JP7375268B2 - シーラントフィルム、包装材及び包装体 - Google Patents

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Description

本発明はシーラントフィルムとそれを使用した包装材に関する。
一般的にポリエチレン、ポリプロピレン等の材料が、その他の積層基材との密着性が高いヒートシール性の良い材料であるため、食品等の包装材に用いられるシーラント層として用いられている。また、包装材として求められる物性としては、内容物充填時の充填適性、包装材に外力が加わった際に袋が破損しない機械的強度、包装材を開封する際の開封性等の物性、ならびに製造時の生産性が良いこと、などの特性が求められる。特に、包装材のヒートシール性、剛性、耐衝撃性などの特性の向上が求められている。
前記特性を兼ね備える事を可能とする技術に類似した先行技術としては、例えば、特許文献1には、ヒートシール性を付与するためにシール層側に低密度のポリエチレン樹脂を使用し、剛性や引裂性を付与するためにラミネート層側に高密度のポリエチレンを用いて、積層する手法が開示されている。
特許文献1では、低密度層によりヒートシール性を、高密度層により剛性を付与しているが、積層体であるポリエチレンシーラント単体で必要な剛性を得て、かつ、耐衝撃性を得ることはできていない。
また、包装資材として提供する場合には、基材(ポリエチレンテレフタレートや6ナイロン、66ナイロン等、ポリアミド類)と接着して提供される場合があり、基材貼り合わせを考慮した剛性と耐衝撃性の設計ができていない。
特許文献2には、樹脂多層成形体の機械的強度を上げることを課題として、熱可塑性樹脂中にグラフェン構造を有する炭素材料からなるフィラーを含有する樹脂組成物層からなる積層体において、フィラーをあるレベルで配向させることによって、より機械的な強度を向上させることが可能であることが開示されている。
この技術は樹脂組成物からなる積層体の機械的強度を向上させることができる優れた技術であるが、グラフェンが特殊な材料であるため、材料の調達や製造コスト面での問題がある。
さらに、特許文献3には、40質量%以上の無機フィラーの配合を可能とし、そして40質量%以上の無機フィラーを添加することで、家電製品のケースなどの成形品の膨張量・収縮量を大幅に抑え、従来にない高い寸法精度が得られ、コストの低廉化を実現できる無機フィラー含有樹脂組成物を提供することを課題として、前記無機フィラーがアスペクト比10以上の鱗片状であり、木粉を組成物全量に対して無機フィラーよりも少量となる5~30質量%混入することにより課題を解決することが可能な技術が開示されている。
しかしながらこの技術は、家電製品のケースの高い寸法精度を得るために木粉を使用して実現しているが、木粉を混入させた材料は木粉がシール性に悪影響を与える可能性があり、包装用シーラント層などの包装資材としては、必ずしも適しているとは言えない。
特許第4779822号公報 国際公開第2013/031883号 特許第4001012号公報
上記の事情に鑑み、本発明は、ヒートシール性、剛性および耐衝撃性を兼ね備えたシーラントフィルムを提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、ヒートシール性を備えた樹脂からなるシール層と、剛性を備えた樹脂からなる中間層と、耐衝撃性を備えた樹脂からなるラミネート層と、をこの順に備えてなるシーラント層のラミネート層側に樹脂フィルムからなる基材を備えてなるシーラントフィルムであって、
中間層の樹脂の結晶化度が、シール層とラミネート層の樹脂の結晶化度より大きく、前記シール層の樹脂の結晶化度Aと前記ラミネート層の樹脂の結晶化度Bと前記中間層の樹脂の結晶化度Cが、A≦B<Cになる関係にあり、
前記シール層と前記ラミネート層の結晶化度が30%以上40%以下、かつ前記中間層の結晶化度が44%以上54%以下であり、
さらに前記中間層の厚さが、前記シーラントの厚さの30%以上70%以下であり、前記ラミネート層の厚さが、前記シーラント層の厚さの14%以上60%以下であり、
前記シール層と前記ラミネート層のシーラント層の層厚に対する層厚比が同一ではないことを特徴とするシーラントフィルムである
請求項2に記載の発明は、前記シーラント層の厚さが30μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のシーラントフィルムである。
請求項3に記載の発明は、ヒートシール性を備えた樹脂からなるシール層と、剛性を備えた樹脂からなる中間層と、耐衝撃性を備えた樹脂からなるラミネート層と、をこの順に備えてなるシーラント層のラミネート層側に樹脂フィルムからなる基材を備えてなるシーラントフィルムであって、
前記中間層の樹脂の結晶化度が44%であり、前記シール層と前記ラミネート層の結晶化度が30%であり、
さらに前記中間層の厚さが前記シーラント層の厚さの70%であり、
前記シール層の厚さが前記シーラント層の厚さの10%であり、
前記ラミネート層の厚さが前記シーラント層の厚さの20%であること
を特徴とするシーラントフィルムである。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のシーラントフィルムを使用したことを特徴とする包装材である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の包装材を備えていることを特徴とする包装体である。
本発明のシーラントフィルムのシーラント層によれば、中間層材料として、材料の結晶化度が、シール層とラミネート層の結晶化度よりも高い結晶化度の材料を適用し、層ごとの結晶化度が異なっているため、良好な、ヒートシール性と剛性と耐衝撃性を備えたシーラントフィルムを得ることができる。
また、本発明の包装材によれば、本発明のシーラントフィルムに樹脂基材を積層しているため、剛性の重心と曲げ剛性の関係から、ラミネート層(低結晶化度層)を設けることによる剛性の減少を最小限に抑えることが可能となると同時に、耐衝撃性を得ることが可能となる。そのため、良好な、ヒートシール性と剛性と耐衝撃性を備えた包装材を提供することができる。
また、本発明の包装体によれば、本発明の包装材を使用して被包装物品を包装するため、良好な、ヒートシール性と剛性と耐衝撃性を備えた包装体を提供することが可能となる。
本発明のシーラントフィルムの積層構成を例示する断面図。
<シーラントフィルム>
以下、本発明のシーラントフィルムについて、図1を用いて詳細に説明する。
本発明は、押出成形機で製膜された、シール層11と中間層12とラミネート層13を備えたシーラント層10単体と、基材14と、を積層し一体としたシーラントフィルム20である。
(基材)
シール層11と中間層12とラミネート層13から構成されるシーラント層10単体と、積層される基材14は、ポリエチレンテレフタレートや6ナイロン、66ナイロン等のポリアミド等のフィルムを適宜選択して積層することができる。ここで、基材14は、前記した基材フィルム10単体で用いることに限らず、基材14同士を積層して使用することも可能である。
(シーラント層)
シール層11と中間層12とラミネート層13からなるシーラント層10の主材料としては、300℃を超える温度まで加熱可能な押出成形機により製膜されるため、熱可塑性樹脂であれば適用可能である。しかし、一般的な包装材として使用するためには、適度な柔軟性を持ち、加工性が良い必要がある。そのため、オレフィンをベースとした、低密度ポリエチレン(LDPE)、α-オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等から、単体、または複数種を選択混合して、適宜使用することが可能である。
・シーラント層への要求特性
シール層11と中間層12とラミネート層13で構成されるシーラント層10には、包装材用シーラント層に求められる、包装材形状作成時のシール効率、包装材強度を保つためのシール強度などのヒートシール性、内容物充填時の搬送や、包装材充填口の開き具合など、剛性が関与する充填適性、包装材に外力が加わったに際に袋が破損しない耐衝撃性、さらに包装材を開封する際の開封性、形状保持性、ハンドリング性、剛性等を満たす必要がある。
そのためには、シーラント層10を構成する中間層12の樹脂の結晶化度は、シール層11の樹脂とラミネート層13の樹脂の結晶化度より大きいことが必要となる。
更には、シール層11の樹脂の結晶化度をA、ラミネート層13の樹脂の結晶化度をB、中間層12の樹脂の結晶化度をCとすると、A≦B<Cであることがより好ましい。
また、基材14と適宜積層して使用される際に袋状に加工するため、シーラント層13は適当な融点と融解熱量を持つことが好ましい。
・シーラント層の材料
上述の要求から、シーラント層10には、低密度ポリエチレン(LDPE)、α-オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、のうち低密度ポリエチレンとα―オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンが共に混合された状態、もしくはα―オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンを使用することが好ましい。
α―オレフィンとエチレンの共重合体については、α―オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ペンテン―1、ヘキセン―1、ヘプテン-1、オクテン-1、ノネン-1、デセン-1、ドデセン-1、4-メチル-ペンテン-1、4-メチル-ヘキセン-1
等を用いることが可能である。それらの重合方法としては、気相法、溶液法、スラリー法のいずれかの方法を適用することができ、重合触媒としてチーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒等を特に制限することなく使用することができる。特に、α―オレフィンに関しては、材料の入手性から、ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチル-ペンテン-1が好適に使用することができる。
・中間層
中間層12については、適度な剛性を持った材料を選ぶ必要がある。一般的にポリエチレンの結晶部の比率が多い(つまり、結晶化度が高い)ほど、剛性は増加することが知られており、結晶化度である結晶化比率を増加させるためには、材料の分子構造において分岐が少なく、分子量が小さいほど結晶化は進む傾向にある。しかし、分子量が小さく、材料の分子構造の分岐が少ない場合には、耐衝撃性の低下が起こりやすくなる。そのため、最適な範囲で樹脂材料を選定する必要がある。
本発明では、剛性と耐衝撃性について、シーラント層10の中間層12とラミネート層13に機能を分け、備えているため、中間層12には単層で結晶化度44%以上54%以下の範囲となるように材料を選択し、使用する。なお、結晶化度は、広角エックス線回折プロファイルフィッティング法により算出する。全ピーク面積{結晶成分のピーク面積((110)+(200))+非晶成分のハローパターン面積}に対する結晶成分のピーク面積比から、結晶化度の算出をおこなうことができる。
・ラミネート層
ラミネート層13は、耐衝撃性を持った材料を選ぶ必要がある。そのため、材料の分子構造において結晶化を阻害する分岐が多い材料を選択する必要があり、ラミネート層13単体で結晶化度30%以上40%以下の範囲となるよう材料を選択する。結晶化度については、中間層12と同様の方法を用いて算出を行なう。
・シール層
シール層11は、ヒートシール性を付与する役割があり、柔軟性を持つ材料を選ぶ必要がある。一般的に結晶部の比率(結晶化度)が小さいほど融解熱量は低い。そのため、ヒートシール性に有利となるよう、シール層11単体で結晶化度30%以上40%以下となるよう材料を選択することが好ましい。結晶化度については、中間層12と同様の方法を用いて算出を行なう。
・シーラント層の厚さ
シール層11、中間層12、ラミネート層13の積層体により得られるシーラント層10は、一般的な包装材で使用される厚さであれば、制限されるものではない。特に、厚さが30μm~150μmの範囲で使用することが、シール性、耐衝撃性、剛性の特性を備える点から望ましい。
・シール層の厚さ
シール層11の厚さは、5μmより薄い場合にはヒートシール性が十分に確保できず、20μmより厚い場合には、剛性を低下させ、実用性が低下する。このことから、シール層11の厚さは5μm以上20μm以下であることが好ましい。
・中間層の厚さ
中間層12の厚さは、シール層11と、中間層12と、ラミネート層13の厚さの総厚に対して、厚さ比率30%以上70%以下となることが好ましい。
本発明におけるシーラントフィルム20は、シーラント層10単体と基材フィルム14
(ポリエチレンテレフタレートや6ナイロン、66ナイロン等のポリアミド等)とを積層して使用される。その際、要求される性能は、剛性(コシ強度)、耐衝撃性、ヒートシール性の全ての物性において一定以上の値を確保することが重要となる。
・添加剤
シール層11と中間層12とラミネート層13には、フィルムならびにシート成形時の加工適性、またフィルム、シートとして使用する際の適性向上のため、フィルムに一般的に使用される添加剤を適宜添加することが可能である。例えば、フィラー等のブロッキング防止剤、滑り性を向上させるための滑剤、また加工安定性を付与するための酸化防止剤などを適宜選択し、添加することが可能である。
また、フィラー等のブロッキング防止剤として、例えば、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子およびその架橋体、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、緑泥岩、カオリン鉱物、セピオライトなどの粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子等を適宜選択し、使用することができる。
さらに、滑り性向上のための滑剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、合成樹脂系としては流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックスなどの炭化水素系、ステアリン酸、ステアリルアルコールなどの脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどのアルキレン脂肪酸アミドなどから選択して使用できる。
フィルムならびにシートとして、成型時のハンドリング性を向上させるため、上述した添加剤以外にも、フィルム表面に凹凸形状を付与することにより、ハンドリング性向上を行っても良い。
<シーラントフィルムの製造方法>
本発明のシーラントフィルム20を作製する方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが可能である。例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等を用いることが出来る。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機または2軸スクリュー押出機を使用することが好ましい。単軸押出機を用いる場合には、フルフライトスクリュー、ミキシングエレメントを持つスクリュー、バリアフライトスクリュー、フルーテッドスクリュー等、特に制限されることなく、使用することが可能である。2軸混練装置については、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機、またスクリュー形状もフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプを適用することができ、特に方法や機種が限定されるものではない。
シール層11、中間層12、ラミネート層13の積層方法に関しても特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、シール層11、中間層12、ラミネート層13としてそれぞれ製膜したフィルムまたはシートを、各フィルムまたはシートに対して融点以上の熱を加え、加圧することによりラミネート(貼り合わせ)する手法や、シール層11、中間層12、ラミネート層13をそれぞれ異なる押出機で加熱、溶融した状態で積層して、シーラントフィルム20を得る方法などを適用することが出来る。
作業性を考慮した場合、溶融状態で積層し、シーラントフィルムを製膜する共押出機を用いる積層方法が好ましい。共押出法としては、熱可塑性樹脂を押出機で溶融した後、フィードブロックで溶融樹脂を積層し、Tダイから積層フィルムを得るフィードブロック法や、プラスチック材料を押出機で溶融後、マニホールドを通った後に積層し、Tダイから積層フィルムを得るマルチマニホールド法や、多層インフレーション成型法、などを適用することが可能である。
<実施例1>
シール層11およびラミネート層13の樹脂として、株式会社プライムポリマー製のLLDPE(エボリュー(登録商標) SP2040、密度0.918g/cm、MFR(Melt Flow Rate)3.8g/10min、結晶化度40%)をシール層用、ラミネート層用と異なった単軸押出機に投入、250℃に加熱溶融した。
中間層12の樹脂として、株式会社プライムポリマー製LLDPE(エボリュー(登録商標) SP4020、密度0.937g/cm、MFR1.8g/10min、結晶化度54%)を単軸押出機に投入、250℃に加熱溶融し、前記加熱溶融した、シール層、中間層およびラミネート層の樹脂を、フィードブロックTダイを用い、シール層/中間層/ラミネート層の層厚比=10/70/20となるように調整し、60℃に調整した冷却搬送ロール上に吐出、搬送し、フィルムの総厚さが150μmとなる積層フィルム(シーラント層10)を作製した。
上記方法で作製したシーラント層10単体は、ラミネート層側にONy(Oriented Nylon、延伸ナイロン)(東洋紡株式会社製ハーデン(登録商標)フィルム N1200 厚さ25μm)を用いて、シーラント層/ONy/ONyの順番で貼り合わせ一体とした。各層間の接着には、三井化学株式会社製接着剤(タケラックA626/タケラックA50)を用いて、一般的なドライラミネーション法でドライ塗布量3.8g/mとなるように調整し、貼り合わせ、シーラントフィルム20を作製した。
<実施例2>
シール層/中間層/ラミネート層の層厚比=10/30/60となる以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例3>
基材にONy(東洋紡株式会社ハーデン(登録商標)フィルム N1100 厚さ12μm)を用いて、シーラント/ONyの2層構成とした以外は実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例4>
シール層11とラミネート層13に使用する樹脂を、株式会社プライムポリマー製エボリュー(登録商標)SP0540(密度0.903g/cm、MFR3.8g/10min、結晶化度30%)を用いた以外は実施例3と同様の方法で成形した。
<実施例5>
中間層を株式会社プライムポリマー製エボリュー(登録商標)SP2540(密度0.924g/cm MFR3.8g/10min、結晶化度44%)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で成形した。
<実施例6>
シール層とラミネート層に使用する樹脂を、株式会社プライムポリマー製エボリュー(
登録商標)SP0540(密度0.903g/cm、MFR3.8g/10min、結晶化度30%)を用い、中間層を株式会社プライムポリマー製エボリュー(登録商標)SP2540(密度0.924g/cm MFR 3.8g/10min、結晶化度44%)を用いた以外は実施例3と同様の方法で成形した。
<実施例7>
シール層/中間層/ラミネート層の層厚比=10/30/60となる以外は、実施例3と同様の方法で成形した。
<実施例8>
シール層11とラミネート層13に使用する樹脂を、株式会社ライムポリマー製エボリュー(登録商標)SP0540(密度0.903g/cm、MFR3.8g/10min、結晶化度30%)を用いて、中間層12を株式会社プライムポリマー製エボリュー(登録商標)SP2540(密度0.924g/cm、MFR 3.8g/10min、結晶化度44%)を用いた以外は実施例7と同様の方法で成形した。
<実施例9>
シーラント層の厚さを30μmとして、シール層/中間層/ラミネートの層厚比を16/70/14となる以外は実施例3と同様の方法で成形した。
<実施例10>
シーラント層の厚さを30μmとし、シール層/中間層/ラミネート層の層厚比を16/30/54、シール層11とラミネート層13に使用する樹脂を、株式会社プライムポリマー製(エボリュー(登録商標)SP0540 密度0.903g/cm MFR 3.8g/10min、結晶化度30%)を用い、中間層12を株式会社プライムポリマー製(エボリュー(登録商標)SP2540 密度0.924g/cm MFR 3.8g/10min、結晶化度44%)を用いた以外は実施例3と同様の方法で成形した。
<比較例1>
中間層を株式会社プライムポリマー製エボリュー(登録商標)SP4030(密度0.938g/cm、MFR3.8g/10min、結晶化度56%)を用いた以外は実施例3と同様の方法で成形した。
<比較例2>
シール層とラミネート層に使用する樹脂を株式会社プライムポリマー製エボリュー(登録商標)SP0540(密度0.903g/cm、MFR3.8g/10min、結晶化度30%)を用いて、中間層を株式会社プライムポリマー製エボリュー(登録商標)SP4030(密度0.938g/cm、MFR 3.8g/10min、結晶化度54%)を用い、冷却搬送ロールを20℃に調整した以外は実施例3と同様の方法で成形した。
<比較例3>
シール層とラミネート層に使用する樹脂を株式会社プライムポリマー製エボリュー(登録商標)SP2540(密度0.924g/cm、MFR3.8g/10min、結晶化度42%)を用い、中間層を株式会社プライムポリマー製エボリュー(登録商標)SP4030(密度0.938g/cm、MFR3.8g/10min、結晶化度54%)を用いて、冷却搬送ロールを20℃に調整した以外は、実施例3と同様の方法で成形した。
<比較例4>
シール層/中間層/ラミネート層の層厚比を10/20/70に設定し、シール層と中間層に使用する樹脂に株式会社プライムポリマー製LLDPE エボリュー(登録商標)SP2040(密度0.918g/cm、MFR3.8g/10min、結晶化度40%)を用いて、ラミネート層に用いる樹脂を株式会社プライムポリマー製LLDPE エボリュー(登録商標)SP4020(密度0.937g/cm、MFR1.8g/10min、結晶化度54%)を用いた以外は実施例3と同様の方法で成形した。
<比較例5>
シール層/中間層/ラミネート層の層厚比を10/60/30に設定し、シール層と中間層に使用する樹脂に株式会社プライムポリマー製LLDPE エボリュー(登録商標)SP2040(密度0.918g/cm、MFR3.8g/10min、結晶化度40%)を用い、ラミネート層に用いる樹脂を株式会社プライムポリマー製LLDPE エボリュー(登録商標)SP4020(密度0.937g/cm、MFR1.8g/10min、結晶化度54%)を用いた以外は実施例3と同様の方法で成形した。
<比較例6>
中間層およびラミネート層に使用する樹脂を株式会社プライムポリマー製LLDPE エボリュー(登録商標)SP4020(密度0.937g/cm、MFR1.8g/10min、結晶化度54%)を用いた以外は実施例3と同様の方法で成形した。
(剛性の評価)
シーラント層10と基材14の積層体とした際の剛性は、包装資材容器として使用した際の自立性や内容物の取り出し易さに必要となる。本発明における剛性の評価は、シール層11、中間層12、ラミネート層13を一体としたシーラント層10のラミネート層13を中間層同様に高結晶化度層とした場合を基準値として、ラミネート層13を低結晶化度層とした場合の低減率を用いて評価を行った。剛性の測定は、シーラント層10と基材14を積層した積層体について、前記積層体製膜時の流れ方向に対して、幅15mm、長さ200mmを試料として切り抜き、ループステフネステスタ(株式会社東洋精機製作所製)を用いてコシ強度を測定し、その評価は、前記の基準値を100%とした時、コシ強度が基準値に対する比率(コシ強度比)が90%以上となることが好ましいものとした。
(耐衝撃性の評価)
シーラント層10の耐衝撃性については、内容物に対しての保護適性を示す指標であり、様々な外力が加わった際のフィルムの破れ難さを表す指標となる。要求特性の充足を確認するため、JIS K 7124-1:1999のA法に記載される耐衝撃性評価に沿って実施し、測定はシーラント層10単体を用いて行なった。得られた50%破壊重量の数値について、測定対象であるシーラント層10単体の厚さで除算した数値が5.00g/μm以上であることを基準として評価した。測定上限値で破袋が観測されない場合には、上限値である9.2g/μmを測定値とした。
(ヒートシール性(充填適性)の評価)
シーラント層10のヒートシール性(表1中で「HS性」と記した。)については、フィルム内容物を充填した際の容器の破損しにくさを表す指標であり、JIS Z 0238:1998(ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法)に記載される方法にて、140℃のシールバーにて1秒加熱シール後のヒートシール強度が10N/15mm以上であることを基準とした。測定はシーラント層単体と基材を一体とした積層体を用いて測定した。
以上の測定結果を表1にまとめて示した。コシ強度比、耐衝撃性、HS性、については既に説明した通りである。
実施例1~10については、コシ強度比が90~99%となり、全て基準値90%以上だった。また、耐衝撃性は5.4~9.2g/μmとなり、全て基準値5.00g/μm以上であった。また、ヒートシール性は68.5~111.6N/15mmとなり、全て基準値10N/15mm以上となり、コシ強度と耐衝撃性とヒートシール性の全てが良好な結果となった。そのため、判定を「〇(良好)」とした。
一方、比較例1は耐衝撃性が4.8g/μm、比較例2はコシ強度比が84%、比較例3は耐衝撃性が4.2g/μmおよびヒートシール性が4.1N/15mm、比較例4はコシ強度比が68%、比較例5はコシ強度比が70%、比較例6は耐衝撃性が3.8g/μm、となり、それぞれの基準値を満たすことができないため、判定を「×(不良)」とした。
Figure 0007375268000001
本発明はシーラント層単体と基材とを一体とした包装資材において、剛性および耐衝撃性を両立することを可能とし、本発明のシーラントフィルムは、食料品や医療品等の包装袋用途における適用が可能である。
10 シーラント層
11 シール層
12 中間層
13 ラミネート層
14 基材層
20 シーラントフィルム

Claims (5)

  1. ヒートシール性を備えた樹脂からなるシール層と、剛性を備えた樹脂からなる中間層と、耐衝撃性を備えた樹脂からなるラミネート層と、をこの順に備えてなるシーラント層のラミネート層側に樹脂フィルムからなる基材を備えてなるシーラントフィルムであって、
    中間層の樹脂の結晶化度が、シール層とラミネート層の樹脂の結晶化度より大きく、前記シール層の樹脂の結晶化度Aと前記ラミネート層の樹脂の結晶化度Bと前記中間層の樹脂の結晶化度Cが、A≦B<Cになる関係にあり、
    前記シール層と前記ラミネート層の結晶化度が30%以上40%以下、かつ前記中間層の結晶化度が44%以上54%以下であり、
    さらに前記中間層の厚さが、前記シーラントの厚さの30%以上70%以下であり、前記ラミネート層の厚さが、前記シーラント層の厚さの14%以上60%以下であり、
    前記シール層と前記ラミネート層のシーラント層の層厚に対する層厚比が同一ではないことを特徴とするシーラントフィルム。
  2. 前記シーラント層の厚さが30μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のシーラントフィルム。
  3. ヒートシール性を備えた樹脂からなるシール層と、剛性を備えた樹脂からなる中間層と、耐衝撃性を備えた樹脂からなるラミネート層と、をこの順に備えてなるシーラント層のラミネート層側に樹脂フィルムからなる基材を備えてなるシーラントフィルムであって、
    前記中間層の樹脂の結晶化度が44%であり、前記シール層と前記ラミネート層の結晶化度が30%であり、
    さらに前記中間層の厚さが前記シーラント層の厚さの70%であり、
    前記シール層の厚さが前記シーラント層の厚さの10%であり、
    前記ラミネート層の厚さが前記シーラント層の厚さの20%であること
    を特徴とするシーラントフィルム。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載のシーラントフィルムを使用したことを特徴とする包装材。
  5. 請求項に記載の包装材を備えていることを特徴とする包装体。
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