JP2000189051A - 青果物用自立包装袋 - Google Patents

青果物用自立包装袋

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JP2000189051A
JP2000189051A JP37246098A JP37246098A JP2000189051A JP 2000189051 A JP2000189051 A JP 2000189051A JP 37246098 A JP37246098 A JP 37246098A JP 37246098 A JP37246098 A JP 37246098A JP 2000189051 A JP2000189051 A JP 2000189051A
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self
fruits
vegetables
packaging bag
polymer layer
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JP37246098A
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English (en)
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Yasuhiro Kume
康寛 久米
Takuya Inai
琢弥 井内
Kazumi Koro
和美 紅露
Tatsuya Tanizaki
達也 谷崎
Katsumi Noritomi
勝美 乗富
Yozo Yamamoto
陽造 山本
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Mitsui Chemicals Inc
Otsuka Techno Corp
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Otsuka Techno Corp
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  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス透過性が高く、しかも腰があって自立さ
せることができ、これにより青果物の鮮度を長期間保持
することができるとともに、流通から販売における包装
の簡素化および陳列性を向上させることができ、かつヒ
ートシール性、強度および透明性に優れ、しかも低コス
トで得られる青果物用自立包装袋を提供する。 【解決手段】 ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体
層の少なくとも片面にオレフィン系重合体層が積層され
た多層フィルムを、少なくとも一部の構成要素とする青
果物用自立包装袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ4−メチル−
1−ペンテン系重合体層にオレフィン系重合体層が積層
された多層フィルムからなる青果物用自立包装袋に関
し、さらに詳しくは、青果物を小分け包装し、鮮度を保
持した状態で流通、販売するための青果物用自立包装袋
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】収穫後の青果物は生命を維持するため呼
吸により貯蔵成分を消費している。このため消費者の手
元にわたり調理されるまでの間、品質の低下を防止する
技術が非常に重要となっている。この技術としては、フ
ィルム密封包装、および青果物の呼吸作用を利用して包
装内を低酸素、高二酸化炭素状態に保つMA包装が効果
的であることが知られている。従来、このMA包装によ
る鮮度保持効果の利用は生産者から市場までの流通過程
を中心に利用されるにとどまっており、実際の小売店店
頭での小分けの青果物包装としては、防曇OPPフィル
ムによる包装、トレーとストレッチフィルムとの組み合
せによる包装、またはブリスター容器による包装など、
外観を重視した包装が主流となっている。
【0003】しかし、近年、環境問題へ配慮した包装の
簡素化や、再包装により生じる手間の軽減などの点か
ら、生産者から消費者までの流通ないし販売の過程を通
して利用でき、鮮度保持効果に優れ、しかも小分けに適
した青果物用の包装袋が要望されている。また、青果物
の種類によっては立てた状態(倒立状態)で貯蔵するほ
うが横にした状態で貯蔵するよりも鮮度を長く保つこと
が知られており、流通過程および店頭での陳列の際にも
この点が考慮されるため、自立させることができる自立
包装袋が要望されている。
【0004】小分け包装に向き、しかも倒立状態で流通
陳列できる自立包装袋として、菓子や洗剤の詰め替え用
の包装袋として使用されているガゼット袋やスタンドパ
ック等の自立形状を有する包装袋がある。しかし、菓子
や洗剤の詰め替え用の自立包装袋は、通常ナイロン/ポ
リエチレン、またはPET/ポリエチレン等の多層フィ
ルムから構成されているが、このような多層フィルムは
基本的にガス透過性が低く、また袋を自立させるために
多層フィルムの厚みが50〜150μmと厚く、このた
め青果物用の包装袋として使用するにはガス透過度の面
において満足できるものではなく、鮮度保持効果が低
い。
【0005】一方、ガス透過性の高いフィルムとして、
低密度ポリエチレンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共
重合体フィルム、ポリブタジエンフィルムなどがある。
しかし、これらのフィルムから自立形状の青果物用包装
袋を成形した場合、素材自体が柔らかく腰がないため、
十分な自立性を持たないという問題点がある。また、ガ
ス透過性が高いフィルムとして、ポリ4−メチル−1−
ペンテン系重合体フィルムがある。しかし、このフィル
ムから自立形状の青果物用包装袋を成形した場合、ガス
透過性や素材の腰自体は十分であるが、ヒートシール性
が低く、また強度的に弱いなどの問題点がある。
【0006】ところで、フィルムのガス透過性を大きく
して鮮度保持効果を持たす方法として、フィルムに微孔
を設けた包装袋(例えば、特開平4−53445号、同
5−153906号、同5−153907号、同5−3
16942号)や、ゼオライトまたはセラミック等の鉱
物を練り込んだフィルムからなる包装袋が開発されてい
る。しかし、フィルムに微孔を設けた包装袋は、フィル
ム成形後に微孔を設ける工程が必要でありコスト高にな
るほか、青果物から発生する水滴で穴が詰まり鮮度保持
効果が十分に発揮されないなどの問題点がある。また鉱
物を練り込んだフィルムからなる包装袋は、透明性が悪
くて商品性が低下したり、機能の再現性の問題点を有し
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来の青果物包装の問題点を解決するため、ガス透過性
が高く、しかも腰があって自立させることができ、これ
により青果物の鮮度を長期間保持することができるとと
もに、流通から販売における包装の簡素化および陳列性
を向上させることができ、かつヒートシール性、強度お
よび透明性に優れ、しかも低コストで得られる青果物用
自立包装袋を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は次の青果物用自
立包装袋である。 (1)ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体層の少な
くとも片面にオレフィン系重合体層が積層された多層フ
ィルムを、少なくとも一部の構成要素とする青果物用自
立包装袋。 (2)多層フィルムの厚みが30〜250μmである上
記(1)記載の青果物用自立包装袋。 (3)多層フィルムの23℃における酸素透過度が30
00〜20000ml/m2・24hrs・atmであ
る上記(1)または(2)記載の青果物用自立包装袋。
【0009】本明細書において、青果物とは野菜、根
菜、果物、切花、きのこ類など、生命を維持するために
呼吸している植物およびきのこ類を意味する。
【0010】本発明において使用されるポリ4−メチル
−1−ペンテン系重合体は、4−メチル−1−ペンテン
またはその他の4−メチルペンテンの単独重合体のほ
か、4−メチル−1−ペンテンを主体とする4−メチル
ペンテンと他のα−オレフィンとの共重合体などを含
む。ここでコモノマーとしての他のα−オレフィンとし
ては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセ
ン、1−オクタデセンなどの炭素数2〜20のα−オレ
フィンなどを例示できる。共重合体としては4−メチル
−1−ペンテンを85モル%以上、好ましくは90モル
%以上含む4−メチル−1−ペンテンを主体とする共重
合体が好ましい。これらは1種単独で、あるいは2種以
上組み合せて使用することができる。
【0011】ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体は
融点が210〜240℃、好ましくは215〜235
℃、メルトフローレート(MFR:ASTM D 12
38、260℃、5kg荷重)が0.1〜400g/1
0分、好ましくは0.5〜200g/10分、密度(A
STM D 1505)が0.82〜0.84g/cm
3、好ましくは0.825〜0.835g/cm3である
ものが好適である。ポリ4−メチル−1−ペンテン系重
合体は市販品を使用することもできる。
【0012】通常、ポリ4−メチル−1−ペンテン系重
合体は、青果物の鮮度保持に必要となる酸素透過性を有
しているが、その単層フィルムではヒートシール性が低
く、また強度的にも十分とは言えず、単層フィルムから
本発明の目的とする青果物用包装袋を得るのは難しい。
【0013】本発明において使用されるポリオレフィン
系重合体は、α−オレフィンの単独重合体、2種以上の
α−オレフィンの共重合体、ならびにα−オレフィンと
少量の他のモノマーとの共重合体などを含む。α−オレ
フィンとしては炭素数2〜20のものがあげられ、例え
ばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1
−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンな
どが例示できる。
【0014】ポリオレフィン系重合体の具体的なものと
しては、エチレンを単独重合して得られるポリエチレ
ン、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共
重合して得られるポリエチレン等のポリエチレン系重合
体;プロピレンを単独重合して得られるポリプロピレ
ン、プロピレンとプロピレン以外の炭素数2〜20のα
−オレフィンとを共重合して得られるポリプロピレン等
のポリプロピレン系重合体;1−ブテンを単独重合して
得られるポリブテン、1−ブテンと1−ブテン以外の炭
素数2〜20のα−オレフィンとを共重合して得られる
ポリブテン等のポリブテン系重合体;結晶性ポリオレフ
ィンなどがあげられる。これらの中では、ポリエチレン
系重合体およびポリプロピレン系重合体が好ましい。こ
れらは1種単独で、または2種以上を組合せて使用でき
る。
【0015】本発明においてポリオレフィン系重合体と
して好ましく使用されるポリエチレン系重合体は、エチ
レンの単独重合体、およびエチレンを主体とする他のα
−オレフィンとの共重合体のほか、エチレンの単独もし
くは共重合体を主体とし、これと他のα−オレフィンの
単独もしくは共重合体とをブレンドした樹脂組成物など
を含む。これらは1種単独で、あるいは2種以上をブレ
ンドして使用することができる。
【0016】エチレンと共重合される他のα−オレフィ
ンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、
1−オクタデセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィ
ンを例示できる。これらの中ではプロピレンまたは1−
ブテンが好ましい。ここでエチレンと他のα−オレフィ
ンとの共重合体中に占めるエチレンモノマーの割合は通
常80〜99モル%、好ましくは90〜98モル%であ
る。
【0017】エチレンの単独もしくは共重合体と他のα
−オレフィンの単独もしくは共重合体との樹脂組成物の
場合、エチレンの単独もしくは共重合体を60〜90重
量%含むものが好ましい。このようなブレンドした樹脂
組成物としては、ポリエチレン60〜90重量%、およ
び1−ブテン単独重合体もしくは1−ブテンを主成分と
する他のα−オレフィンとの共重合体10〜40重量%
またはエチレン・プロピレン共重合体10〜40重量%
からなる樹脂のブレンド組成物が好ましい。
【0018】上記のポリエチレン系重合体は、エチレン
の単独もしくは共重合体、あるいは他のα−オレフィン
の単独もしくは共重合体との樹脂組成物のいずれの場合
も、エチレン含量が80〜99モル%、好ましくは90
〜98モル%、MFR(ASTM D 1238、19
0℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分、
好ましくは1〜10g/10分、融点が80〜150
℃、好ましくは90〜140℃のものが好適である。
【0019】本発明においてポリオレフィン系重合体と
して好ましく使用されるポリプロピレン系重合体は、プ
ロピレンの単独重合体、およびプロピレンを主体とする
他のα−オレフィンとの共重合体のほか、プロピレンの
単独もしくは共重合体を主体とし、これと他のα−オレ
フィンの単独もしくは共重合体とをブレンドした樹脂組
成物などを含む。これらは1種単独で、あるいは2種以
上をブレンドして使用することができる。
【0020】プロピレンと共重合される他のα−オレフ
ィンとしては、例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、
1−オクタデセンなどのプロピレン以外の炭素数2〜2
0のα−オレフィンを例示できる。これらの中ではエチ
レンまたは1−ブテンが好ましい。ここでプロピレンと
他のα−オレフィンとの共重合体中に占めるプロピレン
モノマーの割合は通常80〜99モル%、好ましくは9
0〜98モル%である。
【0021】プロピレンの単独もしくは共重合体と、他
のα−オレフィンの単独もしくは共重合体との樹脂組成
物の場合、プロピレンの単独もしくは共重合体を60〜
90重量%含むものが好ましい。このようなブレンドし
た樹脂組成物としては、ポリプロピレン60〜90重量
%、および1−ブテン単独重合体もしくは1−ブテンを
主成分とする他のα−オレフィンとの共重合体10〜4
0重量%またはプロピレン・エチレン共重合体10〜4
0重量%からなる樹脂のブレンド組成物が好ましい。
【0022】上記のポリプロピレン系重合体は、プロピ
レンの単独もしくは共重合体、あるいは他のα−オレフ
ィンの単独もしくは共重合体との樹脂組成物のいずれの
場合も、プロピレン含量が80〜99モル%、好ましく
は90〜98モル%、MFR(ASTM D 123
8、230℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/
10分、好ましくは1〜10g/10分、融点が130
〜170℃、好ましくは140〜160℃のものが好適
である。
【0023】本発明の青果物用自立包装袋に使用される
多層フィルムは、前記ポリ4−メチル−1−ペンテン系
重合体からなるポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体
層の少なくとも片面に、前記ポリオレフィン系重合体か
らなるポリオレフィン系重合体層が積層された多層フィ
ルムである。ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体層
とポリオレフィン系重合体層とは接着性樹脂層を介して
積層することもできるし、接着性樹脂層を介することな
く直接積層することもできるが、接着性樹脂層を介して
積層するのが好ましい。
【0024】前記接着性樹脂としては、ポリ4−メチル
−1−ペンテン系重合体層とポリオレフィン系重合体層
とに対する接着性を有する樹脂が制限なく使用できる
が、4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む接着性樹
脂組成物が好ましい。ここで4−メチルペンテン系重合
体とは、重合体のモノマー成分に4−メチルペンテンを
含む重合体であって、他のモノマー成分としてはエチレ
ン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、テトラ
デセン、オクタデセンなどの炭素数2〜20のα−オレ
フィンを例示でき、α−オレフィンの割合は通常0〜2
0モル%、好ましくは2〜10モル%である。
【0025】前記接着性樹脂組成物における4−メチル
−1−ペンテン系重合体の割合は通常40〜80重量
%、好ましくは50〜70重量%である。この接着性樹
脂組成物における4−メチル−1−ペンテン系重合体以
外の他の樹脂としては、上記の4−メチルペンテン系重
合体とブレンドすることにより接着性を付与できる樹脂
であり、エチレン・ブテン共重合体、1−ブテン系重合
体、プロピレン・エチレン系重合体等を例示できる。
【0026】前記接着性樹脂組成物の具体的なものとし
ては、4−メチルペンテン系重合体50〜70重量%、
1−ブテン系重合体25〜45重量%、およびプロピレ
ン・エチレン系重合体5〜25重量%からなる樹脂組成
物などを例示できる。
【0027】前記接着性樹脂は、ポリ4−メチル−1−
ペンテン系重合体に対する接着力(T形剥離試験)が1
〜10kg/15mm、好ましくは2〜5kg/15m
m、ポリオレフィン系重合体に対する接着力(T形剥離
試験)が1〜10kg/15mm、好ましくは2〜5k
g/15mmのものが望ましい。
【0028】前記ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合
体、ポリオレフィン系重合体および接着性樹脂には、そ
れぞれ必要に応じて、可塑剤、耐熱安定剤、酸化防止
剤、滑剤、アンチブロック剤、紫外線吸収剤、着色剤、
抗菌剤、防黴剤、防曇剤などを添加することができる。
【0029】本発明の青果物用自立包装袋に使用される
多層フィルムとしては、ポリ4−メチル−1−ペンテン
系重合体層の片面に接着性樹脂層を介してポリオレフィ
ン系重合体層が積層されたポリ4−メチル−1−ペンテ
ン系重合体層/接着性樹脂層/ポリオレフィン系重合体
層の3層フィルムが好ましいが、ポリオレフィン系重合
体層/接着性樹脂層/ポリ4−メチル−1−ペンテン系
重合体層/接着性樹脂層/ポリオレフィン系重合体層の
5層フィルム、ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体
層/ポリオレフィン系重合体層の2層フィルム、ポリオ
レフィン系重合体層/ポリ4−メチル−1−ペンテン系
重合体層/ポリオレフィン系重合体層の3層フィルムな
どを使用することもできる。
【0030】多層フィルムの厚さはフィルム全体で30
〜250μm、好ましくは50〜150μmとするのが
好ましい。各層の厚さは、ポリ4−メチル−1−ペンテ
ン系重合体層が20〜240μm、好ましくは20〜1
40μm、ポリオレフィン系重合体層が10〜100μ
m、好ましくは10〜30μm、接着性樹脂層が0〜5
0μm、好ましくは10〜30μmとするのが望まし
い。同じ種類の層が複数ある場合、上記厚さはこれらの
合計である。
【0031】多層フィルムおよび各層の厚さが上記範囲
にある場合、自立形状に製袋するだけで容易に自立性を
持たすことができ、また強度も十分であるため、青果物
を包装して流通させる際にフィルムが破損して商品性が
失われることもなく、また鮮度保持に必要な酸素透過度
を持たすことが容易であるので、鮮度保持性に優れ、さ
らに製袋機等での製袋が容易である。
【0032】本発明の青果物用自立包装袋に使用される
多層フィルムは、23℃における酸素透過度が3000
〜20000ml/m2・24hrs・atm、好まし
くは6000〜20000ml/m2・24hrs・a
tmであるものが望ましい。酸素透過度が上記範囲にあ
る場合には、包装済みの包装袋を放置するだけで特別な
操作を行わなくても、鮮度保持に好適な酸素濃度および
二酸化炭素濃度に袋内が調節される。このため、呼吸障
害による異臭や腐敗が発生しにくく、またMA効果が得
られる状態になりやすいため黄変等も生じにくいなど、
優れた鮮度保持効果が発揮される。
【0033】また多層フィルムは23℃における二酸化
炭素透過度が9000〜100000ml/m2・24
hrs・atm、好ましくは18000〜100000
ml/m2・24hrs・atm、23℃における水蒸
気透過度が7〜65g/m2・24hrs、好ましくは
11〜50g/m2・24hrsであるものが望まし
い。
【0034】本発明の青果物用自立包装袋に使用される
多層フィルムは予め成形されたポリ4−メチル−1−ペ
ンテン系重合体フィルムとポリオレフィン系重合体フィ
ルムとを、接着性樹脂層を介して貼り合わせることによ
り製造することもできるが、一般的にはT−ダイ押出成
形法などにより各層を共押出成形することにより製造さ
れる。
【0035】このようして製造される多層フィルムはポ
リ4−メチル−1−ペンテン系重合体層の少なくとも片
面にポリオレフィン系重合体層が積層されているので、
ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体層が本来有する
酸素透過性および腰の強さを維持しながら、ヒートシー
ル性および強度が向上している。このため自立形状の包
装袋を容易に成形することができるとともに、鮮度保持
性にも優れ、かつヒートシールにより容易に包装するこ
とができる。また多層フィルムは無孔合成樹脂フィルム
であるが、この多層フィルム自体が酸素透過性に優れて
いるので、フィルムに穴を開けてガス透過性を向上させ
る必要はなく、このため低コストで製造することができ
る。さらに多層フィルムは透明であるので、包装袋とし
た場合、袋の中の青果物を目視で容易に確認することが
でき、商品性に優れた包装品を得ることができる。
【0036】前記多層フィルムは通常使用されるヒート
シーラーでポリオレフィン系樹脂層を容易にヒートシー
ルして接着することができ、ガゼット状、スタンドパウ
チ状など、それ自体が自立できる形状に容易に加工する
ことが可能である。また市販の製袋機で高速製袋が可能
であり、青果物用自立包装袋を大量生産することができ
る。このほか溶接、接着剤による接着、インサート成形
などの手段により、容易に加工できるため、任意の青果
物用自立包装袋形状を容易に加工できる。
【0037】本発明の青果物用自立包装袋は前記多層フ
ィルムを少なくとも一部の構成要素とする包装袋からな
り、それ自体が自立できる形状の自立包装袋である。本
発明の青果物用自立包装袋は一部または全部を前記多層
フィルムで構成することができるが、全部が前記多層フ
ィルムから構成されているのが好ましい。包装袋は内側
がポリオレフィン系重合体層、外側がポリ4−メチル−
1−ペンテン系重合体層とするのが好ましい。
【0038】本発明の青果物用自立包装袋の形状はそれ
自体が自立できる形状であれば特に限定はなく、例えば
ガゼット袋、スタンドパウチなど、公知の自立包装袋の
形状があげられる。
【0039】本発明の青果物用自立包装袋は、青果物を
袋の中に入れ、袋の開口部をヒートシールして閉じるこ
とにより簡単に密封することができ、この状態で保管す
ることにより、包装した青果物の鮮度を長期間保持する
ことができる。本発明の青果物用自立包装袋は、前記多
層フィルムから構成されているので、多層フィルムが持
つ適度なガス透過性と青果物の呼吸作用とが相互に作用
し、袋内の酸素濃度および二酸化炭素濃度が鮮度保持に
適した濃度に維持されるので、従来のOPP包装、トレ
イ・ストレッチ包装、またはブリスター包装などと比較
して鮮度保持効果が高い。
【0040】包装する青果物は特に限定されず、アスパ
ラガス、ブロッコリー、キャベツ、にんじん、白菜、玉
ねぎ、ねぎ、にら、じゃがいも、さつまいも、トマト、
レタス、ピーマン、大根、ほうれん草、ごほう、とうも
ろこし等の野菜;りんご、みかん、すだち、ぶどう、い
ちご、梨、桃、柿、グレープフルーツ、バナナ、キウイ
フルーツ等の果物;生しいたけ、えのきだけ、しめじ、
まいたけ、マッシュルール等のきのこ類;切花などがあ
げられる。
【0041】また本発明の青果物用自立包装袋は青果物
を小分け包装することができるので、出荷段階または流
通段階で一度個包装すると、その包装状態のまま店頭で
陳列して販売することができる。この場合、包装した青
果物は自立した状態で販売することができるので、陳列
性にも優れている。このように本発明の青果物用自立包
装袋は、販売時点での再包装の手間を省略することがで
きるので、人件費を削減して低コストでの包装が可能と
なる。また再包装する包装材が不要となり、ノートレ
ー、ノーブリスター化により廃棄性が向上し、発生する
ごみの量が少なくなるので、近年問題になっているCO
2削減などに対応した商品の簡略化包装も可能となる。
【0042】
【発明の効果】本発明の青果物用自立包装袋は、ポリ4
−メチル−1−ペンテン系重合体層の少なくとも片面に
オレフィン系重合体層が積層された多層フィルムを、少
なくとも一部の構成要素とする包装袋であるので、ガス
透過性が高く、しかも腰があって自立させることがで
き、これにより青果物の鮮度を長期間保持することがで
きるとともに、流通から販売における包装の簡素化およ
び陳列性を向上させることができ、かつヒートシール
性、強度および透明性に優れるほか、低コストで容易に
製造することができる。
【0043】
【発明の実施形態】次に実施例および比較例をあげて本
発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。各実施例および比較例
で用いた原料は次の通りである。 1)ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体 融点が228℃、MFR(ASTM D 1238、2
60℃、5kg荷重)が25g/10分、密度(AST
M D 1505)が0.835g/cm3のポリ4−
メチル−1−ペンテン(TPX MX021、三井化学
(株)製、商標)を使用した。 2)接着性樹脂 MFR(ASTM D 1238、260℃、5kg荷
重)が31g/10分、密度(ASTM D 150
5)が0.855g/cm3の接着性樹脂(TLP63
0、三井化学(株)製、商標)を使用した。 3)ポリエチレン系重合体 MFR(ASTM D 1238、190℃、2.16
kg荷重)が2g/10分、密度(ASTM D 15
05)が0.905g/cm3のポリエチレン系重合体
(UZ0521L、三井化学(株)製、商標)を使用し
た。 4)ポリプロピレン系重合体 MFR(ASTM D 1238、230℃、2.16
kg荷重)が7g/10分、密度(ASTM D 15
05)が0.91g/cm3のポリプロピレン系重合体
(F327D、グランドポリマー(株)製、商標)を使
用した。
【0044】実施例1 T−ダイ共押出成形により、ポリ4−メチル−1−ペン
テン系重合体層の片面に接着性樹脂層を介してポリエチ
レン系重合体層が積層された三層フィルムを成形した。
この多層フィルムを用いて、ポリエチレン系重合体層が
袋の内側になるようにして、200×120mmのスタ
ンドパックを作成し、後述の鮮度保持試験に用いた。な
お多層フィルム全体の厚さは100μmであり、各層の
厚さは次の通りである。 ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体層:65μm 接着性樹脂層:10μm ポリエチレン系重合体層:25μm
【0045】実施例2 T−ダイ共押出成形により、ポリ4−メチル−1−ペン
テン系重合体層の片面に接着性樹脂層を介してポリプロ
ピレン系重合体層が積層された三層フィルムを成形し
た。この多層フィルムを用いて、ポリプロピレン系重合
体層が袋の内側になるようにして、250×300mm
のガゼット袋を作成し、後述の鮮度保持試験に用いた。
なお多層フィルム全体の厚さは50μmであり、各層の
厚さは次の通りである。 ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体層:10μm 接着性樹脂層:10μm ポリプロピレン系重合体層:30μm
【0046】比較例1 ナイロン層(15μm)/ポリエチレン層(100μ
m)の二層フィルム(合計の厚さ115μm)を用い
て、ポリエチレン層が容器の内側になるようにして、2
00×120mmのスタンドパックを作成し、後述の鮮
度保持試験に用いた。
【0047】比較例2 厚さ50μmの無延伸ポリプロピレン単層フィルムを用
いて250×300mmの平袋を作成し、後述の鮮度保
持試験に用いた。
【0048】比較例3 厚さ100μmのポリ4−メチル−1−ペンテン単層フ
ィルムを用いて200×120mmのスタンドパックを
作成し、後述の鮮度保持試験に用いた。
【0049】比較例4 厚さ50μmのポリ4−メチル−1−ペンテン単層フィ
ルムを用いて250×300mmのガゼット袋を作成
し、後述の鮮度保持試験に用いた。
【0050】《酸素透過試験》前記の実施例1、2なら
びに比較例1、2、3および4のフィルムについて、ガ
スパーム(日本分光工業(株)製、商標)を使用し、2
3℃の酸素透過量を測定した。その結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1の結果から明らかなように、実施例の
フィルムは常温で青果物包装における適度な酸素透過量
を有している。
【0053】《鮮度保持試験1》実施例1、比較例1お
よび比較例3のスタンドパック各5個にそれぞれアスパ
ラガス45gを投入し、開口部をヒートシールで密封し
た。その後、20℃で5日間、アスパラガスが倒立する
ように袋を立てて保存して、袋内のガス組成およびアス
パラガスの品質変化を調査した。また、対照区として無
包装で20℃5日間保存し、実施例1、比較例1および
比較例3と品質変化について比較した。その結果を表2
および表3に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】表2および表3の結果から明らかなよう
に、実施例1は袋内のガス濃度が最適な範囲に保たれる
ので、アスパラガスの鮮度を長期間保持することがで
き、このため商品性を長期間保つことが可能である。
【0057】《鮮度保持試験2》実施例2および比較例
4のガゼット袋、比較例2の平袋各5個にそれぞれブロ
ッコリー180gを投入し開口部をヒートシールで密封
した。その後、実施例2および比較例4については倒立
状態、比較例2については横倒し状態で20℃、5日間
保存して袋内のガス組成およびブロッコリーの品質変化
を調査した。また、対照区として無包装で20℃5日間
保存し、実施例2、比較例2および比較例4と品質につ
いて比較した。その結果を表4および表5に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】表4および表5の結果から明らかなよう
に、実施例2では袋内のガス濃度が最適な範囲に保たれ
るので、ブロッコリーの鮮度を長期間保持することがで
き、このため商品性を長期間保つことが可能である。ま
た比較例2のブロッコリーは横倒し状態であったため、
自重のかかる部位に腐敗が認められた。
フロントページの続き (72)発明者 紅露 和美 徳島県阿南市内原町中分97−1 (72)発明者 谷崎 達也 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 乗富 勝美 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 山本 陽造 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 3E035 AA11 AA12 BA08 BB02 BC02 BD01 CA07 4B069 AB04 HA01 KD07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体
    層の少なくとも片面にオレフィン系重合体層が積層され
    た多層フィルムを、少なくとも一部の構成要素とする青
    果物用自立包装袋。
  2. 【請求項2】 多層フィルムの厚みが30〜250μm
    である請求項1記載の青果物用自立包装袋。
  3. 【請求項3】 多層フィルムの23℃における酸素透過
    度が3000〜20000ml/m2・24hrs・a
    tmである請求項1または2記載の青果物用自立包装
    袋。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100403892B1 (ko) * 2001-05-29 2003-11-03 오재완 고분자화합물로 코팅된 과일 보호 봉지용 섬유상 시트
JP2010120683A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd 菊の切り花の鮮度保持用包装袋及び菊の切り花の鮮度保持保存方法
JP2012201392A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Mitsui Chemicals Inc 包装用フィルム、積層包装用フィルム、前記フィルムの製造方法、および前記フィルムを用いた包装方法
JP2020179868A (ja) * 2019-04-23 2020-11-05 三井化学株式会社 柑橘類用包装体
WO2022186208A1 (ja) 2021-03-02 2022-09-09 三井化学株式会社 多層フィルム、容器、細胞培養用パック及び多層フィルムの製造方法

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