三相に共通する零相交流電圧(制限後重畳零相電圧25)の成分を各相出力電圧29a〜29cに有する。このため、三相交流出力において三相平衡した線間電圧30a〜30cを保ちつつ、単相インバータ4の出力電圧を零相交流電圧の分だけ小さくでき、単相インバータ4に必要な直流電圧を効果的に低減できる。このため、単相インバータ4の各素子を低耐圧素子で構成でき装置構成の小型化、低コスト化が促進すると共に、スイッチング損失が低減できて電力変換効率が向上する。
また、三相インバータ回路1は、三相3レベルインバータ3の出力電圧と各単相インバータ4の出力電圧との和による電圧を出力するため、三相インバータ回路1の直流入力電圧である第1の直流電源2の電圧よりも高い電圧を出力できる。また、三相3レベルインバータ3の各相は、半周期で1パルス運転が為されるため、スイッチング損失がほとんど発生しない。高周波でPWM制御される単相インバータ4の直流電圧は、比較的小さな値に選定されているので、PWM制御によるスイッチング損失が小さく、平滑フィルタ6の容量も小さいものでよい。このため、三相インバータ回路1は、小型で低コスト、電力変換効率の高い装置構成となる。
また、各単相インバータ4は、各相の正弦波電圧20から各相の三相3レベルインバータ電圧21を差し引いた各相差電圧22a〜22cに共通の零相交流電圧を重畳した各相の単相インバータ出力電圧指令27a〜27cに基づいて、PWM制御により出力するため、上記効果が確実に得られる。
また、単相インバータ出力電圧指令27a〜27cに重畳される零相交流電圧は、所定の電圧値で制限された制限後重畳零相電圧25としている。この零相交流電圧を無制限にすると、三相インバータ回路1が扱う電圧によっては数百ボルトになることもあるが、所定の電圧値、例えば、人体への影響がないレベルの電圧に制限することで、第1の直流電源2、補償電源13あるいはこれらの配線に人が接触する可能性のある保守・点検等の作業の安全性を向上させることができる。
また、各単相インバータ4は、負荷7への出力電流が正弦波となるようPWM制御されるため、高い力率で変換効率の高い制御が行える。
また各単相インバータ4の半周期あるいは1周期の出力電力収支が0となるように、三相3レベルインバータ3が出力する主電圧パルス21aのパルス幅を制御するため、各単相インバータ4は外部から電力授受する直流電源を備える必要がなく、装置構成を小型化、簡略化できる。
また、直流N母線36と接地電位との間に接続された補償電源13を備えて、零相交流電圧(制限後重畳零相電圧25)と同じ電圧をアースに向けて出力したため、浮遊静電容量17、三相インバータ回路1および負荷7を流れる零相電流34をゼロとすることができる。
なお、補償電源13は、直流P母線37と接地電位との間に接続しても良く、同様の動作により同様の効果が得られる。
また、このように補償電源13の出力電圧を制御して零相電流34を流さないようにするため、次のような効果を有する。零相電流34は、通常、負荷7の前段に配設される漏電遮断器18に漏電電流として検出されるが、零相電流34が流れないため漏電遮断器18の誤作動を防止できると共に、三相インバータ回路1の電力変換効率が向上する。また、零相電流34が流れる原因は、各相出力電圧29a〜29cが零相交流電圧成分を有することであるが、補償電源13を動作させることで零相電流34をキャンセルできるため、単相インバータ4に必要な直流電圧を低減するために、所望の大きさで零相交流電圧成分を生成できる。
また、補償電源13は、第2の直流電源19と単相インバータ13aとで構成されて、出力制御装置14から出力される補償電源制御信号14cにより駆動制御されて所望の交流電圧を発生させるため、零相電流34をゼロにできる電圧を制御性良く確実に発生でき、上記効果が得られる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、三相3レベルインバータ3は、正弦波電圧20により出力される電力と同等の電力を主電圧パルス21aにより出力するように、主電圧パルス21aのパルス幅(あるいは立ち上がり位相)を決定したが、他の手法でパルス幅を決定することもできる。この実施の形態では、単相インバータ4の半周期あるいは1周期の電力積算値を演算して、その電力積算値が0となるように主電圧パルス21aのパルス幅を求める。
三相3レベルインバータ3の主電圧パルス21aのパルス幅と、単相インバータ4の出力電力との関係を、図12、図13に基づいて以下に説明する。図12は、単相インバータ4の半周期の電力積算値が正となる比較例の場合で、図13は、図12の場合より主電圧パルス21aのパルス幅を拡げ、単相インバータ4の半周期の電力積算値を0とした場合を示す。なお、便宜上、半周期の波形のみを図示している。
また、上記実施の形態1で説明したように、三相インバータ回路1の各相出力電圧29a〜29cは、正弦波電圧20の電圧成分と零相交流電圧成分とを有するが、零相電流が流れないときは、零相交流電圧成分は電力に影響しないため、三相インバータ回路1全体の各相出力電圧を正弦波電圧20のみと考えて主電圧パルス21aのパルス幅を求める。
図12(a)、図13(a)に示すように、正弦波電圧20の電圧波形に対して、三相3レベルインバータ3は半周期に1パルスの主電圧パルス21aを出力する。
そして、図12(b)、図13(b)に示すように、三相3レベルインバータ3の主電圧パルス21aと正弦波電圧20との差の電圧波形が得られるように、単相インバータ4はPWM制御により平均的な電圧22dを出力する。例えば、三相3レベルインバータ3が太陽光パワーコンデショナの場合、負荷7への出力電流は力率1の場合が多い。力率1の場合、出力電流31の電流波形は、正弦波電圧20と同じ位相の正弦波となる。
そして、出力電圧22dと出力電流31との積である単相インバータ4の出力電力32は、図12(c)、図13(c)に示す波形となる。図12(c)では、単相インバータ4の出力電力26の半周期の積算値は正となるため、単相インバータ4の直流コンデンサ5には外部に電源が必要となる。図13(c)では、主電圧パルス21aのパルス幅を拡げ、この場合、単相インバータ4の負の出力電力32が増加し、半周期の電力積算値がゼロとなる。
この実施の形態では、単相インバータ4の半周期あるいは1周期の電力積算値が0となるように主電圧パルス21aのパルス幅を決定する。各単相インバータ4の半周期あるいは1周期の電力収支が0となるように制御されるため、各単相インバータ4の直流コンデンサ5は外部から電力授受する直流電源を持たない簡便な構成にできる。
実施の形態3.
上記実施の形態1では、所定の電圧値で制限された制限後重畳零相電圧25を零相交流電圧としたが、この実施の形態3では、電圧制限を設けない。
第1の直流電源2やその配線、および補償電源13やその配線に電圧制限の必要がない場合、単相インバータ出力電圧指令27a〜27cに重畳される零相交流電圧は電圧制限せずに用いることができる。即ち、各相の正弦波電圧20から各相の三相3レベルインバータ電圧21を減算して得られる各相差電圧(U相差電圧22a、V相差電圧22b、W相差電圧22c)における各時点の最大値と最小値との平均値を採った平均電圧23を演算し(図6(a)参照)、平均電圧23の極性を反転させて重畳零相電圧24を生成する(図6(b)参照)。そして、図14に示すように、各相差電圧22a〜22cに三相共通の電圧である重畳零相電圧24を零相交流電圧成分として重畳し、各相の単相インバータ出力電圧指令38a〜38cを生成する。なお、図14では、簡略のためにU相の1相分のみ図示する。
各相の単相インバータ4は、単相インバータ出力電圧指令38a〜38cにより高周波PWM制御されて出力する。また各単相インバータ4は、このPWM制御において負荷7への出力電流が正弦波となるように制御される。各相差電圧22a〜22cの波形ピーク値は、例えば±125Vであったが、単相インバータ出力電圧指令38a〜38cでは、零相交流電圧に電圧制限を設けた上記実施の形態1の場合よりもさらに波形ピーク値を小さく(減少分39)でき、この電圧を出力するために必要な各単相インバータ4の直流電圧をさらに低減できる。このため、単相インバータ4を構成する素子の耐圧をさらに低く設計でき、単相インバータ4でのスイッチング損失もさらに低減できる。
また、単相インバータ出力電圧指令27a〜27cに重畳される零相交流電圧は、各時点の各相差電圧22a〜22cにおける最大値と最小値との平均電圧から成る交流電圧の極性を反転させた電圧であるため、各相の電圧出力負担の瞬時アンバランスが緩和される。
なお、この場合、補償電源13は、零相交流電圧成分である重畳零相電圧24と同じ電圧をアースに向けて出力する。これにより、上記実施の形態1と同様に、浮遊静電容量17、三相インバータ回路1および負荷7を流れる零相電流34をゼロにすることができる。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4による電力変換装置を図に基づいて説明する。
図15は、この発明の実施の形態4による電力変換装置としての三相インバータ回路1の構成図である。この実施の形態では、補正電源13が接続された電位、この場合、直流N母線36の補償電圧給電点15から各相の零相電圧測定点50a〜50cまでの電圧をそれぞれ検出する各相電位差検出器51(51a〜51c)を備える。そして、検出された電圧値は出力制御装置14へ伝送され、出力制御装置14では該検出電圧値に基づいて零相交流電圧成分を演算して補償電源13を制御する。なお、図15では漏電遮断器18を省略したものを示したが、各相の零相電圧測定点50a〜50cは、漏電遮断器18を通る電流経路にあることが望ましい。
その他の構成は、上記実施の形態1の図1で示した構成と同様である。
U相電位差検出器51a、V相電位差検出器51b、W相電位差検出器51cがそれぞれ検出する補償電圧給電点15から各相の零相電圧測定点50a〜50cまでの検出電圧Vun、Vvn、Vwnは、出力制御装置14へ伝送され、出力制御装置14では三相インバータ回路1が出力した零相交流電圧成分である零相電圧Vzeroを、以下の式で計算する。
Vzero=(Vun+Vvn+Vwn)/3
そして、出力制御装置14は、補正電源制御信号14cにより補償電源13を出力制御して、補償電圧給電点15を基準にアース(接地点16b)へ向けて零相電圧Vzeroを印加する。これにより、補償電源13の接地点電位と、各相の零相電圧測定点50a〜50cの電位(零相分)が同じになって零相電流34は流れなくなり、代わりに、補償電圧給電点15から第1の直流電源2の浮遊静電容量17とアースの経路で流れる補償電流33だけが流れる(図11参照)。
この実施の形態では、補償電圧給電点15から各相の零相電圧測定点50a〜50cまでの電位差を検出して、補償電源13が出力すべき電圧を演算するため、補償電源13は、三相インバータ回路1が出力する零相交流電圧成分と同じ電圧を確実に出力することができる。このため、零相電流34を流さない制御が確実に実現できる。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5による電力変換装置を図に基づいて説明する。
図16は、この発明の実施の形態5による電力変換装置としての三相インバータ回路1の構成図である。この実施の形態では、三相インバータ回路1から負荷7に流れる零相電流34を三相の電流差から検出する零相電流検出器53を、三相インバータ回路1の出力と負荷7との間に備える。そして、検出された電流値55は、矢印54の方向を正極性として、出力制御装置14に伝送され、出力制御装置14では電流値55が0となるように補償電源13を制御する。その他の構成は、上記実施の形態1の図1で示した構成と同様である。
零相電流34の電流値55が正極性の場合、補償電源13は、補償電圧給電点15からアースに負極性の電圧を発生し、電流値55が0になるように制御する。また電流値55が負極性の場合、補償電圧給電点15からアースに正極性の電圧を発生し、電流値55が0になるように制御する。
この実施の形態では、零相電流34を検出して、検出された電流値55が0となるように補償電源13の出力電圧の大きさと極性を制御することで、確実に零相電流34をなくすことができる。
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6による電力変換装置を図に基づいて説明する。
図17は、この発明の実施の形態6による電力変換装置としての三相インバータ回路1の構成図である。この実施の形態では、三相3レベルインバータ3の各相交流出力線にそれぞれ複数台(この場合2台)の単相インバータ4、4aを直列接続する。各相2台の単相インバータ4、4aは、同様の構成であり、便宜上、1つの単相インバータ4のみ回路構成を図示し、他を省略した。
そして、三相3レベルインバータ3、各単相インバータ4、4aは、CPUやDSP、FPGAなどによる演算が可能な出力制御装置14から出力される三相3レベルインバータ制御信号14、単相インバータ制御信号14b、14baにより駆動制御される。また、出力制御装置14は、上記実施の形態1と同様に補償電源13を制御する。
その他の構成は、上記実施の形態1の図1で示した構成と同様である。
この実施の形態では、各相において複数台の単相インバータ4、4aを有しているため、複数台の単相インバータ4、4aの出力電圧の和の出力指令を生成する際に、上記実施の形態1あるいは実施の形態3と同様に零相交流電圧成分を重畳する。各相の複数台の単相インバータ4、4aの出力電圧は、三相3レベルインバータ3の各相の出力電圧に重畳され、その電圧和を、平滑フィルタ6を介して負荷7に出力する。そして、補償電源13により、零相交流電圧成分と同じ電圧を発生させることにより、上記実施の形態1、3と同様の効果が得られる。
また、三相3レベルインバータ3の各相交流出力線にそれぞれ複数台(この場合2台)の単相インバータ4、4aを直列接続するため、各単相インバータ4、4aが出力する電圧を低減でき、スイッチング損失が低減する。また、単相インバータ4、4aの直列数を増加するとキャリア波の周波数を下げてもよく、さらにスイッチング損失が低減する。
なお、上記実施の形態4、5を適用して補償電源13を制御しても良く、同様に零相電流34を流さない効果が得られる。
実施の形態7.
次に、この発明の実施の形態7による電力変換装置を図に基づいて説明する。
図18は、この発明の実施の形態7による電力変換装置としての三相インバータ回路1の構成図である。この実施の形態では、第1の直流電源2の電圧を昇圧する昇圧回路40を設け、昇圧回路40の出力電圧を三相3レベルインバータ3の直流入力電圧とする。昇圧回路40は、例えば、リアクトル41、第1の直流電源2の直流N母線36と直流P母線37との間に接続されたスイッチ42、および一方向の電流を流して第1、第2の直列コンデンサ10、11を充電するダイオード43で構成される。
その他の構成は、上記実施の形態1の図1で示した構成と同様で、三相3レベルインバータ3、各単相インバータ4および補償電源13は、上記実施の形態1と同様に制御される。
第1の直流電源2が、例えば太陽電池のような自然エネルギを利用する電源の場合、気象変化等で出力電圧は常に変化する。太陽電池では、朝夕、曇りの時に出力電圧が低下する。三相3レベルインバータ1の出力可能な交流電圧は、三相3レベルインバータ3の母線電圧値である、第1の直列コンデンサ10の電圧値と第2の直列コンデンサ11の電圧値により決まる。
図19は、第1の直流電源2の電圧と三相3レベルインバータ3が出力する主電圧パルス21aのパルス幅の関係を示す図である。負荷7への出力電圧は三相、200Vrmsとした。図19に示すように、第1の直流電源電圧が256.51Vより低い電圧の時、昇圧回路40により256.51Vまで昇圧する。第1の直流電源電圧が256.51V以上になると、主電圧パルス21aのパルス幅を短くする。そして、第1の直流電源電圧が362.7Vまで、単相インバータ4の電力収支が0となるような主電圧パルス21aが生成できる。
この実施の形態では、昇圧回路40により第1の直流電源2の電圧を昇圧して、三相3レベルインバータ3の直流入力電圧となる第1、第2の直列コンデンサ10、11の電圧値を、所望の交流電圧が出力可能の電圧まで高くした。このため、第1の直流電源2が低い電圧から三相インバータ回路1の波形出力が可能になり、三相インバータ回路1の動作可能範囲が拡がる。
なお、この実施の形態では、昇圧回路40を上記実施の形態1で示した電力変換装置に適用したものを示したが、上記実施の形態2〜6の各実施の形態を適用しても良い。
なお、上記実施の形態1〜7では、補償電源13を設けて零相電流34を流さないよう制御したが、零相電流34が問題にならない場合は、補償電源13を備えずに零相電流に係わる制御をしないものであっても良い。その場合も、三相交流出力において三相平衡した線間電圧30a〜30cを保ちつつ、単相インバータ4の出力電圧を零相交流電圧の分だけ小さくでき、単相インバータ4に必要な直流電圧を効果的に低減できる。このため、単相インバータ4の各素子を低耐圧素子で構成でき装置構成の小型化、低コスト化が促進すると共に、スイッチング損失が低減できて電力変換効率が向上する。
実施の形態8.
次に、この発明の実施の形態8による電力変換装置を図20に基づいて説明する。
図20に示すように、三相インバータ回路1の各相出力と負荷7との間に、三相インバータ回路1が出力する電荷量以上の静電容量を持つコンデンサ44を直列接続して備え、第1の直流電源2の出力端子の低圧側が接地点45で接地される。この場合、上記実施の形態1で示した浮遊静電容量17がなく、浮遊静電容量17を流れる零相電流34の発生もないため、補償電源13を備えない。その他の構成は上記実施の形態1の図1で示した構成と同様で、三相インバータ回路1は上記実施の形態1と同様に制御され、単相インバータ4の出力電圧を零相交流電圧の分だけ小さくでき、単相インバータ4に必要な直流電圧を効果的に低減できる。
第1の直流電源2を接地した場合、三相インバータ回路1の各相の出力電圧は、第1の直流電源2の電圧の1/2の電圧値、あるいは第2の直列コンデンサ11の電圧値を中性点電位として出力するため、その直流電圧分だけ加算された波形を出力する。この実施の形態では、各相にコンデンサ44を備えたため、これらのコンデンサ44が直流成分をカットして、交流成分だけを負荷7に出力する。このように負荷7へ出力される直流電圧成分を遮断するため、負荷7となる系統に出力して系統に連系できる。
実施の形態9.
次に、この発明の実施の形態9による電力変換装置を図21に基づいて説明する。
図21に示すように、三相インバータ回路1と負荷7との間に、絶縁が可能な絶縁トランス46を配置し、第1の直流電源2の出力端子の低圧側が接地点45で接地される。この絶縁トランス46は巻き数比による一般的な昇圧機能を備えてもよい。この場合、絶縁トランス46により零相電流経路が遮断されているため、零相電流34が流れず補償電源13を備えない。その他の構成は上記実施の形態1の図1で示した構成と同様で、三相インバータ回路1は上記実施の形態1と同様に制御され、単相インバータ4の出力電圧を零相交流電圧の分だけ小さくでき、単相インバータ4に必要な直流電圧を効果的に低減できる。
第1の直流電源2を接地した場合、三相インバータ回路1の各相の出力電圧は、第1の直流電源2の電圧の1/2の電圧値、あるいは第2の直列コンデンサ11の電圧値を中性点電位として出力するため、その直流電圧分だけ加算された波形を出力する。この実施の形態では、絶縁トランス46を備えたため、絶縁トランス46により直流成分がカットされ、交流成分だけを負荷7に出力する。このように負荷7へ出力される直流電圧成分を遮断するため、負荷7となる系統に出力して系統に連系できる。また、絶縁トランス46で昇圧すると、高い交流電圧が出力可能になる。

Claims (14)

  1. 第1の直流電源の正負端子間に接続された三相3レベルインバータと、該三相3レベルインバータの1レベルの電圧より小さい直流電圧を入力とし、該三相3レベルインバータの各相交流出力線にそれぞれ1あるいは複数直列接続された単相インバータとを備え、
    上記三相3レベルインバータの各相は、上記負荷への各相出力電圧の半周期に対して1パルスの電圧を出力し、上記各単相インバータはPWM制御により出力して、上記三相3レベルインバータの出力電圧と上記各単相インバータの出力電圧との総和を平滑フィルタを介して負荷に出力し、
    上記負荷への各相出力電圧は、上記第1の直流電源の基準電位からゼロあるいは一定の直流電位を有した点を基準とし、各相が2π/3ずつ異なる位相で同じ波高値を有する正弦波電圧成分、および三相に共通する零相交流電圧成分を有することを特徴とする電力変換装置。
  2. 上記各単相インバータは、各相の上記正弦波電圧成分から上記三相3レベルインバータの相電圧を差し引いた各相差電圧に共通の上記零相交流電圧成分を重畳した各相出力電圧指令に基づき、PWM制御により出力することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 上記各相出力電圧指令に重畳される上記零相交流電圧成分は、各時点の上記各相差電圧における最大値と最小値との平均電圧から成る交流電圧の極性を反転させた電圧であることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 上記零相交流電圧成分は、所定の電圧値で制限されて上記各単相インバータの上記各相出力電圧指令に重畳されることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
  5. 上記各単相インバータは、上記負荷への出力電流が正弦波となるようPWM制御されることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
  6. 上記各単相インバータの半周期あるいは1周期の出力電力収支が0となるように、上記三相3レベルインバータが出力する上記1パルスのパルス幅を制御することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  7. 上記第1の直流電源の電圧を昇圧する昇圧回路を設け、該昇圧回路の出力電圧を上記三相3レベルインバータの直流入力とすることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  8. 上記第1の直流電源はアースとの間に浮遊の静電容量を有し、上記負荷は接地され、
    上記第1の直流電源の一方の出力端子と接地電位との間に接続された補償電源を備え、上記負荷への三相交流出力における零相電流が流れないように上記補償電源の出力電圧を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 上記補償電源は、上記第1の直流電源の一方の出力端子から上記接地電位に向かって上記零相交流電圧成分と同じ電圧を出力することを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
  10. 上記第1の直流電源の端子と上記負荷への各相出力との各相電位差の検出値に基づいて上記零相交流電圧成分の電圧値を演算し、上記補償電源は、該演算した電圧値に基づいて出力することを特徴とする請求項9に記載の電力変換装置。
  11. 電流検出器を備えて上記零相電流を検出し、該検出された電流値が0となるように上記補償電源の出力電圧を制御することを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
  12. 上記補償電源は、第2の直流電源と単相インバータとから成り、上記第1の直流電源の一方の出力端子と接地電位との間に所望の交流電圧を発生させることを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
  13. 上記第1の直流電源の出力端子の一方を接地し、上記負荷と該負荷への各相出力との間にコンデンサを直列接続して、上記負荷へ出力される各相の直流電圧成分を遮断することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  14. 上記負荷の前段に絶縁トランスを設け、該絶縁トランスを介して上記負荷に出力することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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