JP2007152729A - ポリプロピレン系樹脂積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 マット感がありかつ溶断シール強度の強い、滑り性と帯電防止性の良いフィルムを提供すること。
【解決手段】 少なくとも2層以上のポリオレフィン系樹脂からなる積層フィルムであって、該積層フィルムのシール層がプロピレレン系ランダム共重合体(A)を50重量%以上含有する樹脂からなり、印刷層がある特定のプロピレン系ブロック共重合体(B)を95重量%以上含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 少なくとも2層以上のポリオレフィン系樹脂からなる積層フィルムであって、該積層フィルムのシール層がプロピレレン系ランダム共重合体(A)を50重量%以上含有する樹脂からなり、印刷層がある特定のプロピレン系ブロック共重合体(B)を95重量%以上含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリオレフィン系樹脂積層フィルムに関するものであり、詳しくは、マット調外観と強い溶断シール強度を備え、かつほこり付着防止性の良好な、食品包装特に食パン包装用途に適したポリオレフィン系樹脂積層フィルムに関するものである。
近年、包材に求められる意匠の多様化により、食パン、菓子パン等の食品やその他物品の包装に、マット調フィルムのニーズが高まっている。マット調フィルムは、意匠性以外にも、剛性と耐寒性等の物性面でも透明フィルムよりも優れる為、より多く使用されようになってきている。
マット調フィルムのマット面層は、表面に凹凸を発生させてマット調とするために、プロピレン系ブロック共重合体にポリエチレン系樹脂を配合する方法が知られており、ポリプロピレン単独重合体とエチレン−プロピレン共重合エラストマーからなるポリプロピレン系樹脂に特定のポリエチレン樹脂を配合する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
またエチレン成分13%のプロピレン・エチレンブロック共重合体に高密度ポリエチレンを20%配合する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
例えば特開平7−233291号公報
特開平11−129414号公報
またエチレン成分13%のプロピレン・エチレンブロック共重合体に高密度ポリエチレンを20%配合する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、この方法ではポリエチレンとポリプロピレン系樹脂の界面強度が弱く、マット面同士を合わせて溶断シールを行った際の溶断シール強度が弱いという問題があった。
一方、マット面層がプロピレン−エチレンブロック共重合体のみで構成することによりマット面同士を合わせて溶断シールを行った際の溶断シール強度を強くする方法が示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2002−210897号公報
しかしながら、該特許においては、「不透明な多層フィルムを得るにはブロック共重合体を選択すれば良い。」とあるが、具体的にマット感の良好なフィルムとするためにブロック共重合体の組成をどうすればよいかの記載はなく、実施例においてはブロック共重合体中の非晶性エチレン・プロピレンランダム共重合体の量は8%前後であり、十分なマット感は期待できない。
一方、パン包装において多用されているツイスト包装はその構造上、輸送あるいはコンビニ、スーパー等の棚に陳列時に、ツイスト上部に埃や虫等が紛れ込んだ場合、開封時に埃等が内部に落下する虞があることから、ツイスト上部若しくは下部を熱融着した包装体が開示されている(例えば、特許文献4、5参照。)。
特開2002−172744号公報
特開2004−59088号公報
しかし、せっかくツイスト付近を熱融着していても、ツイスト付近に埃が付着していると、熱融着部を開封した際にその埃が内容物の上に落ちてくる危険性は否定できない。
埃の付着を防止するためには、ヒートシール面に帯電防止性を付与すれば良い。
またその一方で、マット調フィルムのマット面の滑り性を良くするために、マット面層にスリップ剤を3000〜9000ppmと多量に添加する方法が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
特開2004−58503号公報
またその一方で、マット調フィルムのマット面の滑り性を良くするために、マット面層にスリップ剤を3000〜9000ppmと多量に添加する方法が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
このことから、埃の付着を防止し、かつマ印刷面の滑りを良くするために、シール層に帯電防止剤を8000ppmを添加し、印刷層にはスリップ剤を多量に添加したものが開示されている(例えば、特許文献7参照。)。
特開平11−129414号公報
しかし、このように多量の有機系の添加剤を使用した場合、フィルムを生産する現場においては帯電防止剤やスリップ剤の気化物が多量に飛散して環境を悪化させる。更に、経時により帯電防止剤やスリップ剤がフィルム表面に多量に析出すると、白化が生じフィルムの見栄えが悪化する。
本発明は、マット感に優れ、かつ溶断シール強度の優れたポリオレフィン系樹脂積層フィルムを得ることにあり、さらには白化がなく滑り性、帯電防止性の良いフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、本願発明に至った。
本発明は、シール層と印刷層の2層を含む積層フィルムであって、前記各層が下記組成物を含むことを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルムである。
(1)シール層:プロピレン系ランダム共重合体樹脂(A)50〜100重量%と、エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂(B)0〜50重量%とからなる樹脂組成物。
(2)印刷層:下記a)〜c)の特性を満足するプロピレン系ブロック共重合体(C)を95〜100重量%と、ポリオレフィン系樹脂(D)0〜5重量%とからなる樹脂組成物。
a)エチレン含有量[a]が8〜16重量%
b)20℃におけるキシレン可溶分比率[b]が14〜30%
c)[a]/[B]が、0.5〜0.7の範囲にある
このとき、樹脂(C)と樹脂(D)の合計は100重量%である。
本発明は、シール層と印刷層の2層を含む積層フィルムであって、前記各層が下記組成物を含むことを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルムである。
(1)シール層:プロピレン系ランダム共重合体樹脂(A)50〜100重量%と、エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂(B)0〜50重量%とからなる樹脂組成物。
(2)印刷層:下記a)〜c)の特性を満足するプロピレン系ブロック共重合体(C)を95〜100重量%と、ポリオレフィン系樹脂(D)0〜5重量%とからなる樹脂組成物。
a)エチレン含有量[a]が8〜16重量%
b)20℃におけるキシレン可溶分比率[b]が14〜30%
c)[a]/[B]が、0.5〜0.7の範囲にある
このとき、樹脂(C)と樹脂(D)の合計は100重量%である。
この場合において、前記印刷層に、少なくともアルキルスルホン酸塩を含有する帯電防止剤を3000〜8000ppm添加することが好適である。
またこの場合において、前記シール層と印刷層の間に、前記樹脂(C)60〜100重量%と、20℃におけるキシレン可溶分比率が6〜25%であるプロピレン系ブロック共重合体(E)0〜40重量%とからなる樹脂組成物を含有する中間層を有することが好適である。
このとき、樹脂(C)と樹脂(E)の合計は100重量%である。
このとき、樹脂(C)と樹脂(E)の合計は100重量%である。
さらにまた、この場合において、前記シール層の厚み比率が全体の10〜30%であることが好適である。
さらにまた、この場合において、前記シール層同士を80℃でヒートシールした時のヒートール強度が0.3N/70mm以上、90℃でヒートシールした時のヒートール強度が0.3〜3.0N/70mmであることが好適である。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層フィルムは、溶断シール強度が強く、内容物充填時にガゼット部が破れる危険がなくなる。また、マット感に非常に優れるため、各種食品包装用、特に食パンの角底包装用に好ましく用いることができる。
さらに、白化もなく印刷層表面への埃の付着を防止することができる。
さらに、白化もなく印刷層表面への埃の付着を防止することができる。
本発明はシール層、印刷層を含む積層ポリオレフィン系樹脂積層フィルムである。
本発明のシール層に含まれる樹脂組成物は、下記プロピレンランダム共重合体(A)を50〜100重量%と、下記エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂(B)0〜50重量%とからなることが好ましい。50%を超えると、耐ブロッキング性が悪化すると共にシール強度の立ち上りが急になり、シール部を剥離する際にフィルムが破れる危険がある。
本発明のシール層に含まれる樹脂組成物は、下記プロピレンランダム共重合体(A)を50〜100重量%と、下記エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂(B)0〜50重量%とからなることが好ましい。50%を超えると、耐ブロッキング性が悪化すると共にシール強度の立ち上りが急になり、シール部を剥離する際にフィルムが破れる危険がある。
プロピレン系ランダム共重合体(A):本発明に係るプロピレン系ランダム共重合
体(A)は、融点が120℃から150℃が好ましい。かかる範囲にあるプロピレン系ランダム共重合体(A)はプロピレンと炭素数が2〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。これらの中では、エチレン及び/又は1−ブテンとのランダム共重合体が好ましい。また、α−オレフィンの量としては、4〜10重量%の範囲が好ましい。
体(A)は、融点が120℃から150℃が好ましい。かかる範囲にあるプロピレン系ランダム共重合体(A)はプロピレンと炭素数が2〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。これらの中では、エチレン及び/又は1−ブテンとのランダム共重合体が好ましい。また、α−オレフィンの量としては、4〜10重量%の範囲が好ましい。
また、かかるプロピレン系ランダム共重合体(A)のメルトフローレートは、フィルムとして使用できる範囲にあれば特に制限はされないが、通常1〜20g/10分、好ましくは2〜10g/10分の範囲にある。
エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂(B):本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂(B)はエチレン・1−ブテン、エチレン・ヘキセン−1、エチレン・オクテン等の共重合体樹脂である。
本発明の印刷層は下記プロピレン系ブロック共重合体(C)を95〜100重量%と、ポリオレフィン系樹脂(D)0〜5重量%とからなる樹脂組成物を含有する。
プロピレン系ブロック共重合体(C):本発明に係るプロピレン系ブロック共重合体(C)は、エチレン含有量[a]が8〜16重量%であり、20℃におけるキシレン可溶部の比率[b]が、14〜30%の範囲にあり、かつ[a]/[b]が0.5〜0.7の範囲にある。エチレン含有量[a]が8重量%未満かキシレン可溶部の比率[b]が14%未満、もしくは[a]/[b]が0.5未満の場合はマット感が不足し、逆にエチレン含有量[a]が16重量%を超えるかキシレン可溶部の比率[b]が30%を超えるか、もしくは[a]/[b]が0.7を超える場合は、溶断シール強度が低くなるという弊害が発生する。
また、かかるプロピレン系ブロック共重合体(C)のメルトフローレートは、フィルムとして使用できる範囲にあれば特に制限はされないが、通常0.5〜10g/10分、好ましくは2〜8g/10分の範囲にある。メルトフローレートが0.5g/10分未満の場合は生産性に劣り、10g/10分を超える場合は耐衝撃性に劣る。
ポリオレフィン系樹脂(D):本発明に係るポリオレフィン系樹脂(D)としては、プロピレン単独重合体樹脂、プロピレンと10%未満のα−オレフィンよりなるランダム共重合体樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、プロピレン−エチレンエラストマー、エチレン・α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらのなかでも、プロピレン単独重合体樹脂、プロピレンと10%未満のα−オレフィンよりなるランダム共重合体樹脂が好ましい。
これらのプロピレン系ブロック共重合体(C)との相溶性の低い樹脂については、溶断シール強度を低下させるためその配合比率は2%以下にすることが望ましい。
これらのプロピレン系ブロック共重合体(C)との相溶性の低い樹脂については、溶断シール強度を低下させるためその配合比率は2%以下にすることが望ましい。
本発明において、前記シール層と印刷層の間に、前記樹脂(C)60〜100重量%と、20℃におけるキシレン可溶分比率が6〜25%である下記プロピレン系ブロック共重合体(E)0〜40重量%とからなる樹脂組成物を含有する中間層を有することが好適である。
プロピレン系ブロック共重合体(E):中間層の構成物となるプロピレン系ブロック共重合体(E)は、20℃におけるキシレン可溶分比率が6〜25%であることが好ましい。20℃におけるキシレン可溶分比率が6%未満の場合はフィルムが裂けやすくなり、25%を超えるとフィルムの剛性が不足する場合がある。
また、かかるプロピレン系ブロック共重合体(E)のメルトフローレートは、フィルムとして使用できる範囲にあれば特に制限はされないが、通常0.5〜10g/10分、好ましくは2〜8g/10分の範囲にある。メルトフローレートが0.5g/10分未満の場合は生産性に劣り、10g/10分を超える場合は耐衝撃性に劣る。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層フィルムを製造する方法としては、T−ダイ法やインフレーション法などの共押出成形法を適用することが好ましい。またその製膜条件は、一般的なポリオレフィンフィルムの製造方法と何ら変わるものではなく、樹脂温度が150〜300℃となるように加熱溶融し、10〜80℃の冷却ロール上で冷却、もしくは空冷して固化することで得ることができる。
本発明において、シール層の厚み比率はフィルム全体の10〜30%が好ましい。10%以下の場合はフィルムが裂けやすくなり、30%を超えるとフィルムの腰が弱くなる。
またフィルム全体の厚みは、その用途や使用方法によって異なるが、一般に10〜150μm、好ましくは20〜100μm程度である。
また、溶断シール強度が15N/15mm以上であることが好ましく、17N/15mm以上であることがさらに好ましい。
本発明において、印刷層中には少なくともアルキルスルホン酸塩を含有する帯電防止剤を3000〜8000ppm配合することが好ましい。帯電防止剤の濃度が3000ppm未満の場合は、外層表面の滑り性が不足すると共に、外層表面の帯電防止性が不足することにより、ツイスト部の上部に埃が付着しやすくなる。一方、帯電防止剤の濃度が8000ppmを超えると、夏場に滑り性が低くなりすぎたり、加工性が悪化すしたり、帯電防止剤のブリードにより白化する傾向にある。また、帯電防止剤中にアルキルスルホン酸塩が配合されていないと、冬場の滑り性が悪化する恐れがある。
本発明においては、帯電防止剤のブリードによるフィルムの白化の程度は40℃で30日間放置した前後のへイズの変化率が1〜2%が好ましく、1%以下がさらに好ましい。
本発明においては、帯電防止剤のブリードによるフィルムの白化の程度は40℃で30日間放置した前後のへイズの変化率が1〜2%が好ましく、1%以下がさらに好ましい。
アルキルスルホン酸塩以外の帯電防止剤の成分としては特に規制はないが、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミンなどの非イオン系帯電防止剤、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェートなどのアニオン系帯電防止剤、第4級アンモニウムクロライドなどのカチオン系帯電防止剤などがあるが、耐熱性や持続性などの面で非イオン系、特にグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
本発明においては、シール層表面の表面抵抗率が14[logΩ]以下であることが好ましい。
さらに本発明のポリオレフィン系樹脂積層フィルムには、その効果を損なわない範囲で、シール層、印刷層に熱安定剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤等の各種添加剤を添加することが一般的であり、特にシール層には耐ブロッキング性を得るために、二酸化珪素、ゼオライト、硼酸アルミニウム、炭酸カルシウムなどに代表される無機質の微粒子や、アクリル酸メチル、スチレン−ブタジエンなどの有機架橋微粒子の中から選ばれる1種以上の不活性微粒子を2000〜15000ppmの範囲で添加することが好ましい。これら微粒子の平均粒子径としては、特に制限はないが、耐ブロックング性の改良効果、透明性などを考慮すると2〜15μmが好ましい。
また、印刷面層の滑り性は0.50tanθ以下であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
尚、本明細書中で採用した測定、評価方法は次の通りである。
[MFR(メルトフローレート)]
2004年版JIS K7210に従い、条件−14の方法(荷重2.16kg、温度230℃)で測定した。
2004年版JIS K7210に従い、条件−14の方法(荷重2.16kg、温度230℃)で測定した。
[融点]
試料約6mgを秤量し、セイコ−電子工業株式会社製の示差走査熱量計(タイプ5200)を用いて、昇温速度;10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度;100℃/分で0℃まで冷却し、再度、昇温速度;10℃/分で0℃〜200℃まで昇温したときの融解曲線を測定し、かかる融解曲線から、JIS−K−7121 9.1 の方法に習い、融解曲線から最も高温側にある溶融ピークの頂点の温度を融点した。
試料約6mgを秤量し、セイコ−電子工業株式会社製の示差走査熱量計(タイプ5200)を用いて、昇温速度;10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度;100℃/分で0℃まで冷却し、再度、昇温速度;10℃/分で0℃〜200℃まで昇温したときの融解曲線を測定し、かかる融解曲線から、JIS−K−7121 9.1 の方法に習い、融解曲線から最も高温側にある溶融ピークの頂点の温度を融点した。
[20℃におけるキシレン可溶部の比率(%)]
試料5gを沸騰キシレン500mlに完全溶融した後、20℃に降温し、4時間以上放置した。その後、析出物と溶液にろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃にて乾燥した。得られた乾燥物の重量から20℃キシレン可溶部量を測定し、その比率を求めた。
試料5gを沸騰キシレン500mlに完全溶融した後、20℃に降温し、4時間以上放置した。その後、析出物と溶液にろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃にて乾燥した。得られた乾燥物の重量から20℃キシレン可溶部量を測定し、その比率を求めた。
[エチレン含有量]
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページに記載されている方法により13C−NMR法で測定した。
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページに記載されている方法により13C−NMR法で測定した。
[ヘイズ]
2004年版JIS−K−6714に準拠し、東洋精機製作所製の「ヘーズテスターJ」を用いて測定した。
2004年版JIS−K−6714に準拠し、東洋精機製作所製の「ヘーズテスターJ」を用いて測定した。
[耐ブロッキング性]
ATM−D1893−67に準じて、90Nの荷重をA4サイズの面積にかけ、60℃雰囲気下で2時間放置した後に荷重を外し、φ5のアルミ棒による剥離抵抗を、移動速度100mm/分の条件で測定した。
ATM−D1893−67に準じて、90Nの荷重をA4サイズの面積にかけ、60℃雰囲気下で2時間放置した後に荷重を外し、φ5のアルミ棒による剥離抵抗を、移動速度100mm/分の条件で測定した。
[ヒートシール強度]
テスター産業社製ヒートシーラー(PP−701−B)を用い、加熱バーの幅方向をフィルムの流れ方向と直交する方向で、下バー温度80℃に固定して0.1MPa×3秒シールし、70mm幅で剥離強度を測定してヒートシール強度とした。
テスター産業社製ヒートシーラー(PP−701−B)を用い、加熱バーの幅方向をフィルムの流れ方向と直交する方向で、下バー温度80℃に固定して0.1MPa×3秒シールし、70mm幅で剥離強度を測定してヒートシール強度とした。
[溶断シール強度]
フィルムロールを2本用意し、それぞれフィルムを引き出してフィルムのシール面同士が向い合うようにセットし、さらにこれを2つに折り、自動型製袋機(共栄印刷機械材料社製PP5500型)に供給した。そして、溶断シール刃(刃先角度60度)の温度設定300℃、製袋速度100袋/分でシール、製袋を行った。そして、シール部を15mm幅に切り出し、テンシロンの上下のチャックに各々フィルム2枚を取り付け、クロスヘッド速度200mm/分の条件にて印刷面間の溶断シール強度を15mm幅で測定した。
フィルムロールを2本用意し、それぞれフィルムを引き出してフィルムのシール面同士が向い合うようにセットし、さらにこれを2つに折り、自動型製袋機(共栄印刷機械材料社製PP5500型)に供給した。そして、溶断シール刃(刃先角度60度)の温度設定300℃、製袋速度100袋/分でシール、製袋を行った。そして、シール部を15mm幅に切り出し、テンシロンの上下のチャックに各々フィルム2枚を取り付け、クロスヘッド速度200mm/分の条件にて印刷面間の溶断シール強度を15mm幅で測定した。
[ブリード白化]
フィルムを40℃×30日間エージング処理を行う前後のヘイズを測定した。ヘイズの変化率が1%以下の場合を○、1〜2%を△、2%を超える場合を×とした。
フィルムを40℃×30日間エージング処理を行う前後のヘイズを測定した。ヘイズの変化率が1%以下の場合を○、1〜2%を△、2%を超える場合を×とした。
[平均粒子径]
レーザー回折粒度分布測定装置(日機装 マイクロトラックHRA model9320−X100(Leeds&Northrup社製))を用い、体積平均粒子径を求めた。
レーザー回折粒度分布測定装置(日機装 マイクロトラックHRA model9320−X100(Leeds&Northrup社製))を用い、体積平均粒子径を求めた。
[表面抵抗率(logΩ)]
ポリオレフィン系樹脂積層フィルムを、2004年版JIS K−6911 5.13抵抗率に準拠し、23℃、相対湿度50%環境下で16時間調製後外層表面の表面抵抗率を測定した。
ポリオレフィン系樹脂積層フィルムを、2004年版JIS K−6911 5.13抵抗率に準拠し、23℃、相対湿度50%環境下で16時間調製後外層表面の表面抵抗率を測定した。
[フィルム及びシール層、ラミ層の厚み測定]
フィルム断面を切り出し、反射光にて光学顕微鏡を用いて測定した。
フィルム断面を切り出し、反射光にて光学顕微鏡を用いて測定した。
(使用した重合体)
実施例及び比較例に使用した重合体を下記に示す。
1)プロピレン系ランダム共重合体(A):
エチレン含有量4重量%、1−ブテン含有量4重量%を含む、メルトフローレートが7.0g/1分、融点が130℃のプロピレン・1−ブテンランダム共重合体。
2)エチレン・α−オレフィン共重合体(B):
コモノマーとしてヘキセン−1を28重量%含有し、メルトフローレートが3g/10分、密度が0.890g/cm3のエチレン・ヘキセン−1共重合体。
3)プロピレン系ブロック共重合体(C):
エチレン含有量が13重量%、20℃におけるキシレン可溶部の比率が25%、メルトフローレートが4g/10分、融点が163℃のプロピレン・エチレンブロック共重合体。
4)ポリオレフィン系樹脂(D−1):
密度が0.940、融点が126℃、メルトフローレートが2g/10分の高密度ポリエチレン。
5)ポリオレフィン系樹脂(D−2):
エチレン含有量が6重量%、メルトフローレートが8g/10分のプロピレン−エチレンランダム共重合体に、グリセリン脂肪酸エステル/アルキルスルホン酸ナトリウム=70/30wt%の帯電防止剤を15%配合して得た帯電防止剤マスターバッチ。
6)プロピレン系ブロック共重合体(E):
エチレン含有量が7重量%、20℃におけるキシレン可溶部の比率が11%、メルトフローレートが4g/10分、融点が163℃のプロピレン・エチレンブロック共重合体。
実施例及び比較例に使用した重合体を下記に示す。
1)プロピレン系ランダム共重合体(A):
エチレン含有量4重量%、1−ブテン含有量4重量%を含む、メルトフローレートが7.0g/1分、融点が130℃のプロピレン・1−ブテンランダム共重合体。
2)エチレン・α−オレフィン共重合体(B):
コモノマーとしてヘキセン−1を28重量%含有し、メルトフローレートが3g/10分、密度が0.890g/cm3のエチレン・ヘキセン−1共重合体。
3)プロピレン系ブロック共重合体(C):
エチレン含有量が13重量%、20℃におけるキシレン可溶部の比率が25%、メルトフローレートが4g/10分、融点が163℃のプロピレン・エチレンブロック共重合体。
4)ポリオレフィン系樹脂(D−1):
密度が0.940、融点が126℃、メルトフローレートが2g/10分の高密度ポリエチレン。
5)ポリオレフィン系樹脂(D−2):
エチレン含有量が6重量%、メルトフローレートが8g/10分のプロピレン−エチレンランダム共重合体に、グリセリン脂肪酸エステル/アルキルスルホン酸ナトリウム=70/30wt%の帯電防止剤を15%配合して得た帯電防止剤マスターバッチ。
6)プロピレン系ブロック共重合体(E):
エチレン含有量が7重量%、20℃におけるキシレン可溶部の比率が11%、メルトフローレートが4g/10分、融点が163℃のプロピレン・エチレンブロック共重合体。
(多層フィルムの製膜方法)
第1表に記載のように重合体及び添加剤を配合し、3層Tダイ共押出キャスト成形機によりフィルム全体厚みが30μmとなるように製膜し3層フィルムを得た。フィルムの層厚み比は、内層/中間層/外層=15/65/20とした。ダイス出口樹脂温度は、シール層と印刷層が250℃、中間層が260℃で、冷却ロールの温度は25℃とした。更に、外層表面に表面張力が40mN/mとなるようにコロナ処理を行った。
第1表に記載のように重合体及び添加剤を配合し、3層Tダイ共押出キャスト成形機によりフィルム全体厚みが30μmとなるように製膜し3層フィルムを得た。フィルムの層厚み比は、内層/中間層/外層=15/65/20とした。ダイス出口樹脂温度は、シール層と印刷層が250℃、中間層が260℃で、冷却ロールの温度は25℃とした。更に、外層表面に表面張力が40mN/mとなるようにコロナ処理を行った。
(実施例1〜3、比較例1〜3)
表1に示すような樹脂組成にて、上記のようにして多層フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
表1に示すような樹脂組成にて、上記のようにして多層フィルムを製造し、評価した。評価結果を表1に示す。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層フィルムは、マット感がありかつ溶断シール強度に優れるため、食パン、菓子パン等の食品やその他物品の幅広い包装分野に使用することができ、産業界の寄与することが大である。
さらに、白化が少なく、滑り性や帯電防止性に優れる。
さらに、白化が少なく、滑り性や帯電防止性に優れる。
Claims (5)
- シール層と印刷層の2層を含む積層フィルムであって、前記各層が下記組成物を含むことを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
(1)シール層:プロピレン系ランダム共重合体樹脂(A)50〜100重量%と、エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂(B)0〜50重量%とからなる樹脂組成物。
(2)印刷層:下記a)〜c)の特性を満足するプロピレン系ブロック共重合体(C)を95〜100重量%と、ポリオレフィン系樹脂(D)0〜5重量%とからなる樹脂組成物。
a)エチレン含有量[a]が8〜16重量%
b)20℃におけるキシレン可溶分比率[b]が14〜30%
c)[a]/[b]が、0.5〜0.7の範囲にある
このとき、樹脂(C)と樹脂(D)の合計は100重量%である。 - 請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルムであって、前記印刷層に、少なくともアルキルスルホン酸塩を含有する帯電防止剤を3000〜8000ppm添加することを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
- 請求項1または2に記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルムであって、前記シール層と印刷層の間に、前記樹脂(C)60〜100重量%と、20℃におけるキシレン可溶分比率が6〜25%であるプロピレン系ブロック共重合体(E)0〜40重量%とからなる樹脂組成物を含有する中間層を有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
このとき、樹脂(C)と樹脂(E)の合計は100重量%である。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルムであって、前記シール層の厚み比率が全体の10〜30%であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
- 請求項1〜4に記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルムであって、前記シール層同士を80℃でヒートシールした時のヒートール強度が0.3N/70mm以上、90℃でヒートシールした時のヒートール強度が0.3〜3.0N/70mmであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
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JP2008162162A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Toyobo Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂積層フィルム |
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JP2007045050A (ja) * | 2005-08-11 | 2007-02-22 | Toyobo Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂積層フィルム |
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- 2005-12-05 JP JP2005350729A patent/JP2007152729A/ja not_active Withdrawn
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