JP4465580B2 - ポリオレフィン系樹脂多層フイルム及びそれを用いた包装体 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂多層フイルム及びそれを用いた包装体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂多層フイルム及びそれを用いた包装体に関し、特に、内側表面シール層を有し、かつ、防曇効果を持ったポリオレフィン系樹脂多層フイルム及びそれを用いた包装体に関し、さらには野菜・根菜、果実、草花、花木、きのこ類、魚、肉など高い鮮度が要求される植物又は動物類からなる生鮮品(以下、本明細書ではこれらを生鮮品と称する)を包装するのに適したポリオレフィン系樹脂多層フイルム及びそれを用いた包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリプロピレン系フイルムは光学的性質、機械的性質、包装適性などが優れていることから食品包装及び繊維包装などの包装分野に広く使用されている。特に、防曇フィルムは野菜などの包装に広く使用されている。
【0003】
しかしながら、従来公知のポリプロピレン延伸フィルムは、包装する対象物の種類(特に野菜の種類)によっては、内側シール層表面との滑りが不足し、袋への自動充填時に袋内に必要量が充填されないなどのトラブルが発生したり、手詰めの際、滑りが悪く作業性が著しく悪くなるなどの問題点がある。このため無機物微粒子や有機のポリマー微粒子を内側ヒートシール層に添加したり、有機の滑剤を使用することが検討されてきた。
【0004】
しかしながら、このような方法で製造されたポリプロピレン延伸フィルムでは、野菜とフイルムの滑り性を十分に満足するものはなく、十分な滑り性を得ようと無機物微粒子や有機の滑剤を添加しすぎると、透明性、防曇性が悪くなる等の問題点があった。
【0005】
また、野菜の滑り性を良くするという目的で、表面粗度が中心線平均粗さで0.5μm以下であることを特徴とするポリプロピレン延伸フィルムがある(例えば、特許文献1参照。)が、ただ単に平均粗さを規定するだけでは、十分な野菜滑り性と透明性の両立するフイルムを得る事が出来ないといえる。
【0006】
さらに、最大高さと平均粗さを規定したフイルムの提案がなされている(例えば、特許文献2参照。)が、上記提案と同様に、野菜滑りに対しては、十分なものではないといえる。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−290865号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平2−175248号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、内側表面層の表面凹凸の大きさと数を規定することで、上記従来のポリプロピレン延伸フィルムの有する問題点を解決し、内側面は防曇性を有し、充填物の滑りが良く、作業性に優れており、かつ、透明性が良好で見栄えの良い、生鮮品を包装するのに適したポリオレフィン系樹脂多層フイルム及びそれを用いた包装体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討の結果、ポリプロピレン系樹脂を主体とし2軸延伸されてなる基層と、基層の内側表面に形成されたポリオレフィン系樹脂を主体とするシール層とを有する多層積層体からなるポリオレフィン系樹脂多層フイルムであって、基層の内側表面に形成されたシール層は、ポリオレフィン系樹脂を主体とし、その表面は防曇性を有するとともに三次元表面粗さにおける山高さと山数の関係が、山高さ0.1μm以上0.2μm以下の山数が30個以上150個以下であり、山高さ0.8μm以上2.0μm以下の山数が1個以上30個以下であり、山高さ2.0μmを超える山が存在しないことを満足し、かつ基層は構成する樹脂中に防曇剤が存在し、基層の内側表面に形成されたシール層の主体となるポリオレフィン系樹脂より高融点であるポリプロピレン系樹脂を主体とすることを特徴とするポリオレフィン系樹脂多層フイルムが
【0011】
この場合において、前記ポリオレフィン系樹脂多層フイルムのシール層にポリエチレン成分を0.1重量部以上1.0重量部以下の割合で配合することが好適である。
【0012】
また、この場合において、前記ポリオレフィン系樹脂多層フイルムの全層に防曇剤が存在することが好適である。
【0013】
さらにまた、この場合において、前記ポリオレフィン系樹脂多層フイルムが2軸延伸されてなることが好適である。
【0014】
さらにまた、この場合において、前記ポリオレフィン系樹脂多層フイルムは生鮮品包装に好適に用いられる。
【0015】
さらにまた、この場合において、前記ポリオレフィン系樹脂多層フイルムを用い包装体として使用するのが好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリオレフィン系樹脂多層フイルム及びそれを用いた包装体の実施の形態を説明する。
【0017】
本発明において用いられるポリオレフィン系樹脂多層フイルムは、ポリプロピレン系樹脂を主体とし2軸延伸されてなる基層と、基層の内側表面に形成されたポリオレフィン系樹脂を主体とするシール層とを有する多層積層体からなるポリオレフィン系樹脂多層フイルムである。
【0018】
このようなポリオレフィン系樹脂多層フイルム及びそれを用いた包装体は、共押し出しあるいはインラインラミネート法などによって製造するのが好ましいが製造方法自体は本発明を限定するものではない。
また、本発明を構成するポリオレフィン系樹脂多層フィルムの基層は2軸延伸されている必要があるが、内側表面に形成するシール層は未延伸、1軸延伸、2軸延伸のいずれの状態であってもよい。
【0019】
ここで本発明におけるポリオレフィン系樹脂多層フィルムの基層を形成するのに適したポリプロピレン系樹脂としては、シール層を形成するポリオレフィン系樹脂より高融点である必要がある。基層を形成するのに適したポリプロピレン系樹脂がシール層を形成するポリオレフィン系樹脂より低融点であると、自動包装の際、シールバーにフイルムが粘着して包装不良が発生したり、また低融点原料である為には、共重合成分が多くなったり、非結晶部分が増えたりする為、腰がなくなり、袋に野菜を手で詰める際の作業性が著しく低下したりするので好ましくない。
【0020】
上記、要件を満足するものであれば、ポリオレフィン系樹脂多層フィルムの基層を形成するのに適したポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、アイソタクチックポリプロピレンのほか、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテンー1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ペンテン共重合体などの1種又は2種以上を用いる。さらに他のポリオレフィン系樹脂、例えば、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン1共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体・エチレン・アクリル酸共重合体を金属イオンにより架橋したアイオノマー、ポリブテン−1、ブテン・エチレン共重合体などを一部に用いてもよく、さらに、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などをフィルムの特性を害さない範囲で用いることもできる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを任意に配合することもできる。
【0021】
また、本発明におけるポリオレフィン系樹脂多層フィルムの内側表面のシール層を形成するのに適したポリオレフィン系樹脂としては、基層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点より低い融点を有するポリオレフィン系樹脂よりなり、例えば、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体を金属イオンにより架橋したアイオノマー、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ブテン・エチレン共重合体、プロピレン・プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ペンテン共重合体等の1種又は2種以上を用いるが、さらにポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボーネート系樹脂などをフィルムの特性を害さない範囲で用いることもできる。また、本発明におけるポリオオレフィン系樹脂多層フィルムの内側表面のシール層には同一又は異なる種類、量の無機質粒子又は有機ポリマーからなる微粒子を含有することが必要である。
【0022】
シール層に含有する微粒子の種類は特に限定されるものではなく、次のようなものが挙げられる。無機微粒子の例には、シリカ、アルミナ、チタンホワイトなどの酸化物、カオリン、ゼオライト、タルクなどの複合酸化物、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、リン酸カルシウムなどのリン酸塩などが挙げられる。これらの不活性微粒子は、天然品又は合成品のいずれかであり得る。本発明に用いられる不活性微粒子の形状は、不定形、球状、角状、柱状、針状、板状などの任意の形状であり得る。
また、有機ポリマー微粒子としては、(メタ)アクリル系モノマー又はスチレン系モノマーのホモポリマー、(メタ)アクリル系モノマーのコポリマー、スチレン系モノマーのコポリマー、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとのコポリマーなどが挙げられる。
【0023】
シール層に含有する微粒子の量としては、特に限定されるものではないが、本発明の要件を満足する範囲である事が好ましい。好ましい範囲としては、0.8重量部から1.8重量部、さらに好ましい範囲としては、0.9重量部から1.6重量部である。微粒子の含有量が0.8重量部を下回る場合は、本発明に必要な山高さの山数が不足し、野菜との滑り性が不満足となり、1.8重量部を越える場合は、山数が過剰となり、透明性を著しく損なうものになるといえる。
【0024】
さらに、本発明のポリオレフィン系樹脂多層フィルムのヒートシール層表面は、三次元表面粗さに於いて、次の山高さと山数の関係を満足する必要がある。
▲1▼山高さ0.1μm以上0.2μm以下の山数が30個以上150個以下
▲2▼山高さ0.8μm以上2.0μm以下の山数が1個以上30個以下
▲3▼山高さ2.0μmを超える山が存在しない
を満足する必要がある。
【0025】
山高さ0.1μm以上0.2μm以下の山数が30個未満の場合は、野菜との滑り性が不満足となり袋詰作業性や自動包装適性が悪くなる、150個を越える場合は、透明性を損なうものとなり内容物の見栄えが悪くなる。
また、山高さ0.8μm以上2.0μm以下の山数が1個未満の場合も、野菜との滑り性が不満足となり袋詰作業性や自動包装適性が悪くなる、30個を越える場合は、シール性が不十分となり自動包装時のシール不良や破袋等が発生する。
また、山高さが2.0μmを越える山数が多数ある場合は、透明性を損なう上に、高速自動包装の際、シール性が不十分となり、シール不良や破袋が発生する。
【0026】
本発明のポリオオレフィン系樹脂多層フィルムのヒートシール層には、ポリエチレン成分を0.1から1.0重量部配合することが好ましい。ポリエチレン成分を配合することで、本発明の要件であるシール層の表面状態を形成し易くするものであり、0.1重量部を下回る場合は、表面状態の形成が不十分となり易く、1.0重量部を越える場合は、表面状態の形成は十分であるが、透明性を損なうものである。
また、ここで用いるポリエチレン成分としては、特に限定されるものではない。
【0027】
本発明のポリオオレフィン系樹脂多層フィルムはヒートシール層表面が防曇性を有することが必要であって、このため、基層及びヒートシール層を構成する樹脂中に防曇剤が存在することが通常である。フィルム製造時に、基層を形成する樹脂及びヒートシール層を形成する樹脂の両方に防曇剤を配合しておいてもよく、基層を形成する樹脂だけに防曇剤を配合しておいてフィルムを製造してもよい。後者の場合であっても、フィルム製造時及びフィルム形成後の保管時に基層を形成する樹脂中の防曇剤はヒートシール層に順次移行し、次いでヒートシール層表面にブリードアウトしてヒートシール層表面が防曇性を有する状態になる。このポリオオレフィン系樹脂多層フィルムにおける生鮮品に接する側のヒートシール層表面には、生鮮品を包装した状態で保存乃至流通期問中防曇性を示すような防曇剤が存在しなければならない。即ち本発明では、包装体内面の曇り現象を防止して商品価値を高めるばかりでなく、曇りの進行によって形成される水滴による包装体内容物の水腐れを防止するうえでも防曇作用は極めて重要な特性であり、この効果とあいまって抗菌効果を高め、少量の抗菌剤の添加でも優れた抗菌効果を発揮する効果をもたらすものである。
【0028】
この優れた防曇性を持続させるためには、保存乃至流通時の気温変化を考慮して、5〜30℃の問で温度変化を繰り返す経過中継続して防曇性を示すような防曇剤がヒートシール層表面に存在するものであることが望まれる。本発明は収穫後も生理作用を持続する生鮮品を包装対象とするものであり、冷凍保存よりもむしろ室温雰囲気での保存が望まれるところから、本発明における防曇特性の設定にあたっては、5〜30℃の問で温度変化を繰り返したときの防曇性により定めるのが好ましい。
【0029】
使用される防曇剤としては、例えば多価アルコールの脂肪酸エステル類、高級脂肪酸のアミン類、高級脂肪酸のアマイド類、高級脂肪酸のアミンやアマイドのエチレンオキサイド付加物などを典型的なものとして挙げることができる。かかる防曇剤のフィルム中での存在量は全層換算で0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%が好ましく、ヒートシール層構成成分中では5重量%以下、特に0.1〜1.0重量%であるのが好ましい。
【0030】
ヒートシール層の厚み比は特に限定するものではないが、通常、本発明のポリオオレフィン系樹脂多層フィルム中の全層に対し1/50〜1/3(基層の両面にヒートシール層を有するときはその合計厚み)である。厚み比が、より小さいとシール強度が不充分となり、包装体としての信頼性が欠けることになる。また、厚み比が、より大きいと基層部分の割合が小さいことによりポリオオレフィン系樹脂多層フィルム全体に腰がなくなり、生鮮品を充填した後の包装体の形状が不安定で商品価値に欠ける。また、ポリオオレフィン系樹脂多層フィルムの厚みは、特に限定するものではないが、5〜250μm程度であり、この範囲でヒートシール層の厚みは適宜定めることができる。
【0031】
本明細書中において用いた特性値の測定方法を次に記す。
【0032】
(1)透明性(%)
JIS K7105に準拠してヘイズを測定した。数値が小さいものほど、透明性が良い。
【0033】
(2)三次元表面粗さ測定
(株)小坂研究所製型式ET−30HKを用いて下記設定条件にて測定した。
(測定条件)
X ソクテイナガサ[×10μm]:100
X オクリハヤサ[μm/sec]:100
Y オクリピッチ[×0.1μm]:20
Z(タテ)バイリツ[×1000]:20
カットオフ[μm]:80
ソクテイホウホウ:セッショク
X サンプルピッチ[μm]:0.4
X シュウロクナガサ[mm]:0.998
Y シュウロクラインスウ:100
Y シュウロクナガサ[mm]:0.198
(粒子解析)
キジュンメンセッショクリツ 25.0%
X,Y,Zピッチ[μm]2.0,2.0,0.0016
この解析結果より、スライスレベル[μm](山高さ)と山数の関係のグラフを作成し、各山高さ間の山数を求めた。
【0034】
(3)防曇性
手順は以下のとおり
▲1▼500ccの上部開口容器に50℃の温水を300cc入れる。
▲2▼フィルムの防曇性測定面を内側にしてフィルムで容器開口部を密閉する。
▲3▼5℃の冷室中に放置する。
▲4▼5℃の冷室に放置12時問後、30℃の環境に移し、12時間放置する。
▲5▼▲4▼の操作を2日間繰り返した後、フィルム測定面の露付着状況を6段階で評価する。
評価6級:全面露なし(付着面積O)
評価5級:若干の露付着(付着面積1/5まで)
評価4級:多少の露付着(付着面積1/4まで)
評価3級:約1/2の露付着(付着面積2/4まで)
評価2級:ほとんど露付着(付着面積3/4まで)
評価1級:全面露付着(付着面積3/4以上)
【0035】
(4)野菜滑り性
平滑な台上に供試フイルムを測定面を上にしておき、その上に約30gのピーマンを一個置いて、右手人差し指でピーマンを押した時の抵抗を官能評価により判定した。
(評価基準)
5:何の抵抗もなくピーマンを滑らせる事ができる。
4:かすかな抵抗を感じるが、ピーマンを滑らせる事ができる。
3:かなりの抵抗を感じるが、ピーマンを滑らせる事ができる。
2:時々ピーマンが引っかかるが、何とか滑らせる事ができる。
1:ピーマンが引っかかり滑らせる事が困難。
【0036】
(5)シール強度
川島機械製縦ピロー自動包装機を用いて背貼りシール温度150℃、横シール温度140℃、ショット数60個/分、の条件にてピーマ150gを袋サイズ200cm×150cmの袋に自動充填した際の袋のシール部のシール強度を測定した。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
(1)シール層形成用樹脂
▲1▼プロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量25モル%)100重量部、有機ポリマー微粒子(CS30、住友化学工業(株)製、粒子径 3.5μm)1.5重量部、防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライト)O.45重量部を樹脂温度240℃になるようにして溶融混合し、ペレット状にした。
この原料100重量部をシール層形成用樹脂とした。
【0039】
(2)基層形成用樹脂
▲2▼アイソタクチックポリプロピレン重合体100重量部に防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライト)1.O重量部を混合して基層形成用樹脂とした。
【0040】
(3)製膜
▲1▼の樹脂と▲2▼の樹脂を1:8.38(重量比)の割合で、樹脂温度260℃になるようにして溶融し、基層の両面にシール層を積層した3層状態でTダイから共押出しして、温度25℃のキャスティンクロールにてキャスティング後、縦方向に4倍、さらに横方向に9.5倍延伸した。
【0041】
次いで、得られたフィルムのシール層表面にコロナ放電処理を行い、コロナ放電処理面の濡れ張力39mN/m、基層13.4μm、シール層片側 0.8μmの合計15μmの3層のポリオオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
【0042】
得られたポリオオレフィン系樹脂多層フィルムの諸特性を表1に示す。この表からわかるように優れた防曇性を有する他、優れた野菜滑り性、透明性及びシール特性を併せ有するものである。
【0043】
(比較例 1〜4)
実施例1において、シール層に配合する有機ポリマー微粒子の配合量及び粒子径をそれぞれ表1に示すように変えて比較例1〜4のフィルムを得た。得られたポリオオレフィン系樹脂多層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0044】
(比較例5)
実施例1において、▲1▼及び▲2▼樹脂に防曇剤を配合しない以外は、実施例1と同様の方法で比較例5のフイルムを得た。
得られたポリオオレフィン系樹脂多層フィルムの諸物性を表1に示す。
【0045】
(実施例2)
実施例1において、シール層に配合する有機ポリマー微粒子の配合量を表1に示す様に変えると伴に、LDPE(スミカセン705)0.3重量部を配合した以外は、実施例1と同様の方法で実施例2のフイルムを得た。
得られたフイルムの諸物性を表1に示す。
この結果より分かるように、優れた防曇性を有する他、良好な野菜滑り性、良好な透明性及びシール特性を併せ有するものである。
【0046】
(実施例3)
実施例1に於いて、シール層に配合する有機ポリマー微粒子の配合量を表1に示す様に変えると伴に、無機微粒子(HC1500、白石カルシウム(株)、粒子径10μm)を1.0重量部配合した以外は、実施例1と同様の方法で実施例3のフイルムを得た。得られたフイルムの諸物性を表1に示す。この結果から分かるように、優れた防曇性を有する他、良好な野菜滑り性、良好な透明性及びシール性を併せ有するものである。
【0047】
(比較例6)
実施例3に於いて、有機ポリマー微粒子と無機微粒子の配合量をそれぞれ表1に示す様に変えて比較例6のフイルムを得た。得られたポリオオレフィン系樹脂多層フィルムの諸特性を表1に示す。
【0048】
比較例1,2は、有機ポリマー微粒子の配合量が少なく、本件の要求範囲である三次元粗さの山高さと山数の関係の範囲より外れており、野菜滑り性が不十分なものとなっている。このことにより、自動包装時の野菜とフイルムの滑りが悪く、シールバーでの野菜の噛み込み等が発生して、作業性を著しく悪くするものである。
【0049】
比較例3は、有機ポリマー微粒子の粒子径が小さい為、三次元粗さの山高さの小さい部分(0.1〜0.2μm)の山数が多くなっており、本件の要求範囲より外れるものとなっている。この為へイズ値が高くなり、透明性を損なうものとなっている。また、山数が過剰の為、シール強度が低下し、実包品のシール強度不足によるシール部からの破袋等が発生する心配がある。
【0050】
比較例4は、有機ポリマー微粒子の配合量が多く、三次元粗さの山高さの大きい部分(0.8〜2.0μm)の山数が多くなっており、本件の要求範囲より外れるものとなっている。この為、比較例2と同様にへイズ値が高くなり、透明性を損なうものとなっている。また、山数が過剰の為、シール強度が低下し、実包品のシール強度不足によるシール部からの破袋等が発生する心配がある。
【0051】
比較例5は、基層、シール層の両者とも防曇剤を配合しておらず、フイルム表面に防曇性が存在しない為、袋内表面が結露し、商品の見栄えを悪くするものである。また、スキン層表面に野菜とフイルムの補助的な潤滑剤の役割をになう防曇剤が存在しない為、野菜の滑り性が劣るものとなっている。
【0052】
比較例6は、無機微粒子の配合量の配合量が多く、三次元粗さの山高さの2.0μmを超える山が存在しており、本件の要求範囲より外れるものとなっている。この為、比較例2,4と同様にへイズ値が高くなり、透明性を損なうものとなっている。また、山高さの高い山が存在する為、シール強度が低下し、実包品のシール強度不足によるシール部からの破袋等が発生する心配がある。
【0053】
【表1】
Figure 0004465580
【0054】
【発明の効果】
本発明のポリオオレフィン系樹脂多層フィルム及び包装体によれば、生鮮品の包装において優れた防曇性を有するとともに、野菜との滑り性及び透明性を改良することができる。

Claims (3)

  1. ポリプロピレン系樹脂を主体とし基層と、基層の内側表面に形成された基層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点より低い融点を有するポリオレフィン系樹脂を主体とするシール層とを有する多層積層体からなるポリオレフィン系樹脂多層フイルムであって、基層の内側表面に形成されたシール層は、ポリオレフィン系樹脂を主体とし、その表面は防曇性を有するとともに三次元表面粗さにおける山高さと山数の関係が、山高さ0.1μm以上0.2μm以下の山数が30個/0.2mm以上150個/0.2mm以下であり、山高さ0.8μm以上2.0μm以下の山数が1個/0.2mm 以上30個/0.2mm以下であり、山高さ2.0μmを超える山が存在しないことを満足し、かつ基層は構成する樹脂中に防曇剤が存在し、基層の内側表面に形成されたシール層の主体となるポリオレフィン系樹脂より高融点であるポリプロピレン系樹脂を主体とすること、及び前記多層フイルムの全層に防曇剤が存在すること、さらに多層フィルムの内側表面のシール層には(メタ)アクリル系モノマー又はスチレン系モノマーのホモポリマー、(メタ)アクリル系モノマーのコポリマー、スチレン系モノマーのコポリマー、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとのコポリマーからなる有機ポリマーからなる微粒子を0.8重量部から1.8重量部含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂多層2軸延伸フイルム。
  2. 請求項1記載のポリオレフィン系樹脂多層フイルムであって、野菜包装に用いられることを特徴とするポリオレフィン系樹脂多層フイルム。
  3. 請求項1あるいは2記載のポリオレフィン系樹脂多層フイルムを用いてなることを特徴とする包装体。
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