JP2020114748A - 青果物の包装材料 - Google Patents

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徳夫 中山
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Yung-An Ye
永安 葉
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Ryuzo Yagi
隆三 八木
田原 修二
Shuji Tawara
田原  修二
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Abstract

【課題】青果物における微生物の増殖を良好に抑制し、青果物の枯れを良好に抑制できる青果物の包装材料を提供する。【解決手段】青果物を包装して温度5℃、湿度85%RH〜90%RHの条件で340時間保管した場合に、包装材料内における、湿度が86%RH以上100%RH未満であり、二酸化炭素濃度が0.5%〜5%であり、酸素濃度が10%〜18%である、青果物の包装材料である。【選択図】なし

Description

本開示は、青果物の包装材料に関する。
青果物は、青果物それぞれの生理活性の違いはあるものの、収穫後もその品質を維持している。しかし、収穫後における青果物の流通過程で、長期間を経ると品質は低下していく。上記品質の低下としては、例えば、青果物における微生物の増殖(例えばカビの発生)、青果物の枯れ、香りの減少、味の劣化等が挙げられる。青果物の流通過程における品質低下には、温度、湿度、ガス条件等の様々な要因が関わっている。
上記の品質に対しては、品質の低下を伴わない状態を維持しながら青果物を保存できる期間を延長することを目的として、様々な試みが行われている。
例えば、特許文献1には、青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される青果物用包装袋であって、前記合成樹脂フィルムは、前記青果物を包装した際に前記青果物側となる面に、厚さ0.5μm以上、10μm以下のヒートシール層を有し、水蒸気透過度が35g/m・day(40℃・90%RH)以上、120g/m・day(40℃・90%RH)以下であり、かつ、前記青果物を包装した際に前記青果物側となる面における水の接触角が0°超、60°以下であることを特徴とする青果物用包装袋が記載されている。
特許文献2には、青果物の包装用の包装袋であり、該包装袋はエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムを含み、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムのエチレンコンテントが25〜49mol%であり、前記エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルムは界面活性剤を含み、前記界面活性剤の量が前記エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルムの0.3〜3.5重量%であることを特徴とする青果物用包装袋が記載されている。
特許文献3には、酸素透過速度および二酸化炭素透過速度が1,000〜700,000ml/m・day・atmかつ水蒸気透過量50〜300g/m・day・atm(at40℃・90%RH)の合成樹脂フィルムを用いて青果物を密封した包装体において、包装体内の一部または全ての青果物と合成樹脂フィルムの間に0.0015<重量(g)/体積(cc)<0.6の通気性を有する物体を介在させてなることを特徴とする青果物の包装体が記載されている。
特開2014−172632号公報 特開2013−193759号公報 特開2003−274849号公報
上述の品質低下に関わる要因の中でも、青果物における微生物の増殖(例えばカビの発生)、及び、青果物の枯れについては、青果物の商品価値を喪失させる可能性があり、改善が強く求められている。
しかし、微生物の増殖及び青果物の枯れについては、微生物の種類及び性質、並びに、青果物の保存環境等の様々な要因が影響を及ぼすと考えられるため、微生物の増殖を抑制することと、青果物の枯れを抑制することを両立することは、実現が困難であった。
例えば、保存環境の一例として湿度(即ち、水分)について考察すると、保存環境における水分を多くした場合には、青果物自身が保存環境下において水分を吸収することで、枯れを抑制することができるが、青果物における微生物の増殖が進行する可能性が高まる。一方で、保存環境における水分を少くした場合には、青果物における微生物の増殖を抑制できる可能性があるものの、青果物の枯れが進行しやすくなると考えられる。
特許文献1〜特許文献3に記載の発明は、青果物における微生物の増殖の抑制と、青果物の枯れの抑制とを両立させることについては考慮されていない。
本開示の実施形態が解決しようとする課題は、青果物における微生物の増殖を良好に抑制し、青果物の枯れを良好に抑制できる青果物の包装材料を提供することである。
上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 青果物を包装して温度5℃、湿度85%RH〜90%RHの条件で340時間保管した場合に、包装材料内における、湿度が86%RH以上100%RH未満であり、二酸化炭素濃度が0.5%〜5%であり、酸素濃度が10%〜18%である、青果物の包装材料である。
<2> 温度40℃、湿度90%RHの条件下における透湿度が10g/m・day〜120g/m・dayであり、温度23℃、湿度90%RHの条件下において、二酸化炭素透過度が3000ml/m・day・atm〜24000ml/m・day・atmであり、酸素透過度が1500ml/m・day・atm〜15000ml/m・day・atmである青果物の包装材料である。
<3> 温度40℃、湿度90%RHの条件下における透湿度が5g/m・day〜300g/m・dayである水蒸気透過フィルムと、温度23℃、湿度90%RHの条件下において、二酸化炭素透過度が2500ml/m・day・atm〜80000ml/m・day・atmであり、酸素透過度が1000ml/m・day・atm〜30000ml/m・day・atmであるガス透過フィルムと、を少なくとも有する<1>又は<2>に記載の青果物の包装材料である。
<4> 前記水蒸気透過フィルムを有する面を含む包装フィルムの一部と、前記ガス透過フィルムを有する面を含む包装フィルムの一部と、が接合されることで袋形状を形成している<3>に記載の青果物の包装材料である。
<5> 前記青果物がブドウである<1>〜<4>のいずれか一項に記載の青果物の包装材料である。
<6> 前記ブドウがシャインマスカットである<5>に記載の青果物の包装材料である。
本開示の実施形態によれば、青果物における微生物の増殖を良好に抑制し、青果物の枯れを良好に抑制できる青果物の包装材料を提供することができる。
以下、本開示の青果物の包装材料について、詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「フィルム」は、一般的に「フィルム」と呼ばれているものだけでなく、一般的に「シート」と呼ばれているものをも包含する概念である。
本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
≪青果物の包装材料≫
本開示の青果物の包装材料(本明細書中、単に包装材料ともいう。)としては、下記の態様a及び態様bが挙げられる。
以下に態様a及び態様bについて詳細に説明する。
<態様a>
本開示の青果物の包装材料の第1の態様a(以下、態様aともいう。)は、青果物を包装して温度5℃、湿度85%RH〜90%RHの条件で340時間保管した場合に、包装材料内における、湿度が86%RH以上100%RH未満であり、二酸化炭素濃度が0.5%〜5%であり、酸素濃度が10%〜18%である。
青果物を本開示の包装材料によって包装し、温度5℃、湿度85%RH〜90%RHの条件で340時間保管した場合、包装材料内の環境は安定しており、湿度、二酸化炭素濃度及び酸素濃度も安定した値を示す。
上述の通り、青果物における微生物の増殖(例えばカビの発生)、及び、青果物の枯れについては、微生物の種類及び性質、青果物の保存環境等の様々な要因が影響を及ぼすと考えられる。
本発明者らは、青果物における微生物の増殖、及び、青果物の枯れに影響を及ぼすと考えられる環境要因を鋭意検討した結果、青果物の収穫後の流通過程における包装材料内の、湿度、二酸化炭素濃度及び酸素濃度に着目した。
そして、特定の範囲内に調整された湿度、二酸化炭素濃度及び酸素濃度を組み合わせた保存環境を作り出すことで、青果物における微生物の増殖を抑制し、青果物の枯れを抑制することが可能となることを見出した。
〜包装材料内の環境条件〜
(包装材料内の湿度)
青果物を本開示の包装材料によって包装し、温度5℃、湿度85%RH〜90%RHの条件で340時間保管した場合における包装材料内の湿度は、86%RH以上100%RH未満である。
上記湿度が86%RH以上であることで、青果物の枯れを良好に抑制することができる。また、保存時間が経過するに従って、青果物が有する成分(主に水分)を喪失することによる青果物の重量の減少を良好に抑制することができる。
上記と同様の観点から、湿度は89%RH以上であることが好ましい。
上記湿度が100%RH未満であることは、包装材料内の湿度として、達成可能な上限値であることを意味する。また、微生物の増殖を抑制する点から、湿度が96%RH以下であることが好ましい。
上記と同様の観点から、包装材料内の湿度は88%RH〜96%RHが好ましい。
本開示における湿度は、相対湿度を指し、ハイグログロン(温湿度ロガー、KNラボラトリーズ製)を包装材料の内部に設置して測定される値である。
(包装材料内のガス条件)
本開示において、青果物を包装し、温度5℃、湿度85%RH〜90%RHの条件で340時間保管した場合における包装材料内の二酸化炭素濃度は、0.5%〜5%である。
上記二酸化炭素濃度が0.5%以上であることで、青果物の呼吸活動を抑え休眠状態にすることにより、有用成分の分解が抑制され、品質低下を抑制することができる。
また、上述の通り二酸化炭素濃度が高い場合には青果物の枯れが進行しやすくなるところ、上記二酸化炭素濃度が5%以下であることで、青果物の枯れの進行を良好に抑制することができる。
上記と同様の観点から、上記二酸化炭素濃度は0.5%〜4.5%であることが好ましく、0.8%〜4%であることがより好ましい。
なお、包装材料内の二酸化炭素濃度は、ChecPoint3(MOCONEurope社製)を用いて測定できる。
本開示において、青果物を包装し、温度5℃、湿度85%RH〜90%RHの条件で340時間保管した場合における包装材料内の酸素濃度は、10%〜18%である。
上記酸素濃度が10%以上であることで、青果物の呼吸に必要な酸素を確保できるため、嫌気呼吸状態による品質低下を防止することができる。
酸素濃度が18%以下であることで、青果物の呼吸活動を抑え休眠状態にすることにより、有用成分の分解が抑制され、品質低下を抑制することができる。
上記と同様の観点から、上記酸素濃度は12.0%〜17.5%であることが好ましい。
なお、包装材料内の酸素濃度は、ChecPoint3(MOCON Europe社製)を用いて測定できる。
なお、各青果物の最適なガス濃度(MA条件:modified Atmosphere条件)の説明についてはKader, A.A., 1986. Biochemical and physiological basis for effects of controlled and modified atmospheres on fruits and vegetables. Food Technology.に記載がある。
(包装材料内の温度)
本開示の包装材料を用いて青果物を保存する際の、包装材料内の温度としては、−1℃〜30℃であることが好ましい。温度が−1℃以上であることで、低温障害を防ぐことができる。温度が30℃以下であることで、微生物の増殖速度を遅くすることができる。
温度は、より好ましくは0℃〜15℃であり、1℃〜10℃がさらに好ましい。
上記の包装材料内の環境条件を達成する方法としては、特に制限はないが、例えば、包装材料による酸素、二酸化炭素及び水蒸気の透過性を制御する方法が挙げられる。
中でも、本開示の上記包装材料内の環境条件は、下記の態様bによって達成することが好ましい。
<態様b>
本開示の青果物の包装材料の第2の態様b(以下、態様bともいう。)は、温度40℃、湿度90%RHの条件下における透湿度が10g/m・day〜120g/m・dayであり、温度23℃、湿度90%RHの条件下において、二酸化炭素透過度が3000ml/m・day・atm〜24000ml/m・day・atmであり、酸素透過度が1500ml/m・day・atm〜15000ml/m・day・atmである包装材料である。
本開示の包装材料を上記の構成とすることで、青果物の収穫後の流通過程において、包装材料内の湿度、二酸化炭素濃度及び酸素濃度を、上述の特定の範囲内に調整することができるため、上述した特定の範囲内の湿度、二酸化炭素濃度及び酸素濃度を組み合わせた保存環境を作り出すことができる。結果として、青果物における微生物の増殖を抑制し、青果物の枯れを抑制することが可能となる。
(透湿度)
態様bに係る本開示の青果物の包装材料は、温度40℃、湿度90%RHの条件下における透湿度が10g/m・day〜120g/m・dayである。
透湿度は、水蒸気が包装材料を通過する程度を表す指標である。通常、包装材料の内部の湿度が包装材料の外部の湿度よりも高い場合には、包装材料の透湿度が高い程、包装材料の内部の水蒸気が包装材料の外部に向けて透過しやすい。
上記透湿度が10g/m・day以上であることで、微生物の増殖を抑制することができる。
上記透湿度が120g/m・day以下であることで、青果物の枯れを抑制することができる。また、保存時間が経過するに従って、青果物が有する成分(主に水分)を喪失することによる青果物の重量の減少を良好に抑制することができる。
上記の点から、上記透湿度が10g/m・day〜118g/m・dayであることが好ましく、13g/m・day〜115g/m・dayであることがより好ましく、50g/m・day〜115g/m・dayであることがさらに好ましく、70g/m・day〜115g/m・dayであることが特に好ましい。
本開示において、包装材料の透湿度(単位:g/m・day)は、下記の方法により測定される値である。
まず、包装フィルムをシール加工によって袋形状(例えば、表面積約0.005m)にした包装材料を作製し、上記包装材料の内部に吸湿剤を封入する。
次に、40℃、90%RHの恒温恒湿装置内で、上記吸湿剤を内部に含む包装材料を静置した後、24時間毎に重量を繰り返し計測する。
そして、重量変化量がグラフ上で直線的となったことを確認した後、最後に計測した重量から24時間(1日)あたりの重量変化量(g/day)を求め、上記重量変化量を試料の表面積(m)で除した値を包装材料の透湿度として算出することができる。
(二酸化炭素透過度)
温度23℃、湿度90%RHの条件下において、二酸化炭素透過度が3000ml/m・day・atm〜24000ml/m・day・atmである。
上記二酸化炭素透過度が3000ml/m・day・atm以上、24000ml/m・day・atm以下であることで、青果物の呼吸量を抑え、水分の青果物からの蒸散を抑制することにより、青果物の枯れ、微生物の増殖、及び、糖度の分解を抑制することができる。これによって、青果物の味の維持、腐敗の抑制、腐敗に伴う異臭の発生の抑制等の効果を奏し、青果物の鮮度を保持することができる。
上記の点から、上記二酸化炭素透過度が4000ml/m・day・atm〜24000ml/m・day・atmであることが好ましく、4500ml/m・day・atm〜20000ml/m・day・atmであることがより好ましい。
(酸素透過度)
温度23℃、湿度90%RHの条件下において、酸素透過度が1500ml/m・day・atm〜15000ml/m・day・atmである。
上記酸素透過度が1500ml/m・day・atm以上、15000ml/m・day・atm以下であることで、青果物の呼吸量を抑え、水分の蒸散を抑制することによる青果物の枯れ抑制と微生物の増殖抑制、糖度の分解を抑制することにより味の維持、腐敗の抑制、腐敗に伴う異臭の発生の抑制など、青果物の鮮度を保持することができる。 上記の点から、上記酸素透過度が2000ml/m・day・atm〜13000ml/m・day・atmであることが好ましく、3000ml/m・day・atm〜12000ml/m・day・atmであることがより好ましく、3000ml/m・day・atm〜8000ml/m・day・atmであることがさらに好ましい。
本開示において、包装材料の酸素透過度(単位:cm/(m・day・atm))及び二酸化炭素透過度(単位:cm/(m・day・atm))は、下記の方法により測定される。
まず、包装フィルムを袋形状(表面積約0.005m)にシール加工を行い、得られた包装材料に混合ガス(窒素20体積%、酸素10体積%、二酸化炭素70体積%)を封入し、封入直後の酸素、及び二酸化炭素の濃度を測定する。その後23℃環境下で1時間保管した後、再び包装材料内の酸素及び二酸化炭素の濃度を測定する。
得られた酸素及び二酸化炭素の濃度を用いて、以下の式により酸素透過度、二酸化炭素透過度を算出する。
なお、酸素及び二酸化炭素はChecPoint3(MOCONEurope社製)を使用して測定できる。
O2 ={24/((21−CO20))×((CO2t−CO20))/((t×s))×v}
CO2={24/((0−CCO20))×((CCO2t−CCO20))/((t×s))×v}
上記式中の記号の詳細は以下の通りである。
O2:23℃の酸素透過量(ml/(m・day・atm))
CO2:23℃の二酸化炭素透過量(ml/(m・day・atm))
O2t:混合ガス充填時から経時時間t時間後の包装内の酸素濃度
CO2t:混合ガス充填時から経時時間t時間後の包装内の二酸化炭素濃度
O20:混合ガス充填直後の包装内の酸素濃度
CO20:混合ガス充填直後の包装内の二酸化炭素濃度
v:充填した混合ガスの量(ml)
t:混合ガス充填直後から経過時間(h)
s:包装袋の内側の表面積(m
上記の透湿度、二酸化炭素透過度及び酸素透過度は、いずれの態様で制御されてもよく、例えば以下の態様が挙げられる。
(1)下記環境条件を形成し得る、ガス透過フィルム及び水蒸気透過フィルムで青果物を包装する態様。
(2)下記環境条件を形成し得る、ガス透過箱及び水蒸気透過箱に青果物を収納する態様。
上記の中でも、(1)の態様がより好ましい。
上記(1)の態様において用いられるガス透過フィルム及び水蒸気透過フィルムについて、以下に詳細に説明する。
本開示の青果物の包装材料は、温度40℃、湿度90%RHの条件下における透湿度が5g/m・day〜300g/m・dayである水蒸気透過フィルムと、温度23℃、湿度90%RHの条件下において、二酸化炭素透過度が2500ml/m・day・atm〜80000ml/m・day・atmであり、酸素透過度が1000ml/m・day・atm〜30000ml/m・day・atmであるガス透過フィルムと、を少なくとも有することが好ましい。
本開示の青果物の包装材料を上記の構成とすることで、上述の透湿度、二酸化炭素透過度及び酸素透過度を達成することができ、青果物の枯れ、青果物の重量の減少及び微生物の増殖を抑制できる。
〔水蒸気透過フィルム〕
本開示における水蒸気透過フィルムは、温度40℃、湿度90%RHの条件下における透湿度が5g/m・day〜300g/m・dayであることが好ましい。
水蒸気透過フィルムの上記透湿度が、上記の範囲内であることで、青果物を包装した場合の包装材料内の湿度を、上述の包装材料内の湿度に保つことができる。
上記の観点から、上記透湿度が10g/m・day〜220g/m・dayであることがより好ましく、13g/m・day〜140g/m・dayであることがさらに好ましく、18g/m・day〜120g/m・dayであることが特に好ましい。
本開示における水蒸気透過フィルムの二酸化炭素透過度は、特に制限はないが、50ml/m・day・atm〜1000ml/m・day・atmであることが好ましく、200ml/m・day・atm〜500ml/m・day・atmであることがより好ましい。
本開示における水蒸気透過フィルムの酸素透過度は、特に制限はないが、10ml/m・day・atm〜300ml/m・day・atmであることが好ましく、50ml/m・day・atm〜100ml/m・day・atmであることがより好ましい。
本開示における水蒸気透過フィルムは、有孔であってもよく、無孔であってもよいが、無孔であることが好ましい。
水蒸気透過フィルムが有孔である場合には、最大径50μm以上の孔は1mあたり1個以下であることが好ましい。
最大径50μm以上の孔の数が上記範囲にあることで、より均一な透湿度を得ることができ、包装材内の湿度を一定に保ちやすい。また、青果物特有の香り成分の揮発を防止することが出来る。
本開示における水蒸気透過フィルムの厚みとしては、透湿度を上記の範囲内とする点から、10μm〜100μmが好ましく、12μm〜80μmがより好ましく、15μm〜60μmがさらに好ましい。
本開示における水蒸気透過フィルムの材質としては、例えば、ナイロン、セロファン、PVA、ポリスチレン等が挙げられる。中でも、ナイロンが好ましい。
本開示における水蒸気透過フィルムとしては、市販品を用いることができ、例えば、エンブレムON15(登録商標)(厚み15μm、ナイロン、ユニチカ株式会社製、透湿度260g/m・day)、エンブレムON25(登録商標)(厚み25μm、ナイロン、ユニチカ株式会社製、透湿度155g/m・day)、ハーデンN1100(登録商標)(厚み25μm、ナイロン、東洋紡株式会社製、透湿度155g/m・day)、ユニロンG100(登録商標)(出光ユニテック株式会社製、厚み15μm、ナイロン、透湿度240g/m・day)、ユニロンG100#25(登録商標)(出光ユニテック株式会社製、厚み25μm、ナイロン、透湿度90g/m・day)等が挙げられる。
〔ガス透過フィルム〕
本開示におけるガス透過フィルムは、温度23℃、湿度90%RHの条件下において、二酸化炭素透過度が2500ml/m・day・atm〜80000ml/m・day・atmであり、酸素透過度が1000ml/m・day・atm〜30000ml/m・day・atmであることが好ましい。
(ガス透過性)
本開示におけるガス透過フィルムにおける二酸化炭素透過度は、2500ml/m・day・atm〜80000ml/m・day・atmである。
上述の包装材料内の二酸化炭素濃度の範囲を実現する観点から、好ましくは3000〜75000ml/(m・day・atm)であり、より好ましくは5000ml/(m・day・atm)〜50000ml/(m・day・atm)であり、更に好ましくは7000ml/(m・day・atm)〜50000ml/(m・day・atm)である。
本開示におけるガス透過フィルムにおける酸素透過度は、1000ml/m・day・atm〜30000ml/m・day・atmである。
上述の包装材料内の酸素濃度の範囲を実現する観点から、ガス透過フィルムにおける酸素透過度は、好ましくは1500ml/(m・day・atm)〜17000ml/(m・day・atm)であり、より好ましくは2000ml/(m・day・atm)〜15000ml/(m・day・atm)である。
また、ガス透過フィルムにおける酸素透過度は、2500ml/(m・day・atm)〜12000ml/(m・day・atm)としてもよく、3000ml/(m・day・atm)〜10000cm/ml/(m・day・atm)としてもよい。
(透湿度)
本開示におけるガス透過フィルムにおける透湿度は、特に制限はないが、好ましくは5g/m・day〜50g/m・dayであり、より好ましくは10g/m・day〜35g/m・dayである。
透湿度は、JIS Z0208(1976年)に準拠し、試験温度40℃、試験湿度90%の条件で測定される値である。
上記ガス透過フィルムは、無孔であってもよく、有孔であってもよい。
無孔のガス透過フィルムとしては、以下に示す第1のガス透過フィルム及び第2のガス透過フィルムが挙げられる。
また、有孔のガス透過フィルムとしては、例えば、P−プラス(住友ベークライト株式会社製)が挙げられる。
−第1のガス透過フィルム−
第1のガス透過フィルムは、2層以上の多層構造を有するガス透過フィルムであって、透湿度(JIS Z0208(1976年)に準拠、試験温度40℃、試験湿度90%)が10g/m・day〜80g/m・dayの範囲にあり、ヒートシール温度140℃におけるヒートシール強度が6N/15mm〜50N/15mmの範囲にあり、最大径50μm以上の孔が1mあたり1個以下であり、前記多層構造の少なくとも1層が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体を含有することが好ましい。
本開示の第1のガス透過フィルムでは、透湿度が上記範囲であること、及び、最大径50μm以上の孔が1mあたり1個以下であることにより、第1のガス透過フィルムからのガス透過が均一に生じやすくなる。また、140℃におけるヒートシール強度が上記範囲であることにより、低温でのヒートシール性が確保されている。その上で、本開示の第1のガス透過フィルムは、多層構造の少なくとも1層が、高いガス透過性を持つ4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体を含有している。
これにより、高いガス透過性を保持したまま、4−メチル−1−ペンテン系重合体をフィルムとして用いたガス透過フィルムの透明性及びヒートシール性を改善することができる。
したがって、本開示によれば、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れた第1のガス透過フィルムを実現することができる。
以下、本開示における第1のガス透過フィルムが有する上記特性の好ましい範囲について順に説明する。
本開示における第1のガス透過フィルムにおける透湿度(JIS Z0208(1976年)に準拠、試験温度40℃、試験湿度90%)は、10g/m・day〜80g/m・dayであり、好ましくは25g/m・day〜70g/m・dayである。
上記範囲の透湿度は、多層構造が有する各層(例えばヒートシール層、ガス透過層、表面層)の組成を調整することで達成しやすい。
第1のガス透過フィルムの透湿度(単位:g/m・day)は、上述の方法で測定される値である。
本開示における第1のガス透過フィルムにおける低温でのヒートシール性は、例えば、特開2017−186080号公報(段落番号0021)に記載の方法で判断できる。
ヒートシール温度(加熱温度)140℃、160℃又は220℃におけるヒートシール強度は、特開2017−186080号公報(段落番号0151)に記載の方法で測定する。
本開示における第1のガス透過フィルムにおいて、最大径50μm以上の孔は1mあたり1個以下である。
最大径50μm以上の孔の数が上記範囲にあることで、第1のガス透過フィルムにおいてより均一なガス透過性が得られる。また、第1のガス透過フィルムを、例えば包装資材、包装材として用いた際に、包装体の外部からの異物の侵入を抑制でき、包装資材内、包装材内への衛生性が保持される点で好ましい。
なお、上記孔の最大径及び数は、目視及び必要に応じて公知の走査型電子顕微鏡、光学顕微鏡などを使用して確認することができる。
本開示における第1のガス透過フィルムは、2層以上の多層構造を有する。
多層構造の少なくとも1層は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体(4−メチル−1−ペンテン系重合体(A))を含有する。
4−メチル−1−ペンテンは嵩高い骨格を有するため、第1のガス透過フィルムの少なくとも1層が4−メチル−1−ペンテン系重合体を含有することにより、高いガス透過性と、透明性を付与することができる。
なお、上記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)は、ポリオレフィンを主成分とする重合体であることがよく、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位とを有する共重合体であることが好ましい。
なお、第1のガス透過フィルムの少なくとも1層が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を含有することは、後述する13C−NMR分析により確認することができる。
本開示における第1のガス透過フィルムは、前述の通り、2層以上の多層構造を有するが、好ましくは3層以上、より好ましくは3層〜5層の多層構造を有する。
以下、本開示における第1のガス透過フィルムの好ましい態様について説明する。
本開示における第1のガス透過フィルムは、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)及び1−ブテン系重合体(B1−1)をそれぞれ特定の割合で含有するヒートシール層と、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)を特定の割合で含有するガス透過層とを備える多層構造であることが好ましい。
より詳細には、本開示における第1のガス透過フィルムにおいて、前記多層構造が、
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)50質量%〜95質量%及び1−ブテン系重合体(B1−1)5質量%〜50質量%を含有するヒートシール層(但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)及び前記1−ブテン系重合体(B1−1)の合計を100質量%とする。)と、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)を80質量%以上含有するガス透過層と、
を備え、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、前記4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%〜99モル%の範囲にあり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが199℃以下であるか、又は示差走査熱量計で融点Tmが観測されない重合体であり、
前記1−ブテン系重合体(B1−1)が、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記1−ブテンから導かれる構成単位が5モル%〜100モル%の範囲にある重合体であり、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)が、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが200℃〜250℃である重合体であることが好ましい。
本開示における第1のガス透過フィルムは、上記態様である場合には、上述した透湿度、ヒートシール強度、及び最大径50μm以上の孔の数が特定の範囲に調整された第1のガス透過フィルムを達成しやすくなる。
すなわち、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れた第1のガス透過フィルムを実現しやすくなる。
また、ヒートシール層が有する前記1−ブテン系重合体(B1−1)において、1−ブテンから導かれる構成単位は50モル%〜100モル%の範囲にあることが好ましい。
これにより、上述した透湿度、ヒートシール強度、及び最大径50μm以上の孔の数が特定の範囲に調整された第1のガス透過フィルムをより達成しやすくなる。
すなわち、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れた第1のガス透過フィルムをより実現しやすくなる。
本開示における第1のガス透過フィルムは、さらに4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)、1−ブテン系重合体(B3)、及び前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)をそれぞれ特定の割合で含有する表面層を備える多層構造であることが好ましい。
これにより、上述した透湿度、ヒートシール強度、及び最大径50μm以上の孔の数が特定の範囲に調整された第1のガス透過フィルムを達成しやすくなる。
すなわち、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れた第1のガス透過フィルムをより実現しやすくなる。
より詳細には、本開示における第1のガス透過フィルムにおいて、前記多層構造が、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)50質量%〜95質量%、1−ブテン系重合体(B3)5質量%〜50質量%、及び前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)0質量%〜20質量%を含有する表面層(但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)及び前記1−ブテン系重合体(B3)の合計を100質量%とする。)をさらに備え、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、前記4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%〜99モル%の範囲にあり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが199℃以下であるか、又は示差走査熱量計で融点Tmが観測されない重合体であり、
前記1−ブテン系重合体(B3)が、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記1−ブテンから導かれる構成単位が5モル%〜100モル%の範囲にある重合体であり、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)が、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが200℃〜250℃である重合体であることが好ましい。
また、表面層が有する前記1−ブテン系重合体(B3)において、1−ブテンから導かれる構成単位は50モル%〜100モル%の範囲にあることが好ましい。
これにより、上述した透湿度、ヒートシール強度、及び最大径50μm以上の孔の数が特定の範囲に調整された第1のガス透過フィルムをより達成しやすくなる。
すなわち、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れた第1のガス透過フィルムをより実現しやすくなる。
次に、第1のガス透過フィルムの各層に含まれる成分について説明する。
以下では、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)を単に重合体(A1)と称して説明することがある。同様に、1−ブテン系重合体(B1−1)等についても、重合体の構成要素を省略して、単に重合体(B1−1)等と称して説明することがある。
<ヒートシール層>
ヒートシール層は、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)を50質量%〜95質量%含有することが好ましく、65質量%〜95質量%含有することがより好ましい。
また、ヒートシール層は、1−ブテン系重合体(B1−1)を5質量%〜50質量%を含有することが好ましく、5質量%〜35質量%含有することがより好ましい。
但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)及び前記1−ブテン系重合体(B1−1)の合計を100質量%とする。
ヒートシール層が、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)及び1−ブテン系重合体(B1−1)を上記範囲で含有することにより、ガス透過層との層間接着力が十分なものとなりやすい。
(4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1))
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位とを有する共重合体である。
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は前記炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位は、60モル%〜99モル%の範囲にあり、好ましくは65モル%〜98モル%の範囲、より好ましくは65モル%〜97モル%の範囲にある。
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%以上であると、ヒートシール層のガス透過性を高めることができる。その結果、ガス透過性の高い第1のガス透過フィルムを得ることができる。4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が99モル%以下であると、フィルム伸び等の機械物性が良好なヒートシール層及び第1のガス透過フィルムを得ることができる。
エチレン又は炭素数が3以上20以下のα−オレフィンには、例えば、直鎖状又は分岐状のα−オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能化ビニル化合物等が含まれる。
直鎖状又は分岐状のα−オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能化ビニル化合物の具体例としては、例えば、特開2017−186080号公報(段落番号0037〜0044)等に記載の具体例が含まれる。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)は、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数2以上20以下のα−オレフィンの好ましい態様としては、例えば、特開2017−186080号公報(段落番号0045)に記載の態様が含まれる。
重合体(A1)が有する、構成単位の含有率(モル%)は、下記の方法により測定することができる。
〜条件〜
測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
観測核:13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:1万回以上
溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
試料濃度:55mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)は、示差走査熱量計で測定される融点Tmが199℃以下であるか、又は示差走査熱量計で融点Tmが観測されない重合体である。
なお、「融点Tmが観測されない」とは、−150℃〜200℃の範囲において、結晶融解熱量が1J/g以上である結晶融解ピークが実質的に観測されないことをいう。
示差走査熱量計で測定される重合体(A1)の融点Tmを199℃以下に、又は示差走査熱量計で重合体(A1)の融点Tmを観測されないように調整するためには、重合体(A1)中の4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を60モル%〜99モル%の範囲にすることがよい。
重合体(A1)の融点Tmが199℃以下であるか、又は重合体(A1)の融点Tmが観測されないことにより、低温での成形及び低温でのヒートシールが可能なヒートシール層及び第1のガス透過フィルムを得ることができる。重合体(A1)の融点Tmは、好ましくは100℃〜180℃であるか、又は重合体(A1)の融点Tmは観測されないことが好ましい。
上記重合体(A1)の融点Tmは、示差走査熱量計(DSC:Differential scanning calorimetry)を用い、下記の方法により測定される値である。
約5mgの重合体(A1)を、セイコーインスツル(株)製の示差走査熱量計(DSC220C型)の測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱する。重合体(A1)を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却する。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体(A1)の融点Tmとする。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用する。
重合体(A1)は、上記要件に加えてさらに極限粘度[η]、重量平均分子量(Mw)、メルトフローレート(MFR)及び密度について、例えば、特開2017−186080号公報(段落番号0052〜0057)に記載の、一つ以上の要件を満たすことが好ましい。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)の製法
重合体(A1)の調製に用いることのできる重合触媒としては、従来公知の触媒、例えば、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号、国際公開第01/27124号、特開平3−193796号公報、又は特開平02−41303号公報に記載のメタロセン触媒等が好適である。重合体(A1)の製造方法としては、例えば、国際公開第01/27124号、国際公開14/050817号等に記載の方法を採用することができる。
(1−ブテン系重合体(B1−1))
1−ブテン系重合体(B1−1)は、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位とを有する重合体である。
1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、1−ブテンから導かれる構成単位は、5モル%〜100モル%の範囲にある。
1−ブテンから導かれる構成単位がこの範囲であると、層間接着力において好ましい。
1−ブテン系重合体(B1−1)の一態様において、前記1−ブテンから導かれる構成単位は、より好ましくは50モル%〜100モル%、さらに好ましくは70モル%〜90モル%の範囲にある。1−ブテンから導かれる構成単位がこの範囲であると、層間接着力において特に好ましい。
また、1−ブテン系重合体(B1−1)の他の態様において、前記1−ブテンから導かれる構成単位は、より好ましくは5モル%以上50モル%未満、さらに好ましくは5モル%〜35モル%の範囲にある。1−ブテンから導かれる構成単位がこの範囲であると、ヒートシール層及び第1のガス透過フィルムの透明性において特に好ましい。
1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、エチレンから導かれる構成単位は、好ましくは5モル%〜50モル%の範囲にあり、より好ましくは5モル%〜30モル%の範囲にあり、更に好ましくは5モル%〜20モル%の範囲にある。
1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、プロピレンから導かれる構成単位は、好ましくは5モル%〜90モル%の範囲にあり、より好ましくは10モル%〜80モル%の範囲にあり、更に好ましくは20モル%〜80モル%の範囲にあり、特に好ましくは20モル%〜70モル%の範囲にある。
1−ブテン系重合体(B1−1)中の各構成単位の含有量は、例えば、重合反応中に添加するそれぞれの成分量によって調整することができる。1−ブテン系重合体(B1−1)を重合する際、エチレンおよびプロピレンは1種単独で用いてもよく、2種を併用してもよい。その比率は特に限定されない。
なお、1−ブテン系重合体(B1−1)は、例えば1−ブテンと、エチレン及びプロピレンの少なくとも一方とが重合した重合体であってもよい。すなわち、1−ブテン系重合体(B1−1)は、プロピレンから導かれる構成単位を有さない重合体であっても、エチレンから導かれる構成単位を有さない重合体であってもよい。
1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計は、全構成単位の通常90モル%以上であり、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。すなわち、重合体(B1−1)は、発明の効果を損なわない範囲であれば、1−ブテン、エチレン及びプロピレンから導かれる構成単位以外の構成単位を有してもよい。他の構成単位としては例えば炭素原子数20以下のα−オレフィンが挙げられる。例えば、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。
重合体(B1−1)は、上記要件に加えてさらに、例えば特開2017−186080号公報(段落番号0065)に記載のメルトフローレート(MFR)の要件を満たすことが好ましい。
(1−ブテン系重合体(B1−1)の製法)
重合体(B1−1)の調製に用いることのできる重合触媒としては、従来公知の触媒、例えば、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号、国際公開第01/27124号、特開平3−193796号公報、又は特開平02−41303号公報に記載のメタロセン触媒等が好適である。重合体(B1−1)の製造方法としては、例えば、国際公開第2014/042249号、国際公開第2006/057361等に記載の方法を採用することができる。
<ガス透過層>
ガス透過層は、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)を、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上含有することが好ましい。なお、上限は100質量%であることが好ましい。4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)の含有量(質量%)は、ガス透過層全体に対する含有量である。
重合体(D2)の含有量が上記範囲にあることで、得られる第1のガス透過フィルムのガス透過性が高まりやすい。また、得られる第1のガス透過フィルムに適度な剛性が得られるため好ましい。
また、ガス透過層は、さらに1−ブテン系重合体(B2)を含むことが好ましい。ガス透過層が1−ブテン系重合体(B2)を含むと、得られる第1のガス透過フィルムの層間接着力において好ましい。好ましい1−ブテン系重合体(B2)の含有比率は、重合体(D2)と重合体(B2)の合計を100質量%としたときに、重合体(B2)が20質量%以下、より好ましくは5質量%〜15質量%である。
1−ブテン系重合体(B2)としては、ヒートシール層に含まれる1−ブテン系重合体(B1−1)と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
1−ブテン系重合体(B2)は、上述した1−ブテン系重合体(B1−1)と同様の物性を有していることが好ましい。
なお、1−ブテン系重合体(B2)と1−ブテン系重合体(B1−1)とは同一であっても異なるものであってもよい。
(4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2))
4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)は、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であることが好ましい。
また、4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)は、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であり、エチレン及び4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから導かれる構成単位の全構成単位に対する割合が0モル%以上10モル%以下である重合体であることがより好ましい。
重合体(D2)は、前述の通り、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を90モル%以上100モル%以下有していることが好ましく、90モル%以上99.9モル%以下有していることがより好ましく、91モル%以上99モル%以下有していることがさらに好ましい。
重合体(D2)が有する4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であると、ガス透過層のガス透過性を高めることができる。その結果、ガス透過性のより高い第1のガス透過フィルムを得ることができる。
重合体(D2)は、エチレン及び4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから導かれる構成単位の全構成単位に対する割合が、前述の通り、0モル%以上10モル%以下であることが好ましく、0.1モル%以上10モル%以下であることがより好ましく、1モル%以上9モル%以下であることがさらに好ましい。
重合体(D2)における4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから導かれる構成単位の全構成単位に対する割合が上記範囲内にあると、ガス透過層のガス透過性を高めることができる。その結果、ガス透過性のより高い第1のガス透過フィルムを得ることができる。
重合体(D2)が4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから導かれる構成単位を有する場合、重合体(D2)は、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから導かれる構成単位を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数2以上20以下のα−オレフィンの好ましい態様としては、例えば、特開2017−186080号公報(段落番号0072)に記載の態様が含まれる。
重合体(D2)が有する4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位及び4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから導かれる構成単位の割合(含有率)の測定方法は、重合体(A1)の項に記載の方法と同様の条件により測定することができる。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)は、示差走査熱量計で測定される融点Tmが好ましくは200℃〜250℃、より好ましくは200℃〜240℃、さらに好ましくは210℃〜240℃である重合体である。
融点Tmは、示差走査熱量計(DSC)により測定される値である。4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)の融点Tmが上記範囲にあることにより、耐熱性の高いガス透過層及び第1のガス透過フィルムを得ることができる。
重合体の融点Tmは、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定される。
約5mgの重合体を測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱した。重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却した。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行なった。この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体の融点Tmとする。
重合体(D2)は、上記要件に加えてさらに、例えば特開2017−186080号公報(段落番号0076〜0077)に記載のメルトフローレート(MFR)及び密度の要件を満たすことが好ましい。
(4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)の製法)
4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)の製造方法としては、例えば、国際公開第01/27124号、国際公開14/050817号等に記載の方法を採用することができる。重合体の製造方法においては、従来公知の重合触媒を用いることができる。
<表面層>
本開示における第1のガス透過フィルムは、ヒートシール層と、ガス透過層と、表面層とをこの順で備える層構成であってもよい。
表面層は、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)50質量%〜95質量%、1−ブテン系重合体(B3)5質量%〜50質量%、及び前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)0質量%〜20質量%(好ましくは5質量%〜15質量%)を含有する。但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)及び前記1−ブテン系重合体(B3)の合計を100質量%とする。
表面層を設けることで、表面層への印刷が容易となるため好ましい。また、表面層が重合体(D3)を含むことにより、ヒートシール層よりも融点が高く、剛性が高い傾向となる。また、表面層に含まれる重合体(D3)の含有量が多いほど、表面層及び第1のガス透過フィルムのガス透過性が高くなる傾向となる。したがって、求められる第1のガス透過フィルムの性質に応じて、上記重合体(D3)の含有量を適宜調節することがよい。
(4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3))
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)としては、ヒートシール層に含まれる4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)は、上述した4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)と同様の物性を有していることが好ましい。
なお、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)と4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)とは同一であっても異なるものであってもよい。
(1−ブテン系重合体(B3))
1−ブテン系重合体(B3)としては、ヒートシール層に含まれる1−ブテン系重合体(B1−1)と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
1−ブテン系重合体(B3)は、上述した1−ブテン系重合体(B1−1)と同様の物性を有していることが好ましい。
なお、1−ブテン系重合体(B3)と1−ブテン系重合体(B1−1)とは同一であっても異なるものであってもよい。
(4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3))
4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)としては、ガス透過層に含まれる4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)は、上述した4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)と同様の物性を有していることが好ましい。
なお、4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)と4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)とは同一であっても異なるものであってもよい。
<各層の構成及びその他の層>
本開示における第1のガス透過フィルムは、ヒートシール層、及びガス透過層をそれぞれ2以上含む複数の層で構成されていてもよく、さらに表面層を含む複数の層で構成されていてもよい。
また、本開示における第1のガス透過フィルムは、本開示の効果を阻害しない範囲でヒートシール層、ガス透過層、及び表面層以外のその他の層を含んでいてもよい。
(その他の成分)
本開示における第1のガス透過フィルムは、本開示の目的を損なわない範囲内において、各層に上述の樹脂(例えば重合体(A1)(A3)、重合体(B1−1)〜(B3)、重合体(D2)(D3))以外の樹脂、添加剤等のその他の成分を含有してもよい。
添加剤としては、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、発錆防止剤、耐銅害安定剤、帯電防止剤、防曇剤等が挙げられる。
(第1のガス透過フィルムの厚さ、各層の厚さ、好ましい比率)
第1のガス透過フィルムの厚さ、各層の厚さ及び好ましい比率については、例えば、特開2017−186080号公報(段落番号0087)に記載の要件を満たすことが好ましい。
〜引張弾性率及び引張破断伸び〜
引張弾性率及び引張破断伸びについては、例えば、特開2017−186080号公報(段落番号0089〜0093)に記載の要件を満たすことが好ましい。
〔第1のガス透過フィルムの製造方法〕
本開示における第1のガス透過フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、本開示における第1のガス透過フィルムの構成成分として含まれる各層が界面付近で混ざり合うことで接着し、第1のガス透過フィルムが形成される方法が好ましい。このような方法としては、例えば、溶融させた樹脂を積層する共押出法、予め形成された樹脂フィルムを熱融着させる熱融着法等が挙げられる。これらの方法の中でも、各層(例えばヒートシール層、ガス透過層、必要に応じて表面層、その他の層)における層間接着性がより高く、層間剥離がより生じ難い第1のガス透過フィルムを形成することができる点において、溶融させた樹脂を積層する共押出法がより好ましい。
−第2のガス透過フィルム−
第2のガス透過フィルムは、プロピレン系重合体(C1)を80質量%以上含有するヒートシール層と、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)10質量%〜95質量%、1−ブテン系重合体(B2)2質量%〜30質量%、及びプロピレン系重合体(C2)3質量%〜70質量%を含有する中間層(但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)、前記1−ブテン系重合体(B2)及び前記プロピレン系重合体(C2)の合計を100質量%とする。)と、プロピレン系重合体(C3)を80質量%以上含有する表面層と、をこの順に備え、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、前記4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%〜99モル%の範囲にあり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが199℃以下であるか、又は示差走査熱量計で融点Tmが観測されない重合体であり、前記1−ブテン系重合体(B2)が、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記1−ブテンから導かれる構成単位が5モル%〜50モル%の範囲にある重合体であり、前記プロピレン系重合体(C1)、前記プロピレン系重合体(C2)、及び前記プロピレン系重合体(C3)の各々が、全構成単位に対してプロピレンから導かれる構成単位が90モル%以上である重合体である。
第2のガス透過フィルムは、プロピレン系重合体(C1)を特定の割合で含有するヒートシール層と、4−メチル−1−ペンテンを骨格に多く含む特定の4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)、1−ブテンから導かれる構成単位を特定量含有する1−ブテン系重合体(B2)、及び特定量のプロピレン系重合体(C2)を含有する中間層と、プロピレン系重合体(C3)を特定の割合で含有する表面層と、をこの順に積層した層構成とすることができる。
これにより、低温でのヒートシール性及び透明性に優れ、ガス透過性が制御された第2のガス透過フィルムが実現される。
第2のガス透過フィルムの作用機構は明確ではないが、本発明者等は、以下の如く推測している。
第2のガス透過フィルムでは、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)と、1−ブテン系重合体(B2)と、プロピレン系重合体(C2)とを特定の割合で混合して中間層を形成すると、第2のガス透過フィルムの「4−メチル−1−ペンテン系重合体とオレフィン系重合体との相溶性」が改善され、中間層中において、ガス透過性を担う4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)と、層間接着性を担う1−ブテン系重合体(B2)と、プロピレン系重合体(C2)とが適度に分散した状態で存在すると考えられる。
第2のガス透過フィルムでは、この中間層中における上記重合体(A2)、上記重合体(B2)及び上記重合体(C2)の分散状態(適度に分散した状態)が、透明性の向上に寄与していると考えられる。
また、中間層に含まれる1−ブテン系重合体(B2)が1−ブテンから導かれる構成単位を特定量含有することによって、層間接着性を高めているのみならず、上記分散状態によって、第2のガス透過フィルム(多層フィルム)としての透明性を非常に高いレベルで達成していると推定する。これにより、第2のガス透過フィルムを用いた場合の接着力が改善される。また、透明性も改善される。
また、中間層に含まれる4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)が示差走査熱量計で測定される融点Tmが199℃以下であるか、又は示差走査熱量計で融点Tmが観測されない重合体であることによって、第2のガス透過フィルムを用いた場合のヒートシール性が改善され、ヒートシール温度の低温化が実現される。
さらにヒートシール層がプロピレン系重合体(C1)を特定の割合で含有し、かつ表面層がプロピレン系重合体(C3)を特定の割合で含有することによって、低温でのヒートシール性が実現されると考えられる。また、中間層におけるガス透過性が低減され、その結果、第2のガス透過フィルムのガス透過性が制御されると考えられる。
従って、中間層の両面に、ヒートシール層及び表面層を各々積層した層構成とすることにより、ガス透過性が制御され、かつ低温でのヒートシール性及び透明性に優れた第2のガス透過フィルムが実現されると考えられる。
前述の通り、第2のガス透過フィルムは、ガス透過性が制御されたガス透過フィルムである。
上記範囲の透湿度は、各層(ヒートシール層、中間層、及び表面層)の組成を調整することでより達成しやすい。
通常、酸素透過度と二酸化炭素透過度は、透湿度と相関があるため、透湿度を調整することで上記酸素透過度と上記二酸化炭素透過度を達成しやすくなる。
第2のガス透過フィルムは、低温でのヒートシール性に優れたガス透過フィルムである。
低温でのヒートシール性は、例えば、特開2017−186080号公報(段落番号0021)に記載の方法で判断できる。また、ヒートシール温度(加熱温度)140℃、160℃又は220℃におけるヒートシール強度は、特開2017−186080号公報(段落番号0151)に記載の方法で測定する。
以下、第2のガス透過フィルムの各層について説明する。
<ヒートシール層>
ヒートシール層は、プロピレン系重合体(C1)を80質量%以上含有し、好ましくは85質量%〜95質量%含有する。なお、プロピレン系重合体(C1)の含有量(質量%)は、ヒートシール層全体に対する含有量である。
ヒートシール層がプロピレン系重合体(C1)を上記範囲で含むことにより、低温でのヒートシール性が確保される。また、中間層におけるガス透過性が低減され、その結果、第2のガス透過フィルムのガス透過性が制御される。
ヒートシール層は、さらに1−ブテン系重合体(B1−2)を1質量%〜20質量%含有することが好ましい。
1−ブテン系重合体(B1−2)としては、後述の中間層に含まれる1−ブテン系重合体(B2)と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
ヒートシール層が、1−ブテン系重合体(B1−2)を上記範囲で含有することにより、中間層との層間接着力が十分なものとなりやすい。
また、ヒートシール層が1−ブテン系重合体(B1−2)を20質量%以下で含有することは、フィルム(ヒートシール層)及び第2のガス透過フィルムの表面のべたつきを抑制する観点において好ましい。すなわち、製膜工程での不具合防止や、ヒートシール層及び第2のガス透過フィルムの取扱い性を確保する観点において好ましい。
なお、ヒートシール層は、前述の通り、1−ブテン系重合体(B1−2)を1質量%〜20質量%含有することが好ましいが、5質量%〜15質量%含有することがより好ましい。
(プロピレン系重合体(C1))
プロピレン系重合体(C1)は、全構成単位に対してプロピレンから導かれる構成単位が90モル%以上の重合体である。
プロピレン系重合体(C1)としては具体的には、プロピレンホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー等が挙げられる。好ましくはランダムコポリマーである。
プロピレン系重合体(C1)の好ましい物性は、後述する中間層に含まれるプロピレン系重合体(C2)と同様である。
プロピレン系重合体(C1)のメルトフローレート(MFR)は、フィルム(ヒートシール層)の成形性、並びに、ヒートシール層及び第2のガス透過フィルムの機械物性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましい。メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
<中間層>
中間層は、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)10質量%〜95質量%、1−ブテン系重合体(B2)2質量%〜30質量%、及びプロピレン系重合体(C2)3質量%〜70質量%を含有する。
但し、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)、1−ブテン系重合体(B2)、及びプロピレン系重合体(C2)の合計は、100質量%とする。
中間層に含まれる4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)、1−ブテン系重合体(B2)、及びプロピレン系重合体(C2)の含有比率の好ましい範囲としては、上記重合体(A2)が50質量%以上となる場合と、上記重合体(A2)が50質量%未満となる場合とに大別して考えられる。
上記重合体(A2)が50質量%以上となる場合には、上記重合体(A2)が65質量%〜95質量%、上記重合体(B2)が2質量%〜15質量%、上記重合体(C2)が3質量%〜30質量%であることが好ましい。
上記重合体(A2)、上記重合体(B2)、及び上記重合体(C2)の含有比率が上記範囲であることにより、中間層における透明性が確保され、その結果、第2のガス透過フィルムの透明性が確保される。また、層間接着力が良好になる。
上記重合体(A2)が50質量%未満となる場合には、上記重合体(A2)が10質量%〜35質量%、上記重合体(B2)が15質量%〜30質量%、上記重合体(C2)が40質量%〜65質量%が好ましい。
上記重合体(A2)、上記重合体(B2)、及び上記重合体(C2)の含有比率が上記範囲であることにより、中間層における透明性が確保され、その結果、第2のガス透過フィルムの透明性が確保される。また、層間接着力が良好になる。
(4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2))
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)については、上述の4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)と同様であり、好ましい範囲等も同様である。
なお、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%以上であると、中間層のガス透過性を確保することができる。その結果、第2のガス透過フィルムのガス透過性を制御することができる。
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が99モル%以下であると、フィルムの伸び等の機械物性が良好な中間層及び第2のガス透過フィルムを得ることができる。
(4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)の製法)
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)の製法は、上述の4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)の製法と同様である。
(1−ブテン系重合体(B2))
1−ブテン系重合体(B2)は、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位とを有する重合体である。
1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、1−ブテンから導かれる構成単位は、5モル%〜50モル%の範囲にあり、好ましくは5モル%〜35モル%の範囲にある。
1−ブテンから導かれる構成単位が5モル%以上であると、層間接着力が十分なものとなりやすい。
1−ブテンから導かれる構成単位が50モル%以下であると、中間層における透明性が高まり、その結果、透明性に優れた積層フィルムを得ることができる。
1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、エチレンから導かれる構成単位は、好ましくは5モル%〜50モル%の範囲にあり、より好ましくは5モル%〜30モル%の範囲にあり、更に好ましくは5モル%〜20モル%の範囲にある。
1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、プロピレンから導かれる構成単位は、好ましくは5モル%〜90モル%の範囲にあり、より好ましくは10モル%〜80モル%の範囲にあり、更に好ましくは40モル%〜80モル%の範囲にあり、特に好ましくは50モル%〜80モル%の範囲にある。
1−ブテン系重合体(B2)中の各構成単位の含有量は、例えば、重合反応中に添加するそれぞれの成分量によって調整することができる。1−ブテン系重合体(B2)を重合する際、エチレンおよびプロピレンは1種単独で用いてもよく、2種を併用してもよい。その比率は特に限定されない。
なお、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計は、全構成単位の通常90モル%以上であり、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。すなわち、重合体(B2)は、発明の効果を損なわない範囲であれば、1−ブテン、エチレン及びプロピレンから導かれる構成単位以外の構成単位を有してもよい。他の構成単位としては例えば炭素原子数20以下のα−オレフィンが挙げられる。前記炭素原子数20以下のα−オレフィンとしては、例えば、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。
重合体(B2)のメルトフローレート(MFR)は、フィルム(中間層)の成形性、並びに、中間層及び積層フィルムの機械物性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましい。
重合体(B2)のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
(1−ブテン系重合体(B2)の製法)
重合体(B2)の調製に用いることのできる重合触媒としては、従来公知の触媒、例えば、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号、国際公開第01/27124号、特開平3−193796号公報、又は特開平02−41303号公報に記載のメタロセン触媒等が好適である。重合体(B2)の製造方法としては、例えば、国際公開第2014/042249号、国際公開第2006/057361等に記載の方法を採用することができる。
(プロピレン系重合体(C2))
プロピレン系重合体(C2)は、全構成単位に対してプロピレンから導かれる構成単位が90モル%以上の重合体である。
プロピレン系重合体(C2)としては、プロピレンの単独重合体(ホモポリマー)であっても、プロピレンと他のモノマーとの共重合体(コポリマー)であってもよく、例えば、アイソタクティックプロピレン系重合体、シンジオタクティックプロピレン系重合体、これらの混合物等を挙げることができる。アイソタクティックプロピレン系重合体は、ホモプロピレン系重合体であっても、プロピレン・炭素数2以上20以下のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く。)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよい。
プロピレン系重合体(C2)のメルトフローレート(MFR)は、フィルム(中間層)の成形性、並びに、中間層及び第2のガス透過フィルムの機械物性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましい。
上記プロピレン系重合体(C2)のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
<表面層>
表面層は、プロピレン系重合体(C3)を80質量%以上含有し、好ましくは85質量%〜95質量%含有する。なお、プロピレン系重合体(C3)の含有量(質量%)は、表面層全体に対する含有量である。
表面層がプロピレン系重合体(C3)を上記範囲で含むことにより、中間層におけるガス透過性が低減され、その結果、第2のガス透過フィルムのガス透過性が制御される。
表面層は、さらに1−ブテン系重合体(B3)を1質量%〜20質量%含有することが好ましい。
表面層が、1−ブテン系重合体(B3)を上記範囲で含有することにより、中間層との層間接着力が十分なものとなりやすい。
また、表面層が1−ブテン系重合体(B3)を20質量%以下で含有することは、フィルム(表面層)及び第2のガス透過フィルムの表面のべたつきを抑制する観点において好ましい。すなわち、製膜工程での不具合防止や、表面層及び第2のガス透過フィルムの取扱い性を確保する観点において好ましい。
なお、表面層は、前述の通り、1−ブテン系重合体(B3)を1質量%〜20質量%含有することが好ましいが、5質量%〜15質量%含有することがより好ましい。
1−ブテン系重合体(B3)としては、上述の中間層に含まれる1−ブテン系重合体(B2)と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
なお、表面層に含まれる1−ブテン系重合体(B3)、ヒートシール層に含まれる1−ブテン系重合体(B1−2)及び中間層に含まれる1−ブテン系重合体(B2)は同一のものであっても互いに異なるものであってもよい。
(プロピレン系重合体(C3))
プロピレン系重合体(C3)は、全構成単位に対してプロピレンから導かれる構成単位が90モル%以上の重合体である。
プロピレン系重合体(C3)としては具体的には、プロピレンホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー等が挙げられる。好ましくはホモポリマーである。
プロピレン系重合体(C3)の好ましい物性(メルトフローレート等)は、前述した中間層に含まれるプロピレン系重合体(C2)と同様であることが好ましい。
なお、ヒートシール層に含まれるプロピレン系重合体(C1)、中間層に含まれるプロピレン系重合体(C2)、及び表面層に含まれるプロピレン系重合体(C3)は同一のものであっても互いに異なるものであってもよい。
<各層の構成及びその他の層>
第2のガス透過フィルムは、ヒートシール層、中間層及び表面層をそれぞれ1以上含む複数の層で構成されていてもよい。また、第2のガス透過フィルムは、第2のガス透過フィルムの効果を阻害しない範囲でヒートシール層、中間層及び表面層以外のその他の層を含んでいてもよい。
その他の層としては、例えば、ガス透過性を調整するための4−メチル−1−ペンテン重合体からなる層が挙げられる。この場合の第2のガス透過フィルムの構成は、例えば、ヒートシール層、中間層、その他の層、中間層、表面層の様な5層フィルムとなる。
第2のガス透過フィルムは3層〜5層で構成されることが好ましく、3層で構成されることが最も好ましい。
<その他の成分>
その他の成分については、上述した第1のガス透過フィルムのその他の成分と同様である。
〔第2のガス透過フィルムの厚さ、各層の厚さ、好ましい比率〕
第2のガス透過フィルムの厚さは、取り扱い性が容易である点において、10μm〜500μmであることが好ましく、10μm〜300μmであることがより好ましく、10μm〜100μmであることが更に好ましい。
ヒートシール層の厚さは、低温でのヒートシール性および層間接着性の点において、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。
ヒートシール層の厚さ(比率)は、第2のガス透過フィルム全体の厚さに対して、好ましくは1%〜40%、より好ましくは10%〜30%である。
中間層の厚さは、第2のガス透過フィルムとしての厚さが上記範囲内となれば特に制約はないが、中間層の厚さ(比率)は、第2のガス透過フィルム全体の厚さに対して、好ましくは10%〜90%、より好ましくは20%〜80%、さらに好ましくは40%〜80%である。
表面層の厚さは、好ましくは1μm〜50μmである。
また、表面層の厚さ(比率)は、第2のガス透過フィルム全体の厚さに対して、好ましくは1%〜40%、より好ましくは10%〜30%である。
〔第2のガス透過フィルムの製造方法〕
第2のガス透過フィルムの製造方法は、上述した第1のガス透過フィルムの製造方法と同様である。
本開示におけるガス透過フィルムとしては、市販品を用いてもよく、例えば、T.U.X(登録商標)(ポリエチレン、厚み25μm、30μm、40μm、50μmなど、三井化学東セロ株式会社製)等が挙げられる。
<包装材料の態様>
本発明の包装材料の態様について説明する。但し、以下に示す態様に制限されるものではない。
包装材料の態様としては、特に限定されないが、例えば上述のガス透過フィルム及び水蒸気透過フィルムを、目的に応じて加工して得た包装フィルム、包装袋が挙げられる。
包装材料としての包装袋は、例えば、上述のガス透過フィルム及び水蒸気透過フィルムを重ねあわせたものを折り曲げ、又は少なくとも2つ以上重ね合わせた後、公知の方法によりヒートシール層を熱融着(ヒートシール)することで得ることができる。
また、上述のガス透過フィルム及び水蒸気透過フィルムは、例えば容器開口部を覆う蓋材及び窓材としても利用することができる。さらに他の部材(例えば不織布、紙)と重ね合わせて又はラミネートして、例えば、包装材、包装袋、梱包体(例えば包装箱、ダンボール箱)、梱包体のガス透過材としても利用することができる。
本開示の青果物の包装材料は、上記水蒸気透過フィルムと、上記ガス透過フィルムと、を少なくとも有することが好ましい。
具体的には、(1)水蒸気透過フィルムとガス透過フィルムとを重ね合わせて積層し、青果物を包み込む包装袋とする態様であってもよい。また、(2)水蒸気透過フィルムを有する面を含む包装フィルムの一部と、ガス透過フィルムを有する面を含む包装フィルムの一部と、が接合されることで袋形状を有する態様であってもよい。中でも(2)の態様が好ましい。
上記(1)及び(2)の態様において、包装袋の形状としては特に限定されず、例えば、四方シール袋、三方シール袋、ピロー袋、ガゼット袋、スタンディングパウチが挙げられる。
包装袋の開口部を塞ぐ手段としては、特に限定されないが、例えば、ヒートシール、接着剤、テープ(例えば粘着テープ、両面粘着テープ)を使う方法;繰り返し開閉が可能なジッパーによる方法;開口部を折り畳んでテープ(例えば粘着テープ、両面粘着テープ)、接着剤等で固定する方法;開口部を束ねてゴム(例えば輪ゴム)、紐、粘着テープ、針金、結束材、クリップ等で留める方法;などが挙げられる。
なお、包装袋の開口部を塞ぐことで、包装袋内は密封されることが好ましいが、必ずしも密封されていなくてもよい。
上記以外の他の包装材料の態様としては、例えば、特開2018−075822号公報(段落番号0103〜段落番号0137)に記載の態様A〜態様Fが挙げられる。
<青果物>
本開示において、青果物には、野菜(青物)と果物とが含まれる。
野菜としては特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。ホウレンソウ、レタス、キャベツ、ハクサイ、コマツナ、チンゲンサイ、オオバ、ミズナ、パセリ、セロリ、セリ、ネギ、トマト、ミニトマト、ナス、カボチャ、ピーマン、キュウリ、ミョウガ、カリフラワー、ブロッコリー、シュンギク、タマネギ、アスパラガス、ウド、フキ、ゴボウ、ニンジン、ダイコン、ラディッシュ、カブ、ナガイモ、ヤマイモ、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、レンコン、オクラ、カボチャ、ゴーヤ、トウモロコシ、エダマメ、サヤエンドウ、ソラマメ、サヤインゲン。
果物としては特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。カリン、ナシ、リンゴ、アメリカンチェリー、サクランボ、ウメ、アンズ、スモモ、モモ、イチジク、カキ、キウイフルーツ、クランベリー、ブドウ、ブルーベリー、ブラクベリー、ラズベリー、ビワ、ヤマモモ、イチゴ、スイカ、メロン、マンゴー、パパイヤ、パッションフルーツ、パイナップル、柑橘類、桜桃及びアボガド。
本開示における青果物は、上記の中でも、ブドウであることが好ましく、ブドウの中でもマスカットであることがより好ましく、マスカットの中でもシャインマスカットであることが更に好ましい。
以下、本開示を実施例により更に具体的に説明するが、本開示はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
なお、本実施例において、包装フィルム(ガス透過フィルム及び水蒸気透過フィルム)の透湿度、酸素透過度、及び二酸化炭素透過度は、上述の測定方法と同様の方法により測定した。
<実施例1〜実施例6、並びに、比較例1、比較例2及び比較例4>
(包装材料の製造)
表1に記載のガス透過フィルム及び水蒸気透過フィルムを、長さ260mm×幅380mmに切断した。
切断後のガス透過フィルム及び水蒸気透過フィルムを、表1に記載の組合せで用いて、ガス透過フィルム及び水蒸気透過フィルムを重ね合わせた後、3辺をスタンドシーラー(型番:NL−453PS−5、石崎電機製作所)を用いて熱融着(ヒートシール)し、方形の包装袋(有効サイズ:長さ260mm×幅380mm)を作製した。
作製した包装袋に、シャインマスカット1個を詰めた後、ヒートシールしていない1辺を、温度5℃、湿度85%RHの環境下、ヒートシールして密閉し、シャインマスカットが包装された包装材料を得た。
なお、ガス透過フィルム又は水蒸気透過フィルムの二酸化炭素透過度、酸素透過度及び透湿度、並びに、包装材料全体としての二酸化炭素透過度、酸素透過度及び透湿度は、表1に記載した。
(シャインマスカットの保存)
上記で得られた包装材料を、温度5℃及び相対湿度88%に保持された部屋に保存した。
保存に際しては、包装材料の上に物が載ったり、包装材料にファンの風が直撃したりしないように、包装材料を静置した。
<比較例3>
シャインマスカットを包装しなかった以外は、実施例1〜実施例6、並びに、比較例1、比較例2及び比較例4と同様の方法でシャインマスカットを保存した。
(評価)
保存を開始して4週間、6週間、又は9週間が経過した際に、シャインマスカットの品質を評価した。評価の項目、評価方法、及び評価基準を以下に示す。また、評価結果を表1に示す。
〔重量の減少〕
保存前のシャインマスカットに対する、保存後4週間経過した際、及び、6週間経過した際のシャインマスカットの重量の残存率(%)を算出して、重量の減少の指標とした。結果を表1に記載した。
なお、シャインマスカットの重量の残存率は、保存後4週間又は6週間経過した際のシャインマスカットの重量を、保存前のシャインマスカットの重量で除した値に、100を積算した値とした。
〔軸枯れ〕
保存後4週間経過した際の軸の枯れについて下記の評価基準に従って評価し、青果物の枯れを評価した。結果を表1に示す。なお、軸とは、青果物における果実以外の部分をいう。また、枯れは、軸が、乾燥して変色した、又は、乾燥して弾力を失った状態であるか否かによって判断した。
−評価基準−
4:枯れていない。
3:シャインマスカットの軸全体の10%以下が枯れている。
2:シャインマスカットの軸全体の10%超50%未満が枯れている。
1:シャインマスカットの軸全体の50%以上が枯れている。
〔カビ発生率〕
保存後9週間経過した際のシャインマスカットにおけるカビの発生率を算出し、青果物における微生物の増殖の指標とした。
カビの発生率は、カビが発生した粒数を1房あたりの粒数で除した値に、100を積算した値とした。結果は表1に記載した。
包装体内の二酸化炭素濃度、酸素濃度及び湿度(相対湿度)は、温度5℃、湿度85%RHの環境下で、340時間保存した際の値である。
表1中の記載の詳細は以下の通りである。
・PE T.U.X(登録商標)(ポリエチレン、厚み25μm、三井化学東セロ株式会社製)
・M10(第2のガス透過フィルム) 特開2018−075822号公報の実施例11の製造方法と同様の製造方法で製造したフィルム(厚み50μm)である。
・M20(第2のガス透過フィルム) 特開2018−075822号公報の実施例12の製造方法と同様の製造方法で製造したフィルムである。なお、共押出を行う際に、表面層/ガス透過層/ヒートシール層の厚みの比率を10/30/10として、M20全体の厚みが50μmとなるように調整した。
・M30(第1のガス透過フィルム) 特開2018−075822号公報の実施例1の製造方法と同様の製造方法で製造したフィルムである。なお、共押出を行う際に、表面層/ガス透過層/ヒートシール層の厚みの比率を15/20/15として、M30全体の厚みが50μmとなるように調整した。
・P−プラス(厚み25μm、住友ベークライト株式会社製)
・Ny エンブレム(登録商標)(厚み25μm、ナイロン、ユニチカ株式会社製)
・OPP 太閤ポリプロAF−842#30(二軸延伸ポリプロピレンフィルム、厚み30μm、フタムラ化学株式会社製)
本実施例において、包装材料全体としての透湿度(単位:g/m・day)、酸素透過度(単位:ml/(m・day・atm))、及び二酸化炭素透過度(単位:ml/(m・day・atm))は、下記の方法により測定した。
(包装材料全体としての透湿度の測定方法)
まず、包装フィルムをシール加工によって袋形状(表面積約0.005m)にした包装材料を作製し、上記包装材料の内部に吸湿剤(乾燥シリカゲル)を約15g封入した。次に、40℃、90%RHの恒温恒湿装置内で、上記吸湿剤を内部に含む包装材料を2日間静置した後、24時間毎に重量を繰り返し計測した。
そして、重量変化量がグラフ上で直線的となったことを確認した後、最後に計測した重量から24時間(1日)あたりの重量変化量(g/day)を求め、上記重量変化量を試料の表面積(m)で除した値を包装材料全体としての透湿度とした。
(包装材料全体としての酸素透過度、二酸化炭素透過度の測定方法)
まず、包装フィルムを袋形状(表面積約0.005m)にシール加工を行い、得られた包装材料に混合ガス(窒素20体積%、酸素10体積%、二酸化炭素70体積%)を封入し、封入直後の酸素、及び二酸化炭素の濃度を測定した。その後23℃環境下で1時間保管した後、再び包装材料内の酸素及び二酸化炭素の濃度を測定した。
得られた酸素及び二酸化炭素の濃度を用いて、以下の式により酸素透過度、二酸化炭素透過度を算出した。
なお、酸素及び二酸化炭素はChecPoint3(MOCONEurope社製)を使用して測定した。
O2 ={24/((21−CO20))×((CO2t−CO20))/((t×s))×v}
CO2={24/((0−CCO20))×((CCO2t−CCO20))/((t×s))×v}
上記式中の記号の詳細は以下の通りである。
O2:23℃の酸素透過量(ml/(m・day・atm))
CO2:23℃の二酸化炭素透過量(ml/(m・day・atm))
O2t:混合ガス充填時から経時時間t時間後の包装内の酸素濃度
CO2t:混合ガス充填時から経時時間t時間後の包装内の二酸化炭素濃度
O20:混合ガス充填直後の包装内の酸素濃度
CO20:混合ガス充填直後の包装内の二酸化炭素濃度
v:充填した混合ガスの量(ml)
t:混合ガス充填直後から経過時間(h)
s:包装袋の内側の表面積(m
表1に示す通り、実施例1〜実施例6は、微生物の増殖を良好に抑制し、青果物の枯れを良好に抑制できていた。
一方、包装材料内の二酸化炭素濃度が5%超である比較例1は、青果物の枯れがより進行しやすかった。また、味が薄く食味が劣っていた。また、包装材料内の湿度が86%RH未満である比較例1及び比較例3、包装材料内の湿度が100%RH以上である比較例2及び比較例4、並びに、酸素濃度が15%未満である比較例4は、微生物の増殖を抑制できていなかった。

Claims (5)

  1. 青果物を包装して温度5℃、湿度85%RH〜90%RHの条件で340時間保管した場合に、包装材料内における、
    湿度が86%RH以上100%RH未満であり、二酸化炭素濃度が0.5%〜5%であり、酸素濃度が10%〜18%である、青果物の包装材料。
  2. 温度40℃、湿度90%RHの条件下における透湿度が10g/m・day〜120g/m・dayであり、
    温度23℃、湿度90%RHの条件下において、二酸化炭素透過度が3000ml/m・day・atm〜24000ml/m・day・atmであり、酸素透過度が1500ml/m・day・atm〜15000ml/m・day・atmである青果物の包装材料。
  3. 温度40℃、湿度90%RHの条件下における透湿度が5g/m・day〜300g/m・dayである水蒸気透過フィルムと、
    温度23℃、湿度90%RHの条件下において、二酸化炭素透過度が2500ml/m・day・atm〜80000ml/m・day・atmであり、酸素透過度が1000ml/m・day・atm〜30000ml/m・day・atmであるガス透過フィルムと、を少なくとも有する請求項1又は請求項2に記載の青果物の包装材料。
  4. 前記水蒸気透過フィルムを有する面を含む包装フィルムの一部と、前記ガス透過フィルムを有する面を含む包装フィルムの一部と、が接合されることで袋形状を有する請求項3に記載の青果物の包装材料。
  5. 前記青果物がブドウである請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の青果物の包装材料。
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