JP6445913B2 - 積層フィルム - Google Patents

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本発明は、透明性、剛性等の機械特性に優れ、かつ加圧・加熱殺菌処理などの熱処理を行ってもヒートシール強度の低下が少なく、耐ブロッキング性に優れる被加熱・殺菌包装物などの包装用フィルムに好適な積層フィルムに関する。
ヒートシール性を有するフィルムは、食品包装及び繊維包装などの包装用途に広く使用されている。中でも食品包装用途は、高齢化、核家族化、単身赴任の増加、あるいは共働き世代の増加等の社会変化の影響を受け、食文化の多様化、調理時間の短縮、利便性への要望から、食品充填後のレトルト処理を施した、いわゆるレトルト食品を購入しておき、必要なときにレトルト食品を袋ごと湯の中で加熱し、内容物を取り出して食事に供することが多用されるようになってきている。このようなレトルト食品は一般家庭のみならず業務用にも広く普及し始めており、そのために大量の食品を一度に包装できる包装材料が求められている。
従来この用途には、シール性と耐熱性を兼ね揃えたフィルムが要求されており、ポリプロピレン系フィルムなどが使用されている。しかし、このようなフィルムは、レトルト処理後にヒートシール強度が低下する傾向にある。
また更には、上述のようなレトルト食品用包装フィルムは、冷凍保存時や、冷凍輸送時の等に袋の破れが問題視されるケースが多く、低温下での耐ピンホール性の向上も要望されている。
上述の要望を解決する方法として、今までいくつもの提案がなされている。
レトルト処理後のヒートシール強度低下の防止方法として、例えば、ポリプロピレンブロック95〜70質量%とエラストマーブロック5〜30質量%から構成されたプロピレン・α-オレフィンブロック共重合体をヒートシール層にすることが提案されている(特許文献1:特開2000−255012号公報)。また、レトルトフィルムのヒートシール強度、耐熱性等を改良するために、パラキシレン可溶部の極限粘度[η]が1.5〜2.8(dl/g)のポリプロピレン・エチレンブロック共重合体90〜99質量%にエチレン・α-オレフィン共重合ゴムを1〜10質量%を添加した組成物が提案されている(特許文献2:特開2000−119480号公報)。
また、剛性及びヒートシール強度に優れ、しかも加熱処理後にもヒートシール強度の低下が小さいレトルト食品の包装材用などの食品包装用として好適に用いられるプロピレン重合体(A)、プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体成分(B)、及びエチレンと炭素数4以上のα-オレフィンとのランダム共重合体成分(C)とからなる組成物(特許文献3:特開2003−96251号公報)が提案されている。
さらに、プロピレン重合体成分として、メタロセン触媒系により重合された融点が140〜155℃の範囲にあるプロピレンランダム共重合体を用いる方法(特許文献4:特開2009−84379号公報)が提案されている。
しかしながら、これらのフィルムをレトルト用フィルムの熱融着層に用いる場合は、レトルト後のヒートシール強度の維持及び耐屈曲性(耐ピンホール性)の必要から厚さが60〜70μmと厚くせざるを得ないのが現状である。
一方、二軸延伸により厚みの薄いフィルムを得た例として、エチレンから導かれる単位を10モル%以下含む結晶性ポリプロピレン・エチレンランダム共重合体成分とエチレンから導かれる単位を10〜40モル%含む低結晶性あるいは非晶性のポリプロピレン・エチレンランダム共重合体成分を含むポリプロピレン・エチレンランダムブロック共重合体を二軸延伸ポリプロピレンフィルムのヒートシール層に用いること(例えば、特許文献5:特開平9−227757号公報、特許文献6:特開2005−305767号公報)が提案されているが、かかる二軸延伸フィルムはヒートシール強度が440〜780g/15mm(4.3〜7.6N/15mm)と弱く、レトルト用フィルムの熱融着層には用い得ないのが現状である。
特開2000−255012号公報 特開2000−119480号公報 特開2003−96251号公報 特開2009−84379号公報 特開平9−227757号公報 特開2005−305767号公報
本発明は、剛性などの機械特性、透明性に優れ、低温でヒートシールが可能であり、レトルト殺菌処理などの熱処理を行ってもヒートシール強度の低下が少なく、且つ、耐ブロッキング性に優れる積層フィルムを、好ましくは積層二軸延伸フィルムを得ることを目的とする。
本発明は、中間層(f−2)の片面にラミネート層(f−1)、他の片面に熱融着層(f−3)を有する積層フィルムであって、ラミネート層(f−1)が、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)もしくはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)からなり、中間層(f−2)及び/又は熱融着層(f−3)が、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)、もしくはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)を45〜97質量%、シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)を3〜55質量%を含むプロピレン系共重合体組成物〔但し、(A)または(B)+(D)=100質量%とする。〕からなることを特徴とする積層フィルムに係る。
本発明の積層フィルムは、透明性、剛性などの機械特性に優れ、低温ヒートシール性に優れ、熱融着強度が高く、熱処理(加圧・加熱処理)後のヒートシール強度の低下が少なく、且つ、耐ブロッキング性に優れる。
図1は、本発明の実施例で用いたシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D−1)のDSC曲線〔第1昇温過程(1st−run:1st)、第1降温過程(cool)、および第2昇温過程(2nd−run:2nd)〕を示す。 図2は、本発明の比較例で用いたアイソタクティックプロピレン系重合体組成物(H−1)のDSC曲線〔第1昇温過程(1st−run:1st)、第1降温過程(cool)、および第2昇温過程(2nd−run:2nd)〕を示す。 図3は、本発明の比較例で用いたアイソタクティックプロピレン系重合体組成物(H−2)のDSC曲線〔第1昇温過程(1st−run:1st)、第1降温過程(cool)、および第2昇温過程(2nd−run:2nd)〕を示す。
<プロピレン・ブロック共重合体(A)>
本発明の積層フィルムの熱融着層(f−3)及びラミネート層(f−1)を形成するプロピレン・ブロック共重合体(A)並びに本発明の積層フィルムの中間層(f−2)及び/又は熱融着層(f−3)を形成するプロピレン系共重合体組成物(G)に含まれる重合体成分の一つであるプロピレン・ブロック共重合体(A)は、プロピレン重合体成分(a−1)及びプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体成分(a−2)とから構成されている重合体である。
本発明に係るプロピレン・ブロック共重合体(A)における(a−1)と(a−2)との構成割合は、その質量比を(a−1)/(a−2)で表すと、80/20〜95/5が好ましく、より好ましくは83/17〜90/10の範囲にある。
本発明に係るプロピレン・ブロック共重合体(A)を構成するプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体成分(a−2)は、好ましくはプロピレン・エチレンランダム共重合体であり、好ましくは、エチレン単位の含有量は、好ましくは10〜20質量%、より好ましくは12〜18質量%の範囲にある。
本発明に係るプロピレン・ブロック共重合体(A)のメルトフローレート(MFR)は、後述のシンジオタクチック系プロピレン重合体(B)との組成物であるプロピレン系共重合体組成物(G)がフィルム形成能を有する限り特に限定はされないが、ASTM D−1238に準拠して230℃、2.16kg荷重下で測定した値が、通常、2〜10(g/10分)、好ましくは2.5〜8(g/10分)の範囲にある。
<プロピレン重合体成分(a−1)>
本発明に係るプロピレン・ブロック共重合体(A)を構成する成分の一つであるプロピレン重合体(a−1)は、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと10質量%以下、好ましくは5質量%以下のα-オレフィンとの共重合体である。α-オレフィンとしては、プロピレン以外の炭素2〜10のα−オレフィンであって、例えば、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンを挙げることができる。これらの重合体の中でもプロピレン単独重合体を用いると、耐熱性に優れたフィルムを得ることができるので好ましい。
本発明に係るプロピレン重合体(a−1)は、通常、アイソタクティック構造を有する重合体であり、融点(Tm1)が、120〜170℃の範囲にある。
本発明に係るプロピレン重合体(a−1)は、チーグラー・ナッタ系触媒やメタロセン系触媒のようなオレフィン重合用触媒を用いて製造することができる。チーグラー・ナッタ触媒の一例として、活性マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン化合物、および内部電子供与体を必須成分とする固体チタン触媒成分を有機または無機担体に担持させ、それに周期律表第I族〜第III族金属の有機金属化合物成分を加え、さらに外部電子供与体を加えた触媒系を挙げることができる。
<プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a−2)>
本発明に係るプロピレン・ブロック共重合体(A)を構成する成分の一つであるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a−2)は、プロピレンと前記したと同じポリプロピレン以外の炭素数2〜10のα−オレフィンとの共重合体であって、エラストマー的な性状を有している。α−オレフィンとしては、特にエチレンが好ましい。
本発明に係るプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(a−2)は、通常、プロピレン単位の含有量が、70〜85質量%、このましくは75〜83質量%、α-オレフィン単位の含有量は、15〜30質量%、好ましくは17〜25重量%の範囲(但し、プロピレンから導かれる単位とα−オレフィンから導かれる単位との合計を100質量%とする。)にある。プロピレン単位の含有量が前記の範囲にあると、この共重合体成分(a−2)を含むプロピレン系共重合体組成物(G)からなるフィルムは、耐低温衝撃強度及び低温ヒートシール性に優れ、熱処理後においても高いシール強度を保持したフィルムが得られる。なお、プロピレン単位の含有量は赤外線吸収スペクトル分析によって測定することができる。
本発明に係るプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体成分(a−2)は、通常、非晶性あるいは低結晶性の共重合体であり、通常、融点を有しないか、DSC(10℃/分)の第1昇温工程で67±3℃に吸熱ピークを有し、第2昇温工程では67±3℃に吸熱ピークを有さない共重合体である。
なお、プロピレン・ブロック共重合体(A)中に占める共重合体(a−2)の割合は、共重合体(A)サンプル(a:グラム)をp−キシレンに完全に溶解させ、その後23℃で24時間放置した後、遠心分離によって析出物(b:グラム)を分離してから、サンプル中のp−キシレン可溶部を共重合体(a−2)として次式によって算出することができる。
共重合体(a−2)の割合={(a−b)/a}×100(質量%)
また共重合体(a−2)の極限粘度[η]は、デカリン溶媒、135℃で測定した極限粘度[η]が2.0〜10.0dl/g、好ましくは2.3〜8.0dl/g、より好ましくは2.5〜5.0dl/g、さらに好ましくは2〜3.5(dl/g)未満、最も好ましくは2.5〜3.3(dl/g)である。極限粘度[η]が前記の範囲にあると、それを含む組成物からは、レトルト処理後の低温での落下破袋強度が良好であり、さらにはフィッシュアイの発生を抑制しながら、耐ブロッキング性に優れた積層フィルムまたは積層二軸延伸フィルムを製造することができる。
なお極限粘度[η]は、前記の分別操作によって分離したp−キシレン可溶部に過剰のアセトンを加えて溶解物を析出させ、回収した析出物についてデカリン溶媒中、135℃で測定した粘度から求めることができる。
本発明に係るプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体成分(a−2)は、チーグラー・ナッタ系触媒やメタロセン系触媒のようなオレフィン重合用触媒を用いて製造することができる。チーグラー・ナッタ触媒の一例として、活性マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン化合物、および内部電子供与体を必須成分とする固体チタン触媒成分を有機または無機担体に担持させ、それに周期律表第I族〜第III族金属の有機金属化合物成分を加え、さらに外部電子供与体を加えた触媒系を挙げることができる。
<エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)>
本発明に係るプロピレン系共重合体組成物(G)、あるいはプロピレン・ブロック共重合体(A)は、前記プロピレン系重合体(a−1)及びプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体成分(a−2)に加え、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)を含むことにより、より耐低温衝撃強度と落下衝撃強度に優れた積層フィルムまたは積層二軸延伸フィルムを得ることができるという観点から好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)は、エチレンと炭素数4以上、好ましくは4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体である。α−オレフィンの具体例として、1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンを挙げることができる。これらの中でも、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが特に好ましい。これらα−オレフィンは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて含有していてもよい。また、異なるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体どうしの混合物であってもよい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)の好ましい具体例としては、エチレン・1−ブテンランダム共重合体、エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1−オクテンランダム共重合体を挙げることができる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)は、好ましくは密度が、865〜910kg/m3、好ましくは875〜900kg/m3である。
本発明に係るエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(C)の密度は、神藤金属工業所プレス成形機を用い、加熱温度190℃、加熱時間2分間、加熱圧力100Kg/cm3の条件にてプレス成形した厚さ0.5mmのプレスシートを測定サンプルとし、密度勾配管で測定して求められる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)は、通常、エチレン単位の含有量が、好ましくは70〜95モル%、より好ましくは80〜93モル%、α−オレフィン単位の含有量は、好ましくは5〜30モル%、より好ましくは7〜20モル%(但し、エチレンから導かれる単位とα−オレフィンから導かれる単位との合計を100モル%とする。)の範囲にある。
本発明に係るエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(C)は、通常、MFR〔荷重:2160g、温度:230℃〕が、0.5〜10g/10分、好ましくは0.5〜7.0g/10分である。
本発明に係るエチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(C)は、融点が、通常、100℃以下であるかまたは存在せず、融点が存在する場合その上限は好ましくは90℃であり、下限は特に制限はないが例えば40℃、さらには60℃を例示できる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)は、チーグラー・ナッタ系触媒(バナジウム系触媒など)やメタロセン系触媒のようなオレフィン重合用触媒を用いて製造することができる。
本発明に係るプロピレン・ブロック共重合体(A)が、エチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(C)を含む場合は、前記プロピレン重合体成分(a−1)及びプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体成分(a−2)との合計量に対し、5〜30質量%、好ましくは、10〜25質量%、より好ましくは、12〜20質量%である(但し、エチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(C)+プロピレン重合体成分(a−1)+プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体成分(a−2)=100質量%)。
<プロピレン・ブロック共重合体(A)の製造方法>
本発明に係るプロピレン・ブロック共重合体(A)は、種々公知の製造方法、具体的には、例えば(a−1)と(a−2)とを多段重合により製造し得る。当該多段重合は1つの重合器で行っても良いし、複数の重合器を用いてそれぞれの段階を行っても良い。また、複数の重合器は並列的に用いてもよく、直列的に用いても良い。
また、本発明に係るプロピレン・ブロック共重合体(A)は、上記(a−1)と(a−2)をそれぞれ製造した後、常法に従い、溶融混合する方法により製造してもよい。
本発明に係るプロピレン・ブロック共重合体(A)が、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)を含む場合は、(a−1)と(a−2)とを多段重合により製造した後、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)とを溶融混合する方法、あるいは、予め製造した上記プロピレン系重合体(a−1)及び上記プロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体成分(a−2)とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)とを溶融混合する方法を採り得る。
<プロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体(B)>
本発明に係るプロピレン系共重合体組成物(G)は、前記プロピレン・ブロック共重合体(A)に替えて、プロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体(B)を含んでいてもよい。
本発明に係るプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体(B)は、通常、プロピレンから導かれる単位を90〜98質量%、好ましくは92〜98質量%含むプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体である。
本発明に係るプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体(B)を構成する共重合体成分であるα−オレフィンは、プロピレン以外の通常、炭素数2〜10のα−オレフィンであって、例えば、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテンであり、エチレン及び1−ブテンが好ましく、特に、エチレンが好ましい。
本発明に係るプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体(B)は、通常、MFR〔荷重:2160g、温度:230℃〕が0.5〜50g/10分、好ましくは2〜50g/10分である。MFRが上記範囲にあると、得られるプロピレン系共重合体組成物(G)を容易にフィルム成形することができ、耐低温衝撃強度に優れた積層フィルムまたは積層二軸延伸フィルムを得ることができる。例えばMFRが20〜50g/10分、特に20〜40g/10分の範囲にあるものを用いてもかまわない。
本発明に係るプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体(B)は、通常、アイソタクティック構造を有する重合体であり、融点(Tm2)が、105〜150℃、好ましくは120〜150℃、より好ましくは130〜147℃の範囲にある。融点が、上記範囲にあるとヒートシール強度、剛性及び落袋衝撃強度のバランスに優れる積層フィルムまたは積層二軸延伸フィルムが得られる。
本発明に係るプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体(B)は、チーグラー・ナッタ系触媒やメタロセン系触媒のようなオレフィン重合用触媒を用いて製造することができる。チーグラー・ナッタ触媒の一例として、活性マグネシウム化合物、チタン化合物、ハロゲン化合物、および内部電子供与体を必須成分とする固体チタン触媒成分を有機または無機担体に担持させ、それに周期律表第I族〜第III族金属の有機金属化合物成分を加え、さらに外部電子供与体を加えた触媒系を挙げることができる。
本発明に係るプロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体(B)は、ランダムPPとして、製造・販売されており、例えば、サンアロマー株式会社から、ランダムPP:グレード名 PC630A、5C37F等が、プライムポリマー株式会社から、ランダムPP:商品名 プライムポリプロ グレード名F327、F337等が挙げられる。
<シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)>
本発明の積層フィルムの中間層(f−2)及び/又は熱融着層(f−3)を形成するプロピレン系重合体組成物(G)に含まれる重合体成分の一つであるシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物(D)は、プロピレン・α−オレフィン共重合体成分(d−1)とシンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)から構成されている。
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)は、シンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)を含むので、結晶化速度が遅いという特徴を有してしている。
例えば、シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)の熱融解特性をDSCで測定した場合、第1昇温過程(1st−run)において昇温速度10℃/分で250℃迄昇温し、シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)を融解した後、第1降温過程において降温速度10℃/分で−50℃迄降温して冷却した場合(cool)は、シンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)は、結晶化ピークは観察されず、第2昇温過程(2nd−run)において昇温速度10℃/分で250℃迄昇温した場合に、50±3℃でシンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)が結晶化(発熱ピーク)した後、155±3℃でシンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)が融解(吸熱ピーク)するのに対し、第1降温過程において降温速度1℃/分で−50℃迄降温して冷却した場合は、70℃±3℃でシンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)が結晶化(発熱ピーク)し、再度1℃/分で250℃迄昇温した場合には、シンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)の結晶化ピークは生ぜず、160℃±3℃でシンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)が融解(吸熱ピーク)するのみである。
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)は、DSCを用いて、JIS K 7121およびK 7122に準じ、試料約5mgを第1昇温過程において昇温速度10℃/分で室温〜250℃迄昇温して得られるDSC曲線(1st−run)から求めたシンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)に基づく結晶融解熱量が通常8.0〜15.0J/gの範囲、好ましくは9.0〜14.0J/gの範囲、より好ましくは、10.0〜13.0J/gの範囲にあり、結晶融解ピーク温度が150〜160℃の範囲、好ましくは153〜159℃の範囲にある。また、シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)に含まれるプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(d−1)に基づく結晶融解熱量は通常2.0〜12.0J/gの範囲、好ましくは2.5〜11.0J/gの範囲にあり、結晶融解ピーク温度が45〜55℃の範囲、好ましくは47〜53℃の範囲にある。
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)は、上記250℃迄昇温した後、第1降温過程において降温速度10℃/分で−50℃迄降温して得られるDSC曲線(cool)には発熱ピークが観察されず、シンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)およびプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(d−1)は前記第1降温過程では結晶化しないものと考えらえる。
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)は、上記第1降温過程において−50℃迄降温した後、再度第2昇温過程において昇温速度10℃/分で−50℃〜250℃迄昇温して得られるDSC曲線(2nd−run)には、上記第1降温過程での降温の際に結晶化しなかったシンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)の結晶化に基づく発熱量が通常7.0〜13.0J/gの範囲、好ましくは8.0〜12.0J/gの範囲にあり、より好ましくは9.0〜11.0J/gの範囲にある。結晶化ピーク温度が通常45〜55℃の範囲、好ましくは47〜53℃の範囲、より好ましくは49〜52℃の範囲にあり、結晶化したシンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2)に基づく結晶融解熱量は通常8.0〜18.0J/gの範囲、好ましくは10.0〜16.0J/gの範囲、より好ましくは12.0〜14.0J/gの範囲にあり、結晶融解ピーク温度が150〜160℃の範囲、好ましくは152〜157℃の範囲
より好ましくは153〜155にある。なお、上記DSC曲線(2nd−run)には、シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)に含まれるプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(d−1)に基づく結晶化ピークも結晶融解ピークも観察されない。
JISK7122に基づくDSC(示差走査熱量測定)において、第2昇温工程(10℃/min)の40〜60℃の範囲に結晶化熱量が20J/g以下のピークおよび135〜155℃の範囲に、結晶融解熱量が20J/g以下のピークを有するものである。本明細書において、DSCについては、JISK7122に準じて測定したものである。
なお、本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)に類似する組成物として、アイソタクティックプロピレン系重合体成分(h−2)とプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(h−1)を含むアイソタクティックプロピレン系重合体組成物(H)があるが、当該アイソタクティックプロピレン系重合体組成物(H)を本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)に替えて用いてもヒートシール強度は左程改良されない。
なお、アイソタクティックプロピレン系重合体組成物(H)は、上記記載の方法でDSC曲線を測定した場合、DSC曲線(1st−run)では、プロピレン・α−オレフィン共重合体成分(h−1)に基づく結晶融解熱量が4〜13J/g、結晶ピーク温度が44〜51℃の範囲にあり、アイソタクティックプロピレン系重合体成分(h−2)に基づく結晶融解熱量が9.0〜18.0J/gの範囲、結晶融解ピークが160〜162℃の範囲にある。そして、降温して得られるDSC曲線(cool)には、アイソタクティックプロピレン系重合体成分(h−2)に基づく結晶化熱量が11〜17J/gの範囲、結晶化ピークが76〜90℃の範囲にある。そして、DSC曲線(2nd−run)には、アイソタクティックプロピレン系重合体成分(h−2)に基づく結晶融解熱量が10〜17J/gの範囲にあり、結晶融解ピーク温度が161〜163℃の範囲の範囲にある。
本発明に係るアイソタクティックプロピレン系重合体組成物(H)は、例えば、ノティオTMPN2060、PN3560などの商品名で、三井化学株式会社から製造・販売されている。
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)に含まれる成分であるプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(d−1)を構成するα‐オレフィンは、通常、プロピレンを除く、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、具体的には、例えば、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテンなどであり、α‐オレフィンは、一種、あるいは二種以上からなる。
プロピレン・α−オレフィン共重合体成分(d−1)の具体例としては、例えば、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体などであり、中でも、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体が好ましい。
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)は、通常、MFR(JISK6721、230℃、2.16kg荷重)が、0.01〜200g/10分、好ましくは0.05〜150g/10分、さらに好ましくは0.05〜100g/10分の範囲であることが好ましい。
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)は、例えばノティオTMSN0285の商品名で、三井化学株式会社から製造・販売されている。
<プロピレン系共重合体組成物(G)>
本発明の積層フィルムの中間層(f−2)及び/又は熱融着層(f−3)を形成するプロピレン系共重合体組成物(G)は、前記プロピレン・ブロック共重合体(A)又は前記プロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体(B)を45〜97質量%、好ましくは50〜92質量%、より好ましくは、55〜90質量%及び前記シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)を3〜55質量%、好ましくは8〜50質量%、より好ましくは、10〜45〔但し、(A)+(D)、あるいは(B)+(D)=100質量%とする。〕含む組成物である。
シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)の含有量が3質量%未満の組成物は、得られる積層フィルムまたは積層二軸延伸フィルムの低温ヒートシール強度が改良されず、又、当該フィルムを熱処理した後のヒートシール強度の低下が大きい。一方、シンジオタクティックプロピレン系重合体(D)の含有量が55質量%を超える組成物は、得られる積層フィルムまたは積層二軸延伸フィルムの成形性が低下する可能性がある。
本発明に係るプロピレン系共重合体組成物(G)として、前記プロピレン・ブロック共重合体(A)を含む組成物は、得られるフィルムの耐ピンホール性がより優れ、又、当該フィルムまたは二軸延伸フィルムを熱処理した後のヒートシール強度の低下がより少ない。
<添加剤>
本発明に係るプロピレン系共重合体組成物(G)には、必要に応じて、前記プロピレン・ブロック共重合体(A)又は前記プロピレン・α‐オレフィンランダム共重合体(B)、及び前記シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)に加え、プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体成分(a−2)、エチレン・α‐オレフィンランダム共重合体(C)、及びシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)以外のエラストマー成分を添加することができる。そのようなエラストマー成分の例として、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム、エチレン・1−ブテン・ジエン共重合ゴム、プロピレン・1−ブテン共重合ゴム、スチレン・ブタジエンブロック共重合体あるいはスチレン・イソプレンブロック共重合体の水素添加物を挙げることができる。
また、本発明に係るプロピレン系共重合体組成物(G)、あるいは、本発明のプロピレン系共重合体組成物(G)を構成する各重合体あるいは重合体組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、耐熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、塩酸吸収剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、核剤、顔料、染料、あるいは各種の重合体等を配合してもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、有機ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤等を挙げることができる。アンチブロッキング剤としては、酸化アルミニウム、微粉末シリカ、ポリメチルメタアクリレート粉末、シリコン樹脂等を挙げることができる。
スリップ剤としては、エチレンビスステアロアマイド等のビスアマイド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の高級脂肪酸アミド等を挙げることができる。滑剤としてはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、モンタン酸金属塩等の高級脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス等を挙げることができる。核剤としては、ジベンジリデンソルビトール、ロジン酸の部分金属塩等のロジン系核剤、アルミニウム系核剤、タルク等を挙げることができる。
<積層フィルム>
本発明の積層フィルムは、中間層(f−2)を介してラミネート層(f−1)と他の片面に熱融着層(f−3)が設けられ、ラミネート層(f−1)が、前記プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)もしくは前記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)からなり、中間層(f−2)及び/又は熱融着層(f−3)が、前記プロピレン系共重合体組成物(G)からなる積層フィルムである。
本発明の積層フィルムの中間層(f−2)は、単層であっても二層以上の複層から形成されていてもよい。
本発明の積層フィルムは、種々公知のフィルム成形方法、例えば、予め、ラミネート層(f−1)、中間層(f−2)及び熱融着層(f−3)となるフィルムを夫々成形した後、当該フィルムを貼り合せて積層フィルムとする方法、多層ダイを用いて中間層(f−2)及び熱融着層(f−3)からなる複層フィルムを得た後、当該中間層(f−2)面に、ラミネート層(f−1)を押出して積層フィルムとする方法、多層ダイを用いてラミネート層(f−1)及び中間層(f−2)からなる複層フィルムを得た後、当該中間層(f−2)面に、熱融着層(f−3)を押出して積層フィルムとする方法、あるいは、多層ダイを用いてラミネート層(f−1)、中間層(f−2)及び熱融着層(f−3)からなる積層フィルムを得る方法などを採用し得る。
また、フィルム成形方法は、種々公知のフィルム成形方法、具体的には、T−ダイキャストフィルム成形方法、インフレーションフィルム成形方法を採用し得る。
なお、本発明においては、「積層フィルム」と表記する場合は、当該フィルムは延伸されていないフィルム(無延伸フィルム)を意味する。
本発明の積層フィルムの各層の厚さは5μm以上、好ましくは5〜55μm、より好ましくは10〜50μmの範囲にある。
本発明の積層フィルムの厚さの上限は、特に限定はされないが、50μmを超えるフィルムは、そのヒートシール性能と破袋強度の性能を維持し、且つ薄肉であるというコスト上のメリットが薄れる場合がある。
本発明の積層フィルムは、用途に応じて、用途に応じてその厚さが50〜100μmと厚いフィルムも利用可能である。
本発明の積層フィルムは、中間層(f−2)及び/又は熱融着層(f−3)が前記プロピレン系共重合体組成物(G)からなるので、低温ヒートシール性に優れるが、特に、中間層(f−2)を前記プロピレン系共重合体組成物からなる層とし、熱融着層(f−3)を前記プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)もしくは前記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)からなる積層フィルムは、低温ヒートシール性に優れるだけでなく、透明性を維持したまま耐ブロッキング性にも優れるという特性をも備えている。
本発明の積層フィルムの熱融着層には、用途に応じて、アンチブロッキング剤、スリップ剤を配合しておいてもよい。
本発明の積層フィルムの表面は、基材層との接着性を改良するために、必要に応じて片面あるいは両面をコロナ処理、火炎処理等の表面処理をしてもよい。
<積層二軸延伸フィルム>
本発明の積層フィルムは機械的物性の向上の観点から二軸延伸フィルムであることが好ましい。本発明の積層二軸延伸フィルムは、前記プロピレン系共重合体組成物(G)からなる層を含め、各層が縦方向(MD)および横方向(TD)に延伸された二軸延伸してなるフィルムから構成されている。
本発明の積層二軸延伸フィルム(以下、「二軸延伸フィルム」ということがある。)の各々の厚さは5μm以上、好ましくは5〜55μm、より好ましくは10〜50μmの範囲にある。厚さが5μm未満のフィルムは、落袋強度が不十分な包装材料となる虞がある。
本発明の積層二軸延伸フィルムの厚さの上限は、特に限定はされないが、50μmを超えるフィルムは、そのヒートシール性能と破袋強度の性能を維持し、且つ薄肉であるというコスト上のメリットが薄れる場合がある。
本発明の積層二軸延伸フィルムは、用途に応じて、用途に応じてその厚さが50〜100μmと厚いフィルムも利用可能である。
本発明の積層二軸延伸フィルムは、通常、中間層(f−2)の厚さが全体の厚さの50〜99パーセント、ラミネート層(f−1)と熱融着層(f−3)の厚さがそれぞれ全体の0.5〜25パーセントの厚さとする。また、ラミネート層(f−1)と熱融着層(f−2)の厚さは、各々0.5〜15μm、特に1〜10μmであることが好ましい。
また、本発明の積層二軸延伸フィルムの表面は、基材層との接着性を改良するために、必要に応じて片面あるいは両面をコロナ処理、火炎処理等の表面処理をしてもよい。
本発明の積層二軸延伸フィルムは、透明性、剛性等の機械強度、低温ヒートシール性、熱融着強度(ヒートシール強度)、熱処理(加圧・加熱処理)後のヒートシール強度の保持性などの物性と、袋にした場合の、熱処理後の低温での落下破袋強度とのバランスが優れる。さらに耐ブロッキング性にも優れる傾向にある。さらに本発明の積層二軸延伸フィルムは、その熱収縮率が小さく、すなわち加熱時の寸法安定性にも優れる。
<積層二軸延伸フィルムの製造方法>
本発明の積層二軸延伸フィルムは、前記プロピレン系共重合体組成物(G)、及びプロピレン・エチレンブロック共重合体(A)、もしくは前記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)用いて公知の二軸延伸フィルム成形方法を用いて成形し得る。
二軸延伸は、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、多段延伸等の方法が適宜採用される。
二軸延伸の条件としては、公知の二軸延伸フィルムの製造条件、例えば、逐次二軸延伸法では、縦延伸温度を100℃〜145℃、延伸倍率を4〜7倍の範囲、横延伸温度を150〜190℃、延伸倍率を8〜11倍の範囲とすることが挙げられる。
<多層フィルム・多層二軸延伸フィルム>
本発明の多層フィルムおよび多層二軸延伸フィルム(以下、「多層二軸延伸フィルム等」と呼称する場合がある。)は、前記積層フィルムあるいは積層二軸延伸フィルムのラミネート層(f−1)に基材層を積層してなるフィルムである。
基材層としては、シート状、フィルム状、トレーあるいは容器状のもので包装材料として使用できるものあれば、特に限定されない。基材層の例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルからなるフィルム、ポリカーボネートフィルム、ナイロン6、ナイロン66等からなるポリアミドフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、およびポリプロピレン等のポリオレフィンからなるフィルム等の熱可塑性樹脂フィルム、あるいはそれら熱可塑性樹脂からなるシート、更にはシートを熱成形したトレーあるいはカップ状の容器、アルミニウム箔、紙等から構成されるそれら形状物が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムからなる基材層は、無延伸フィルムであっても、一軸あるいは二軸延伸フィルムであってもよい。勿論、基材層は1層でも2層以上としてもよい。また、熱可塑性樹脂フィルムは、アルミニウム、亜鉛、シリカ等の金属、無機物あるいはその酸化物を蒸着したフィルムであってもよい。
本発明の積層フィルムあるいは積層二軸延伸フィルムと前記基材層とを積層する方法としては、一般に行われる積層方法をそのまま採用することができ、その際積層フィルムあるいは積層二軸延伸フィルムと前記基材層との間に接着層を設けることができる。例えば、基材層にウレタン系やイソシアネート系のアンカーコート剤を塗布し、その上に本発明の積層フィルムあるいは積層二軸延伸フィルムをドライラミネートしたり、あるいは積層フィルムあるいは積層二軸延伸フィルムに基材層となる熱可塑性樹脂を押し出しラミネートないし押し出しコーティングする方法で製造することもできる。
また、本発明の多層二軸延伸フィルム等は、熱処理後の低温での落下破袋強度が顕著に優れる。言い換えると、本発明の多層二軸延伸フィルム等は、包装材料に用いた際にフィルム層のヒートシール強度(ヒートシール部の剥離強度)、熱処理(加圧・加熱処理)後のヒートシール強度の保持性,剛性などの機械特性、などの物性と、袋にした場合の、熱処理後の低温での落下破袋強度とのバランスが優れる。さらに耐ブロッキング性にも優れる傾向にある。
本発明の多層二軸延伸フィルム等は、前記積層フィルムあるいは積層二軸延伸フィルムの熱融着層をヒートシール層に用いることにより、耐熱性、高いヒートシール強度、剛性等の機械強度を有し、また基材層の種類によっては高いガスバリヤー性や機械的強度等が付与されることから、加熱殺菌あるいは加圧・加熱殺菌を要する医薬、あるいはレトルト食品の包装用フィルムとして好適である。本発明の多層二軸延伸フィルム等は、フィルム状態で包装材として使用できるし、またトレーや容器の形状に変えてから包装材として使用することもできる。
<加熱殺菌用包装体>
本発明に係る加熱殺菌用包装体は、本発明の積層フィルムあるいは積層二軸延伸フィルム(以下、併せて「積層二軸延伸フィルム等」と呼称する場合がある。)、あるいは多層二軸延伸フィルム等からなる包装材料を用い、熱融着層を内側にして内容物である医薬、あるいは食品(被包装材料)などを包装(充填)し、熱融着層をヒートシールすることによって内容物が密封包装されてなるものである。
包装材としては、積層フィルムあるいは積層二軸延伸フィルムであってもよいが、前記した多層二軸延伸フィルム等が基材層の持つ特性を利用できるので好ましい。また加熱殺菌用包装体として用いる場合には、通常、前記基材層が二軸延伸フィルム等の片面に積層されている。多層二軸延伸フィルム等の例として、次の組み合わせを挙げることができる。
ポリエステル層/積層二軸延伸フィルム等、ポリアミド層/積層二軸延伸フィルム等、ポリエステル層/ポリアミド層/積層二軸延伸フィルム等、ポリエステル層/アルミニウム箔/積層二軸延伸フィルム等、ポリエステル層/ポリアミド層/アルミニウム箔/積層二軸延伸フィルム等、ポリアミド層/ポリ塩化ビニリデン層/ポリエステル層/積層二軸延伸フィルム等、などが例示できる。
このように積層二軸延伸フィルム等の層が最内層に配置されてヒートシール部を形成しているので、その包装体は、強固にヒートシールされており、また加熱殺菌、加圧・加熱殺菌処理後においても低温での落下破袋強度が優れ、また高いヒートシール強度が保持されている。従って、このような加熱殺菌用包装体は、例えば低温での輸送時あるいは店頭もしくは家庭等での取扱い時にも内容物である食品などが洩れ出るおそれが少なく、常温下であるいは冷蔵・冷凍下での長期間保存を行っても、内容物をほとんど変質させることなく保つことができる。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
本発明の実施例、及び比較例で使用したポリプロピレンを以下に示す。
(1)プロピレン・ブロック共重合体(A−1)
プロピレン単独重合体成分(a−1−1)86質量%及びプロピレン・エチレンランダム共重合体成分(a−2−1)14重量%(エチレン含有量26.6モル%、極限粘度[η]3.1dl/g)を含むプロピレン・ブロック重合体(A−1−1)86質量%とエチレン・α-オレフィンランダム共重合体(D−1)14質量%(融点:68℃、密度885kg/m3、MFR0.5g/10分(JISK7210,温度190℃)とを溶融混練した組成物(融点164℃、MFR2.5g/分(JISK7210温度230℃))
(2)プロピレン・ブロック共重合体(A−1−1)
プロピレン単独重合体成分(a−1−1)86質量%及びプロピレン・エチレンランダム共重合体成分(a−2−1)14重量%(エチレン含有量26.6モル%、極限粘度[η]3.1dl/g)を含むプロピレン・ブロック重合体(A−1−1)(融点164℃、MFR3g/10分(JISK7210温度230℃))
(3)エチレン含量4質量%のプロピレン・エチレンランダム共重合体(B−1)
融点:143.5℃、MFR(230℃、2.16kg);7.5g/分(サンアロマ−株式会社製、グレード PC630A)
(3)プロピレン単独重合体(F−1)
融点:165℃、MFR:3/10分、プライムポリマー社製 商品名 プライムポリプロF113A。
(4)シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D−1)
MFR:1.4g/10分、前記方法で測定したDSC曲線(1st−run)で測定したプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(d−1−1)に基づく結晶融解熱量:7.5J/g、結晶融解ピーク温度:52.4℃、シンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2−1)に基づく結晶融解熱量:8.7J/g、結晶融解ピーク温度:155℃、降温して得られるDSC曲線(cool)にはシンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2−1)およびプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(d−1−1)は生ぜず。DSC曲線(2nd−run)で測定したシンジオタクティックプロピレン系重合体成分(d−2−1)に基づく結晶化ピーク温度:50.6℃、結晶化熱量:10.3J/g、結晶融解ピーク温度:155℃、結晶融解熱量:13.3J/g、MFR:1.4g/10分、三井化学株式会社製 商品名 ノティオTMSN0285。
DSC曲線を図1に示す。
(5)アイソタクティックプロピレン系重合体組成物(H)
(5−1)アイソタクティックプロピレン系重合体組成物(H−1)
MFR:6g/10分、前記方法で測定したDSC曲線(1st−run)で測定したプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(h−1−1)に基づく結晶融解熱量:12.5J/g、結晶融解ピーク温度:50.6℃、アイソタクティックプロピレン系重合体成分(h−2−1)に基づく結晶融解熱量:9.8J/g、結晶融解ピーク温度:161℃、降温して得られるDSC曲線で測定したアイソタクティックプロピレン系重合体成分(h−2−1)に基づく結晶化熱量:11.5J/g、結晶化ピーク温度:77.0℃、DSC曲線(2nd−run)で測定したアイソタクティックプロピレン系重合体成分(h−2−1)に基づく結晶融解ピーク温度:162℃、結晶融解熱量:10.6J/g、プロピレン・α−オレフィン共重合体成分(h−1−1)に基づく結晶融解ピークなし、三井化学株式会社製 商品名 ノティオTMPN2060。
DSC曲線を図2に示す。
(5−2)アイソタクティックプロピレン系重合体組成物(H−2)
MFR:6g/10分、前記方法で測定したDSC曲線(1st−run)で測定したプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(h−1−2)に基づく結晶融解熱量:4.4J/g、結晶融解ピーク温度:44.2℃、アイソタクティックプロピレン系重合体成分(h−2−2)に基づく結晶融解熱量:17.1J/g、結晶融解ピーク温度:161℃、降温して得られるDSC曲線で測定したアイソタクティックプロピレン系重合体成分(h−2−2)に基づく結晶化熱量:16.4J/g、結晶化ピーク温度:89.8℃、DSC曲線(2nd−run)で測定したアイソタクティックプロピレン系重合体成分(h−2−2)に基づく結晶融解ピーク温度:162.0℃、結晶融解熱量:16.5J/g、プロピレン・α−オレフィン共重合体成分(h−1−2)に基づく結晶融解ピークなし、MFR:6g/10分、三井化学株式会社製 商品名 ノティオTMPN3560。
DSC曲線を図3に示す。
本発明における積層二軸延伸フィルム及び多層二軸延伸フィルムの物性は以下の方法で測定した。
(1)積層二軸延伸フィルム物性測定方法
(1−1)ヘイズ
日本電色工業社製ヘイズメーター300Aを用いて二軸延伸フィルムのヘイズ(HZ)を測定した。
(1−2)引張試験
積層二軸延伸フィルムからMD及びTDに夫々短冊状の試験片(長さ:50あるいは150mm、幅:15mm)を採取して、引張試験機(オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC−1225)を使用し、チャック間距離100mm、クロスヘッドスピード:300mm/分(但し、ヤング率の測定は5mm/分で測定)で、引張試験を行い、引張強さ(MPa)及びヤング率(MPa)を求めた。
(1−3)熱収縮率
積層二軸延伸フィルムの長さ方向がフィルムのMD、TDとなるように100mm幅、100mm長さの試験片を切り出し、これを120℃のオーブン内に15分放置後、取り出して室温まで放冷した後の試験片の寸法変化を測定し、熱収縮率を測定した。
(1−4)耐屈曲性
テスター産業製のゲルボフレックステスターを使用し、積層二軸延伸フィルムから210mm幅、297mm長さの試験片を切り出し、屈曲角度440度、屈曲速度40回/分で、0℃、−30℃の各雰囲気下で、3000回の屈曲試験を行った後、屈曲試験後の試験片で袋をつくり、三菱ガス化学製のエージレスシールチェックでピンホール数(個/m2)を測定した。
(1−5)ブロッキング性
積層二軸延伸フィルムを20mm×100mmの幅の短冊状に切り出し、表面層と裏面層を重ね合わせ、中央付近で250g/cm2の加重をかけ、55℃のオーブン中で24時間放置後、試験片を、引張試験機(東洋精機社製)を用いて、引張速度5mm/分でせん断剥離強度を測定し、ブロッキング力(N/20mm)とした。
(2)多層二軸延伸フィルムの物性
(2−1)ヒートシール強度
ヒートシール強度測定に用いる多層二軸延伸フィルムとして、二軸延伸ポリアミドフィルム(厚さ:15μm)および積層二軸延伸フィルムを用意し、二軸延伸ポリアミドフィルムと積層二軸延伸フィルムをラミネート機で貼り合せ、多層二軸延伸フィルムを得た。なお、アンカー剤はタケラックA310、タケネートA3(三井化学製)に、溶剤として酢酸エチル(廣島和光純薬製)を混合したものを使用した。東洋精機製ヒートシールテスターを使用し、多層二軸延伸フィルムから100mm幅、150mm長さの試験片を切り出し、半分に折って、ヒーターが160℃〜220℃で圧力が0.2MPaで、シール時間1秒で、ヒートシールを行った後、シールした試験片に切り出し、オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC−1225を使用し、ヒートシール強度を測定した。
一方、レトルト殺菌処理した後のヒートシール強度の測定は、次の方法で行った。すなわち、前記の方法で作成した試験片を熱水シャワー式の高圧高温殺菌処理装置に入れて121℃30分間処理し、その後冷却した。次いで、前記と同じ方法でヒートシール強度(N/15mm)を測定した。
〔実施例1〕
ラミネート層(f−1)/中間層(f−2)/熱融着層(f−3)の押出し量比が(1/32/1)になるよう各々スクリュー押出機をもちいて溶融押出し、マルチマニホールドタイプT−ダイを用いて押出し、冷却ロール上にて急冷し厚さ約1.5mmのシートを成型した。このシートを120℃で加熱し、シートの流れ方向(縦方向)に5倍延伸した。この5倍延伸したシートを160℃で加熱し、流れ方向に対して直行する方向(横方向)に10倍延伸して、40μmの積層二軸延伸フィルムを得た。ラミネート層(f−1)にコロナ処理を施した。
なお、中間層(f−2)にはプロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1):シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D−1)を80:20(質量比)で計量し用いた。ラミネート層(f−1)及び熱融着層(f−3)にはプロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1)を用いた。
<多層二軸延伸フィルムの製造>
二軸延伸ポリアミドフィルム(厚さ:15μm)と前記積層二軸延伸フィルムをラミネート機で貼り合せ、多層二軸延伸フィルムを得た。なお、アンカー剤はタケラックA310、タケネートA3(三井化学製)に、溶剤として酢酸エチル(廣島和光純薬製)を混合したものを使用した。
得られた積層二軸延伸フィルム、多層二軸延伸フィルムの物性を上記方法で測定した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
プロピレン系共重合体組成物として、中間層(f−2)にプロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1):シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D−1)を90:10(質量比)としたプロピレン系共重合体組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行い、積層二軸延伸フィルム、及び多層二軸延伸フィルムを得た。測定結果を表1に示す。
参考例3〕
プロピレン系共重合体組成物として、中間層(f−2)にプロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1):シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D−1)を95:5(質量比)としたプロピレン系共重合体組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行い、積層二軸延伸フィルム、及び多層二軸延伸フィルムを得た。測定結果を表1に示す。
〔実施例4〕
プロピレン系共重合体組成物として、中間層(f−2)にプロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1)を用い、表面層(f−3)にプロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1):シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D−1)を80:20(質量比)としたプロピレン系共重合体組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行い、積層二軸延伸フィルム、及び多層二軸延伸フィルムを得た。測定結果を表1に示す。
〔比較例1〕
プロピレン系共重合体組成物として、中間層(f−2)にプロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1):アイソタクティックプロピレン系重合体組成物(H−1)を80:20(質量比)としたプロピレン系共重合体組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行い、積層二軸延伸フィルム、及び多層二軸延伸フィルムを得た。測定結果を表1に示す。
〔比較例2〕
プロピレン系共重合体組成物として、中間層(f−2)にプロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1):アイソタクティックプロピレン系重合体組成物(H−2)を80:20(質量比)としたプロピレン系共重合体組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行い、積層二軸延伸フィルム、及び多層二軸延伸フィルムを得た。測定結果を表1に示す。
〔比較例3〕
プロピレン系共重合体組成物として、中間層(f−2)をプロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1)単独を用いる以外は、実施例1と同様に行い、積層二軸延伸フィルム、及び多層二軸延伸フィルムを得た。測定結果を表1に示す。
本発明の積層フィルムあるいは積層二軸延伸フィルムは、剛性などの機械特性、透明性に優れ、低温でヒートシールが可能であり、レトルト殺菌処理などの熱処理を行ってもヒートシール強度の低下が少なく、且つ、耐ブロッキング性に優れる低温ヒートシール性に優れており、包装用フィルムとして広く利用することができる。

Claims (8)

  1. 中間層(f−2)の片面にラミネート層(f−1)、他の片面に熱融着層(f−3)を有する積層フィルムであって、ラミネート層(f−1)が、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)もしくはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)からなり、
    中間層(f−2)及び/又は熱融着層(f−3)が、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)、もしくはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)を45〜92質量%、シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物(D)を〜55質量%を含むプロピレン系共重合体組成物〔但し、(A)または(B)+(D)=100質量%とする。〕からなることを特徴とする積層フィルム。
  2. 請求項1に記載の積層フィルムの少なくとも中間層(f−2)が二軸延伸されてなる積層二軸延伸フィルム。
  3. 請求項1記載の積層フィルムのラミネート層(f−1)に、基材層が積層されてなる多層フィルム。
  4. 請求項2記載の積層二軸延伸フィルムのラミネート層(f−1)に、基材層が積層されてなる多層二軸延伸フィルム。
  5. 基材層が、アルミニウム、紙、ポリエステル樹脂のフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルクロライドフィルム、及びポリビニリデンクロライドフィルムから選ばれる基材層である請求項3記載の多層フィルム。
  6. 基材層が、アルミニウム、紙、ポリエステル樹脂のフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルクロライドフィルム、及びポリビニリデンクロライドフィルムから選ばれる基材層である請求項4記載の多層二軸延伸フィルム。
  7. 多層フィルムが、被加熱・殺菌包装物の包装用フィルムである請求項3またはに記載の多層フィルム。
  8. 多層二軸延伸フィルムが、被加熱・殺菌包装物の包装用フィルムである請求項4または6に記載の多層二軸延伸フィルム。
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