JP2968884B2 - 熱収縮性フィルム - Google Patents

熱収縮性フィルム

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JP2968884B2
JP2968884B2 JP4089509A JP8950992A JP2968884B2 JP 2968884 B2 JP2968884 B2 JP 2968884B2 JP 4089509 A JP4089509 A JP 4089509A JP 8950992 A JP8950992 A JP 8950992A JP 2968884 B2 JP2968884 B2 JP 2968884B2
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茂男 藤谷
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱収縮性フィルムに関す
る。さらに詳しくは、本発明の熱収縮性フィルムは、延
伸工程において延伸性に優れ、かつ透明性、耐引裂性、
流滴性、スリップ性、熱収縮性、耐熱性、耐引張性、ヒ
ートシール性等に優れ、しかもフィルムに適度の腰があ
り、食品、家庭用品、電子部品、機械部品、建築資材、
農業資材、玩具等の包装用フィルムとしての使用に適し
ている。
【0002】
【従来の技術】熱収縮性フィルムは、部分結晶性熱可塑
性フィルムを1軸または2軸に延伸配向させたフィルム
であり、該フィルムで物品をラフに包装した後、加熱装
置(収縮トンネル)で加熱して前記フィルムを収縮さ
せ、物品の形状にそって密着させることにより、タイト
な包装を行う熱収縮包装に使用されるもので、ストレッ
チ包装、ラップ包装、スキン包装のためのフィルムとは
異なるものである。
【0003】従来、熱収縮性フィルムとしては、ポリ塩
化ビニル系ポリマー、高圧法ポリエチレン、直鎖状低密
度エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン
等の単層フィルムまたは積層フィルムが一般に使用され
ている。
【0004】しかしながら、上記の素材からなる従来の
熱収縮性フィルムはそれぞれ次のような欠点を有するた
め、良好な包装用熱収縮性フィルムとはいえなかった。 ・ポリ塩化ビニル系ポリマー:溶断シール部の衝撃強度
が低く、また溶断シール時および使用後の焼却時に塩素
ガスを発生する。 ・高圧法ポリエチレン:延伸性が悪く、フィルム強度が
低い。融点がやや低いので加熱収縮時にフィルム同士が
熱融着してフィルム包装が美麗に仕上がらず、また、被
包装物品と熱融着するおそれがある。さらに、フィルム
の透明性、熱収縮性等に劣る。 ・直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体:こ
れは密度0.910〜0.940g/mlの重合体であ
り、引張強度、引裂強度、衝撃強度等の機械的特性や耐
熱性に優れているものの、溶融押出時の負荷が大きく成
膜性に問題があり、また、フィルムの縦方向と横方向の
機械的強度のバランスがとれておらず、延伸性も悪く、
均一に熱収縮せず、透明性も劣る。得られない。 ・エチレン−酢酸ビニル共重合体:フィルムの透明性、
自己粘着性、延伸性は良好であるが、機械的強度、腰の
強さ、耐熱性等の点で問題がある。 ・高密度ポリエチレン:熱融着はしないものの、熱収縮
性が不十分であり、透明性に劣る。 ・ポリプロピレン:透明性、光沢、防湿性等に優れてい
るものの、溶断シール部の衝撃強度が低く、重量物の包
装に適していない。 一方、上記の素材を多層体として、それぞれの長所を生
かし、短所を補った熱収縮性フィルムも数多く提案され
ているが、未だ十分なものは知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、広い延伸温
度範囲を有し、延伸中にフィルムの切断がなく、透明
性、耐引裂性、流滴性、スリップ性、熱収縮性、耐熱
性、耐引張性、ヒートシール性等に優れ、しかもフィル
ムに適度の腰がある熱収縮性フィルムの提供を課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はフィルム素材
として種々のものについて検討した結果、熱収縮性フィ
ルムには従来使用されたことのない密度0.910g/
ml以下の超低密度直鎖状エチレン−α−オレフィン共
重合体と特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体とを用い
て製造した積層フィルムにより上記課題が解決されるこ
とを見出し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち本発明は、メルトフローレート
0.1〜5g/10分、密度0.910g/ml以下の
超低密度直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体また
は該共重合体97〜80重量%とメルトフローレート
0.1〜5g/10分、酢酸ビニル含有量3〜15重量
%のエチレン−酢酸ビニル共重合体3〜20重量%の組
成物からなる中間層と、メルトフローレート0.3〜5
g/10分、酢酸ビニル含有量5〜20重量%、融点
(MP,単位℃)と酢酸ビニル含有量(VA,単位重量
%)とが次式:MP=114−1.44VAで表される
関係にあり、重量平均分子量(Mw )と数平均分子量
(Mn )との比率(Mw /Mn )が4未満であるエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体からなる両外層とから構成され
る共押出積層フィルムを延伸してなる熱収縮性フィルム
に関する。
【0008】本発明において、超低密度直鎖状エチレン
−α−オレフィン共重合体(以下、VLDPEとも記載
する)とは、上記のように、メルトフローレート0.1
〜5g/10分、密度0.910g/ml以下のもので
ある。このVLDPEとして好ましいものは以下のエチ
レン共重合体の連続製造方法:流動床反応帯域中で10
〜80℃の温度かつ7000kPa以下の圧力にて、
(a)高級α−オレフィン:エチレンのモル比が0.3
5:1〜8.0:1である、エチレンおよび炭素原子数
3〜8の少なくとも1種の高級α−オレフィンと、
(b)少なくとも25モル%の少なくとも1種の希釈ガ
スとを含有する気体混合物を、次式: Mgm Ti(OR)n p 〔ED〕q (式中、Rは炭素原子数1〜14の脂肪族もしくは芳香
族炭化水素基または基COR’を表し、R’は炭素原子
数1〜14の脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、X
は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびその混合物か
らなる群から選択され、EDは脂肪族または芳香族酸の
アルキルエステル、脂肪族エーテル、環式エーテルおよ
び脂肪族ケトンからなる群から選択される有機電子供与
化合物を表し、mは0.5〜56であり、nは0、1ま
たは2であり、pは2〜116であり、qは2〜85で
ある。)で表される先駆体組成物からなる触媒系の粒子
と連続的に接触させ、前記先駆体組成物を不活性キャリ
ア材料で希釈すると共に次式: Al(R')d X' e f (式中、X’は塩素原子または基OR”を表し、R’お
よびR”は炭素原子数1〜14の飽和炭化水素基を表
し、eは0〜1.5であり、fは0または1であり、d
+e+f=3である。)で表される有機アルミニウム化
合物で完全に活性化させ、上記活性化化合物を前記反応
帯域中おける全アルミニウム:チタンのモル比が10:
1〜400:1となるような量で使用する、により製造
されたものであり、その製法は特開昭59−23001
1号公報に詳細に説明されている。
【0009】本発明において使用されるVLDPEのメ
ルトフローレート(MFR)は0.1〜5g/10分で
あり、0.1g/10分未満ではフィルムの成膜が困難
であり、5g/10分を越えるとフィルムの耐突き刺し
強度、引張強度、熱収縮力等が不十分となる。またVL
DPEの密度は0.910g/ml以下であり、これを
越えると結晶化度が上昇し、フィルムの透明性が悪くな
り、また、フィルム縦横の配向性のバランスがくずれ熱
収縮が均一に行われず望ましくない。
【0010】本発明において中間層に使用されてもよい
エチレン−酢酸ビニル共重合体のMFRは0.1〜5g
/10分であり、0.1g/10分未満であるとフィル
ムの成膜が困難になり、5g/10分を越えるとフィル
ムの突き刺し強度、引張強度、熱収縮力等が不十分とな
る。また、この共重合体の酢酸ビニル含有量は3〜15
重量%であり、3重量%未満であると透明性や低温熱収
縮性が不十分で、15重量%を越えるとフィルムの耐突
き刺し強度、引張強度、熱収縮力等が不十分となる。
【0011】中間層はVLDPE単独で構成されていて
もよいし、また、VLDPE97〜80重量%とエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体3〜20重量%との組成物から
構成されてもよい。エチレン−酢酸ビニル共重合体を配
合した場合、フィルムの透明性、低温熱収縮性、延伸性
がより改善され、コストが低下する。エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体の配合量が3重量%未満では改善効果が低
く、20重量%を越えるとフィルムの耐突き刺し強度、
引張強度、熱収縮力等が不十分となり、望ましくない。
【0012】本発明において中間層に使用されているV
LDPEの代わりに、従来、熱収縮性フィルムの素材と
して使用されてきたポリマー、例えばポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニル、高圧法ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブタジエン、密度0.91g/ml以上の直
鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体(いわゆるL−
LDPE)等を中間層として使用した場合、本発明のよ
うな優れた性能を有する熱収縮性フィルムは得られな
い。すなわち、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル等
は塩素を含んでいるので、ヒートシール時や焼却時に塩
素発生の問題があり、高圧法ポリエチレン、ポリプロピ
レン、L−LDPEは透明性、柔軟性、低温特性等に問
題があり、ポリブタジエンはコストが非常に高く、引裂
強度、耐熱性、耐油性等も十分ではない。
【0013】本発明において、両外層はMFR0.3〜
5g/10分、酢酸ビニル含有量5〜20重量%、融点
(MP,単位℃)と酢酸ビニル含有量(VA,単位重量
%)とが次式:MP=114−1.44VAで表される
関係にあり、重量平均分子量(Mw )と数平均分子量
(Mn )との比率(Mw /Mn )が4未満であるエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体から構成される。このエチレン
−酢酸ビニル共重合体は同一の酢酸ビニル含有量を有す
る一般のエチレン−酢酸ビニル共重合体に比べ融点が2
〜5℃高く、優れた耐熱性を示す。また、Mw /Mn
4未満であることにより、フィルムの耐突き刺し強度、
引張強度、熱収縮力、耐熱性等が高まる。MFRが0.
3g/10分未満であるとフィルムの成膜性が悪く、5
g/10分を越えるとフィルムの引張強度、耐突き刺し
性等が不十分であり、望ましくない。酢酸ビニル含有量
が5重量%未満ではフィルムの透明性、ヒートシール
性、延伸性、低温収縮性等が不十分であり、20重量%
を越えるとフィルムの耐突き刺し強度、引張強度、耐ブ
ロッキング性等が不十分となり、望ましくない。
【0014】本発明において、両外層を構成するエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体には流滴剤、例えばグリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、エチレンオキサイド付加物を配合することが好
ましいが、その好ましい配合量は上記共重合体100重
量部に対して0.1〜3重量部である。0.1重量部未
満であると、流滴効果が発現せず、3重量部を越えると
フィルム表面がべとつき、ブロッキングを起こしたり、
埃が付着し、透明性が悪化する。
【0015】また、両外層を構成するエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体にはスリップ剤および/またはアンチブロ
ッキング剤を配合することが好ましいが、その好ましい
配合量は上記共重合体100重量部に対して0.03〜
2重量部である。スリップ剤としては脂肪酸アミド、例
えばステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルア
ミド、エルカアミド、メチレンビスステアロアミドまた
はエチレンビスステアロアミド等、高級脂肪酸、例えば
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジ
ン酸もしくはベヘニン酸等またはこれらのカルシウム塩
もしくはマグネシウム塩等を挙げることができる。アン
チブロッキング剤には、例えばワックス、パラフィン、
シリカゲル粉末、ゼオライト粉末、タルク粉末等があ
る。
【0016】本発明の熱収縮性フィルムは、中間層およ
び両外層となる各樹脂組成物を用いて共押出成形機によ
り、例えばサーキュラーダイを用いるインフレーション
法、フラットダイを用いるTダイ法等の公知の方法によ
り積層した後に、要求される熱収縮性に応じて、1軸ま
たは2軸に方向あたり2〜10倍程度に延伸することに
より製造される。
【0017】本発明の熱収縮性フィルムの厚さは通常1
0〜50μmであり、好ましくは12〜20μmであ
る。10μmより薄いと、取扱いが不便で、強度的にも
不十分となる。50μmを越えても熱収縮性フィルムと
して性能的に問題はないが、コストの面で不利となる。
中間層の厚さは通常3〜30μmであり、好ましくは5
〜15μmである。3μmより薄いと、熱収縮性フィル
ムの耐熱性、機械的強度等が不十分となる。30μmを
越えると透明性に劣り、コストの面でも不利となる。両
外層の厚さは各々通常2〜20μmであり、好ましくは
5〜15μmである。2μmより薄いと、透明性をフィ
ルムに付与することができず、望ましくない。20μm
を越えると、フィルムの耐熱性、機械的強度を損ない望
ましくない。
【0018】本発明の熱収縮性フィルムは延伸前に架橋
処理を行ってもよい。架橋処理を行うと、延伸性、耐熱
性、引張強度、透明性、熱収縮力等が改善される。架橋
方法としてはパーオキサイドによる架橋、水架橋、放射
線照射による架橋等があるが、放射線照射による架橋が
好ましい。
【0019】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1 下記の中間層および両外層の原料を使用してインフレー
ション法によりまず積層フィルムを製造し、次に延伸し
て熱収縮性フィルムとした。原料 中間層:密度0.906g/ml、メルトフローレート
(MFR)1.0g/10分である気相低圧法で製造さ
れたエチレン−ブテン−1共重合体(商品名FG−08
2,日本ユニカー製)を使用した。 両外層:MFR1.5g/10分、酢酸ビニル含有量9
重量%、融点101℃、分子量分布(Mw /Mn )3.
3のエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名FB−76
1,日本ユニカー製)100重量部に、スリップ剤とし
てエルカアミド0.5重量部および流滴剤(グリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびこれ
らのエチレンオキサイド付加物の混合物)1.5重量部
からなる樹脂組成物を使用した。インフレーションフィルムの製造 下記の装置および条件で共押出・急冷却してインフレー
ションフィルムを製造した。 ・押出装置:株式会社プラコー製のインフレーションフ
ィルム加工装置(口径40mm×3台,L/D28) ・環状3層ダイ:φ150mm,ダイキャップ1.5m
m ・冷却装置:シングルリップストレートおよびコニカル
カラー付 ・吐出量:45kg/hr ・ダイス温度:180℃ ・ブロー比:3.0製造された積層フィルム 中間層および両外層の厚さ全て21μmであった。熱収縮性フィルムの製造 この積層フィルムを2軸延伸機で縦方向は80℃にて2
倍、横方向は100℃にて2倍に延伸し、フィルムに弛
緩を与えながら、熱固定を行い、厚さ15μmの熱収縮
性フィルムとした。熱収縮性フィルムの評価 ・引裂強度:縦方向22kg/cm,横方向47kg/
cmであり、実用性は十分ある。 ・霞度(JIS K−6714に従って測定):1.1
であり、透明性は非常に高い。 ・熱収縮率: 90℃(縦方向13%,横方向20%) 100℃(縦方向29%,横方向44%) 110℃(縦方向33%,横方向48%) 120℃(縦方向44%,横方向56%) 低温収縮性が特に優れており、実用性は十分ある。 ・引張強度:縦方向463kg/cm2 ,横方向426
kg/cm2 であり、両方向とも十分に高い。 ・伸び:縦方向230%,横方向238%であり、十分
に高く、縦方向および横方向でバランスがとれている。 ・1%モジュラス:縦方向889kg/cm2 ,横方向
1067kg/cm2 。 ・光沢(60°):131であり、十分に高い。
【0020】比較例1 実施例1における中間層の密度0.906g/mlのエ
チレン−ブテン−1共重合体に代えて、密度0.920
g/ml、MFR2.5g/10分のエチレン−ブテン
−1共重合体(商品名TUF−2060,日本ユニカー
製)を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。フ
ィルムの霞度が2.3で透明性に劣り、延伸性も悪かっ
た。90℃における熱収縮率は縦方向8%、横方向15
%で、低温収縮率が低かった。
【0021】比較例2 実施例1における中間層の密度0.906g/mlのエ
チレン−ブテン−1共重合体に代えて、高圧法低密度ポ
リエチレン(商品名NUC−8506,日本ユニカー
製)を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。フ
ィルムの霞度が2.1で透明性に劣り、延伸性も悪く、
実用性はないものだった。
【0022】比較例3 実施例1における中間層の密度0.906g/mlのエ
チレン−ブテン−1共重合体に代えて、ポリプロピレン
(商品名:東燃ポリプロF202,東燃石油化学製)を
用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。フィルム
の透明性は良好だったものの、延伸性が悪く、90℃に
おける熱収縮率は縦方向3%、横方向7%で、低温収縮
率が極めて低かった。また、溶断シール部の衝撃強度が
低く、重量物の包装には不十分だった。
【0023】比較例4 実施例1における中間層の密度0.906g/mlのエ
チレン−ブテン−1共重合体に代えて、高密度ポリエチ
レン(商品名:東燃ポリエチレンF5651,東燃石油
化学製)を用いた以外は実施例1と同様の実験を行っ
た。フィルムの霞度は4.5であり、透明性が非常に悪
かった。また、90℃における熱収縮率は縦方向1%、
横方向3%で、低温収縮率が極めて低かった。
【0024】比較例5 実施例1における両外層のエチレン−酢酸ビニル共重合
体をMFR1.5g/10分、酢酸ビニル含有量9%、
融点97℃、分子量分布(Mw /Mn )5.0のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体に代えた以外は実施例1と同様
の実験を行った。耐熱性、引張強度、熱収縮力等におい
て実施例1のものに比べ劣っていた。
【0025】比較例6 実施例1の素材ポリマーを使用して、1層がエチレン−
酢酸ビニル共重合体からなり、もう1層がエチレン−ブ
テン−1共重合体からなる2層フィルムを、実施例1で
使用した装置を2層用に改造して成膜しようと試みた
が、成膜不能であった。
【0026】実施例2 実施例1において、中間層を、密度0.906g/m
l、MFR1.0g/10分である気相低圧法で製造さ
れたエチレン−ブテン−1共重合体(商品名FG−08
2,日本ユニカー製)90重量%と密度0.94g/m
l、MFR1.5g/10分、酢酸ビニル含有量15重
量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名NUC−
3750,日本ユニカー製)10重量%とからなる層に
代えた以外は、実施例1と同様の実験を行った。熱収縮性フィルムの評価 ・引裂強度:縦方向21kg/cm,横方向46kg/
cmであり、実用性は十分ある。 ・霞度(JIS K−6714に従って測定):0.8
であり、透明性は非常に高い。 ・熱収縮率: 90℃(縦方向15%,横方向22%) 100℃(縦方向31%,横方向46%) 110℃(縦方向35%,横方向50%) 120℃(縦方向46%,横方向58%) 低温収縮性が特に優れており、実用性は十分ある。 ・引張強度:縦方向458kg/cm2 ,横方向417
kg/cm2 であり、両方向とも十分に高い。 ・伸び:縦方向250%,横方向270%であり、十分
に高く、縦方向および横方向でバランスがとれている。 ・1%モジュラス:縦方向867kg/cm2 ,横方向
950kg/cm2 。 ・光沢(60°):134であり、十分に高い。
【0027】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の熱
収縮性フィルムは、特定の超低密度直鎖状エチレン−α
−オレフィン共重合体を主構成成分とする中間層と、特
定のエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる両外層との
3層積層共押出フィルムを延伸したフィルムであるの
で、広い延伸温度範囲を有し、非常に延伸しやすく、延
伸中にフィルムの切断がない。しかも、本発明の熱収縮
性フィルムは透明性が非常に高く、耐引裂強度、引張強
度、低温収縮性、流滴性に優れ、また、フィルムに適度
な腰があり、スリップ性にも優れている。従って、本発
明の熱収縮性フィルムによれば、包装作業が低温条件下
でもスムーズに行え、各種物品、特に高温に晒されると
変質する物品、例えば野菜、果物、肉類、魚介類、乾電
池、電子部品等の熱収縮性包装に非常に適している。ま
た、本発明の熱収縮性フィルムは、その他の食品、家庭
用品、機械部品、建築資材、農業資材、玩具等の包装用
フィルムとしての使用に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08L 23/08 C08L 23/08 B29L 9:00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレート0.1〜5g/10
    分、密度0.910g/ml以下の超低密度直鎖状エチ
    レン−α−オレフィン共重合体または該共重合体97〜
    80重量%とメルトフローレート0.1〜5g/10
    分、酢酸ビニル含有量3〜15重量%のエチレン−酢酸
    ビニル共重合体3〜20重量%の組成物からなる中間層
    と、メルトフローレート0.3〜5g/10分、酢酸ビ
    ニル含有量5〜20重量%、融点(MP,単位℃)と酢
    酸ビニル含有量(VA,単位重量%)とが次式:MP=
    114−1.44VAで表される関係にあり、重量平均
    分子量(Mw )と数平均分子量(Mn )との比率(Mw
    /Mn )が4未満であるエチレン−酢酸ビニル共重合体
    からなる両外層とから構成される共押出積層フィルムを
    延伸してなる熱収縮性フィルム。
  2. 【請求項2】 超低密度直鎖状エチレン−α−オレフィ
    ン共重合体が以下のエチレン共重合体の連続製造方法:
    流動床反応帯域中で10〜80℃の温度かつ7000k
    Pa以下の圧力にて、(a)高級α−オレフィン:エチ
    レンのモル比が0.35:1〜8.0:1である、エチ
    レンおよび炭素原子数3〜8の少なくとも1種の高級α
    −オレフィンと、(b)少なくとも25モル%の少なく
    とも1種の希釈ガスとを含有する気体混合物を、次式: Mgm Ti(OR)n p 〔ED〕q (式中、 Rは炭素原子数1〜14の脂肪族もしくは芳香族炭化水
    素基または基COR’を表し、R’は炭素原子数1〜1
    4の脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、 Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびその混合物
    からなる群から選択され、 EDは脂肪族または芳香族酸のアルキルエステル、脂肪
    族エーテル、環式エーテルおよび脂肪族ケトンからなる
    群から選択される有機電子供与化合物を表し、 mは0.5〜56であり、 nは0、1または2であり、 pは2〜116であり、 qは2〜85である。)で表される先駆体組成物からな
    る触媒系の粒子と連続的に接触させ、前記先駆体組成物
    を不活性キャリア材料で希釈すると共に次式: Al(R')d X' e f (式中、 X’は塩素原子または基OR”を表し、 R’およびR”は炭素原子数1〜14の飽和炭化水素基
    を表し、 eは0〜1.5であり、 fは0または1であり、 d+e+f=3である。)で表される有機アルミニウム
    化合物で完全に活性化させ、上記活性化化合物を前記反
    応帯域中おける全アルミニウム:チタンのモル比が1
    0:1〜400:1となるような量で使用する、により
    製造されたものである請求項1記載の熱収縮性フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 両外層を構成するエチレン−酢酸ビニル
    共重合体100重量部に対して流滴剤を0.1〜3重量
    部配合した請求項1記載の熱収縮性フィルム。
  4. 【請求項4】 両外層を構成するエチレン−酢酸ビニル
    共重合体100重量部に対してスリップ剤および/また
    はアンチブロッキング剤を0.03〜2重量部配合した
    請求項1記載の熱収縮性フィルム。
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