JP4977955B2 - ニンニク用の包装袋、ニンニクの包装体及びニンニクの保存方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ニンニク用の包装袋及びその袋を用いた包装体、並びにニンニクの保存方法に関するものである。
国産ニンニクは、周年供給されているが、新物は5〜9月頃に市場に出回り、その期間以外は貯蔵されたものが出回っていることが多い。
ニンニクを貯蔵した場合の問題点の一つに10月ごろから発生する発芽、発根が挙げられる。ニンニクは、9月頃まで休眠しているが、夏場の高温を経ることで休眠が破れて、10月頃になると発芽、発根し始める。貯蔵時の雰囲気の温度が0〜15℃になると発芽が活発であり、特に10℃付近では顕著である。また、休眠が破れたニンニクを常温で保管していると、ニンニクの重量減少が起こり、ニンニクに萎れなどが発生し商品価値が著しく低下する。従って、発芽・発根を防止するため、従来は発芽防止剤を用いて防止していたが、近年、この薬品が使用されなくなり、−2℃程度の低温貯蔵、加熱、CA(Controlled Atmosphere)貯蔵といった代替方法が用いられるようになってきた。しかし、これらの方法では、出庫後の発芽、発根防止効果が得られない、専用の大型の低温貯蔵設備が必要である、加熱によってニンニクが傷んでしまうといった問題があった。
特開2004−339153号公報では、エチレンを吸着させた吸着性担体とともに、通気性保存容器に収納することでニンニクの発芽を抑制した。しかし、この方法では、エチレン発生剤の持続性、ニンニクのような生鮮食品にエチレン発生剤包装体等を添付することを消費者が好まないこと、エチレン発生剤の管理を十分行わないと効力が得られないといった問題があった。
特開2004−339153号公報 特開2004−290125号公報
専用の設備や薬品を用いることなく、持続性があり、貯蔵中のみならず流通・販売中や消費者が購入した後においても発芽、発根防止でき、特に発芽、発根しやすい低温の温度帯でも同様の効果を有するニンニクの包装袋を提供することを目的とする。また、貯蔵性を良くするため通常行われている予措乾燥を、包装後に行うことが可能な包装体を提供することを目的とする。
0〜15℃の温度条件でニンニクを貯蔵するニンニク用の包装袋において、ニンニク100gあたりの包装袋の酸素透過速度が20〜400cc/100g・day・atmであり、ニンニクを包装した後、包装袋内の酸素濃度が0.01〜4%であるニンニク用の包装袋である。或いは、15〜35℃の温度条件でニンニクを貯蔵するニンニク用の包装袋において、ニンニク100gあたりの包装袋の酸素透過速度が20〜400cc/100g・day・atmであり、ニンニクを包装した後、包装袋内の酸素濃度が0.01〜1%であるニンニク用の包装袋である。
更に好ましい形態としては、包装袋内の酸素濃度が、0.05〜1%であり、ニンニク100gあたりの包装袋の酸素透過速度が20〜100cc/100g・day・atmであるニンニク用の包装袋であり、包装袋の水蒸気透過度が、50〜1000g/m2・day(40℃、90%RH)であり、ニンニク100gあたりの包装袋の水蒸気透過度が、1〜50g/100g・dayであり、包装袋が合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムであり、合成樹脂フィルムが、ポリスチレン、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ乳酸系樹脂の中から選ばれるフィルムであり、半合成樹脂フィルムがセロハンであり、包装袋が、1個あたりの開口面積が0.075mm2以下である貫通孔、或いは貫通或は非貫通の傷又はクラック、或いは長さ5mm以下の切れ込みを有するニンニク用の包装袋である。
上記のニンニク用の包装袋を用いてニンニクを包装するニンニクの包装体である。
また、ニンニクを包装したニンニクの包装体を0〜15℃の温度で貯蔵するニンニクの保存方法であり、ニンニクを包装した後、低温保存の前に予措処置を行うニンニクの保存方法である。
本発明の包装袋を用いることにより、専用の大型設備や薬品を使用することなく、貯蔵中、流通中等のニンニクの発芽、発根を軽減することができる。特に休眠が破れたニンニクには好適である。
休眠が破れたニンニクの発芽、発根は、0〜15℃、特に5〜15℃程度で顕著である。ニンニクの貯蔵温度が0〜15℃の温度条件では、包装袋内の酸素濃度を厳密に制御しなければ、発芽、発根を予防できないことを見出した。0〜15℃の温度条件で貯蔵されるニンニクの発芽、発根を抑えるには、酸素濃度0.01〜4%、好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.01〜1%である。酸素濃度が0.01未満では、ニンニクが酸欠で死んでしまい、酸素濃度が4%を超えると発芽、発根を抑えることが難しくなる。酸素濃度が0.05〜1%の範囲では、特に著しい発芽、発根防止効果が得られる。
或いは、15〜35℃の温度条件でニンニクを保存する場合、ニンニクを包装した後、包装袋内の酸素濃度が0.01〜1%であることがニンニクの発芽、発根を抑えるのに効果があることを見出した。常温では、酸素濃度が0.01未満では、ニンニクが酸欠で死んでしまい、酸素濃度が1%を超えると発芽、発根を抑えることが難しくなる。
包装袋内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度は、ニンニクを包装後30日以内の包装袋内の濃度を示しており、30日以内にこれらの濃度に達するものであれば良い。好ましくは15日以内にこれらの濃度に達していれば良く、更に7日以内がより好ましい。
本発明でいう貯蔵とは、ニンニクの生産地における倉庫での貯蔵だけを意味しているわけではなく、生産地から消費地への輸送、スーパーなどの店頭での陳列、販売などの流通の過程、家庭の冷蔵庫での保管などのすべての過程が含まれる。これらの過程では、全過程で本発明の条件に含まれていることが好ましいが、当該過程の一部で本発明の条件を満たしていても良い。例えば、生産地の倉庫から出された後に本発明の条件にて包装され、本発明の条件下に置かれたまま消費地に輸送されたもの、消費地まで無包装やネット包装などで輸送されその後本発明の条件にて包装され、本発明の条件下に置かれたまま販売されるもの、市場でセリにかかる時など短時間の間一時的に本発明の条件から外れるようなもの等も含まれる。
本発明の包装袋は、ニンニク100gあたりの酸素透過速度が20〜400cc/100g・day・atmであり、酸素透過速度が20〜100cc/100g・day・atmがより好ましい。酸素透過速度が、20cc/100g・day・atm未満では、酸欠によってニンニクが死ぬ可能性があり、400cc/100g・day・atmを越えると、発芽、発根を軽減する効果が低下する可能性がある。
包装体内の二酸化炭素濃度は、4〜40%が好ましい。二酸化炭素濃度が4%未満では、発芽、発根防止効果が若干小さくなる可能性があり、40%を越える濃度で長期間保管すると炭酸ガス障害によって、ニンニクが死ぬ可能性がある。
包装袋の水蒸気透過度は、50〜1000g/m2・dayであることが好ましい。水蒸気透過度が本範囲内にあると、包装体内が蒸れてニンニクにカビが発生するのを防止できる可能性がある。
また、ニンニク100gあたりの包装袋の水蒸気透過度は、1〜50g/100g・dayであることが好ましい。水蒸気透過度が本範囲内にあると、包装体内が蒸れてニンニクにカビが発生するのを効果的に防止できる可能性がある。常温でニンニクを保存する場合には、ニンニク100gあたりの包装袋の水蒸気透過度は4〜50g/100g・dayであることがより好ましい。この範囲であると貯蔵中におけるニンニクの重量減少をより少なくできる可能性がある。
包装袋の酸素透過速度が不足する場合は、包装袋に、1個あたりの開口面積が0.075mm2以下である貫通した微細孔、或いは貫通又は非貫通の傷、クラック、或いは長さ5mm以下の切れ込みなどを設けることが好ましい。
微細孔に関しては、1個の開口面積が、0.075mm2より大きいと、穴が目立つようになることと、包装体あたりの孔数が少なくなって酸素透過速度のばらつきが大きくなる可能性がある。貫通あるいは非貫通の傷及びクラックに関しては、微細孔よりも加工1ヶ所あたりの酸素透過速度の制御はより困難であるため、1cm2あたり1ヶ所以上の加工を施すことが好ましい。また、切れ込みは、その長さが5mm以下であるのは、5mm以上では、酸素等加速度が大きくなりすぎて、包装体の酸素透過速度の制御が困難になる可能性があるためである。
本発明の包装袋は合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムであることが好ましい。合成樹脂フィルム、半合成樹脂フィルムとしては、特に限定されず、本発明の条件を満たしていればどのようなものでも差し支えない。それらの中で合成樹脂フィルムとしては、ポリスチレン、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ乳酸系樹脂が好ましく、半合成樹脂フィルムとしては、セロハンが好ましい。ポリ乳酸系樹脂とは、原料にポリ乳酸を50%以上用いた樹脂を指す。
また、これらのフィルムは、本発明の条件を満たす範囲内であれば、その他の樹脂をブレンドしたものや積層、印刷、或いは防曇剤の塗布や練りこみ等を行ったものでも良い。
本発明のニンニクの品種は、特に特定されないが、ホワイト六片、福地ホワイト、遠州極早生、上海早生、壱州早生などが上げられる。これらは、収穫後予措を行ったもの、CA貯蔵、低温貯蔵、加熱処理、エチレン処理、オゾン処理、エタノール処理、皮むき、カットなどを行ったものでもかまわない。
本発明の包装袋を用いてニンニクを包装し、ニンニクの包装体とする。包装方法は公知の方法が用いられる。包装形態としては、例えば、包装袋、又は容器にトップシールするものが挙げられる。また、本発明の包装袋においては、密封することが必要であるが、この方法としては、ヒートシール、輪ゴム止め、樹脂や金属かしめ、バックシール、のり止め、紐で縛るなどどのような方法でもかまわない。
ニンニク100gあたりの包装袋の酸素透過速度が20〜400cc/100g・day・atmであり、ニンニクを包装した後、包装袋内の酸素濃度が0.01〜4%であるニンニク用の包装袋を用いてニンニクを包装し、そのニンニクの包装体を貯蔵する場合は、0〜15℃の温度範囲で貯蔵することが好ましく、より好ましくは5〜15℃の温度範囲である。0〜15℃の温度範囲であれば、発芽、発根をより防止できる。
また、含水率を減らしてニンニクの保存性を向上させるために予措乾燥を行うことが好ましく、本発明の包装袋を用いることにより、包装後に予措乾燥を行っても良いことを見出した。
本発明の包装袋を用いることにより、ニンニクの包装体の貯蔵が終了し、そのままの包装袋にて市場に出荷し、販売され、各顧客にて保管されても、発芽、発根についてより効果的に抑制することができる。
以下実施例で本発明を説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
参考例1
厚さ25μmの防曇処理を施したナイロンフィルム(水蒸気透過度108g/m2・day)を用い、内寸140×180mmの溶断袋を作製した。袋には、開口面積3.85×10-3mm2の微細孔2個をあけ、青森県産ニンニク(約70g/個)2個を入れてヒートシールで密封し、10℃で30日間保管した。なお、全ての実施例と比較例に用いたニンニクは、7月に収穫したものを常温で保管し、その年の10月に試験を実施し、また、加熱等の処理は行わなかった。このときの、ニンニク100gあたりの水蒸気透過度と酸素透過度、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表1に示す。
参考例2
厚さ25μmの防曇処理を施したポリ乳酸フィルム(水蒸気透過度320g/m2・day)を用い、内寸140×180mmの三方シール袋(シール幅10mm)を作製した。袋には、開口面積3.85×10-3mm2の微細孔1個をあけ、青森県産ニンニク(約70g/個)2個を入れてヒートシールで密封し、10℃で30日間保管した。このときの、ニンニク100gあたりの水蒸気透過度と酸素透過度、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表1に示す。
参考例3
厚さ42μmの防曇処理を施したナイロンとエチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル20%)のラミネートフィルム(水蒸気透過度90g/m2・day)を用い、内寸140×180mmの三方シール袋(シール幅10mm)を作製した。袋には、開口面積3.85×10-3mm2の微細孔2個をあけ、青森県産ニンニク(約70g/個)2個を入れてヒートシールで密封し、10℃で30日間保管した。このときの、ニンニク100gあたりの水蒸気透過度と酸素透過度、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表1に示す。
参考例4
厚さ25μmの防曇処理を施したポリ乳酸フィルム(水蒸気透過度320g/m2・day)を用い、内寸140×180mmの三方シール袋(シール幅10mm)を作製した。袋には、開口面積3.85×10-3mm2の微細孔2個をあけ、青森県産ニンニク(約70g/個)2個を入れてヒートシールで密封し、20℃で30日間保管した。このときの、ニンニク100gあたりの水蒸気透過度と酸素透過度、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表1に示す。
《実施例5》
厚さ25μmの防曇処理を施したポリ乳酸フィルム(水蒸気透過度320g/m2・day)を用い、内寸140×150mmの三方シール袋(シール幅10mm)を作製した。これに、青森県産ニンニク(約70g/個)1個を入れてヒートシールで密封し、10℃で30日間保管した。このときの、ニンニク100gあたりの水蒸気透過度と酸素透過度、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表1に示す。
《実施例6》
厚さ25μmの防曇処理を施したナイロンフィルム(水蒸気透過度108g/m2・day)を用い、内寸200×350mmの溶断袋を作製した。袋には、開口面積3.85×10-3mm2の微細孔3個をあけ、青森県産ニンニク(約70g/個)15個を入れてヒートシールで密封し、5℃で30日間保管した。このときの、ニンニク100gあたりの水蒸気透過度と酸素透過度、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表1に示す。
参考例5
厚さ25μmの防曇処理を施したナイロンフィルム(水蒸気透過度108g/m2・day)を用い、内寸140×180mmの溶断袋を作製した。袋には、開口面積3.85×10-3mm2の微細孔2個をあけ、青森県産ニンニク(約70g/個)3個を入れてヒートシールで密封し、14℃で30日間保管した。このときの、ニンニク100gあたりの水蒸気透過度と酸素透過度、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表1に示す。
参考例6
厚さ25μmの防曇処理を施したポリ乳酸フィルム(水蒸気透過度320g/m2・day)を用い、内寸140×180mmの三方シール袋(シール幅10mm)を作製した。袋には、開口面積(穴径70μm)3.85×10-3mm2の微細孔3個をあけ、青森県産ニンニク(約70g/個)2個を入れてヒートシールで密封し、25℃で30日間保管した。このときの、ニンニク100gあたりの水蒸気透過度と酸素透過度、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表1に示す。
《比較例1》
青森県産ニンニク(約70g/個)をダンボール箱(幅13cm×長19cm×高12cm)に入れて、10℃で30日間保管した。このときの、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表2に示す。
《比較例2》
厚さ30μmの防曇処理を施した二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、内寸140×180mmの三方シール袋(シール幅10mm)を作製した。袋にはに開口面積(穴径5mm)19.6mm2の穴8個をあけ、青森県産ニンニク(約70g/個)2個を入れてヒートシールで密封し、10℃で30日間保管した。このときの、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度、二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表2に示す。
《比較例3》
保管温度が20℃である以外は、比較例1と同様にニンニクを30日間保管した。このときの、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表2に示す。
《比較例4》
保管温度が20℃である以外は、比較例2と同様にニンニクを30日間保管した。このときの、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表2に示す。
《比較例5》
厚さ25μmの防曇処理を施したナイロンフィルム(水蒸気透過度108g/m2・day)を用い、内寸140×180mmの溶断袋を作製した。袋には、微細孔等の加工を施さず、青森県産ニンニク(約70g/個)2個を入れてヒートシールで密封し、20℃で30日間保管した。このときの、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度、二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表2に示す。
《比較例6》
厚さ25μmの防曇処理を施したナイロンフィルム(水蒸気透過度108g/m2・day)を用い、内寸140×180mmの溶断袋を作製した。袋には、開口面積3.85×10-3mm2の微細孔4個をあけ、青森県産ニンニク(約70g/個)2個を入れてヒートシールで密封し、10℃で30日間保管した。このときの、ニンニク100gあたりの水蒸気透過度と酸素透過度、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表2に示す。
《比較例7》
厚さ40μの防曇処理を施した二軸延伸ポリプロピレンフィルム(水蒸気透過度3.8g/m2・day)を用い、内寸200×350mmの三方シール袋(シール幅10mm)を作製した。袋には、微細孔等の加工を施さず、青森県産ニンニク(約70g/個)15個を入れてヒートシールで密封し、10℃で30日間保管した。このときの、ニンニク100gあたりの水蒸気透過度と酸素透過度、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表2に示す。
《比較例8》
厚さ25μmの防曇処理を施したナイロンフィルム(水蒸気透過度108g/m2・day)を用い、内寸140×180mmの溶断袋を作製した。袋には、開口面積3.85×10-3mm2の微細孔3個をあけ、青森県産ニンニク(約70g/個)4個を入れてヒートシールで密封し、20℃で30日間保管した。このときの、ニンニク100gあたりの水蒸気透過度と酸素透過度、15日目と30日目の包装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度、ニンニクの発芽、発根、カビ、異臭、内部変色などの評価結果及び重量減少を表2に示す。

Claims (8)

  1. 0〜15℃の温度条件でニンニクを貯蔵するニンニク用の包装袋において、ニンニク100gあたりの包装袋の酸素透過速度が20〜100cc/100g・day・atmであり、ニンニクを包装した後、包装袋内の酸素濃度が0.3〜1%、二酸化炭素濃度が8.9〜19.4%であるニンニク用の包装袋を用いてニンニクを包装し、包装されたニンニクを0〜15℃の温度条件で貯蔵することを特徴とするニンニクの保存方法。
  2. 包装袋の水蒸気透過度が、50〜1000g/m2・day(40℃、90%RH)である請求項1に記載のニンニクの保存方法
  3. ニンニク100gあたりの包装袋の水蒸気透過度が、1〜50g/100g・dayである請求項1に記載のニンニクの保存方法
  4. 包装袋が合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムである請求項1に記載のニンニクの保存方法
  5. 合成樹脂フィルムが、ポリスチレン、ナイロン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ乳酸系樹脂の中から選ばれるフィルムである請求項に記載のニンニクの保存方法
  6. 半合成樹脂フィルムがセロハンである請求項に記載のニンニクの保存方法
  7. 包装袋が、1個あたりの開口面積が0.075mm2以下である貫通孔、或いは貫通或は非貫通の傷又はクラック、或いは長さ5mm以下の切れ込みを有する請求項1に記載のニンニクの保存方法
  8. ニンニクを包装した後、低温保存の前に予措処置を行う請求項に記載のニンニクの保存方法
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