JP4727118B2 - ニンニクの包装体、ニンニクの処理方法及びニンニクの鮮度保持方法 - Google Patents

ニンニクの包装体、ニンニクの処理方法及びニンニクの鮮度保持方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、収穫されたニンニクの処理方法、包装体及び鮮度保持方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
国内においてニンニクの収穫時期は5〜9月頃であり、収穫後直ちに出荷される場合もあるが、低温管理などで長期貯蔵を行うことによって周年供給されている。
ニンニクの貯蔵、流通、販売等の環境条件において、湿度が高いと根部、皮の内側にカビが生えやすく、逆に乾燥しすぎると皮が裂けてバラバラになり商品性が損なわれる。また、ニンニクを長期貯蔵していると、ニンニクの収獲から2〜3ヶ月経つと休眠が打破され芽が動き出し発芽して商品性がなくなってしまうという問題が起こる。そこで、従来は芽止め剤(マレイン酸ヒドラジッドなど)を使用して芽止めを行っていたが、薬品の安全性の問題がありその使用が制限され事となった。このため低温での貯蔵などが検討されているが、効果が不完全であることや、国内の流通においてはコールドチェーンが不完全であることなどもありこれら全てを安全に解決する方法は見出されていない。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−275770(第3頁右5〜12行)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、薬品を用いることなくニンニクの発芽を抑制し、かつカビの発生がない安全なニンニクを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ニンニクを50〜100℃の条件下で10〜2900分加熱するニンニクの処理方法である。また、ニンニクを50〜80℃の条件下で240〜2900分加熱するニンニクの処理方法である。好ましい形態として、ニンニクの加熱処理の積算温度が200〜1440℃・hrであるニンニクの処理方法である。
また、ニンニクを加熱処理し、その後−2〜40℃で保管するニンニクの鮮度保持方法であり、ニンニクの加熱処理が、上記に記載の処理であり、ニンニクの加熱処理の積算温度が200〜1440℃・hrであるニンニクの鮮度保持方法である。
【0006】
加熱処理したニンニクが合成樹脂フィルムで包装されているニンニクの包装体である。また、ニンニクを加熱処理し、その後−2〜40℃で保存されるニンニクの包装体である。また、ニンニクを合成樹脂フィルムで包装する工程が、ニンニクを加熱処理する前に行われるニンニクの包装体である。更に好ましい形態として、ニンニクの加熱処理が、上記に記載の処理であり、ニンニクの加熱処理の積算温度が200〜1440℃・hrであるニンニクの包装体である。
包装体の酸素透過速度が300〜1580cc/kg・day・atmおよび二酸化炭素透過速度が300〜420,000cc/kg・day・atmであり、包装体の水蒸気透過速度が5〜800g/kg・day(at40℃・90%RH)であり、包装体内の酸素濃度が21%未満、二酸化炭素濃度が0.04%より大きく、かつ相対湿度が60以上、100%未満であり、包装体の合成樹脂フィルムが、開孔面積7.1×10−8以下の微細孔を1個以上有するまたは表面に貫通あるいは未貫通の傷、クラックや長さ5mm以下の切り込みを有する合成樹脂フィルムであり、合成樹脂フィルムが、延伸・無延伸ポリアミド、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、延伸ビニロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体のいずれかを1種以上であり、合成樹脂フィルムがポリエチレン製、あるいはポリ塩化ビニル製ストレッチフィルムのいずれかであるニンニクの包装体である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、ニンニクに発生したカビを殺菌し、ニンニクの発芽を抑えるために、ニンニクを50〜100℃で10〜2900分間加熱処理をすれば良いことを見出した。好ましくは、加熱処理条件は50〜80℃で240〜2900分である。また、好ましくは、加熱時の積算温度が200〜1440℃・hrであり、ニンニクに対する加熱によるストレスがより小さく、良質なニンニクを得ることができる。
【0008】
加熱温度が50℃未満では、殺菌効果、芽止め効果が得られず、100℃を超えるとニンニクの損傷が著しくなる。極力ニンニクへの負荷を軽減したい場合は、加熱温度は50〜80℃が好ましい。加熱時間が10分未満では品温が十分に上昇しないのでニンニクの殺菌効果、芽止め効果が不十分であり、2900分を超えるとニンニクの傷みが発生する。好ましい条件としては、長時間かけて加熱する場合には、加熱温度が低めの方が好ましく、例えば、ニンニクの皮の内側にまでカビが侵入している場合には、カビを確実に殺菌するために50〜80℃の条件で240〜2900分の長時間をかけて加熱するのが良い。
積算温度が200℃・hr未満では、殺菌効果、目止め効果とも不十分である可能性があり、1440℃・hrを超えるとニンニクの組織に害を及ぼし内部の変色など傷みが発生する可能性がある。
【0009】
ニンニクは、収穫時期が限られるため、長期保存を行い安定供給されるが、ニンニクの鮮度を保持する保存方法は、ニンニクを加熱処理し、その後−2〜40℃で保管する鮮度保持方法である。ニンニクの加熱条件は前述の条件が好ましい。保存温度が−2℃未満であれば凍結するという問題があり、40℃を超えると呼吸が活発で著しく傷みやすいという問題がある。
【0010】
ニンニクの鮮度保持方法として、合成樹脂フィルムにて密封包装される方法がより好ましい。密封包装は、市場へ出荷する前に包装しても良いが、加熱処理後包装するのが好ましく、加熱処理前に包装するのがより好ましい。加熱処理後包装すれば、加熱後に大気中に浮遊している菌との接触も軽減・防止でき、更に加熱処理前に包装すれば、フィルムも殺菌でき加熱後に大気中に浮遊している菌との接触も軽減・防止できるので開封するまで新たなカビに汚染されることを軽減、防止できる。なお、加熱処理は、保管・流通用容器(コンテナ)に入れたまま行っても良い。
−2〜40℃で保管する場合は、上記の理由により包装体で保管されるのが好ましく、保管方法は常温でも良いが冷蔵庫等を用いることができ、低温ほど品質が維持される。ただし、0℃以下では凍結の恐れがあるので、収獲後水分を収穫時重量の30%程度飛ばしてから保管する必要がある。
【0011】
加熱方法は、例えば、恒温庫内に所定時間入れてもよいし、ベルトコンベアーを用いて所定時間かけて加熱部分をニンニクが通過するようにしてもよく、これ以外の方法でもなんら差し支えない。また、温度は50℃〜100℃の範囲なら一定でなくても良いが、時間は連続して10分以上上記の温度範囲内で処理する必要がある。例えば、品温60℃で15分間、品温20℃で1時間、さらに品温60℃で20分間処理する方法は良いが、品温70℃で8分間、20℃で1時間、さらに品温70℃で8分間処理する方法は不可である。
【0012】
ニンニクを包装した包装体の酸素透過速度が300〜1580cc/kg・day・atmおよび二酸化炭素透過速度が300〜420,000cc/kg・day・atmである。酸素透過速度が300cc/kg・day・atm未満では、包装体内の酸素濃度が低くなりすぎてニンニクが嫌気呼吸を行って傷みやすくなる可能性があり、420,000cc/kg・day・atmを超えると、包装体内の酸素濃度が大気とほぼ同じ状態となりニンニクの呼吸抑制による鮮度保持効果が得られなくなる可能性がある。二酸化炭素透過速度が300cc/kg・day・atm未満では、包装体内の二酸化炭素濃度が高くなり、この状態が長く継続するとニンニクに炭酸ガス障害が生じて傷みやすくなる可能性があり、420,000cc/kg・day・atmを超えると、包装体内の二酸化炭素濃度が大気とほぼ同じ状態となりニンニクの呼吸抑制による鮮度保持効果が得られなくなる可能性がある。
【0013】
また、包装体の水蒸気透過速度は、5〜800g/kg・day(at40℃・90%RH)であるのが好ましい。水蒸気透過速度が5g/kg・day(at40℃・90%RH)未満では、包装体内に結露しやすく包装体の見栄えが悪くなり、あらたに付着したカビなど微生物が増殖する可能性があり、800g/kg・day(at40℃・90%RH)を超えるとニンニクの萎れが進んで皮が裂けてバラバラになる可能性がある。
【0014】
ニンニクの呼吸を抑えて鮮度を保持するには、包装体内の酸素濃度が21%未満、二酸化炭素濃度が0.04%より大きい方が良い。大気よりも低酸素、高二酸化炭素条件となることで、ニンニクの呼吸は大気中に保管された場合よりも抑制されエネルギーが消耗されなくなり鮮度が保持される。包装体内の酸素濃度、二酸化炭素濃度は、英国ハイテック社製「MAP−TEST4000」により測定した。
【0015】
包装体内の相対湿度は、60%以上100%未満である。60%未満ではニンニクが萎れて皮が裂けてバラバラになる可能性があり、100%になると包装体内に結露が生じて中身が見えにくく包装体の見栄えも悪くなり、あらたに付着したカビなど微生物が増殖しやすくなる可能性がある。包装体内の相対湿度は、タバイエスペック株式会社製「サーモレコーダーRS−10」で測定した。
【0016】
包装体が合成樹脂フィルム製の場合、酸素及び二酸化炭素透過量は、合成樹脂フィルムの種類、厚みである程度は調節できる。しかし、これのみでは調節しきれない場合は、合成樹脂フィルムに開孔面積7.1×10−8以下の微細孔を1個以上あける、フィルム表面に貫通あるいは未貫通の傷、クラックや長さ5mm以下の切り込みを設ける等をすればよい。これらは、組み合わせて用いても良い。
微細孔の場合、開孔面積が7.1×10−8より大きいと、ガス透過量のばらつきが大きくなる可能性がある。
また、切り込みが5mmを超えると切り込み部分が開きやすくなり、ガス透過量の制御が困難となる可能性がある。加熱後の菌による汚染を極力防ぐために、孔はニンニクが包装体内で酸欠にならない程度にできる限り小さくて少ない方がよく、貫通させなくてもガス透過量が足りる場合は、未貫通の加工を施すほうが好ましい。
【0017】
包装体に用いる合成樹脂フィルムは、ポリプロピレン(延伸、未延伸)、ポリエチレンなど汎用のものや、ポリエチレンテレフタレートやポリアミドとポリエチレンなどをラミネートしたものを用いてもよいが、袋内の結露を防止するためにさらに好ましくは延伸・無延伸ポリアミド、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、延伸ビニロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体など高透湿性フィルムを単層あるいはラミネートして用いるのが良い。
【0018】
また、複数の素材を包装体に用いてもよく、上記素材同士あるいは上記高透湿性フィルムとそれ単独では水蒸気透過量が小さく袋内に結露を生じやすいポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンのラミネートフィルムなどを組み合わせても良い。
また、合成樹脂フィルムがポリエチレン製、あるいはポリ塩化ビニル製ストレッチフィルムであり、例えばトレイにニンニクを載せてラップを掛けても良い。
【0019】
これらのフィルムの厚さはコストの点から10〜60μmのものが好ましい。さらにはこれらのフィルム表面にシーラント層を設けたものでも、防曇処理したフィルムであってもなんら差し支えない。
また、銀、銅、亜鉛(ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸塩、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウムなどのリン酸塩類、溶解性ガラス、活性炭に担持させたものを含む)、酸化チタン、キチン、キトサン、ポリフェノール、竹または果実の種抽出物など抗菌効果を有する物質を合成樹脂フィルムに練りこむか表面に塗布しても良い。
【0020】
本発明の密封方法としては、ヒートシール、超音波シール、輪ゴム、カシメ(金属製、ポリカーボネートなど合成樹脂製)、クリップ、ジッパーなどどんな方法でも良い。
【0021】
また、段ボール箱に本発明の包装袋を一体化させたMA段ボール箱としても使用でき、近年使用量が増加している通い箱の内袋としても使用できる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例で本発明を説明する。
参考例1》
約80g/個のニンニク10個を55℃で350分加熱(積算温度321℃・hr)後25℃で保管した。20日後に品質評価したところ、カビ、発芽、発根、皮裂けとも観察されなかったが、30日後にカビが若干と皮裂けが約半数の個体で観察された。
なお、実施例、比較例に用いたニンニクは、比較例6及び比較例7を除き収穫後3ケ月間低温(5℃)で貯蔵した欠点のないニンニクを用いた。
参考例2》
約80g/個のニンニク10個を60℃で1400分加熱(積算温度1400℃・hr)後25℃で保管した。30日後に品質評価したところ、カビ、発芽、発根とも観察されなかったが皮裂けが約半数の個体で観察された。
参考例3》
約80g/個のニンニク10個を75℃で1100分加熱(積算温度1375℃・hr)後25℃で保管した。30日後に品質評価したところ、カビ、発芽、発根とも観察されなかったが皮裂けが約半数の個体で観察された。
参考例4》
約80g/個のニンニク10個を55℃で20分加熱(積算温度18℃・hr)後25℃で保管した。20日後に品質評価したところ、カビが若干観察され、30日後には発芽が2個体と皮裂けが約半数の個体で観察された。
参考例5》
約80g/個のニンニク10個を90℃で2600分加熱(積算温度3900℃・hr)後25℃で保管した。30日後に品質評価したところ、カビ、発芽、発根とも観察されなかったが、全個体汁が染み出して内部が黄化しており皮裂けが約半数の個体で観察された。
【0023】
《比較例1》
約80g/個のニンニク10個を45℃で1000分加熱(積算温度750℃・hr)後25℃で保管した。20日後に品質評価したところ、著しくカビが発生しており、6個体で発芽も観察された。
《比較例2》
約80g/個のニンニク10個を110℃で100分加熱(積算温度183℃・hr)後25℃で保管した。20日後に品質評価したところ、カビ、発芽とも観察されなかったが、全個体内部が変質しており、商品として適さなかった。
《比較例3》
約80g/個のニンニク10個を45℃で9分加熱(積算温度7℃・hr)後25℃で保管した。10日後に品質評価したところ、全個体でカビが観察され、20日後には6個体で発芽も観察された。
《比較例4》
約80g/個のニンニク10個を110℃で100分加熱(積算温度183℃・hr)後25℃で保管した。30日後に品質評価したところ、カビ、発芽とも観察されなかったが、内部を確認したところ全個体変質しており約半数の個体で皮裂けが観察され、商品として適さなかった。
《比較例5》
約80g/個のニンニク10個を加熱せずに25℃で保管した。10日後に品質評価したところ、全個体でカビが観察され、20日後には7個体で発芽も観察され、商品として適さなかった。
《比較例6》
約80g/個のニンニク(収穫後直ぐで芽が動き出していないもの)10個を加熱せずに25℃で保管した。10日後に品質評価したところ、全個体でカビが観察され、商品として適さなかった。ただし20日後でも発芽は観察されなかった。
《比較例7》
約80g/個のニンニク(収穫後直ぐで芽が動き出していないもの)10個を110℃で100分加熱(積算温度183℃・hr)後25℃で保管した。30日後に品質評価したところ、カビ、発芽とも観察されなかったが、内部を確認したところ全個体変質しており約半数の個体で皮裂けが観察され、商品として適さなかった。
【0024】
《実施例
厚さ25μmの延伸6ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製エンブレム)水蒸気透過速度150g/m・24hr(JISK7129 40℃ 90%RH)からなり、開孔面積約1.96×10−9の孔を10個有する、サイズ、200×300mmの袋にニンニク(青森県産)8個(約500g)を入れて、袋の開口部をヒートシールで密封し60℃で360分加熱後(積算温度360℃・hr)、25℃で保管した。この包装体の酸素透過速度は720cc/袋・day・atm、二酸化炭素透過速度は560cc/袋・day・atmであった。このとき45日目における袋内酸素濃度は8.4〜11.4%、二酸化炭素濃度は9.5〜13.2%、相対湿度は90〜93%RH、ニンニクの品質はカビの発生、発芽、発根、皮裂けもなく良好であった。
n数=5であり、以下同様の個数で評価した。
《実施例
厚さ35μmの延伸6ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製エンブレム)とエチレン−酢酸ビニル共重合体のラミネートフィルム(水蒸気透過速度100g/m・24hr:JISK7129 40℃ 90%RH)からなり、開孔面積約2.16×10−9の孔を12個有するサイズ200×300mmの袋にニンニク8個(約500g)を入れて袋の開口部をヒートシールで密封し80℃で15分加熱した(積算温度20℃・hr)後25℃で保管した。この包装体の酸素透過速度は790cc/袋・day・atm、二酸化炭素透過速度は610cc/袋・day・atmであった。45日目における袋内酸素濃度は8.1〜13.6%、二酸化炭素濃度は8.3〜12.6%、相対湿度90〜93%RHであった。ニンニクの品質は45日間カビの発生、発芽、発根、皮裂けもなく良好であったが底部に若干カビが観察された。
【0025】
《実施例3》
片面が厚さ35μmの延伸6ナイロンフィルム(ユニチカ(株)エンブレム)とエチレン−酢酸ビニル共重合体のラミネートフィルム(水蒸気透過速度100g/m2・24hr:JISK7129 40℃ 90%RH)、もう一方の面が12μmのポリエチレンテレフタレートと40μmのラミネートフィルムからなり、開孔面積約2.16×10-92の孔を10個有するサイズ200×300mmの袋にニンニク8個(約500g)を入れて袋の開口部をヒートシールで密封し52℃で1440分加熱した(積算温度1248℃・h)後25℃で保管した。この包装体の酸素透過速度は660cc/袋・day・atm、二酸化炭素透過速度は510cc/袋・day・atmであった。45日における袋内酸素濃度は8.2〜12.9%、二酸化炭素濃度は8.4〜11.6%、相対湿度94〜97%RHで、ニンニクの品質はカビの発生、発芽、発根、皮裂けもなく良好であった。
参考例6
開孔面積約1.96×10-92の孔を9個有する厚さ25μmの防曇加工を施した延伸ポリプロピレンフィルム(水蒸気透過速度5g/m2・24hr:JISK7129 40℃ 90%RH)からなる以外は参考例1と同様にニンニクを密封し25℃で保管した。この包装体の酸素透過速度は810cc/袋・day・atm、二酸化炭素透過速度は630cc/袋・day・atmであった。このとき45日目における袋内酸素濃度は8.1〜9.3%、二酸化炭素濃度は10.1〜11.0%、相対湿度は100%RHで、ニンニクの品質はカビの発生、発芽、発根、皮裂けもなく良好であったが、包装体内に結露が生じ中身が若干見えにくかった。
【0026】
《比較例8》
加熱しない以外は実施例6と同様にニンニクを25℃で保管した。このとき45日目における袋内酸素濃度は8.4〜9.9%、二酸化炭素濃度は11.2〜12.7%、相対湿度は90〜93%RHで、皮裂けは45日間生じなかった。ただし5日目既に底部(根部)、皮の表面と内側にカビが発生し、商品として適さなかった。
《比較例9》
ナイロンフィルムに孔をあけない以外は実施例6と同様にニンニクを密封し25℃で保管した。このとき45日目における袋内酸素濃度は0.1〜1.4%、二酸化炭素濃度は21.0〜24.5%、相対湿度は90〜93%RHで、ニンニクの外観は良好であったが開封時酸素不足が原因と思われる異臭がし、商品として適さなかった。
《比較例10》
ナイロンフィルムに直径5mmの穴8個をあけた以外は実施例1と同様にニンニクを密封し25℃で保管した。このとき45日目における袋内酸素濃度は21%、二酸化炭素濃度は0.0%、相対湿度は47%RHで、カビは底部に極僅か観察されたのみであったが皮が裂けバラバラになっており、商品として適さなかった。
【0027】
【発明の効果】
ニンニクに本発明の加熱処理を行うことにより、薬品を用いることなくニンニクの発芽を抑制することができ、かつカビの発生を防止することができ安全なニンニクを提供することができる。更に、加熱処理を行ったニンニクを一定の温度条件で保存することにより長期保存を行うことができ、品質の優れたニンニクを周年供給が可能になる。また、ニンニクを合成樹脂フィルムで包装することにより、MA包装が可能となり皮が裂け(バラバラになる)防止、萎れ防止、風味維持等の点においてより品質の優れたニンニクを提供することができる。

Claims (4)

  1. 加熱処理したニンニクが合成樹脂フィルムで包装された包装体であって、包装体の酸素透過速度300〜1580cc/kg・day・atmおよび二酸化炭素透過速度300〜420,000cc/kg・day・atmであり、包装体の水蒸気透過速度が、5〜800g/m 2 ・day(40℃・90%RH)であり、包装体内の相対湿度が60%以上100%未満であることを特徴とするニンニクの包装体。
  2. 合成樹脂フィルムが、開孔面積7.1×10-82以下の微細孔を1個以上有するまたは表面に貫通あるいは未貫通の傷、クラックや長さ5mm以下の切り込みを有する合成樹脂フィルムである請求項1記載のニンニクの包装体。
  3. 合成樹脂フィルムが、延伸・無延伸ポリアミド、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、延伸ビニロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体のいずれか1種以上である請求項1記載のニンニクの包装体。
  4. ニンニクの加熱処理の積算温度が200〜1440℃・hrである請求項1記載のニンニクの包装体。
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