JP3102035B2 - 低温障害性青果物の鮮度保持方法 - Google Patents
低温障害性青果物の鮮度保持方法Info
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- JP3102035B2 JP3102035B2 JP40369790A JP40369790A JP3102035B2 JP 3102035 B2 JP3102035 B2 JP 3102035B2 JP 40369790 A JP40369790 A JP 40369790A JP 40369790 A JP40369790 A JP 40369790A JP 3102035 B2 JP3102035 B2 JP 3102035B2
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- vegetables
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- cold
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- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温障害が問題となる
ため、通常の低温(0〜5℃)貯蔵が適さないとされる
青果物(低温障害性青果物)の鮮度保持方法に関するも
のである。
ため、通常の低温(0〜5℃)貯蔵が適さないとされる
青果物(低温障害性青果物)の鮮度保持方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、青果物の生産は、露地栽培から園
芸施設栽培による計画的な多重・多角的栽培へと移行し
てきているものが多く、定められた期間内に大量の青果
物を収穫し、包装しなければならないことが多い。
芸施設栽培による計画的な多重・多角的栽培へと移行し
てきているものが多く、定められた期間内に大量の青果
物を収穫し、包装しなければならないことが多い。
【0003】また、露地栽培を主体とする青果物にして
も収穫時期が決まっているので、短期間内に大量の収穫
物を包装し出荷しなければならず、これら青果物の包装
物が一般消費者の手に渡るまでの流通過程で最も問題と
なるのは、収穫時の鮮度をいかにうまく保持するかとい
うことである。
も収穫時期が決まっているので、短期間内に大量の収穫
物を包装し出荷しなければならず、これら青果物の包装
物が一般消費者の手に渡るまでの流通過程で最も問題と
なるのは、収穫時の鮮度をいかにうまく保持するかとい
うことである。
【0004】一般的な鮮度保持方法として青果物を低温
(0〜5℃)におく方法が多くとられている。これは、
収穫後も盛んに行われている青果物の呼吸を抑え、呼吸
にともなう鮮度低下を防ぐのに有効である。
(0〜5℃)におく方法が多くとられている。これは、
収穫後も盛んに行われている青果物の呼吸を抑え、呼吸
にともなう鮮度低下を防ぐのに有効である。
【0005】また、別の手段として、貯蔵雰囲気のガス
(主に酸素、窒素、二酸化炭素)をある特定の組成に制
御してCA(= Controlled atomosphere )条件とする
ことで鮮度保持する方法がある。この方法は非常に古く
から多くの人々によって研究されてきており、青果物の
種類ごとに最適なCA条件が定められている。CA条件
で貯蔵するための大型貯蔵装置が実際に売られている
が、コストが高くつくため一般農家にはあまり普及して
いないのが現状であり、より簡単にCA条件で貯蔵でき
る容器や包装袋の改良研究が盛んに行われている。
(主に酸素、窒素、二酸化炭素)をある特定の組成に制
御してCA(= Controlled atomosphere )条件とする
ことで鮮度保持する方法がある。この方法は非常に古く
から多くの人々によって研究されてきており、青果物の
種類ごとに最適なCA条件が定められている。CA条件
で貯蔵するための大型貯蔵装置が実際に売られている
が、コストが高くつくため一般農家にはあまり普及して
いないのが現状であり、より簡単にCA条件で貯蔵でき
る容器や包装袋の改良研究が盛んに行われている。
【0006】例えば、特開昭62─235088号公報
や特開平1─309621号公報では実質的に気体不透
過性の容器の一部に微孔質気体透過性パネルを有するこ
とにより、酸素と二酸化炭素の出入りが制御される容器
が示されている。また、特開昭56─13361号公
報、特開昭61─216640号公報や特開昭63─1
02634号公報ではガス透過率の大きいフィルムを用
いて袋内のガス組成をCA条件に近づける包装袋が示さ
れている。
や特開平1─309621号公報では実質的に気体不透
過性の容器の一部に微孔質気体透過性パネルを有するこ
とにより、酸素と二酸化炭素の出入りが制御される容器
が示されている。また、特開昭56─13361号公
報、特開昭61─216640号公報や特開昭63─1
02634号公報ではガス透過率の大きいフィルムを用
いて袋内のガス組成をCA条件に近づける包装袋が示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、青果物
の中には、バナナやメロンのように低温(例えば5℃以
下)になると、果皮の変色や陥没などさまざまの障害を
生じるものがあり、低温にするだけでは鮮度保持できな
い場合がある。
の中には、バナナやメロンのように低温(例えば5℃以
下)になると、果皮の変色や陥没などさまざまの障害を
生じるものがあり、低温にするだけでは鮮度保持できな
い場合がある。
【0008】これらの青果物については常温に近い状態
(7〜15℃)で貯蔵するのが好ましいとされているに
もかかわらず、低温で貯蔵・流通され、各々の青果物に
適した条件が充分満たされていないという問題があっ
た。
(7〜15℃)で貯蔵するのが好ましいとされているに
もかかわらず、低温で貯蔵・流通され、各々の青果物に
適した条件が充分満たされていないという問題があっ
た。
【0009】たとえ温度を適切に合わせたとしても、呼
吸量が増加するため、これまで用いられている包装袋
(フィルム)ではガス透過性が不足し、うまくCA条件
を作り出すことができない。CA条件で貯蔵できる容器
や包装袋は、現状ではまだ低温貯蔵が基本にあって、完
全なチルドチェーンの中でなければ機能しないのであ
る。
吸量が増加するため、これまで用いられている包装袋
(フィルム)ではガス透過性が不足し、うまくCA条件
を作り出すことができない。CA条件で貯蔵できる容器
や包装袋は、現状ではまだ低温貯蔵が基本にあって、完
全なチルドチェーンの中でなければ機能しないのであ
る。
【0010】例えば、ガス透過性が大きいプラスチック
材料として一般に用いられているポリブタジエンでさ
え、青果物の呼吸量が増加した場合にはガス透過性が不
足し、袋内の酸素濃度が低くなりすぎて窒息状態になっ
たり、二酸化炭素濃度が高くなりすぎて生理活動に異常
を来すなどの問題がある。そこで、例えば、特開昭54
─40793号公報や特開昭63─119647号公報
のように、一部に開孔を設けた袋が考案されているが、
開孔面積が大きすぎて(すなわち、ガス透過性が大きす
ぎて)、ガス組成の調整ができないなど満足できるもの
ではない。
材料として一般に用いられているポリブタジエンでさ
え、青果物の呼吸量が増加した場合にはガス透過性が不
足し、袋内の酸素濃度が低くなりすぎて窒息状態になっ
たり、二酸化炭素濃度が高くなりすぎて生理活動に異常
を来すなどの問題がある。そこで、例えば、特開昭54
─40793号公報や特開昭63─119647号公報
のように、一部に開孔を設けた袋が考案されているが、
開孔面積が大きすぎて(すなわち、ガス透過性が大きす
ぎて)、ガス組成の調整ができないなど満足できるもの
ではない。
【0011】本発明の課題は、低温障害性青果物を、そ
の最適温度で貯蔵可能とする鮮度保持用包装袋を提供す
ることである。
の最適温度で貯蔵可能とする鮮度保持用包装袋を提供す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】低温障害性の青果物は、
7〜15℃の常温、すなわち低温障害を生じない温度で
貯蔵することが必要である。低温障害性の青果物を、7
℃より低温で貯蔵した場合は、果皮の変色や、追熟不良
などの生理障害が生じる。また、15℃より高温で貯蔵
した場合は、呼吸が盛んとなるため老化を著しく促進す
る。
7〜15℃の常温、すなわち低温障害を生じない温度で
貯蔵することが必要である。低温障害性の青果物を、7
℃より低温で貯蔵した場合は、果皮の変色や、追熟不良
などの生理障害が生じる。また、15℃より高温で貯蔵
した場合は、呼吸が盛んとなるため老化を著しく促進す
る。
【0013】本発明者らは低温障害をもつ青果物を、各
々の最適温度で鮮度保持する方法について研究を進めて
きた。その結果、鮮度保持用包装袋の一部または全面に
適当な開孔を設けることにより、呼吸量が増加する常温
においても、青果物を包装した袋内のガス組成をCA条
件へ導き、鮮度保持ができることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
々の最適温度で鮮度保持する方法について研究を進めて
きた。その結果、鮮度保持用包装袋の一部または全面に
適当な開孔を設けることにより、呼吸量が増加する常温
においても、青果物を包装した袋内のガス組成をCA条
件へ導き、鮮度保持ができることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0014】すなわち本発明は、フィルム総面積に対し
0.0002〜0.010%の総開孔面積比率を有する
1個以上の開孔が設けられたフィルムで低温障害性青果
物を包装し、7〜15℃下に置くことを特徴とする低温
障害性青果物の鮮度保持方法を提供する。
0.0002〜0.010%の総開孔面積比率を有する
1個以上の開孔が設けられたフィルムで低温障害性青果
物を包装し、7〜15℃下に置くことを特徴とする低温
障害性青果物の鮮度保持方法を提供する。
【0015】本発明の低温障害性青果物の鮮度保持用包
装袋としては、鮮度保持効果を高めるために、有孔袋を
用いるが、CA条件へ導くことのできる酸素および二酸
化炭素透過率を得るため、包装袋のフィルム総表面積に
対し、0.0002〜0.010%の総開孔面積比率を
有するように、開孔が少なくとも1個以上設けられてい
ることが必要である。総開孔面積比率が0.0002%
未満の場合は、青果物の呼吸により消費されて該袋内の
酸素量が不足し、活力維持のため最低限必要とされる呼
吸が阻害され鮮度低下を招く。また、二酸化炭素が過剰
になるため生理障害を生じることもある。一方、総開孔
面積比率が0.010%を越えた場合は、該袋内の酸素
量が呼吸を抑制できるまで下がりきらずに老化が進む。
また、二酸化炭素量が低くなりすぎて腐敗防止効果が有
効に発揮されなくなる。
装袋としては、鮮度保持効果を高めるために、有孔袋を
用いるが、CA条件へ導くことのできる酸素および二酸
化炭素透過率を得るため、包装袋のフィルム総表面積に
対し、0.0002〜0.010%の総開孔面積比率を
有するように、開孔が少なくとも1個以上設けられてい
ることが必要である。総開孔面積比率が0.0002%
未満の場合は、青果物の呼吸により消費されて該袋内の
酸素量が不足し、活力維持のため最低限必要とされる呼
吸が阻害され鮮度低下を招く。また、二酸化炭素が過剰
になるため生理障害を生じることもある。一方、総開孔
面積比率が0.010%を越えた場合は、該袋内の酸素
量が呼吸を抑制できるまで下がりきらずに老化が進む。
また、二酸化炭素量が低くなりすぎて腐敗防止効果が有
効に発揮されなくなる。
【0016】開孔の大きさは外観上、孔が目立たず、ま
た強度を保持する上で、直径0.2mm以上1.0mm以下
とするのが好ましい。開孔の方法は、例えばマイクロシ
リンジのように非常に細い針を熱して、フィルムに突き
刺し溶解して開けたり、または、炭酸ガスレーザーを用
いる方法等が適用できる。
た強度を保持する上で、直径0.2mm以上1.0mm以下
とするのが好ましい。開孔の方法は、例えばマイクロシ
リンジのように非常に細い針を熱して、フィルムに突き
刺し溶解して開けたり、または、炭酸ガスレーザーを用
いる方法等が適用できる。
【0017】フィルムの材質としては、ポリオレフィン
系樹脂が安全性の面からも好ましく、価格が安く透明性
に優れた低密度ポリエチレンが、特に好ましい。また、
該袋を構成するフィルムには必要に応じて防曇剤、滑
剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、着色剤、帯電防止剤等を配合することもできる。
系樹脂が安全性の面からも好ましく、価格が安く透明性
に優れた低密度ポリエチレンが、特に好ましい。また、
該袋を構成するフィルムには必要に応じて防曇剤、滑
剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、着色剤、帯電防止剤等を配合することもできる。
【0018】フィルムの厚みは、通常20〜100μm
のものが使用されるが、比較的重量の大きい青果物を入
れ、流通にのせた場合に強度をもたせる意味で、40〜
60μmが好ましい。
のものが使用されるが、比較的重量の大きい青果物を入
れ、流通にのせた場合に強度をもたせる意味で、40〜
60μmが好ましい。
【0019】フィルムを袋に加工する方法は、特に限定
されないが、例えば、通常のインフレーション成形で筒
状に加工したフィルムを、ヒートシールして切断するこ
とによって得られる袋が用いられる。
されないが、例えば、通常のインフレーション成形で筒
状に加工したフィルムを、ヒートシールして切断するこ
とによって得られる袋が用いられる。
【0020】包装形態としては、該袋に青果物を入れヒ
ートシール密封するが、袋の大きさは、青果物の形状に
合わせ、青果物に対して大きくなり過ぎないよう、ヘッ
ドスペース率(袋内空気体積の青果物体積に対する比
率)を、3以下とするのが好ましい。
ートシール密封するが、袋の大きさは、青果物の形状に
合わせ、青果物に対して大きくなり過ぎないよう、ヘッ
ドスペース率(袋内空気体積の青果物体積に対する比
率)を、3以下とするのが好ましい。
【0021】また、この方法により保存するのに好まし
い青果物としては、表1に示される低温障害性青果物は
勿論のこと、呼吸量が多いブロッコリーや生シイタケに
も適用することができる。 〔表1〕 主な青果物の貯蔵温度 ────────────────────────────────── 青果物 貯蔵温度(℃) 症状 ────────────────────────────────── バナナ 12−14 果皮褐変、追熟不良 メロン 8−10 ピッティング、追熟不良 アボガド 7−13 追熟不良、果肉の変色 オリーブ 7−10 内部褐変 グレープフルーツ 10 ピッティング パイナップル(緑) 10−13 果芯部黒変、追熟不良 パパイヤ(熟果) 7.5−8.5 ピッティング、オフフレーバー パパイヤ(未熟果) 10 ピッティング、追熟不良 マンゴ 13 追熟不良 レモン 10−14 ピッティング、 カボチャ 10−13 内部褐変、腐敗 キュウリ 10−13 ピッティング、水浸状軟化 ナス 7−10 ピッティング、やけ ピーマン 10 ピッティング、がくと種子褐変 オクラ 10 水浸状斑点、腐敗 サヤインゲン 8 水浸状ピッティング サツマイモ 13−16 内部褐変、腐敗 フキ 7 −− サトイモ 7−10 −− ショウガ 13−15 −− ────────────────────────────────── 引用文献:流通システム研究センター刊、月刊 食品流
通技術 増刊号、「食品の輸送と貯蔵」No.239、第56-5
7 頁(1990年) 養賢堂刊、樽谷隆之・北川博敏著、「園芸食品の流通・
貯蔵・加工」第138-142 頁(1986年)
い青果物としては、表1に示される低温障害性青果物は
勿論のこと、呼吸量が多いブロッコリーや生シイタケに
も適用することができる。 〔表1〕 主な青果物の貯蔵温度 ────────────────────────────────── 青果物 貯蔵温度(℃) 症状 ────────────────────────────────── バナナ 12−14 果皮褐変、追熟不良 メロン 8−10 ピッティング、追熟不良 アボガド 7−13 追熟不良、果肉の変色 オリーブ 7−10 内部褐変 グレープフルーツ 10 ピッティング パイナップル(緑) 10−13 果芯部黒変、追熟不良 パパイヤ(熟果) 7.5−8.5 ピッティング、オフフレーバー パパイヤ(未熟果) 10 ピッティング、追熟不良 マンゴ 13 追熟不良 レモン 10−14 ピッティング、 カボチャ 10−13 内部褐変、腐敗 キュウリ 10−13 ピッティング、水浸状軟化 ナス 7−10 ピッティング、やけ ピーマン 10 ピッティング、がくと種子褐変 オクラ 10 水浸状斑点、腐敗 サヤインゲン 8 水浸状ピッティング サツマイモ 13−16 内部褐変、腐敗 フキ 7 −− サトイモ 7−10 −− ショウガ 13−15 −− ────────────────────────────────── 引用文献:流通システム研究センター刊、月刊 食品流
通技術 増刊号、「食品の輸送と貯蔵」No.239、第56-5
7 頁(1990年) 養賢堂刊、樽谷隆之・北川博敏著、「園芸食品の流通・
貯蔵・加工」第138-142 頁(1986年)
【0022】
【発明の効果】本発明の方法により、低温障害性青果物
を有孔袋で包装して適温で貯蔵し、該袋内のガス組成を
鮮度保持に有効なCA条件へ導くことによって、長期に
わたり鮮度保持ができる。また、特に収穫後も激しい生
理作用を営む青果物の包装にも好適であり、鮮度保持作
用を効果的に発揮することによって、青果物の包装商品
としての商品価値を高めることができる。
を有孔袋で包装して適温で貯蔵し、該袋内のガス組成を
鮮度保持に有効なCA条件へ導くことによって、長期に
わたり鮮度保持ができる。また、特に収穫後も激しい生
理作用を営む青果物の包装にも好適であり、鮮度保持作
用を効果的に発揮することによって、青果物の包装商品
としての商品価値を高めることができる。
【0023】本発明では、低温障害性青果物を有孔袋に
包装するだけで、簡便かつ経済的にCA条件をつくれる
のが特徴である。つまり、7〜15℃の温度域で取り扱
えば良いから、コールドチェーンを確保する必要がな
く、冷蔵設備費がかからない。また、産地で個装すれ
ば、あとで包装し直すことなく、そのままスーパーなど
の店頭で販売することができ、さらに、消費者が購入
後、家庭で貯蔵する間も効果を持続するというメリット
もある。
包装するだけで、簡便かつ経済的にCA条件をつくれる
のが特徴である。つまり、7〜15℃の温度域で取り扱
えば良いから、コールドチェーンを確保する必要がな
く、冷蔵設備費がかからない。また、産地で個装すれ
ば、あとで包装し直すことなく、そのままスーパーなど
の店頭で販売することができ、さらに、消費者が購入
後、家庭で貯蔵する間も効果を持続するというメリット
もある。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。なお、袋内のガス組成
は、袋の一部に貼ったゴムシール部分(面積 1 cm2)に
シリンジの針をさして、袋内のガスをサンプリング(1
0 cc )し、酸素用濃度計、および二酸化炭素用濃度計
(東レエンジニアリング社製)それぞれを用いて測定し
た。また、鮮度の評価については外観、色の変化を目視
で観察し、果肉の硬さは手の感触で評価した。さらに、
試験後(10日後)食味評価も行った。以下に評価基準
を示す。 色 ○:全く変色がみられない △:少し変色(斑点)がみられる ×:変色(斑点)が全体にひろがる 硬さ ○:かたい △:少しやわらかい ×:全体的にかなりやわらかい 食味 ○:香りがよく、おいしく食べられる △:香りが少し劣るが食べられる ×:香りが異常で食べられない
れに限定されるものではない。なお、袋内のガス組成
は、袋の一部に貼ったゴムシール部分(面積 1 cm2)に
シリンジの針をさして、袋内のガスをサンプリング(1
0 cc )し、酸素用濃度計、および二酸化炭素用濃度計
(東レエンジニアリング社製)それぞれを用いて測定し
た。また、鮮度の評価については外観、色の変化を目視
で観察し、果肉の硬さは手の感触で評価した。さらに、
試験後(10日後)食味評価も行った。以下に評価基準
を示す。 色 ○:全く変色がみられない △:少し変色(斑点)がみられる ×:変色(斑点)が全体にひろがる 硬さ ○:かたい △:少しやわらかい ×:全体的にかなりやわらかい 食味 ○:香りがよく、おいしく食べられる △:香りが少し劣るが食べられる ×:香りが異常で食べられない
【0025】実施例1 総表面積0.10m2 の低密度ポリエチレン袋(25x
25cm、厚み60μm)にマイクロシリンジ針を熱して
突き刺し、直径0.5mmの開孔を1個設けた包装袋(総
開孔面積比率0.0002%)にバナナを1本(130
g)入れてヒートシールしたものを、12℃、65%R
Hの貯蔵室においた。10日間、経時的に袋内のガス組
成を測定し、バナナの鮮度を観察した結果を表2に示
す。
25cm、厚み60μm)にマイクロシリンジ針を熱して
突き刺し、直径0.5mmの開孔を1個設けた包装袋(総
開孔面積比率0.0002%)にバナナを1本(130
g)入れてヒートシールしたものを、12℃、65%R
Hの貯蔵室においた。10日間、経時的に袋内のガス組
成を測定し、バナナの鮮度を観察した結果を表2に示
す。
【0026】表2の結果から、実施例1においては貯蔵
開始から約1日で、袋内のガス組成はバナナの最適CA
条件(酸素5〜10%、二酸化炭素5〜10%)に近づ
いて平衡に達し10日後まで変化しなかった。また、鮮
度もよく保持された充分可食状態のままで腐敗、異臭も
なかった。
開始から約1日で、袋内のガス組成はバナナの最適CA
条件(酸素5〜10%、二酸化炭素5〜10%)に近づ
いて平衡に達し10日後まで変化しなかった。また、鮮
度もよく保持された充分可食状態のままで腐敗、異臭も
なかった。
【0027】比較例1 実施例1に於いて総開孔面積比率を0%とする以外は、
実施例1と同様にして試験を行った。評価結果を表2に
示す。
実施例1と同様にして試験を行った。評価結果を表2に
示す。
【0028】比較例2 実施例1において、バナナを袋に包装しなかった以外
は、実施例1と同じ条件で試験した。評価結果を表2に
示す。
は、実施例1と同じ条件で試験した。評価結果を表2に
示す。
【0029】比較例3 実施例1において、貯蔵温度を5℃とし、袋に包装しな
かった以外は、実施例1と同じ条件で試験した。評価結
果を表2に示す。
かった以外は、実施例1と同じ条件で試験した。評価結
果を表2に示す。
【0030】比較例4 実施例1において、貯蔵温度を20℃とし、袋に包装し
なかった以外は、実施例1と同じ条件で試験した。評価
結果を第2表に示す。
なかった以外は、実施例1と同じ条件で試験した。評価
結果を第2表に示す。
【0031】以上、開孔をまったく設けなかった比較例
1では袋内の酸素が不足し二酸化炭素が過剰になり、果
皮色の褐変は抑えられたが中身の軟化がひどく商品価値
は失われた。また、比較例2では酸素濃度が高いため呼
吸を抑えることができず果皮色が褐変し、水分蒸発によ
る萎凋も著しかった。比較例3では、低温障害による果
皮の黒変がみられた。また比較例4では比較例2の場合
よりさらに鮮度低下が著しかった。 〔表2〕
1では袋内の酸素が不足し二酸化炭素が過剰になり、果
皮色の褐変は抑えられたが中身の軟化がひどく商品価値
は失われた。また、比較例2では酸素濃度が高いため呼
吸を抑えることができず果皮色が褐変し、水分蒸発によ
る萎凋も著しかった。比較例3では、低温障害による果
皮の黒変がみられた。また比較例4では比較例2の場合
よりさらに鮮度低下が著しかった。 〔表2〕
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 美都子 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−53445(JP,A) 特開 昭61−259982(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23B 7/00 - 9/34 B65D 85/50
Claims (2)
- 【請求項1】フィルム総面積に対し0.0002〜0.
010%の総開孔面積比率を有する1個以上の開孔が設
けられたフィルムで低温障害性青果物を包装し、7〜1
5℃下に置くことを特徴とする低温障害性青果物の鮮度
保持方法。 - 【請求項2】開孔の大きさが、直径0.2mm以上1.0
mm以下であることを特徴とする請求項1記載の低温障害
性青果物の鮮度保持方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40369790A JP3102035B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | 低温障害性青果物の鮮度保持方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40369790A JP3102035B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | 低温障害性青果物の鮮度保持方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05260892A JPH05260892A (ja) | 1993-10-12 |
JP3102035B2 true JP3102035B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=18513424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP40369790A Expired - Lifetime JP3102035B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | 低温障害性青果物の鮮度保持方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3102035B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6265083B1 (en) | 1997-08-22 | 2001-07-24 | Mitsui Chemicals, Inc. | Poly (4-methyl-1-pentene) resin laminates and uses thereof |
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1990
- 1990-12-19 JP JP40369790A patent/JP3102035B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH05260892A (ja) | 1993-10-12 |
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