JP2020179868A - 柑橘類用包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】カビの増殖を抑制でき、かつ、柑橘類におけるビタミンCの含有量の低下を抑制できる柑橘類用包装体を提供する。【解決手段】柑橘類を包装して、温度8℃の大気中にて保存して包装体内の環境が安定状態となった場合の、前記包装体内における、湿度が85%RH〜90%RHであり、二酸化炭素濃度が0.1体積%以上2体積%以下であり、酸素濃度が15体積%〜25体積%である柑橘類用包装体である。【選択図】なし

Description

本開示は、柑橘類用包装体に関する。
青果物は、青果物それぞれの生理活性の違いはあるものの、収穫後もその品質を維持している。しかし、収穫後における青果物の流通過程で、長期間を経ると品質は低下していく。上記品質の低下としては、例えば、青果物における微生物の増殖(例えばカビの発生)、青果物の枯れ、香りの減少、味の劣化等が挙げられる。青果物の流通過程における品質低下には、温度、湿度、ガス条件等の様々な要因が関わっていると考えられている。
上記の品質に対しては、品質の低下を伴わない状態を維持しながら青果物を保存できる期間を延長することを目的として、様々な試みが行われている。
例えば、特許文献1には、防カビ樹脂フィルムと、第1樹脂層と、第2樹脂層と、を備えた防カビ積層フィルムであって、前記防カビ樹脂フィルムは、前記第1樹脂層と、前記第2樹脂層と、の間に配置され、前記防カビ樹脂フィルムは、特定の構造式で表される化合物又はその塩を有効成分とする防カビ剤と、樹脂と、を含み、前記防カビ積層フィルムは、平均直径が8000μm以下の貫通孔を有し、かつ40℃、90%RHの雰囲気下における水蒸気透過量が5g/m・day以上である、防カビ積層フィルムが記載されている。
また、特許文献2には、炭酸ガス透過速度が20〜3.0×10cc/包装体・day・atmかつ酸素透過速度が20〜3.0×10cc/包装体・day・atmで、0.9<炭酸ガス透過速度/酸素透過速度<10である青果物を密封した包装体内部を炭酸ガス置換し、ガス置換直後の包装体内炭酸ガス濃度を60%以上とすることを特徴とする青果物のカビ防止方法が記載されている。
特開2018−168084号公報 特開2003−144044号公報
上述の品質低下に関わる要因の中でも、青果物における微生物の増殖(例えばカビの発生)、及び、青果物の鮮度については、青果物の商品価値を喪失させる可能性があり、改善が強く求められている。
青果物の中でも、特に不知火等の柑橘類は含水分量が他の青果物と比較して多量である場合が多く、柑橘類を包装体によって包装する場合にはカビが発生しやすい傾向にある。 一方で、柑橘類を包装体に入れない、即ち、大気中又は大気と同様の環境で保存する場合には、柑橘類に含まれる水分が拡散するために乾燥状態となることで、柑橘類の鮮度が劣化する(例えば、皮が萎縮する、食味が落ちる等)という問題があった。
本開示における発明者らは、上記問題について検討した結果、柑橘類中のビタミンCの含有量の低下が柑橘類の鮮度を劣化させる原因の一つであることを見出した。
柑橘類を包装して保存する場合に柑橘類中のビタミンCの含有量が低下する理由は不明であるが、以下のように推測される。即ち、柑橘類を包装して大気中にて保存する際、包装体内の二酸化炭素濃度が増加することで柑橘類の呼吸が活発となり、上記活発な呼吸を行うためにより多くのビタミンCが消費されると考えられる。そして、柑橘類中のビタミンCの含有量が低下した場合には、例えば、食味が低下する等の鮮度劣化が発生すると考えられる。
特許文献1において、防カビ積層フィルム内の二酸化炭素濃度は考慮されていない。
また、特許文献2において、包装体内炭酸ガス濃度は60%以上であるために、青果物中のビタミンC含有量の低下が抑制されていない可能性がある。
本開示の実施形態が解決しようとする課題は、カビの増殖を抑制でき、かつ、柑橘類におけるビタミンCの含有量の低下を抑制できる柑橘類用包装体を提供することである。
上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
<1>柑橘類を包装して、温度8℃の大気中にて保存して包装体内の環境が安定状態となった場合の、前記包装体内における、湿度が85%RH〜90%RHであり、二酸化炭素濃度が0.1体積%以上2体積%以下であり、酸素濃度が15体積%〜25体積%である柑橘類用包装体。
<2>前記大気中の湿度が85%RHである<1>に記載の柑橘類用包装体。
<3>温度40℃、湿度90%RHの条件下における、水蒸気透過度が150g/m・day以上であり、温度23℃、湿度90%RHの条件下における、二酸化炭素透過度が150000mL/m・day・atm〜1500000mL/m・day・atmであり、酸素透過度が40000mL/m・day・atm〜400000mL/m・day・atmである柑橘類用包装体。
<4>最大径が50μm以上である孔を有さない、又は、最大径が50μm以上である孔を1mあたり1個以下有する<1>〜<3>のいずれか1つに記載の柑橘類用包装体。
<5>4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体を含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載の柑橘類用包装体。
<6>前記重合体の全質量に対する4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の含有量が、50質量%〜99質量%である<5>に記載の柑橘類用包装体。
<7>前記重合体は、4−メチル−1−ペンテンとα―オレフィンとの共重合体である<5>又は<6>に記載の柑橘類用包装体。
<8>前記柑橘類が不知火、紅まどんな及び甘平からなる群より選ばれる1種以上である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の柑橘類用包装体。
<9>前記重合体が、2軸延伸された重合体である<5>〜<7>のいずれか1つに記載の柑橘類用包装体。
本開示の実施形態によれば、カビの増殖を抑制でき、かつ、柑橘類におけるビタミンCの含有量の低下を抑制できる柑橘類用包装体を提供することができる。
以下、本開示の柑橘類用包装体について、詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「フィルム」は、一般的に「フィルム」と呼ばれているものだけでなく、一般的に「シート」と呼ばれているものをも包含する概念である。
本明細書において、重合体中の各成分の量について言及する場合、重合体中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、重合体中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
≪柑橘類用包装体≫
本開示の柑橘類用包装体(本明細書中、単に本開示の包装体ともいう)としては、下記の態様a及び態様bが挙げられる。
以下に態様a及び態様bについて詳細に説明する。
<態様a>
本開示の柑橘類用包装体の第1の態様a(以下、態様aともいう。)は、柑橘類を包装して、温度8℃の大気中にて保存して包装体内の環境が安定状態となった場合の、包装体内における、湿度が85%RH〜90%RHであり、二酸化炭素濃度が0.1体積%以上2体積%以下であり、酸素濃度が15体積%〜25体積%である。
なお本開示において、「包装体内の環境が安定状態となる」とは、包装体内の湿度の変動が、30時間前の包装体内の湿度を基準として−3%〜+3%であり、包装体内の二酸化炭素濃度及び酸素濃度変動が、30時間前の包装体内の二酸化炭素濃度及び酸素濃度を基準として−3%〜+3%である状態となることを意味する。
上記保存の際、例えば、湿度は85%RHとしてもよい。
上述の通り、柑橘類は含水分量が他の青果物と比較して多量である場合が多く、柑橘類を包装体によって包装する場合にはカビが発生しやすい傾向にある。一方、カビの増殖を抑制するために柑橘類を大気中又は大気と同様の環境で保存する場合は、柑橘類が乾燥状態となることで、柑橘類の鮮度が劣化するという問題があった。
本開示における発明者らは、柑橘類中のビタミンCの含有量の低下が柑橘類の鮮度を劣化させる原因の一つであるとの知見を得た。
柑橘類を包装して保存する場合に柑橘類中のビタミンCの含有量が低下する理由は、柑橘類を包装して大気中にて保存する際、包装体内の二酸化炭素濃度が増加することで、柑橘類の呼吸が活発となり、上記活発な呼吸を行うためにより多くのビタミンCが消費されるためであると推測される。
本開示の包装体は、上記の構成を有することで、包装体内の柑橘類に含まれる水分量を、カビの増殖を抑制しつつ、著しい鮮度劣化が生じない程度に維持することができる。また、包装体内の柑橘類の呼吸状態が過剰に活発となることを抑制することができる。
以上により、開示の包装体は、他の青果物と比較して水分量が多い柑橘類を包装した場合であってもカビの増殖を抑制し、かつ、柑橘類に含まれるビタミンCの消費を抑制することができる。
本開示の包装体を用いて柑橘類を包装した場合、例えば、果皮障害、食味低下等の鮮度劣化を抑制することができる。特に、食味の観点から、糖酸比を良好に維持することができる。
以下、本開示の包装体について詳細に説明する。
(湿度)
態様aの包装体は、柑橘類を包装して、温度8℃の大気中にて保存して包装体内の環境が安定状態となった場合の、包装体内における、湿度が85%RH〜90%RHである。
上記湿度が85%RH以上であることで、柑橘類の鮮度劣化を良好に抑制することができる。また、保存時間が経過するに従って、柑橘類が有する成分(主に水分)を喪失することによる柑橘類の質量の減少を良好に抑制することができる。
上記と同様の観点から、湿度は86%RH以上であることが好ましい。
上記湿度が90%RH以下であることは、包装体内の湿度として、達成可能な上限値であることを意味する。また、カビの増殖を抑制する点から、湿度が89%RH以下であることが好ましい。
上記と同様の観点から、包装体内の湿度は86%RH〜89%RHが好ましい。
態様aにおける湿度は、相対湿度を指し、ハイグログロン(温湿度ロガー、KNラボラトリーズ製)を包装体の内部に設置して測定される値である。
(二酸化炭素濃度)
態様aの包装体は、柑橘類を包装して、温度8℃の大気中にて保存して包装体内の環境が安定状態となった場合の、包装体内における二酸化炭素濃度が0.1体積%以上2体積%以下である。
上記二酸化炭素濃度が2体積%以下であることで、柑橘類の呼吸活動が過剰に活発になること抑えることができるため、呼吸活動によって消費されるビタミンCの量を抑制することができる。その結果、鮮度劣化(中でも、特に食味の劣化)を抑制することができる。
上記と同様の観点から、上記二酸化炭素濃度は1.5体積%以下であることが好ましく、1.0体積%以下であることがより好ましい。
また、上記二酸化炭素濃度が0.1体積%以上であることで、柑橘類の呼吸活動を安定して維持することができる。
上記同様の観点から、二酸化炭素濃度は0.3体積%以上であることが好ましい。
なお、包装体内の二酸化炭素濃度は、ChecPoint3(MOCONEurope社製)を用いて測定できる。
(酸素濃度)
態様aの包装体は、柑橘類を包装して、温度8℃の大気中にて保存して包装体内の環境が安定状態となった場合の、包装体内における酸素濃度が15体積%〜25体積%である。
上記酸素濃度が15体積%以上であることで、柑橘類の呼吸に必要な酸素を確保できるため、低酸素濃度での呼吸状態による鮮度劣化を防止することができる。
上記と同様の観点から、上記酸素濃度は18体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることがより好ましい。
酸素濃度が25体積%以下であることで、柑橘類の呼吸活動が過剰に活発になること抑えることにより、呼吸活動によって消費されるビタミンCの量を抑制することができる。その結果、鮮度劣化(中でも、特に食味の劣化)を抑制することができる。
上記と同様の観点から、上記酸素濃度は23体積%以下であることが好ましい。
なお、包装体内の酸素濃度は、ChecPoint3(MOCON Europe社製)を用いて測定できる。
(包装体内の温度)
態様aの包装体を用いて柑橘類を保存する際の、包装体内の温度としては、−1℃〜30℃であることが好ましい。温度が−1℃以上であることで、低温障害を防ぐことができる。温度が30℃以下であることで、カビの増殖速度を遅くすることができる。
包装体内の温度は、0℃〜15℃がより好ましく、1℃〜10℃がさらに好ましい。
(孔)
本開示の包装体は、有孔であってもよく、無孔であってもよい。
中でも、本開示の包装体は、最大径が50μm以上である孔を有さない、又は、最大径が50μm以上である孔を1mあたり1個以下有することが好ましい。
これによって、包装体によって保存される柑橘類の香りを良好に保持することができ、包装体外からの異物の混入を防ぐことができる。
上記同様の観点から、本開示の包装体は最大径が50μm以上である孔を有さないことがより好ましい。
上記の包装体内の環境条件を達成する方法としては、特に制限はないが、例えば、包装体による酸素、二酸化炭素及び水蒸気の透過性を制御する方法が挙げられる。
中でも、態様aの上記包装体内の環境条件は、下記の態様bによって達成することが好ましい。
<態様b>
態様bの包装体は、温度40℃、湿度90%RHの条件下における、水蒸気透過度が150g/m・day以上であり、温度23℃、湿度90%RHの条件下における、二酸化炭素透過度が150000mL/m・day・atm〜1500000mL/m・day・atmであり、酸素透過度が40000mL/m・day・atm〜400000mL/m・day・atmである。
態様bの包装体を上記の構成とすることで、柑橘類の収穫後の流通過程において、包装体内の湿度、二酸化炭素濃度及び酸素濃度を、上述の態様aの範囲内に調整することができるため、上述した特定の範囲内の湿度、二酸化炭素濃度及び酸素濃度を組み合わせた保存環境を作り出すことができる。結果として、柑橘類におけるカビの増殖を抑制し、柑橘類の鮮度劣化を抑制することが可能となる。
(水蒸気透過度)
態様bに係る本開示の包装体は、温度40℃、湿度90%RHの条件下における、水蒸気透過度が150g/m・day以上である。
水蒸気透過度は、水蒸気が包装体を通過する程度を表す指標である。通常、包装体の内部の湿度が包装体の外部の湿度よりも高い場合には、包装体の水蒸気透過度が高い程、包装体の内部の水蒸気が包装体の外部に向けて透過しやすい。
上記水蒸気透過度が150g/m・day以上であることで、カビの増殖を抑制することができる。
上記の観点から、水蒸気透過度が151g/m・day以上であることが好ましく、水蒸気透過度が155g/m・day以上であることがより好ましい。
また、上記水蒸気透過度が200g/m・day以下であることが好ましい。これによって、柑橘類の鮮度劣化を抑制することができる。また、保存時間が経過するに従って、柑橘類が有する成分(主に水分)を喪失することによる柑橘類の質量の減少を良好に抑制することができる。
上記の観点から、水蒸気透過度が190g/m・day以下であることがより好ましく、水蒸気透過度が180g/m・day以下であることがさらに好ましい。
上記の点から、上記水蒸気透過度が150g/m・day〜200g/m・dayであることが好ましく、151g/m・day〜195g/m・dayであることがより好ましく、153g/m・day〜180g/m・dayであることがさらに好ましく、155g/m・day〜175g/m・dayであることが特に好ましい。
本開示において、包装体の水蒸気透過度(単位:g/m・day)は、下記の方法により測定される値である。
まず、包装フィルムをシール加工によって袋形状(例えば、表面積約0.005m)にした包装体を作製し、上記包装体の内部に吸湿剤を封入する。
次に、40℃、90%RHの恒温恒湿装置内で、上記吸湿剤を内部に含む包装体を静置した後、24時間毎に質量を繰り返し計測する。
そして、質量変化量がグラフ上で直線的となったことを確認した後、最後に計測した質量から24時間(1日)あたりの質量変化量(g/day)を求め、上記質量変化量を試料の表面積(m)で除した値を包装体の水蒸気透過度として算出することができる。
(二酸化炭素透過度)
態様bの包装体は、温度23℃、湿度90%RHの条件下における、二酸化炭素透過度が150000mL/m・day・atm〜1500000mL/m・day・atmである。
上記二酸化炭素透過度が150000mL/m・day・atm〜1500000mL/m・day・atmであることで、柑橘類の呼吸活動が過剰に活発になること抑えることにより、呼吸活動によって消費されるビタミンCの量を抑制することができる。その結果、鮮度劣化(中でも、特に食味の劣化)を抑制することができる。
また、上記二酸化炭素透過度が上記範囲内であることで、水分の柑橘類からの拡散を抑制することにより、柑橘類の枯れ、カビの増殖、及び、糖度の分解を抑制することができる。これによって、柑橘類の味の維持、腐敗の抑制、腐敗に伴う異臭の発生の抑制等の効果を奏し、柑橘類の鮮度を保持することができる。
上記の点から、上記二酸化炭素透過度が160000mL/m・day・atm〜1400000mL/m・day・atmであることが好ましく、170000mL/m・day・atm〜1300000mL/m・day・atmであることがより好ましい。
(酸素透過度)
温度23℃、湿度90%RHの条件下において、酸素透過度が40000mL/m・day・atm〜400000mL/m・day・atmである。
上記酸素透過度が40000mL/m・day・atm以上、400000mL/m・day・atm以下であることで、柑橘類の呼吸量を抑え、水分の拡散を抑制することによる柑橘類の枯れ抑制とカビの増殖抑制、糖度の分解を抑制することにより味の維持、腐敗の抑制、腐敗に伴う異臭の発生の抑制など、柑橘類の鮮度を保持することができる。上記の点から、上記酸素透過度が45000mL/m・day・atm〜400000mL/m・day・atmであることが好ましく、50000mL/m・day・atm〜350000mL/m・day・atmであることがより好ましく、50000mL/m・day・atm〜300000mL/m・day・atmであることがさらに好ましい。
本開示において、包装体フィルムの酸素透過度(単位:mL/(m・day・atm))及び二酸化炭素透過度(単位:mL/(m・day・atm))は、差圧法ガス透過率測定装置GTR−3000XA(GTRテック株式会社製)により測定した。
上記の水蒸気透過度、二酸化炭素透過度及び酸素透過度は、いずれの態様で制御されてもよく、例えば以下の態様が挙げられる。
(1)上記の水蒸気透過度、二酸化炭素透過度及び酸素透過度を達成し得るフィルムを少なくとも1つ用いて柑橘類を包装する態様。
(2)上記の水蒸気透過度、二酸化炭素透過度及び酸素透過度を達成し得る箱に柑橘類を収納する態様。
上記の中でも、(1)の態様がより好ましい。
上記(1)の態様において用いられるフィルムについて、以下に詳細に説明する。
本開示の包装体は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体(本明細書中、4−メチル−1−ペンテン系重合体ともいう。)を含むことが好ましい。
本開示における4−メチル−1−ペンテン系重合体は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有していれば、特に制限はない。つまり、4−メチル−1−ペンテン系重合体とは、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体であってもよく、4−メチル−1−ペンテンと、4−メチル−1−ペンテン以外の、4−メチル−1−ペンテンと共重合可能なモノマーと、の共重合体であってもよい。
なお、本開示における「系重合体」とは、4−メチル−1−ペンテン系重合体と同様に単独重合体も共重合体も含むことを意味する。
上記4−メチル−1−ペンテンと共重合可能なモノマーとしては、具体的には、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンであることが好ましい。
即ち、本開示の包装体は、上記重合体は、4−メチル−1−ペンテンとα―オレフィンとの共重合体であることが好ましい。
上記α−オレフィンは、一種類であってもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。
上記α−オレフィンとしては、例えば、直鎖状又は分岐状のα−オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能化ビニル化合物等が挙げられる。
直鎖状又は分岐状のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2以上20以下(好ましくは2以上10以下)の直鎖状のα−オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン等の、好ましくは炭素数5〜20(より好ましくは5〜10)の分岐状のα−オレフィンなどが挙げられる。
環状オレフィンとしては、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルノルボルネン、ビニルシクロヘキサン等の炭素数4〜20(好ましくは5〜15)の化合物が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン;α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のモノ又はポリアルキルスチレンなどが挙げられる。
共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン等の炭素数4〜20(好ましくは4〜10)の化合物が挙げられる。
非共役ポリエンとしては、例えば、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等の炭素数5〜20(好ましくは5〜10)の化合物が挙げられる。
官能化ビニル化合物としては、例えば、水酸基含有オレフィン;ハロゲン化オレフィン;アクリル酸、プロピオン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸等の不飽和カルボン酸類;アリルアミン、5−ヘキセンアミン、6−ヘプテンアミン等の不飽和アミン類;(2,7−オクタジエニル)コハク酸無水物、ペンタプロペニルコハク酸無水物、上記不飽和カルボン酸類の酸無水物等の不飽和酸無水物類;上記不飽和カルボン酸類のハロゲン化物;4−エポキシ−1−ブテン、5−エポキシ−1−ペンテン、6−エポキシ−1−ヘキセン、7−エポキシ−1−ヘプテン、8−エポキシ−1−オクテン、9−エポキシ−1−ノネン、10−エポキシ−1−デセン、11−エポキシ−1−ウンデセン等の不飽和エポキシ化合物類などが挙げられる。
水酸基含有オレフィンは、水酸基を有するオレフィン系化合物であれば、特に限定されるものではないが、好ましくは末端水酸化オレフィン化合物である。
末端水酸化オレフィン化合物としては、例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール、水酸化−1−ブテン、水酸化−1−ペンテン、水酸化−1−ヘキセン、水酸化−1−オクテン、水酸化−1−デセン、水酸化−1−ドデセン、水酸化−1−テトラデセン、水酸化−1−ヘキサデセン、水酸化−1−オクタデセン、水酸化−1−エイコセン等の炭素数4〜20(好ましくは2〜10)の直鎖状の水酸化α−オレフィン;水酸化−3−メチル−1−ブテン、水酸化−4−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−エチル−1−ペンテン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセン等の好ましくは炭素数5〜20(より好ましくは5〜10)の分岐状の水酸化α−オレフィンなどが挙げられる。
ハロゲン化オレフィンとしては、例えば、ハロゲン化−1−ブテン、ハロゲン化−1−ペンテン、ハロゲン化−1−ヘキセン、ハロゲン化−1−オクテン、ハロゲン化−1−デセン、ハロゲン化−1−ドデセン、ハロゲン化−1−テトラデセン、ハロゲン化−1−ヘキサデセン、ハロゲン化−1−オクタデセン、ハロゲン化−1−エイコセン等の炭素数4〜20(好ましくは4〜10)の直鎖状のハロゲン化α−オレフィン;ハロゲン化−3−メチル−1−ブテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−エチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4−エチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−3−エチル−1−ヘキセン等の炭素数5〜20(より好ましくは5〜10)の分岐状のハロゲン化α−オレフィンなどが挙げられる。
上記α−オレフィンの炭素原子数は、耐熱性、カット性、柔軟性、自己密着性等の観点から、2〜20が好ましく、3〜15がより好ましく、4〜15がさらに好ましい。
4−メチル−1−ペンテン系重合体における、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の割合、即ち、4−メチル−1−ペンテン系重合体の全質量に対する4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の含有量は、50質量%〜99質量%であることが好ましい。
上記含有量が50質量%以上であることで、フィルムの密度を小さくすることができ、酸素透過性及び二酸化炭素透過性をより向上させることができる。
また、上記含有量が99質量%以下であることで、柔軟性、自己密着性を付与させることができる
上記同様の観点から、4−メチル−1−ペンテン系重合体の全質量に対する4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の含有量は、60質量%〜95質量%であることがより好ましく、70質量%〜90質量%であることがさらに好ましい。
本開示の包装体の強度を向上させる観点、即ち、4−メチル−1−ペンテン系重合体を含むフィルムを本開示の包装体として用いる場合に、上記フィルムが破れにくくする観点からは、4−メチル−1−ペンテン系重合体は結晶性の高い重合体であることが好ましい。結晶性の重合体としては、アイソタクチック構造を有する重合体、シンジオタクチック構造を有する重合体のいずれであってもよいが、特にアイソタクチック構造を有する重合体であることが好ましく、また入手も容易である。さらに、4−メチル−1−ペンテン系重合体は、フィルム状に成形でき包装用フィルムとして使用に耐える強度を有していれば、立体規則性も特に制限されない。
本開示における4−メチル−1−ペンテン系重合体の密度としては、825kg/m〜840kg/mが好ましい。
上記密度が825kg/m以上であることで、フィルムの機械的な強度を良好に保持することができる。一方、上記密度が840kg/m以下であることで、ガス透過性を良好に保つことができる。
上記同様の観点から、本開示における4−メチル−1−ペンテン系重合体の密度としては、830kg/m〜835kg/mがより好ましい。
なお、本開示において、重合体の密度は、ASTM DM1505に準拠して測定される。
4−メチル−1−ペンテン系重合体のメルトフローレート(MFR)は、特に限定されないが、0.5g/10min〜50g/10minが好ましく、1g/10min〜30g/10minがより好ましい。MFRが上記範囲であれば、例えば押出成形によってフィルムを製造する場合に、比較的均一な膜厚のフィルムを得ることができる。
なお、本開示において、重合体のMFRは、ASTM D1238に準拠して260℃、2.16kg荷重にて測定される値である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体は、オレフィン類を重合して直接製造してもよく、高分子量の4−メチル−1−ペンテン系重合体を、熱分解して製造してもよい。また、4−メチル−1−ペンテン系重合体は、溶媒に対する溶解度の差で分別する溶媒分別、あるいは沸点の差で分取する分子蒸留などの方法で精製されていてもよい。
4−メチル−1−ペンテン系重合体を重合反応により直接製造する場合には、例えば4−メチル−1−ペンテン及びオレフィンの仕込量、重合触媒の種類、重合温度、重合の際の水素添加量などを調整することにより、融点、立体規則性および分子量等を制御してもよい。4−メチル−1−ペンテン系重合体の重合反応により製造する方法は、公知の方法であってよい。例えば、チーグラナッタ触媒、メタロセン系触媒等の公知の触媒を用いた方法により製造され、好ましくはメタロセン系触媒を用いて製造されうる。
一方、4−メチル−1−ペンテン系重合体を、より高分子量の4−メチル−1−ペンテン系重合体を熱分解して製造する場合には、熱分解の温度や時間を制御することで、所望の分子量に制御する。4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(A)は、前述のように製造したもの以外にも、例えば三井化学株式会社製TPX等、市販の重合体であってもよい。
本開示における4−メチル−1−ペンテン系重合体は、無延伸の重合体として用いてもよく、1軸又は2軸延伸された重合体として用いてもよい。また、本開示の包装体は、単層であっても、複数層(多層)であってもよい。
上記の中でも、本開示の包装体は4−メチル−1−ペンテン系重合体が、2軸延伸された重合体であることが好ましい。
これによって、実用強度及び透明性を向上させることができる。
(厚み)
本開示において、水蒸気透過度、二酸化炭素透過度及び酸素透過度を達成し得るフィルムを用いて柑橘類を包装する場合、上記フィルムの厚みとしては、実用強度及びカット性の観点から、1μm〜50μmが好ましく、3μm〜30μmがより好ましく、5μm〜15μmがさらに好ましい。
<柑橘類>
本開示における柑橘類としては、例えば、不知火、紅まどんな、甘平、清見(清見オレンジ、清見タンゴール)、ポンカン、せとか、ブラッドオレンジ、はるみ、カラマンダリン、温州みかん、はっさく、文旦、レモン、柚、シークヮーサー等が挙げられる。
上記の中でも、柑橘類中の水分量が多く、カビの増殖を抑制することがより困難である柑橘類として、不知火、紅まどんな及び甘平が挙げられるが、上記の柑橘類を包装した場合でも、本開示の包装体であればカビの増殖を良好に抑制することができる。
上記の観点から、本開示における柑橘類が不知火、紅まどんな及び甘平からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
上記不知火としては、例えばデコポン(登録商標)が挙げられる。
以下、本開示を実施例により更に具体的に説明するが、本開示はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
<柑橘類の包装>
柑橘類である愛媛県西宇和産のデコポン(質量:410g、ビタミンCの含有量:60mg/100g、糖酸比:10.3)を、表1に記載の材質からなる包装体を用いて以下の方法により包装した。
まず、表1に記載の包装体を450mm×450mmの大きさに切断した。切断した上記包装体によってデコポンを包み込んだ後、上記包装体の周端部を1点に集めて右回転方向にねじってシールで留めることで、デコポンを包装した。
<デコポンの保存>
上記で包装したデコポンを、温度8℃、湿度85%RHの環境下、大気中で3か月保存した後、包装体内の環境が安定状態となったことを確認した。
保存に際しては、包装体の上に物が載ったり、包装体にファンの風が直撃したりしないように、包装体を静置した。
(比較例1〜比較例5)
包装体を表1に記載の包装体に変更した以外は実施例1と同様にして上記デコポンを包装した。そして、上記同様の方法で包装したデコポンを実施例1と同様の環境下で保存した。
〜評価〜
〔カビ発生率〕
保存開始後3か月経過した際のデコポンにおけるカビの発生率を算出し、下記評価基準に従って評価した。結果は表1に示す。
カビの発生率(単位:%)は、カビが発生した部分の面積の合計をデコポンの全表面積で除した値に、100を積算した値とした。
−評価基準−
A:カビ発生率が0%以上10%未満であった。
B:カビ発生率が10%以上であった。
〔ビタミンC含有量〕
RQフレックス(メルク株式会社製)を用いて、保存開始後3か月経過した際のデコポンに含まれるビタミンC含有量(mg/100g)を測定した。結果を表1に示す。
〔虎斑症発生率〕
保存開始後3か月経過した際のデコポンにおける虎斑症の発生率を算出し、下記評価基準に従って評価した。結果は表1に示す。
虎斑症の発生率(単位:%)は、虎斑症が発生した部分の面積の合計をデコポンの全表面積で除した値に、100を積算した値とした。
−評価基準−
A:虎斑症の発生率が0%であった。
B:虎斑症の発生率が0%超10%未満であった。
C:虎斑症の発生率が10%以上であった。
〔黒変発生率〕
保存開始後3か月経過した際のデコポンにおける黒変の発生率を算出し、下記評価基準に従って評価した。結果は表1に示す。
黒変の発生率(単位:%)は、黒変が発生した部分の面積の合計をデコポンの全表面積で除した値に、100を積算した値とした。
−評価基準−
A:黒変の発生率が0%であった。
B:黒変の発生率が0%超10%未満であった。
C:黒変の発生率が10%以上であった。
〔果皮萎縮発生率〕
保存開始後3か月経過した際のデコポンにおける果皮萎縮の発生率を算出し、下記評価基準に従って評価した。結果は表1に示す。
果皮萎縮の発生率(単位:%)は、果皮萎縮が発生した部分の面積の合計をデコポンの全表面積で除した値に、100を積算した値とした。
−評価基準−
A:果皮萎縮の発生率が0%であった。
B:果皮萎縮の発生率が0%超10%未満であった。
C:果皮萎縮の発生率が10%以上であった。
〔糖酸比〕
まず、保存開始後3か月経過した際のデコポンについて、ポケット糖酸度計(株式会社アタゴ製)を用いて糖度と酸度を、それぞれ測定した。上記測定して得られた糖度及び酸度から、保存開始後3か月経過した際の糖酸比(糖度/酸度)を算出し、下記評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
なお、通常、糖酸比が高い程、柑橘類は食味に優れている。
−評価基準−
A:保存開始後3か月経過した際の糖酸比が15以上20未満であった。
B:保存開始後3か月経過した際の糖酸比が10以上15未満であった。
C:保存開始後3か月経過した際の糖酸比が10未満であった。
表1に記載の語句の詳細は以下の通りである。
TPX・・・三井化学株式会社製、TPX、2軸延伸された4−メチル−1−ペンテンとα―オレフィンとの共重合体、4−メチル−1−ペンテンの含有量:75質量%
サランラップ・・・業務用、旭化成プロダクツ株式会社製
Pプラス(PP)・・・柑橘用、住友ベークライト株式会社製
Pプラス(PE)・・・柑橘用/GY476、住友ベークライト株式会社製
OPP・・・WHOP NFHC、三井化学東セロ株式会社製
PE・・・TUX#50、三井化学東セロ株式会社製
また、水蒸気透過度、二酸化炭素透過度、酸素透過度、湿度、酸素濃度及び二酸化炭素濃度の測定方法は上述の通りに行った。
表1に示す通り、実施例1は、カビ発生率及びビタミンC含有量に優れていた。また、実施例1は、虎斑症、黒変及び果皮萎縮についても発生率が低く、糖酸比の評価が比較例と比較して高かった。
一方、酸素濃度が低く、二酸化炭素濃度が高い比較例1は、カビ発生率の評価が劣っていた。また、二酸化炭素濃度が高い比較例2は、虎斑症の発生率が実施例1と比較して高かった。
さらに、比較例は、実施例1と比較して糖酸比の評価が劣っていた。

Claims (8)

  1. 柑橘類を包装して、温度8℃の大気中にて保存して包装体内の環境が安定状態となった場合の、
    前記包装体内における、湿度が85%RH〜90%RHであり、二酸化炭素濃度が0.1体積%以上2体積%以下であり、酸素濃度が15体積%〜25体積%である柑橘類用包装体。
  2. 前記大気中の湿度が85%RHである請求項1に記載の柑橘類用包装体。
  3. 温度40℃、湿度90%RHの条件下における、水蒸気透過度が150g/m・day以上であり、温度23℃、湿度90%RHの条件下における、二酸化炭素透過度が150000mL/m・day・atm〜1500000mL/m・day・atmであり、酸素透過度が40000mL/m・day・atm〜400000mL/m・day・atmである柑橘類用包装体。
  4. 最大径が50μm以上である孔を有さない、又は、
    最大径が50μm以上である孔を1mあたり1個以下有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の柑橘類用包装体。
  5. 4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の柑橘類用包装体。
  6. 前記重合体の全質量に対する4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の含有量が、50質量%〜99質量%である請求項5に記載の柑橘類用包装体。
  7. 前記重合体は、4−メチル−1−ペンテンとα―オレフィンとの共重合体である請求項5又は請求項6に記載の柑橘類用包装体。
  8. 前記柑橘類が不知火、紅まどんな及び甘平からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の柑橘類用包装体。
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