JP6925962B2 - 樹脂積層体及びそれを用いた樹脂積層袋 - Google Patents

樹脂積層体及びそれを用いた樹脂積層袋 Download PDF

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本発明は、樹脂積層体及びそれを用いた樹脂積層袋に関する。
野菜、きのこ類、鮮魚、精肉、これらの加工品等を収容する食品用途の袋には、内容物充填時の開口性(耐ブロッキング性)、輸送時の振動や内容物の突起(骨など)に起因する袋の破れを防止する耐突刺性等が要求されている。
しかしながら、耐突刺強度を確保するために単に袋の強度を高めると、開封性が非常に悪くなり易く、開封時の衝撃で内容物が飛び出してしまう問題がある。この問題に対して、開封性を容易にするために樹脂積層体(多層フィルム)から袋を形成し、樹脂成分として環状オレフィン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等を各層に配した包装材が提案されている(特許文献1など)。
特許文献1には、「密度が0.910g/cm以上0.945g/cm未満のエチレン系樹脂(a1)50〜90質量%と、密度が0.950g/cm以上の高密度ポリエチレン(a2)10〜50質量%と、を混合してなる樹脂を主成分とする樹脂層(A)と、
密度が0.900g/cm以上0.940g/cm未満のエチレン系樹脂(b1)50〜90質量%と、環状オレフィン系樹脂(b2)及び/又は密度が0.950g/cm以上の高密度ポリエチレン(b3)10〜50質量%と、を混合してなる樹脂を主成分とする樹脂層(B)と、
密度が0.880g/cm以上0.910g/cm未満のエチレン系樹脂(c1)を主成分とする樹脂層(C)とを、
(A)/(B)/(C)の順に積層してなることを特徴とする共押出多層フィルム。」が開示されている。
また、袋の開封性(特に特定方向への直進開封性)を改善する物理的手段として、特許文献2には、「袋を形成するフィルムとして、二方向に易引裂性の熱可塑性樹脂フィルムを用い、袋の端部の少なくとも一箇所に、横方向の切り込み部と、縦方向の切り込み部を有するノッチを有することを特徴とする、二方向易開封性包装袋。」が開示されている。
特開2011−25637号公報 実登3183912号公報
しかしながら、特許文献1に記載された共押出多層フィルムから形成された包装材は、内容物充填時の開口性が十分ではなく、内容物の充填不良の問題が発生する。また、特許文献2に記載された二方向易開封性包装袋は、縦方向及び横方向の切り込み方向への直進易開封性は確保できるが、任意の方向への直進易開封性を得ることは困難である。
よって、本発明は、開口性(耐ブロッキング性)、耐突刺性及び任意の方向への直進易開封性を同時に満たす樹脂積層袋、並びに、当該樹脂積層袋の作製に適した樹脂積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の層構成を有する樹脂積層体によれば上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の樹脂積層体及びそれを用いた樹脂積層袋に関する。
1.外層A、中間層B及び外層Cを順に有する樹脂積層体であって、
(1)前記外層Aは、樹脂成分100質量%中、密度が0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂60〜95質量%と密度0.945g/cm以上の高密度ポリエチレン樹脂5〜40質量%とを含有し、
(2)前記中間層Bは、樹脂成分100質量%中、密度0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂10〜80質量%と環状オレフィン系樹脂20〜90質量%とを含有し、(3)前記外層Cは、樹脂成分100質量%中、密度が0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂50〜95質量%と密度0.945g/cm以上の高密度ポリエチレン樹脂5〜50質量%とを含有する、
ことを特徴とする樹脂積層体。
2.前記外層A及び/又は前記外層Cは、各層中において、樹脂成分100質量部に対して、耐ブロッキング剤を0.1〜0.6質量部含有する、上記項1に記載の樹脂積層体。3.前記外層A及び/又は前記外層Cは、各層中において、樹脂成分100質量部に対して、滑剤を0.02〜0.3質量部含有する、上記項1又は2に記載の樹脂積層体。
4.前記外層A及び/又は前記外層Cは、各層中において、樹脂成分100質量部に対して、帯電防止剤を0.1〜1質量部含有する、上記項1〜3のいずれかに記載の樹脂積層体。
5.前記外層Cは、樹脂成分100質量部に対して、防曇剤を0.3〜1質量部含有する、上記項1〜4のいずれかに記載の樹脂積層体。
6.前記外層A及び前記外層Cは、各層の厚さが同じであり、且つ、各層中において、樹脂成分100質量%中の前記エチレン系樹脂と前記高密度ポリエチレン系樹脂との混合組成が同じである、上記項1〜5のいずれかに記載の樹脂積層体。
7.上記項1〜6のいずれかに記載の樹脂積層体を、前記外層Cが内側になるように袋化したことを特徴とする樹脂積層袋。
本発明の樹脂積層体は、特定の外層A、中間層B及び外層Cを順に有する層構成であり、当該外層Cが内側になるように袋化することにより、開口性(耐ブロッキング性)、耐突刺性及び任意の方向への直進易開封性を同時に満たす樹脂積層袋を提供することができる。すなわち、開口性に優れることにより、内容物を樹脂積層袋に充填する際の充填作業を容易に行うことができる。耐突刺性に優れることにより、輸送時の振動や内容物の突起(骨など)に起因する袋の破れを効率的に防止することができる。また、任意の方向への直進易開封性に優れることにより、内容物の飛び出しを抑制しながら所望の方向に容易に開封することができる。本発明の樹脂積層袋の用途は限定的ではないが、特に野菜、きのこ類、鮮魚、精肉、これらの加工品等を収容する食品用途の袋として有用である。
本発明の樹脂積層体の層構成の一例(基本構成)を示す断面模式図である。図1中、1は外層A、2は中間層B、及び3は外層Cを示す。 実施例及び比較例における樹脂積層袋の開口性評価の手順((a)は樹脂積層袋の開口部(幅方向の中央)を垂直(矢印方向)に持ち上げる態様を示し、(b)は(a)により自然に開口した深さ方向(矢印方向)の長さを測定する態様を示す。)を示す模式図である。
1.本発明の樹脂積層体
本発明の樹脂積層体は、外層A、中間層B及び外層Cを順に有し、
(1)前記外層Aは、樹脂成分100質量%中、密度が0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂60〜95質量%と密度0.945g/cm以上の高密度ポリエチレン樹脂5〜40質量%とを含有し、
(2)前記中間層Bは、樹脂成分100質量%中、密度0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂10〜80質量%と環状オレフィン系樹脂20〜90質量%とを含有し、(3)前記外層Cは、樹脂成分100質量%中、密度が0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂50〜95質量%と密度0.945g/cm以上の高密度ポリエチレン樹脂5〜50質量%とを含有する、
ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の樹脂積層体は、特定の外層A、中間層B及び外層Cを順に有する層構成であり、当該外層Cが内側になるように袋化することにより、開口性(耐ブロッキング性)、耐突刺性及び任意の方向への直進易開封性を同時に満たす樹脂積層袋を提供することができる。すなわち、開口性に優れることにより、内容物を樹脂積層袋に充填する際の充填作業を容易に行うことができる。耐突刺性に優れることにより、輸送時の振動や内容物の突起(骨など)に起因する袋の破れを効率的に防止することができる。また、任意の方向への直進易開封性に優れることにより、内容物の飛び出しを抑制しながら所望の方向に容易に開封することができる。本発明の樹脂積層袋の用途は限定的ではないが、特に野菜、きのこ類、鮮魚、精肉、これらの加工品等を収容する食品用途の袋として有用である。
以下、本発明の樹脂積層体を構成する各層について説明する。
図1は本発明の樹脂積層体の層構成の一例(基本構成)を示している。図1は必須の3層〔外層A(1)、中間層B(2)及び外層C(3)〕のみからなる層構成を示しているが、本発明の所定の層構成の条件及び効果に影響を与えない範囲でその他の層(接着剤層、補助層等)を有していてもよい。図1の樹脂積層体を袋化して樹脂積層袋を作製する際は、外層Aが外側となり、外層Cが内側(内容物と接触する側)となるように袋化する。
外層A
外層Aは、樹脂成分100質量%中、密度が0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂60〜95質量%と密度0.945g/cm以上の高密度ポリエチレン樹脂5〜40質量%とを含有する。外層Aは、本発明の樹脂積層体の中で、特に樹脂積層袋を作製した場合の耐突刺性の特性を付与する層である。
密度が0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂(以下、「エチレン系樹脂」ともいう。)としては、当該密度の限定を満たす限り限定されないが、本発明では、例えば、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を好適に使用することができる。また、LLDPEの中でも、メタロセン触媒又はメタロセン系触媒を用いた低圧ラジカル重合法により、エチレン単量体を主成分として、これにコモノマー(特にヘキセン−1などが好ましい)を共重合してなるメタロセンLLDPE(m−LLDPE)が特に好ましい。前記メタロセン触媒としては、周期律表第IV又はV族遷移金属のメタロセン化合物を主体とする触媒が挙げられ、前記メタロセン系触媒としては、前記メタロセン化合物と、有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物との組み合わせからなる触媒が挙げられる。
前記エチレン系樹脂の密度は0.91〜0.94g/cmの範囲内であればよく、その中でも0.915〜0.925g/cmの範囲内であれば好ましい。
また、前記エチレン系樹脂のMFR(190℃、21.18N)は0.3〜20g/10分が好ましく、0.8〜5.0g/10分がより好ましい。MFRがこの範囲であれば、外層Aを押出成形により製膜する際の製膜性が向上し易い。
密度0.945g/cm以上の高密度ポリエチレン樹脂(以下、「高密度ポリエチレン樹脂」ともいう。)としては、当該密度の限定を満たす限り限定されず、当該分野で公知のポリエチレン樹脂が使用できる。当該密度は、0.945g/cm以上であればよいが、好ましい上限値としては0.960g/cm程度である。
前記高密度ポリエチレン樹脂のMFR(190℃、21.18N)は5〜20g/10分が好ましく、0.04〜1.0g/10分がより好ましい。MFRがこの範囲であれば、外層Aを押出成形により製膜する際の製膜性が向上し易いとともに、前記エチレン系樹脂との混練性が良好であり、表面が平滑で透明性の良い外層Aが得られ易い。
外層Aは、樹脂成分100質量%中、前記エチレン系樹脂60〜95質量%と前記高密度ポリエチレン樹脂5〜40質量%とを含有する。本発明では、外層Aの樹脂成分を前記エチレン系樹脂と前記高密度ポリエチレン樹脂の2種類とすることが好ましく、前記エチレン系樹脂と前記高密度ポリエチレン樹脂との合計量が100質量%となるように適宜調整でき、前記エチレン系樹脂の含有量は70〜90質量%が好ましく、前記高密度ポリエチレン樹脂の含有量は10〜30質量%が好ましい。
外層Aは、任意の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、耐ブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。
耐ブロッキング剤としては、例えば、珪藻土、ゼオライト、タルク等の不定形の耐ブロッキング剤のほか、球状シリカ、アクリル樹脂系ビーズ、球状シリコーン樹脂等の球状耐ブロッキング剤などが挙げられる。
耐ブロッキング剤の含有量は、所望の耐ブロッキング性が得られる範囲で限定されないが、外層Aの樹脂成分100質量部に対して0.1〜0.6質量部程度が好ましく、0.2〜0.4質量部程度がより好ましい。
滑剤としては、大別するとワックス系の滑剤と無機系(微粒子)滑剤とに分けられる。ワックス系の滑剤としては、脂肪酸アミド系の滑剤が用いられ、例えば、エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
無機系(微粒子)滑剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、シリカ、マイカなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
滑剤の含有量は、所望の滑剤特性が得られる範囲で限定されないが、外層Aの樹脂成分100質量部に対して0.02〜0.3質量部程度が好ましく、0.04〜0.1質量部程度がより好ましい。
帯電防止剤としては、例えば、界面活性剤として用いられているものが好ましく、リン酸エステル塩などのアニオン界面活性剤;グリセリン脂肪酸エステルやジグリセリン脂肪酸エステルなどの脂肪酸系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの高級アルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのアルキルフェノール系界面活性剤などのノニオン界面活性剤などが挙げられる。
帯電防止剤の含有量は、所望の帯電防止性が得られる範囲で限定されないが、外層Aの樹脂成分100質量部に対して0.1〜1質量部程度が好ましく、0.1〜0.4質量部程度が好ましい。
中間層B
中間層Bは、樹脂成分100質量%中、密度0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂10〜80質量%と環状オレフィン系樹脂20〜90質量%とを含有する。中間層Bは、本発明の樹脂積層体の中で、特に樹脂積層袋を作製した場合の任意の方向への直進易開封性の特性を付与する層である。
前記エチレン系樹脂の説明については、外層Aで説明した内容と同じである。
環状オレフィン系樹脂(重合体)としては、重合体中に環状オレフィンを含有していれば特に限定されず、環状オレフィン単独重合体(以下、「COP」ともいう。)、エチレン−環状オレフィン共重合体(以下、「COC」ともいう。)等を用いることができる。なお、エチレン系樹脂への分散性及び前記直進易開封性を高めるにはCOCが好ましい。
COCとしては限定的ではないが、モノマー成分としてのエチレン含有量が25質量%以上でガラス転移点(Tg)が120℃以下であれば、前記エチレン系樹脂への分散性及び前記直進易開封性が向上するため好ましい。また、COCの密度は0.95〜1.05g/cm程度が好ましく、MFR(190℃、21.18N)は0.05〜4.0g/10分程度が好ましい。
モノマー成分としての環状オレフィンは、例えば、炭素原子数が3〜20のシクロアルカンを有するビニルシクロアルカン及びその誘導体、炭素原子数が3〜20のモノシクロアルケン及びその誘導体、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン(ノルボルネン)及びその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン及びその誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン及びその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン及びその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン及びその誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン及びその誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン及びその誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]−5−ペンタコセン及びその誘導体等があげられる。なお、環状オレフィンは、特開2007−291364号公報に開示されているように、水素添加処理されているものであってもよい。
COCとしては、例えば、エチレン−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン共重合体、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン−エチレン共重合体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン−エチレン共重合体等が挙げられる。また、COCとしては、市販品を用いてもよく、例えば、三井化学(株)製のアペル(商品名)、Topas Advanced Polymers GmbH社製のTOPAS(商品名)等が挙げられる。
COPとしては特に限定されず、ガラス転移点(Tg)が120℃以下であれば、前記エチレン系樹脂への分散性及び前記直進易開封性が向上するため好ましい。また、COPの密度は0.95〜1.05g/cm程度が好ましく、MFR(190℃、21.18N)は0.05〜4.0g/10分程度が好ましい。
COPの市販品としては、例えば、日本ゼオン(株)製のゼオノア(商品名)、JSR(株)製のアートン(商品名)等が挙げられる。
上記環状オレフィン系樹脂は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
中間層Bは、樹脂成分100質量%中、前記エチレン系樹脂10〜80質量%と前記環状オレフィン系樹脂20〜90質量%とを含有する。本発明では、中間層Bの樹脂成分を前記エチレン系樹脂と前記環状オレフィン系樹脂の2種類とすることが好ましく、前記エチレン系樹脂と前記環状オレフィン系樹脂との合計量が100質量%となるように適宜調整でき、前記エチレン系樹脂の含有量は40〜60質量%が好ましく、前記環状オレフィン系樹脂の含有量は40〜60質量%が好ましい。
中間層Bは、必要に応じて、公知の添加剤を含有してもよい。
外層C
外層Cは、樹脂成分100質量%中、密度が0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂50〜95質量%と密度0.945g/cm以上の高密度ポリエチレン樹脂5〜50質量%とを含有する。外層Cは、本発明の樹脂積層体の中で、特に樹脂積層袋を作製した場合の開口性及び耐突刺性の特性を付与する層である。
前記エチレン系樹脂及び前記高密度ポリエチレン樹脂の説明については、外層Aで説明した内容と同じである。
外層Cは、樹脂成分100質量%中、前記エチレン系樹脂50〜95質量%と前記高密度ポリエチレン樹脂5〜50質量%とを含有する。本発明では、外層Cの樹脂成分を前記エチレン系樹脂と前記高密度ポリエチレン樹脂の2種類とすることが好ましく、前記エチレン系樹脂と前記高密度ポリエチレン樹脂との合計量が100質量%となるように適宜調整でき、前記エチレン系樹脂の含有量は60〜95質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましく、前記高密度ポリエチレン樹脂の含有量は5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
本発明では、好適な実施態様として、外層A及び外層Cは、各層の厚さが同じであり、且つ、各層中において、樹脂成分100質量%中の前記エチレン系樹脂と前記高密度ポリエチレン系樹脂との混合組成が同じであることが好ましい。具体的には、外層A及び外層Cは、各層中において、樹脂成分100質量%中の前記エチレン系樹脂の含有量が60〜95質量%であり、前記高密度ポリエチレン系樹脂の含有量が5〜40質量%であり、両樹脂の混合組成が各層で同じであることが好ましい。このような設定とすることにより、中間層Bを挟んで対称の外層が形成されることにより本発明の樹脂積層体の耐カール性を高めることができる。かかる効果は、本発明の樹脂積層体が、中間層Bの外側にある層が中間層Bを中心として対称に形成されている場合、とりわけ外層A、中間層B及び外層Cの3層のみから形成されている場合に得られ易い。
外層Cは、任意の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、耐ブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤等が挙げられる。耐ブロッキング剤及び滑剤については、外層Aで説明した内容と同じである。なお、帯電防止剤と防曇剤は、それらの種類により一方が他方の効果を兼ね得るため、外層Cに帯電防止剤を含有する場合には防曇剤の併用は不要とすることもでき、同様に外層Cに防曇剤を含有する場合には帯電防止剤の併用は不要とすることもできる。
防曇剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、グリセリンステアリン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル、ソルビトールグリセリンステアリン酸エステルなどの多価アルコール飽和脂肪酸エステル;グリセリンオレイン酸エステル、ジグリセリンオレイン酸エステルなどの多価アルコール不飽和脂肪酸エステルなどが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。防曇剤の含有量は、所望の防曇特性が得られる範囲で限定されないが、樹脂成分100質量部に対して0.3〜0.7質量部程度が好ましい。
上記外層A、中間層B及び外層Cの3層の厚さの割合は限定的ではないが、外層A、中間層B及び外層Cの合計厚みに対する中間層Bの厚みの比(すなわちB/(A+B+C))が0.3〜0.6の範囲となるように設定することが好ましい。この範囲内に設定することにより本発明の効果が得られ易くなる。
本発明の樹脂積層体の製造方法は限定されないが、例えば、外層A、中間層B及び外層Cを形成するための各樹脂組成物を用意し、Tダイ法又はインフレーション法により3層を押出し成形することにより簡便に製造することができる。その他、外層A、中間層B及び外層Cの各フィルムを別々に用意した後、各フィルムを公知の接着剤を用いたドライラミネートにより貼り合わせることにより形成することもできる。
2.本発明の樹脂積層袋
本発明の樹脂積層袋は、本発明の樹脂積層体を、前記外層Cが内側になるように袋化することにより形成することができる。外層Cは耐ブロッキング性に優れるため、外層Cが内側になるように袋化することにより、外層Cどうしのブロッキングを効果的に抑制し、樹脂積層袋の良好な開口性を確保することができる。
本発明の樹脂積層袋は、開口性(耐ブロッキング性)、耐突刺性及び任意の方向への直進易開封性を同時に満たす樹脂積層袋を提供することができる。すなわち、開口性に優れることにより、内容物を樹脂積層袋に充填する際の充填作業を容易に行うことができる。耐突刺性に優れることにより、輸送時の振動や内容物の突起(骨など)に起因する袋の破れを効率的に防止することができる。また、任意の方向への直進易開封性に優れることにより、内容物の飛び出しを抑制しながら所望の方向に容易に開封することができる。本発明の樹脂積層袋の用途は限定的ではないが、特に野菜、きのこ類、鮮魚、精肉、これらの加工品等を収容する食品用途の袋として有用である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1〜3及び比較例1〜4
3層押出機のそれぞれの押出機内に外層A、中間層B及び外層Cの各層が表1に記載の配合となるように樹脂成分及び添加剤を投入し、溶融混練した。
外層A、中間層B及び外層Cの各層の厚さ比が外層A:中間層B:外層C=1:2:1となるようインフレーション法で3層を共押出し、厚さ40μmの樹脂積層体を得た。
次いで、得られた樹脂積層体を、外層Cが内側になるように袋化することにより、厚さ40μm×縦300mm×横300mmの大きさの樹脂積層袋を得た。
得られた実施例及び比較例の樹脂積層体又は樹脂積層袋について以下の評価を行った。
≪開口性(耐ブロッキング性)≫
樹脂積層袋の上から20kgの荷重を掛けて80℃の恒温機内に24時間静置した後、図2(a)に示すように水平台の上に樹脂積層袋を静置し、開口部の幅方向の中央を垂直(矢印方向)に持ち上げて開口し、自然に開口した深さ方向(矢印方向)の長さを目視にて確認した。
評価基準は次の通りであり、◎及び○が合格基準である。
◎:袋を開口すると開口部より200mmの位置まで自然に開口した
○:袋を開口すると開口部より100mmの位置まで自然に開口した
△:袋を開口すると開口部より50mmの位置まで自然に開口した
×:袋を開口すると開口部のみが開口し深さ方向に開口しない。
≪耐突刺性≫
プッシュプルゲージの先に、先端2mm高さ5mmに加工した長さ100mm(φ5mm)の鉄芯を装着し、固定した樹脂積層体の上から突刺し、耐突刺の最大荷重(Xg)を測定した。
評価基準は次の通りであり、◎及び○が合格基準である。
◎:1500g≦X
○:1000g≦X<1500g
△:800g≦X<1000g
×:X<800g
≪引裂強度≫
エルメンドルフ引裂き試験(JIS K 7128-2)により樹脂積層体の引裂強度(XN)を測定した。
評価基準は次の通りであり、◎及び○が合格基準である。
◎:X<1.0N
○:1.0≦X<1.5N
△:1.5N≦X<2.0N
×:2.0N≦X
≪直進易開封性≫
樹脂積層袋の幅方向に5mmのスリットを入れ、10cm引裂いたときの始点と終点の縦方向のズレ(Xmm)を測定した。
評価基準は次の通りであり、◎及び○が合格基準である。
◎:0mm≦X<2mm
○:2mm≦X<4mm
△:4mm≦X<6mm
×:6mm≦X
結果を表1に示す。
Figure 0006925962
〔表1中、数値はいずれも質量部を示す。
※1 エチレン系樹脂は、m−LLDPE((株)プライムポリマー製、SP1510、密度0.915g/cm、MFR1.0g/10分)を示す。
※2 高密度ポリエチレン樹脂は、HDPE(旭化成(株)製、F184、密度0.952g/cm、MFR0.05g/10分)を示す。
※3 環状オレフィン系樹脂は、日本ポリエチレン(株)製、KP106を示す。
※4 耐ブロッキング剤は、日本ポリエチレン(株)製、MF20KGを示す。
※5 滑剤は、日本ポリエチレン(株)製、SF18KGを示す。
※6 帯電防止剤は、宇部丸善ポリエチレン(株)製、MUTを示す。
※7 防曇剤は、理研ビタミン(株)製、EFR750を示す。〕
1.外層A
2.中間層B
3.外層C

Claims (7)

  1. 外層A、中間層B及び外層Cを順に有する樹脂積層体であって、
    (1)前記外層Aは、樹脂成分100質量%中、密度が0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂60〜95質量%と密度0.945g/cm以上の高密度ポリエチレン樹脂5〜40質量%とを含有し、
    (2)前記中間層Bは、樹脂成分100質量%中、密度0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂10〜80質量%と環状オレフィン系樹脂20〜90質量%とを含有し、(3)前記外層Cは、樹脂成分100質量%中、密度が0.91〜0.94g/cmのエチレン系樹脂50〜95質量%と密度0.945g/cm以上の高密度ポリエチレン樹脂5〜50質量%とを含有する、
    ことを特徴とする樹脂積層体。
  2. 前記外層A及び/又は前記外層Cは、各層中において、樹脂成分100質量部に対して、耐ブロッキング剤を0.1〜0.6質量部含有する、請求項1に記載の樹脂積層体。
  3. 前記外層A及び/又は前記外層Cは、各層中において、樹脂成分100質量部に対して、滑剤を0.02〜0.3質量部含有する、請求項1又は2に記載の樹脂積層体。
  4. 前記外層A及び/又は前記外層Cは、各層中において、樹脂成分100質量部に対して、帯電防止剤を0.1〜1質量部含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂積層体。
  5. 前記外層Cは、樹脂成分100質量部に対して、防曇剤を0.3〜1質量部含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂積層体。
  6. 前記外層A及び前記外層Cは、各層の厚さが同じであり、且つ、各層中において、樹脂成分100質量%中の前記エチレン系樹脂と前記高密度ポリエチレン系樹脂との混合組成が同じである、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂積層体を、前記外層Cが内側になるように袋化したことを特徴とする樹脂積層袋。
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