JP6005580B2 - ポリエチレン系多層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、エチレン系重合体組成物から得られる透明性、剛性、適度なヒートシール強度を保持し、かつ低温シール性に優れ、カールを発生させないポリエチレン系多層フィルムに関する。
従来、ポリエチレンを用いて透明フィルムを製造する方法としては水冷インフレ法または溶融樹脂をスリットダイを通してチルロールまたは水によって急冷するTダイキャスト方法が一般に知られている。しかしながら、この方法では加工性を良くするために原料樹脂として分子量の小さい樹脂を用いざるを得ず、得られる透明フィルムは剛性が劣るという問題があった。
そこで、密度が0.94g/cm以上で、且つメルトインデックス(MI)(ASTMD−1238)が1g/10分以下である高密度ポリエチレン50〜80重量部に、密度が0.93g/cm以下で、且つMIが3g/10分以下である分岐状低密度ポリエチレン10〜30重量部及び密度が0.93g/cm以下で、且つMIが3g/10分以下である線状低密度ポリエチレンを10〜30重量部配合してなる組成物を特定の条件下でインフレーション成形するという発明が開示されている(特許文献1参照)。
また、少なくとも3つの層を有し、かつ下記(1)〜(4)の条件を満たすポリエチレン積層フィルム:
(1)両表層が、920〜968kg/mの密度を有するポリエチレン樹脂組成物からなること、
(2)表層と直接接する内層のいずれもが、922〜970kg/mの密度を有するポリエチレン樹脂組成物からなること、
(3)表層と直接接する内層を構成するポリエチレン樹脂組成物の密度が、その表層を構成するポリエチレン樹脂組成物の密度よりも2kg/m以上高いこと、及び
(4)表層と直接接する内層を構成するポリエチレン樹脂組成物のMFRが、その表層を構成するポリエチレン樹脂組成物のMFRよりも0.2g/10分以上低いこと。
とすることで、特定の組成物を表層および表層と直接接する内層に配することにより、高透明性、高光沢性、強いコシを併せ持つポリエチレン積層フィルムが提供されている(特許文献2参照)。
ポリエチレン(A)からなる層の両側の表面にポリエチレン(B)からなる層が設けられた構造を有する多層フィルムであって、下記の要件をいずれも満たすことを特徴とするポリエチレン系多層フィルムが提供されている。
(1)ポリエチレン(A)及びポリエチレン(B)の密度が0.910〜0.940g/cmであり、
(2)ポリエチレン(A)の密度がポリエチレン(B)の密度より小さく、かつ当該密度差が0.01g/cm以下であり、
(3)ポリエチレン(A)の重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)以上、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4以上であり、かつオリゴマー抽出量がポリエチレン(A)の重量に対し1重量%以上であり、
(4)ポリエチレン(B)の重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)未満、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4未満であり、かつオリゴマー抽出量がポリエチレン(B)の重量に対し1重量%未満である(特許文献3参照)。
特開平9−239830号公報 特開2010−221702号公報 特開2013−22909号公報
しかし、特許文献1記載の方法では製法がインフレーションに限られるためにキャスト成形フィルムに比べると厚み精度に劣った。また、特許文献2記載の方法ではヘイズ、剛性は改善されるものの層間で密度差が大きいため、フィルムとしてはカールしやすく、加工適正の点で好ましくなかった。
そこで、カールを発生させない加工適性を有するとともに透明性、剛性の優れたフィルムが切に求められていた。
そこで、特許文献3にあるような層構成が提案され、ポリエチレン(A)の密度がポリエチレン(B)の密度より小さく、かつ当該密度差が0.01g/cm以下という要件を満たすことが必要とされている。
その理由としてポリエチレン(A)の密度がポリエチレン(B)より小さくなければ融点が高くなり加工性が低下するとある。しかしポリエチレン(B)の密度がポリエチレン(A)より大きいため融点が高くなり、低温シール性が悪く、その改善が求められていた。
本発明は、インフレーション成型等に加え、厚み精度の良好なキャスト成型が可能であり、層間に密度差がないかまたは僅少であるためカールのおそれがなく、加えて適度なヒートシール性を保持するとともに優れた透明性、剛性を具有する低温ヒートシール性に優れたポリエチレン系多層フィルムの提供を目的とする。
発明者は種々検討した結果、通常キャスト成形には使用しない高分子量のポリエチレンを用いて、剛性等の機械的強度を付与する一方で、低分子量成分が多く、分子量分布の広いポリエチレンを選択することにより、高分子量のポリエチレンの欠点である流動性を改善し、優れた透明性を付与することができる。さらに、前記低分子量成分を多く含有することに由来する該低分子量成分のブリードアウトは一定の要件を満たすポリエチレンを両側に設けることにより解決するとともに、前記剛性、透明性を保持し、カールを発生させず、適度なヒートシールを保持したポリエチレン系多層フィルムにおいて低温ヒートシール性の改善するに至った。
すなわち、本発明は、ポリエチレン(A)からなる層の両側の表面にポリエチレン(B)からなる層が設けられた構造を有する多層フィルムであって、下記の要件をいずれも満たすことを特徴とするポリエチレン系多層フィルムを提供する。
(1)ポリエチレン(A)及びポリエチレン(B)の密度が0.910〜0.940g/cmであること。
(2)ポリエチレン(A)の密度がポリエチレン(B)の密度以上であり、かつ当該密度差が0.01g/cm以下であること。
(3)ポリエチレン(A)の重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)以上、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4以上であり、かつオリゴマー抽出量がポリエチレン(A)の重量に対し1重量%以上であること。
(4)ポリエチレン(B)の重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)未満、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4未満であり、かつオリゴマー抽出量がポリエチレン(B)の重量に対し1重量%未満であること。本発明によれば、従来得ることが不可能であった優れた透明性及び剛性を有するとともに、カールを生じさせず適度なヒートシール性を保持し、低温ヒートシール性に優れたポリエチレン系多層フィルムを得ることができる。
尚、ポリエチレン(A)、ポリエチレン(B)の密度の測定方法は、JISK7112に準じたものである。
また、ポリエチレン(A)、ポリエチレン(B)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は試料を30mgをo−ジクロロベンゼン20mLに145℃で溶解した後、その溶液が孔径1.0μmの焼結フィルターでろ過したものを分析試料とし、GPCを用いて平均分子量及び分子量分布曲線を測定して求めた。尚、計算はポリエチレン(PE)換算で行った。
本発明のポリエチレン系多層フィルムの好ましい形態は、ポリエチレン(A)がコモノマーとしてヘキセン−1またはオクテン−1を含む直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする。ポリエチレン(A)がコモノマーとしてヘキセン−1またはオクテン−1を含むことにより、フィルムの耐熱性を向上させることができる。
本発明のポリエチレン系多層フィルムの他の好ましい形態は、ポリエチレン(B)からなる層/ポリエチレン(A)からなる層/ポリエチレン(B)からなる層の層比が1/8/1〜3/4/3であることを特徴とする。かかる層比にすることにより、剛性及び透明性をより有効に保持したポリエチレン系多層フィルムを得る観点から好適である。
本発明のポリエチレン系多層フィルムの他の好ましい形態は、ポリエチレン(A)からなる層の両側にポリエチレン(B)からなる層が設けられた構造のフィルムの少なくとも一方の面にフィルム層が1層以上形成されていることを特徴とする。ポリエチレン(B)/ポリエチレン(A)/ポリエチレン(B)の3層構造のフィルムにさらにフィルム層を形成することにより、用途によって適切な機能性、例えば水蒸気や酸素についてのバリア性等を付与したポリエチレン系多層フィルムを得ることができる。
本発明のポリエチレン系多層フィルムの他の好ましい形態は、前記フィルム層がポリ乳酸および/またはナイロンから形成されていることを特徴とする。ポリエチレン(B)/ポリエチレン(A)/ポリエチレン(B)の3層構造のフィルムの少なくとも一方の面にポリ乳酸からなるフィルム層を設けることにより、環境負荷の少ないポリエチレン系多層フィルムを得ることができる。また、ナイロンからなるフィルム層を設けることにより、種々の液体包装用途のフィルムとしての使用が可能となる。
さらに、本発明のポリエチレン系多層フィルムを包装体に加工することにより、優れた透明性、剛性、低温ヒートシール性を有する包装体を得ることができる。即ち、本発明のポリエチレン系多層フィルムの優れた透明性により被包装体を透視性が良く、剛性により破損しにくく、低温ヒートシール性により封止加工が容易な包装体を得ることができる。
ポリエチレン系フィルムにおいては、透明性については結晶化度が低く、低密度のポリエチレン系フィルムが良好であるが剛性が劣っており、該剛性については、結晶化度が高く、高密度のポリエチレン系フィルムが良好であるが透明性も劣っていたが、本発明によれば、透明性、剛性および低温ヒートシール性に優れたポリエチレン系多層フィルムを得ることができる。さらに、インフレーション成型等種々の成型に加え、キャスト成型も可能になることから、厚み精度に優れたポリエチレン系多層フィルムを得ることができる。
本発明のポリエチレン系多層フィルムは、同時付与が困難な透明性及び剛性を同時に兼ね備えた点で非常に優れたフィルムである。また、本発明のポリエチレン系多層フィルムは層間に密度差がないか僅少であるためカールを生じさせず、適度なヒートシール性を保持することから加工性に優れ、かつ低温ヒートシール性にも優れている。
さらに、本発明のポリエチレン系多層フィルムはカールのおそれがなく、適度なヒートシール性および低温ヒートシール性を具有し、かつ透明性、剛性の改善されているため、包装用フィルムとして好適に使用し得る。
ポリエチレン(A)
本発明に係わるポリエチレン(A)は、密度が0.910〜0.940g/cm、好ましくは0.920〜0.930g/cmのエチレンの単独重合体、若しくはエチレンと少量のプロピレン、ブテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1との共重合体であり、通常、直鎖状低密度ポリエチレンと呼ばれているエチレンを主体とする重合体である。コモノマーとしてはポリエチレンの耐熱安定性の観点からブテン−1よりもヘキセン−1、オクテン−1の方が好ましい。
密度が0.910g/cmより低いと融点も低くなり、ヒートシール温度も低くなりすぎるおそれがあり、ヒートシール性が低下することから、加工に適さないフィルムとなることがあり、0.940g/cmより高いと融点も連動して高くなり、ヒートシール温度が高くなりすぎるおそれがあり、加工性の観点から好ましくないことに加え、透明性が低下するおそれがある。
また、ポリエチレン(A)の密度は低温ヒートシール性付与の観点から後述するポリエチレン(B)の密度以上、より好ましくはポリエチレン(B)の密度より大きく、また、溶融加工時のフロー性及び透明性等の観点から、当該密度差が0.01g/cm以下であることが必要である。即ち、ポリエチレン(A)の密度がポリエチレン(B)より、小さければ低温ヒートシール性が十分でないおそれがあり、密度差が0.01g/cmを超えると、加工性が低下するおそれがあり、またポリエチレン(A)とポリエチレン(B)からなる層間に収縮率に差が生じて反りやカールが生じるなど外観上好ましくないばかりでなく、物性面でも歪みが生じることからフィルム自体が不安定な状態になる可能性がある。かかる原因としては、ポリエチレンの密度は結晶度、結晶の大きさの指標であり、密度の大きいポリエチレンほど融点が高くなるが、結晶過程での分子のパッキングが大きいため収縮率が大きい一方、密度の小さいポリエチレン、即ち融点の低いポリエチレンは結晶過程での分子のパッキングが小さいことから収縮率が小さいためであると考えられる。従って、ポリエチレン(A)の密度がポリエチレン(B)の密度以上であって、当該密度差が0.01g/cm以下の場合には低温ヒートシール性、加工性、カール等が発生せず物性面で優れた多層フィルムを得ることができる。
また、ポリエチレン(A)の重量平均分子量(Mw)は9万(g/mol)以上、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4以上であり、かつオリゴマー抽出量がポリエチレン(A)の重量に対し1重量%以上である。ポリエチレン(A)の重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)未満の場合には剛性等機械的物性不十分になる可能性がある。
また、ポリエチレン(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、Mw/Mnは分子量分布の指標であり、Mw/Mnが大きいほど、広範囲の分子量のポリエチレンが含まれることを示す。ポリエチレン(A)の場合、主として低分子のポリマーの作用によって良好なフロー性等得ることができることから、分子量分布は低分子側に広いことが好ましい。Mw/Mnが4未満となると重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)以上と大きいことから、加工時に十分なフロー性等が得られず加工性の点で劣る可能性がある。より具体的には、メルトフローレート(MFR:ASTM
D1238荷重2160g、温度190℃)は通常重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)以上であれば0.5g/10分以下となりフロー性の低下によって成形・加工時の押出機等への負荷が大きくなり、成形・加工性は低下する。一方、Mw/Mnが4以上でありかつオリゴマー含有量が1重量%以上となるように低分子量成分を含むことで、メルトフローレート(MFR:ASTM D1238荷重2160g、温度190℃)は1(g/10分)程度となり、成形・加工するための適度なフロー性を保持することができるため、成型・加工時の押出機等へ過度の負荷もかけることなく良好な加工性を維持することができる。
尚、本発明に係るポリエチレン(A)及びポリエチレン(B)の重量平均分子量と数平均分子量の測定方法は以下の通りである。
試料30mgをo−ジクロルベンゼン20mlに145℃で溶解した後、その溶液を孔径が1.0μmの焼結フィルターでろ過したものを分析試料とする。
GPCを用いて平均分子量及び分子量曲線を求める。計算はポリエチレン換算で行う。また、使用機器及び測定条件は次の通りである。
・測定装置:ゲル透過クロマトグラフAlliance GPC2000型(Waters社製)
・解析装置:データ処理ソフトEmpower2(Waters社製)
・測定条件:
・カラム TKSgelGMH−HT×2+TSKgelGMH6−HTL×2(いずれも7.5mmI.D×30cm、東ソー社製)
・カラム温度 140℃
・移動相 o−ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)(ODCB)
・検出器 示差屈折率計
・流速 1ml/min
・試料濃度 0.15%(W/V)
・注入量 0.5ml
・サンプリング時間間隔 1sec
・カラム較正 単分散ポリスチレン(東ソー社製)
・分子量換算 PE換算/汎用較正法
さらに、ポリエチレン(A)のオリゴマー抽出量は1重量%以上であることが必要である。
低分子成分であるオリゴマーにより、結晶と非晶との界面がなだらかになり、結晶と非晶との界面での急激な屈折率の変化を緩和して透明性の悪化を効果的に抑制することができるからである。また、オリゴマーを含有することにより、流動等の加工性も良好となり、分子量が高いことに起因する押出機負荷の上昇等の加工性の低下も防止することができる。
従って、オリゴマー抽出量が1重量%未満の場合には結晶間の界面での急激な屈折率の変化に起因する透明性の低下を引き起こす可能性があり、流動等加工性が低下するおそれがある。
ここでオリゴマー抽出量とは一定条件の下、ソックスレー抽出器を用いて抽出されたオリゴマー量であり、具体的には次のような条件で抽出されるオリゴマー量をいうものとする。
試料を23±2℃、湿度65%±15%の条件下で24時間以上放置し、試料約15gを秤量する。一方、500mlの丸底フラスコをシリカゲル入りのデシケーターに入れ、23±2℃の条件下で24時間以上放置し、重量を秤量する。当該丸底フラスコにヘキサン(試薬特級)を約200ml入れ前記秤量した試料を所定位置に封入してソックスレー抽出器をセットする。水温約90℃のウォーターバスに前記ソックスレー抽出器の丸底フラスコを浸漬して6時間抽出する。抽出後、ヘキサンを蒸発させ、100℃の条件の下、2時間丸底フラスコを減圧乾燥させる。乾燥後、丸底フラスコをシリカゲル入りのデシケーターに入れ、23±2℃の条件下で24時間以上放置し、重量を秤量する。以下の数式でオリゴマー抽出量(重量%)(以下、「重量%」を「wt%」と表記することがある。)を求める。
・オリゴマー抽出量(重量%)={(抽出処理後の丸底フラスコの重量−抽出処理前の丸底フラスコの重量)/試料の重量}×100
ポリエチレン(B)
本発明に係わるポリエチレン(A)は、密度が0.910〜0.940g/cm、好ましくは0.920〜0.930g/cmのエチレンの単独重合体、若しくはエチレンと少量のプロピレン、ブテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1との共重合体であり、通常、直鎖状低密度ポリエチレンと呼ばれている
エチレンを主体とする重合体である。密度が0.910g/cmより低いと融点も低くなり、ヒートシール温度が低くなりすぎるおそれがあり、ヒートシール性が低下することから、加工に適さないフィルムとなることがあり、0.940g/cmより高いと融点も連動して高くなり、ヒートシール温度が高くなりすぎるおそれがあり、加工性の観点から好ましくないことに加え、透明性が低下するおそれがある。
また、ポリエチレン(B)の重量平均分子量(Mw)は9万(g/mol)未満、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4未満であり、かつオリゴマー抽出量がポリエチレン(A)の重量に対し1重量%未満である。ポリエチレン(B)の重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)以上の場合には、樹脂流動性が低下し、フィルム表面にスジムラを生じる。その対策としてポリエチレン(A)と同様にオリゴマーを添加する手法が考えられるが、表面層のためブリードしてべたつきを生じたり、ヒートシールするフィルム間にオリゴマーが存在することでヒートシール強度が低下する可能性がある。
さらに、ポリエチレン(B)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、Mw/Mnは分子量分布の指標であり、Mw/Mnが小さいほど、分子量のバラツキが少なくオリゴマー含有量も少ないポリエチレンであることを示す。より具体的には、上述したようにMw/Mnが4未満であり、かつオリゴマー抽出量は1重量%未満であることが必要である。ポリエチレン(B)の場合、本発明のポリエチレン系多層フィルムの最外層を構成することがあることから、特にオリゴマー等の低分子物質の表面へのブリードアウトを防止する観点から分子量分布は狭い方が好ましい。Mw/Mnが4以上となると重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)未満と小さいこともあり、経時でオリゴマー等の低分子量物質がブリードアウトしてべたつきを生じたり、ヒートシール強度が低下する可能性がある。
本発明のポリエチレン系多層フィルムに用いるポリエチレン(A)及びポリエチレン(B)には耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤等の通常ポリオレフィンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。
特に滑剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤は表面層として外部に露出している場合にポリエチレン(B)に添加することが好ましい。かかるブロッキング防止剤としては、種々公知のもの、例えば、シリカ、タルク、雲母、ゼオライトや更には金属アルコキシドを焼成して得た金属酸化物等の無機化合物粒子、ポリメタクリル酸メチル、メラミンホルマリン樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリエステル樹脂等の有機化合物粒子等を用い得る。これらの中でも、シリカ、ゼオライトがブロッキング防止性、透明性の面から特に好ましい。かかるブロッキング防止剤は、通常平均粒径が4.0〜10.0μm、好ましくは5.0〜7.0μmの範囲にある。
ポリエチレン系多層フィルム
本発明のポリエチレン系多層フィルムは、ポリエチレン(A)からなる層の両側の表面にポリエチレン(B)からなる層が設けられた構造を有する少なくとも3層を有する多層フィルムである。ポリエチレン(A)からなる層(以下、「中間層」ということがある。)及びポリエチレン(B)からなる層(以下、「表面層1」、「表面層2」ということがある。)を前記のように構成させることにより、カールが発生せず、優れた低温ヒートシール性と適度なヒートシール強度を保持する等加工性、透明性、剛性においていずれも優れたポリエチレン系多層フィルムを得ることができる。本発明のポリエチレン系多層フィルムであるポリエチレン(A)からなる1層及びポリエチレン(B)からなる2層の合計3層からなるフィルムは種々の公知の成型方法を用いることができるが、エクストルーダーによる共押出によるキャスト成型が、生産効率の観点から好ましい。
また、本発明のポリエチレン系多層フィルムを構成するポリエチレン(A)からなる層、及びポリエチレン(B)からなる層の層比は、ポリエチレン(B)からなる層/ポリエチレン(A)からなる層/ポリエチレン(B)の場合、優れた透明性及び剛性を保持する観点から、1/8/1〜3/4/3であることが好ましい。前記の層比1/8/1よりポリエチレン(A)からなる層比が大きい場合には、表面層の厚みが十分でなくオリゴマーがブリードするおそれがある。一方、前記の層比3/4/3より、ポリエチレン(A)からなる層比が小さい場合には、多層フィルムの透明性、剛性等機械的物性が不十分である可能性がある。
さらに、ポリエチレン(A)からなる層の両側にポリエチレン(B)からなる層が設けられた構造の多層フィルムの少なくとも一方の面にフィルム層が1層以上形成されていてもよい。フィルム層を構成する樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66等からなるポリアミドフィルム、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテン、オクテン−1などの炭素数2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィン等のポリオレフィン系樹脂、ポリL乳酸、ポリD乳酸、またはポリL乳酸とポリD乳酸を精密に配位したステレオコンプレックス晶ポリ乳酸等のポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等、または前記樹脂の2種以上を混合した熱可塑性樹脂が挙げられる。尚、フィルム層を構成するフィルムは一軸、または二軸方向に延伸されていても良い。
前記フィルム層として、ナイロン及びポリ乳酸が包装材用フィルムの機能性等の観点から好ましい。即ち、フィルム層として、ナイロン6、ナイロン66等のナイロンを用いた場合、水蒸気バリア性、酸素バリア性に優れていることから、液状物を含む被包装物に対し好適である。また、フィルム層として、ポリ乳酸を用いた場合には、包装材として環境負荷が少ないため好ましい。さらに、フィルム層として、ナイロン及びポリ乳酸を併用することにより、バリア性が優れかつ環境負荷の少ないポリエチレン系多層フィルムが得られ、包装材用フィルムとしても好適である。
本発明のポリエチレン系多層フィルムにおいて、ポリエチレン(B)からなる層に対しコロナ処理、火炎処理等の表面処理を行ってもよい。また、前記フィルム層を構成する場合にポリエチレン(B)からなる層のフィルム層側の表面をコロナ処理等の表面処理を行うことにより、フィルム層のラミネート強度を向上させる観点から好ましい。
また、フィルム層は紫外線、電子線等活性エネルギー線硬化性樹脂から構成されていてもよい。例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル酸共重合体、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸リチウム等金属アクリレート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、またはそれらの変性体、共重合体が挙げられる。さらに、前記化合物の2種以上の混合物であってもよい。
さらに、フィルム層は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化窒化物の薄膜から構成されていてもよい。フィルム層として設ける金属としてはアルミニウム、珪素、チタン等、金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン等、金属窒化物としては、窒化珪素等、金属炭化窒化物としては、酸化窒化珪素等が挙げられ、これら2種以上を併用することもできる。薄膜を形成する方法としては、真空蒸着、CVD、スパッタリング等が挙げられる。
また、本発明のポリエチレン系多層フィルムにより、優れた透明性、剛性および低温ヒートシール性を同時に有した包装材を得ることができる。かかる本発明の包装材は透明性が優れているため、被包装物を透視することができることに加え、表面に印刷処理する場合もフィルムが属性として有する色彩等により影響を受けない。また、本発明のポリエチレン系多層フィルムの各層を構成するポリエチレン(A)またはポリエチレン(B)に適宜顔料を添加することにより、意匠性を向上させることもできる。本発明のポリエチレン系多層フィルムは特に印刷処理と顔料による着色により、意匠付与の自由度をさらに向上させることが可能となる。また、本発明の包装材は優れた剛性を有していることから、耐衝撃性があり衝撃により破損しにくい強靱な包装材を得ることができる。さらに、本発明のポリエチレン系多層フィルムは優れた低温ヒートシール性を具有することから容易に封止することができる。
本発明のポリエチレン系多層フィルムは層間に密度差がないか僅少であるためカールのおそれがなく、かつ優れた透明性、剛性及び低温ヒートシール性を有しているため、包装用フィルムとして好適に使用し得る。また、本発明のポリエチレン系多層フィルムはポリエチレン(A)及びポリエチレン(B)に加え、他のフィルムと貼り合わせることにより熱融着層して用いることもできる。
また、本発明の包装材は種々の用途に用いることができ、例えば、ラーメン、うどん、そば、焼きそばのような即席カップ食品また、ヨーグルト、プリン、ゼリー、複数パックの乳酸菌飲料のような飲料デザート類、さらにチョコレート、ガム、キャンデー等の菓子類、たばこ、化粧品等の嗜好品、紙パック飲料、冷凍・冷蔵食品等に用いることができる。また食品用途以外にも、スポーツ・玩具、集成材、エアゾール製品、インテリア製品、CD類、磁気テープ製品の一般包装等が挙げられる。
(実施例)
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
実施例及び比較例で使用した原材料は次の通りである。
<原材料>
(1)樹脂−1(直鎖状低密度ポリエチレン)
・ブラスケム製(商品名;バイオPE、銘柄名;SLH−218)
・密度0.916g/cm、MFR;2.3g/10分。
・コモノマー:ブテン−1、ヘキセン−1
・融点:128.0℃
・Mw:96,000(g/モル)
・Mw/Mn:6.0
・オリゴマー抽出量:2.4(wt%)
(2)樹脂−2(直鎖状低密度ポリエチレン)
・三井化学社製(商品名;エボリュー、銘柄名;SP2040)
・密度0.920g/cm、MFR;4.0g/10分。
・コモノマー:ヘキセン−1
・融点:117.3℃
・Mw:71,700(g/モル)
・Mw/Mn:2.48
・オリゴマー抽出量:0.2(wt%)
(2)樹脂−3(直鎖状低密度ポリエチレン)
・ダウ・ケミカル日本社製(商品名;エリート、銘柄名;E5330G)
・密度0.915g/cm、MFR;3.5g/10分。
・コモノマー:オクテン−1
・融点:105、124℃
・Mw:69,000(g/モル)
・Mw/Mn:2.48
オリゴマー抽出量:0.7(wt%)
(4)添加剤
(イ)シリカ
・富士シリシア化学社製、商品名サイリシア730(平均粒径3μm)
(ロ)エルカ酸アミド
・チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名ATMERSA1753
実施例及び比較例における物性の評価方法は以下の通りである。
<評価方法>
(1)光学特性
日本電色工業社製ヘイズメーター300Aを用いて、ヘイズ(HZ:%)、全光線透過率(TT:%)を測定した。ヘイズ(HZ:%)、全光線透過率(TT:%)の各々の測定値は5回の測定値の平均値である。
(2)引張り試験
試験片として、フィルムから縦方向(MD)及び横方向(TD)に短冊状フィルム片(長さ:150mm、幅:15mm)を切出し、引張り試験機(オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC-1225)を用い、チャック間距離:100mm、クロスヘッドスピード:300mm/分(但し、ヤング率の測定は5mm/分)の条件で引張試験を行い、降伏点及び破断点における強度(MPA)、伸び(%)、ヤング率(MPA)を求めた。なお、伸度(%)はチャック間距離の変化とした。測定値は5回の測定値の平均値である。
(3)スリップ性
株式会社安田精機製尺所製スリップテスターNo.162SLDを用い、非コロナ面同士、コロナ面/非コロナ面を重ねあわせて、傾斜角法から静止摩擦係数を求めた。また、傾斜角はtanθで示した。
尚、表−1では非コロナ面同士のスリップ性を「NC面/NC面」と、コロナ面/非コロナ面のスリップ性を「C面/NC面」と表記した。
(4)ラミネート強度
厚み25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ製エンブレムON)とエーテル系接着剤(三井武田薬品製タケラックA969/A65/AC=16/1/19.4)で貼りあわせて、40℃のエージングを行い、1日後、3日後、10日後に引張り試験機(オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC-1225)を用い、チャック間距離:100mm、クロスヘッドスピード:300mm/分で剥離強度を求めた。
(5)ヒートシール強度
実施例1〜3、比較例1〜6のフィルムを単体で使用した。
フィルムの非コロナ面同士を重ね合わせた後に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製商品名ルミラー)で挟み、テスター産業株式会社製TP−701−BHEATSEALTESTERを用いて、所定の温度で、シール面圧:1kg/cm2、時間:1.0秒の条件下で熱融着した。尚、加熱は上側のみとした。次いで、熱融着した二軸延伸積層フィルムから幅:15mmの試験片を切出し、引張り試験機(オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC-1225)を用いて300mm/分の引張り速度で剥離し、その最大強度を熱融着強度とした。
(6)フィルムのカール状態
実施例1〜3、比較例1〜6のフィルムをカッターナイフで100mm×100mm切り出した後にガラス板の上に載せて、角部の浮きの有無を確認した。目視で1mm以上の浮きのあるものを×、1mm以上の浮きのないものを○とした。
実施例1、2、3
予め樹脂−2、3に添加剤として添加剤1としてエルカ酸アミド500ppm、シリカ2000ppmを配合し、表−1記載のとおり、表面層1:樹脂−3+添加剤1、中間層:樹脂−1、表面層2:樹脂−3+添加剤1の2種3層フィルムを層比1/3/1となるように3種3層ダイを有するキャスト成形機を用いて実施例1、2、3がそれぞれ30、50、100μm厚みになるように成形した。またそのさいにフィルム外層は巻き取り直前にコロナ放電処理し、表面張力を約42dyn/cmとした。結果を表−1に示す。
比較例1、2、3
表面層1、2を樹脂−2に代えて樹脂−3とした以外は実施例1、2、3と同様に、比較例1、2、3がそれぞれ30、50、100μm厚みになるように行った。結果を表−1に示す。
参考例1、2、3
中間層を樹脂−1に代えて樹脂−2とした以外は比較例1、2、3と同様に、参考例1、2、3がそれぞれ30、50、100μm厚みになるように行った。結果を表−1に示す。
(表−1)
Figure 0006005580
*30μm厚の実施例1、比較例1、参考例1はラミ強度測定時においてフィルムが破断した。
表−1に示した評価結果から、中間層の樹脂密度は0.916g/cm、表面層1、2の樹脂密度0.915g/cmで中間層の方が密度は高く、その差が0.01よりも小さい実施例1、2、3で得られたポリエチレン系フィルムは、比較例1、2、3で得られたポリエチレン系フィルムに比べ、低温シール性が高くなっている。
即ち、30μm厚の実施例1と比較例1で比べると100℃において実施例1が3.9N/15mm幅であるのに対して比較例1は0.6N/15mm幅であり、実施例1の方が比較例1よりも低温ヒートシール性が優れている。
また、50μm厚の実施例2と比較例2で比べると100℃において実施例2が6.3N/15mm幅であるのに対して比較例2は0.6N/15mm幅であり、実施例2の方が比較例1よりも低温ヒートシール性が優れている。
更に、100μm厚の実施例3と比較例3で比べると110℃において実施例3が3.1N/15mm幅であるのに対して比較例2は1.2N/15mm幅であり、実施例2の方が比較例1よりも低温ヒートシール性が優れている。
ここで中間層に重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)未満、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4未満であり、かつオリゴマー抽出量がポリエチレン(B)の重量に対し1重量%未満である樹脂−2を用いた比較例1、2、3は、
中間層に重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)以上、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4以上であり、かつオリゴマー抽出量がポリエチレン(A)の重量に対し1重量%以上である樹脂−1を用いた実施例1、2、3、参考例1、2、3に比べて、30、40、50μm厚みともにヤング率が20〜50MPa低く、剛性に劣るフィルムになっているのが分かる。
さらに、参考例1、2、3では中間層及び表面層1、2ともに樹脂−2から構成されており、中間層を構成する樹脂と表面層1、2を構成する樹脂は密度が等しいため、実施例1、2、3と比較してヤング率が低く、剛性が劣り、またヒートシール強度が高温側にシフトしており、低温ヒートシール性が劣っていることがわかる。具体的には100℃でのヒートシール強度については、実施例1、2、が各々3.9N/15mm幅、6.3N/15mm幅であるのに対し、参考例1、2は各々0.2N/15mm、2.2N/15mmである。また、110℃でのヒートシール強度では、実施例3が3.1N/15mmであるのに対し、参考例3では0.4N/15mmである。
従って、実施例1、2、3のような3層構成にすることにより、フィルムのカールを生じさせず、かつ適度なヒートシール性を保持し優れた透明性、剛性に加えて低温ヒートシール性を同時に具有しさせることができる。

Claims (6)

  1. 直鎖状低密度ポリエチレンであるポリエチレン(A)からなる層の隣接する両側の表面に直鎖状低密度ポリエチレンであるポリエチレン(B)からなる層が設けられた構造を有する多層フィルムであって、下記の要件をいずれも満たすことを特徴とするポリエチレン系多層フィルム。
    (1)ポリエチレン(A)及びポリエチレン(B)の密度が0.910〜0.940g/cmであること。
    (2)ポリエチレン(A)の密度がポリエチレン(B)の密度以上であり、かつ当該密度差が0.01g/cm以下であること。
    (3)ポリエチレン(A)の重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)以上、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4以上であり、かつオリゴマー抽出量がポリエチレン(A)の重量に対し1重量%以上であること。
    (4)ポリエチレン(B)の重量平均分子量(Mw)が9万(g/mol)未満、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4未満であり、かつオリゴマー抽出量がポリエチレン(B)の重量に対し1重量%未満であること。
  2. ポリエチレン(A)がコモノマーとしてヘキセン−1またはオクテン−1を含む直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1記載のポリエチレン系多層フィルム。
  3. ポリエチレン(B)からなる層/ポリエチレン(A)からなる層/ポリエチレン(B)からなる層の層比が1/8/1〜3/4/3であることを特徴とする請求項1または2記載のポリエチレン系多層フィルム。
  4. ポリエチレン(A)からなる層の両側にポリエチレン(B)からなる層が設けられた構造のフィルムの少なくとも一方の表面にフィルム層が1層以上形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン系多層フィルム。
  5. 前記フィルム層がポリ乳酸および/またはナイロンから形成されていることを特徴とする請求項4記載のポリエチレン系多層フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン系多層フィルムからなる包装体。
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