JPH03198737A

JPH03198737A - 青果物の鮮度保持方法

Info

Publication number: JPH03198737A
Application number: JP1336235A
Authority: JP
Inventors: Teruo Tachibana; 立花　輝雄; Michisuke Harada; 原田　道助
Original assignee: Nippon Soda Co Ltd
Current assignee: Nippon Soda Co Ltd
Priority date: 1989-12-27
Filing date: 1989-12-27
Publication date: 1991-08-29
Anticipated expiration: 2014-07-12
Also published as: JP2917343B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、青果物の鮮度保持方法に関し、詳しくは、青
果物をプラスチックフィルムで包装する際の鮮度保持方
法に関するものである。

〔従来の技術〕

青果物は収穫後も呼吸作用を行っており、酸素を消費す
るとともに体内成分である糖や酸を消耗・分解して炭酸
ガスを排出し、また同時に蒸散作用により水分を排出し
ている。この呼吸作用により栄養価の減少、風味ぼけ、
外観の劣化等が起こり、蒸散作用によりしおれが生じ、
所謂鮮度の低下が起こる。

従来、青果物の鮮度保持方法としては、青果物の呼吸が
低温で低下することを利用した低温貯蔵、空気組成を人
為的に調節して低温で貯蔵するＣＡ貯蔵（Ｃｏｎｔｒｏ
ｌｌｅｄ　Ａｔｍｏｓｐｈｅｒｅ　Ｓｔｏｒａｇｅ　）
或いは水分の蒸散防止のためにプラスチックフィルム包
装を利用する方法等がなされている。

また、青果物が呼吸作用及び蒸散作用を行う際に生成す
る老化ホルモンとも言われるエチレンガスは、青果物の
過熟・劣化を促進する。

従って、収穫後の青果物の鮮度を貯蔵中若しくは流通過
程において保持するには、エチレンを除去することが重
要であり、エチレン吸収剤・分解剤（以後、エチレン除
去剤と称す）を青果物に同封することによってそれらが
発生するエチレンを除去する鮮度保持方法が既に実用化
され、その鮮度保持方法・技術等が多数提案されている
。（特開昭６１−１００１５３号公報、特開昭６３−２
３３６３８号公報等参照）さらにまた、プラスチックフィルムにエチレン除去能を
有する剤を練り混んで得られる鮮度保持フィルムで包装
することによる鮮度保持方法が示されている。（特開昭
６２−１８４０３５号公報参照）〔発明が解決しようと
する問題点〕前述のプラスチックフィルムを利用する鮮度保持方法は
、青果物の水分の蒸散が防止されてみずみずしさが保持
され、また青果物への酸素供給が抑制されることにより
、呼吸量が減少して貯蔵期間が延長される効果はあるが
、プラスチックフィルムの透気性が小さ過ぎる場合には
、包装内が嫌気状態となって正常な呼吸作用が行われず
異臭が発生ずる。一方、青果物の種類によっては、貯蔵
中に青果物から発生ずる追熟促進物質としてのエチレン
ガスや炭酸ガス濃度が高まって生理障害を引き起こし、
却って品質の劣化を早めろこととなる。また、蒸散した
水蒸気が凝縮して水分が包装内に蓄積するため、細菌が
繁殖し易くなる等の悪影響があった。

また、単にエチレン除去剤を使用したプラスチックフィ
ルム包装の場合、エチレンは除去されて鮮度保持効果が
認められるるものの、前述の水分蓄積の問題やプラスチ
ックフィルムの透気性の問題を解決していないため、必
ずしもその効果が十分であるとは言い難い。

また、エチレン除去能を有する鮮度保持フィルムで包装
する方法では、エチレン除去能力が低いためエチレン除
去剤を多く必要とするが、フィルムの中に混入せしめる
には、量的に限度があって十分満足する鮮度保持効果が
得られなかった。

本発明は、この様な現状の問題点に鑑みて、これら問題
点を解決し、青果物の鮮度を長期に亘り保持する様な極
めて優れた保持効果を有する鮮度保持方法を提供せんと
することを目的とする。

〔問題を解決するための手段〕

本発明者は、前述の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた
結果、特定のフィルムを選択し、且つ、エチレン除去剤
を使用することにより、青果物が長期に亘って品質の劣
化がなく、商品性も保たれ極めて良好な鮮度保持効果が
得られることを見出して本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明の要旨とするところは、酸素透過度１
［１，０００〜７０．　［１ＯＯｃｃ　／　ｍ’　・２
４時間・ａｔｍ　。

炭酸ガス透過度４０．０００〜３００，０００ｃｃ／　
ｍ’　・２４時間・ａｔｍ　、水蒸気透過度２０〜７０
０ｇ／ｍ’・２４時間を有する透気性プラチックフィル
ム包材を用いた包装内に、青果物とエチレン除去剤とを
共存させ密封包装することを特徴とする青果物の鮮度保
持方法である。

以下、本発明の詳細な説明する。

本発明で用いられる透気性を有するプラスチックフィル
ム包材とは、酸素透過度１０．０００〜７００ＱＯｃｃ
／ｍ′・２４時間・ａｔ＋ｎ　、炭酸ガス透過度４０゜
０００〜３００．０００ｃｃ／　ｒｎ’・２４時間・ａ
ｔｍ　、水蒸気透過度２０〜７００ｇ／ｍ’・２４時間
を有するものであり、好ましくは、酸素透過度１２．０
００〜５０．０００ｃｃ／　ｍ’　・２４′Ｗｆ間・ａ
ｔｍ、炭酸ガス透過度６０．０００〜２００．０ＯＱｃ
ｃ／　ｍ・２４時間・ａｔ＋ｎ　％水蒸気透過度５０〜
５００ｇ／ｍ’・２４時間を有するプラスチックフィル
ムである。

ここで、該プラスチックフィルム包材としては、透気度
が前記記述値の範囲内のものであればよく、フィルム包
材の種類等に何ら制限されず、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、セロハン、ナ
イロン、ポリスチレン、ポリブタジェン、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、複合フィルム等のフィルムが用いら
れ、殊にポリブタジェンフィルムが好適に使用される。

尚、フィルムの透気度が記述値未満の場合若しくは記述
値以上の場合は、何れも良好な保持効果が得られない。

本発明で用いられるエチレン除去剤とは、一般に知られ
ているものであり、例えば、物理吸着型（活性炭、ゼオ
ライト等）、付加反応型（臭素、ハロゲン化剤等）、酸
化反応型（過マンガン酸カリウム、臭素酸ナトリウム等
）、触媒反応型（白金、パラジウム等）、微生物資化型
（エチレン資化性微生物の利用）等が挙げられる。

該エチレン除去剤は、通気性の紙、布、不織布、プラス
チックフィルム等に適切な薬剤量を充填して使用される
が、これらのエチレン除去剤は各々除去能力が異なり、
また、適用青果物によって生成するエチレン量が異なる
ため、各種除去剤の除去能力及び使用薬剤量を考慮して
用いることが好ましい。殊にエチレン除去能力が不足し
た場合には期待する十分な鮮度保持効果が得られない。

尚、使用に際し、安全性の点でも考慮して用いることが
望ましい。

本発明の鮮度保持方法に適用できる代表的な青果物とし
ては、リンゴ、ミカン、ナシ、カキ、ウメ、バナナ、ブ
ドウ、カボス、スダチ、アボカ゛ド、ビワ、キウィフル
ーツ等の果実類、トマト、メロン、イチゴ等の果菜類、
ホウレンソウ、ニラ、キャベツ、キュウリ、ピーマン、
ブロッコリー等の野菜類が挙げられる。特に、カボス、
スダチ、ウメ、カキ、ブドウ、メロン、キウィフルーツ
等に好適に用いられる。

尚、本発明の鮮度保持方法は、カーネーション等の花弁
類にも適用することができる。

本発明の鮮度保持方法は、青果物とエチレン除去剤とを
本発明で用いる特定のプラスチックフィルムに入れて包
装、梱包して使用される。この際の包装、梱包形態は、
特に限定されるものではなく、ハンカチ折込、シール密
封、輪ゴム止を等が挙げられるが、本発明の鮮度保持効
果を十分に発揮させるためには、シール密封、輪ゴム止
め等の完全密閉包装がより好ましい。

〔作　　　用〕

本発明における鮮度保持方法によれば、特定の透気性プ
ラスチックフィルムを使用することにより、青果物の呼
吸に伴い、包装内が低酸素・高炭酸ガス雰囲気になると
同時に、フィルムを通して包装外から適量の酸素を供給
し、同時に炭酸ガスも排出されるめ、通常のプラスチッ
クフィルム包装で懸念される嫌気状態での異常代謝が発
生しない。その上、透気性プラスチックフィルム包装に
より、蒸散作用も抑制され、フィルム自体が一定の透湿
性を有するため、蒸散した水蒸気が凝縮して水分が包装
内に蓄積されず、細菌の繁殖も抑制される。

また、エチレン除去剤を同封して使用することにより、
青果物から生成されたエチレンガスが吸収又は分解され
、青果物の成熟を促進するエチレンガス濃度を低く抑え
る。

従って、これらの相乗作用により青果物が長期に亘って
鮮度保持されることが可能となる。

〔実　施　例〕

本発明を実施例、比較例により、さらに具体的に説明す
るが、これらの実施例に何ら限定されるものでない。

尚、例中の「部」及び「％」は「重量部」及び「重量％
」を示す。

実施例１収穫直後のカキ（品種：富有）　１０ｋｇとエチレン除
去剤（ゼオライト担体１００部に１０％過マンガン酸カ
リウム水溶液１００部を含浸せしめ、濾過後、１１０℃
で乾燥して１０グラムを通気性の不織布に充填したもの
）とを、ポリブタジェンフィルム（酸素透過度１５，０
００ｃｃ　／　ｒｎ”・２４時間・ａｔｍ　、炭酸ガス
透過度７０．０００ｃｃ　／　ｍ’　・２４時間・ａｔ
ｍ１水蒸気水蒸気透過度１５イ封してで密封包装し、２０℃にて保存試験を実施した。

２０日経過における包装内の酸素、炭酸ガス、エチレン
ガス濃度を測定した後、密封包装を開封して、臭い、色
、硬度、重量の変化等について調べた。その結果を第１
表に示した。

実施例２実施例１において、ポリブタジェンフィルムの代わりに
、透気度を特許請求の範囲内に調整した０ポリエチレンフィルム（酸素透過度約２００００ｃｃ／
ｍ”・　２４時間・ａｔｍ　ｓ炭酸ガス透過度約９０．
０００ｃｃ／ｍ１２４時間・ａｔｍｓ水蒸気透過度約３
００ｇ／ｍ′・２４時間、膜厚５０μ）を使用した以外
は全く同様にして保存試験を実施し、その結果を第１表
に示した。

比較例１実施例１において、エチレン除去剤を使用しない以外は
全く同様にして保存試験を実施し、その結果を第１表に
示した。

比較例２実施例１において、ポリブタジェンフィルムの代わりに
ガスバリヤ性フィルムを使用した以外は全く同様にして
保存試験を実施し、その結果を第１表に示した。

比較例３実施例１において、ポリブタジェンフィルム包装せず、
しかもエチレレン除去剤も使用しない無包装の状態で保
存試験を実施し、その結果を第１表に示した。

１２実施例３収穫直後の緑色力ボス５　ｋｇとエチレン除去剤（実施
例１の使用品）をポリブタジェンフィルム（実施例１の
使用品）で密封包装して２０℃にて保存試験を実施し、
１力月経過における包装内の酸素、炭酸ガス、エチレン
ガス濃度を測定した後、密封包装を開封して、臭い、色
、硬度、重量の変化等について調べた。その結果を第２
表に示した。

実施例４実施例３において、ポリブタジェンフィルムの代わりに
、透気度を特許請求の範囲内に調整したポリエチレンフ
ィルム（前出）を使用した以外は全く同様にして保存試
験を実施し、その結果を第２表に示した。

比較例４実施例３において、エチレン除去剤を使用しない以外は
全く同様にして保存試験を実施し、その結果を第２表に
示した。

比較例５実施例３において、ポリブタジェンフィルムの代わりに
ガスバリヤ性フィルムを使用した以外は全く同様にして
保存試験を実施し、その結果を第２表に示した。

比較例６実施例３において、ポリブタジェンフィルム包装せず、
しかもエチレレン除去剤も使用しない無包装の状態で保
存試験を実施し、その結果を第２表に示した。

（以　　下　　余　　白）３４実施例５収穫直後の青ウメ５　ｋｇとエチレン除去剤（実施例１
の使用品）２個をポリブタジェンフィルム（実施例１の
使用品）で密封包装して２０℃にて保存試験を実施し、
１０日経過における包装内の酸素、炭酸ガス、エチレン
ガス濃度を測定した後、密封包装を開封して、臭い、色
、硬度、重量の変化等について調べた。その結果を第３
表に示した。

実施例６実施例５において、ポリブタジェンフィルムの代わりに
、透気度を特許請求の範囲内に調整したポリエチレンフ
ィルム（前出）を使用した以外は全く同様にして保存試
験を実施し、その結果を第３表に示した。

比較例７実施例５において、エチレン除去剤を使用しない以外は
全く同様にして保存試験を実施した。その結果を第３表
に示した。

比較例８実施例５において、ポリブタジェンフィルムの５６代わりにポリエチレンフィルムにエチレン除去能を有す
るゼオライトを練り混んだ市販鮮度保持フィルムを使用
した以外は全く同様にして保存試験を実施し、その結果
を第３表に示した。

比較例９実施例５において、ポリブタジェンフィルム包装せず、
しかもエチレン除去剤も使用しない無包装の状態で保存
試験を実施し、その結果を第３表に示した。

（以　　下　　余　　白）〔発明の効果〕第１表〜第３表から明らかな如く、本発明の鮮度保持方
法を使用することにより、青果物が長期に亘って品質の
劣化がなく、商品性も長く保たれて極めて優れた鮮度保
持効果が得られる。

本発明は、青果物の鮮度保持に極めて有効な方法を提供
するものであり、その流通分野を始めとする産業上の意
義は極めて大きい。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）酸素透過度１０，０００〜７０，０００ｃｃ／ｍ
＾２・２４時間・ａｔｍ、炭酸ガス透過度４０，０００
〜３００，０００ｃｃ／ｍ＾２・２４時間・ａｔｍ、水
蒸気透過度２０〜７００ｇ／ｍ＾２・２４時間を有する
透気性プラチックフィルム包材を用いた包装内に、青果
物とエチレン除去剤とを共存させ密封包装することを特
徴とする青果物の鮮度保持方法。