JP4296817B2 - ニンニクの保存方法およびニンニクの包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はニンニクの保存方法及びニンニクの包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ニンニクは周年供給されているが、新物は5〜9月でそれ以外は2℃程度の低温で長期貯蔵したものが出回っている。
ニンニクを長期貯蔵した場合の問題点の一つに発芽が挙げられる。従来は発芽防止剤(マレイン酸ヒドラジッドなど)を用いて発芽を抑えているが、安全性の問題などから薬品を使用しない方法が望まれている。また、発芽防止剤に変わる方法として有力であるCA貯蔵に関しては様々な研究が行われており、ニンニクに関しては0℃、湿度85〜90%、酸素濃度2〜4%、二酸化炭素濃度5〜8%で10〜12ヶ月の貯蔵(2000年農産物流通技術年報:(株)流通システム研究センターp218,表6)が可能であることなどが示されている。ただしCA貯蔵は、大型のガス組成調整設備で倉庫内を前述の低酸素、高二酸化炭素条件にするため、出庫後の品質管理が出来ない。ニンニクは、産地より出荷し消費されるまでに1〜2ヶ月程度かかるため、消費までの一貫した発芽防止方法が待望されているが、現在実用性のある方法は見つかっていない。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−332022号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、薬品を用いないため安全で生きているニンニクの発芽を防止する保存方法及び発芽と皮裂けを防止でき、カビも発生しにくいニンニクの包装体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1)ニンニクを酸素濃度1〜18%、二酸化炭素濃度2〜40%の条件で保管することを特徴とするニンニクの保存方法
(2)ニンニクを40〜55℃の範囲で4〜6時間加熱する(1)に記載のニンニクの保存方法、
(3)ニンニクをオゾンガスあるいは負イオンとオゾンの混合ガスに曝す(1)に記載のニンニクの保存方法である。
【0006】
また、本発明は、
(4)厚さ10〜50μmの合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムからなるフィルムを用い、包装体内の酸素濃度が1〜18%、二酸化炭素濃度が8.4〜40%であることを特徴とするニンニクの包装体である。
【0007】
更に好ましい形態としては、
(5)合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムが開孔面積3.1×10-11〜7.1×10-8m2の微細孔を1個以上有し、ニンニク100gあたりの開口面積が1.96×10-9〜5.59×10-8m2/100g、或いは合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムの表面に貫通あるいは未貫通の傷、クラックを少なくとも1個以上有する(4)に記載のニンニクの包装体、
(6)包装体の水蒸気透過度が1.6〜9.6g/100g・day・atm、酸素透過速度が100〜2,600cc/100g・day・atm、二酸化炭素透過速度が100〜18,000cc/100g・day・atmであり、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度が3以下である(4)に記載のニンニクの包装体、
(7)合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムが、無延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリスチレン(PS)、OPPとLDPE又はLLDPEとのラミネートフィルム、OPPとCPPのラミネートフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)とLDPE又はLLDPEのラミネートフィルム、無延伸ナイロン(CN)又は延伸ナイロン(ON)とLDPE又はLLDPEのラミネートフィルム、CN又はONとエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)のラミネートフィルム、CN又はONとPSのラミネートフィルム、セロハン、酢酸セルロースフィルムの中から選ばれるいずれか1種以上である(4)に記載のニンニクの包装体、
(8)ニンニクを、包装前あるいは包装後に40〜55℃で4〜6時間加熱する(4)記載のニンニクの包装体、
(9)包装袋にエタノールを同封する(4)記載のニンニクの包装体。
(10)密封直後の包装体内に含まれるエタノール量が、ニンニク100gあたり0.1〜20ccである(9)に記載のニンニクの包装体、
(11)密封前にオゾンガスあるいは負イオンとオゾンの混合ガスに曝したニンニクを用いる(4)記載のニンニクの包装体、
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の目的である薬品を用いないで生きているニンニクの発芽を防止するには、ニンニクの保管中の雰囲気を酸素濃度が1〜18%、二酸化炭素濃度が2〜40%の条件で保存すれば良いことを見出した。酸素濃度が18%を超えたり二酸化炭素濃度が2%未満ではニンニクの発芽を防止できないし、逆に酸素濃度が1%未満や二酸化炭素濃度が40を超える場合では、嫌気による異臭が発生して食べることが出来なくなるうえ、ニンニクが死んでしまい商品性を維持することができない。
【0009】
更に好ましい保存条件は、ニンニクを40〜55℃の温度条件で4〜6時間加熱しても良い。加熱することにより芽止め防止により効果が見られるが、加熱温度が40℃未満では効果が少なく、55℃を超えるとニンニクが死んでしまう可能性がある。また加熱時間が4時間未満では効果が得にくく、6時間を越えるとニンニクに障害が生じ死んでしまう可能性がある。また、上記の処理したものを保存しても良い。
また、ニンニクをオゾンガスあるいは負イオンとオゾンガスの混合ガスに12時間以上曝すことも好ましい。上記ガスに曝すことによって、カビの増殖をより抑えることができる可能性がある。上記ガスへ曝すには、包装直前まで処理するのが好ましく、保存庫内では出庫まで継続的に曝すのが好ましく、処理したものを保存しても良い。
【0010】
本発明のニンニクの包装体は、ニンニクを包装袋に包装した包装体内の酸素濃度が1〜18%、二酸化炭素が2〜40%であれば、ニンニクの発芽防止に効果があることを見出した。包装体内の酸素濃度が18%を超える場合や二酸化炭素濃度が2%未満ではニンニクの発芽を防止できないし、逆に酸素濃度が1%未満や二酸化炭素濃度が40%を超える場合では、嫌気による異臭が発生して食べることが出来なくなるうえ、ニンニクが死んでしまい商品性を維持することができなくなる。
【0011】
本発明のニンニクの包装体に用いられる包装袋用のフィルムとして、合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムを用いることができ、フィルムの厚さは、10〜50μmが良い。フィルムの厚さが、10μm未満では包装体の強度が不足し、50μmより厚いと価格が割高になるので好ましくない。
【0012】
本発明の包装体に用いる合成樹脂フィルムとしては、例えば、無延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリスチレン(PS)、OPPとLDPEまたはLLDPEのラミネートフィルム、OPPとCPPのラミネートフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)とLDPE又はLLDPEとのラミネートフィルム、無延伸ナイロン(CN)又は延伸ナイロン(ON)とLDPE又はLLDPEとのラミネートフィルム、CN又はONとエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)とのラミネートフィルム、CN又はONとPSとのラミネートフィルムなどがあげられる。半合成樹脂フィルムとしては、例えば、セロハン、酢酸セルロースなどが上げられる。セロハンは、普通セロハンでも防湿セロハンでも良い。防湿セロハンとしては、防湿剤の主体樹脂が塩化ビニル酢酸ビニル共重合体である塩化ビニル系防湿セロハンと同じく主体樹脂が塩化ビニリデンアクリルニトリル共重合体である塩化ビニリデン系防湿セロハン、これらの他にアクリル系コートを施したものなどがある。これらのフィルムの中から水蒸気透過度等を考慮して適切なフィルム選択されることが好ましい。
【0013】
前述のフィルムは、開孔面積3.1×10-11〜7.1×10-8m2の微細孔を1個有することが好ましい。微細孔1個あたりの開孔面積が3.1×10-11m2より小さいと加工速度が著しく遅くなり量産に適さなくなる可能性があり、逆に開孔面積が7.1×10-8m2より大きいと包装体あたりの孔数が少なくなるため酸素透加速度と二酸化炭素透過速度のばらつきが大きくなる可能性があり、外部からの異物の混入が多くなる可能性がある。
【0014】
ニンニク100g当たりの開口面積は、1.96×10-9〜5.59×10-8m2/100gであることが好ましい。開口面積が、1.96×10-9未満では、酸素透加速度と二酸化炭素透過速度が不十分である可能性があり、開口面積が、5.59×10-8m2/100gを超えると酸素透加速度と二酸化炭素透過速度が大きくなる可能性があり、外部からの異物の混入が多くなる可能性がある。
【0015】
合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムは、酸素と二酸化炭素の透過速度を調節する方法として、微細孔の他に、その表面に貫通あるいは未貫通の傷、クラックを少なくとも1個以上有していても良い。
【0016】
前述のフィルムは、酸素透過速度が、100〜2600cc/100g・day・atm、二酸化炭素透過速度が100〜18000cc/100g・day・atmであることが好ましい。酸素透過速度、二酸化炭素透過速度が100cc/100g・day・atm未満では、ニンニクが死んでしまう可能性があり、逆に酸素透過速度が2600cc/100g・day・atmより大きい、又は二酸化炭素透過速度が18,000cc/100g・day・atmより大きいとニンニクの発芽を防止する効果が小さくなる可能性がある。二酸化炭素透過速度と酸素透加速度との比、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度が3以下であることが好ましい。この比が3を超えるとニンニクの発芽防止の効果が小さくなる可能性がある。
【0017】
本発明の包装体の水蒸気透過度は、ニンニク100gあたり、1.6〜9.6g/100g・day・atmであることが好ましい。水蒸気透過速度が1.6g/100g・day・atm未満では、包装体内に結露が生じてカビが発生する可能性があり、水蒸気透過速度が9.6g/100g・day・atmを超えるとニンニクの萎れが進みやすくなる可能性がある。
【0018】
本発明の包装体の形態としては、包装体の全てが前述の合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムから構成されている場合の他に包装体の少なくとも一部が前述の合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムからなっていれば良い。例えば、プラスチック容器を前述の合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムで蓋をしたものでも良い。また、袋の場合は、袋内にトレイを入れても良い。また、フィルムでニンニクを包んで開口部分を束ねた後、クリップ、ヒートシール、輪ゴム、結束バンド、バックシールなどで絞めても良い。
【0019】
更に好ましくは、ニンニクの包装体を40〜55℃の温度条件で4〜6時間加熱しても良い。加熱することにより芽止め防止により効果が見られるが、加熱温度が40℃未満では効果が少なく、55℃以上ではニンニクが死んでしまう可能性がある。また加熱時間が4時間未満では効果が得にくく、6時間を越えるとニンニクに障害が生じ死んでしまう可能性がある。上記の処理は、包装後処理をしても良いが、処理したものを包装しても良い。
また、ニンニクを包装する前にオゾンガスあるいは負イオンとオゾンガスの混合ガスに12時間以上曝すことも好ましい。上記ガスに曝すことによって、カビの増殖をより抑えることができる可能性がある。
【0020】
さらに、密封前にニンニクをエタノールに浸漬する、エタノールを塗布又は吹き付ける、或いは、包装体を密封する前にエタノールを同封することが好ましい。本処理によりカビの繁殖を軽減できる可能性がある。密封直後の包装体内に含まれるエタノール量は、0.1〜20ccが好ましく、0.1cc未満ではカビの防止効果が小さく、20ccを超えるとニンニク自体に障害が生じ劣化する可能性がある。
【0021】
合成樹脂フィルムに、抗菌効果を有する物質を含ませることによって、微生物の繁殖を軽減できる可能性がある。抗菌効果を有する物質は、合成樹脂フィルムに予め混合しても良く、またはフィルム表面に塗布しても良い。
抗菌効果を有する物質としては、例えば、銀、銅、亜鉛(ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸塩、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウムなどのリン酸塩類、溶解性ガラス、活性炭に担持させたものを含む)、酸化チタン、キチン、キトサン、ポリフェノール、竹または果実の種抽出物などである。
【0022】
ニンニクを収納した包装体の開口部の密封方法としては、ヒートシール、超音波シール、輪ゴム、カシメ(金属製、ポリカーボネートなど合成樹脂製)、クリップ、ジッパー、バックシールなどどんな方法でも良い。
【0023】
ニンニクの保存方法としては、前述の酸素濃度条件、二酸化炭素濃度条件が満たされるのであれば特に制限されず保存庫等で保存しても良いし、前述の合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムで包装して保存しても良い。保存の温度条件は、0〜25℃が好ましい。
【0024】
【実施例】
<実施例1>
サイズ120×180mmで厚み25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(水蒸気透過速度:160g/m2・24hr・at40℃・90%RH)製袋に開口面積1.97×10-9m2の孔2個を設け、ニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れて開口部をヒートシールで密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値(CO2perm./O2perm.)、開口面積(m2/100g)を表1に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表2に示した。なお、ニンニクが死んでいるとはニンニクの呼吸を含めた代謝が停止した状態になることをいう。
<実施例2>
サイズ120×180mmで厚み25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(水蒸気透過速度:160g/m2・24hr・at40℃・90%RH)製袋に開口面積1.96×10-9m2の孔16個を設け、ニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れて開口部をヒートシールで密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表1に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表2に示した。
<実施例3>
サイズ120×180mmで厚み25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(水蒸気透過速度:160g/m2・24hr・at40℃・90%RH)製袋に開口面積2.55×10- 8m2の孔3個を設け、ニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れて開口部をヒートシールで密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表1に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表2に示した。
【0025】
<実施例4>
サイズ120×180mmで厚み30μmの防湿セロハンフィルム(水蒸気透過速度:72g/m2・24hr・at40℃・90%RH)製袋に開口面積3.84×10-9m2の孔10個を設け、ニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れて開口部をヒートシールで密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表1に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表2に示した。
<実施例5>
サイズ120×180mmで厚み25μmの未延伸ポリスチレンフィルム(水蒸気透過速度:150g/m2・24hr・at40℃・90%RH)製袋に開口面積1.96×10-9m2の孔15個を設け、ニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れて開口部をヒートシールで密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表1に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表2に示した。
<実施例6>
サイズ120×180mmで厚み25μmの未延伸ポリスチレンフィルム(水蒸気透過速度:150g/m2・24hr・at40℃・90%RH)製袋に開口面積1.97×10-9m2の孔2個を設け、ニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れて開口部をヒートシールで密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表1に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表2に示した。
【0026】
<実施例7>
サイズ140×200mm(フランジ10mm)の透明ポリスチレン(厚み約0.1mm)容器にニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れ、サイズ140×200mmで開口面積1.96×10-9m2の孔2個を設けた厚み25μmの未延伸ポリスチレンフィルム(水蒸気透過速度:150g/m2・24hr・at40℃・90%RH)でトップシールを施し密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表1に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表2に示した。
<実施例8>
密封前にエタノール15ccをニンニクと同封した以外は請求項1と同様にニンニクを包装して20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表1に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表2に示した。
<実施例9>
密封前にニンニクを5ppmオゾン中で1週間処理した以外は請求項1と同様にニンニクを包装して20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表1に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表2に示した。
【0027】
<実施例10>
サイズ120×180mmで厚み30μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(水蒸気透過速度:6g/m2・24hr・at40℃・90%RH)製袋に開口面積1.96×10−9m2の孔21個を設け、ニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れて開口部をヒートシールで密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表3に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表4に示した。
<実施例11>
サイズ120×180mmで厚み26μmの防湿セロハンフィルム(水蒸気透過速度:800g/m2・24hr・at40℃・90%RH)製袋に開口面積3.85×10−9m2の孔9個を設け、ニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れて開口部をヒートシールで密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表3に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表4に示した。
【0028】
<比較例1>
無包装でニンニク2個(約150g)を3ヶ月間保存した。このときのニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色)評価結果を表4に示した。
<比較例2>
孔が無い以外は請求項1と同様の袋に、ニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れて開口部をヒートシールで密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表3に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表4に示した。
<比較例3>
サイズ120×180mmで厚み25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(水蒸気透過速度:160g/m2・24hr・at40℃・90%RH)製袋に開口面積1.97×10−9m2の孔1個を設け、ニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れて開口部をヒートシールで密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表3に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表4に示した。
<比較例4>
サイズ120×180mmで厚み25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(水蒸気透過速度:160g/m2・24hr・at40℃・90%RH)製袋に開口面積1.96×10−9m2の孔57個を設け、ニンニク(青森県産ホワイト六片)2個(約150g)を入れて開口部をヒートシールで密封し、20℃で3ヶ月間保存した。この袋の酸素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、二酸化炭素透過速度(cc/100g・24hr・atm)、水蒸気透過速度(g/100g・24hr・at40℃・90%RH)、二酸化炭素透過速度/酸素透加速度の値、開口面積(m2/100g)を表3に示し、このときの包装体内ガス組成、ニンニクの品質(皮裂け、発芽の有無、カビの有無、臭気、内部の変色、生死)の評価結果を表4に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】
本発明の保存方法を用いることにより、薬品を用いないで安全に生きているニンニクの発芽を防止することができ、ニンニクを長期間保存できるようになった。また、本発明のニンニクの包装体を用いることにより、ニンニクが死ぬことなく、ニンニクの発芽と皮裂けを防止することができ、かつカビが発生しにくく、変色、異臭のないニンニクの包装体を提供することができる。
Claims (6)
- 厚さ10〜50μmの合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムからなるフィルムを用い、合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムが開孔面積3.1×10 −11 〜7.1×10 −8 m 2 の微細孔を1個以上有し、ニンニク100gあたりの開口面積が1.96×10 −9 〜5.59×10 −8 m 2 /100gであり、ニンニクを包装した包装体内の酸素濃度が1〜18%、二酸化炭素濃度が8.4〜40%であり、酸素透過速度が100〜2,600cc/100g・day・atm、二酸化炭素透過速度が100〜18,000cc/100g・day・atmであり、二酸化炭素透過速度/酸素透過速度が3以下であることを特徴とするニンニクの包装体。
- 包装体の水蒸気透過度が1.6〜9.6g/100g・day・atmである請求項1に記載のニンニクの包装体。
- 合成樹脂フィルム又は半合成樹脂フィルムが、無延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリスチレン(PS)、OPPとLDPE又はLLDPEとのラミネートフィルム、OPPとCPPのラミネートフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)とLDPE又はLLDPEのラミネートフィルム、無延伸ナイロン(CN)又は延伸ナイロン(ON)とLDPE又はLLDPEのラミネートフィルム、CN又はONとエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)のラミネートフィルム、CN又はONとPSのラミネートフィルム、セロハン、酢酸セルロースフィルムの中から選ばれるいずれか1種以上である請求項1記載のニンニクの包装体。
- ニンニクを、包装前あるいは包装後に40〜55℃で4〜6時間加熱する請求項1記載のニンニクの包装体。
- 包装袋にエタノールを同封する請求項1記載のニンニクの包装体。
- 密封直後の包装体内に含まれるエタノール量が、ニンニク100gあたり0.1〜20ccである請求項5に記載のニンニクの包装体。
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