JP4636479B2 - ポリオレフィン多層フィルム及び包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温熱融着性及び易開封性に優れた包装用、中でもパン包装用に好適なポリオレフィン多層フィルム及びそれを用いた包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体あるいはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体等の熱融着層を備えた無延伸ポリプロピレンの単層若しくは多層フィルムは、透明性、光沢性、剛性等に優れ、菓子、パン、野菜等の食品、あるいはシャツ、ズボン、下着等の衣料品を始め日用品等のあらゆる分野の製品の包装材料として広く使用されている。かかる包装用フィルムに求められる性能として近年特に、実包装ラインの高速化に伴う低温でのヒートシール性、暖かい温度で溶融し易いチョコレート製品包装用に適した低温ヒートシール性あるいは高齢化社会(バリアフリー)における易開封性が要求されている。一方、パン包装について多用されているツイスト包装はその構造上、輸送あるいはコンビニ、スーパー等の棚に陳列時に、ツイスト上部に埃や虫等が紛れ込んだ場合、開封時に埃等が内部に落下する虞があることから、ツイスト上部若しくは下部を熱融着した包装体が開発されている。
【0003】
しかしながら、従来使用されている無延伸ポリプロピレンの単層あるいは多層フィルムは低温熱融着性と易開封性のバランスに欠けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、包装時における低温ヒートシール性に優れ、且つヒートシール部の易開封性に優れた包装用に適したポリオレフィン多層フィルムを得ると共に、ツイスト包装の製袋品の溶断シール部並びにガゼットシール部の融着強度の低下を招かずに、低温熱融着性及び易開封性に優れた包装用ポリオレフィン多層フィルムを得ることを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【発明の概要】
すなわち本発明は、融点が120〜150℃のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)20〜80重量%とブテン重合体(B)80〜20重量%とから得られうる熱融着層及びプロピレン重合体(C)層から構成されることを特徴とする低温熱融着性及び易開封性に優れた包装用、中でもパン包装用に好適なポリオレフィン多層フィルム、更には基材層が積層されたポリオレフィン多層フィルム及びそれらポリオレフィン多層フィルムに被包装物が封入され、ポリオレフィン多層フィルム包装体のツイスト部の上部若しくは下部を熱融着してなる包装体に関する。
【0006】
【発明の具体的説明】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)は、融点が120〜150℃、好ましくは125〜147℃の範囲にある。かかる範囲にあるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)は、通常プロピレン含有量が、98〜86重量%、好ましくは96〜88重量%の範囲にある。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等の炭素数が2〜10のα−オレフィンである。中でも、エチレン含有量が0.5〜8重量%、好ましくは1〜6重量%、1−ブテンが0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%のランダム共重合体が低温熱融着性、易開封性、耐ブロッキング性のバランスに優れるので好ましい。
【0007】
又、かかるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)のメルトフローレート(MFR)(ASTM D 1238、温度230℃、荷重2160g)は、フィルムとして使用できる範囲であれば特に限定はないが、通常、1〜20g/10分、好ましくは3〜10g/10分の範囲にある。
【0008】
ブテン重合体(B)
本発明に係わるブテン重合体(B)は、1−ブテンの単独重合体及び1−ブテンと通常30重量%以下のエチレン、プロピレン等の他のα−オレフィンとの共重合体である。ブテン重合体(B)はMFRがASTM D1238 温度190℃、荷重2160gで測定した値が、通常0.2〜20、好ましくは1〜20(g/10分)であると、良好な押出性と熱融着層として用いる場合に十分な機械的強度を得る上で望ましい。又、ブテン重合体(B)は通常その融点が70〜130℃、好ましくは70〜115℃、更に好ましくは70〜80℃の範囲にある。このブテン重合体(B)は、熱融着層として熱融着層の凝集力を低下させ、包装体を剥離する際の易剥離性を付与する効果がある。
【0009】
プロピレン重合体(C)
本発明に係わるプロピレン重合体(C)は、プロピレンの単独重合体あるいは、プロピレンとエチレン、1―ブテン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜10のα―オレフィンとのプロピレンを主成分とするランダム若しくはブロック共重合体である。共重合体の場合は、通常プロピレン含有量が50重量%以上、好ましくは60重量%以上の共重合体である。単独重合体か共重合体を用いるかは、要求される外観によって適宜選択でき、例えば、透明な多層フィルムを得るには、単独重合体あるいはランダム共重合体を選択し、不透明な多層フィルムを得るにはブロック共重合体を夫々選択すれば良い。
【0010】
かかるプロピレン重合体(C)のMFR(ASTM D 1238、温度230℃、荷重2160g)は、フィルムとして使用できる範囲であれば特に限定はないが、通常、0.5〜20g/10分、好ましくは1〜10g/10分の範囲にある。
【0011】
ランダム共重合体としては、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)と同じ範疇の共重合体も用い得るが、多層フィルムの剛性(腰)を保つために、プロピレン含有量が98〜95重量%と比較的プロピレン含有量が多いランダム共重合体を選択しても良い。
【0012】
ブロック共重合体は、プロピレンとエチレン等のα―オレフィン、通常はエチレンとを複数の重合反応装置で、プロピレン及びエチレンを夫々重合させることにより得られるもの、別途重合したポリプロピレンとポリエチレンとを混合したもの、あるいはそれらの組合せによるもので、主な成分として、プロピレン重合部、エチレン重合部、及び低結晶性若しくは非晶性のエチレン・プロピレン共重合体を含む共重合体である。かかるブロック共重合体におけるプロピレン含有量は通常、60〜90重量%の範囲にある。
【0013】
又、本発明に係わるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)、ブテン重合体(B)あるいはその組成物、プロピレン重合体(C)には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤等の添加剤あるいは他の重合体をを必要に応じて配合することができる。特に、アンチブロッキング剤、スリップ剤を配合することによって、フィルム成形時、ラミネート加工時、包装作業時等における加工性や作業性を向上させることができる。
【0014】
ポリオレフィン多層フィルム
本発明のポリオレフィン多層フィルムは、前記融点が120〜150℃のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)20〜80重量%、好ましくは25〜70重量%と前記ブテン重合体(B)80〜20重量%、好ましくは75〜30重量%とから得られうる熱融着層及びプロピレン重合体(C)層から構成される。又、他の態様は前記融点が120〜150℃のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)20〜80重量%、好ましくは25〜70重量%と前記ブテン重合体(B)80〜20重量%、好ましくは75〜30重量%とから得られうる熱融着層、プロピレン重合体(C)層及び基材層とから構成される。
【0015】
熱融着層を形成する重合体成分であるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が20重量%未満ではフィルムの成形性、得られるフィルムの剛性、滑性にに劣る虞があり、一方、80重量%を超えると、低温熱融着性に劣る虞がある。又、熱融着層には密度が0.905〜0.940g/cm3の範囲の直鎖状低密度ポリエチレンを添加しておいても良い。
【0016】
本発明のポリオレフィン多層フィルムは、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)とブテン重合体(B)からなる熱融着層とプロピレン重合体(C)層とから構成されるが、プロピレン重合体(C)層を中間層と表面層(被印刷層)に分けておいても良い。この場合、中間層を形成するプロピレン重合体(C)と被印刷層を形成するプロピレン重合体(C)は用途に応じて適宜選択でき、同一重合体であっても異なる重合体であっても良い。
【0017】
本発明に係わる基材層は、通常、包装材料として使用されている種々材料、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム及びポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリカーボネートフィルム等のポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム等の熱可塑性樹脂製フィルム、アルミニューム箔、紙等が挙げられる。かかる熱可塑性樹脂製フィルムからなる基材は無延伸であっても一軸あるいは二軸延伸フィルムであっても良い。勿論、基材は1層でも2層以上としても良い。
【0018】
ポリオレフィン多層フィルム全体の厚さは、通常20〜100μm、好ましくは20〜40μmの範囲にあり、通常、熱融着層:2〜20μm、被印刷層:18〜80μm、好ましくは熱融着層:2〜10μm、被印刷層:18〜30μmの範囲にある。中間層を設ける場合は、通常、熱融着層:2〜20μm、中間層:60〜96μm及び被印刷層:2〜20μm、好ましくは熱融着層:2〜10μm、中間層:10〜26μm及び被印刷層:2〜10μmの範囲にある。又、基材層を積層する場合の基材層の厚さは、通常12〜500μm、好ましくは12〜100μmの範囲にある。
【0019】
本発明のポリオレフィン多層フィルムは種々公知の方法で製造できる。例えば、予め熱融着層及び被印刷層、必要に応じて中間層となるフィルムを別個に成形した後、貼り合わせる方法、複数の押出機で各層を形成する重合体を個別に溶融して一つのダイから多層フィルムとする、所謂共押出成形法により製造できる。中でも、共押出成形法が、多層フィルムを容易に成形でき、且つ得られる多層フィルムも層間接着性に優れるので好ましい。かかる共押出成形してポリオレフィン多層フィルムを製造する方法としては、例えば、熱融着層となるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)とブテン重合体(B)とを所定の量で混合した後、一つの押出機に投入し、他の押出機に被印刷層となるプロピレン重合体(C)及び必要に応じて中間層となるプロピレン重合体(C)を投入して多層フィルムとする方法、予めプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)及びブテン重合体(B)とを所定の量で混合して押出機等で溶融混練して組成物を得た後、上記方法により成形する方法等が挙げられる。又、更に基材層をプロピレン重合体(C)に積層する場合は、共押出成形法に加え、予め熱融着層とプロピレン重合体(C)とからなるポリオレフィン多層フィルムを得た後、基材層にドライラミする方法、基材層に熱融着層とプロピレン重合体(C)とからなるポリオレフィン多層フィルムを押出しラミする方法等がとり得る。
【0020】
本発明のポリオレフィン多層フィルムの被印刷層となるプロピレン重合体(C)層の表面には、通常、一般的な包装用グラビアインキで印刷されるが、必ずしも印刷されていなくても良い。
【0021】
包装体
本発明の包装体は、上記構成からなる包装用ポリオレフィン多層フィルムから製造された包装袋に食パンを始めとする菓子パン等のパン類、お菓子、スナック、おもちゃ、日用雑貨品等の種々の被包装物が封入され、ポリオレフィン多層フィルム包装体のツイスト部の上部若しくは下部を熱融着してなる構造を有する。包装体の形状は、被包装物の形状に合わせて種々の形状をとり得る。例えば立方形の食パンであれば、船底タイプ、ガゼットタイプ等の形状にすれば良い。又、包装体の側部は、通常製袋時に溶断シールされている。
【0022】
【実施例】
次に本発明を、実施例を通して説明するが、本発明はそれら実施例によって限定されるものではない。
【0023】
特性値は以下の方法で測定した。
(1) ヒートシール強度(N/15mm):熱融着層面を重ね合せ、表記載の温度、幅5mmのシールバーにより、0.2MPaの圧力で1秒間シールした後放冷した。これから15mm幅の試験片を切り取りクロスヘッド速度500mm/minでヒートシール部を剥離し、その強度をヒートシール強度とした。又、剥離面を観察し、界面剥離したものを○、若干伸び剥離したものあるいは凝集剥離したものを△及びエッジ切れを起こしたものを×とした。
(2) 溶断強度(N/15mm):熱融着層面を重ね合せ、その上下にセロファンを重ね、先端角度60度の三角形であるシールバーを用い、シールバー温度を270℃及び300℃に設定し、0.2MPaの圧力で0.5秒間シールした後放冷した。これから15mm幅の試験片を切り取りクロスヘッド速度500mm/minでヒートシール部を剥離し、その強度を溶断強度とした。
(3)融点(℃):重合体の融点はDSCを用い、試料を200℃で融解した後、10℃/分の降温速度で20℃まで下げ、1分間保った後、10℃/分の昇温速度で200℃まで加熱して測定した。
なお、本実施例及び比較例で使用した原料は次の通りである。
(1)プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(R−PP−1)
エチレン含有量:2.2重量%、ブテンー1含有量:1.5重量%、融点142℃、MFR7g/10分
(2)プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(R−PP−2)
エチレン含有量:2.7重量%、ブテンー1含有量:1.5重量%、融点138℃、MFR7g/10分
(3)プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(R−PP−3)
エチレン含有量:3.1重量%、ブテンー1含有量:2.5重量%、融点131℃、MFR7g/10分
(4)プロピレン単独重合体(PP)
融点163℃、MFR7g/10分
(5)ブテン重合体(PB)
ブテンー1・プロピレン共重合体、プロピレン含有量:16重量%、MFR4g/10分、融点75℃
(6)プロピレン重合体(B−PP−1)
エチレン含有量:7.6重量%、非晶性エチレン・プロピレンランダム共重合体量:7.6重量%、MFR6.5g/10分
(7)プロピレン重合体(B−PP−2)
エチレン含有量:26.1重量%、非晶性エチレン・プロピレンランダム共重合体量:8.4重量%、MFR4.5g/10分
【0024】
実施例1
R−PP−1:30重量%とPB:70重量%とをドライブレンドした熱融着層を形成するポリオレフィン組成物と、B−PP−1:75重量%とR−PP−2:25重量%とドライブレンドした中間層を形成するポリオレフィン組成物及びB−PP−2:48.5重量%とB−PP−1:51.5重量%とドライブレンドした被印刷層を形成するポリオレフィン組成物とを別々の押出機に供給し、Tダイ法によって熱融着層/中間層/被印刷層からなる構成の3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0025】
実施例2
実施例1で用いた熱融着層を形成するポリオレフィン組成物を、R−PP−1:50重量%とPB:50重量%とをドライブレンドしたポリオレフィン組成物に代える以外は実施例1と同様に行い、3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0026】
実施例3
実施例1で用いた熱融着層を形成するポリオレフィン組成物を、R−PP−2:30重量%とPB:70重量%とをドライブレンドしたポリオレフィン組成物に代える以外は実施例1と同様に行い、3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0027】
実施例4
実施例1で用いた熱融着層を形成するポリオレフィン組成物を、R−PP−2:50重量%とPB:50重量%とをドライブレンドしたポリオレフィン組成物に代える以外は実施例1と同様に行い、3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0028】
実施例5
実施例1で用いた熱融着層を形成するポリオレフィン組成物を、R−PP−2:60重量%とPB:40重量%とをドライブレンドしたポリオレフィン組成物に代える以外は実施例1と同様に行い、3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0029】
実施例6
実施例1で用いた熱融着層を形成するポリオレフィン組成物を、R−PP−3:55重量%とPB:45重量%とをドライブレンドしたポリオレフィン組成物に代える以外は実施例1と同様に行い、3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0030】
実施例7
実施例1で用いた熱融着層を形成するポリオレフィン組成物を、R−PP−3:60重量%とPB:40重量%とをドライブレンドしたポリオレフィン組成物に代える以外は実施例1と同様に行い、3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0031】
実施例8
実施例1で用いた熱融着層を形成するポリオレフィン組成物を、R−PP−3:65重量%とPB:35重量%とをドライブレンドしたポリオレフィン組成物に代える以外は実施例1と同様に行い、3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0032】
実施例9
実施例1で用いた熱融着層を形成するポリオレフィン組成物を、PP:40重量%とPB:60重量%とをドライブレンドしたポリオレフィン組成物に代える以外は実施例1と同様に行い、3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0033】
比較例1
実施例1で用いた熱融着層を形成するポリオレフィン組成物を、R−PP−2:100重量%に代える以外は実施例1と同様に行い、3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0034】
比較例2
実施例1で用いた熱融着層を形成するポリオレフィン組成物を、PP:100重量%に代える以外は実施例1と同様に行い、3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0035】
実施例10
実施例7で用いた中間層を形成するポリオレフィン組成物をPP:100重量%、被印刷層を形成するポリオレフィン組成物をR−PP−2:100重量%に夫々代える以外は実施例7と同様に行い、3層共押出フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被印刷層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。
【0036】
実施例11
厚さ20μmのポリプロピレン二軸延伸フィルムからなる基材層に、ウレタン系接着剤を塗布し、実施例1で得た熱融着層/中間層/被印刷層からなる構成の3層共押出フイルムの被印刷層をドライラミネートしてポリオレフィン多層フィルムを得た。
【0037】
実施例12
実施例11で用いた3層共押出フイルムに代えて実施例9で得た3層共押出フイルムを用いる以外は実施例11と同様に行いポリオレフィン多層フィルムを得た。
【0038】
実施例13
実施例11で用いた3層共押出フイルムに代えて実施例3で得た3層共押出フイルムを用いる以外は実施例11と同様に行いポリオレフィン多層フィルムを得た。
【0039】
比較例3
実施例11で用いた3層共押出フイルムに代えて比較例1で得た3層共押出フイルムを用いる以外は実施例11と同様に行いポリオレフィン多層フィルムを得た。
【0040】
比較例4
実施例11で用いた3層共押出フイルムに代えて、比較例1の3層共押出フイルムのR−PP−2をR−PP−3に代えた3層共押出フイルムを用いる以外は実施例11と同様に行いポリオレフィン多層フィルムを得た。
【0041】
各実施例及び比較例で得られたフィルムと被着体とのヒートシール強度の測定結果を表1及び表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
本発明の熱融着層が特定のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)とブテン重合体(B)から形成されてなるポリオレフィン多層フィルムは、溶断強度を充分維持していながら、低温熱融着性及び易開封性に優れた特徴を有しているので、包装用フィルムに好適に使用でき、又、食パンを始めとする菓子パン等のパン類、お菓子、スナック、おもちゃ、日用雑貨品等の種々の被包装物、中でも食パン等のやや重量がある被包装物を充填しても、側面の溶断部、あるいは底部が破れる虞もなく、且つ包装後に、ツイスト上部若しくは下部を低温で熱融着できるので作業性に優れる。又、家庭等で購入者が被包装物を取出す際にも、包装袋のフィルムを破ることなく、熱融着部を容易に開封できる。
Claims (7)
- 融点が120〜150℃のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)20〜80重量%と融点が70〜80℃のブテン重合体(B)80〜20重量%とから得られうる熱融着層、プロピレン重合体(C)層からなる中間層及びプロピレン重合体(C)層からなる被印刷層が共押出成形されてなることを特徴とするポリオレフィン多層フィルム。
- 中間層及び被印刷層を形成するプロピレン重合体(C)が、プロピレンブロック共重合体である請求項1記載のポリオレフィン多層フィルム。
- プロピレン重合体(C)層からなる被印刷層面に基材層が積層されてなる請求項1または2記載のポリオレフィン多層フィルム。
- ポリオレフィン多層フィルムが包装用である請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン多層フィルム。
- ポリオレフィン多層フィルムがパン包装用である請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン多層フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン多層フィルムに被包装物が封入され、ポリオレフィン多層フィルム包装体のツイスト部の上部若しくは下部を熱融着してなる包装体。
- 被包装物がパンである請求項6記載の包装体。
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