JP2014027884A - 柑橘類の保存方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬品を用いることなく、柑橘類の腐れ等の障害を減らし、歩留まりの向上または出荷期間の延長が可能となる保存方法を提供する。
【解決手段】樹脂フィルムの包装袋で柑橘類を包装して保存する柑橘類の保存方法であって、前記包装袋は孔を有し、前記包装袋の開孔面積比率が9.1×10−6〜6.5×10−4%であり、前記柑橘類を5〜20℃以下でB日間保管する前の酸度Aが下記数式(I)を満たすことを特徴とする柑橘類の保存方法。
1/162000×B+7/1800×B+1/2≦A≦−1/81000×B+2/150×B+9/5 (I)
【選択図】 なし

Description

本発明は、柑橘類の保存方法に関するものである。
柑橘類は、収穫後の出荷調整や柑橘類に含まれる酸を減らすことを目的に1ヶ月以上の長期間に渡って貯蔵されることがある。その間に、腐敗、萎れ、カビなどが発生し、貯蔵中の柑橘類の劣化が進んで廃棄となるものが多く、歩留まりの向上が求められている。また、4ヶ月以上の出荷時期延長が求められている柑橘類があるものの、これといって有効な手段がないのが現状である。
柑橘類の鮮度保持に関しては、柑橘類を天然イソチオシアン酸アリルオイル含有製剤と併剤させて、イソチオシアン酸アリル空間濃度として1〜50mg/Lの条件下で保存することを特徴とする青果物の鮮度保持方法が記載されている(例えば、特許文献1参照。)。これによって、防カビ作用効果が発揮され、柑橘類の不良率を低減できるとされている。しかし、この方法では、薬品を用いること、薬品が揮発性で取り扱い難いこと、使用条件が難しいこと、薬品の臭いが果実にしみこむ可能性があるなどの問題がある。
また、10〜35℃の温度条件でスダチ1grあたりの酸素透過速度が3.6〜35cc/24h・atm、二酸化炭素透過速度3.6〜39.4cc/24h・atmであり、水蒸気透過率が40gr/24h・m(JIS Z0208,40℃、90%RH、0.1mm)以下の特徴を有するプラスチックフィルムでスダチを密閉包装するスダチの鮮度保持包装体について記載されている(例えば、特許文献2参照。)。貯蔵中に生じる腐敗の防止方法として包装体内を適度なガス組成にすることが記され、当該広報の実施例では14日間の保存の結果が記載されているが、それ以上の柑橘類の長期に保存する点については何ら記載されていない。
特開2004−208558号公報 特開平10−243767号公報
本発明は、長期貯蔵を可能にすることで出荷期間の延長が可能となる柑橘類の保存方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(7)に記載の本発明により達成される。
(1)樹脂フィルムの包装袋で柑橘類を包装して保存する柑橘類の保存方法であって、
前記包装袋は孔を有し、
前記包装袋の開孔面積比率が9.1×10−6〜6.5×10−4%であり、
前記柑橘類を5〜20℃でB日間保存する前の酸度Aが下記数式(I)を満たすことを特徴とする柑橘類の保存方法。
1/162000×B+7/1800×B+1/2≦A≦−1/81000×B+2/150×B+9/5 (I)
(2)前記包装袋の柑橘類100g当たりの酸素透過速度が300〜2200cc/100g・day・atmである(1)に記載の柑橘類の保存方法。
(3)前記柑橘類は、5〜25℃で15〜35日保管処理したものである(1)または(2)に記載の柑橘類の保存方法。
(4)前記包装袋に柑橘類を1つ包装するものである(1)ないし(3)のいずれかに記載の柑橘類の保存方法。
(5)前記包装袋に微細孔があり、柑橘類100gあたりの包装体の開孔面積が3.6×10−3mm〜2.6×10−1mmである(1)ないし(4)のいずれかに記載の柑橘類の保存方法。
(6)
前記包装袋に微細孔があり、微細孔の平均径が10〜600μmである(1)ないし(5)のいずれかに記載の柑橘類の保存方法。
(7)前記柑橘類は、不知火、清見、甘夏、せとか及びポンカンから選ばれる1種である(1)ないし(6)のいずれかに記載の保存方法。
(8)前記(1)ないし(7)のいずれかに記載の保存方法で保存した柑橘類。
本発明の保存方法によって、従来よりも長期に渡る柑橘類の貯蔵が可能となるため、柑橘類の出荷調整が可能となり、通常流通できなかった時期に柑橘類を供給することが可能となる。また、流通・市場における留置期間が長くできるため、流通・市場における柑橘類の腐敗、萎れ、カビ等の発生を減らすことができる。
以下、本発明の詳細について説明する。本発明は、樹脂フィルムの包装袋で柑橘類を包装して保存する柑橘類の保存方法であって、
前記包装袋は孔を有し、
前記包装袋の開孔面積比率が9.1×10−6〜6.5×10−4%であり、
前記柑橘類を5〜20℃でB日間保存する前の酸度Aが下記数式(I)を満たすことを特徴とする柑橘類の保存方法に関するものである。以下、これらについて詳細に説明する。
1/162000×B+7/1800×B+1/2≦A≦−1/81000×B+2/150×B+9/5 (I)
本発明で用いられる柑橘類は、保存をする事で酸度が下がり、適切な保存期間を経る事で、食するに適した酸度とする事ができるものであれば、種々の柑橘類を用いる事ができる。前記柑橘類について、保存する前の酸度について検討したところ、下記数式(I)を満たす場合に、保存後に食するに適した酸度になることを見出した。
1/162000×B+7/1800×B+1/2≦A≦−1/81000×B+2/150×B+9/5 (I)
本式は、B日間保存した後に食するに適した酸度になるために、B日間保存する前の酸度の範囲を規定したものである。保存前の柑橘類の酸度が、前記数式(I)の下限値未満ではB日間保存後の柑橘類の酸度は低く甘いが柑橘類の糖化が進行しすぎるため傷む可能性があり好ましくなく、上限値を超えるとB日間保存後の柑橘類の酸度が高く食するに適さないため好ましくない。
本発明で用いられる包装袋は、孔を有している必要がある。前記孔は、本発明で用いられる包装袋自身も酸素を透過するが、包装袋の酸素透過速度を調整するために、樹脂フィルムに、切れ込み、傷、クラック(裂け目)、微細孔などの加工を施すことが好ましい。
包装袋の開孔面積比率は、9.1×10−6〜6.5×10−4%である必要があり、1.4×10−5〜3.8×10−4%が更に好ましい。開孔面積比率を前記範囲にすることで、保存時の酸素濃度の調整が可能になることで柑橘類の酸度調整が容易になる。包装袋の開孔面積比率は、前記下限値未満では酸欠や炭酸ガス障害のよる果皮の腐敗や異臭が生じやすくなるため好ましくなく、前記上限値を超えるとヘタ枯れ、萎れ、腐敗などが生じやすくなるため好ましくない。開孔面積比率の計算方法は、特に限定されないが、例えば、包装袋に設けられたそれぞれの孔について、マイクロスコープによって測定し、測定された寸法からそれぞれの孔の面積を計算する。得られたそれぞれの孔の面積を合計し、包装袋の面積で除す事で計算する事ができる。
それぞれの孔の面積の計算の方法は、特に限定されないが、例えば、孔が比較的円形に近い場合は、それぞれの孔の径を測定し、真円と仮定してそれぞれの孔の面積を計算によって求め、得られたそれぞれの孔の面積に孔の個数を乗し、包装袋の面積で除す事で計算する事ができる。
本発明で用いられる樹脂フィルムの包装袋の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリ乳酸などが挙げられる。これらのフィルムのうち、いずれかの材質を単独あるいは複数積層して用いる事ができる。また、これらのうち、延伸ポリプロピレン(OPP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)および線状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、低価格であり、程よい成形性を有することから好ましい。
これら樹脂フィルムの厚みは、特に限定されないが、10〜60μmが好ましく、20〜45μmがより好ましく、25〜40μmが更に好ましい。前記フィルムの厚みが、前記上限値を超えると経済的に好ましくなく、前記下限値未満では強度が低下し包装袋が輸送時などで破損する事があり好ましくない。
本発明で用いられる包装袋において、23℃における柑橘類100g当たりの包装袋の酸素透過速度は、300〜2200cc/100g・day・atmが好ましく、500〜1600ccが更に好ましい。包装袋の酸素透過速度は、前記上限値を超えるとヘタ枯れ、腐敗などが多くなる可能性があり好ましくなく、前記下限値未満では酸欠や炭酸ガス障害による果皮の腐敗や異臭が生じる可能性があり好ましくない。
前記包装袋の酸素透過速度は、種々の方法を用いる事ができるが、例えば、窒素を充填させた直後の包装袋と一定時間放置後の包装袋の酸素濃度を測定し、その酸素濃度勾配から酸素透過速度を測定する方法などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明で用いられる包装袋自身も酸素を透過するが、包装袋の酸素透過速度を調整するために、樹脂フィルムに孔を設けている。孔の形状は、特に限定されないが、例えば、切れ込み、傷、クラック(裂け目)、微細孔などが挙げられるが、孔を設ける時の作業性の点から、微細孔が好ましい。
前記微細孔の平均孔径は10〜600μmが好ましく、40〜300μmが更に好ましい。前記微細孔の平均孔径が、前記下限値未満では微細孔の数が多数必要であり作業性の点から好ましくなく、前記上限値を超えると微細孔1個当たりの酸素透過速度が大きすぎて、包装袋の酸素透過速度の調整が難しくなる可能性があり好ましくない。
微細孔の開孔面積は、柑橘類100gあたり3.6×10-3〜2.6×10-1mm2であることが好ましく、5.6×10-3〜1.5×10-1mm2が更に好ましい。微細孔の開孔面積は、前記下限値未満では柑橘類に腐敗、異味、異臭が発生する可能性があり好ましくなく、前記上限値を超えると鮮度保持効果が低くなる可能性があり好ましくない。微細孔は、包装体あたり2個以上設けることが好ましい。
微細孔の穿孔方法としては、たとえば、打ち抜きや加熱針などを用いる方法が挙げられる。また、袋状に加工した後、袋コーナー部分をカットする方法としてもよい。
前記柑橘類としては、種々の柑橘類が挙げられるが、酸度の低減や出荷調整のために長期保存されることが望まれており、保存時の歩留まり向上が求められているという点から、中晩柑類が好ましく、特に好ましいものとして、不知火、清見、甘夏、せとか及びポンカンから選ばれる1種が挙げられる。
前記柑橘類は、5〜25℃で15〜35日保管処理したものを用いる事ができる。なお、こういった保管処理は予措と呼ばれる事がある。
このような保管処理(予措)を実施する事によって、収穫時の柑橘類の水分を減らし、質量減少させる事ができる。質量減少量としては、2〜10%が好ましく、3〜8%が更に好ましい。このように質量減少させてから柑橘類を包装することにより、柑橘類に発生する腐敗やカビなどの発生をより抑制しやすくなる。質量減少量が前記下限値未満では、腐敗やカビなどの発生の抑制効果が小さくなり、前記上限値を超えると、貯蔵中に果実の萎れが目立って商品性をなくしてしまう可能性がある。
また、年度、産地、収穫時期、品種、保存条件などによって違いがあるため、抜き取りでいくつかの果実の質量変化を測定して確認することが望ましい。
前記柑橘類の保管処理(予措)の温度は、5〜25℃が好ましく、10〜20℃が更に好ましい。前記柑橘類の保管処理(予措)の温度は、前記下限値未満では重量減少が小さくなり予措の効果が低下し、前記上限値を超えると重量減少に加え加温による腐敗などが発生する可能性があるので好ましくない。
前記柑橘類の保管処理(予措)の期間は、15〜35日が好ましく、20〜32日が更に好ましい。前記柑橘類の保管処理(予措)の期間は、前記下限値未満では重量減少が小さくなり予措の効果が低下するだけでなく予措のバラツキも大きくなり、前記上限値を超えると重量減少に加え長期保管による微生物の発生などにより腐敗などが発生する可能性があるので好ましくない。
前記柑橘類の保管処理(予措)の方法は、特に限定されないが、例えば、無包装のまま10〜20kg程度の柑橘類をコンテナに入れて風通しのよい倉庫等での保管や、温度と湿度の調整が可能な倉庫内での保管などが挙げられる。あまり湿度が高いと時間がかかるので、冷蔵庫内などでの保管は避け、加湿しないで保存することが望ましい。
前記柑橘類は前記樹脂フィルムの包装袋にて包装され柑橘類の包装体となる。柑橘類を包装袋に入れた後、包装袋の開口部を閉じる。包装袋の開口部を閉じる方法としては、例えば、ヒートシール、カシメ、バックシール、輪ゴム、結束帯、糊留め、テープ留め、開口部を束ねて折り返すか束ねた後に束ねた開口部をひねって折り返し、さらに果実の自重や隣接する果実と接触させる等によって開口部を抑え込む方法などが用いられるがこの限りではない。
これらの柑橘類の包装体は、包装袋に1〜3つ程度の少量の柑橘類で包装されることが望ましく、1つのみが入っていることがより好ましい。
柑橘類は、栽培時や収穫時の傷、病原菌の付着などによって、ある程度の個体で腐敗やカビが発生するのは避けられない。大きな袋に大量の柑橘類を入れた場合、1個にこのような症状が発生すると、周辺の個体へ伝染してしまうことがある。また、傷み始めた果実は、植物ホルモンの一種であるエチレンを生成するが、これが他の果実のヘタのかれ、ヘタの脱落などを誘発する。これらを防止するには、1つずつ包装することが望ましい。
前記柑橘類の包装体の保存温度は、5〜20℃であることが好ましく、8〜15℃が更に好ましい。前記下限値未満では低温障害によって果皮にピッティング(果皮が褐変して凹んだ状態)を生じる可能性があり好ましくなく、前記上限値を越えると、ヘタ枯れ、腐敗やカビの発生などの劣化が生じる可能性があり好ましくない。
本発明を用いることにより、柑橘類は30日以上の長期保存することができ、低温での温度管理と併用することで、180日以上の長期保存も可能であり、そのような柑橘類として、例えば、不知火、清見、甘夏、せとか及びポンカンなどが挙げられる。当然のことながら、柑橘類は、出荷調整など目的として長期保存されるものであるから、市場の状況を見て適宜保存を終了し、出荷しても良い。この場合、柑橘類の個々の包装体は、例えば、適当なダンボール箱にて複数個包装され、市場へ出荷される。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
樹脂フィルムの酸素透過速度の測定方法は下記の方法によって実施した。
(1)袋の準備
酸素透過速度を測定するフィルムで袋を作製した。この際、フィルム以外から酸素が漏れ出さないように、ヒートシールで袋を作製して密封した。測定する袋のサイズは、袋の内表面積を0.06m2以上とした。なお、以下の全ての作業は、大気中で行った。
(2)窒素ガスの封入
ヒートシール等で袋を密封した後、アスピレーター等を用いて袋を脱気した。脱気は、袋の両面が貼りつくまで行った。次に、この袋に白硬注射筒を用いて窒素ガス(純度99.9%以上)を充填した。ガスの注入量は、袋サイズによるが、フィルムにテンションがかからない範囲で極力多く入れ、注射筒の目盛りを用いて測定した。なお、ガスの脱気、注入は、注射針を袋に突き刺して行った。針を刺す際は、フィルムに両面テープを貼り、この上からポリプロピレンフィルム製の粘着テープ(以下「PPテープ」という)を貼り付けた。また、針を抜いた後は、速やかにPPテープで針孔を塞いだ。袋に貼るテープは、4.5cm2以下の面積に収まるようにした。また、微細孔フィルムの場合は、微細孔を塞がないように注意した。
(3)初期酸素濃度測定
窒素ガス充填直後(t=0)の袋内の初期酸素濃度(C0)を測定した。袋内のガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(TCD)で袋内の初期酸素濃度(C0)を求めた。C0は0.2%以下であり、これを超える場合は、作業をやり直す。酸素濃度測定のためのサンプリングガスは、10cc以下とした。ガスクロマトグラフィーに注入する場合は、1cc程度を注入した。
(4)袋の保存
初期酸素濃度を測定した袋は、23℃、60%RH(恒温恒湿庫)で保存する。このとき、袋の上に物が載ったり、恒温恒湿庫のファンの風が直撃したりしないように静置した。
(5)保存中の袋内酸素濃度の測定及び酸素透過速度の計算
袋内酸素濃度の測定は、窒素ガス充填直後と3時間以上経過後に酸素濃度が1%以上7%以下の範囲内で2点以上の合計3点以上測定し、経過時間t(hr)と袋内酸素濃度(Ct)間に比例関係(相関係数が0.98以上)が成り立つ必要があるため、相関係数が成り立たない場合は再試験を行った。
フィルムの酸素透過速度が大きすぎて袋内酸素濃度の上昇が速すぎ、この条件をクリアできない場合は、フィルムの一部を酸素透過速度が判明しているフィルムより小さく既知である同じ材質のフィルムと張り合わせて袋を作成して同様に行った。この際、袋の表面積は既知である別のフィルムと貼り合わせた部分は除き、求められた酸素透過速度より既知のフィルム部分の酸素透過速度を差し引いたものを測定フィルムの酸素透過速度とした。
酸素透過速度は、経過時間が長いほうの値を用いて数式(II)にて計算した。
F=1.143×(Ct−C0)×V/t/s (II)
但し、
F : 酸素透過速度(cc/m2・day・atm)
t : 窒素ガス充填後t時間後における袋内酸素濃度(%)
0 : 窒素ガス充填直後の袋内酸素濃度(%)
V : 充填した窒素ガスの量(cc)
t : ガス充填時からの経過時間(hr)
s : 袋の表面積(m2
≪実施例1≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が76μmの孔7個を開けた(開孔面積3.18×10-2mm2、開孔面積比率4.0×10-5%)。得られた孔7個を開けた袋の酸素透過速度は、24262cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で15℃で15日保管処理(予措)して質量を5%減少させた国産の不知火1個(平均酸度は2.2。包装時重量は平均273g。柑橘類100gあたりの開孔面積1.16×10-2mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は711cc/100g・day・atmであった。24262×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.73=711の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この不知火包装体を8℃で90日間保存(3月中旬から開始)して不知火の品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)9%、酸度1.0、糖度13.5と、十分に商業ベースで実用可能なレベルを維持していた。
≪実施例2≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が51μmの孔4個を開けた(開孔面積8.16×10-3mm2、開孔面積比率1.0×10-5%)。得られた孔4個を開けた袋の酸素透過速度は、10823cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で15℃で15日保管処理(予措)して質量を5%減少させた国産の不知火1個(平均酸度は1.9。包装時重量は平均222g。柑橘類100gあたりの開孔面積3.68×10-3mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は390cc/100g・day・atmであった。10823×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.22=390の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この不知火包装体を8℃で90日間保存(3月中旬から開始)して不知火の品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)10%、酸度1.3、糖度12.4と、十分に商業ベースで実用可能なレベルを維持していた。
≪実施例3≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸150×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が483μmの孔2個を開けた(開孔面積3.66×10-1mm2、開孔面積比率6.1×10-4%)。得られた孔2個を開けた袋の酸素透過速度は、66853cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で15℃で15日保管処理(予措)して質量を5%減少させた国産の不知火1個(平均酸度は2.1。包装時重量は平均293g。柑橘類100gあたりの開孔面積1.25×10-1mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は1369cc/100g・day・atmであった。66853×{0.15m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.93=1369の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この不知火包装体を8℃で90日間保存(3月中旬から開始)して不知火の品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)9%、酸度0.7、糖度12.0と、十分に商業ベースで実用可能なレベルを維持していた。
≪実施例4≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が76μmの孔7個を開けた(開孔面積3.18×10-2mm2、開孔面積比率4.0×10-5%)。得られた孔7個を開けた袋の酸素透過速度は、24262cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で15℃で15日保管処理(予措)して質量を5%減少させた国産の不知火1個(平均酸度は2.7。包装時重量は平均264g。柑橘類100gあたりの開孔面積1.20×10-2mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は733cc/100g・day・atmであった。24262×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.64=733の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この不知火包装体を15℃で90日間保存(3月中旬から開始)して不知火の品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)15、酸度1.1、糖度11.5と、十分に商業ベースで実用可能なレベルを維持していた。
≪実施例5≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が64μmの孔19個を開けた(開孔面積6.11×10-2mm2、開孔面積比率7.6×10-5%)。得られた孔19個を開けた袋の酸素透過速度は、41348cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で15℃で15日保管処理(予措)して質量を5%減少させた国産の不知火1個(平均酸度は2.3。包装時重量は平均282g。柑橘類100gあたりの開孔面積2.17×10-2mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は1173cc/100g・day・atmであった。41348×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.64=1173の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この不知火包装体を8℃で90日間保存(3月中旬から開始)して不知火の品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)13%、酸度1.2、糖度12.3と、十分に商業ベースで実用可能なレベルを維持していた。
≪実施例6≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が48μmの孔70個を開けた(開孔面積1.27×10-1mm2、開孔面積比率1.6×10-4%)。得られた孔70個を開けた袋の酸素透過速度は、79745cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で15℃で15日保管処理(予措)して質量を5%減少させた国産の不知火1個(平均酸度は2.1。包装時重量は平均297g。柑橘類100gあたりの開孔面積4.26×10-2mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は2148cc/100g・day・atmであった。79745×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.97=2148の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この不知火包装体を8℃で90日間保存(3月中旬から開始)して不知火の品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)14%、酸度1.2、糖度11.8と、十分に商業ベースで実用可能なレベルを維持していた。
≪実施例7≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が176μmの孔10個を開けた(開孔面積2.43×10-1mm2、開孔面積比率3.0×10-4%)。得られた孔10個を開けた袋の酸素透過速度は、71188cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で10℃で30日保管処理(予措)して質量を8%減少させた国産の不知火1個(平均酸度は2.6。包装時重量は平均268g。柑橘類100gあたりの開孔面積9.08×10-2mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は2125cc/100g・day・atmであった。71188×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.68=2125の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この不知火包装体を15℃で120日間保存(3月中旬から開始)して不知火の品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)12%、酸度1.3、糖度12.8と、十分に商業ベースで実用可能なレベルを維持していた。
≪実施例8≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が51μmの孔9個を開けた(開孔面積1.84×10-2mm2、開孔面積比率2.3×10-5%)。得られた孔9個を開けた袋の酸素透過速度は、16585cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で10℃で20日保管処理(予措)して質量を4%減少させた国産の清見1個(平均酸度は1.9。包装時重量は平均182g。柑橘類100gあたりの開孔面積1.01×10-2mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は729cc/100g・day・atmであった。16585×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/1.82=729の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この清見包装体を8℃で180日間保存(3月中旬から開始)して清見の品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)5%、酸度0.8、糖度10.8と、十分に商業ベースで実用可能なレベルを維持していた。
≪実施例9≫
厚さ25μmの2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、1840cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が85μmの孔10個を開けた(開孔面積5.67×10-2mm2、開孔面積比率7.1×10-5%)。得られた孔10個を開けた袋の酸素透過速度は、35000cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で12℃で25日保管処理(予措)して質量を5%減少させた国産の甘夏1個(平均酸度は2.1。包装時重量は平均320g。柑橘類100gあたりの開孔面積1.77×10-2mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は875cc/100g・day・atmであった。35000×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/3.20=875の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この甘夏包装体を8℃で120日間保存(3月中旬から開始)して甘夏の品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)15%、酸度1.2、糖度9.6と、十分に商業ベースで実用可能なレベルを維持していた。
≪実施例10≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が348μmの孔4個を開けた(開孔面積3.81×10-1mm2、開孔面積比率4.8×10-4%)。得られた孔4個を開けた袋の酸素透過速度は、69211cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で13℃で20日保管処理(予措)して質量を4%減少させた国産のポンカン1個(平均酸度は1.5。包装時重量は平均268g。柑橘類100gあたりの開孔面積1.42×10-1mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は2066cc/100g・day・atmであった。69211×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.68=2066の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
このポンカン包装体を20℃で60日間保存(3月中旬から開始)してポンカンの品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)18%、酸度1.0、糖度11.2と、十分に商業ベースで実用可能なレベルを維持していた。
≪実施例11≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が553μmの孔2個を開けた(開孔面積4.80×10-1mm2、開孔面積比率6.0×10-4%)。得られた孔2個を開けた袋の酸素透過速度は、69501cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で5℃で15日保管処理(予措)して質量を3%減少させた国産のせとか1個(平均酸度は2.8。包装時重量は平均254g。柑橘類100gあたりの開孔面積1.89×10-1mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は2189cc/100g・day・atmであった。69501×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.54=2189の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
このせとか包装体を10℃で100日間保存(3月中旬から開始)してせとかの品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)15%、酸度0.8、糖度10.1と、十分に商業ベースで実用可能なレベルを維持していた。
≪比較例1≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が1000μmの孔2個を開けた(開孔面積1.57mm2、開孔面積比率2.0×10-3%。)。得られた孔2個を開けた袋の酸素透過速度は、147705cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で15℃で15日保管処理(予措)して質量を5%減少させた国産の不知火1個(平均酸度は2.3。包装時重量は平均258g。柑橘類100gあたりの開孔面積6.09×10-1mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は4580cc/100g・day・atmであった。147705×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.58=4580の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この不知火包装体を8℃で90日間保存(3月中旬から開始)して不知火の品質を評価したところ、酸度1.0、糖度12.4であり問題無いレベルであった。一方で、腐敗、カビなどが発生し、不良率(販売できない果実の率)43%となり、実用可能なレベルではなかった。
≪比較例2≫
厚さ25μmの2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、1840cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が8μmの孔40個を開けた(開孔面積2.01×10-3mm2、開孔面積比率2.5×10-6%)。得られた孔40個を開けた袋の酸素透過速度は、9682cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で12℃で25日保管処理(予措)して質量を5%減少させた国産の甘夏1個(平均酸度は1.9。包装時重量は平均331g。柑橘類100gあたりの開孔面積6.07×10-4mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は234cc/100g・day・atmであった。9682×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/3.31=234の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この甘夏包装体を8℃で120日間保存(3月中旬から開始)して甘夏の品質を評価したところ、酸度1.4、糖度9.6であり問題無いレベルであった。一方で、腐敗、カビなどが発生し、不良率(販売できない果実の率)58%と、実用可能なレベルではなかった。
≪比較例3≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が76μmの孔7個を開けた(開孔面積3.18×10-2mm2、開孔面積比率4.0×10-5%)。得られた孔7個を開けた袋の酸素透過速度は、24262cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で15℃で15日保管処理(予措)して質量を5%減少させた国産の不知火1個(平均酸度は0.7。包装時重量は平均273g。柑橘類100gあたりの開孔面積1.16×10-2mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は711cc/100g・day・atmであった。24262×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.73=711の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この不知火包装体を8℃で90日間保存(3月中旬から開始)して不知火の品質を評価したところ、酸度0.4、糖度9.3であり問題無いレベルであった。一方で、腐敗、カビなどが発生し、不良率(販売できない果実の率)74%と、実用可能なレベルではなかった。
≪比較例4≫
厚さ25μmの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムで内寸200×200mmの袋を作製した。得られた袋の酸素透過速度は、5850cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、平均微細孔径が76μmの孔7個を開けた(開孔面積3.18×10-2mm2、開孔面積比率4.0×10-5%)。得られた孔7個を開けた袋の酸素透過速度は、24262cc/m2・atm・dayであった。
この袋に、収穫後に無包装で15℃で15日保管処理(予措)して質量を5%減少させた国産の不知火1個(平均酸度は3.8。包装時重量は平均273g。柑橘類100gあたりの開孔面積1.16×10-2mm2。)を入れて、包装袋の開口部をヒートシールで密封した。ここで、柑橘類100g当たりの酸素透過速度は711cc/100g・day・atmであった。24262×{0.2m×0.2m×2(袋であるので内寸の2倍が総面積になる。)}/2.73=711の計算式によって、算出した。
なお、サンプルは49袋作製した。
この不知火包装体を8℃で90日間保存(3月中旬から開始)して不知火の品質を評価したところ、腐敗、カビなどが軽減されて、不良率(販売できない果実の率)10%、糖度13.5であり問題無いレベルであった。一方で、酸度2.5と、非常に酸っぱいため、実用可能なレベルではなかった。
Figure 2014027884
本発明の保存方法は、各種柑橘類に適用する事ができる。特に、長期貯蔵によって酸度を調整する事が好ましいとされる不知火、清見、甘夏、せとか及びポンカンなどに好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 樹脂フィルムの包装袋で柑橘類を包装して保存する柑橘類の保存方法であって、
    前記包装袋は孔を有し、
    前記包装袋の開孔面積比率が9.1×10−6〜6.5×10−4%であり、
    前記柑橘類を5〜20℃でB日間保存する前の酸度Aが下記数式(I)を満たすことを特徴とする柑橘類の保存方法。
    1/162000×B+7/1800×B+1/2≦A≦−1/81000×B+2/150×B+9/5 (I)
  2. 前記包装袋の柑橘類100g当たりの酸素透過速度が300〜2200cc/100g・day・atmである請求項1に記載の柑橘類の保存方法。
  3. 前記柑橘類は、5〜25℃で15〜35日保管処理したものである請求項1または2に記載の柑橘類の保存方法。
  4. 前記包装袋に柑橘類を1つ包装するものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の柑橘類の保存方法。
  5. 前記包装袋に微細孔があり、柑橘類100gあたりの包装体の開孔面積が3.6×10−3mm〜2.6×10−1mmである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の柑橘類の保存方法。
  6. 前記包装袋に微細孔があり、微細孔の平均径が10〜600μmである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の柑橘類の保存方法。
  7. 前記柑橘類は、不知火、清見、甘夏、せとか及びポンカンから選ばれる1種である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の保存方法。
  8. 前記請求項1ないし7のいずれか1項に記載の保存方法で保存した柑橘類。
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