JP6375795B2 - 多層フィルム、これを用いたラミネートフィルム及び包装材 - Google Patents

多層フィルム、これを用いたラミネートフィルム及び包装材 Download PDF

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Description

本発明は、食品、薬品、化粧品、サニタリー用品、工業部品等を包装する包装材として好適に用いることができるフィルムに関するものであって、外観、易引裂き性、ヒートシール性、に優れると共に、内容物保存後に、内容物からの揮発・浸透成分によるラミネート強度の低下、ラミ浮き等のデラミ現象やヒートシール強度の低下を抑制でき、開封時の外観、易引裂き性も良好な、ラミネート用の多層フィルム及び該フィルムを用いた包装材に関する。
近年のユニバーサルデザイン化傾向の中で、社会的弱者(高齢者、幼児、障害者等)に対しての配慮として、消費者が開封しやすい方式、例えば易開封性、易引裂き性が重要視されつつある。各種包装材に使用される多層フィルムに易引裂き性を付与する方法としては、例えば、環状オレフィン系樹脂を主成分とした環状オレフィン系樹脂組成物から形成された第1の層と、オレフィン系(共)重合体またはそれを含む組成物から形成された第2の層との少なくとも2層が積層されてなるポリオレフィン系多層積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、前記特許文献1で提供される積層体は柔軟性に乏しい環状オレフィン系樹脂を主成分とするため、屈曲に対する耐ピンホール性に問題があった。又実施例において製造されている多層積層体の厚さは100μm以上であり、手で引き裂くことができても直線カット性はなく、思わぬ方向に引き裂かれるため、内容物が飛び出して破損したり、内容物が手や衣服等にかかり汚れたりする等の問題があった。
脂環式構造含有重合体からなる層の少なくとも片面にその他の熱可塑性樹脂からなる層を積層した包装フィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この包装フィルムは、20〜40μmと薄いため引き裂き性は良好であるが、環状オレフィン系樹脂を100%使用しているため上記のポリオレフィン系多層積層体と同様に柔軟性に乏しく、低温衝撃性や耐ピンホール性に問題があった。また防湿性にも優れるものではあるが、主にラッピングフィルムやストレッチフィルムとして使用されるものであって、容器や袋として成形した際の強度等を保証するものではなかった。また、このフィルムは、単体での使用を目的としており、ラミネート用フィルムとしての使用は想定されていない。
環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の両隣接層にポリオレフィン系樹脂層を積層してなる、ラミネート用フィルムも提供されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3で提供されたフィルムは、他の基材と貼りあわせて使用し、且つシール強度を維持させるために、両面をオレフィン系樹脂とし、内容物からの揮発成分の吸着を抑制するために、環状ポリオレフィン系樹脂組成物層を中間層とするものである。このような多層構成を有することにより、内容物の吸着は中間層によってある程度制御することができるものの、油脂系成分が多い内容物に対しては、シール層部分を油脂成分が透過することを防ぎきれず、長期保存した場合には中間層(環状オレフィン系樹脂組成物層)に到達し、シール層と中間層とのデラミが発生することがある。実質的には油脂系内容物を包装した際には、ラミネート用フィルムへの浸透、揮発分吸着、デラミネーションを防止できていない蓋然性が高い。
前記のように、通常内層に使用されるシーラントには、シール特性や押出・成形加工性の面から、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を主成分として使用されている。しかしながら当該ポリオレフィン系樹脂は、酸素や二酸化炭素等のガス透過性が大きい上、低分子量成分や揮発成分の浸透や拡散、アルコール等の溶剤成分の浸透が大きいことが知られており、内容物によっては、経時後のシール強度の低下や延伸基材とシーラントフィルムとの貼り合せ部分への浸透・可塑化が進行する結果、ラミネート強度の低下、ラミネート浮きによる剥離(デラミネーション)、外観変化が発生する場合がある。
また包装前の初期ではシール強度や易引裂き性を維持できていても、経時変化による内容成分の浸透等の原因で、シーラント樹脂層の膨潤等によりシール強度の劇的な低下や白化現象が生じる場合がある。更にラミネート強度も低下し、開封時に引き裂こうとした際に延伸基材とシーラントフィルムとの間でデラミネーション(剥離)が生じるため、易引裂き性(易カット性)能が発揮されず、開封性が悪化し、開けづらい現象も多々生じている。
デラミネーションの防止対策として、溶剤系の接着剤を使用せずに、ダイレクトに溶融樹脂を基材上に押出す押出ラミネーションや、接着剤に耐薬品性に優れるエポキシ樹脂を硬化剤として利用する等の提案がなされている。しかし押出ラミネーションは、原料樹脂の置換等にかなりの時間と樹脂ロスの経費が掛かるため、小ロット多品種の生産に向かない。また専用特殊接着剤への変更も切り替え時間が多々必要となり生産性阻害を引き起こす原因となるうえ、特にエポキシ樹脂を使用する接着剤は、食品等への溶出物質・量が懸念され、使用用途が限定される問題がある。
一方、熱可塑性ポリエステルは一般的に耐油性、透明性に優れることが知られており、食品包装等の各種成形品に使用されてきた。特に近年は、熱可塑性ポリエステルの一種である生物資源を利用したポリ乳酸系樹脂が、使用後の環境への負荷を低減し、省資源、循環型社会、地球温暖化への配慮の観点からその使用が広く求められている。しかしながら、熱可塑性ポリエステルは一般的に硬く、脆いために、引裂き性の観点からは使用しやすいものの、フィルムとしての性能バランスが悪く、ポリオレフィン系樹脂との併用で、これらの性能を改良する方法が種々提案されてきた(例えば、特許文献4参照)。
前記特許文献4は、ポリエステルとポリオレフィンとこれらの相溶化剤とを混合してなる樹脂組成物を用いてフィルムとするものであるが、包装袋としたときの初期シール強度、内容物からの揮発成分や浸透成分等によるシール強度の経時変化の有無等については、考慮されておらず、また、他の基材と貼りあわせて使用するシーラントフィルムへの適用の有無は記載されていない。
特開平08−72210号公報 特開2000−334890号公報 特開2012−111182号公報 特開2004−204210号公報
本発明の課題は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、食品、薬品、化粧品、サニタリー用品、工業部品等を包装する包装材に関するものであって、外観、易引裂き性、ヒートシール性、に優れると共に、内容物保存後に、内容物からの揮発成分等のフィルム内部への拡散や浸透によるデラミ現象、ヒートシール強度の低下等を抑制でき、外観、易引裂き性も良好で、更に揮発成分の吸着性も抑制可能な、ラミネート用の多層フィルム及び該フィルムを用いた包装材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、少なくとも2層の多層構成を有する多層フィルムであって、特にシール層と、これに隣接する層に使用する樹脂種を選択して組み合わせることにより、これらの課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)とポリオレフィン系樹脂(a2)と相溶化剤(a3)とを含有する樹脂組成物を主成分とする樹脂層(A)と、環状ポリオレフィン系樹脂(b)を樹脂成分として35質量%以上含有する樹脂層(B)とを有することを特徴とする多層フィルム、該フィルムを他の基材フィルムと積層してなるラミネートフィルム、及びこれらからなる包装材を提供するものである。
本発明の多層フィルムは、外観、易引裂き性、高ヒートシール強度、ラミネート特性等の性能バランスに優れ、且つ内容物保存後に、内容物からの揮発成分等のフィルムへの収着・吸着を抑制でき、そのため更なる内部への拡散・浸透・膨潤によるデラミ現象やヒートシール強度の低下等を低減でき、外観、易引裂き性も保存前と同等な物性を維持できるものである。また多層構成としたことによりカール性も抑えられ加工適正に優れた、外観も良好な包装材を提供することができる。また基材として易引裂き性を有する特殊基材を選択して使用しなくても、ノッチ等の引裂き開始部を設けることにより、本発明の多層フィルム自体の特徴により、縦方向の易引裂き性を発現させることができるため、余分な力を掛けることなく、社会的弱者にも簡単に裂ける易開封性を有する。さらにシール層にポリエチレン系樹脂を用いる場合は、密封性やシール部の収縮やシワが入りくいなど優れたシール性、汎用の容器等への易シール性を確保できる。更にオレフィン系樹脂からなる層を積層させ得た場合は、柔軟性と強靭性を有し、重量物や液体物の包装にも耐えられる強度、落下衝撃にも耐えられる構造になっている。これらのことから、本発明で提供する多層フィルム及び該フィルムを用いたラミネートフィルムは、食品・菓子・化粧品・医薬品・サニタリー用品・工業薬品・雑貨用等の包装材として好適に用いることができる。
本発明の多層フィルムは、熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)とポリオレフィン系樹脂(a2)と相溶化剤(a3)とを含有する樹脂組成物を主成分とする樹脂層(A)と、環状ポリオレフィン系樹脂(b)を樹脂成分として35質量%以上含有する樹脂層(B)とを有することを特徴とする。
本発明において、主成分とするとは、当該層を形成する全成分の合計質量に対し、当該特定の樹脂又は樹脂組成物を65質量%以上の割合で含むことを必須とし、好ましくは90質量%以上で含有することをいう。
本発明の多層フィルムにおいて、樹脂層(A)は熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)、ポリオレフィン系樹脂(a2)と相溶化剤(a3)とを含有する樹脂組成物を主成分とするものであるが、その他の樹脂を本発明の効果を損なわない範囲で混合してもよい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)は、一般的なポリエステルとして知られている、酸成分としてテレフタル酸などの2価の酸または、エステル形成能を持つそれらの誘導体を用い、グリコール成分として炭素数2〜10のグリコール、その他の2価アルコールまたは、エステル形成能を持つそれらの誘導体などを用いて得られる飽和ポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。これらの中でも加工性、機械的性質、耐熱性などのバランスに優れるという点で、ポリアルキレンテレフタレート樹脂が好ましい。これらポリアルキレンテレフタレート樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂などがあげられる。さらに結晶性を有するポリアルキレンテレフタレート樹脂、中でも結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂は、特に押出成形性に優れる点から、好適に用いることができる。
また、前記熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)には、前述の好ましい構成成分に加え、必要に応じて、好ましくは20質量%以下、特に好ましくは10質量%以下の割合で、他の成分を共重合して構成されていてもよい。共重合の成分としては、種々の酸成分、アルコール成分及び/またはフェノール成分、あるいは、エステル形成能を持つこれらの誘導体が使用できる。酸成分としては、炭素数8〜22の2価以上の芳香族カルボン酸、炭素数4〜12の脂肪族カルボン酸、さらには、炭素数8〜15の脂環式カルボン酸、およびエステル形成能を持つこれらの誘導体が挙げられる。
具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボシフェニル)メタンアントラセンジカルボン酸、4−4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、およびエステル形成能を有するこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも得られた樹脂の物性、取り扱い性、反応の容易さに優れるという理由で、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸を好ましく用いることができる。
アルコール成分及びフェノール成分としては、炭素数2〜15の2価以上の脂肪族アルコール、炭素数6〜20の2価以上の脂環式アルコール、炭素数6〜40の2価以上の芳香族アルコールまたはフェノール、及びエステル形成能を持つこれらの誘導体が挙げられる。
具体的には、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ハイドロキノン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの化合物、およびエステル形成能をもつこれらの誘導体、ε−カプロラクトン等の環状エステルも使用することができる。これらの中でも、得られた樹脂の物性、取り扱い性、反応の容易さに優れるという理由で、エチレングリコール、ブタンジオールが好ましい。
更にポリオキシアルキレングリコール単位を一部共重合することにより構成されてもよい。ポリオキシアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、およびこれらのランダムまたはブロック共重合体、ビスフェノール化合物のアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及びこれらのランダムまたは、ブロック共重合体等)付加物等の変性ポリオキシアルキレングリコール等が挙げられ、単独または、2種以上併用することもできる。
前記熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)の製造方法は、種々の重合方法、例えば溶融重縮合、固相重縮合、溶液重合等によって得ることができる。また、重合時に樹脂の色調を改良するため、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸トリメチル、リン酸メチルジエチル、リン酸トリエチル、リン酸トリイソプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル等の化合物の1種または、2種以上を添加してもよい。
本発明で用いる熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)としては、重量平均分子量が1000〜50万の範囲であり、また融点が110〜200℃のものであることが、共押出積層法を用いて積層フィルムを製造できる観点より、好ましいものである。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)としてポリ乳酸を用いる場合には、フィルムとしての生分解性を付与することができる観点から、好ましい。前記ポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸またはDL乳酸単位を主成分とする重合体、またはこれらの重合体の混合物であるが、乳酸の光学異性体を共重合することが出来る。ポリ乳酸は、共重合成分として他のヒドロキシカルボン酸等を含んでもよく、少量の鎖延長剤残基を含んでいてもよい。
ポリ乳酸に共重合される共重合成分等のモノマーとしては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3、3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族とヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
重合法としては、縮合重合、開環重合等の種々の技術を採用できる。縮合重合では、L−乳酸、D−乳酸またはDL乳酸等を直接脱水縮合重合して、任意の組成を有するポリ乳酸が得られる。また開環重合では、乳酸の環状2量体であるラクチドを必要に応じて重合調整剤や触媒等を選択、使用することによりポリ乳酸系重合体を得ることが出来る。
本発明において使用されるポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)は6万〜70万の範囲であることが好ましく、より好ましくは8万〜40万、特に好ましくは10万〜30万である。ポリ乳酸系重合体の重量平均分子量(Mw)が6万以上であれば実用可能なレベルの機械特性や耐熱性等を発現でき、重量平均分子量が70万以下であれば、成形加工性が劣ることも少ない。
また、ポリ乳酸として市販されているものとしては、三井化学社製「レイシア」やNature Works社製「Nature Works」等が挙げられ、これらをそのまま使用してもよい。
前記樹脂層(A)で用いるポリオレフィン系樹脂(a2)は、後述する樹脂層(B)と積層した際の層間接着性に優れ、また他の基材とラミネートする際のラミネート強度に優れる点、及び工業的入手容易性の観点より、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂としては、易引裂き性、耐ピンホール性、樹脂層(A)と樹脂層(B)との層間強度の維持のために、密度0.890〜0.970g/cmであるものが好ましく、より好ましくは、密度0.900〜0.965g/cmのものである。
前記ポリエチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のポリエチレン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が挙げられ、単独でも、2種以上を混合して使用しても良い。これらの中でも易引裂き性の観点と、多層フィルムとしての耐ピンホール性や剛性等の観点よりLLDPE、LMDPE、HDPEを用いることが好ましい。
LDPEとしては高圧ラジカル重合法で得られる分岐状低密度ポリエチレンであれば良く、好ましくは高圧ラジカル重合法によりエチレンを単独重合した分岐状低密度ポリエチレンである。
LLDPE、LMDPEとしては、シングルサイト触媒を用いた低圧ラジカル重合法により、エチレン単量体を主成分として、これにコモノマーとしてブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン等のα−オレフィンを共重合したものである。コモノマー含有率としては、0.5〜20モル%の範囲であることが好ましく、1〜18モル%の範囲であることがより好ましい。
前記シングルサイト触媒としては、周期律表第IV又はV族遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せ等のメタロセン触媒系などの種々のシングルサイト触媒が挙げられる。また、シングルサイト触媒は活性点が均一であるため、活性点が不均一なマルチサイト触媒と比較して、得られる樹脂の分子量分布がシャープになるため、フィルムに成膜した際に低分子量成分の析出が少なく、樹脂層間の接着強度の安定性に優れた物性の樹脂が得られるので好ましい。
前述のようにポリエチレン系樹脂の密度は0.890〜0.970g/cmであることが好ましいが、0.900〜0.965g/cmの範囲であることがより好ましい。密度がこの範囲であれば、適度な剛性を有し、耐ピンホール性等の機械強度も優れ、フィルム成膜性、押出適性が向上する。また、融点は、一般的には60〜130℃の範囲であることが好ましく、70〜125℃がより好ましい。融点がこの範囲であれば、加工安定性や押出加工性が向上する。また、前記ポリエチレン系樹脂のMFR(190℃、21.18N)は2〜20g/10分であることが好ましく、3〜10g/10分であることがより好ましい。MFRがこの範囲であれば、フィルムの押出成形性が向上する。
このようなポリエチレン系樹脂は樹脂層(B)に用いる後述の樹脂組成物との相溶性もほど良いため、積層した際の透明性も維持することができる。また接着性樹脂等を使用することなく、樹脂層(A)と樹脂層(B)との層間接着強度も保持でき、柔軟性も有しているため、耐ピンホール性も良好となる。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、たとえばプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレンなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、併用してもよい。望ましくはプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体であり、特にメタロセン触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィンランダム重合体が好ましい。これらのポリプロピレン系樹脂を樹脂層(A)として用いた場合には、フィルムの耐熱性が向上し、軟化温度を高くすることができるため、100℃以下のボイル、あるいはホット充填、または100℃以上のレトルト殺菌等の蒸気・高圧加熱殺菌特性に優れた包装材用のラミネート用フィルムとしても好適に用いることが出来る。
また、これらのポリプロピレン系樹脂は、MFR(230℃)が0.5〜30.0g/10分で、融点が110〜165℃であるものが好ましく、より好ましくは、MFR(230℃)が2.0〜15.0g/10分で、融点が115〜162℃のものである。MFR及び融点がこの範囲であれば、フィルムの成膜性が向上する。
更にポリプロピレン系樹脂を樹脂層(A)の成分とすると、表面光沢性が良好となり、ラミネートするその他の基材フィルムやラミネート時に使用する接着剤を選択することにより、表面光沢性を維持し、透明性のあるラミネートフィルムとすることも可能であり、内容物視認性に優れた包装体とすることができる。
前記樹脂層(A)の厚み、並びに全厚に占める厚み比率としては、特に限定されるものではない。後述する他の樹脂層との兼ね合いで選択することになるが、共押出積層法での製造が容易である観点から、厚みとしては7μm以上であることが好ましく、厚み比率としては75〜95%の範囲であることが好ましい。
本発明で用いられる相溶化剤(a3)としては、異種ポリマーが結合したコポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等が挙げられる。
例えば、コポリマーとしてはエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、および、これらを主幹構造とし、この主幹から枝成分を持つグラフト重合体などを例示でき、これらの少なくとも1種類または2種類以上の組み合わせからなる共重合体を用いることができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体の具体例としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等が挙げられ、エチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合体の例としては、エチレンープロピレンーエチリデンノルボルネン共重合体、エチレンープロピレンージスクロペンタジエン共重合体等を挙げることが出来る。エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体としては、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン−メタアクリルメチル共重合体、エチレン−メタアクリル酸アルキルエチル共重合体、エチレン−メタアクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−メタアクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−メタアクリル酸2−エチルヘキシル共重合体等を挙げることが出来る。
エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の市販品としては、エチレン−アクリル酸共重合体として、日本ユニカー社製「NUCポリマー」が挙げられる。エチレン−メタアクリルメチル共重合体としては三井デュポンポリケミカル社製「エルバロイ」が挙げられ、エチレン−メチルメタアクリル酸共重合体等として住友化学社製「アクリフト」、三井デュポンポリケミカル社製「ニュクレル」等を挙げることが出来る。これらをそのまま使用することもでき、またグラフト共重合体へ変性したものを使用してもよい。
グラフト共重合体とする場合の枝部分のセグメントを形成するビニル単量体としては、例えば、アルキル鎖長の炭素数が1から20のアクリル酸アルキルエステル、酸基を有するビニル単量体、ヒドロキシル基を有するビニル単量体、エポキシ基を有するビニル単量体、スチレンモノマー等が挙げられる。
本発明で用いる相溶化剤(a3)としては、またポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、アクリル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーから少なくとも1種類、もしくは2種類以上のエラストマーが混合されたものを選択し、使用することも出来る。
ポリエステル系エラストマーとしては、ハードセグメントとして高融点・高結晶性の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして非晶性ポリエステルや非晶性ポリエーテルのブロック共重合体が挙げられ、市販品としては、例えば三菱化学社製の「プリマロイA1800」シリーズを挙げられる。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン成分とエラストマー成分からなり、スチレン成分を10〜50質量%の割合で含有する樹脂を用いることが出来る。エラストマー成分としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン系炭化水素があり、スチレンとブタジエンの共重合体(SBS)エラストマー、スチレンとイソプレンとの共重合体(SIS)エラストマー等が挙げられる。市販品としては、例えばクラレ社製の「ハイプラー」シリーズが挙げられる。
またスチレン系エラストマーとしては、SBSやSISに水素添加した樹脂(SEBS,SEPS)を用いることが出来、市販品としては、例えば旭化成社製の「タフテック」シリーズが挙げられる。
スチレン系エラストマーとしては、エラストマー成分が多く含まれる変性スチレン系エラストマーを用いることも出来、SEBSやSEPSの変性体がより好ましく用いられる。具体的には、無水マレイン酸変性SEBS、無水マレイン酸変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPS等が挙げられる。
本発明において、前記樹脂層(A)は、熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)とポリオレフィン系樹脂(a2)と相溶化剤(a3)とを含有する樹脂組成物を主成分とするものであるが、熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)が10〜40質量部、ポリオレフィン系樹脂(a2)が50〜88質量部、相溶化剤(a3)が2〜10質量部(但し、熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)とポリオレフィン系樹脂(a2)と相溶化剤(a3)の合計は100質量部)の範囲で配合してなる組成物を用いることが好ましい。このような混合比率の樹脂組成物を用いると、内容物成分のフィルム内部への拡散・浸透・膨潤を抑制し、デラミが起こりにくく、また、シール強度の経時による劣化も起こりにくくなり、引裂き性も良好である。
本発明の多層フィルムの樹脂層(B)で用いる環状ポリオレフィン系樹脂(b)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」という。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のオレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」という。)等が挙げられる。さらに、COP及びCOCの水素添加物は、特に好ましい。また、環状ポリオレフィン系樹脂(c)の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは7,000〜300,000である。
前記ノルボルネン系重合体と原料となるノルボルネン系単量体は、ノルボルネン環を有する脂環族系単量体である。このようなノルボルネン系単量体としては、例えば、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデテトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、ジメタノテトラヒドロフルオレン、フェニルノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、メトキシカルボニルテトラシクロドデセン等が挙げられる。これらのノルボルネン系単量体は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
前記ノルボルネン系共重合体(COC)は、前記ノルボルネン系単量体と共重合可能なオレフィンとを共重合したものであり、このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素原子数2〜20個を有するオレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、それぞれ単独でも、2種類以上を併用することもできる。
また、前記ノルボルネン系共重合体(COC)中のノルボルネン系単量体の含有比率は、40〜90モル%が好ましく、より好ましくは50〜80モル%である。含有比率がこの範囲にあれば、フィルムの剛性、引き裂き性、加工安定性が向上する。
前記環状ポリオレフィン系樹脂(b)として用いることができる市販品として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、チコナ(TICONA)社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。
本発明の多層フィルムの樹脂層(B)は、前述の環状ポリオレフィン系樹脂(b)を、樹脂層(B)を構成する樹脂全体に対して35質量%以上で含有するものであり、好ましくは、樹脂層(B)中の樹脂成分として、65質量%以上で含有する。35質量%未満になると横裂け性能が低下すると共に縦裂き性能も発現し、横に引き裂こうとした際、力加減で縦方向にも引き裂けが生じ、直線カット性にはならず、斜め方向になる場合がある。環状ポリオレフィン系樹脂(b)と混合できる樹脂としては、相溶性や汎用性の面から前述のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
前記環状ポリオレフィン系樹脂(b)としては、その60質量%以上は、押出適性・コスト・易裂け性の観点からガラス転移点が90℃以下のノルボルネン系共重合体であることが好ましい。
また、樹脂層(B)の多層フィルムに対する厚み比率としては、シール強度やコスト面と成膜性やフィルムのカール性の観点、及び耐油性の観点より、30%以下であることが好ましく、後述する共押出積層法による成膜が良好であることより、より好ましくは5〜25%である。このような比較的薄い樹脂層(B)であっても、環状ポリオレフィン系樹脂が本来有する揮発成分の低吸着性、耐浸透性を、多層フィルムの性能として発現させることが可能である。
本発明の多層フィルムにおいては、前述の樹脂層(A)と樹脂層(B)とからなる2層のフィルムであってもよいが、よりシール性、あるいはラミネート特性の観点から、環状構造を有さないポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂層(C)を設けることが好ましく、特に樹脂層(A)、樹脂層(B)、樹脂層(C)とを、(A)/(B)/(C)の順に積層してなる多層フィルムであることが好ましい。
樹脂層(C)に用いる環状構造を有さないポリオレフィン系樹脂(c)としては、前記樹脂層(B)と積層できるものであれば特に限定されるものではないが、前述のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。樹脂層(C)と樹脂層(A)との厚み合計比率としては、75〜95%の範囲であることが、横裂け性や低吸着性能、シール強度のバランスの観点から好ましい。
樹脂層(C)はシール層にも基材層にもなりうるため、強度や密封性、包装機械適性の観点から、密度が0.89〜0.97g/cmのポリエチレン系樹脂あるいはメタロセン触媒を用いて重合されたプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体であるポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。樹脂層(C)をシール層とする場合には、内容物の揮発成分の低吸着性やデラミ防止の観点より、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレンを用いることが好ましい。
本発明の多層フィルムの層構造は、前記層(A)、(B)、及び(C)を、(A)/(B)または(A)/(B)/(C)の順で積層したものであって、層(B)の多層フィルムに対する厚み比率が5〜25%であることが好ましい。多層フィルムの全厚に対する樹脂層(B)の厚さの比率がこの範囲であれば、透明性、方向性のある易引き裂き性、低温落下衝撃、ヒートシール性等がバランスよく発現し得る。
さらに、本発明の多層フィルムは、フィルムの厚さが10〜100μmのものが好ましく、より好ましくは20〜80μmである。フィルムの厚さがこの範囲であれば、安定したシール強度、包装機械適性、優れた耐ピンホール性能、易引き裂き性能等が得られる。
前記の各樹脂層(A)、(B)、又は(C)には、必要に応じて、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。特に、フィルム成形時の加工適性、充填機の包装適性を付与するため、最外となる樹脂層の表面における摩擦係数は1.5以下、中でも1.0以下であることが好ましいので、多層フィルムの最外層となる樹脂層には、滑剤やアンチブロッキング剤を適宜添加することが好ましい。
本発明の多層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂層(A)、樹脂層(B)、または樹脂層(C)に用いる各樹脂又は樹脂混合物を、それぞれ別々の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で(A)/(B)または(A)/(B)/(C)の順で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた多層フィルムが得られるので好ましい。さらに、本発明の中間層(C)でポリエチレン系樹脂を用いる場合は、その他の層で使用する環状ポリオレフィン系樹脂との軟化点(融点)の差が大きいため、相分離やゲルを生じることがある。このような劣化を抑制するためには、比較的高温で溶融押出を行うことができるTダイ・チルロール法が好ましい。
本発明の多層フィルムは、上記の製造方法によって、実質的に無延伸の多層フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形等の二次成形も可能となる。
さらに、印刷インキとの接着性や、ラミネート用シーラントフィルムとして使用する場合のラミネート適性を向上させるため、ラミネートする多層フィルムの表面に表面処理を施すことが好ましい。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等の表面酸化処理、あるいはサンドブラスト等の表面凹凸処理を挙げることができるが、好ましくはコロナ処理である。
本発明の多層フィルムからなる包装材としては、食品、薬品、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等が挙げられる。
前記包装袋は、本発明の多層フィルムの樹脂層(A)または樹脂層(C)をヒートシール層として、シール層(A)または(C)同士を重ねてヒートシールすることにより形成した包装袋であることが好ましい。例えば当該多層フィルム2枚を所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填しヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。さらには自動包装機によりロール状のフィルムを円筒形に端部をシールした後、上下をシールすることにより包装袋を形成することも可能である
また、樹脂層(A)または樹脂層(C)とヒートシール可能な別のフィルムを重ねてヒートシールすることにより包装袋・容器を形成することも可能である。その際、使用する別のフィルムとしては、比較的機械強度の弱いLDPE、EVA等のフィルムを用いることができる。また、LDPE、EVA等のフィルムと、比較的引き裂き性の良い延伸フィルム、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)等とを貼り合わせたラミネートフィルムも用いることができ、特に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)を用いることが好ましい。
本発明の多層フィルムは、他の基材と貼りあわせても使用できる。この時使用することができる他の基材としては、特に限定されるものではないが、本発明の効果を容易に発現させる観点から、高剛性、高光沢を有するプラスチック基材、特には二軸延伸された樹脂フィルムを用いることが好ましい。また透明性を必要としない用途の場合はアルミ箔を単独あるいは組み合わせて使用したり、アルミ蒸着を施してから他の基材フィルムを積層したりすることもでき、多層フィルムの樹脂層(A)または樹脂層(C)上にアルミ箔を積層あるいはアルミ蒸着を行った後、他の基材フィルムを更に積層する方法が好ましい。
延伸された樹脂フィルムとしては、易引裂き性等の観点から、例えば、二軸延伸ポリエステル(PET)、易裂け性二軸延伸ポリエステル(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリアミド(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)を中心層とした共押出二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコートした共押出二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)等が挙げられる。これらは、単独あるいは複合化して使用しても良い。
上記の製造方法によって得られた多層フィルムに前記基材を積層し、ラミネートフィルムとする場合の積層方法としては、例えば、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、ノンソルベントラミネーション、押出ラミネーション等の方法が挙げられる。
前記ドライラミネーションで用いる接着剤としては、例えば、ポリエーテル−ポリウレタン系接着剤、ポリエステル−ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。また各種の粘着剤を使用することもできるが、感圧性粘着剤を用いることが好ましい。感圧性粘着剤としては、例えば、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、これらの混合物をベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンのような有機溶剤に溶解したゴム系粘着剤、或いは、これらゴム系粘着剤にアビエチレン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体、テルペン・インデン共重合体などの粘着付与剤を配合したもの、或いは、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸n−ブチル共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体などのガラス転移点が−20℃以下のアクリル系共重合体を有機溶剤で溶解したアクリル系粘着剤などを挙げることができる。
特に、ラミネート用の接着剤は、ポリオール/イソシアネートによる硬化が一般的であり、レトルト用途等の高機能用途には多く利用されている。また従来、貼り合わせはアルミ箔とシーラントフィルムの組み合わせが一般的であった。ところが、透明蒸着技術の登場によりバリア性と透明性を兼備した各種の透明蒸着フィルムが市販されるようになっており、加えて内容物の視認性向上の要求から、透明蒸着フィルムとシーラントフィルムの貼り合わせが多くなっている。
そのために、これらシーラントフィルムと蒸着フィルムとの密着性を付与するために、接着剤にはエポキシシランやアミノシランシラン等のシランカップリング剤を添加することが一般的となっている。
しかしながら、密着性を保持するためにエポキシシランを増量すれば、エポキシシランの食品への溶出は増大する。さらに、同じ接着剤を蒸着のないフィルムのラミネートに使用するとシランカップリング剤の溶出は蒸着構成の場合より多くなり、構成により接着剤を交換する必要性が出てくる。
ラミネート用接着剤に用いられるポリオールとしては、例えば、後述するポリオールそのもの、或いはポリオールと後述するポリカルボン酸類とを反応させて得られるポリエステルポリオール、或いは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の活性水素原子を2個有する化合物類を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマー類を付加重合したポリエーテル類等が挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等のグリコール類、プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の活性水素原子を2個有する化合物類を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマー類を付加重合したポリエーテル類等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸類としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、イソシアネート基を分子内に少なくとも2つ有する有機化合物が挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート;これらのポリイソシアネートのアダクト体、これらのポリイソシアネートのビュレット体、または、これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体などのポリイソシアネートの誘導体(変性物)などが挙げられる。
また、前記イソシアネートと前記ポリオールとをイソシアネート基が過剰となる混合比で反応したものを用いてもよい。
接着剤において、前記ポリオールの水酸基当量と前記ポリイソシアネートのイソシアネート当量との当量比ポリオール/イソシアネートが0.5〜5.0であることが好ましい。
前記エポキシシランとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリルシラン系シランカップリング剤;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
<欧州の規制について>
スイスでは、Swiss Ordinance SR817.023.21として、食品に接触しないインキやコーティング剤に関する溶出規制を法制化しており、現状では世界で唯一の食品非接触材料のポジティブリスト(PL)となっている。本PLでは、物質の毒性データが既知であるか、未知であるかで区分され、各々Specific Migration Limit(SML)が設けられている。
エポキシシランは毒性データが未知であり、SMLは10μg/kg−food未満とされている。本発明の多層フィルムは、後述するようにエポキシシラン溶出量の測定を行ったところ、この規制を満たすことが確認できており、食品包装材、医薬品用包装材としての適用も可能である。
本発明の多層フィルムを用いた包装材には、初期の引裂き強度を弱め、開封性を向上するため、シール部にVノッチ、Iノッチ、ミシン目、微多孔などの任意の引裂き開始部を形成することが好ましい。
本発明の多層フィルム及びこれを用いてなるラミネートフィルムは、方向性のある易引き裂き性を有することから、包装形態としては、包装体の上部をテープや金具や樹脂製のクロージャー等で結束した巾着用包装やフィルムの流れ方向(MD)または垂直な方向(TD)に再封機能を有したチャック、ジッパー等の線ファスナーを付着した再封性包装に好適である。ラミネートフィルムの場合は、基材フィルムの反対面を内側にして製袋されたもの、あるいは、基材フィルムの反対面を内側にして製袋し、そのシール面側にチャックを装着した、再封可能な袋として用いることが好適である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳しく説明する。
実施例1
樹脂層(A)樹脂として、直鎖状中密度ポリエチレン〔密度:0.930g/cm、融点125℃、MFR:5g/10分(190℃、21.18N);以下、「MLDPE」という。〕82質量部とポリ乳酸系樹脂〔密度:1.26g/cm、融点158℃、MFR:5g/10分(190℃、21.18N)、;以下、「PLA」という。〕15質量部と相溶化剤〔クラレ株式会社製「セプトン」、以下「相溶化剤(1)」という。〕3質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体〔三井化学株式会社製「アペル APL8008T」、MFR:15g/10分(260℃、21.18N)、ガラス転移点:70℃;以下、「COC(1)」という。〕を用いた。樹脂層(C)用樹脂として、MLDPEを用いた。これらの樹脂又は樹脂組成物をそれぞれ、樹脂層(A)用押出機(口径40mm)、樹脂層(B)用押出機(口径40mm)、樹脂層(C)用押出機(口径40mm)に供給して200〜250℃で溶融し、その溶融した樹脂又は樹脂組成物をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が(A)/(B)/(C)の3層構成で、各層の厚さが6μm/3μm/21μm(合計30μm)である共押出多層フィルムを得た後、樹脂層(C)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側にウレタン系接着剤(DIC社製「ディックドライLX510」)を3g/mになるよう塗工後、酸化アルミを蒸着した透明二軸延伸ポリエステル(厚さ12μm)(バリアロックス1011HG、東レフィルム加工製)をドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。内容物と接する層は樹脂層(A)である。
実施例2
樹脂層(A)樹脂として、高密度ポリエチレン〔密度:0.966g/cm、融点128℃、MFR:10g/10分(190℃、21.18N)、;以下、「HDPE」という。〕41質量部とMLDPE41質量部とPLA15質量部と相溶化剤、三菱化学株式会社製「モディック」(以下、「相溶化剤(2)」という。〕3質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、COC(1)80質量部と、ノルボルネン系モノマーの開環重合体〔三井化学株式会社製「アペル APL6015T」、MFR:10g/10分(260℃、21.18N)、ガラス転移点:145℃;以下、「COC(2)」という。〕20質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(C)用樹脂として、MLDPE85質量部とHDPE15質量部との樹脂組成物を用いた。実施例1と同様にしてフィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=9μm/3μm/18μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、層(C)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。内容物と接する層は樹脂層(A)である。
実施例3
樹脂層(A)には、直鎖状低密度ポリエチレン〔密度:0.920g/cm、融点85℃、MFR:5g/10分(190℃、21.18N)、;以下、「LLDPE」という。〕15質量部とMLDPE40質量部とPLA40質量部と相溶化剤(1)8質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(B)に用いる樹脂組成物の配合割合を、COC(1)40質量部とMLDPE60質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(C)にはMLDPEを用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=6μm/6μm/18μm(合計30μm)となるようにした以外は、実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、層(C)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。内容物と接する層は樹脂層(A)である。
実施例4
樹脂層(A)用樹脂としては、MLDPE20質量部とHDPE67質量部とPLA10質量部と相溶化剤(1)3質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(B)にはCOC(1)を用いた。樹脂層(C)用樹脂としてMLDPE60質量部とLLDPE40質量部との樹脂組成物を用いた。実施例1と同様にしてフィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=6μm/3μm/21μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、層(C)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。内容物と接する層は樹脂層(A)である。
実施例5
樹脂層(A)には、MLDPE82質量部とPLA15質量部と相溶化剤(1)3質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(B)にはCOC(1)を用いた。樹脂層(C)として、LLDPE40質量部と、メタロセン触媒を用いて重合されたプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体〔密度:0.900g/cm、融点135℃、MFR:4g/10分(230℃、21.18N)、;以下、「MRCP」という。)60質量部を用いた。実施例1と同様にしてフィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=3μm/3μm/24μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、層(C)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。内容物と接する層は樹脂層(A)である。
実施例6
樹脂層(A)には、LLDPE41質量部とMLDPE41質量部とPLA15質量部と相溶化剤(1)3質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(B)には、COC(1)40質量部とHDPE30質量部とMLDPE30質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(C)として、MLDPEを用いた。実施例1と同様にしてフィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=10μm/4μm/66μm(合計80μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、層(C)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。内容物と接する層は樹脂層(A)である。
実施例7
樹脂層(A)用樹脂として、MLDPE76質量部とポリエステル系樹脂〔密度:1.34g/cm、融点198℃、溶融粘度3800dPa・s(250℃)、;以下、「PET」という。〕20質量部と相溶化剤(1)4質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(A)と樹脂層(B)は、実施例1と同じ樹脂を使用し、実施例1と同様にしてフィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=6μm/4.5μm/19.5μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、層(C)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。内容物と接する層は樹脂層(A)である。
実施例8
樹脂層(A)には、MLDPE82質量部とPLA15質量部と相溶化剤(1)3質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(B)には、COC(1)65質量部とHDPE35質量部との樹脂組成物を用いた。樹脂層(C)用樹脂として、MLDPE20質量部とHDPE80質量部との樹脂混合物を用いた。実施例1と同様にしてフィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=6μm/3μm/21μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。内容物と接する層は樹脂層(C)である。
比較例1
PLA樹脂単層フィルムが、フィルムの厚さが30μmになるようにフィルムを作製し、片方の表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。
比較例2
COC(1)を用いて、フィルムの層の厚さが30μmとなるように単層フィルムを作製し、表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。
比較例3
樹脂層(A)用樹脂として、LLDPE37質量部とPLA60質量部と相溶化剤(1)3質量部の樹脂混合物を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、MLDPE90質量部とCOC(1)10質量部との樹脂混合物を用い、また樹脂層(C)用樹脂としてMLDPEを用いた。実施例1と同様にしてフィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=18μm/6μm/6μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、層(C)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。内容物と接する層は樹脂層(A)である。
内容物評価試験
各ラミネートフィルムを用いて縦50mm×横80mmの三方シールパウチを作製後、質量を測定した。香料入りのクレンジングオイル、イソプロピルアルコール、l−メントールを5mlまたは5mg入れ、開口部をヒートシールにより密閉した。密閉容器中に40℃恒温条件で4週間放置後、以下の評価を実施した。
引裂き強さ試験(縦方向)
得られたラミネートフィルムを、JIS K7128に準拠して、それぞれ63mm×76mmの大きさの試験片に切り出し、エルメンドルフ引裂試験機(テスター産業株式会社製)を用いて、8枚重ねた際の数値を、引裂強さを測定した。得られた引裂強さから、下記の基準によって手切れ性を評価した。
○:引裂強さが110未満。
×:引裂強さが110以上。
引裂き時の直線カット性
上記内容物評価試験で使用したラミネートフィルムを保存後に、MD(フィルム流れ)方向に引き裂いた際、カット時の抵抗と直線カット性を評価した。
○:カット時、抵抗無くスムーズに開封できる。ほぼ直線カット性を有する。
△:カット時、若干抵抗あるがスムーズに開封できる。ほぼ直線カット性を有する。
×:カット時、かなり抵抗あるがスムーズに開封できない。直線カット性はない。
引き裂き時の外観
上記内容物評価試験で使用したラミネートフィルムを保存後に、MD(フィルム流れ)方向に引き裂いた際、接着剤部のラミネートの浮きやデラミネーションによる外観変化を観察した。
○:外観変化無し
×:引き裂き時、基材とシーラント間にデラミが見られる。引き裂き前に、ラミネーションの浮き等の外観変化あり。
シール強度試験
各ラミネートフィルムを用いて縦100mm×横100mmの三方をシール温度170℃、シール時間 1秒、シール圧力 0.2MPaでシールし、シールパウチを作製。クレンジングオイル、イソプロピルアルコール、l−メントールを5ml入れ、開口部をヒートシールにより密閉した。密閉容器中に40℃恒温条件で4週間放置後、シール強度を測定し強度低下率を求めた。
○:5%未満
△:5%以上10%未満
×:10%以上
吸着性評価
各ラミネートフィルムを縦100mm×横100mmの三方シールパウチを作成後、質量を測定した。l-メントール(内容物評価試験3)を5mg入れ、開口部をヒートシールにより密閉した。密閉容器中に40℃恒温条件で4週間放置後、内容物を取り出した後、三方シールパウチの質量を測定した。
○:質量増加量が10mg未満
×:質量増加量が10mg以上
保香性評価
各ラミネートフィルムを縦100mm×横100mmの三方シールパウチを作成後、香料入りのクレンジングオイルを(内容物評価試験1)を5mg入れ、開口部をヒートシールにより密閉した。密閉容器中に40℃恒温条件で4週間放置後、内容物のクレンジングオイルの香料残存性を官能評価した。
○:香料残存量が、テスト前とほぼ同レベルで感じられる。
×:香料残存量が、テスト前と比べ明らかに低下したと感じられる。においが明らかに異なる。
落袋試験
各多層フィルムを、縦15cm×横25cm四方に切り出し、前記シール条件でシールした、三方シールパウチを作成後、蒸留水を500ml封入し、3℃下に24時間保存した。水封入袋を高さ1.5mから鉄板の上に5回落下させた。
○:破袋、水漏れなし
×:破袋、水漏れあり
上記で得られた結果を表1〜2に示す。
Figure 0006375795
Figure 0006375795

Claims (13)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)とポリオレフィン系樹脂(a2)と相溶化剤(a3)とを含有する樹脂組成物を主成分とする樹脂層(A)と、環状ポリオレフィン系樹脂(b)を樹脂成分として35質量%以上含有する樹脂層(B)と、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂層(C)とを有し、
    前記樹脂層(A)、樹脂層(B)及び樹脂層(C)が、(A)/(B)/(C)の順に積層され、
    前記環状ポリオレフィン系樹脂(b)としてノルボルネン系重合体を用い、環状ポリオレフィン系樹脂(b)の60質量%以上がガラス転移点が90℃以下のノルボルネン系重合体であることを特徴とする多層フィルム。
  2. 前記熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)がポリ乳酸である請求項1記載の多層フィルム。
  3. 前記樹脂層(A)の主成分である樹脂組成物において、熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)が10〜40質量部、ポリオレフィン系樹脂(a2)が50〜88質量部、相溶化剤(a3)が2〜10質量部(但し、熱可塑性ポリエステル樹脂(a1)とポリオレフィン系樹脂(a2)と相溶化剤(a3)の合計は100質量部)の範囲で用いてなるものである請求項1又は2記載の多層フィルム。
  4. 前記樹脂層(A)に用いるポリオレフィン系樹脂(a2)が、ポリエチレン系樹脂である請求項1〜3の何れか1項記載の多層フィルム。
  5. 前記樹脂層(A)、前記樹脂層(B)、及び前記樹脂層(C)の合計厚みが10〜100μmであり、且つ樹脂層(B)の厚み比率が5〜25%、樹脂層(A)と(C)との厚みの合計比率が75〜95%の範囲である請求項1〜4の何れか1項記載の多層フィルム。
  6. 共押出積層法で積層されたものである請求項1〜5の何れか1項記載の多層フィルム。
  7. 請求項1〜6の何れか1項記載の多層フィルムに、他の基材フィルムを積層してなることを特徴とするラミネートフィルム。
  8. 請求項1〜6の何れか1項記載の多層フィルムの樹脂層(A)または樹脂層(C)上にアルミ箔を積層あるいはアルミ蒸着を行った後、他の基材フィルムを更に積層してなることを特徴とするラミネートフィルム。
  9. 前記他の基材フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項7又は8記載のラミネートフィルム。
  10. 請求項7〜9の何れか1項記載のラミネートフィルムからなることを特徴とする包装材。
  11. 前記基材フィルムの反対面を内側にして製袋されたものである請求項10記載の包装材。
  12. 前記基材フィルムの反対面を内側にして製袋し、そのシール面側にチャックを装着した、再封可能な袋である請求項10記載の包装材。
  13. 油成分を含有する食品、医薬品又は日用品用である請求項10〜12の何れか1項記載の包装材。
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