JP2006095954A - ポリプロピレン系延伸フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 特定のプロピレン系重合体と、特定の重量平均粒子径とBET比表面積を有する微粉シリカ粒子とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる層を少なくとも一つの表面層として有し、その表面層が下記(1)〜(5)に定義される表面粗さを有するポリプロピレン系延伸フィルム。
(1)中心線平均荒さ(SRa):0.010〜0.035μm
(2)最大高さ(SRmax):0.9〜2.5μm
(3)10点平均荒さ(SRz):0.7〜2.4μm
(4)突起高さが1μm以上である突起の密度:0〜400個/mm2
(5)突起高さが0.05μm以上1μm未満である突起の密度:1000〜5000個/mm2
【選択図】 なし
Description
特に、外観(フィルムの白斑点)、透明性、耐スクラッチ性、ホットスリップ性、ヒートシール性および端面色に加えて、耐ブロッキング剤の耐脱落性および透視感に優れたポリプロピレン延伸フィルムに関するものである。
例えば、特公平4−58789号公報には、低温ヒートシール性を有し、且つ、高速自動包装適性が良好なフィルムとして、基材層の少なくとも片面に、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂およびプロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体樹脂から選ばれた少なくとも一種の樹脂および、
平均粒径0.5〜7ミクロンの非溶融型シリコーン樹脂粉末からなる組成物の層を積層した二軸延伸複層フィルムが記載されている。
すなわち、本発明は、
ダイスウェル比が1.0〜1.4であるプロピレン系重合体(A)と、当該プロピレン系重合体(A)100重量部に対して、コールターカウンター法で測定した重量平均粒子径が1〜10μmであり、BET比表面積が30〜700m2/gである微粉シリカ粒子(B)0.001〜2重量部とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物(C)からなる層を少なくとも一つの表面層として有し、少なくとも一軸方向に延伸されたポリプロピレン系延伸フィルムであって、前記表面層が下記(1)〜(5)に定義される表面粗さを有するポリプロピレン系延伸フィルムに係るものである。
(1)中心線平均荒さ(SRa):0.010〜0.035μm
(2)最大高さ(SRmax):0.9〜2.5μm
(3)10点平均荒さ(SRz):0.7〜2.4μm
(4)突起高さが1μm以上である突起の密度:0〜400個/mm2
(5)突起高さが0.05μm以上1μm未満である突起の密度:1000〜5000個/mm2
ダイスウェル比が該下限を下回ると得られる延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物の押出し加工時の流動性が十分ではない場合がある。ダイスウェル比が該上限を上回ると得られる延伸フィルムの透明性や透視感が十分ではない場合がある。
ダイスウェル比 = 押出物の断面の直径/オリフィスの直径
但し、押出物の断面とは押出物の押出方向に垂直な断面をいい、該断面が真円形でない場合には、該断面の直径の最大値と最小値との平均値を該押出物の断面の直径とする。
重量平均粒子径が該下限を下回る場合、ホットスリップ性の改良効果が少ない場合がある。重量平均粒子径が該上限を上回る場合、透明性や透視感が十分ではない場合がある。
BET比表面積が該下限を下回る場合、ホットスリップ性の改良効果が少ないことがある。BET比表面積が該上限を上回る場合、耐スクラッチ性が十分ではない場合がある。
(1)重量平均粒子径:レーザーカウンター法によって求められる。
(2)BET比表面積:自動ガス吸脱着分析装置(BECKMAN COULTER社 オムニソーブ360)を用い、連続容量方式によって測定して求められる。
(3)細孔容積:自動ガス吸脱着分析装置(BECKMAN COULTER社 オムニソーブ360)を用い、連続容量方式によって測定して求められる。
(4)白色度:JIS P 8123に従って求められる。
微粉シリカ粒子(B)の含有量が該下限を下回る場合、延伸フィルムのホットスリップ性や不十分なことがある。微粉シリカ粒子(B)の含有量が該上限を上回る場合、延伸フィルムの透明性や透視感が不十分なことがある。
(1)中心線平均荒さ(SRa):0.010〜0.035μm
(2)最大高さ(SRmax):0.9〜2.5μm
(3)10点平均荒さ(SRz):0.7〜2.4μm
(4)突起高さが1μm以上である突起の密度:0〜400個/mm2
(5)突起高さが0.05μm以上1μm未満である突起の密度:1000〜5000個/mm2
中心線平均荒さ(Ra)が該下限を下回る場合、延伸フィルムのホットスリップ性が不十分なことがある。中心線平均荒さ(SRa)が該上限を上回る場合、延伸フィルムの透明性や透視感が不十分なことがある。
最大高さ(SRmax)が該下限を下回る場合、延伸フィルムのホットスリップ性が不十分なことがある。最大高さ(SRmax)が該上限を上回る場合、延伸フィルムの透明性や透視感が不十分なことがある。
10点平均荒さ(SRz)が該下限を下回る場合、延伸フィルムのホットスリップ性が不十分なことがある。10点平均荒さ(SRz)が該上限を上回る場合、延伸フィルムの透明性や透視感が不十分なことがある。
突起高さが1μm以上である突起の密度が、該上限を上回る場合、延伸フィルムの透明性や透視感が不十分なことがある。
突起高さが0.05μm以上1μm未満である突起の密度が、該下限を下回る場合、延伸フィルムのホットスリップ性が不十分なことがある。突起高さが0.05μm以上1μm未満である突起の密度が、該上限を上回る場合、延伸フィルムの透明性や透視感が不十分なことがある。
JIS B 0601−1962(表面荒さ−定義および表示)に準拠して、三次元表面粗さ計(型式SE−30KS、株式会社小坂研究所製)および三次元表面粗さ解析装置(MODEL TDA−21、株式会社小坂研究所製)を用いて測定する。詳しくは、Rが2μmのダイヤモンド製触針を用い、測定力0.7mNでフィルム表面の任意の縦方向が幅500μmであり、長さが1000μmである長方形の領域に対し、前記の表面粗さ計を用いて、長さ方向(以後X軸方向と表記する)にピッチ幅が2μm、長さ方向に垂直である幅方向(以後Y軸方向と表記する)にピッチ幅が5μm、X軸方向送り速さが0.2mm/秒、X軸とY軸を共に有する平面に垂直な方向をZ軸方向とした場合のZ軸倍率が20000倍、極性がノーマル、ヒステリシスが0μm、スライスレベル間隔が0.05μm、低域カットが0.08mm、高域カットがフィルタをかけない(R+Wモード)測定条件で表面荒さを測定した。測定後、前記の荒さ解析装置を用いて、中心面平均粗さ(SRa)、最大高さ(SRmax)、10点平均荒さ(SRz)、粒子の密度を求めた。レべリングは最小二乗法で解析する。一つのサンプルについて上記操作を3回実施し、平均値をそれぞれの測定値とする。
ここで荒さ曲面の中心面上に直行座標軸X軸、Y軸を置き、中心面に直行する軸をZ軸とし、粗さ曲面をf(x、y)、基準面の大きさをLx、Lyとしたとき、上記式から求められる値をマイクロメーター(μm)で表したものが中心面平均粗さ(SRa)である。なお荒さ曲面とは対象物表面から基準面積だけ抜き取った面であって、カットオフフィルタによって形状精度、表面うねり成分を除去した面である。また中心面とは、平面と荒さ曲面で囲まれた体積が平面に対し、上下で等しく、かつ最小になる平面のことである。
(1)ポリプロピレン重合体(A)と微粉シリカ粒子(B)とをヘンシェルミキサー等の混合装置に直接配合し、加熱溶融混合する方法(必要に応じて、酸化防止剤、その他の添加剤やその他の樹脂をヘンシェルミキサー等の混合装置に直接配合しても良い)、
(2)熱可塑性樹脂を80〜99重量部と微粉シリカ粒子(B)を1〜20重量部とを含む微粉シリカ粒子(B)のマスターバッチ1〜10重量部を、プロピレン系重合体(A)100重量部に対して、配合して加熱溶融混合する方法(必要に応じて、酸化防止剤、その他の添加剤やその他の樹脂をマスターバッチに含有させても良い)、
(3)溶融し得る添加剤を溶融させ、押出機等に添加剤を溶融した状態で配合して、溶融加熱混合する方法、
等が挙げられる。
エチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体としては、例えば、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等が挙げられる。
プロピレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体としては、例えば、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ヘキセン−1共重合体等が挙げられる。
炭素原子数4〜12のα−オレフィンとしては、前記のエチレンを主成分とする単量体を重合して得られる重合体において用いられる炭素原子数4〜12のα−オレフィンが挙げられ、α−オレフィン含量として、好ましくは、三元共重合体の全重量に対して0.1重量%〜30重量%である。
プロピレンとエチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンの三元共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ヘキセン−1共重合体等が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系延伸フィルムの製造方法としては、例えば、次(1)
〜(4)のような公知の方法が挙げられる。
(1)ポリプロピレン系樹脂組成物(C)からなる原反シートを作製し、その後で、少なくとも一軸に延伸する方法。
(2)シートを成形する押出用ダイの中、又は出口付近で、まだ溶融状態のうちに基材層とポリプロピレン系樹脂組成物(C)からなる表面層を複合する所謂共押しで原反積層シートを作製し、その後に、少なくとも一軸に延伸する方法。
(3)基材シートに、ポリプロピレン系樹脂組成物(C)を押出ラミネート加工を行ない、その後に、少なくとも一軸に延伸する方法。
(4)基材シートをあらかじめ金属ロールを含むロール群で加熱状態で縦方向に一軸延伸し、このシート上に、ポリプロピレン系樹脂組成物(C)を押出ラミネート加工を行ない、その後に横方向へ延伸する方法。
ポリプロピレンを押出機にて溶融後、Tダイより押出し、冷却ロールにてシート状に冷却固化する。次いで得られたシートを一連の加熱ロールにて縦方向に予熱、延伸し、必要に応じてコロナ処理等を実施し、巻き取る。縦延伸倍率は通常3〜10倍である。
ポリプロピレンを押出機にて溶融後、Tダイより押出し、冷却ロールにてシート状に冷却固化する。次いで得られたシートの両端を流れ方向に沿って並んだ2列のチャックでそれぞれ掴み、予熱部、延伸部、および熱処理部からなる加熱炉にて、上記2列のチャック間隔を広げることにより横方向に延伸し、必要に応じてコロナ処理等を実施し、巻き取る。横延伸倍率は通常3〜10倍である。
ポリプロピレンを押出機にて溶融後、Tダイより押出し、冷却ロールにてシート状に冷却固化する。次いで得られたシートを一連の加熱ロールにて縦方向に予熱、延伸する。続いて、得られた縦延伸シートの両端を流れ方向に沿って並んだ2列のチャックでそれぞれ掴み、予熱部、延伸部、および熱処理部からなる加熱炉にて、上記2列のチャック間隔を広げることにより横方向に延伸し、必要に応じてコロナ処理等を実施し、巻き取る。
逐次二軸延伸方式におけるポリプロピレンの溶融温度は通常230〜290℃である。縦延伸温度は通常130〜150℃であり、縦延伸倍率は通常4〜6倍である。横延伸温度は通常150〜165℃であり、横延伸倍率は通常8〜10倍である。
ポリプロピレンを押出し機にて溶融後、Tダイより押し出し、冷却ロールにてシート状に冷却固化する。次いで得られたシートの両端を流れ方向に沿って並んだ2列のチャックでそれぞれ掴み、予熱部、延伸部、および熱処理部からなる加熱炉にて、上記2列のチャック間隔と列内の個々のチャック間隔を広げることにより、縦方向と横方向へ同時に延伸し、必要に応じてコロナ処理等を実施し、巻き取る。縦延伸倍率は通常4〜10倍である。横延伸倍率は通常4〜10倍である。
ポリプロピレンを押出し機にて溶融後、環状ダイより押し出し、水槽にてチューブ状に冷却固化する。次いで得られたチューブを加熱炉あるいは一連の熱ロールにて予熱し、次いで低速ニップロールを通し、高速ニップロールで巻き取ることにより流れ方向に延伸する。この際、低速ニップロールと高速ニップロールの間に蓄えられた空気の内圧によってチューブを膨らませることにより、幅方向にも延伸する。高速ニップロールを通った延伸フィルムを加熱炉あるいは一連の熱ロールにて熱処理し、必要に応じてコロナ処理等を実施し、巻き取る。縦延伸倍率は通常3〜10倍である。横延伸倍率は通常3〜10倍である。
JIS K7210の条件14(Condition Number 14)の方法に従って温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−7)を用い、あらかじめプロピレン系重合体またはポリプロピレン系樹脂組成物を熱プレス成形(230℃で5分間予熱後、3分間かけて50kgf/cm2の圧力まで昇圧し、2分間保圧する。その後、30℃で30kgf/cm2の圧力で5分間冷却して、そのシートから採取した試料10mgを窒素雰囲気下、220℃で5分間ポリマーを熱処理後、降温速度300℃/分で150℃まで冷却して150℃において1分間保温し、さらに降温速度5℃/分で50℃まで冷却して50℃において1分間保温し、さらに50℃から180℃まで昇温速度5℃/分で加熱した際の融解ピーク曲線において最高強度を示すピークの温度を融点(Tm(℃))として求めた。
10gのプロピレン系重合体を1000mlの沸騰キシレンに溶解した後、50℃まで徐冷し、次いで氷水に浸し攪拌しながら20℃まで冷却し、20℃で一晩放置した後、析出したポリマーを濾別し、濾液からキシレンを蒸発させ、60℃で減圧乾燥して20℃のキシレンに可溶なポリマーを回収することにより算出した。
(4−1)エチレン含有量
高分子分析ハンドブック(1985年、朝倉書店発行)の第256頁“(i)ランダム共重合体”の項に記載の方法によってIRスペクトル法で決定した。
(4−2)1−ブテン含有量
IRスペクトル法により次式から決定した。
1−ブテン含有量(重量%)=1.208K’
K’:767cm-1の吸光度
30分間フィルムの製膜を続け、巻き取り機の直前のニップロールに付着する粉(微粉シリカ粒子の脱落)を黒布で拭き取り、粉の付着量を目視にて確認した。その結果を下記の基準で判定した。
○:粉が殆ど付着しておらず耐脱落性が良好であった。
△:粉が若干量付着しており耐脱落性が悪いものであった。
×:粉が大幅に付着しており耐脱落性が悪いものであった。
フィルムから、20cm×30cmのフィルム試験片を採取し、フィルム中の白班点数を目視で判定した。白斑点数が小さいほどフィルムの外観に優れることを示す。
フィルムをASTM D1103に従って測定した。数値の小さいほうが透明性に優れることを示す。
フィルムを、東洋精機社製LSI試験機を用い、±0.4〜1.2°の散乱光を測定し、透視感の尺度とした。数値が小さいほうが透視感に優れることを示す。
平板にシリコンシートを積層した測定台のシリコンシート上にフィルムを固定した後、該測定用フィルム上に2kgの荷重をかけたもう一枚のフィルムを載置し、このフィルムを一方向に10回滑らせる。シリコンシート上に固定した側の測定用フィルムのヘイズ(ヘイズ2)を測定し、スクラッチ性試験前のフィルムのヘイズ(ヘイズ1)を測定し、下記式1より耐スクラッチ性を求めた。
Δヘイズ=(ヘイズ2)−(ヘイズ1) 式1
数値が小さいほうが耐スクラッチ性に優れることを示す。
フィルムを相対湿度65%RHの恒温室において、フィルム温度40℃でASTM−D1894−63に従い測定した動摩擦係数で示す。数値が小さいほうがホットスリップ性に優れる。
フィルムの表面同士を重ね合わせ、所定の温度に加熱されたヒートシーラー(東洋精機製)で2kg/cm2Gの荷重で2秒間圧着してヒートシールを行った。このサンプルを一昼夜23℃、湿度50%で状態調整したのち、23℃、湿度50%で剥離速度200mm/分、剥離角度180度で剥離した時の剥離抵抗力が300g/25mmになるシール温度を求め、ヒートシール性の尺度とした。シール温度が低い程、ヒートシール性が良好であることを示す。
フィルムを厚み2cmになるように束ね、端面の色を目視で判定した。判定は、白色を○(良)、微黄色を△(やや劣る)、淡黄色を×(劣る)とした。
プロピレン重合体(プロピレン−エチレン共重合体、エチレン含有量4.0重量%、メルトフローレイト(MFR)6.0g/10分、融点142℃、冷キシレン可溶部量2.9重量%)100重量部に対し、コールターカウンターで測定した重量平均粒子径が1.9μmで、かつ、BET比表面積が287m2/gで、かつ、かさ密度が0.15g/mlで、かつ、N2吸着法で測定した細孔容積が1.25ml/gで、かつ、白色度が97.8である微粉シリカ粒子(A−1)2重量部、協和化学製DHT4C 0.01重量部、チバスペシャリティーケミカルズ製イルガノックス1010 0.15重量部、チバスペシャリティーケミカルズ製イルガホス168 0.15重量部をヘンシェルミキサーで混合した後、2軸混練機により造粒、ペレット化することによりポリプロピレンフィルム用微粉シリカ粒子のマスターバッチを得た。該マスターバッチのMFRは6.1g/10分であった。
表層用に上記で得られたポリプロピレンフィルム用組成物のペレットを用い、基材層用に住友化学工業(株)製FS2011DG3(融点159℃、MFR=2.5g/10分のポリプロピレン)を用い、それぞれ樹脂温度230℃、260℃にて各々別の押出機で溶融混練し、一基の共押出しTダイに供給した。このTダイから、表層/基材層/表層の2種3種構成として押出された樹脂を30℃の冷却ロールにて急冷、固化することにより、厚さ1mmのキャストシートを得た。
実施例1において微粉シリカ粒子(A−1)を用いず、代わりにコールターカウンターで測定した重量平均粒子径が2.6μmで、かつ、BET比表面積が504m2/gで、かつ、かさ密度が0.30g/mlで、かつ、N2吸着法で測定した細孔容積が0.80ml/gで、かつ、白色度が96.8である微粉シリカ粒子(A−2)2重量部を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られたポリプロピレンフィルム用組成物のペレットのMFRは2.8g/10分であった。得られたペレットを用い、実施例1と同様な方法でフィルムを作成し、評価した。得られたフィルムの表面粗さの測定結果を表1に示した。得られたフィルムの物性の評価結果を表2に示した。
実施例1において微粉シリカ粒子(A−1)を用いず、代わりに粒径3μの球状のポリマービーズ粒子を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られたポリプロピレンフィルム用組成物のペレットのMFRは2.5g/10分であった。得られたペレットを用い、実施例1と同様な方法でフィルムを作成し、評価した。得られたフィルムの表面粗さの測定結果を表1に示した。得られたフィルムの物性の評価結果を表2に示した。
これに対して、比較例1は本発明の要件であるフィルム表面粗さの突起高さが1μm以上である突起の密度が大きいために、透視感が不十分であることが分かる。
また、比較例2は本発明の要件である微粉シリカ粒子を用いずにポリマービーズを使用したために、耐脱落性が不十分であることが分かる。
Claims (2)
- ダイスウェル比が1.0〜1.4であるプロピレン系重合体(A)と、当該プロピレン系重合体(A)100重量部に対して、コールターカウンター法で測定した重量平均粒子径が1〜10μmであり、BET比表面積が30〜700m2/gである微粉シリカ粒子(B)0.001〜2重量部とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物(C)からなる層を少なくとも一つの表面層として有し、少なくとも一軸方向に延伸されたポリプロピレン系延伸フィルムであって、前記表面層が下記(1)〜(5)に定義される表面粗さを有するポリプロピレン系延伸フィルム。
(1)中心線平均荒さ(SRa):0.010〜0.035μm
(2)最大高さ(SRmax):0.9〜2.5μm
(3)10点平均荒さ(SRz):0.7〜2.4μm
(4)突起高さが1μm以上である突起の密度:0〜400個/mm2
(5)突起高さが0.05μm以上1μm未満である突起の密度:1000〜5000個/mm2 - ポリプロピレン系樹脂組成物(C)が、熱可塑性樹脂80〜99重量部と微粉シリカ粒子(B)1〜20重量部を含有する微粉シリカ粒子(B)のマスターバッチと、プロピレン系重合体(A)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン系重合体(A)100重量部に対して、微粉シリカ粒子(B)のマスターバッチ1〜20重量部が配合されてなるポリプロピレン系樹脂組成物である請求項1記載のポリプロピレン系延伸フィルム。
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