JP2008284827A - 包装用フィルム及び包装体 - Google Patents

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祐和 大木
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Abstract

【課題】生鮮品を密封包装した際の袋内の防曇性を改良した包装用フィルムの提供。
【解決手段】結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層(A層)と、基材層の少なくとも片面に、メタロセン触媒によって重合された冷キシレン可溶分が2wt%以下のポリプロピレン系樹脂(a)と冷キシレン可溶分が3wt%以上で融点が150℃以下のポリプロピレン系樹脂(b)またはメタロセン触媒によって重合された密度が0.90以下のエチレン系樹脂(c)を少なくとも含む熱融着層(B層)からなり、すくなくともA層に防曇剤が存在することを特徴とした積層ポリプロピレン系樹脂フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、包装用フィルム及び包装体に関し、野菜、根菜、果実、草花、花木、きのこ類、魚、肉など高い鮮度が要求される植物又は動物類からなる生鮮品(以下、本明細書ではこれらを生鮮品と称する)を包装するのに適したフィルム及び包装体、特に、生鮮品を密封包装した際の袋内の防曇性が改良された包装用フィルム及び包装体に関するものである。
従来から、ポリプロピレン系フイルムは光学的性質、機械的性質、包装適性などが優れていることから食品包装及び繊維包装などの包装分野に広く使用されている。特に、防曇フィルムは野菜などの包装に広く使用されている。
また、生鮮品等の包装に用いられる防曇フイルムでは、防曇性を安定かつ長期間維持する為、フイルムを構成する樹脂に防曇剤を練りこむ等の手法が採られてきた。しかしながら、菌茸類を中心に自動包装化が進むにつれ、密封状態での防曇性が求められる様になり、高湿度下での袋内側の水滴付着防止性が要求される様になってきた。
これの要求に対して、多層延伸フイルム製造時の熱による防曇剤揮発対策として、防曇剤含有層表面に防曇剤の揮発を防止する層を設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)が、製造時の揮発防止は出来たとしても、袋内側に効果的に防曇剤を発現させて、優れた防曇効果を発揮するものではなかった。
特開2003−39606号公報
また、二軸延伸フイルムの二軸延伸完了前に防曇剤を塗布する方法で得られたフィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)が、防曇剤が表面にしか存在しない為、持続性に劣るものであった。
特開平8−197671号公報
また、二軸延伸フィルムの両側に防曇剤を含有する熱融着層が設けられたポリプロピレン系積層フィルムが知られている(例えば、特許文献3参照。)が、防曇剤の持続性が十分ではなかった。
特開2005−40995号公報
本発明は、上記従来の防曇性を有するポリプロピレンフィルムの問題点を解決し、かつ優れた透明性、耐ブロッキング性を有し、十分な防曇性を有する生鮮品を包装するのに適した包装用フィルム及び包装体、を提供することを目的とする。本件における十分な防曇性とは例えば、袋サイズ200mm×210mmの袋を作成し、ブナシメジ100gを入れ冷蔵庫で5℃で6日保管しても袋内にほとんど水滴がないレベルである。
本発明は以下の(1)〜(4)の構成よりなる。
(1)結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層(A層)と、基材層の少なくとも片面に、メタロセン触媒によって重合された冷キシレン可溶分が2wt%以下のポリプロピレン系樹脂(a)と冷キシレン可溶分が3wt%以上で融点が150℃以下のポリプロピレン系樹脂(b)またはメタロセン触媒によって重合された密度が0.90以下のエチレン系樹脂(c)を少なくとも含む熱融着層(B層)を有する2層以上の積層体からなり、すくなくともA層に防曇剤が存在することを特徴とした積層ポリプロピレン系樹脂フィルム。
(2)B層を熱融着層とし、熱融着層表面の水洗後の濡れ張力が34〜40mN/mである(1)記載の包装用フィルム。
(3)フィルムが2軸延伸されてなることを特徴とした(1)または(2)記載の包装用フィルム。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の包装用フィルムからなり、該B層が袋の内側となることを特徴とした包装体。
本発明の包装用フイルムによれば、菌茸類を中心とした青果物の密封包装時に優れた防曇性を有する包装用フイルムとして用いることができる。
以下、本発明の包装用フイルム及び包装体の実施の形態を説明する。
本発明において、基材層(A層)に用いるポリプロピレン系樹脂としては、例えば、気相法で得られたアイソタクチックポリプロピレンのほか、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ペンテン共重合体などの1種又は2種以上を用いる。さらに他のポリオレフィン系樹脂、例えば、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体・エチレン・アクリル酸共重合体を金属イオンにより架橋したアイオノマー、ポリブテン−1、ブテン・エチレン共重合体などを一部に用いてもよく、さらに、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などをフィルムの特性を害さない範囲で用いることもできる。
本発明において、熱融着層(B層)に用いるメタロセン触媒によって重合された冷キシレン可溶分が2wt%以下のポリプロピレン系樹脂は、例えばプロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ペンテン共重合体などから1種又は2種以上を用いてもよい。冷キシレン可溶分(CXS、以下CXSという)とは、試料1gを沸騰キシレン100mlに完全に溶解させた後、23℃に降温し、4時間放置、その後、これを析出物と溶液とにろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃で乾燥した際の重量を測定して重量%を求めたもののことをいう。
上記のようなメタロセン触媒によって重合された冷キシレン可溶分が2wt%以下のポリプロピレン系樹脂は、立体規則性が大きく、分子量分布が小さい重合体であることである。
本発明において、熱融着層(B層)に用いる重合された冷キシレン可溶分が3wt%以上のポリプロピレン系樹脂には、例えば住友化学(株)製のSPS78J1があるが、前記の樹脂との相溶性が良く、添加する防曇剤のブリードしやすさを向上させるという特徴がある。
本発明において、熱融着層(B層)に用いるメタロセン触媒によって重合された密度が0.90以下のポリエチレン系樹脂は、例えば日本ポリエチレン(株)社製のカーネルKS340Tがあるが、ポリエチレン系樹脂でありながら前記の樹脂との相溶性が良く、添加する防曇剤のブリードしやすさを向上させるという特徴がある。
メタロセン触媒によって重合された冷キシレン可溶分が2wt%以下のポリプロピレン系樹脂(a)と冷キシレン可溶分が3wt%以上で融点が150℃以下のポリプロピレン系樹脂(b)またはメタロセン触媒によって重合された密度が0.90以下のエチレン系樹脂(c)を少なくとも含む熱融着層(B層)の特徴は、樹脂全体としてベタツキを抑えることができ、かつ防曇剤のブリードが良いため防曇性が持続し、特にメタロセン触媒によって重合された密度が0.90以下のポリエチレン系樹脂を用いることによって、ヘイズを低下させずに、低温シール性とシール強度を大幅に向上することができる。
また、基材層(A層)の片側でB層の反対側に表面層(C層)を存在させることもできる。
本発明において、基層又はB層以外の表面層(C層)が存在する場合の該表面層となるポリプロピレン系樹脂はエチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン等の炭素数が2〜10のα−オレフィン系モノマーから選ばれた2種以上を重合して得たランダム共重合体又はブロック共重合体が好ましく、また、この共重合体は単独又は混合して使用することができる。
この場合、C層のCXSは5重量%以下が好ましい。
CXSが5重量%より大きい場合は防曇性を発揮させたい面への防曇剤の選択的移行が困難となるので好ましくない。
また、表面層(C層)のポリプロピレン系樹脂層は、熱融着層(B層)の融点よりも高いことが、ヒートシールにおけるシールバーへの粘着がおきにくいという点で好ましい。
特に最近、ヒートシール工程の高速化のために、シールバー温度を上げたいという要望があるため重要である。
本発明においては袋の内側となる熱融着層表面に防曇性を有することが必要であって、このため、熱融着層を構成する樹脂中に防曇剤が存在することが通常である。
そのためには、フィルム製造時に、基材層、基材層を挟む層及び熱融着層を形成する樹脂の各層に防曇剤を配合しておいてもよく、基材層を形成する樹脂だけに防曇剤を配合しておいてフィルムを製造してもよい。
後者の場合であっても、フィルム製造時及びフィルム形成後の保管時に基材層を形成する樹脂中の防曇剤はCXSの高い樹脂(メタロセン触媒重合のLLまたは冷キシレン可溶分が3wt%以上のポリプロピレン系樹脂)に順次移行し、次いで熱融着層表面にブリードアウトして熱融着層表面が防曇性を有する状態になる。
また、熱融着層の表面に防曇剤を十分に移行させるためには、基材層から熱融着層へ向かって防曇剤の配合量を次第に薄くなる様に濃度勾配を持たせて添加することも好ましい。
また、最外層の熱融着層の厚みはそれぞれ0.5μm以上あることが望ましく、これ以上薄くなると基材層や熱融着層に含有する防曇剤が製膜中の工程で揮発しやすく、十分な防曇性の発現が起こらなくなる場合があり好ましくない。
この包装用フィルムにおける青果物に接する側の熱融着層表面には、青果物を包装した状態で保存乃至流通期問中防曇性を示すような防曇剤が存在しなければならない。即ち本発明では、包装体内面の曇り現象を防止して商品価値を高めるばかりでなく、曇りの進行によって形成される水滴による包装体内容物の水腐れを防止するうえでも防曇作用は極めて重要な特性といえる。
使用される防曇剤としては、例えば多価アルコールの脂肪酸エステル類、高級脂肪酸のアミン類、高級脂肪酸のアマイド類、高級脂肪酸のアミンやアマイドのエチレンオキサイド付加物などを典型的なものとして挙げることができる。かかる防曇剤のフィルム中での存在量は全層換算で0.1〜10重量%、特に0.3〜2.0重量%であるのが好ましい。
また、熱融着層表面の濡れ張力は、表面を洗浄後の状態で34mN/m以上であることが好ましく、表面洗浄後の濡れ張力が34mN/m未満であると熱融着層表面への防曇剤の移行効果は十分でなく、また、表面洗浄後の濡れ張力が大きすぎて、例えば、41mN/mより大きくなると熱融着層のヒートシール性が低下する傾向にあり好ましくない。
つまり、洗浄前の表面は、防曇剤が存在するためその濡れ張力は防曇剤によるものと熱融着層表面自身がもつ濡れ張力が合わさった状態であるため、保存乃至流通時の気温変化に対して十分な防曇性の効果を引き出すには、熱融着層表面の防曇剤を洗い流した状態での濡れ張力に着目し、その濡れ張力を規定することが必要といえる。
本願発明の防曇性は、保存乃至流通時の気温変化を考慮して、5〜30℃の問で温度変化を繰り返す経過中継続して防曇性を示すような防曇剤が熱融着層表面に存在するものであることが望まれる。
本発明は収穫後も生理作用を持続する青果物を包装対象とするものであり、冷凍保存よりもむしろ室温雰囲気での保存が望まれるところから、本発明における防曇特性の評価にあたっては、5〜30℃の間で温度変化を繰り返したときの防曇性により定めるのが好ましい。
本発明において、各層を形成する樹脂には、必要に応じて各層の特性を阻害しない範囲で、各種添加材、充填材、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、顔料、染料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、マイカ、タルク、クレー、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニゥム、抗菌剤、自然分解性を付与する添加材等を添加することができる。さらにまた、その他の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム類、炭化水素樹脂、石油樹脂等を本発明のフイルムの特性を害さない範囲で配合してもよい。一般的な添加粒子としては例えば、不活性微粒子(サイリシア350:富士シリシア化学(株)製、粒子径1.8μm、有機高分子架橋粒子:住友化学製、平均粒子径3.5μm)などが挙げられ添加濃度としは3000ppm前後が外観、滑り性などの点で望ましい。
本発明の包装用フイルムの各層の厚み構成は、最外層の層厚みが0.5μm以上である以外に特に限定されるものではないが、基材層(A層)は全層厚みの60〜99%、熱融着層(B層)は1〜20%、表面層(C層)は1〜20%の範囲で設定することが好ましい。さらに好ましい範囲としては、基材層は全層厚みの70〜96%、熱融着層は2〜15%、表面層(C層)は2〜15%の範囲で設定することが好ましい。ここで、熱融着層が1%未満の場合は、防曇性や包装体を形成時のシール性が劣り好ましくなく、20%を越える場合は、フイルムの腰が無くなり、商品の取り扱い性が悪くなる傾向があり好ましくない。また、表面層(C層)が0.5μm以下の場合は工程での防曇剤の揮発が大きくなることや防曇剤を選択的に移行させる効果が出なくなり、好ましくない。
本発明のフイルム製造方法は、例えば、積層数に見合う押出し機を用いてTダイ法又はインフレーション法等で溶融積層した後、冷却ロール法、水冷法又は空冷法で冷却して積層フイルムとし、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法、チューブ延伸法等で延伸する方法を例示することができる。例えば、Tダイ方式にて溶融共押出し後、25℃のチルロールにて冷却固化し、縦方向に120度で余熱した後4.5倍、横方向に170度で余熱した後155度で8倍延伸することが一般的な延伸方法として挙げられる。
本発明の包装用フイルムは、基材層と表面層(C層)の間、基材層と熱融着層の間に同種のポリプロピレン系樹脂層及び他の樹脂層、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルアルコール等のガスバリア性樹脂層をさらに積層してもよく、その特性を害さない限り、特に制限されない。
本発明の包装用フイルムは、必要に応じて本発明の特性を阻害しない範囲で、表面処理を行う事ができる。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理等が例示でき、特に制限はない。連続処理が可能であり、このフイルムの製造過程の巻き取り工程前に容易に実施できるコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理を行うのが好ましく、熱融着層表面の濡れ張力を向上する手段としてはコロナ放電処理が特に好ましい。また、用途に応じて本発明の特性を阻害しない範囲で、フイルムに穴あけ加工等の特殊加工を行う事が出来る。1〜5000μmの穴あけ加工を施して、青果物の鮮度保持包装等にも使用する事が出来る。
以下、本発明の具体例を実施例によってさらに説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中における特性は下記の方法により評価をおこなった。
(冷キシレン可溶分、CXSという)
試料1gを沸騰キシレン100mlに完全に溶解させた後、23℃に降温し、4時間放置、その後、これを析出物と溶液とにろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃で乾燥した際の重量を測定して重量%を求めたもののことをいう。
(防曇性)
1.500ccの上部開口容器に30℃の温水を300cc入れる。
2.フィルムの防曇性測定面を内側にしてフィルムで容器開口部を密閉する。
3.5℃の冷室中に放置する。
4.5℃の冷室に放置12時間後、30℃の環境に移し、12時間放置する。
5.4の操作を2日間繰り返した後、5℃の冷室に12時間放置後フィルム測定面の露付
着状況を6段階で評価する。
評価6級:全面露なし(付着面積O)
評価5級:若干の露付着(付着面積1/5まで)
評価4級:多少の露付着(付着面積1/4まで)
評価3級:約1/2の露付着(付着面積2/4まで)
評価2級:ほとんど露付着(付着面積3/4まで)
評価1級:全面露付着(付着面積3/4以上)
(濡れ張力)
下記製造例で得られたフイルムの熱融着層表面を蒸留水で40〜50秒間洗い流した後、JIS−K−6768法に準じて、フイルムの濡れ張力を評価した。
(実包装評価)
1.NISHIBE KIKAI社製シーラー(LotNo.A56430)により、シール温度140℃、圧力2kg/cm、ヒートシール時間2秒の条件にて、シール幅10mm、袋サイズ200mm×210mmの袋を作成した。
2.ブナシメジ100gを入れ、再び、NISHIBE KIKAI社製シーラー(LotNo.A56430)により、シール温度140℃、圧力2kg/cm、ヒートシール時間2秒の条件にて、シール幅10mmのシールをして密封包装した。
3.包装品を冷蔵庫(5〜10℃)に入れ、保存6日後の袋内側の水滴の付き具合を5段階評価した。
評価5級:全面水滴なし(付着面積0)
評価4級:多少の水滴付着(付着面積1/4まで)
評価3級:約1/2の水滴付着(付着面積2/4まで)
評価2級:ほとんど水滴付着(付着面積3/4まで)
評価1級:全面水滴付着(付着面積3/4以上)
(ヒートシール強度)
下記実験で得られたラミネート用積層ポリプロピレン系樹脂フィルムから、フィルムの流れ方向に500mm、流れ方向と直角方向に50mmの試験片を切り出し、流れ方向に熱融着層が内側となる様に二つ折りにして、250mm×50mmの試験片を準備した、次いで、熱傾斜試験機(東洋精機製HG−100 5点温度水準タイプ)にて、圧力98KPa、圧着時間1秒にて、所定の温度でシールした。このシールした試験片の中央部を15mm幅にカットした後、(株)東洋ボールドウィン社製「テンシロン」(STM−T−50BP)を用いて、チャック間距離20mmの間に低温でシールした側を上にして、試験片をチャックで把持し、200mm/分の速度(チャート速度200mm/分)で剥離した際の強度を測定し、ヒートシール強度[N/15mm]とした。
(実施例1)
3台の溶融押出機を用い、第1の押出機にてプロピレン単独重合体FS2011DG3(住友化学(株)製、MFR:2.5g/10分、融点:158℃、CXS:3.3重量%、密度:0.931g/cm)にポリオキシエチレンステアリルアミンモノステアリン酸エステル0.64重量%、ポリオキシエチレンステアリルアミン0.16重量%、ステアリン酸モノグリセリンエステル0.10重量%、ステアリン酸ジグリセリンエステル0.05重量%を配合して基材層Aとし、第2の押出機にて、メタロセンランダムポリプロピレン系樹脂ウインテックWFX4(JPP(株)製、MFR:7g/10分、融点:125℃、CXS:0.5重量%)89.8重量%に、メタロセンポリエチレン樹脂カーネルKS340T(JPE(株)製、MFR:3.5g/10分、融点:60℃、)10重量%、不活性微粒子(有機高分子架橋粒子:住友化学(株)製、粒子径:3.5μm)を0.2重量%添加して基材層を挟む熱融着層(B層)とし、第3の押出機にて、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体FSX66E8(住友化学(株)製、エチレン含有量:2.5モル%、ブテン含有量:7モル%、MFR:3.1g/10分、融点:133℃、CXS:2.5重量%、密度:0.880g/cm)100重量%に不活性微粒子(サイリシア350:富士シリシア化学(株)製、粒子径:1.8μm)を0.3重量%添加して基材層を挟む表面層(C層)として、ダイス内にて表面層C/基材層A/熱融着層Bとなるように、表面層C、基材層A、熱融着層Bの順にTダイ方式にて溶融共押出し後、25℃のチルロールにて冷却固化し、縦方向に4.5倍、横方向に8倍延伸し、表面層Bが1.0μm、基材層Aが22.5μm、熱融着層Cが1.5μmの合計25μmの3層の包装用フィルムを得た。得られたフィルムの熱融着層C表面にコロナ放電処理を行い、コロナ放電処理面を水洗した後の濡れ張力が35mN/mとなるにした。
得られた包装用フイルムは本発明の要件を満足するものであり、十分な防曇性、低温ヒートシール性、透明性、耐ブロッキング性を有するものであった。
(実施例2)
実施例2に於いて、熱融着層(B層)のウインテックWFX4の比率を94.8重量%、カーネルKS340Tの比率を5重量%にする以外は実施例1と同じ方法でフイルムを得た。
得られた包装用フイルムは本発明の要件を満足するものであり、十分な防曇性、低温ヒートシール性、透明性、耐ブロッキング性を有するものであった。
(実施例3)
実施例2に於いて、熱融着層(B層)のウインテックWFX4の比率を94.8重量%、ポリプロピレン系樹脂SPX78J1(住友化学(株)製、MFR:7g/10分、融点:126℃)の比率を5重量%にする以外は実施例1と同じ方法でフイルムを得た。
得られた包装用フイルムは本発明の要件を満足するものであり、十分な防曇性、低温ヒートシール性、透明性、耐ブロッキング性を有するものであった。
(比較例1)
実施例1に於いて熱融着層(B層)のウインテックWFX4の比率を99.8重量%、カーネルKS340Tを0重量%にした以外は実施例1と同様にしてフイルムを得た。
比較例1は、十分な防曇性は得られないものであった。
(比較例2)
実施例1に於いて、熱融着層(B層)のメタロセン触媒のポリエチレン系樹脂FV202(住友化学(株)製、MFR:1.9g/10分、融点:120℃、密度:0.93g/cm)であること以外は実施例1と同様にしてフイルムを得た。
比較例2は、十分な防曇性は得られないものであった。
(比較例3)
実施例1に於いて、熱融着層(B層)のポリエチレン系樹脂がメタロセン触媒以外で重合されたポリエチレンL705(住友化学(株)製、MFR:7g/10分、融点:107℃、密度:0.92g/cm)であること以外は実施例1と同様にしてフイルムを得た。
比較例3のフィルムは透明性が悪いものであった。
Figure 2008284827
本発明の包装用フイルムによれば、菌茸類を中心とした蒸散作用の激しい青果物の密封包装時に優れた防曇性を有し、商品陳列時に見栄えの良い包装用フイルム及び包装体として利用する事ができる。

Claims (4)

  1. 結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層(A層)の少なくとも片面に、メタロセン触媒によって重合された冷キシレン可溶分が2wt%以下のポリプロピレン系樹脂(a)と冷キシレン可溶分が3wt%以上で融点が150℃以下のポリプロピレン系樹脂(b)またはメタロセン触媒によって重合された密度が0.90以下のエチレン系樹脂(c)を少なくとも含む熱融着層(B層)を有する2層以上の積層体からなり、すくなくともA層に防曇剤が存在することを特徴とした積層ポリプロピレン系樹脂フィルムフィルム。
  2. 請求項1記載の包装用フイルムであって、該B層のポリプロピレン系樹脂(a)の比率が70%以上であり、熱融着層表面の水洗後の濡れ張力が34〜40mN/mであることを特徴とした包装用フィルム。
  3. 請求項1記載の包装用フイルムであって、2軸延伸されてなることを特徴とした包装用フィルム。
  4. 請求項1記載の包装用フィルムからなり、該B層が袋の内側となることを特徴とした包装体。
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