JP4039558B2 - 熱融着性プロピレン系重合体フィルム、積層フィルム及び包装体 - Google Patents

熱融着性プロピレン系重合体フィルム、積層フィルム及び包装体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は高速、低圧下における低温ヒートシール性、密封性、ラミネート強度に優れ、且つ耐ブロッキング性、包装材料に好適なスリップ性、透明性等を有する熱融着性プロピレン系重合体フィルム、積層フィルム及びかかるフィルムからなる包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロピレン系ランダム共重合体から得られるフィルムは低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のエチレン系重合体から得られるフィルムに比べて、ヒートシール強度、透明性、腰の強さ、耐ブロッキング性、ホットタック性、耐傷付き性、耐熱性等に優れるので、菓子、パン、野菜、麺等の食品、或いはシャツ、ズボン等の衣料品を始めとする日用品、医療品、産業材関連等あらゆる分野の製品の包装材料として広く使用されている。そして、かかるプロピレン系ランダム共重合体からなるフィルムは低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のエチレン系重合体からなるフィルムに比べると低温ヒートシール性に劣ることから、その改良が常に要求されている。低温ヒートシール性を改良する方法としては、例えば結晶性プロピレンランダム共重合体と1−ブテン系ランダム共重合体との組成物(特開昭61−106648号公報)、メタロセン触媒を用いた重合方法により得られるプロピレン・α―オレフィンランダム共重合体(特開2002−20430号公報)等、種々提案されている。しかしながら、いずれのフィルムも低温ヒートシール性と剛性、密封性、ラミネート強度、耐ブロッキング性等のバランスに優れるものは得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者らは、高速、低圧下における低温ヒートシール性、密封性、ラミネート強度に優れ、且つ耐ブロッキング性、包装材料に好適なスリップ性、透明性等を有する熱融着性プロピレン系重合体フィルムを得ることを目的として種々検討した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
【発明の概要】
すなわち本発明は、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)、好ましくは10〜90重量%及び1−ブテン含有量が60〜99モル%及びDSCに基づく融点(Tm)が50〜130℃の1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)、好ましくは90〜10重量%とのプロピレン系重合体組成物(C)から得られることを特徴とする熱融着性プロピレン系重合体フィルム及びそれからなる包装体に関する。
【0005】
又、本発明は、上記熱融着性プロピレン系重合体フィルムの片面にDSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)から得られるラミネート層が積層されてなる積層フィルム及びそれからなる包装体に関する。
【0006】
更に本発明は、上記熱融着性プロピレン系重合体フィルムの片面にプロピレン重合体(D)から得られる中間層を介してDSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)から得られるラミネート層が積層されてなる積層フィルム及びそれからなる包装体に関する。
【0007】
【発明の具体的説明】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)は、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃、好ましくは115〜130℃、融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満、好ましくは30〜40℃の範囲にあり、好ましくは融解開始温度(Ts)とピーク温度(Tp)との差(Tp−Ts)が35℃未満、より好ましくは25〜34℃の範囲にある。プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)のα―オレフィンの含有量は上記熱融解特性を有する限りとくに制限はされないが、通常はα―オレフィンの含有量は1.0〜20重量%、より好ましくは1.5〜15重量%の範囲にある。α―オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示できる。これらの中では、エチレン及び/又は1−ブテンとのランダム共重合体が好ましい。又、MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)はフィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.5〜20g/10分、好ましくは2〜10g/10分の範囲にある。本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)は通常、分子量分布(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比で表される)が1.5〜3の範囲にある。本発明に係わるプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)は、後述の1−ブテン・α―オレフィン共重合体(C)とともに熱融着性プロピレン系重合体フィルムの原料となるとともに、積層フィルムのラミネート層及び中間層の原料となる。
【0008】
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)の上記ピーク温度(Tp)、融解開始温度(Ts)及び融解終了温度(Te)は以下の方法で測定した。プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)約5mgを秤量し、セイコ−電子工業株式会社製の示差走査熱量計(タイプDSC220モジュ−ル)を用いて、昇温速度;10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度;100℃/分で0℃まで冷却し、再度、昇温速度;10℃/分で0℃〜200℃まで昇温したときの融解曲線を測定し、かかる融解曲線から、ASTM D3419の方法に習い、融解曲線からピ−ク温度(Tp)、融解開始温度(Ts)、融解終了温度(Te)を求めた。尚、本発明では、ASTM D3419に記載の(Tpm1)を(Tp)、(Teim)を(Ts)及び(Tefm)を(Te)とした。
【0009】
1−ブテン・α―オレフィンランダム重合体(B)
本発明に係わる1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)は、1−ブテン含有量が60〜99モル%、好ましくは65〜96モル%、DSCに基づく融点(Tm)が50〜130℃、好ましくは60〜125℃、より好ましくは70〜90℃、好ましくは135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.5〜6dl/g、より好ましくは1〜5dl/g、好ましくはX線回折法によって測定した結晶化度が5〜60%、より好ましくは10〜58%の範囲にある1−ブテンとプロピレン、エチレン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等の炭素数が2〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、好ましくは1−ブテン・プロピレンランダム共重合体である。本発明に係わる1−ブテン・α―オレフィン共重合体(C)は、前述のプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)とともに熱融着性プロピレン系重合体フィルムの原料となる。又、1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)のMFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g 温度190℃)は、通常、0.2〜20g/10分、より好ましくは1〜20g/10分の範囲にある。
本発明に係わる1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)の融点(Tm)は、上記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)の融解曲線の測定方法と同様の方法で行った。但し、ASTM D3419に記載の(Tpm1)を(Tm)とした。
【0010】
プロピレン重合体(D)
本発明に係わるプロピレン重合体(D)は、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと10重量%以下、好ましくは5重量%以下のα−オレフィンとの共重合体、あるいは単独重合体と共重合体との組成物である。α−オレフィンは、プロピレン以外の通常炭素数2〜10のα−オレフィンであって、例えば、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1―ペンテン、3―メチル―1―ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1―へキセン、1―オクテン等を挙げることができる。これらα−オレフィンの中でも、二軸延伸フィルムにした場合の耐熱性の面からプロピレン単独重合体が好ましい。かかるプロピレン重合体(D)は、フィルムとして成形できる限り、特に限定はされないが、MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)が、通常0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分の範囲にある。
【0011】
プロピレン共重合体組成物(C)
本発明に係わるプロピレン共重合体組成物(C)は、前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)と1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)とから得られ得る組成物であり、好ましくはプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)が10〜90重量%、更に好ましくは20〜80重量%の範囲、1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)が90〜10重量%、更に好ましくは80〜20重量%の範囲にある。プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)が10重量%未満では、熱融着性プロピレン系重合体フィルムを得る際に、製膜時にベタツキが発生し、その結果、得られるフィルムの滑性が劣り、巻き取り時のシワが発生する虞がある。又、得られる熱融着性プロピレン系重合体フィルムの剛性、滑性、耐ブロッキング性が劣る虞もある。一方、90重量%を越えると得られる熱融着性プロピレン系重合体フィルムの低温ヒートシール性が改良されず、ヒートシール強度も劣る虞がある。本発明に係わるプロピレン共重合体組成物(C)は組成物を構成する成分として上記特性を有するプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)を用いることにより、低温ヒートシール性の改良材である1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)の量を減らすことが可能であり、その結果、フィルム成形時の製膜性が改良され、又得られる熱融着性プロピレン系重合体フィルムの耐ブロッキング性、密封性が改良される。プロピレン共重合体組成物(C)のMFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)はフィルム成形が可能な限り特に限定はされないが、通常0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜30g/10分の範囲にある。
【0012】
プロピレン重合体組成物(E)
本発明に係るプロピレン重合体組成物(E)は、上記プロピレン重合体(D)が40〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)が60〜5重量%、好ましくは40〜10重量%の範囲にある。プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)が60重量%を越えると、得られる積層フィルムの中間層に用いた場合にフィルムの剛性が低下することによりフィルム巻取り時にフィルムに皺が発生易くなる虞があり、一方5重量%未満では、得られる積層フィルムの低温ヒ−トシ−ル性や密封性が改良されない虞がある。プロピレン重合体組成物(E)のMFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)はフィルム成形が可能な限り特に限定はされないが、通常0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分の範囲にある。
【0013】
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)、1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)、プロピレン重合体(D)、プロピレン共重合体組成物(C)若しくはプロピレン重合体組成物(E)には本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、顔料等の添加剤或いは他の重合体を必要に応じて配合することができる。
中でも、熱融着層を構成するプロピレン共重合体組成物(C)にはシリカ、タルク、雲母、ゼオライトや更には金属アルコキシドを焼成して得た金属酸化物等の無機化合物粒子、ポリメタクリル酸メチル、メラミンホルマリン樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリエステル樹脂等の有機化合物粒子等、種々公知のブロッキング防止剤を0.01〜1重量%添加しておくと、更に耐ブロッキング防止性が改良されたフィルムが得られるので好ましい。これらの中でも、シリカ、ポリメタクリル酸メチルがアンチブロッキング性、透明性の面から特に好ましい。
【0014】
又、熱融着層を構成するプロピレン共重合体組成物(C)には、炭化水素系、脂肪酸系、高級アルコ−ル系、脂肪族アマイド系、金属せっけん系、エステル系等、種々公知のスリップ剤を0.01〜1重量%添加しておくと、更にスリップ性が改良されたフィルムが得られるので好ましい。これらの中でも即効性のあるエルカ酸アミドと遅効性のビスオレイン酸アミドの併用系にすると製膜加工時直後とその後の裁断加工時、更には印刷、ラミネ−ト、製袋加工時等の作業性をバランス良く改善することができる。
更に、熱融着層を構成するプロピレン共重合体組成物(C)には、高密度ポリエチレン、ジベンジリデンソルビト−ル、クロル置換ジベンジリデンソルビト−ル、メチル置換ジベンジリデンソルビト−ル、ヒドロキシ−ジ−アルミニウム、ビスソルビシ−ル、リン酸ビスナトリウムメチレンビスアシッドホスフェ−トナトリウム塩等、種々公知の結晶化核剤を0.01〜1.0重量%添加しておくと、製膜時のロ−ル跡の発生を抑えたり、直後でのスリップ性・ブロッキング性が改良されたフィルムが得られるので好ましい。これらの中でも比較的添加しやすく臭い等も問題ないポリエチレン結晶化核剤を利用すると製膜加工時直後の品質と加工適性をバランス良く改善することができる。
ラミネート層を構成するプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)にも種々公知のブロッキング防止剤を0.01〜1重量%添加しておくと、更に耐ブロッキング防止性が改良されたフィルムが得られるので好ましい。又、種々公知のスリップ剤を0.01〜1重量%添加しておくと、更にスリップ性が改良されたフィルムが得られるので好ましい。
【0015】
重合体の製造方法
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)、1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)及びプロピレン重合体(D)は種々公知の方法、例えば、典型的には固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分から形成される触媒、あるいはこれら両成分および電子供与体から形成される触媒を用いて製造することができる。
固体状チタン触媒成分としては、各種方法で製造された三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物、あるいはマグネシウム、ハロゲン、電子供与体、好ましくは芳香族カルボン酸エステルまたはアルキル基含有エーテルおよびチタンを必須成分とする、比表面積が好適には100m/g以上の担体付チタン触媒成分が挙げられる。特に後者の担体付触媒成分を用いて製造された重合体が好適である。
【0016】
有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化合物が好適であり、具体的には、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライドなどが挙げられる。これらの化合物のうち、好適な有機金属化合物触媒成分は、使用する上記チタン触媒成分の種類によって異なる。
電子供与体は、窒素、リン、イオウ、酸素、ケイ素、ホウ素などを含む有機化合物であり、好適な具体例としては、これらの元素を有する有機エステル、有機エーテルなどを挙げることができる。
担体付触媒成分を用いた重合体の製造方法に関しては、たとえば特開昭50−108385号、特開昭50−126590号、特開昭51−20297号、特開昭51−28189号、特開昭52−151691号などの各公報に開示されている。
【0017】
本発明に係わるアイソタクテシティの高いプロピレン重合体(D)およびプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)は、特にはシングルサイト触媒を用いて製造することができる。シングルサイト触媒は、活性点が均一(シングルサイト)である触媒であり、例えばメタロセン触媒(いわゆるカミンスキー触媒)やブルックハート触媒などがあげられる。例えばメタロセン触媒は、メタロセン系遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物および上記メタロセン系遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されていてもよい。
前記メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば特開平5−209014号、特開平6−100579号、特開平1−301704号、特開平3−193796号、特開平5−148284号、特開2000−20431号等に記載された化合物などがあげられる。
【0018】
有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等があげられる。上記鎖状あるいは環状アルミノキサンは、アルキルアルミニウムと水とを接触させることにより生成される。例えば重合時にアルキルアルミニウムを加えておいて、後で水を添加するか、あるいは錯塩の結晶水または有機、無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることにより得られる。
前記メタロセン系遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物は、例えば特表平1−501950号、特開平3−207704号、特開2002−20431号等に記載された化合物などがあげられる。シングルサイト触媒を担持させる前記無機物としては、シリカゲル、ゼオライト、珪藻土等があげられる。重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等があげられる。これらの重合はバッチ法であっても連続法であっても良い。重合条件は通常、重合温度;−100〜+250℃、重合時間;5分〜10時間、反応圧力;常圧〜300Kg/cm(ゲージ圧)である。
【0019】
熱融着性プロピレン系重合体フィルム
本発明の熱融着性プロピレン系重合体フィルムは、上記プロピレン共重合体組成物(C)から得られる。熱融着性プロピレン系重合体フィルムの厚さは用途により種々決定されるが、通常10〜500μm、好ましくは20〜100μmの範囲にある。本発明の熱融着性プロピレン系重合体フィルムは単層でも包装材料として用い得るが、被包装材料に応じて、下記記載の基材層と積層して用いても良い。
本発明の熱融着性プロピレン系重合体フィルムは公知の種々公知のフィルム成形方法を採用し得る。その際、フィルム成形する前に、予め上記組成のプロピレン共重合体組成物(C)を用意しておいてもよいし、プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)及び1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)を所定量計量して直接フィルム成形機に投入してもよい。
本発明の熱融着性プロピレン系重合体フィルムは、印刷性あるいは他のフィルムとの接着性を改良するために、その片面を、たとえば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理等で表面活性化処理を行っておいてもよい。
【0020】
積層フィルム
本発明の積層フィルムの一つは、上記プロピレン共重合体組成物(C)から得られる熱融着層とプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)から得られるラミネート層とからなる。積層フィルムの厚さは用途により種々決定されるが、通常熱融着層の厚さが1〜80μm、好ましくは2〜50μm、ラミネート層の厚さが9〜499μm、好ましくは18〜98μmの範囲にあり、積層フィルム全体の厚さが、10〜500μm、好ましくは20〜100μmの範囲にある。本発明の積層フィルムは、プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)から得られるラミネート層を有することにより、フィルム成形加工性が改良され、得られる積層フィルムは、スリップ性、耐ブロッキング性、印刷性やラミネート適性が更に改良される。
本発明の積層フィルムは、印刷性あるいは他のフィルムとの接着性を改良するために、ラミネート層の表面を、たとえば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理等で表面活性化処理を行っておいてもよい。
【0021】
本発明の積層フィルムの他の一つは、上記プロピレン共重合体組成物(C)から得られる熱融着層、プロピレン重合体組成物(E)から得られる中間層及びプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)から得られるラミネート層とからなる。積層フィルムの厚さは用途により種々決定されるが、通常熱融着層の厚さが1〜80μm、好ましくは2〜50μm、中間層の厚さが8〜498μm、好ましくは16〜496μm、ラミネート層の厚さが1〜80μm、好ましくは2〜50μmの範囲にあり、積層フィルム全体の厚さが、10〜500μm、好ましくは20〜100μmの範囲にある。本発明の積層フィルムは、プロピレン重合体組成物(E)から得られる中間層及びプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)から得られるラミネート層を有することにより、低温ヒートシ−ル性とラミネ−ト強度に優れる。
本発明の積層フィルムは、印刷性あるいは他のフィルムとの接着性を改良するために、ラミネート層の表面を、たとえば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理等で表面活性化処理を行っておいてもよい。
【0022】
本発明の積層フィルムは公知の種々公知のフィルム成形方法を採用し得る。その際、フィルム成形する前に、熱融着層を構成する上記組成のプロピレン共重合体組成物(C)を予め用意しておいてもよいし、プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)及び1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)を所定量計量して直接フィルム成形機に投入してもよい。又、同じく中間層を構成する上記組成のプロピレン重合体組成物(E)を予め用意しておいてもよいし、プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)及びプロピレン重合体(D)を所定量計量して直接フィルム成形機に投入してもよい。かかる積層フィルムは夫々別個にフィルムを成形後貼り合せてもよいが、二層あるいは三層構造の多層ダイを用いて共押出し成形による方法が最も好ましい。
【0023】
基材層
本発明に係わる基材層は、熱可塑性樹脂からなるシート状またはフィルム状のもの、紙、アルミニュム箔等からなる。熱可塑性樹脂としては、種々公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体もしくはその鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、あるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等、延伸性、透明性が良好な熱可塑性樹脂が好ましい。又、かかる熱可塑性樹脂フィルムからなる基材は、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであっても良いし、1種或いは2種以上の共押し出し成形、押出しラミネート、ドライラミネート、サーマルラミネート等で得られる積層体であっても良い。
又、基材層の片面あるいは両面を、本発明の熱融着性プロピレン系重合体フィルムあるいは積層フィルムのラミネート層との接着性を改良するために、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。基材層の厚さは、通常5〜1000μm、好ましくは7〜100μmの範囲にある。
【0024】
【発明の効果】
本発明の熱融着性プロピレン系重合体フィルムは高速、低圧下における低温ヒートシール性に優れており、かかる特徴を活かして、特にトイレタリ−用、ベビ−等のおしり拭き用、化粧落とし用、床板・畳み等清掃用等のテイシュ及び/又は濡れティシュ等を高速下で横ピロ−包装あるいは縦ピロ−包装等の自動包装材料として好適である。又、本発明の熱融着性プロピレン系重合体フィルムは更に、密封性、ラミネート強度に優れ、且つ耐ブロッキング性、包装材料に好適なスリップ性、透明性等を有し、ヒートシ−ルされた部分が奇麗な見栄えのする包装体が得られるので、かかる特徴を活かして、飴、せんべい、チョコレ−ト菓子、チョコレ−ト等のお菓子類、珍味等の嗜好品、ハム、ソーセージ、畜肉等の蓄肉加工品、靴下、化粧品等日用雑貨品等のラベルシ−ルのある包装材料(規格袋、自働包装用)にも好適である。本発明の熱融着性プロピレン系重合体フィルムは上記包装用材料に限らず、一般包装用フィルムとしては勿論のこと、あらゆる食品、日用品雑貨、医薬用、産業材関連の包装材料として好適に用い得る。
本発明の積層フィルムは、熱融着性プロピレン系重合体の単層フィルムに比べ、層厚が薄くしても熱融着性プロピレン系重合体層の上記性能を十分に発揮できるという特徴を有する。
【0025】
【実施例】
次に本発明を、実施例を通して説明するが、本発明はそれら実施例によって限定されるものではない。
【0026】
本発明における各種試験法および評価法は次の通りである。
(1)ヒートシール強度(N/15mm)
ヒートシール強度を測定する前に、予めフィルムを38℃オ−ブン中で15時間エ−ジングした後放冷した。フィルムの熱融着層面を重ね合せ、所定の温度で、幅5mmのシールバーにより、0.2MPaの圧力で0.3秒間、フィルムの流れ方向に対して直角方向にヒートシールした後放冷した。これから15mm幅の試験片を切り取りクロスヘッド速度500mm/分でヒートシール部を剥離し、その強度をヒートシール強度とした。
(2)密封性
密封性を測定する前に、フィルムを38℃オ−ブン中で15時間エ−ジングした後放冷した。フィルムの熱融着層面を内面にして合掌貼り状態で円筒状にヒートシ−ルをし、一方の端を袋状になるようにヒートシ−ルをした。
ヒートシ−ルの条件は表記載の温度で、幅10mmのシールバーにより、0.2MPaの圧力で0.3秒間、シ−ルバ−側にセロファン#300を添えて、ヒートシールした後放冷した。
得られた袋の底の部分に市販の三菱瓦斯化学社製のエ−ジレスチェツカ−液(赤)を入れて、シ−ル部分に浸透する状態で密封性を以下の3段階で評価した。
エ−ジレスチェツカ−液が浸透しないものを○、途中まで浸透するものを△、外部まで浸透するものを×とした。
(3)ブロッキング性
ブロッキング性を測定する前に、フィルムを38℃のオ−ブン中で15時間エ−ジングした後放冷した。フィルムから20mm×100mm幅の短冊状の試験片を切り取り、熱融着性面を重ね合せたものを5個ずつ作製し、試験片の中央付近で十字方向に直角に市販のプレパラ−トではさむ。試験片とプレパラ−トが重なった5.2cm2の面積部分に4kgの荷重を掛け、所定の温度条件で2日間エ−ジングした後、放冷する。その後熱融着層面を重ね合せたものをクロスヘッド速度300mm/分で剪断剥離を行い、最大強度をブロッキング力とした。ブロッキング力をn=5で評価し、平均値をブロッキング力(N/5.2cm2)とした。
【0027】
実施例及び比較例で使用した重合体は次の通りである。
(1) プロピレン・エチレンランダム共重合体(1)(PER−1)
エチレン含有量:3.1重量%、Ts:94.0℃、Tp:126.6℃、Te:131.4℃、Te−Ts:37.4℃、Tp−Ts:32.6℃、Mw/Mn:2.7及びMFR:7g/10分。
(2) プロピレン・エチレンランダム共重合体(2)(PER−2)
エチレン含有量:2.8重量%、Ts:97.2℃、Tp:125.6℃、Te:134.2℃、Te−Ts:37.0℃、Tp−Ts:28.4℃、Mw/Mn:1.9及びMFR:7g/10分。
(3) プロピレン・エチレンランダム共重合体(3)(PER−3)
エチレン含有量:3.5重量%、Ts:89.2℃、Tp:120.4℃、Te:126.3℃、Te−Ts:37.1℃、Tp−Ts:31.2℃、Mw/Mn:2.2及びMFR:7g/10分。
(4) プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体(PEBR)
エチレン含有量:2.2重量%、1−ブテン含有量:2.0重量%、Ts:95.4℃、Tp:139.3℃、Te:150.3℃、Te−Ts:54.9℃、Tp−Ts:43.9℃、Mw/Mn:3.9及びMFR:7g/10分。
(5) ブテンー1・プロピレンランダム共重合体(BPR)
ブテン−1含有量:80モル%、Tm:74℃、MFR:4.0g/10分(190℃)。
(6) プロピレン単独重合体(PP)
Tm:160℃、MFR:7.0g/10分(230℃)
【0028】
実施例1
熱融着層として、PER−1:70重量%及びBPR:30重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を、中間層として、PER−1:30重量%及びPP:70重量%とドライブレンドしたプロピレン重合体組成物を、ラミネート層としてPER−1:100重量%を夫々用意して別個の押出機に供給し、Tダイ法によって熱融着層/中間層/ラミネ−ト層からなる三層共押出積層フイルムを得た。フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:ラミネート層=4.5μm:21μm:4.5μmであった。尚、熱融着層を構成するプロピレン系重合体組成物には、組成物100重量%に対して、滑剤としてエルカ酸アミド;800ppm及びビスオレイン酸アミド;600ppm、アンチブロッキング剤としてシリカ2200ppm、結晶化核剤として高密度ポリエチレン(MFR:5.2g/10分(190℃)、密度:0.968g/cm3(D1505)、融点:134℃(D2117));2600ppmを添加した。
得られた三層共押出積層フイルムの物性等を前記記載の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0029】
実施例2
実施例1の熱融着層に用いたプロピレン系重合体組成物に代えて、熱融着層として、PER−1:60重量%及びBPR:40重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を用いる以外は実施例1と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表1に示す。
【0030】
実施例3
実施例1の熱融着層に用いたプロピレン系重合体組成物に代えて、熱融着層として、PER−1:50重量%及びBPR:50重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を用いる以外は実施例1と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表1に示す。
【0031】
実施例4
実施例1の熱融着層に用いたプロピレン系重合体組成物に代えて、熱融着層として、PER−1:37重量%及びBPR:63重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を用いる以外は実施例1と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表1に示す。
【0032】
実施例5
実施例1で用いた組成物に代えて、熱融着層として、PER−2:70重量%及びBPR:30重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を、中間層として、PER−2:30重量%及びPP:70重量%とドライブレンドしたプロピレン重合体組成物を、ラミネート層としてPER−2:100重量%を用いる以外は実施例1と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表2に示す。
【0033】
実施例6
実施例5の熱融着層に用いたプロピレン系重合体組成物に代えて、熱融着層として、PER−2:60重量%及びBPR:40重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を用いる以外は実施例5と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表2に示す。
【0034】
実施例7
実施例5の熱融着層に用いたプロピレン系重合体組成物に代えて、熱融着層として、PER−2:50重量%及びBPR:50重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を用いる以外は実施例5と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表2に示す。
【0035】
実施例8
実施例5の熱融着層に用いたプロピレン系重合体組成物に代えて、熱融着層として、PER−2:37重量%及びBPR:63重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を用いる以外は実施例5と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表2に示す。
【0036】
実施例9
実施例1で用いた組成物に代えて、熱融着層として、PER−3:70重量%及びBPR:30重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を、中間層として、PER−3:30重量%及びPP:70重量%とドライブレンドしたプロピレン重合体組成物を、ラミネート層としてPER−3:100重量%を用いる以外は実施例1と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表3に示す。
【0037】
実施例10
実施例9の熱融着層に用いたプロピレン系重合体組成物に代えて、熱融着層として、PER−3:60重量%及びBPR:40重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を用いる以外は実施例9と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表3に示す。
【0038】
実施例11
実施例9の熱融着層に用いたプロピレン系重合体組成物に代えて、熱融着層として、PER−3:50重量%及びBPR:50重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を用いる以外は実施例9と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表3に示す。
【0039】
実施例12
実施例9の熱融着層に用いたプロピレン系重合体組成物に代えて、熱融着層として、PER−3:37重量%及びBPR:63重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を用いる以外は実施例9と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表3に示す。
【0040】
比較例1
実施例1で用いた組成物に代えて、熱融着層として、PEBR:37重量%及びBPR:63重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を、中間層として、PEBR:30重量%及びPP:70重量%とドライブレンドしたプロピレン重合体組成物を、ラミネート層としてPEBR:100重量%を用いる以外は実施例1と同様に行い、三層共押出積層フイルムを得た。得られた三層共押出積層フイルムの物性等の評価結果を表3に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004039558
【0042】
【表2】
Figure 0004039558
【0043】
【表3】
Figure 0004039558
【0044】
表1、表2及び表3から明らかなように、本発明の特定のプロピレン・α―オレフィン共重合体を用いることにより、1−ブテン・α―オレフィン共重合体との組成物から得られる熱融着性フィルム(実施例3〜4、実施例7〜8及び実施例11〜12)は、従来のプロピレン・α―オレフィン共重合体を用いた組成物から得られる熱融着性フィルム(比較例1)に比べ、格段に低温ヒ−トシ−ル性に優れ、密封性、耐ブロッキング性にも優れている。又、実施例1〜2、実施例5〜6及び実施例9〜10と比較例1との対比から明らかなように、本発明の特定のプロピレン・α―オレフィン共重合体を用いた組成物から得られる熱融着性フィルムは、従来のプロピレン・α―オレフィン共重合体を用いた組成物から得られる熱融着性フィルム(比較例1)と同程度の低温ヒートシール性を有する場合は、密封性は良好で、耐ブロッキング性が格段に優れている。

Claims (7)

  1. DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)及び1−ブテン含有量が60〜99モル%及びDSCに基づく融点(Tm)が50〜130℃の1−ブテン・α―オレフィン共重合体(B)とのプロピレン系重合体組成物(C)から得られることを特徴とする熱融着性プロピレン系重合体フィルム。
  2. プロピレン系重合体組成物(C)が、プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)が10〜90重量%及びブテンー1・α―オレフィン共重合体(B)が90〜10重量%の範囲にある請求項1記載の熱融着性プロピレン系重合体フィルム。
  3. 請求項1若しくは2記載の熱融着性プロピレン系重合体フィルムの片面にDSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)から得られるラミネート層が積層されてなる積層フィルム。
  4. 請求項1若しくは2記載の熱融着性プロピレン系重合体フィルムの片面にプロピレン重合体(D)から得られる中間層を介してDSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)から得られるラミネート層が積層されてなる積層フィルム。
  5. 中間層が、プロピレン重合体(D)とプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)とのプロピレン重合体組成物(E)からなる請求項4記載の積層フィルム。
  6. 請求項1若しくは2記載の熱融着性プロピレン系重合体フィルムからなる包装体。
  7. 請求項3〜5の何れかに記載の積層フィルムからなる包装体。
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