JP4385443B2 - 包装用フィルム及び包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装用フィルム及び包装体、特に、ヒートシール部の密封性が良好な、野菜、根菜、果実、草花、花木、きのこ類、魚、肉など高い鮮度が要求される植物又は動物類からなる生鮮品(以下、本明細書ではこれらを生鮮品と称する)を包装するのに適したフィルム及び包装体、即ち、ヒートシール部の密封性が良好な生鮮品包装用フィルム及び包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、基層フィルムにヒートシール性を有するシーラントフィルムを張り合わせた、自動包装用に適した積層フィルムやヒートシール層を共押出し法で形成した、自動包装用に適した積層フィルムが知られており、一方生鮮品を包装するための防曇性を有するフィルム及び包装体に関しては、特開昭62−11049号公報、特開昭63−102634号公報などに記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の包装用フィルム及び包装体については、前者は一般には防曇性がないか不十分なものが多く、後者は高速自動包装に用いた場合、低温ヒートシール性やヒートシール部の密封性を満足することができない場合があり、生鮮品の自動包装に適していなかったり、包装後の生鮮品の取扱い性に問題があったりした。
【0004】
本発明は、上記従来の包装用フィルム及び包装体の有する問題点を解決し、優れた防曇性を有するとともに、生鮮品の自動包装において、低温ヒートシール性やヒートシール部の密封性(以下、単に密封性という)を満足し、包装物、特に生鮮品の取扱い性を向上させることができる包装用フィルム及び包装体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の包装用フィルム及び包装体は、ポリプロピレン系樹脂を主体とした基層と、少なくとも一方の表面に形成されたプロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体及びプロピレン・ペンテン共重合体の1種又は2種以上を用いたポリオレフィン系樹脂を主体とするヒートシール層とを有する2層以上の積層体からなる、2軸延伸されてなる包装用フィルムであって、全層に防曇剤が存在し、包装用フィルムの直交する両方向の引張弾性率がそれぞれ1200MPa以上、包装用フィルム全層に対するヒートシール層の厚み比が0.1〜0.25、ヒートシール立上がり温度が115℃以下であって、ヒートシール層表面が防曇性を有し、かつ、ヒートシール層表面の濡れ張力が35mN/m以上、46mN/m以下であることを特徴とする。
【0006】
ここで、ヒートシール立上がり温度とは、包装用フィルムのヒートシール層同士をヒートシール圧力1kg/cm2、時間は1秒でヒートシールしたときのヒートシール強度が100gf/cmとなる温度である。
【0007】
上記の構成からなる本発明の包装用フィルムは、優れた防曇性を有するとともに、自動包装において、低温ヒートシール性やヒートシール部の密封性を満足し、包装物の取扱い性を向上させることができる。
【0008】
この場合において、包装用フィルムが自動包装機に用いられることができる。
【0009】
また、包装用フィルムが生鮮品包装に用いられることができる。
【0010】
さらにまた、包装体は前記包装用フィルムからなることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の包装用フィルム及び包装体の実施の形態を以下に説明する。
【0012】
本発明において用いられる包装用フィルムは、ポリプロピレン系樹脂を主体とし2軸延伸された基層と、少なくとも一方の表面に形成されたポリオレフィン系樹脂を主体とするヒートシール層とを有する2層以上の積層体からなる包装用フィルムである。
【0013】
このような包装用フィルムは、共押出しあるいはインラインラミネート法などによって製造するのが好ましいが製造方法自体は本発明を限定するものではない。また、本発明を構成する包装用フィルムの基層は2軸延伸されている必要があるが、少なくとも一方の表面に形成されたヒートシール層は未延伸、1軸延伸、2軸延伸のいずれの状態であってもよい。
【0014】
ここで、本発明における包装用フィルムの基層を形成するのに適したポリプロピレン系樹脂としては、アイソタクチックポリプロピレンのほか、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ペンテン共重合体などの1種又は2種以上を用いる。また、さらに他のポリオレフィン系樹脂、例えば、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体を金属イオンにより架橋したアイオノマー、ポリブテン−1、ブテン・エチレン共重合体などを一部に用いてもよく、さらにポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などをフィルムの特性を害さない範囲で用いることもできる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、静電防止剤などを任意に配合することができる。
【0015】
また、本発明における包装用フィルムのヒートシール層を形成するのに適したポリオレフィン系樹脂としては、基層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点より低い融点を有するポリオレフィン系樹脂からなり、例えば、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体を金属イオンにより架橋したアイオノマー、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ブテン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ペンテン共重合体などの1種又は2種以上を用い、ヒートシール立上がり温度が115℃以下になるような配合とするが、さらにポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などをフィルムの特性を害さない範囲で用いることもできる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、静電防止剤などを任意に配合することができる。
【0016】
本発明の包装用フィルムはヒートシール層表面が防曇性を有することが必要であって、このため、基層及びヒートシール層を構成する樹脂中に防曇剤が存在することが通常である。フィルム製造時に、基層を形成する樹脂及びヒートシール層を形成する樹脂の両方に防曇剤を配合しておいてもよく、基層を形成する樹脂だけに防曇剤を配合しておいてフィルムを製造してもよい。後者の場合であっても、フィルム製造時及びフィルム形成後の保管時に基層を形成する樹脂中の防曇剤はヒートシール層に順次移行し、次いでヒートシール層表面にブリードアウトしてヒートシール層表面が防曇性を有する状態になる。この包装用フィルムにおける生鮮品に接する側のヒートシール層表面には、保存乃至流通期間中防曇性を示すような防曇剤が存在しなければならない。即ち本発明では、包装体内面の曇り現象を防止して商品価値を高めるばかりでなく、曇りの進行によって形成される水滴による包装体内容物の水腐れを防止するうえでも防曇作用は極めて重要な特性であり、かつ、流通過程で長期的に優れた防曇性を持続させるためには、保存乃至流通時の気温変化を考慮して、5〜30℃の間で温度変化を繰り返す経過中継続して防曇性を示すような防曇剤がヒートシール層表面に存在するものであることが望まれる。本発明は収穫後も生理作用を持続する生鮮品を包装対象とするものであり、冷凍保存よりもむしろ室温雰囲気での保存が望まれるところから、本発明における防曇特性の設定に当たっては、5〜30℃の間で温度変化を繰り返したときの防曇性により定めるのが好ましい。
【0017】
使用される防曇剤としては、例えば多価アルコールの脂肪酸エステル類、高級脂肪酸のアミン類、高級脂肪酸のアマイド類、高級脂肪酸のアミンやアマイドのエチレンオキサイド付加物などを典型的なものとして挙げることができる。かかる防曇剤のフィルム中での存在量は全層換算で0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%が好ましく、ヒートシール層構成成分中では10重量%以下、特に0.2〜5重量%であるのが好ましい。
【0018】
また、ヒートシール性表面の濡れ張力は35mN/m以上であることが必要である。濡れ張力が35mN/m未満であるとフィルム表面の防曇効果は十分ではない。また、濡れ張力が大きすぎて、例えば、46mN/mより大きくなるとヒートシール層の低温ヒートシール性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0019】
本発明において、包装用フィルムのヒートシール層は、そのヒートシール層表面同士のヒートシール立上がり温度が115℃以下であることが必要である。ここで、ヒートシール立上がり温度とは、包装用フィルムのヒートシール層面同士を向かい合わせ、ヒートシール圧力1kg/cm2、時間は1秒でヒートシールしたときの、ヒートシール強度が100gf/cmとなる温度である。ヒートシール立上がり温度が115℃以下であると、ヒートシール温度が低くても十分な強度を保持してヒートシールすることができるため自動包装する際に高速で運転することができ、また、シール部の密封性に優れ、このため防曇性を有することと相まって生鮮品の鮮度が保持され、内容物の見栄えもよく、包装体の取扱い性が優れている。これに対しヒートシール層のヒートシール立上がり温度が115℃を超える場合は、ポリプロピレン系樹脂を主体とする基層の融点との融点差が小さくなり、自動包装の運転速度を十分上げることができず、また、ヒートシール強度を上げるために設定温度を高くするとヒートシール時に積層フィルム全体が収縮することになり、かえってヒートシール部にしわが生ずる原因となってヒートシール部の密封不良の原因となる。
【0020】
また、ヒートシール層の厚み比は包装用フィルム中の全層に対し0.1〜0.25(基層の両面にヒートシール層を有するときはその合計厚み)である。厚み比が0.1より小さいと、自動包装時の低温ヒートシール時のフィルムの密封性が不十分となり、包装体としての信頼性が欠けることになる。また、厚み比が0.25より大きいと、基層部分の割合が小さいことにより包装用フィルム全体に腰がなくなり、自動包装時、特に横ピロー包装時に給紙が困難になり、センターシールが乱れ、また、生鮮品を充填した後の包装体の形状が不安定で商品価値に欠ける。また、包装用フィルムの厚みは、特に限定するものではないが、5〜250μm程度であり、この範囲でヒートシール層の厚みは適宜定めることができる。
【0021】
また、包装用フィルムの縦方向及びそれと直交する横方向の引張弾性率はそれぞれ1200MPa以上、好ましくは1300〜3500MPaである。引張弾性率は、ヒートシール層の厚み比が大であると基層の割合が小さいため比較的フィルムの腰が弱く、値は小さくなる。また、ヒートシール層の厚み比が小であると基層の割合が大きいためフィルムの腰が強く、値は大きくなる。さらに、基層の延伸倍率が大で大きく配向している場合は、腰が強く引張弾性率の値は高く自動包装適性も良好である。特に好ましい包装用フィルムは、ヒートシール層も2軸延伸されている場合であって、引張弾性率が大きくなり自動包装適性が向上し、生鮮品の包装後の取扱いがより容易になってくる。
【0022】
本明細書中において用いた特性値の測定方法を次に記す。
【0023】
(1)引張弾性率(MPa)
JIS−K−7127法に準じて測定した。
【0024】
(2)ヒートシール立上がり温度
包装用フィルムのヒートシール層同士を向かい合わせて重ね、熱傾斜試験機(東洋精機社製)を用いて、ヒートシール圧力1kg/cm2、時間は1秒でヒートシールしたときの、ヒートシール強度が100gf/cmとなる温度を云い、5cm×20cmのフィルムのヒートシール層面同士を向かい合わせ、5℃ピッチで温度設定したヒートシールバー(シール面1cm×3cm)5個で同時にヒートシールしてそれぞれのヒートシール強度を測定し、横軸に温度、縦軸にヒートシール強度をとった線形グラフを描き、ヒートシール強度が100gf/cmを超える温度を読む。
【0025】
(3)ヒートシール強度
包装用フィルムのヒートシール層同士を向かい合わせて重ね、熱傾斜試験機(東洋精機社製)を用いて、ヒートシール圧力1kg/cm2、時間は1秒でヒートシールし、その中央部を1cmの幅にカットし、シール温度の低い水準の方を上にして、引張試験機の上下チャックに取付け、引張速度200mm/minで引張った際のヒートシール強さを求める。
【0026】
(4)濡れ張力
JIS−K−6768法に準じて測定した。
【0027】
(5)防曇性(A)
(1) 500ccの上部開口容器に50℃の温水を300cc入れる。
(2) フィルムの防曇性測定面を内側にしてフィルムで容器開口部を密閉する。
(3) 5℃の冷室中に放置する。
(4) 容器内温水が完全に雰囲気温度まで冷却された状態で、フィルム面の露付着状況を6段階で評価した。
・評価6級:全面露なし(付着面積0)
・評価5級:若干の露付着(付着面積1/5まで)
・評価4級:多少の露付着(付着面積1/4まで)
・評価3級:約1/2の露付着(付着面積2/4まで)
・評価2級:ほとんど露付着(付着面積3/4まで)
・評価1級:全面露付着(付着面積3/4以上)
【0028】
(6)防曇性(B)
(1) 500ccの上部開口容器に50℃の温水を300cc入れる。
(2) フィルムの防曇性測定面を内側にしてフィルムで容器開口部を密閉する。
(3) 5℃の冷室中に放置する。
(4) 5℃の冷室に放置12時間後、30℃の環境に移し、12時間放置する。
(5) (4)の操作を2日間繰り返した後、フィルム測定面の露付着状況を6段階で評価する。(評価基準は、(4)防曇性と同様である)
【0029】
(7)密封性
自動袋詰包装機(株式会社川島製作所製KBF−10)を用いて、速度36袋/分、縦ヒートシール温度160℃、横ヒートシール温度150℃、エアーゲージ圧4kg/cm2の条件で、縦185mm×横165mmの縦ピロー形の空袋に空気を充満させて製袋した際の、ヒートシール部からの空気漏れを水中に袋を入れたときの気泡の発生状況で密封の程度を評価した。
・評価5級:水中で気泡発生なし
・評価4級:水中で10秒に1個程度泡がでる
・評価3級:水中で5秒に1個程度泡がでる
・評価2級:水中で1秒に1個程度泡がでる
・評価1級:水中で連続的に泡がでる
【0030】
(8)商品取扱い性
約100kgのシイタケを165mm×180mmの袋に自動充填包装した商品を、生産者が箱詰めする際の作業性、及び、スーパーなどで箱から取り出し、陳列棚へ並べる際の作業性について評価した。
・評価5級:フィルムに腰があり、箱詰め、箱出し、陳列作業が容易にできる
・評価4級:袋を持ったとき、多少たよりなく感じるが、作業は問題なく行える
・評価3級:腰がない感じがして、手に持った際たよりなく感じ多少、作業がしずらくなる
・評価2級:腰がなく、手に持った際たよりなく感じ、作業しずらい
・評価1級:腰がまったくなく、作業が困難
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0032】
(実施例1)
(1)ヒートシール層形成用樹脂
(1)プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量18重量%)、(2)プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(エチレン含有量4.5重量%、ブテン含有量4重量%)、(3)低結晶性プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量26重量%)を(1)/(2)/(3)=25/25/50(重量)比で混合し、さらに、防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライド)0.4重量%、アンチブロッキング剤(二酸化ケイ素)0.4重量%を配合してヒートシール層形成用樹脂とした。
【0033】
(2)基層形成用樹脂
(4)防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライド)1.0重量%、アンチブロッキング剤(二酸化ケイ素)1.2重量%を含むアイソタクチックポリプロピレン重合体を準備した。
【0034】
(3)製膜
(3)の樹脂と(4)の樹脂を4:21(重量比)の割合で、樹脂温度260℃になるようにして溶融し、基層の片面にヒートシール層を積層した2層状態でTダイから共押出しして、温度25℃のキャスティングロールにてキャスティング後、縦方向に4倍、さらに横方向に9.5倍延伸した。
【0035】
次いで、得られたフィルムのヒートシール層表面にコロナ放電処理を行い、コロナ放電処理面の濡れ張力38mN/m、基層21μm、ヒートシール層4μmの合計25μmの2層の包装用フィルムを得た。
【0036】
得られた包装用フィルムの諸特性を表1に示す。また、この包装用フィルムのヒートシール層面側を内側にして包装用袋を製造し、これを収穫直後のシイタケを封入して商品取扱い性を調べた。また、空気を充満させた空袋を製造して密封性を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0037】
(比較例1)
ヒートシール層形成用樹脂として、実施例1の(3)低結晶性プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量26重量%)を用いず、(1)プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量18重量%)、(2)プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(エチレン含有量4.5重量%、ブテン含有量4重量%)を(1)/(2)=50/50(重量)比で混合し、さらに防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライド)0.4重量%、アンチブロッキング剤(二酸化ケイ素)0.4重量%を配合してヒートシール層形成用樹脂とした他は実施例1と同様に2軸延伸し、得られたフィルムのヒートシール層表面にコロナ放電処理を行い、コロナ放電処理面の濡れ張力38mN/m、基層21μm、ヒートシール層4μmの合計25μmの2層の包装用フィルムを得た。
【0038】
得られた包装用フィルムの諸特性を表1に示す。また、この包装用フィルムのヒートシール層面側を内側にして包装用袋を製造し、これを収穫直後のシイタケを封入して商品取扱い性を調べた。また、空気を充満させた空袋を製造して密封性を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0039】
(比較例2)
実施例1において、得られた包装用フィルムのヒートシール層表面へのコロナ放電処理を行わなかった他は実施例1と同様の方法で包装用フィルムを得た。ヒートシール層面の表面濡れ張力は30mN/mであった。
【0040】
得られた包装用フィルムの諸特性を表1に示す。また、この包装用フィルムのヒートシール層面側を内側にして包装用袋を製造し、これを収穫直後のシイタケを封入して商品取扱い性を調べた。また、空気を充満させた空袋を製造して密封性を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0041】
(比較例3)
実施例1においてヒートシール層形成用樹脂を、(1)プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量18重量%)、(2)プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量30重量%)を(1)/(2)=70/30(重量)比で混合し、さらに、防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライド)0.4重量%、アンチブロッキング剤(二酸化ケイ素)0.4重量%を配合してヒートシール層形成用樹脂とした。
【0042】
この他は実施例1と同様にして押出し、2軸延伸し、次いで、得られたフィルムのヒートシール層表面にコロナ放電を行い、コロナ放電処理面の濡れ張力38mN/mの包装用フィルムを得た。
【0043】
得られた包装用フィルムの諸特性を表1に示す。また、この包装用フィルムのヒートシール層面側を内側にして包装用袋を製造し、これを収穫直後のシイタケを封入して商品取扱い性を調べた。また、空気を充満させた空袋を製造して密封性を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0044】
(比較例4)
比較例3の(2)プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量30重量%)のかわりに(2)ブテン・エチレン共重合体(エチレン含有量3.5重量%)を用い、(1)/(2)=50/50(重量)比で混合し、さらに、防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライド)0.4重量%、アンチブロッキング剤(二酸化ケイ素)0.4重量%を配合してヒートシール層形成用樹脂とした。
【0045】
この他は比較例3と同様にして押出し、2軸延伸し、次いで、得られたフィルムのヒートシール層表面にコロナ放電を行い、コロナ放電処理面の濡れ張力38の包装用フィルムを得た。
【0046】
得られた包装用フィルムの諸特性を表1に示す。また、この包装用フィルムのヒートシール層面側を内側にして包装用袋を製造し、これを収穫直後のシイタケを封入して商品取扱い性を調べた。また、空気を充満させた空袋を製造して密封性を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0047】
(比較例5)
実施例1において、ヒートシール層形成用樹脂、基層形成用樹脂とも防曇剤を添加しなかった他は実施例1と同様にして押出し、2軸延伸し、次いで、得られたフィルムのヒートシール層表面にコロナ放電を行い、コロナ放電処理面の濡れ張力38mN/mの2層の包装用フィルムを得た。
【0048】
得られた包装用フィルムの諸特性を表1に示す。また、この包装用フィルムのヒートシール層面側を内側にして包装用袋を製造し、これを収穫直後のシイタケを封入して商品取扱い性を調べた。また、空気を充満させた空袋を製造して密封性を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0049】
(比較例6)
実施例1において、フィルムの製膜を、(3)の樹脂と(4)の樹脂を2:23(重量比)の割合にした他は実施例1と同様にして押出し、2軸延伸し、次いで、得られたフィルムのヒートシール層表面にコロナ放電を行い、コロナ放電処理面の濡れ張力38の2層の包装用フィルムを得た。
【0050】
得られた包装用フィルムの諸特性を表1に示す。また、この包装用フィルムのヒートシール層面側を内側にして包装用袋を製造し、これを収穫直後のシイタケを封入して商品取扱い性を調べた。また、空気を充満させた空袋を製造して密封性を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0051】
(比較例7)
実施例1において、基層形成用樹脂に防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライド)を添加しなかった他は実施例1と同様に溶融、押出し、2軸延伸し、次いで、得られたフィルムのヒートシール層表面にコロナ放電を行い、コロナ放電処理面の濡れ張力38mN/mの2層の包装用フィルムを得た。
【0052】
得られた包装用フィルムの諸特性を表1に示す。また、この包装用フィルムのヒートシール層面側を内側にして包装用袋を製造し、これを収穫直後のシイタケを封入して商品取扱い性を調べた。また、空気を充満させた空袋を製造して密封性を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0053】
(実施例2)
実施例1において、(1)プロピレン・ブテン共重合体、(2)プロピレン・エチレンブテン共重合体の代わりに、(1)分子量分布(Mw/Mn=3.5)のプロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量25重量%)を用い、(3)低結晶性プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量26重量%)を(1)/(3)=50/50(重量)比で混合し、さらに、防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライド)0.4重量%、アンチブロッキング剤(二酸化ケイ素)0.4重量%を配合してヒートシール層形成用樹脂とした。
【0054】
得られた包装用フィルムの諸特性を表1に示す。また、この包装用フィルムのヒートシール層面側を内側にして包装用袋を製造し、これを収穫直後のシイタケを封入して商品取扱い性を調べた。また、空気を充満させた空袋を製造して密封性を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0055】
(実施例3)
実施例1において、ヒートシール層形成用樹脂として、(1)プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量18重量%)、(2)プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(エチレン含有量4.5重量%、ブテン含有量4重量%)、(3)低結晶性プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量26重量%)を用いず、分子量分布Mw/Mn=3.5のプロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量25重量%)に防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライド)0.4重量%、アンチブロッキング剤(二酸化ケイ素)0.4重量%を配合してヒートシール層形成用樹脂とした。
【0056】
得られた包装用フィルムの諸特性を表1に示す。また、この包装用フィルムのヒートシール層面側を内側にして包装用袋を製造し、これを収穫直後のシイタケを封入して商品取扱い性を調べた。また、空気を充満させた空袋を製造して密封性を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0057】
(実施例4)
(1)ヒートシール層形成用樹脂
(1)プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量18重量%)、(2)プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(エチレン含有量4.5重量%、ブテン含有量4重量%)、(3)低結晶性プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量26重量%)を(1)/(2)/(3)=25/25/50(重量)比で混合し、さらに、防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライド)0.4重量%、アンチブロッキング剤(二酸化ケイ素)0.4重量%を配合してヒートシール層形成用樹脂とした。
【0058】
(2)基層形成用樹脂
(4)防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライド)1.0重量%、アンチブロッキング剤(二酸化ケイ素)1.2重量%を含むアイソタクチックポリプロピレン重合体を準備した。
【0059】
(3)中間層形成用樹脂
(5)プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(エチレン含有量4.5重量%、ブテン含有量4重量%)を準備した。
【0060】
(4)製膜
(3)の樹脂と(4)の樹脂と(5)の樹脂とを4:20:1(重量比)の割合で、樹脂温度260℃になるようにして溶融し、(3)、(5)、(4)の順に積層した3層状態でTダイから共押出しして、温度25℃のキャスティングロールにてキャスティング後、縦方向に4倍、さらに横方向に9.5倍延伸した。
【0061】
次いで、得られたフィルムのヒートシール層表面にコロナ放電処理を行い、コロナ放電処理面の濡れ張力38mN/m、基層20μm、ヒートシール層4μm、中間層1μmの合計25μmの3層の包装用フィルムを得た。
【0062】
得られた包装用フィルムの諸特性を表1に示す。また、この包装用フィルムのヒートシール層面側を内側にして包装用袋を製造し、これを収穫直後のシイタケを封入して商品取扱い性を調べた。また、空気を充満させた空袋を製造して密封性を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】
本発明の包装用フィルム及び包装体によれば、優れた防曇性を有するとともに生鮮品の自動包装において低温シール性やヒートシール部の密封性を満足し、生鮮品の見栄え及び取扱い性を向上させることができる。
Claims (4)
- ポリプロピレン系樹脂を主体とした基層と、少なくとも一方の表面に形成されたプロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体及びプロピレン・ペンテン共重合体の1種又は2種以上を用いたポリオレフィン系樹脂を主体とするヒートシール層とを有する2層以上の積層体からなる、2軸延伸されてなる包装用フィルムであって、全層に防曇剤が存在し、包装用フィルムの直交する両方向の引張弾性率がそれぞれ1200MPa以上、包装用フィルム全層に対するヒートシール層の厚み比が0.1〜0.25、ヒートシール立上がり温度が115℃以下であって、ヒートシール層表面が防曇性を有し、かつ、ヒートシール層表面の濡れ張力が35mN/m以上、46mN/m以下であることを特徴とする包装用フィルム。
- 自動包装機に用いられることを特徴とする請求項1記載の包装用フィルム。
- 生鮮品包装に用いられることを特徴とする請求項1又は2記載の包装用フィルム。
- 請求項1、2又は3記載の包装用フィルムを用いてなることを特徴とする包装体。
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-
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