JPS646733B2

JPS646733B2 -

Info

Publication number: JPS646733B2
Application number: JP14018080A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Isaka; Hiromu Nagano; Saburo Oota
Original assignee: Toyobo Co Ltd
Current assignee: Toyobo Co Ltd
Priority date: 1980-10-06
Filing date: 1980-10-06
Publication date: 1989-02-06
Also published as: JPS5765133A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、合理的な果実の包装法に関するもの
である。従来より成育期間中の果実を保護育成する目的
で紙袋をかぶせることが広く一般に行われてい
る。また、これとは別に摘果後、商品価値を高める
とともに、新鮮さを維持するために、しばしば透
明なプラスチツクフイルムで包装して流通され
る。しかしながら、このような２回の袋がけは大
変大きな労力を要し、合理的でなかつた。本発明はこのような２回の袋がけを１回の袋が
けによつて２回の袋がけをしたと同じような目的
を達成しようとする従来にない新しい合理的な果
実の包装方法、および鮮度低下防止効果および見
栄え低下防止効果をあわせ有する包装方法を提供
するものである。すなわち、果実の成育期間中に、果実部を最内
層がヒートシール性および防曇剤を含有すること
による防曇性を有する二層以上の多層複合層から
なる透明複合プラスチツクフイルムで形成された
袋で被覆し、成育後、その袋のまま果実を摘み取
り、出荷する果実の包装法である。本発明の包装法に用いられるプラスチツクフイ
ルムは、ポリ塩化ビニル、ポリオレフイン、ポリ
エステル、ポリカーボネート、脂肪族ポリアミ
ド、ポリアクリロリトリルなどの熱可塑性合成樹
脂から形成されたフイルムの中から適宜選択され
た二層以上の多層積層複合フイルムである。また、これらのフイルムは、未延伸、一軸延伸
あるいは二軸延されていてもよい。また、果物の
成育中ならびに摘果後も果実からは水分の蒸散が
活発に行なわれている。このため、これらのフイ
ルムの内面に、防曇性を付与させることが必要で
ある。防曇性は上記熱可塑性樹脂に防曇剤、例えば多
価アルコールの脂肪酸エステル類、高級脂肪酸の
アミン類、高級脂肪酸のアマイド類、高級脂肪酸
のアミンやアマイドにエチレンオキサイドを付与
すれば得られる。その添加量は、フイルム構成成
分中樹脂量に換算して0.1〜10％が適当であり、
好ましくは0.2〜５％である。しかしこれらの防
曇剤の種類は特に限定されるものではない。こう
することによつて、防曇性が付与されるととも
に、制電性、滑り性が改質される。本発明で用い
られるプラスチツクフイルムは、最内層がヒート
シール性および防曇剤を含有することによる防曇
性を有する二層以上の多層複合フイルムである。
このような多層複合層フイルムは、共押出しある
いはインラインラミ法により得られるのが好まし
いが、これらの方法は特に本発明を限定するもの
ではない。最内層のフイルムはヒートシール性を
有する熱可塑性樹脂、例えばポリオレフイン、ポ
リエステル、ポリアミドなどにより形成される
が、特にポリオレフイン系樹脂を主体とするもの
が好ましい。例えば次の如き組成のオレフイン系
共重合体を主成分とすることによつて、フイルム
の外観特性を損なうことなく製膜することができ
る。エチレン・プロピレン共重合体（エチレン含有量
２〜5wt％）プロピレン・ブテン−１共重合体（ブテン−１含
有量５〜30wt％）エチレン・ブテン−１共重合体（エチレン含有量
１〜10wt％）エチレン・プロピレン−ブテン−１共重合体エチレン−アクリル酸共重合体エチレン−アクリル酸系共重合体を金属化したア
イオノマーまた、ポリエチレンにこれらのオレフイン系共
重合体を１種または２種混合してもよく、また、
オレフイン共重合体を２種以上混合してもよい。
更に、ポリブテン−１を上記オレフイン共重合体
の１種または２種以上のものと混合使用してもよ
い。最内層には、更に前述した如き防曇剤を添加し
て防曇性を付与させる。この場合の防曇剤の添加
量は全層換算で0.1〜10重量％、特に0.2〜５重量
％が好ましく、最内層構成成分中で50重量％以下
が好ましい。さらに、耐候剤、すべり剤など種々の添加剤を
配合してもよい。上記最内層フイルムは未延伸、
一軸延伸あるいは二軸延伸されたフイルムであ
る。外層は最内層を構成する熱可塑性樹脂より高融
点の重合体を主体とする樹脂で形成されており、
例えば、ポリオレフイン、ポリエステル、ポリア
ミドなどが示されるが、特に、ポリプロピレン系
樹脂が好ましい。ポリプロピレン系樹脂として
は、アイソタクチツクポリプロピレンのほか、プ
ロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテ
ン共重合体などであつてもよい。また、２種以上の重合体の混合物あるいはさら
に各種添加剤を添加した組成物で形成されてもよ
い。上記外層フイルムは未延伸、一軸延伸あるい
は二軸延伸されたフイルムであるが、特に二軸延
伸フイルムであるのが好ましく、透明性および適
度の腰があるという点で二軸延伸ポリプロピレン
フイルムを用いるのが好ましい。本発明で用いる複合フイルムの厚みは、15〜
60μが適当であり、好ましくは20〜30μである。
複合フイルムの最内層の全フイルム厚みに対する
比率は0.1〜30％にするのが好適である。さらに、
好ましくは0.3％〜15％である。複合フイルム中
の最内層の占める厚み比率を上記の如く小さくす
れば、該複合フイルムはフイルムとしての光沢、
透明性は良好となる。また、該複合フイルムは、
外層のフイルムが二軸延伸されている場合は、縦
横方向に分子鎖が配向しているため、未配向フイ
ルムに比較して、腰があり、制電性に優れ、包装
時の作業性にすぐれており、省力化が可能にな
る。また、同じ厚みのフイルムとしては、外層が
二軸延伸ポリプロピレンフイルムの場合は、光
沢、透明性にすぐれており、果実を摘み取り、出
荷後の包装品の見ばえが非常に良好となる。ま
た、プラスチツクフイルムは、透明であることが
必要であるが、必ずしも無色の必要はなく、有色
であつてもよい。以上述べた如きプラスチツクフイルムにより、
袋を形成し、果実の成育期間中に被覆する。袋の
大きさは、果実の成育をさまたげない程度の寸法
に予め製袋しておくことが必要である。また、袋
には、果実の成育を妨げないよう通気孔を形成し
ておくことが好ましい。通気孔の大きさ、個数は
包装される果物の種類、成育期、産地などにより
適宜選択されるが、フイルム面に直径が0.5mm〜
15mm、好ましくは２mm〜８mmの小孔を全表面積に
対し、0.05％〜10％、好ましくは１％〜0.2％の
開孔面積率となるように均一に分布させて開孔し
てもよい。袋の形状は三方シール袋、ガゼツト袋
など適宜にものでよく、予め、製袋機により製袋
されている。包装される果物は、ぶどう、梨、
桃、りんごなどであるが、特にぶどうに対して本
発明の包装法を適用すると効果が大きい。果物被
覆後の袋口の口封は、粘着剤による粘着でもよ
く、また、絞り込みによるテープ止めあるいはひ
も、針金などで結束してもよく、果物の種類ある
いは袋掛けの環境などにより適宜選択すればよ
い。また、本発明に用いる多層複合フイルムで形成
された袋を用いると、いずれかの層のポリマーに
含有した防曇剤が最内層のヒートシール性ポリマ
ーの表面からにじみ出す役割を果し、最内層表面
に常に防曇剤の薄層を形成させるため、従来周知
である単層の防曇剤を含有した防曇性フイルムお
よび防曇剤を塗布した防曇性フイルム等で形成さ
れた袋と比較して、非常に優れた防曇性および防
曇持続性を発揮する。したがつて、本発明に用い
る袋で果実を被覆すると、成育中ならびに摘果後
における果実からの水分の蒸散が滴状に袋内面に
付着することなく、水膜となり、又、その性能が
成育中から摘果後に店頭に置かれるまでの長期間
にわたり持続する。その為に果実は成育中に光の
透過が良好となり、成長が増進されるだけでな
く、成育中から店頭に置かれるまでの長期間にわ
たり、袋内面の水滴と接触している部分が腐敗す
るということもなくなり、又、店頭での見ばえも
良く商品価値も向上する。このため、果実成育時
に袋がけしておれば出荷時に袋がけを再度行なう
必要がなく、労力を軽減され、省力化される。ま
た、保育、出荷を通して当初のプラスチツクフイ
ルム袋で果実は一貫して保護されるので、果実の
傷やいたみが少なく、鮮度保持性がそれだけ大き
くなり、商品価値が高くなるという効果も大き
い。実施例・比較例硬核期のぶどう（ベリーＡ）100房の果実部を
高級脂肪酸アマイド系防曇剤を５％含有するエチ
レン・プロピレン系共重合体（エチレン含有量
4wt％）層とポリプロピレン層との積層二軸延伸
フイルム（厚み２／23μ）である構成の複合フイ
ルム製袋で被覆した。該袋は150×200mmの大きさ
であり、その三方がヒートシールされ、且つ、袋
面に直径５mmの小孔が６コ穿孔されている。果実
成熟後、袋で被覆したまま果実を摘果した。（実
施例）一方、上記複合フイルム製袋で被覆する代
わりに新聞紙により形成された150×200mmの袋
（孔なし）で硬核期のぶどう（ペリーＡ）を被覆
した。その他の成育条件は実施例と同一条件とし
た。果実成熟後、摘果し、摘果１日後、低密度ポ
リエチレンフイルム50μよりなり、実施例と同一
形状の袋に一房ずつ入れて包装した。（比較例
１）。また高級脂肪酸アマイド系防曇剤を１％含
有するポリプロピレン二軸延伸フイルム（厚み
25μ）で作られた以外は上記実施例と同一形状の
袋で同一の状態でぶどうを被覆、成育させ摘果し
た（比較例２）。また、高級脂肪酸エステル系防曇剤を0.5ｇ／
m²塗布したポリプロピレン二軸延伸フイルム（厚
み25μ）で、塗布面を内にして作られた以外は上
記実施例と同一形状の袋で同一の状態でぶどうを
被覆、成育させ摘果した（比較例３）。各々のぶ
どうを摘果後10日目に包装袋から取出し、実施例
と比較例の鮮度を点検比較、並びに10日目の包装
袋の防曇性を点検比較したところ次のようであつ
た。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】

１果実の成育期間中に、果実部を最内層がヒー
トシール性および防曇剤を含有することによる防
曇性を有する二層以上の多層複合層からなる透明
複合プラスチツクフイルムで形成された袋で被覆
し、成育後該袋のまま果実を摘み取り、出荷する
ことを特徴とする果実の包装法。