JP2016113165A - 低温ヒートシール性シーラント用フィルム - Google Patents

低温ヒートシール性シーラント用フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 低温ヒートシール性及び剛性の両特性を持たせたフィルムを提供する。【解決手段】 ベース層と、前記ベース層の一方の面に積層されたシール層を少なくとも有する包装材料用フィルムにおいて、前記ベース層は、第一のオレフィン系樹脂を主成分とし、前記ベース層全体に対して直鎖状低密度ポリエチレンが重量比30%以上70%以下で含有され、前記シール層は、少なくとも第二のオレフィン系樹脂と熱可塑性エラストマー性材料から構成され、前記第二のオレフィン系樹脂に対する前記熱可塑性エラストマー性材料の混合比率が重量比3%以上25%以下であり、前記シール層の損失正接が前記ベース層の前記損失正接よりも大きい事を特徴とする包装材料用フィルム。【選択図】 図1

Description

本発明は低温ヒートシール性を持つフィルムを提供する。
食品等の包装材料として一般的にポリエチレン、ポリプロピレン等ヒートシール性が良く、その他積層基材との密着性が良く、安価なフィルムが使用されている。包装材料として求められる物性としては、上記物性の他、内容物充填時の充填適性、包装材料に外力が加わった際の袋の破損が無い事、包装材料を開封する際の開封性などが求められる。
特許文献1では必要物性を満たすために、シール層及びラミ層を積層したフィルムにおいて、シール層に密度の低い材料を用いて、内容物充填時の充填適性向上のためにヒートシール温度を低下する構成が用いられている。
特許第4779822号公報
しかし、特許文献1では、シール層に密度の低い材料を用いる事でヒートシール性向上を図っているが、オレフィン樹脂単体では低温ヒートシール性が十分ではなく、高速充填適性が十分ではないといった問題がある。そこで本発明では、熱可塑性エラストマー性を有する共重合体をオレフィン樹脂に添加し、損失正接が大きいシール層と、シール層と比較して損失正接が小さく剛性が高いベース層を積層した低温ヒートシール性シーラント用フィルムを提供する。
上記課題を解決するための本発明の第一の形態は、
ベース層と、前記ベース層の一方の面に積層されたシール層を少なくとも有する包装材料用フィルムにおいて、前記ベース層は、第一のオレフィン系樹脂を主成分とし、前記ベース層全体に対して直鎖状低密度ポリエチレンが重量比30%以上70%以下で含有され、前記シール層は、少なくとも第二のオレフィン系樹脂と熱可塑性エラストマー性材料から構成され、
前記第二のオレフィン系樹脂に対する前記熱可塑性エラストマー性材料の混合比率が重量比3%以上25%以下であり、前記シール層の損失正接が前記ベース層の前記損失正接よりも大きい事を特徴とする包装材料用フィルムである。
また、前記熱可塑性エラストマー性材料は、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエンースチレンブロック共重合体(SEBS)のうち少なくとも一方が含まれていることを特徴とする。
また、前記第一のオレフィン系樹脂の密度が0.93g/cm以上である事を特徴とする。
また、前記第二のオレフィン系樹脂の密度が0.91g/cm未満である事を特徴とする。
また、25℃、振動数1Hzの条件下における前記ベース層の前記損失正接が0.25以下である事を特徴とする。
また、25℃、振動数1Hzの条件下における前記シール層の前記損失正接が0.3以上である事を特徴とする。
また、本発明の第二の形態は、第一の形態の包装材料用フィルムを用いた包装体であって、前記ベース層を最外装とし、前記シール層同士が向かい合った状態で端部をヒートシールして形成されたことを特徴とする包装体である。
本発明により構成される低温ヒートシール性フィルムによれば、優れた低温ヒートシール性及び剛性の両特性を持つフィルムの提供が可能となる。また、包装材料として用いる際の充填適性の向上、機械強度の上昇、残留応力によるフィルムカールを低減する事が出来、従来使用されている同種のシートフィルムに対して高速充填性、高強度を持たせる事を可能とする。
第1の実施形態による低温ヒートシール性フィルムの構成。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各図は本発明の実施形態を説明する為に模式的に示した図であり、各部位の大きさや形状は理解を容易にするために適宜誇張しており、実際の縮図とは一致していない。
(全体構成)
図1は本発明の低温ヒートシール性フィルム1の構成を示している。低温ヒートシール性フィルム1は、少なくともベース層12と、ベース層12の一方の面にシール層11が積層されている。
シール層11は、主材料である熱可塑性樹脂に対して、熱可塑性エラストマー性を持つ材料を添加し、ベース層12に対するシール層11の損失正接を大きくすることを特徴としている。ここで、損失正接とは、材料の弾性を表す貯蔵弾性率E’を粘性を表す損失弾性率E”で除算した数値であり、E’/E”で表される。そのため、損失正接の値が小さいほど材料の剛性が高いことを意味し、損失正接の値が大きいほど材料の粘性が小さくなることを意味する。
ベース層12に対するシール層11の損失正接が大きい、即ちシール層11の粘性を小さくしているため、包袋時の融点を下げることができ、優れた低温ヒートシール性を持たせることができる。具体的には、一般的な包装資材向け直鎖状低密度ポリエチレンでは、130℃程度に加熱したシールバーを0.2MPaで1秒程度加熱圧着した際にポリエチレン間の密着力が10N程度となるが、本特許記載方法を用いる事で100℃程度から同程度の密着力を発現する事が可能となる。また、ベース層は損失正接が小さい事から十分な剛性を持つので、低温ヒートシール性及び剛性の両特性を持つフィルムの製造が可能となる。
シール層11及びベース層12の積層体により得られる低温ヒートシール性フィルム1の厚みに関して、一般的な包装材料で使用される厚みであれば特に限られるものではないが、20μmから200μmの範囲で使用する事が好ましい。
シール層11とベース層12の積層比率については、シール層厚みが不十分な場合ではヒートシール性向上が難しく、また厚すぎる場合にはコストが高くなってしまい実用的ではない。この事から、シール層の最低厚みは5μm以上必要であり、シール層11の厚み比率はシール層11とベース層12を合わせた全体厚みに対して50%以下に設定する事が好ましい。
(シール層)
シール層11の主材料としては、熱可塑性樹脂であれば適宜使用する事が可能であるが、一般的な包装材料として使用されるためには適度な柔軟性を持つと共に、加工性が良い必要がある。この事からオレフィン系樹脂をベースとした、超低密度ポリエチレン(ULDPE、VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックランダムコポリマーを持つポリプロピレン及び上記オレフィンと酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン酢酸ビニルコポリマーやオレフィンの側鎖を変性して得られる、エチレン−メチルアクリレート共重合(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等が挙げられる。
シール層11を構成する主材料としては、上述した材料を少なくとも1つ以上組合せて使用する事が出来るが、良好なヒートシール性を示すためには超低密度ポリエチレンを重量比で50%以上使用する事が望ましい。
一般的に、包装材料用フィルムを包装体として使用する場合には、内容物充填時の充填適性向上のためにヒートシール温度を低下することが好ましい。そのため、本実施形態におけるシール層11についても、低温で融解、圧着を行う必要がある事から、なるべく融点の低い樹脂を選定する必要がある。一般的に、シール層に使用されるオレフィンをベースとした材料は結晶性高分子であり、結晶部ならびに非晶部からなる。
結晶部ではポリエチレンの分子鎖が配向かつ規則的に配列した結晶が斜方晶の形を持っており、平均的な密度としては1g/cmであり、結晶成分の比率が上昇すると融点が上昇する性質を持つ。
また、非晶部においては、ポリエチレンはランダムに配向しているため、平均的な密度は0.85g/cmである。
そのため、ポリエチレン全体の平均密度は、結晶部の比率と結晶部密度の積と、非晶部の比率と非晶部の積を足した数で表される。
融点を低くするためには、使用するポリエチレンの密度が低い必要があるが、最適なシール性を得るためには少なくともポリエチレン全体の平均密度が0.91g/cm未満である事が望ましい。また、ポリエチレン全体の平均密度が低すぎると柔らかくなるため、フィルムのコシが低下し、工業的にも加工性、ハンドリング性が低下するため、0.85以上あることが好ましい。
(熱可塑性エラストマー性材料)
シール層11のもう一つの成分である熱可塑性エラストマー性材料としては、特に限定されるものではないが、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリカプロラクタム系ポリウレタン、ポリシロキサンを主体とするシリコーンゴム、フッ素系樹脂を含むフッ素ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(HSBR)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)等のようなスチレンブロックを含有するゴム質ブロック共重合体;エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−ブテン−1共重合体(EB)、エチレン−オクテン共重合体(EO)、プロピレン−ブタジエン共重合体(PB)等が挙げられる。
シール層11に含まれる熱可塑性エラストマー性材料であるが、シール層11の主材料である熱可塑性オレフィン系樹脂の成型可能温度範囲でオレフィンとの相溶性の良い材料を選択する必要がある。上記性質を特に満たすものとして、スチレン−イソプレンースチレンブロック共重合体(SIS)や、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)を使用する事が特に好ましい。SISやSEBSは混合したものをシール層11に使用しても良いし、これらを単独で使用しても良い。
シール層11の構成比率として、主材料であるオレフィン系材料に対する熱可塑性エラストマー性材料の混合比率は重量比として3%以上25%以下の範囲で使用する事が好ましい。3%未満の場合では、良好な低温シール性を持つ事が出来ない。また、25%より多くなってしまうとシール層強度が低下し、包装材料として使用する際に十分なシール強度を得る事が難しくなるためである。また、一般的に成型加工性の良いオレフィン樹脂ではあるが、熱可塑性エラストマー性材料の添加量が増加してしまうと、押出成型機使用時、特にTダイ製膜でのネックインが大きくなる事、溶融時テンションが低下する事により均一な低温ヒートシール性フィルム1、シートを得る事が難しくなってしまう。
シール層11において、上述のように平均密度を0.85g/cm以上0.91g/cm未満としたポリエチレンに対して、熱可塑性エラストマーを重量比で3%から25%の範囲で添加した際の損失正接は、25℃、振動周期1Hzの条件下で動的粘弾性を測定した場合に0.3以上となることが好ましい。損失正接はフィルムの柔軟性を示す指標であり、ヒートシール時に加熱圧着される際に、フィルムの変形が起こりやすいため、ヒートシールされる箇所が広範囲で均一に圧着されやすくなるためである。
(ベース層)
次にベース層12について説明する。
ベース層12の構成材料については、シール層11で選択可能な材料のうち、適宜混合し使用する事が可能である。ベース層12においては、十分な剛性を持たせる必要がある事から、ベース層12に使用する樹脂全体の平均密度は0.93g/cm以上0.94g/cm3以下である事が望ましい。平均密度を上げるためにはより密度が高い材料を使用する事が好ましいが、一般的に密度の高い材料を使用すると低温ヒートシール性フィルム1の耐衝撃性が低下してしまう。従って、耐衝撃性を担保した状態で剛性を向上するためには、直鎖状低密度ポリエチレンを使用する事が好ましく、ベース層12全体に対して30%以上70%以下の割合で添加されている事が望ましい。
ベース層12について、上述のように平均密度を0.93g/cm以上0.94g/cm3以下になる様に配合した際に、25℃、振動周期1Hzの条件下で動的粘弾性を測定した場合に、損失正接は0.25以下となることが好ましい。上述同様、損失正接はフィルムの柔軟性を示す指標である事から、損失正接が高い場合には一般包材として利用する際に、内容物の自重により変形しやすくなってしまい、形状を保持する事が難しくなる。このため、一般的に利用されている線状低密度ポリエチレンでの損失正接0.25程度と比較し、それよりも高くなる事が好ましい。
(その他添加剤)
シール層11及びベース層12には低温ヒートシール性フィルム1成型時の加工適性、また低温ヒートシール性フィルム1を実際に使用する際の適性向上のため、一般的に使用する材料を適宜低温ヒートシール性フィルム1に添加する事が可能である。例えば、フィラー等のブロッキング防止剤、滑り性を向上させるための滑剤、また加工安定性を付与するための酸化防止剤などを適宜添加する事が可能である。
フィラー等のブロッキング防止剤として、例えば、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子およびその架橋体、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、緑泥岩、カオリン鉱物、セピオライトなどの粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子等を適宜使用する事が出来る。
滑り性向上のための滑剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、合成樹脂系としては流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックスなどの炭化水素系、ステアリン酸、ステアリルアルコールなどの脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどのアルキレン脂肪酸アミドなどを好適に使用できる。
低温ヒートシール性フィルム1として成型時のハンドリング性を向上させるために上述した添加剤以外でも、低温ヒートシール性フィルム1表面に凹凸形状を付与する事によってハンドリング性向上を行っても良い。
(機能層)
低温ヒートシール性フィルム1は、上記の層構成の他に、さらに印刷層やバリア層といった機能層が形成されていても良い。バリア層とは、空気中に含まれる酸素等の気体や水蒸気、封入した内容物等から包装材を保護するためのバリア性を高める機能を有する層であり、材料としては、例えば、EVOHやアルミニウム等の金属などが挙げられ、適宜使用することができる。
(製造方法)
本発明の低温ヒートシール性フィルム1を作製する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用する事が可能である。シール層11に関しては主成分であるオレフィン系材料と熱可塑性エラストマー性材料を混合する必要があるが、例えば、単軸スクリュ−押出機、2軸スクリュ−押出機、多軸スクリュ−押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等を用いる事が出来る。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機または2軸スクリュー押出機を使用する事が好ましい。単軸押出機を用いる場合には混練性が高いミキシングエレメントを持つスクリューを用いる方が好ましい。2軸混練装置については、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機、またスクリュー形状もフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプと特に限定されるものでは無い。
ベース層12についても上述の方法を用いる事が出来る。
シール層11とベース層12の積層方法に関しても特に制限されるものではなく、公知の方法を用いる事が可能である。例えば、シール層11、ベース層12をそれぞれ製膜した後に、それぞれに融点以上の熱を加え、加圧する事によりラミネートする手法や、シール層11とベース層12をそれぞれ異なる押出機で加熱、溶融した状態で積層する方法などを使用する事が出来る。作業性を考慮した場合、溶融状態で積層し低温ヒートシール性フィルム1を得る共押出機を用いた積層方法が好ましい。
共押出法としては、各層となる熱可塑性樹脂を押出機で溶融した後、フィードブロックで溶融樹脂を積層しTダイから積層フィルムを得る、フィードブロック法、また、各層となるプラスチックを押出機で溶融後、マニホールドを通った後に積層しTダイから積層フィルムを得るマルチマニホールド法、また多層インフレーション成型法を用いる事が可能である。
(包装体)
本発明の低温ヒートシール性フィルム1を用いた包装体については、公知の技術を用いて製袋すればよいが、一例として、シール層11を内面として、シール層11同士が向かい合った状態で端部をヒートシールして形成される。
また、包装体を使用する用途としては、スタンディングパウチや、包装袋、複合容器、口栓付きパウチ、ラミチューブ、バックインボックス等が挙げられるが、この他に様々な用途に使用できる。
(実施例1)
シール層11の主樹脂として日本ポリエチレン株式会社製の超低密度ポリエチレン(品名:カーネルKF360T)とSIS系熱可塑性エラストマーであるクレイトンポリマー株式会社製SIS(品名:D1113)をドライブレンドによりSISの材料が5%となる様に混合する。
ベース層12の主材料として株式会社プライムポリマー製直鎖状低密度ポリエチレン(品名:SP2540)と株式会社プライムポリマー製高密度ポリエチレン(品名:3300F)を重量比で70:30の比率となる様、ドライブレンドにより混合する。
ドライブレンドにより混合したシール層11の原料及びベース層12を単軸押出機に投入し、230℃に加熱、溶融し、フィードブロックTダイを用いてシール層11とベース層12の厚みがそれぞれ5μm、95μm、積層厚みが100μmとなる様に積層し、低温ヒートシール性フィルム1を作製した。
(実施例2)
実施例1とシール層11の主材料とSIS材料比率を同様とし、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ20μm、80μmとなる様に積層し実施例2を作製した。
(実施例3)
実施例1とシール層11の主材料とSIS材料比率を同様とし、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ35μm、65μmとなる様に積層し実施例3を作製した。
(実施例4)
実施例1とシール層11の主材料とSIS材料比率を同様とし、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ50μm、50μmとなる様に積層し実施例4を作製した。
(実施例5)
実施例1のシール層11のSIS材料比率を3%とし、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ20μm、80μmとなる様に積層し実施例5を作製した。
(実施例6)
実施例1のシール層11のSIS材料比率を10%とし、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ20μm、80μmとなる様に積層し実施例6を作製した。
(実施例7)
実施例1のシール層11のSIS材料比率を15%とし、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ20μm、80μmとなる様に積層し実施例7を作製した。
(実施例8)
実施例1のシール層11のSIS材料比率を20%とし、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ20μm、80μmとなる様に積層し実施例8を作製した。
(実施例9)
実施例1のシール層11のSIS材料比率を25%とし、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ20μm、80μmとなる様に積層し実施例9を作製した。
(実施例10)
シール層11の組成は実施例1とし、ベース層12を株式会社プライムポリマー製直鎖状低密度ポリエチレン(品名:SP2540)と株式会社プライムポリマー製高密度ポリエチレン(品名:3300F)を重量比で50:50の比率となる様、ドライブレンドにより混合し、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ5μm、95μm、積層厚みが100μmとなる様に積層し実施例10を得た。
(実施例11)
シール層11の組成は実施例1とし、ベース層12を株式会社プライムポリマー製直鎖状低密度ポリエチレン(品名:SP2540)と株式会社プライムポリマー製高密度ポリエチレン(品名:3300F)を重量比で30:70の比率となる様、ドライブレンドにより混合し、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ5μm、95μm、積層厚みが100μmとなる様に積層し実施例11を得た。
(比較例1)
実施例1のシール層11のSIS材料比率を2%とし、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ5μm、95μmとなる様に積層し比較例1を作製した。
(比較例2)
実施例1のシール層11のSIS材料比率を30%とし、シール層11とベース層12の厚みがそれぞれ5μm、95μmとなる様に積層し比較例2を作製した。
(比較例3)
実施例1と同様の材料組成でシール層11を作製し、ベース層12の組成を株式会社プライムポリマー製直鎖状低密度ポリエチレン(品名:SP2540)と株式会社プライムポリマー製高密度ポリエチレン(品名:3300F)を重量比で25:75の比率となる様シール層11とベース層12の厚みをそれぞれ5μm、95μmとなる様に積層し比較例3を作製した。
(比較例4)
実施例1と同様の材料組成でシール層11を作製し、ベース層12の組成を株式会社プライムポリマー製直鎖状低密度ポリエチレン(品名:SP2540)と株式会社プライムポリマー製高密度ポリエチレン(品名:3300F)を重量比で80:20の比率となる様シール層11とベース層12の厚みをそれぞれ5μm、95μmとなる様に積層し比較例4を作製した。
(比較例5)
実施例1のシール層11において熱可塑性エラストマーを添加せずに同様の加工条件、厚みにて比較例5を作製した。
(評価)
得られた低温ヒートシール性フィルム1に関して、ヒートシール強度測定、引張弾性率測定、使用材料の動的粘弾性、耐衝撃性について試験評価を実施した。
ヒートシール強度の測定では、テスター産業製ヒートシーラー(型番TP−701−B)を用いてシール圧力0.2MPa、シール時間を1秒、シール幅を10mmとし、シール温度を100℃でシール層同士をシールした。シールした低温ヒートシール性フィルム1を15mm幅×80mmに切出し、チャック間距離を20mm、引張り速度を300mm/minとして島津製作所株式会社製引張試験機(型番AGS−500NX)を用いて、n=5で評価を実施した。
引張弾性率の評価では、JISK7113:1995プラスチックの引張試験方法に準じて、作製した低温ヒートシール性フィルム1を製膜時の流れ方向を長辺として15mm×150mmの短冊状に切出し、チャック間距離を50mm、引張り速度を200mm/minとして島津製作所株式会社製引張試験機(型番AGS−500NX)を用いて、n=5で評価を実施した。
動的粘弾性の測定では、各実施例、比較例のシール層、ベース層に用いたドライブレンドペレットを200℃で5分間加熱、圧縮し、厚み200μmのシートを作製した後、10mm×50mmの短冊上に切出し、SII社製DMS(型番DMS6100)を用いて25℃、変位振動数1Hzで損失正接を計測した。
耐衝撃性試験では、JISK7124−1:1999自由落下のダート法による衝撃試験方法、第1部ステアケース法のA法を用いてテスター産業株式会社製ダートインパクトテスター(型番IM−302)を用いて評価した。
実施例1乃至11と、比較例1乃至5に記載の低温ヒートシール性フィルム1に関して、上記物性評価を実施した結果を表1に記載する。表1において、ヒートシール強度が10N/15mm以上、ダートインパクト50%破壊重量が400g以上、引張弾性率が220MPa以上であり、シール層の損失正接が0.3以上である事を判定基準として評価した。
Figure 2016113165
実施例1乃至11においては、上述の判定基準を全て満たしている。また、比較例1、2においては、ヒートシール強度が不足しており、比較例3については、耐衝撃性が低く、比較例4については引張弾性率が低く、比較例5についてはヒートシール強度不足があり、実用上問題がある。
本発明のシートを用いる事により、低温ヒートシール性と剛性を兼ね備えたフィルムならびにシートを提供する事ができる。
10…低温ヒートシール性フィルム
11…シール層
12…ベース層

Claims (7)

  1. ベース層と、前記ベース層の一方の面に積層されたシール層を少なくとも有する包装材料用フィルムにおいて、
    前記ベース層は、
    第一のオレフィン系樹脂を主成分とし、
    前記ベース層全体に対して直鎖状低密度ポリエチレンが重量比30%以上70%以下で含有され、
    前記シール層は、
    少なくとも第二のオレフィン系樹脂と熱可塑性エラストマー性材料から構成され、
    前記第二のオレフィン系樹脂に対する前記熱可塑性エラストマー性材料の混合比率が重量比3%以上25%以下であり、
    前記シール層の損失正接が前記ベース層の前記損失正接よりも大きい事を特徴とする包装材料用フィルム。
  2. 前記熱可塑性エラストマー性材料は、
    スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエンースチレンブロック共重合体(SEBS)のうち少なくとも一方が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の包装材料用フィルム。
  3. 前記第一のオレフィン系樹脂の密度が0.93g/cm以上である事を特徴とする請求項1又は2に記載の包装材用フィルム。
  4. 前記第二のオレフィン系樹脂の密度が0.91g/cm未満である事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装材用フィルム。
  5. 25℃、振動数1Hzの条件下における前記ベース層の前記損失正接が0.25以下である事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装材用フィルム。
  6. 25℃、振動数1Hzの条件下における前記シール層の前記損失正接が0.3以上である事を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装材用フィルム。
  7. 請求項1乃至6に記載の包装材料用フィルムを用いた包装体であって、前記ベース層を最外装とし、前記シール層同士が向かい合った状態で端部をヒートシールして形成されたことを特徴とする包装体。
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