JP2003096251A - プロピレン系重合体組成物、フィルムおよびその用途 - Google Patents

プロピレン系重合体組成物、フィルムおよびその用途

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JP2003096251A
JP2003096251A JP2001287262A JP2001287262A JP2003096251A JP 2003096251 A JP2003096251 A JP 2003096251A JP 2001287262 A JP2001287262 A JP 2001287262A JP 2001287262 A JP2001287262 A JP 2001287262A JP 2003096251 A JP2003096251 A JP 2003096251A
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propylene
film
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ethylene
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Norihide Inoue
則英 井上
Eiichi Taguchi
栄一 田口
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Grand Polymer Co Ltd
Tohcello Co Ltd
Original Assignee
Grand Polymer Co Ltd
Tohcello Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、耐低温衝撃性、耐ブロッキ
ング性およびヒートシール強度に優れ、しかも加熱処理
後においてもヒートシール強度の低下が小さく、かつレ
トルト食品包装用に好適なフィルムを得るに適したプロ
ピレン系重合体組成物を提供すること。 【解決手段】 プロピレン重合体成分(A)、プ
ロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(B)
およびエチレン・α−オレフィンランダム共重合体成分
(C)とから構成され、MFR(230℃)が0.01
以上かつ2(g/10分)未満の組成物である。ここ
で、(A)/(B)が85/15〜97/3(重量比)
であり、(B)の極限粘度[η]が2.5〜4.5(d
l/g)およびプロピレン含有量が65〜80重量%で
あり、(C)の密度が0.865〜0.910(g/c
)であってかつ組成物中に占める割合が5〜25重
量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐ブロッキング性
に優れ、剛性、耐低温衝撃性を有し、かつレトルト殺菌
処理などの熱処理を行ってもヒートシール強度の低下が
小さく、それから得られる包装体表面の凹凸の発生が軽
減された、レトルト食品の包装材用などの食品包装用と
して好適に用いられるプロピレン系重合体組成物、それ
から得られるフィルムや積層体、およびそれを用いたレ
トルト食品包装体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】高齢化、核家族化、単身赴任の増
加、あるいは共働き世代の増加、あるいは結婚年齢の高
齢化等の社会変化の影響を受け、食文化の多様化、調理
時間の短縮、利便性への要望から、予め調理した食品を
袋に入れ密封した後、加圧・加熱殺菌したいわゆるレト
ルト食品を購入しておき、必要なときにレトルト食品を
袋ごと湯の中で加熱し、内容物を取り出して食事に供す
ることが多用されるようになってきている。このような
レトルト食品は、一般家庭用のみならず業務用にも普及
し始めており、そのために大量の食品を一度に包装でき
る包装材料が求められている。
【0003】このようなレトルト食品は、長期間に亘る
常温保存あるいは時として冷蔵・冷凍保存されるため、
その包装材料となるフィルムにはヒートシール部から破
損しないように高いヒートシール強度および耐低温衝撃
強度が求められている。しかもレトルト食品は、食品を
充填・密封後に100〜140℃程度の高温・高圧釜で
レトルト殺菌処理するために、包装材料にはそれに耐え
得るヒートシール部の耐熱性とヒートシール強度の保持
が、食品の品質管理上からも要求されている。
【0004】従来この用途には、ポリプロピレンとエチ
レン・α−オレフィン共重合体ゴムとのブレンドフィル
ム、ポリプロピレンブロック共重合体フィルム、あるい
はそのポリプロピレンブロック共重合体とエチレン・α
−オレフィン共重合体ゴムとのブレンドフィルム等が耐
熱性と耐低温衝撃強度に優れていることから使用されて
いる。しかし、このようなフィルムは、未だ耐低温衝撃
強度と耐ブロッキング性とのバランスが良好とは言え
ず、またレトルト処理後にヒートシール強度が低下する
傾向にあった。
【0005】レトルト処理後のヒートシール強度低下の
防止方法として、特開2000−255012号公報に
は、ポリプロピレンブロック95〜70重量%とエラス
トマーブロック5〜30重量%とから構成されたプロピ
レン・α−オレフィンブロック共重合体をヒートシール
層にすることが提案されている。しかしながら、同公報
に具体的に記載されているプロピレン含有量30〜70
モル%のエラストマーブロックを含むプロピレン・α−
オレフィンブロック共重合体から成形されたフィルム
は、耐低温衝撃強度が十分でなく、かつレトルト処理後
にシール強度が低下し、包装体表面に凹凸(所謂、柚子
肌)が発生する傾向にある。
【0006】また、特開2000−119480号公報
には、レトルトフィルムの耐低温衝撃性、ヒートシール
強度、耐熱性等を改良するために、パラキシレン可溶部
の極限粘度[η]が1.5〜2.8(dl/g)のプロ
ピレン・エチレンブロック共重合体90〜99重量%に
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムを1〜10重量%
を添加した組成物が提案されているが、このような組成
物から得られるフィルムは、耐低温衝撃性は改良される
ものの、耐ブロッキング性に劣り、レトルト処理後のシ
ール強度の改良効果も十分とは言い難い。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、剛
性および耐低温衝撃性とを有し、耐ブロッキング性やヒ
ートシール強度に優れ、しかも加熱処理後にもヒートシ
ール強度の低下が小さく、かつ包装体表面に凹凸の発生
が防止ないし軽減されたレトルト食品包装用に好適なフ
ィルムを得るに適したプロピレン系重合体組成物を提供
することを目的にする。
【0008】また本発明の目的は、そのようなプロピレ
ン系重合体組成物からなるフィルム、およびそのフィル
ム層を含む積層体を提供することにある。さらに本発明
の目的は、そのようなフィルムを用いたレトルト食品包
装体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、プロ
ピレン重合体成分(A)、プロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体成分(B)、およびエチレンと炭素数
4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体成分
(C)とからなる組成物であって、(1)この組成物の
メルトフローレート(230℃)が0.01(g/10
分)以上かつ2(g/10分)未満の範囲にあり、
(2)プロピレン重合体成分(A)とプロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体成分(B)との重量比が8
5:15〜97:3の範囲にあり、(3)プロピレン・
α−オレフィンランダム共重合体成分(B)の極限粘度
[η]が2.5〜4.5(dl/g)、およびプロピレ
ン含有量が65〜80重量%であり、かつ(4)エチレ
ン・α−オレフィンランダム共重合体成分(C)の密度
が0.865〜0.910(g/cm)であり、かつ
組成物中に占める割合が5〜25重量%であるプロピレ
ン系重合体組成物に関する。前記成分(C)の好ましい
メルトフローレートは、0.01〜5(g/10分)で
ある。
【0010】また本発明は、前記のプロピレン系重合体
組成物から成形されたフィルムおよびレトルト食品包装
用フィルム、さらにそのフィルムをヒートシール層とし
て含む積層体、およびその積層体を用いたレトルト食品
包装体に関する。
【0011】
【発明の具体的説明】次に本発明に係わるプロピレン系
重合体組成物、それから得られるフィルム、そのフィル
ム層を含む積層体、およびそれらを用いたレトルト食品
包装体について具体的に説明する。
【0012】プロピレン系重合体組成物 本発明に係るプロピレン系重合体組成物は、プロピレン
重合体成分(A)、プロピレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体成分(B)、およびエチレンと炭素数4以上
のα−オレフィンとのランダム共重合体成分(C)とか
ら構成されている。組成物の構成成分を前記の少なくと
も3成分にすることによって、耐低温衝撃強度、剛性、
初期ヒートシール強度および熱処理後のヒートシール強
度に優れたフィルムを得ることができる。
【0013】このプロピレン系重合体組成物のメルトフ
ローレート(230℃)は、0.01以上かつ2(g/
10分)未満、好ましくは0.1〜1.5(g/10
分)の範囲にある。ここで、メルトフローレート(MF
R)は、ASTM D−1238に準拠し、荷重216
0gで測定した値であり、メルトフローレート(230
℃)および後述するメルトフローレート(190℃)
は、それぞれ測定温度230℃および190℃における
測定値を表す。メルトフローレートが前記の範囲にある
と、容易にフィルム成形ができ、耐低温衝撃強度に優れ
たフィルムを得ることができる。
【0014】そして、プロピレン重合体成分(A)とプ
ロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(B)
との重量比(A:B)は、85:15〜97:3の範
囲、好ましくは87:13〜95:5の範囲にある。
【0015】プロピレン・α−オレフィンランダム共重
合体成分(B)は、デカリン中、135℃で測定された
その極限粘度[η]が2.5〜4.5(dl/g)、好
ましくは3.0〜4.0(dl/g)である。また、そ
のプロピレン含有量が65〜80重量%、好ましくは6
8〜77重量%の範囲にある。極限粘度およびプロピレ
ン含有量が、前記の範囲内にあると、成分(B)を含む
重合体組成物からは耐ブロッキング性に優れ、またフィ
ッシュアイの発生が抑制されたフィルムを成形すること
ができる。
【0016】エチレン・α−オレフィンランダム共重合
体成分(C)は、その密度が0.865〜0.910
(g/cm)、好ましくは0.875〜0.900
(g/cm)であって、かつ組成物中に占める割合が
5〜25重量%、好ましくは7〜23重量%、より好ま
しくは11〜20重量%の範囲にある。
【0017】好ましいプロピレン系重合体組成物は、2
3℃でのp−キシレン可溶分が30重量%以下であり、
かつ50℃のヘキサン可溶分が2.6重量%以下であっ
て、このような範囲にあるとFDA等の食品等の衛生性
に関する規格適合条件も満たしている。従って、この組
成物からはレトルト食品包装用に好適なフィルムが得ら
れる。
【0018】<プロピレン重合体成分(A)>ここで、
プロピレン重合体成分(A)は、プロピレンの単独重合
体、またはプロピレンと10重量%以下、好ましくは5
重量%以下のα−オレフィンとの共重合体である。α−
オレフィンは、プロピレン以外の通常炭素数2〜10の
α−オレフィンであって、例えば、エチレン、1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチ
ル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へ
キセン、1−オクテンを挙げることができる。プロピレ
ン重合体成分(A)としては、フィルムに成形した場合
の耐熱性を考慮すると、プロピレン単独重合体が好まし
い。
【0019】<プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体成分(B)>一方、プロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体成分(B)は、プロピレンとプロピレ
ン以外の炭素数2〜10のα−オレフィンとの共重合体
であって、エラストマー的な性状を有している。α−オ
レフィンとしては、前記例示したα−オレフィン等を使
用することができ、中でもエチレンが好ましい。
【0020】この共重合体成分(B)中に占めるプロピ
レン含有量は、好ましくは65〜85重量%、より好ま
しくは68〜77重量%の範囲にある。プロピレン含有
量が前記の範囲にあると、この共重合体成分を含む組成
物から耐低温衝撃強度および低温ヒートシール性に優
れ、また熱処理後においても高いシール強度を保持する
フィルムを成形することができる。なお、プロピレン含
有量は、赤外線吸収スペクトル分析によって測定するこ
とができる。
【0021】プロピレン重合体成分(A)とプロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体成分(B)との混合
物を後述する重合工程によって製造した場合には、この
混合物中におけるプロピレン・α−オレフィンランダム
共重合体成分(B)の量(割合)は、次の方法で求めた
値である。すなわち、混合物サンプル(a:グラム)を
p−キシレンに完全に溶解させ、その後23℃で24時
間放置した後、遠心分離によって析出物(b:グラム)
を分離してから、混合物中のp−キシレン可溶部を次式
によって算出した値である。 共重合体成分の割合={(a−b)/a}×100
(重量%)
【0022】また、この、プロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体成分(B)の極限粘度[η]は、前記
p−キシレン可溶部に過剰のアセトンを加えて共重合体
成分を析出させ、このようにして回収した析出物をデカ
リン溶媒中、135℃で測定した値である。
【0023】<エチレン・α−オレフィンランダム共重
合体成分(C)>エチレン・α−オレフィンランダム共
重合体成分(C)は、エチレンと炭素数4以上、好まし
くは4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体で
ある。α−オレフィンの具体例として、1−ブテン、3
−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラ
デセン、1−オクタデセンを挙げることができる。これ
らの中でも、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン
が特に好ましい。これらα−オレフィンは単独でも、あ
るいは2種以上を組み合わせてもよい。また、異なるエ
チレン・α−オレフィンランダム共重合体との混合物で
あってもよい。
【0024】好ましい共重合体の具体例としては、エチ
レン・1−ブテンランダム共重合体、エチレン・1−ヘ
キセンランダム共重合体、エチレン・1−オクテンラン
ダム共重合体を挙げることができる。
【0025】この共重合体成分(C)は、その密度が、
0.865〜0.910(g/cm )、好ましくは
0.875〜0.900(g/cm)である。また、
メルトフローレート(190℃)は、好ましくは0.0
1〜5(g/10分)、更に好ましくは0.1〜3(g
/10分)である。
【0026】また、この共重合体成分(C)は、次の物
性を有することが望ましい。 (1)エチレン含有量:好ましくは70〜95モル%、
更に好ましくは80〜93モル% (2)X線回折法によって測定される結晶化度:好まし
くは5〜40%、更に好ましくは7〜30% (3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)で測定した重量平均分子量(Mw)の数平均分子量
(Mn)に対する比(Mw/Mn):好ましくは3以
下、更に好ましくは2.5以下 (4)示差走査型熱量計(DSC)を用い、昇温速度1
0(℃/分)での条件で測定した吸熱曲線から求めた融
点:好ましくは40〜100℃、更に好ましくは60〜
90℃
【0027】前記の物性範囲にある共重合体成分(C)
を用いると、それを含むプロピレン系重合体組成物か
ら、より耐低温衝撃強度と落下衝撃強度に優れたフィル
ムを得ることができる。
【0028】<プロピレン系重合体組成物の製造方法>
本発明に係わるプロピレン系重合体組成物は、例えば次
の方法によって調製することができる。 (1)プロピレン重合体成分(A)、プロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体成分(B)、およびエチレ
ンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合
体成分(C)の各々を予め製造しておき、その後各成分
を所定の配合割合で混合する。 (2)プロピレン重合体成分(A)とプロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体成分(B)との混合物を予
め調製し、その後エチレンと炭素数4以上のα−オレフ
ィンとのランダム共重合体成分(C)を所定の配合割合
で混合する。
【0029】プロピレン重合体成分(A)とプロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体成分(B)との混合
物は、プロピレン重合体成分(A)およびプロピレン・
α−オレフィンランダム共重合体成分(B)とを異なっ
た重合工程で製造することにより調製することができ
る。プロピレン重合体成分(A)の重合工程とプロピレ
ン・α−オレフィンランダム共重合体成分(B)の重合
工程とは、直列で行ってもよいし、並列に行ってもよ
い。前者の場合、いずれの工程が先にきても差し支えな
く、好ましくはプロピレン重合体成分(A)の重合工程
を最初にした方が、プロピレン重合体成分(A)として
高結晶性重合体が製造できるために好ましい。また、第
一の重合工程はバッチ重合法でも連続重合法でも行うこ
とが出来るが、連続重合法の方が好ましい。連続重合工
程は、1つの重合器からなる単段でもよいし、複数の重
合器を多段に用いる方法であってもよい。このような重
合工程を経て得られるプロピレン重合体成分(A)およ
びプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分
(B)との混合物は、通常プロピレン・α−オレフィン
ブロック共重合体とも呼ばれている。
【0030】前記のプロピレン重合体成分(A)および
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分
(B)との混合物は、チーグラー・ナッタ系触媒やメタ
ロセン系触媒のようなオレフィン立体規則性重合触媒を
用いて製造することができる。重合触媒の一例として、
活性マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン化合
物、および内部電子供与体を必須成分とする固体チタン
触媒成分を有機または無機担体に担持させ、それに周期
律表第I族〜第III族金属の有機金属化合物成分を加
え、さらに外部電子供与体を加えた触媒系を挙げること
ができる。この触媒系は、プロピレン等の本重合に先だ
って、オレフィンの予備重合を予め行ってもかまわな
い。前記の固体チタン触媒成分としては、アルコールを
含有するマグネシウム化合物と、四塩化チタンとを炭化
水素溶媒中で反応させた反応生成物が好ましく、また外
部電子供与体としては、ジエーテル化合物および/また
はシラン化合物が好ましい。
【0031】重合方法としては、炭化水素溶媒下での懸
濁重合、プロピレン溶媒下での懸濁重合、気相重合、そ
れらの組み合わせ等、いずれの方法をも採用することが
できる。例えば、第1段の工程はプロピレン溶媒下で懸
濁重合を行い、引き続く第2段の工程を気相重合で行う
こともできる。
【0032】また、プロピレン重合体成分(A)および
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分
(B)との混合物は、前記の重合工程を経ずに、予め製
造したプロピレン重合体成分(A)およびプロピレン・
α−オレフィンランダム共重合体成分(B)とを溶融混
練することによっても得られる。
【0033】<添加剤>なお、本発明に係るプロピレン
系重合体組成物には、必要に応じて、プロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体成分(B)およびエチレン
・α−オレフィンランダム共重合体成分(C)以外のエ
ラストマー成分を添加することができる。そのようなエ
ラストマー成分の例として、エチレン・プロピレン・ジ
エン共重合ゴム、エチレン・1−ブテン・ジエン共重合
ゴム、プロピレン・1−ブテン共重合ゴム、スチレン・
ブタジエンブロック共重合体あるいはスチレン・イソプ
レンブロック共重合体の水素添加物を挙げることができ
る。
【0034】また、本発明に係るプロピレン系重合体組
成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止
剤、耐熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、塩酸吸収剤、アン
チブロッキング剤、スリップ剤、核剤、顔料、染料、あ
るいは各種の重合体等を配合してもよい。
【0035】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤、有機ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系
酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤等を挙げる
ことができる。アンチブロッキング剤としては、酸化ア
ルミニウム、微粉末シリカ、ポリメチルメタアクリレー
ト粉末、シリコン樹脂等を挙げることができる。
【0036】スリップ剤としては、エチレンビスステア
ロアマイド等のビスアマイド、オレイン酸アミド、エル
カ酸アミド等の高級脂肪酸アミド等を挙げることができ
る。滑剤としてはステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸亜鉛、モンタン酸金属塩等の高級脂肪酸金属塩、ポリ
エチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオ
レフィンワックス等を挙げることができる。核剤として
は、ジベンジリデンソルビトール、ロジン酸の部分金属
塩等のロジン系核剤、アルミニウム系核剤、タルク等を
挙げることができる。
【0037】フィルムおよびレトルト食品包装用フィル
本発明に係わるフィルムおよびレトルト食品包装用フィ
ルムは、前記したプロピレン系重合体組成物を用い、通
常の方法でフィルム成形することによって得ることがで
きる。例えば、1軸または2軸の押出機を用いて前記の
特性を有する組成物のペレットまたはパウダーを溶融
し、押出機の先端に設けられたTダイもしくは環状のダ
イから溶融樹脂をフィルム状に押出すことによって製造
することができる。押出機中の溶融樹脂温度は、通常2
00〜300℃の範囲が好ましい。
【0038】溶融樹脂をTダイから押出した場合には、
押し出されたフィルムは、水または他の媒体で一定温度
に設定したロールに接触させて冷却・固化させ、その後
巻き取られる。環状ダイから押出した場合には、環状フ
ィルムの外部および/または内部を冷却媒体、例えば冷
却された空気あるいは水等で冷却し、その後フィルムを
スリットしてから、あるいはそのままの状態で巻き取っ
て目的のフィルムを製造する。このようにして得られた
フィルムは、その厚みが、通常20〜1000μm、好
ましくは30〜200μm、より好ましくは40〜10
0μmの範囲にある。
【0039】成形されたフィルムは、単層で一般包装用
フィルムとして使用することができるが、レトルト食品
用の包装フィルムとしてより一層好適に使用できる。ま
た後述するように、基材層と積層して積層体を形成して
もよく、同様の用途に使用することができる。
【0040】積層体およびレトルト食品包装用積層体 本発明に係わる積層体およびレトルト食品包装用積層体
は、前記したフィルムまたはレトルト食品包装用フィル
ムの片面に基材層が積層された積層体である。
【0041】基材層としては、シート状、フィルム状、
トレーあるいは容器状のもので包装材料として使用でき
るものあれば、特に限定されない。基材層の例として、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
トに代表されるポリエステルからなるフィルム、ポリカ
ーボネートフィルム、ナイロン6、ナイロン66等から
なるポリアミドフィルム、エチレン・ビニルアルコール
共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポ
リ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、
およびポリプロピレン等のポリオレフィンからなるフィ
ルム等の熱可塑性樹脂製フィルム、あるいはそれら熱可
塑性樹脂からなるシート、更にはシートを熱成形したト
レーあるいはカップ状の容器、アルミニューム箔、紙等
から構成されるそれら形状物が挙げられる。
【0042】熱可塑性樹脂製フィルムからなる基材層
は、無延伸フィルムであっても、一軸あるいは二軸延伸
フィルムであってもよい。勿論、基材層は1層でも2層
以上としてもよい。また、熱可塑性樹脂製フィルムはア
ルミニューム、亜鉛、シリカ等の金属、無機物あるいは
その酸化物を蒸着したフィルムであってもよい。
【0043】基材層の表面にフィルム層を形成させた積
層体を成形する方法としては、一般に行われる積層方法
をそのまま採用することができ、その際両層の中間に接
着層を設けることができる。例えば、基材層にウレタン
系やイソシアネート系のアンカーコート剤を塗布し、そ
の上に本発明に係わるフィルムをドライラミネートした
り、あるいは直接プロピレン系重合体組成物を押し出し
ラミネートないし押し出しコーティングする方法で製造
することもできる。また基材層が熱可塑性樹脂で形成さ
れる場合には、共押出法で積層フィルムを成形すること
もできる。
【0044】本発明に係わる積層体は、包装材料に用い
た際にフィルム層のヒートシール強度(ヒートシール部
の剥離強度)が高く、特に高温・高圧下でのレトルト処
理後においても、例えば少なくとも30(N/15m
m)の剥離強度を保持しているので、レトルト食品包装
用積層体として適している。
【0045】このようにして製造した積層体は、前記し
た特性を有する組成物からなるフィルム層によって、耐
熱性、耐低温衝撃強度、高いヒートシール強度、剛性等
を有するヒートシール用の層が表面層として形成されて
おり、また基材層の種類によっては高いガスバリヤー性
や機械的強度等が付与されることから、レトルト食品包
装用フィルムとして好適である。この積層体は、フィル
ム状態で包装材として使用できるし、またトレーや容器
の形状に変えてから包装材として使用することもでき
る。
【0046】レトルト食品包装体 本発明に係わるレトルト食品包装体は、基材層に前記特
性を有するプロピレン系重合体組成物から得られたフィ
ルムが積層された積層体からなる包装材料を用い、その
フィルム層を内側にして内容物である食品(被包装材
料)を包装(充填)し、積層体を構成するフィルム層を
ヒートシールすることによって内容物が密封包装されて
なるものである。
【0047】包装材としては、単層フィルムであっても
よいが、前記した積層体の方が基材層の持つ特性を利用
できるので好ましい。またレトルト食品包装体として用
いる場合には、通常前記基材層がフィルムの片面に積層
されている。積層体の例として、次の組み合わせを挙げ
ることができる。なお、プロピレン系重合体組成物から
なるフィルム層を、組成物フィルムと略して記す。
【0048】ポリエステル層/組成物フィルム ポリアミド層/組成物フィルム ポリエステル層/アルミニューム箔/組成物フィルム ポリエステル層/ポリアミド層/アルミニューム箔/組
成物フィルム ポリアミド層/ポリ塩化ビニリデン層/ポリエステル層
/組成物フィルム
【0049】このように組成物フィルム層が最内層に配
置されてヒートシール部を形成しているので、その包装
体は、強固にヒートシールされており、またレトルト処
理後においても高いヒートシール強度が保持されてい
る。従って、このようなレトルト食品包装体は、輸送時
あるいは店頭もしくは家庭等での取扱い時にも内容物で
ある食品が洩れ出るおそれが少なく、常温下であるいは
冷蔵・冷凍下での長期間保存を行っても、内容物をほと
んど変質させることなく保つことができる。
【0050】なお、本発明におけるレトルト食品包装体
における被包装物は、食品は勿論のこと、狭義の食品に
限らず、医薬品等レトルト殺菌処理されるものを全て含
むものである。
【0051】
【実施例】次に実施例を通して本発明をより詳細に説明
するが、本発明はそれらの実施例によって何ら制限され
るものではない。なお、組成物の性状を示す物性値およ
びフィルムを評価するための物性値は、次に記す試験方
法によって求めた。
【0052】<エチレン含有量>赤外線吸収スペクトル
分析によって720cm−1の吸光度を測定し、その値
から算出した。
【0053】<p−キシレン可溶分量>組成物サンプル
をp−キシレンに完全に溶解させ、その後23℃で24
時間放置した後、遠心分離によって析出物を分離し、そ
の析出物の重量から算出した。
【0054】<ヘキサン可溶分量>組成物サンプル2g
を1リットルのヘキサンに装入し、50℃で2時間攪拌
した後、濾過により固液分離を行った。溶液部のヘキサ
ンを揮発させることによってヘキサン可溶分を採取し、
その重量より算出した。
【0055】<極限粘度[η]>ウベローデ型粘度計を
用い、重合体サンプルをデカリンに溶解させ、その溶液
の粘度測定を135℃で行ってから求めた。
【0056】<メルトフローレート:MFR>ASTM
D−1238に準拠して、荷重2.16kgの条件
で、プロピレン系重合体は温度230℃、エチレン系重
合体は温度190℃で各々測定した。
【0057】<耐低温衝撃強度>厚み70μmのフィル
ムを用い、−10℃において、安田精機製フイルムイン
パクトテスターを使用して、ASTM D−3420に
準拠して測定した。
【0058】<耐ブロッキング性>厚み70μmのフィ
ルムを用い、ASTM D−3420に準拠し、40k
g荷重下、60℃で7日間放置した後測定した。
【0059】<ヘイズ>ASTM D−1003に準拠
して測定した。
【0060】<耐屈曲白化性>フィルムをA4サイズに
カットし、そのフィルムを両手で両端を持ち、30回も
みほぐした後、屈曲したフィルム部分が白化しているか
否かを確認した。
【0061】(実施例1)プロピレン重合体成分とプロ
ピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分とを含む
混合物として、次の性状を有するプロピレン・エチレン
ブロック共重合体を用いた。また、エチレン・α−オレ
フィンランダム共重合体として、次の性状を有するエチ
レン・1−ブテンランダム共重合体を用意した。
【0062】 プロピレン・エチレンブロック共重合体 プロピレン単独重合体成分 :91.8重量% プロピレン・エチレンランダム共重合体成分 : 8.2重量% エチレン含有量 =27.9重量% プロピレン含有量=72.1重量% 極限粘度[η]=3.5(dl/g) ブロック共重合体のメルトフローレート(230℃) =0.5(g/10分)
【0063】エチレン・1−ブテンランダム共重合体 密度=0.885g/cm、 エチレン含有量=8
9モル%、結晶化度=13%、 融点=68℃、
Mw/Mn=2.0、 メルトフローレート(190℃)=0.5(g/10
分) なお、各重合体の物性を表1にまとめて示した。
【0064】(組成物の製造)前記の各重合体に次に記
す添加剤を加え、単軸押出し機を用いて造粒することに
よって組成物ペレットを得た。 (1)プロピレン・エチレンブロック共重合体 :87重量部 (2)エチレン・1−ブテンランダム共重合体 :13重量部 (3)フェノール系耐熱安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 イルガノックス1010) :0.1重量部、 (4)有機リン系耐熱安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 イルガフォス168) :0.1重量部 (5)ステアリン酸カルシウム :0.1重量部
【0065】この組成物ペレットの性状は次の通りであ
った。 p−キシレン可溶分量(23℃) :17.4重量% ヘキサン可溶分量(50℃) : 0.9重量% メルトフローレート(230℃) :0.5(g/10分) なお、得られた組成物の物性を表1にまとめて記した。
【0066】この組成物ペレットを押出機へ供給し、2
30℃で溶融し、T−ダイからフィルム状に押出した。
その後、30℃の金属ロールに接触させて冷却固化して
から巻き取り、厚さ70μmのフィルムを成形した。得
られたフィルムの物性を測定し、その結果を表1に示し
た。
【0067】(比較例1)原料として表1に記したプロ
ピレン・エチレンブロック共重合体のみを使用する以外
は実施例1と同様に行い、厚さ70μmのフィルムを成
形した。得られたフィルムの物性を測定し、その結果を
表1に併せて示した。
【0068】(比較例2)次の性状を有するプロピレン
・エチレンブロック共重合体およびエチレン・プロピレ
ンランダム共重合体を用意した。
【0069】 プロピレン・エチレンブロック共重合体 プロピレン単独重合体成分 :84.0重量% プロピレン・エチレンランダム共重合体成分 :16.0重量% エチレン含有量 =26.0重量% プロピレン含有量=74.0重量% 極限粘度[η]=1.9(dl/g) ブロック共重合体のメルトフローレート(230℃) =1.8(g/10分)
【0070】エチレン・プロピレンランダム共重合体 密度=0.870g/cm、 エチレン含有量=8
2.6モル%、Mw/Mn=2.0、 メルトフローレート(190℃)=3.6(g/10
分) なお、各重合体の物性を表1にまとめて示した。
【0071】プロピレン・エチレンブロック共重合体9
5重量部およびエチレン・プロピレンランダム共重合体
5部を使用する以外は実施例1と同様に行い、厚さ70
μmのフィルムを成形した。得られたフィルムの物性を
測定し、その結果を表1に併せて示した。
【0072】
【表1】
【0073】(実施例2および比較例3〜4)二軸延伸
ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(PET)(厚さ
12μm)とアルミニューム箔(厚さ7μm)とをウレ
タン系接着剤を用いてドライラミネ−ションした積層体
のアルミニューム箔面に、実施例1および比較例1〜2
で得た各フィルムをウレタン系接着剤を用いてドライラ
ミネ−ションして積層体を得た。得られた積層体を以下
の方法で評価し、その結果を表2に示した。
【0074】<ヒ−トシ−ル強度>2枚の積層体の組成
物フィルム面同士を重ね合わせ、内容物の入る部分の大
きさが積層体の縦方向105mm×横方向155mmに
なるように幅5mmのシ−ルバ−により、200℃およ
び210℃の温度、0.2MPaの圧力、1秒間の条件
でヒートシ−ルして三方シ−ル袋を作成した。
【0075】作成した三方シ−ル袋の縦ヒートシール部
(縦:サイド部)および横ヒートシール部(横:底部)
から15mm幅の試験片を切り取り、クロスヘッド速度
500(mm/分)で各ヒ−トシ−ル部を剥離し、その
強度をレトルト殺菌処理前のヒ−トシ−ル強度(N/1
5mm)とした。
【0076】一方、レトルト殺菌処理した後のヒートシ
ール強度の測定は、前記シ−ル条件で作成した三方シ−
ル袋の開口部分より水9:サラダ油1の混合液200m
lを封入し、開口部も前記と同じシ−ル条件でヒ−トシ
−ルし、その後熱水シャワ−式の高圧高温殺菌処理装置
を用いて121℃×30分間処理し、冷却した。次い
で、内容物を捨てた後洗剤で油分を洗い流し、自然乾燥
した後、レトルト殺菌処理前に測定した箇所と同じ箇所
から試験片を切り取り、同様の方法でヒ−トシ−ル強度
(N/15mm)を測定した。
【0077】<落下衝撃強度>2枚の積層体の組成物フ
ィルム面同士を重ね合わせ、内容物の入る部分の大きさ
が積層体の縦方向105mm×横方向155mmになる
ように幅10mmのシ−ルバ−により、200℃の温
度、0.2MPaの圧力、2秒間の条件でヒートシ−ル
して、三方シ−ル袋を作成した。
【0078】この袋に、内容物として水9:サラダ油1
の割合で混合した混合液200mlを入れた。同様の袋
を10袋作り、前記と同様にレトルト殺菌処理を行い、
その後5℃の冷蔵庫内で7日間放置した。
【0079】落下衝撃性は、5℃の冷蔵庫内で、1袋の
サンプルの上に同じ大きさのおもり(1kg)をそえ、
高さ80cm(a条件)および高さ60cm(b条件)
より、コンクリ−ト床の上にステンレス製のトレ−をお
いて、その上に自然落下させた。袋が破袋するまで落下
テストを繰り返し、破袋するまでの回数を数えた。この
落下テストを10袋について行い、破袋に要した回数の
平均値を求め、破袋した回数とした。
【0080】<表面凹凸評価>落下衝撃強度の評価に用
いた袋と同様な袋を作製し、その袋に内容物として市販
の丸美屋麻婆豆腐の素(辛口)を140g入れた。同様
の袋を5袋作り、高圧高温殺菌処理装置内に置き、前記
と同じ条件でレトルト殺菌処理を行った。その後、袋外
面(上面および下面)に発生する表面凹凸状態を目視で
観察した。
【0081】評価基準は次の通りとした。 ◎:凹凸が殆ど発生していないもの ○:部分的に凹凸が発生しているもの △:全面的に、面積が広く浅い凹凸が発生しているもの ×:全面的に、面積が狭く深い凹凸が発生しているもの
【0082】
【表2】
【0083】
【発明の効果】本発明のプロピレン系重合体組成物は、
それから高いヒートシール強度を持ち、耐ブロッキング
性、耐屈曲白化性に優れており、剛性および耐低温衝撃
強度を有するフィルムを成形することができる。しかも
得られたフィルムは、加熱処理後においてもヒートシー
ル強度の低下が小さい。従って、この組成物は、汎用包
装フィルム用組成物として使用できることは勿論のこ
と、レトルト食品包装フィルム用の組成物として好適に
使用できる。
【0084】また、本発明の積層体は、前記の特性を有
するフィルムがヒートシール層として表面に形成されて
いるので、レトルト食品を始めとして各種の被包装物の
包装材として適している。
【0085】さらに本発明のレトルト食品包装体は、レ
トルト殺菌処理後においても高いシール強度を保持し、
包装体表面への凹凸の発生が軽減され、外観も優れてお
り、かつ前記の特性を有している。従って、この包装体
は、輸送過程や、長期間に亘る常温ないし冷蔵・冷凍保
存条件下に置いても、内容物をほとんど変質させること
なく保存することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/18 CES C08J 5/18 CES C08L 23/08 C08L 23/08 (72)発明者 田口 栄一 茨城県猿島郡総和町北利根9番地 東セロ 株式会社内 Fターム(参考) 3E067 AB01 CA17 CA24 CA30 EA06 EA35 EB01 EE48 FB13 FC01 GC02 GD07 3E086 AA23 AC07 AD01 BA02 BA04 BA15 BB41 BB51 BB61 BB85 BB90 CA01 CA28 DA08 4B021 LA05 LA14 LA15 LP01 LP07 MQ05 4F071 AA15 AA15X AA20 AA20X AA21X AA76 AA82 AA88 AF59 AH04 AH05 BA01 BB06 BC01 4J002 BB05Y BB12W BB15W BB15X BB15Y BB17W BB17X FD070 FD170 FD200 GG02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレン重合体成分(A)、プロピレン
    ・α−オレフィンランダム共重合体成分(B)、および
    エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム
    共重合体成分(C)とからなる組成物であって、(1)
    この組成物のメルトフローレート(230℃)が0.0
    1(g/10分)以上かつ2(g/10分)未満の範囲
    にあり、(2)プロピレン重合体成分(A)とプロピレ
    ン・α−オレフィンランダム共重合体成分(B)との重
    量比が85:15〜97:3の範囲にあり、(3)プロ
    ピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(B)の
    極限粘度[η]が2.5〜4.5(dl/g)、および
    プロピレン含有量が65〜80重量%であり、かつ
    (4)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体成分
    (C)の密度が0.865〜0.910(g/cm
    であり、かつ組成物中に占める割合が5〜25重量%で
    あることを特徴とするプロピレン系重合体組成物。
  2. 【請求項2】前記のエチレン・α−オレフィンランダム
    共重合体成分(C)は、そのメルトフローレート(19
    0℃)が0.01〜5(g/10分)であることを特徴
    とする請求項1に記載のプロピレン系重合体組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のプロピレン系重
    合体組成物から形成されていることを特徴とするフィル
    ム。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載のプロピレン系重
    合体組成物から形成されていることを特徴とするレトル
    ト食品包装用フィルム。
  5. 【請求項5】請求項3に記載のフィルムの片面に基材層
    が積層されていることを特徴とする積層体。
  6. 【請求項6】請求項4に記載のレトルト食品包装用フィ
    ルムの片面に基材層が積層されていることを特徴とする
    レトルト食品包装用積層体。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のレトルト食品包装用積層
    体のレトルト食品包装用フィルムでヒートシールされて
    いることを特徴とするレトルト食品包装体。
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