JP2008162162A - ポリプロピレン系樹脂積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともシール層と印刷層を含む2層以上のポリオレフィン系樹脂からなる積層フィルムであって、印刷層がプロピレン系ブロック共重合体(C)を95重量%以上含有する樹脂からなり、印刷層内のエラストマー成分の分散状態が、MD方向の長さ/厚み方向の長さが2.5以下であり、かつ印刷層のエラストマー成分の円相当径が、0.5〜2.0μmであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
【選択図】 なし
Description
またエチレン成分13%のプロピレン・エチレンブロック共重合体に高密度ポリエチレンを20%配合する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
a)エチレン含有量[a]が8〜16質量%
b)20℃におけるキシレン可溶分比率[b]が14〜25%
c)[a]/[B]が、0.5〜0.7
の範囲にある。
エチレン含有量[a]が8〜16質量%、b)20℃におけるキシレン可溶分比率[b]が14〜25%、c)[a]/[B]が、0.5〜0.7の範囲にあることが好ましい。エチレン含有量[a]が8質量%未満かキシレン可溶部の比率[b]が14質量%未満、もしくは[a]/[b]が0.5未満の場合はマット感が不足し、逆にエチレン含有量[a]が16質量%を超えるかキシレン可溶部の比率[b]が25質量%を超えるか、もしくは[a]/[b]が0.7を超える場合は、溶断シール強度が低くなるという弊害が生じる。
また、かかるプロピレン系ブロック共重合体(A)のメルトフローレートは、フィルムとして使用できる範囲にあれば特に制限はされないが、通常0.5〜10g/10分、好ましくは2〜8g/10分の範囲にある。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A)は、融点が150〜168℃のプロピレン−エチレンブロック共重合体であるが、プロピレンを主体とする重合体(A成分)とエチレン−プロピレン共重合体(B成分)とを連続的に生成して得られる。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A)を製造する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で共重合体のマトリックス構造をなすプロピレンを主体する重合体(A成分)を、次いで第二工程で共重合体のドメイン構造をなすエチレン−プロピレン共重合体(B成分)を重合して得られるブロック共重合体を溶融混練して得ることができる。また、必要に応じてエチレン−プロピレンランダム共重合体及び/又はエチレン−プロピレン−1一ブテンランダム共重合体を本発明の目的を損なわない範囲で耐衝撃性改質剤として少量添加しても構わない。
・プロピレン系ランダム共重合体(B)
プロピレンと炭素数が2〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。これらの中では、エチレン及び/又は1−ブテンとのランダム共重合体が好ましい。また、α−オレフィンの量としては、4〜10重量%の範囲が好ましい。また、かかるプロピレン系ランダム共重合体(A)のメルトフローレートは、フィルムとして使用できる範囲にあれば特に制限はされないが、通常1〜20g/10分、好ましくは2〜10g/10分の範囲にある。
たとえばプロピレンと1−ブテン及び/又はエチレンとのランダム共重合体、エチレンと1種以上のC4〜C12のα−オレフィンとのランダム共重合体の中から選ぶことができ、耐引裂き性に優れることから、特にエチレンとヘキセン−1もしくはオクテンとのランダム共重合体が好ましい。また、かかる低融点樹脂(C)のメルトフローレートは、フィルムとして使用できる範囲にあれば特に制限はされないが、通常0.5〜10g/10分、好ましくは2〜8g/10分の範囲にある。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層フィルムは、前記印刷層がプロピレン系ブロック共重合体(A)を95重量%以上含有する樹脂からなることが好ましい。また、前記印刷層にはエラストマー成分が分散状態していることが好ましい。
印刷層内のエラストマー成分の分散状態が、MD方向の長さ/厚み方向の長さの比が2.5以下であり、かつ印刷層のエラストマー成分の円相当径が、0.7〜2.5μmである。上記長さの比が2.5を超える場合は、溶断シール強度が弱くなる。また、エラストマー成分の円相当径が0.7μm未満の場合は、マット感が弱くなり、2.5μmを超えるとマット感のきめこまやかさが悪化する。
融点は、プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)あるいはプロピレン系共重合体(C)約6mgを秤量し、セイコ−電子工業株式会社製の示差走査熱量計(タイプ5200)を用いて、昇温速度;10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度;100℃/分で0℃まで冷却し、再度、昇温速度;10℃/分で0℃〜200℃まで昇温したときの融解曲線を測定し、かかる融解曲線から、JIS−K−7121 9.1 の方法に習い、融解曲線から最も高温側にある溶融ピークの頂点の温度を融点とした。
本発明においては、帯電防止剤のブリードによるフィルムの白化の程度は40℃で30日間放置した前後のへイズの変化率が1〜2%が好ましく、1%以下がさらに好ましい。
また、印刷面層の滑り性は0.60tanθ以下であることが好ましい。
これら微粒子の平均粒子径としては、特に制限はないが、耐ブロックング性の改良効果、透明性などを考慮すると2〜15μmが好ましい。
平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定装置(日機装 マイクロトラックHRA model9320−X100(Leeds&Northrup社製))を用い求めた体積平均粒子径とした。
更に、ヒートシール層には、シール面同士の静摩擦係数を小さくするために、エルカ酸アマイド、スルホン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、ビスオレイン酸アマイドなどに代表される不飽和、飽和脂肪酸アマイドを1000〜2500ppmの範囲で添加することが好ましい。
2004年版JIS K7210に従い、条件−14の方法(荷重2.16kg、温度230℃)で測定した。
プロピレン系共重合体(C)約6mgを秤量し、セイコ−電子工業株式会社製の示差走査熱量計(タイプ5200)を用いて、昇温速度;10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度;100℃/分で0℃まで冷却し、再度、昇温速度;10℃/分で0℃〜200℃まで昇温したときの融解曲線を測定し、かかる融解曲線から、JIS−K−7121 9.1 の方法に習い、融解曲線から最も高温側にある溶融ピークの頂点の温度を融点した。
試料5gを沸騰キシレン500mlに完全溶融した後、20℃に降温し、4時間以上放置した。その後、析出物と溶液にろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃にて乾燥した。得られた乾燥物の重量から20℃キシレン可溶部量を測定し、その比率を求めた。
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページに記載されている方法により13C−NMR法で測定した。
2004年版JIS−K−6714に準拠し、東洋精機製作所製の「ヘーズテスターJ」を用いて測定した。
テスター産業社製ヒートシーラー(PP−701−B)を用い、加熱バーの幅方向をフィルムの流れ方向と直交する方向で、下バー温度80℃に固定して0.1MPa×3秒シールし、70mm幅で剥離強度を測定してヒートシール強度とした。
フィルムロールを2本用意し、それぞれフィルムを引き出してフィルムのシール面同士が向い合うようにセットし、さらにこれを2つに折り、自動型製袋機(共栄印刷機械材料社製PP5500型)に供給した。そして、溶断シール刃(刃先角度60度)の温度設定300℃、製袋速度100袋/分でシール、製袋を行った。そして、シール部を15mm幅に切り出し、テンシロンの上下のチャックに各々フィルム2枚を取り付け、クロスヘッド速度200mm/分の条件にて印刷面間の溶断シール強度を15mmH幅で測定した。
フィルム断面を、透過型電子顕微鏡(2000×2000倍)にて撮影し、印刷層の長さ30μm内に存在するエラストマー成分流れ方向径、厚み方向径及び面積を読み取り、流れ方向径/厚み方向径の比率及び円相当径を計算した。
フィルムを40℃×30日間エージング処理を行う前後のヘイズを測定した。ヘイズの変化率が1%以下の場合を○、1〜2%を△、2%を超える場合を×とした。
レーザー回折粒度分布測定装置(日機装 マイクロトラックHRA model9320−X100(Leeds&Northrup社製))を用い、体積平均粒子径を求めた。
ポリオレフィン系樹脂積層フィルムを、(2004年版)JIS K−6911 5.13抵抗率に準拠し、23℃、相対湿度50%環境下で16時間調製後外層表面の表面抵抗率を測定した。
フィルム断面を切り出し、反射光にて光学顕微鏡を用いて測定した。
実施例及び比較例に使用した重合体を下記に示す。
1)プロピレン系ブロック共重合体(A)
エチレン含有量が13質量%、20℃におけるキシレン可溶部の比率が25質量%、メエチレン含有量が14質量%。メルトフローレートが4g/10分、融点が163℃。
2)プロピレン系ランダム共重合体(B)
エチレン含有量4質量%、1−ブテン含有量4質量%を含むプロピレンランダム共重合体、メルトフローレートが7.0g/1分、融点が130℃。
3)低融点ポリオレフィン系樹脂(C)
コモノマーとしてヘキセン−1を28質量%含有し、メルトフローレートが3g/10分、密度が0.890g/cm3であるエチレン・ヘキセン−1共重合体。
4)プロピレン系ブロック共重合体(D)
エチレン含有量が9質量%、20℃におけるキシレン可溶部の比率が11質量%、メルトフローレートが4g/10分、融点が163℃。
5)高密度ポリエチレン:密度が0.940、融点が126℃、メルトフローレートが2g/10分。
6)帯電防止剤マスターバッチ
エチレン含有量が6質量%、メルトフローレートが8g/10分のプロピレン−エチレンランダム共重合体に、グリセリン脂肪酸エステル/アルキルスルホン酸ナトリウム=70/30wt%の帯電防止剤を15質量%配合したもの。
7)スリップ剤マスターバッチ
エチレン含有量が6質量%、メルトフローレートが8g/10分のプロピレン−エチレンランダム共重合体に、エルカ酸アミド5質量%配合したもの。
8)アンチブロッキング剤マスターバッチ
エチレン含有量が6質量%、メルトフローレートが8g/10分のプロピレン−エチレンランダム共重合体に、平均粒子径5μmのゼオライトを10質量%配合したもの。
第1表に記載のように重合体及び添加剤を配合し、3層Tダイ共押出キャスト成形機によりフィルム全体厚みが30μmとなるように製膜し3層フィルムを得た。フィルムの層厚み比は、内層/中間層/外層=10/70/20とした。ダイス出口樹脂温度は、シール層と印刷層が240℃、中間層が245℃で、冷却ロールの温度は30℃とした。更に、外層表面に表面張力が35mN/mとなるようにコロナ処理を行った。
表1に示すような樹脂組成にて、上記のようにして多層フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
第1表に記載のように重合体及び添加剤を配合し、3層Tダイ共押出キャスト成形機によりフィルム全体厚みが30μmとなるように製膜し3層フィルムを得た。その際、樹脂の加熱溶融時の樹脂温度を280℃とした以外は、実施例1と同様に多層フィルムを製造し、評価した。
Claims (3)
- 少なくともシール層と印刷層を含む2層以上のポリオレフィン系樹脂からなる積層フィルムであって、印刷層がプロピレン系ブロック共重合体(A)を95重量%以上含有する樹脂からなり、印刷層内のエラストマー成分の分散状態が、MD方向の長さ/厚み方向の長さが2.5以下であり、かつ印刷層のエラストマー成分の円相当径が、0.7〜2.5μmであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
- 少なくともシール層と印刷層の2層以上のポリオレフィン系樹脂からなる積層フィルムであって、前記印刷層が下記a)〜c)の特性を満足するプロピレン系ブロック共重合体(B)を95質量%以上含有する樹脂からなることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
a)エチレン含有量[a]が8〜16質量%
b)20℃におけるキシレン可溶分比率[b]が14〜25%
c)[a]/[B]が、0.5〜0.7の範囲にある - フィルムを成形する際の、印刷層樹脂の溶融押出し時の樹脂温度が、250℃以下であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
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