JP2020090307A - 包装材用シーラントフィルム、包装材および包装体 - Google Patents

包装材用シーラントフィルム、包装材および包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】包装材としたときに要求される、それぞれトレードオフ関係にある剛性と耐衝撃性をバランス良く備え、生産性の低下も防ぐことができる包装材用シーラントフィルムおよびそれを使用した包装材を提供する。【解決手段】包装材用シーラントフィルムにおいて、第一層がシール層11、第二層が中間層12、第三層がラミネート層13の3層を少なくとも有し、第一層および第三層が熱可塑性樹脂であり、第二層がポリアミド樹脂である。【選択図】図1

Description

本発明は包装材用シーラントフィルムにおいて、使用される際に要求される耐ピンホール性を備え、かつ包装材としての剛性ならびに耐衝撃性を備えた包装材用シーラントフィルムに関する。
食品等の包装材に用いられるシーラントフィルムとして、一般的にヒートシール性が良く、その他積層フィルム基材との密着性が良い、安価な素材であるポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルムが使用されている。包装材として求められる物性としては、包装材に外力が加わった際に包装材により形成された袋の破損が無いこと、袋など包装資材として充填して商品として陳列される際の袋の自立性、ならびに製造時の生産性が良いことが求められる。
前記の物性については、ポリエチレン等の結晶性高分子では袋など包装資材の自立性に寄与するコシ感を与える剛性(コシ強度)については密度の高い樹脂を用いて結晶化度を上げることで改善される方向にあるが、一方で外力が加わった際の破損に対する耐性を示す耐衝撃性やヒートシール性に関して性能が低下してしまうトレードオフの関係にある。
前記の外力が加わった際の耐性を示す物性としては、耐衝撃性と共に耐ピンホール性(突刺強度)がある。耐ピンホール性(突刺強度)はシーラントフィルムとポリアミド系樹脂基材を積層し、一体とすることで得られる一方、ポリアミド系樹脂基材は吸湿するため、製造時に寸法変形および巻き変形(カール)の発生要因となり、生産性を低下させる原因となり得る。
そこで例えば、上記記載のヒートシール性、剛性を満たすために、特許文献1では、シーラントフィルムのヒートシール性を付与するシール層に低密度のポリエチレン樹脂を用い、剛性や引裂性を付与するためのラミネート層に密度の高いポリエチレンを用いて、それぞれ積層し、トレードオフの関係にある物性を両立するとしている。
しかし特許文献1ではポリエチレン樹脂の低密度層によりヒートシール性を、高密度層により剛性を付与しているが、積層体であるポリエチレン樹脂シーラント単体で必要な剛性を得つつ、耐衝撃性を得ることは困難である。
また、シーラントフィルムは包装材として提供される場合、基材フィルムとなる二軸延伸ポリエステル(PET)フィルムや、6ナイロン、66ナイロンをはじめとするポリアミドフィルム等と接着して提供されるため、基材フィルムの吸湿によってカールや寸法変形を生じ易く、環境安定性に欠け、生産時の障害となり易く、生産性の低下に繋がり易いという問題点がある。
特許第4779822号公報
本発明は、以上の様な従来技術に鑑み、包装材としたときに要求される剛性と耐衝撃性をバランス良く備え、生産性の低下も防ぐことができる包装材用シーラントフィルムおよ
びそれを使用した包装材を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、
包装材用シーラントフィルムにおいて、第一層がシール層、第二層が中間層、第三層がラミネート層の3層を少なくとも有し、シール層およびラミネート層が熱可塑性樹脂であり、中間層がポリアミド樹脂であることを特徴とする包装材用シーラントフィルムとする。
また、請求項2の発明は、
請求項1記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、シール層およびラミネート層がポリエチレン樹脂であり、該ポリエチレン樹脂の結晶化度範囲が25%以上40%以下であることを特徴とする包装材用シーラントフィルムである。
また、請求項3の発明は、
請求項1、2いずれかに記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、シール層およびラミネート層にポリアミド樹脂と反応し得る相溶化剤が配合されていることを特徴とする包装材用シーラントフィルムである。
また、請求項4の発明は、
請求項3に記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、シール層およびラミネート層に配合される相溶化剤が、アミド基と水素結合するカルボニル基[−C(=O)]を分子構造にもち、シール層およびラミネート層のポリエチレン樹脂に対して10重量%以上30重量%以下添加されていることを特徴とする包装材用シーラントフィルムである。
また、請求項5の発明は、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、中間層の厚さが50μm以上100μm以下であることを特徴とする包装材用シーラントフィルムである。
また、請求項6の発明は、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、シール層およびラミネート層の二層の厚さの合計が50μm以上100μm以下であり、シール層の厚さが5μm以上であることを特徴とする包装材用シーラントフィルムである。
また、請求項7の発明は、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、シール層を厚さ20μmのポリエチレン樹脂、中間層を厚さ30μmのポリエチレン樹脂、ラミネート層として中間層上に厚さ50μmのポリアミド樹脂をこの順序で積層した積層体の剛性を基準として比較したときに、剛性が75%以上となることを特徴とする包装材用シーラントフィルムである。
また、請求項8の発明は、
基材フィルム上に、請求項1から7のいずれか1項に記載の包装材用シーラントフィルムが積層された包装材である。
また、請求項9の発明は、
請求項8に記載の包装材を有する包装体である。
本発明によれば、トレードオフの関係にある剛性と耐衝撃性の物性を両立するために、
中間層にポリアミド樹脂層を配することで剛性と耐ピンホール性を向上させ、シール層および、ラミネート層に低結晶化度層を配することで耐衝撃性が得られる。また、ポリアミド樹脂層が、熱可塑性樹脂層であるシール層およびラミネート層の間に挿入されることで、吸湿を防ぐことができるため、フィルムの寸法変化やカールを抑えることが可能となり、生産性の低下を抑制することができる。
本発明により得られる包装用シーラントフィルムの概略図を示す。 本発明により得られる包装材の概略図を示す。
以下、本発明について詳細に記述する。本発明は、図1に示す様にシール層11、中間層12、ラミネート層13を持つ包装用シーラントフィルムであり、これら包装用シーラントフィルムは押出成形機で製膜される。
本発明における包装用シーラントフィルムはまた、図2に示す様にシーラントフィルム単体に基材フィルム14(二軸延伸ポリエステル(PET)フィルムや、6ナイロン、66ナイロンをはじめとするポリアミドフィルム等)を積層し、包装材として使用できる。
前記シール層11およびラミネート層13は熱可塑性樹脂が適用され、特にポリエチレン樹脂が選択される。また、中間層12にはポリアミド樹脂層が配された包装用シーラントフィルムである。
本発明の包装用シーラントフィルムは、一般的な包装材として使用されるため、シール層11、およびラミネート層13には、適度な柔軟性と加工性が必要となる。そのため、熱可塑性樹脂が使用され、具体的には、オレフィンをベースとした、低密度ポリエチレン(LDPE)、α−オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等を選択適用でき、これらを単体または、複数を適宜選択混合して使用することが可能である。
また、包装材用シーラントフィルムの要求特性である内容物充填時の充填適性、包装材に外力が加わった際の袋の破損を無くすために、シール層11およびラミネート層13には耐衝撃性が要求される。また、図2の様に基材フィルム14と適宜積層し、包装材として使用される際に袋状に加工するために、シール層11は適当な融点ならびに融解熱量を持つことが好ましい。これらの要求特性から、シーラントフィルムに適用可能な材料としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、α−オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)のうち、低密度ポリエチレンとα―オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンが共に混合された状態、もしくはα―オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンを選択することが好ましい。
α―オレフィンとエチレンの共重合体は、α―オレフィンとして、プロピレン、ブテン−1、ペンテン―1、ヘキセン―1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1等を用いることが可能であり、重合方法としては気相法、溶液法、スラリー法のいずれかの方法において、重合触媒としては、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒等を制限無く選択適用できる。特に、材料の入手の容易性から、α―オレフィンとして、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1が好適に使用出来る。
一般的に、剛性はポリエチレンの結晶部の比率が多い程増加することが知られている。
つまり、結晶化度(結晶化比率)が増加するためには、分岐が少なく、分子量が小さい程結晶化は進む。しかし、分子量が小さく、分岐が少ない場合には、衝撃耐性の低下が起こりやすくなるため、最適な範囲で樹脂を選定するのが好ましい。特に、シール層11とラミネート層13で耐衝撃性を得るために、シール層11とラミネート層13の結晶化度を25%以上40%以下の範囲となるように調整すると好ましい。結晶化度は、広角X線回折プロファイルフィッティング法により算出し、全ピーク面積{結晶成分のピーク面積((110)+(200))+非晶成分のハローパターン面積}に対する、結晶成分のピーク面積比から結晶化度を算出する。
また、シール層11、ラミネート層13として使用するポリエチレン樹脂層は、中間層のポリアミド樹脂層と非相溶のため、相溶化剤を添加すると良い。相溶化剤はポリアミド樹脂と反応し得る反応基が付与された分子構造からなる熱可塑性樹脂であることが好ましい。前記相溶化剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)や、酸変性オレフィン系エラストマー、酸変性スチレン系エラストマー等、ナイロンの分子中のアミド基と水素結合するカルボニル基[−C(=O)]を分子構造に含んでいる樹脂より適宜選択できる。
前記相溶化剤の配合量は、10重量%以上30重量%以下の範囲が好ましい。相溶化剤の配合量が10重量%以下では、シール層11およびラミネート層13の中間層12に対する接着強度が弱くなることがある。一方、相溶化剤の配合量が30重量%を超えると、シール層11およびラミネート層13の結晶化度が変化するため、要求物性の低下を招く可能性がある。
シール層11およびラミネート層13の厚さは、二層を合わせた合計厚さが50μm以上100μm以下であることが好ましい。合計厚さが50μm以下の場合、耐衝撃性が低下し、合計厚さが100μm以上を超える場合は、材料費の増加によりコスト面で不利である。さらにシール層の厚さは5μm以上とすると好ましい。これは包装用資材として袋を形成する時にヒートシール強度が不足することがあるためである。
シール層11とラミネート層13に耐衝撃性を付与し、中間層12には剛性および耐ピンホール性を付与し、構成される層ごとに分離するための樹脂が選定される。このことからポリアミド系熱可塑樹脂であるポリアミド6(PA6)、ポリアミド66、ポリアミド6−66等の共重合ナイロンを適宜中間層12に配置する。このことによりシール層11および、ラミネート層13のポリエチレン樹脂層が、中間層12となるポリアミド樹脂層の吸湿を防ぎ、寸法変化を抑えることが可能となる。その結果として、フィルム全体の吸湿によるカールが低減される。
中間層12のポリアミド樹脂の厚さは、好ましくは50μm以上100μm以下の範囲であると好ましい。厚さが50μm以下となるとピンホールが増加し、要求される諸特性を満たすことができないことがある。また、100μmを超えると共押出において中間層12の層比率が大きくなるため、厚さ精度が低下するため、生産性が低下することがある。
本発明における包装用シーラントフィルムの要求性能において、剛性(コシ強度)、耐衝撃性、ヒートシール性、ポリアミド層の吸湿によるカール量の全ての物性において一定以上の値を有することがより好ましい。
具体的な包装用フィルムの標準的な突刺し強度は、JISZ1707記載の方法に準拠して、突刺強度が20N以上であることが好ましい。
剛性(コシ強度)については、東洋精機製作所製のループステフネステスタを用いて測定し、流れ方向に幅15mm、長さ200mmのサンプルを切り抜き計測する。基準値は、シール層(厚さ20μm)、中間層(厚さ30μm)をポリエチレン樹脂、ラミネート層(厚さ50μm)をポリアミド樹脂とした、ポリエチレン樹脂とポリアミド樹脂の2層構成とし、最外層にポリアミド樹脂層を配した積層体の剛性を基準値として100%とした時、剛性(相対コシ強度)が基準値に対して75%以上となることが好ましい。
包装用シーラントフィルムの耐衝撃性については、内容物の保護適性を示す指標であり、様々な外力が加わった際のフィルムの破れ難さが要求される。要求を満たすためには、JISK7124−1Aに記載される耐衝撃性評価に沿って実施し、測定は3層構成の包装用シーラントフィルム単体を用いて行い、得られた50%破壊重量の数値を測定対象である包装用シーラントフィルム単体の厚さで除算した数値が4.5g/μm以上であることが好ましい。測定上限値で破袋が観測されない場合、上限値である9.2g/μmを測定値とする。
包装用シーラントフィルムのヒートシール性については、フィルム内容物を充填した際の容器の破損しにくさを表す指標であり、JISZ0238に記載される方法にて140℃のシールバーにて1秒加熱シール後のヒートシール強度が10N/15mm以上であることが好ましい。
包装用シーラントフィルムのカール量については、フィルム製膜時の流れ方向を短辺とし40mm×20mmに切断し、水平な台座に長辺部をテープで固定し、固定端と反対の浮き量の最大値と最小値を計測、浮き量=(最大値+最小値)÷2として算出する。浮き量が6mm以下となればカール量として好ましい。
3層構成の包装用シーラントフィルムを一体として構成するためには、ポリエチレン樹脂層とポリアミド樹脂層間の剥離強度が重要となる。剥離強度は包装用シーラントフィルムを15mm幅×100mm長さに切出し、引張り試験機を用いて測定する。引張り試験機はチャック間距離50mm、引張り速度300mm/minとし、ポリエチレン樹脂層(シール層、ラミネート層厚さの厚い方を選択)とポリアミド樹脂層間の強度が0.5N以上が好ましい。
シール層11、中間層12、ラミネート層13にはフィルムならびにシート成型時の加工適性、またフィルム、シートを使用する際の適性向上のため、フィルムに一般的に使用する材料を適宜添加することが可能である。例えば、フィラー等のブロッキング防止剤、滑り性を向上させるための滑剤、また加工安定性を付与するための酸化防止剤などを適宜添加することが可能である。
フィラー等のブロッキング防止剤として、例えば、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子およびその架橋体、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、緑泥岩、カオリン鉱物、セピオライトなどの粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子等を適宜使用することが出来る。
滑り性向上のための滑剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、合成樹脂系としては流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックスなどの炭化水素系、ステアリン酸、ステアリルアルコールなどの脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどのアルキレン脂肪酸アミドなどを好適に使用できる。
フィルムならびにシートとして成型時のハンドリング性を向上させるために上述した添加剤以外でもフィルム表面に凹凸形状を付与することによってハンドリング性向上を行っても良い。
本発明の包装用シーラントフィルムを作製する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが可能である。例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等を用いることが出来る。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機または2軸スクリュー押出機を使用することが好ましい。単軸押出機を用いる場合にはフルフライトスクリュー、ミキシングエレメントを持つスクリュー、バリアフライトスクリュー、フルーテッドスクリュー等特に制限されることなく、使用することが可能である。2軸混練装置については、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機、またスクリュー形状もフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプと特に限定されるものでは無い。
シール層11、中間層12、ラミネート層13の積層方法に関しても特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることが可能である。例えば、シール層11、中間層12、ラミネート層13をそれぞれ製膜したものをそれぞれのフィルムまたはシートに融点以上の熱を加え、加圧することによりラミネートする手法、シール層11、中間層12、ラミネート層13をそれぞれ異なる押出機で加熱、溶融した状態で積層しフィルムを得る方法などを使用することが出来る。作業性を考慮した場合、溶融状態で積層しフィルムを得る共押出機を用いた積層方法が好ましい。共押出法としては、各層となる熱可塑性樹脂を押出機で溶融した後、フィードブロックで溶融樹脂を積層しTダイから積層フィルムを得るフィードブロック法、また、各層となるプラスチックを押出機で溶融後、マニホールドを通った後に積層しTダイから積層フィルムを得るマルチマニホールド法、また多層インフレーション成型法を用いることが可能である。
<実施例1>
シール層および、中間層、ラミネート層の3層構成とし、シール層とラミネート層の樹脂として、株式会社プライムポリマー製LLDPE エボリューSP1540(密度0.913g/cm MFR3.8g/10min)に対して相溶化剤として三井・デュポンポリケミカル株式会社製EVA V523(密度0.96g/cm、MFR10.0g/10min)を10wt%ドライブレンドした樹脂ペレット混合物を、シール層用、ラミネート層用と異なった単軸押出機に投入、250℃に加熱溶融する。
中間層の樹脂として、ユニチカ株式会社製ナイロン6(A1030BRF−BA)を単軸押出機に投入、250℃に加熱溶融する。
前記加熱溶融した、シール層、中間層およびラミネート層の樹脂を、フィードブロックTダイを用い、シール層/中間層/ラミネート層の厚さが(20/50/30)μmとなるように調整し、60℃に調整した冷却搬送ロール上に吐出し搬送し、フィルムの総厚さが100μmとなるように積層フィルムを作製した。
<実施例2>
シール層およびラミネート層のEVAドライブレンド量を20wt%とした以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例3>
シール層およびラミネート層のEVAドライブレンド量を30wt%とした以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例4>
シール層およびラミネート層のLLDPE樹脂を株式会社プライムポリマー製LLDPE エボリューSP2540(密度0.924g/cm MFR3.8g/10min)とした以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例5>
シール層/中間層/ラミネート層の厚さが(20/50/80)μmとなるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例6>
シール層およびラミネート層のLLDPE樹脂を株式会社プライムポリマー製LLDPE(エボリューsp2540 密度0.924g/cm MFR3.8g/10min)とし、シール層/中間層/ラミネート層の厚さが(20/50/80)μmとなるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例7>
シール層/中間層/ラミネート層の厚さが(20/100/30)μmとなるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例8>
シール層/中間層/ラミネート層の厚さが(5/50/45)μmとなるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例9>
シール層およびラミネート層のEVAドライブレンド量を5wt%とした以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例10>
シール層およびラミネート層のEVAドライブレンド量を35wt%とした以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例11>
シール層/中間層/ラミネート層の厚さが(20/50/20)μmとなるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例12>
シール層/中間層/ラミネート層の厚さが(20/50/90)μmとなるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例13>
シール層/中間層/ラミネート層の厚さが(20/40/30)μmとなるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例14>
シール層/中間層/ラミネート層の厚さが(20/110/30)μmとなるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例15>
シール層およびラミネート層のLLDPE樹脂を株式会社プライムポリマー製LLDPE エボリューSP0540(密度0.903g/cm MFR3.8g/10min)とした以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例16>
シール層およびラミネート層のLLDPE樹脂を株式会社プライムポリマー製LLDPE エボリューSP3530(密度0.931g/cm MFR3.2g/10min)とした以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<実施例17>
シール層/中間層/ラミネート層の厚さが(3/50/47)μmとなるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
<比較例1>
シール層および中間層に、株式会社プライムポリマー製LLDPE エボリューSP1540(密度0.913g/cm MFR3.8g/10min)に対して相溶化剤として三井・デュポンポリケミカル株式会社製EVA V523(密度0.96g/cm、MFR10.0g/10min)を10wt%ドライブレンドした樹脂ペレット混合物を使用し、ラミネート層にユニチカ株式会社製ナイロン6(A1030BRF−BA)を使用し、シール層/中間層/ラミネート層の厚さが(20/30/50)μmとなる様に調製し、単軸押出機に投入する以外は、実施例1と同様の方法で成形した。
(評価方法)
包装用シーラントフィルムと基材フィルムの積層体とした際の剛性は、包装資材容器として使用した際の自立性や内容物の取り出し易さを得るために要求される。剛性の評価は本発明においては、東洋精機製作所製のループステフネステスタを用いて測定し、流れ方向に幅15mm、長さ200mmのサンプルを切り抜き計測する。基準値は、シール層を厚さ20μmのポリエチレン樹脂、中間層を厚さ30μmのポリエチレン樹脂、さらにラミネート層として中間層上に厚さ50μmのポリアミド樹脂をこの順序で積層した積層体の剛性として、剛性(相対コシ強度)が基準値に対して75%以上であるかで評価を行った。
包装用シーラントフィルムの耐衝撃性については、内容物の保護適性を示す指標であり、様々な外力が加わった際のフィルムの破れ難さが要求される。要求を満たすためには、JIS K7124−1Aに記載される耐衝撃性評価に沿って実施し、測定は3層構成の包装用シーラントフィルム単体を用いて行い、得られた50%破壊重量の数値を測定対象である包装用シーラントフィルム単体の厚さで除算した数値が4.5g/μm以上であることが好ましい。測定上限値で破袋が観測されない場合、上限値である9.2g/μmを測定値とした。
包装用シーラントフィルムの突刺強度も内容物の保護適性を示す指標であり、様々な外力が加わった際のフィルムの破れ難さが要求される。突刺し強度は、JIS Z1707記載の方法に準拠し、突刺強度が20N以上であることが好ましい。
包装用シーラントフィルムのヒートシール性については、フィルム内容物を充填した際の容器の破損し難さを表す指標であり、JIS Z0238に記載される方法にて140
℃のシールバーにて1秒加熱シール後のヒートシール強度が10N/15mm以上であることが好ましい。従って、10N/15mmのヒートシール強度が140℃以下で得られることが好ましい。ヒートシール強度は180°剥離で測定を実施する。
包装用シーラントフィルムのポリアミド層(PA層)の吸湿による寸法変化に伴うカール量については、フィルム製膜時の流れ方向を短辺とし40mm×20mmに切断し、水平な台座に長辺部をテープで固定し、固定端と反対の浮き量の最大値と最小値を計測、浮き量=(最大値+最小値)÷2として算出する。浮き量が6mm以下となればカール量として好ましい。
3層構成の包装用シーラントフィルムを一体として構成するためには、ポリエチレン樹脂層とポリアミド樹脂層間の剥離強度が重要となる。剥離強度は包装用シーラントフィルムを15mm幅×100mm長さに切出し、引張り試験機を用いて測定する。引張り試験機はチャック間距離50mm、引張り速度300mm/minとし、ポリエチレン層(シール層、ラミネート層厚さの厚い方を選択)とポリアミド層間の強度が0.5N以上が好ましい。
3層構成の包装用シーラントフィルムのPA6層厚さの変動が大きいと、フィルム全体の物性の均一性が損なわれる、PA6層の厚さ変動は8%以下に抑えられることが好ましい。
以上の各評価項目の判定結果を表1にまとめた。
Figure 2020090307
実施例1から実施例8までは、すべての評価項目で好ましい値であった。実施例9から実施例17までは、一部の評価項目で性能が低いため、実用上は問題ないがその使用法が制限されることがある。実施例9については、相溶化剤の添加量が少ないためヒートシール強度が低く、実施例10の様に相溶化剤の添加量が多すぎる場合や、実施例11の様にシール層とラミネート層の厚みが薄すぎると、耐衝撃性が低下する。実施例12の様にラミネート層が厚すぎる場合には剛性が低下し、カールがやや大きくなる。実施例13の様に中間層が薄すぎると、剛性と突刺強度が低下する。また実施例14の様に中間層が厚すぎると、耐衝撃性が低下し、厚さ変動が大きくなり易い。実施例15の様に、シール層、ラミネート層の樹脂の結晶化度が低いと突刺強度が低下する。実施例16の様に結晶化度が高すぎると、突刺強度は改善するが、耐衝撃性とヒートシール性が低下する。実施例17はシール層とラミネート層の厚みの比率に関する評価であるが、シール層厚みが薄すぎる場合、ヒートシール性が低下するため用途に制約が出てしまう。比較例1についてはポリアミド樹脂層が最外層となる構成のため、吸湿によると見られるカールが大きすぎ、使用不可であった。
本発明はシーラントフィルム単体もしくは基材との積層体として、包装資材として重要な物性である剛性および、耐衝撃性を両立し、さらにPA6層の吸湿を抑制しフィルムのカール量を低減することを可能とする。
11 シール層
12 中間層(ポリアミド層)
13 ラミネート層
14 基材層

Claims (9)

  1. 包装材用シーラントフィルムにおいて、第一層がシール層、第二層が中間層、第三層がラミネート層の3層を少なくとも有し、第一層および第三層が熱可塑性樹脂であり、第二層がポリアミド樹脂であることを特徴とする包装材用シーラントフィルム。
  2. 請求項1記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、シール層およびラミネート層がポリエチレン樹脂であり、該ポリエチレン樹脂の結晶化度範囲が25%以上40%以下であることを特徴とする包装材用シーラントフィルム。
  3. 請求項1、2いずれかに記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、シール層およびラミネート層にポリアミド樹脂と反応し得る相溶化剤が配合されていることを特徴とする包装材用シーラントフィルム。
  4. 請求項3に記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、シール層およびラミネート層に配合される相溶化剤が、アミド基と水素結合するカルボニル基[−C(=O)]を分子構造にもち、シール層およびラミネート層のポリエチレン樹脂に対して10重量%以上30重量%以下添加されていることを特徴とする包装材用シーラントフィルム。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、中間層の厚さが50μm以上100μm以下であることを特徴とする包装材用シーラントフィルム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、シール層とラミネート層の二層の厚さの合計が50μm以上100μm以下であり、シール層の厚さが5μm以上であることを特徴とする包装材用シーラントフィルム。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の包装材用シーラントフィルムにおいて、シール層を厚さ20μmのポリエチレン樹脂、中間層を厚さ30μmのポリエチレン樹脂、ラミネート層として中間層上に厚さ50μmのポリアミド樹脂をこの順序で積層した積層体の剛性を基準として比較したときに、剛性が75%以上となることを特徴とする包装材用シーラントフィルム。
  8. 基材フィルム上に、請求項1から7のいずれか1項に記載の包装材用シーラントフィルムが積層された包装材。
  9. 請求項8に記載の包装材を有する包装体。
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