JP6481403B2 - ミネラルオイルバリア性包装材及びこれを用いた包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂フィルムからなる層とミネラルオイルを含有する層とを有する包装材において、ミネラルオイルの成分や接着剤の成分が内容物へ溶出することを効果的に抑制することができるミネラルオイルバリア性包装材と、これを用いてなる包装材に関する。
食品の包装材として、プラスチック素材を使用したフレキシブルパッケージングが世界的に使用されており、新興国への広がりとともに益々増大傾向を示している。一方、特定の包装材からは、ヒトへの健康影響が懸念される物質が食品へ溶出、移行している事例が報告されている。食器や缶の内面塗料に起因したビスフェノールAの溶出、印刷インキ成分の溶出、及びカートンボックスへ混入したミネラルオイルの溶出等が挙げられ、包装材の安全・衛生性に対する消費者の意識が高まっている。
欧州では食品に接触する包装材料の規制強化が活発化しており、プラスチック素材及び製品に関する委員会規則(EU No.10/2011)としてレギュレーションの改定がなされ、今後数年をかけて完全施行されることになっている。加えて食品と直接接触していない、印刷インキやラミネート接着剤、ミネラルオイル等についても溶出性や安全性の評価研究が行われており、今後はこうした非接触材料も規制化していく動きが見られる。スイスにおける研究では、食品の包装に使用されたリサイクル紙に含まれるミネラルオイル成分が、中身の食品に移行している事例が判明している。ミネラルオイルは、肝臓、心臓、免疫系等へ影響を及ぼすとの動物実験の例も有り、リサイクル紙を使用した食品包装には懸念を残している。WHOでは、一部のミネラルオイルについては一生に渡って毎日摂取しても有害にならない量としてADIを設定しているが、それ以外は種類により様々である。しかし、ミネラルオイルの混入は、リサイクルしたインク成分に由来するとされており、どの種類のミネラルオイルがどれだけ混入するか把握するのは難しい。
こうした中、基材に環状オレフィンコポリマーとシーラントポリマーとのブレンド樹脂を用いたシーラントフィルムを種々の方法でラミネートした複合フィルムが低溶出包装材として提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、環状オレフィンコポリマーとシーラントポリマーとの組み合わせやそのブレンド比率によっては十分なバリア性と包装材としてのシール強度が発現しないことがある。また、実施例においては、当該樹脂層の厚みは60μmとなっており、過剰なコストも見込まれ、更に包装材としての全体の厚みも増大することになり、環境対応型の包装材といえるものではない。
また、該低溶出包装材に水を密封包装し、特定の条件で抽出した後に濃縮し、UV吸収スペクトル及びガスクトマトグラフ質量分析(GC−MS)のピーク面積によって低分子量物質の評価としているが、溶出した物質は不明であり、欧州で具体的に規制対象になっている物質の抑制については言及されていない。
特開2000−343648号公報
上記実情を鑑み、本発明の課題は、Swiss Ordinance SR817.023.21で規制対象となっているミネラルオイル類について、飽和炭化水素、芳香族炭化水素を例に取り、食品への移行を抑制し、より安全にリサイクル紙包装を使用することを可能とするミネラルオイルバリア性包装材及びこれを用いてなる包装体を提供することにある。
本発明者は、かかる課題を解決すべく鋭意研究した結果、ミネラルオイルを含有する層/フィルムの構成を有する積層体において、当該フィルムに、特定の環状オレフィン系樹脂と、特定のプロピレン系樹脂とを特定比率で配合してなる樹脂混合物を用いてなる層を含有させることにより、当該層が相分離構造を自発的に形成することから、効果的にミネラルオイルを含有する層からの溶出成分を抑制することができ、具体的に規制された対象物質の内容物への移行を防止できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、ガラス転移温度Tgが70〜160℃、メルトフローレートMFR(230℃、21.18N)が5〜20g/10分の環状オレフィン系樹脂(a1)10〜30質量%と、メルトフローレートMFR(230℃、21.18N)が0.5〜4.0g/10分のプロピレン系樹脂(a2)70〜90質量%との樹脂組成物からなる厚みが0.5〜20μmの範囲である層(A)を1層以上有するフィルムであって、且つ当該層(A)中、前記環状オレフィン系樹脂(a1)が前記オレフィン系樹脂(a2)中に層状に分散した相分離構造を形成しているフィルム(I)と、ミネラルオイルを含有する層を有することを特徴とするミネラルオイルバリア性包装材と、これを用いてなる包装材を提供するものである。
本発明のミネラルオイルバリア性包装材は、包装材としての適正なシール強度を有しながら、ミネラルオイルや接着剤等から溶出する可能性の高い物質を効果的に捕捉し、内容物への移行を抑制することができる。したがって、食品や医薬品等を内容物とする環境対応型の包装材として、好適に用いることができる。
実施例1で得られたフィルムのCD方向断面の走査透過電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られたフィルムのMD方向断面の走査透過電子顕微鏡写真である。
以下に、本発明のミネラルオイルバリア性包装材を構成する各部分について詳述する。
本発明のミネラルオイルバリア性包装材は、ミネラルオイルを含有する層/フィルムの構成を有するものである。このフィルムは、あらかじめ単層又は多層のフィルムとして形成され、少なくとも、ガラス転移温度Tgが70〜160℃、メルトフローレートMFR(230℃、21.18N)が5〜20g/10分の環状オレフィン系樹脂(a1)10〜30質量%と、メルトフローレートMFR(230℃、21.18N)が0.5〜4.0g/10分のプロピレン系樹脂(a2)70〜90質量%との樹脂組成物からなる厚みが0.5〜20μmの範囲である層(A)を1層以上有するフィルムであって、且つ当該層(A)中、前記環状オレフィン系樹脂(a1)が前記オレフィン系樹脂(a2)中に層状に分散した相分離構造を形成している層となっていることが必須である。
即ち、バリア性を付与するために、2種以上の樹脂をブレンドすることで、層状構造を自発的に形成させることができれば、インクや接着剤等に含まれる低分子量成分を効果的に捕捉し、あるいは迷路効果によって、内容物への移行を抑制できるとの推測に基づき、目的とする相分離構造を形成する樹脂種の組み合わせを検討した結果、前記特定の環状オレフィン系樹脂と特定のプロピレン系樹脂との組み合わせを見出したものである。
バリア性を発現させるには、フィルムの厚さを増大させることは効果的ではあるが、一方で、コスト、生産性の問題があり、さらに、厚い積層体では二次成形や袋状に成形する際の成形性が劣る問題もある。また、特に食品包装材は、再利用されずにすぐに廃棄物となることが多く、厚いフィルムからなる包装材は環境保護の観点からもその使用が敬遠されるようになってきている。これらの観点から、包装材の薄膜化への要求も高く、バリア性と薄膜性とのバランスをとることが市場からの要求上、最も重要な要求項目となっている。
本発明のフィルムにおける層(A)は、上記の観点よりその厚さが、0.5〜20μmであることが必須であり、このような従来よりも薄い樹脂層であっても効果的なバリア性を有することが特徴である。薄膜化の要求が高い用途においては、10μm以下にしても本発明の効果を損なうことはない。
前記層(A)に用いる樹脂組成物は、ガラス転移温度Tgが70〜160℃、メルトフローレートMFR(230℃、21.18N)が5〜20g/10分の環状オレフィン系樹脂(a1)を組成物中10〜30質量%で含有することを必須とする。
前記環状オレフィン系樹脂(a1)としては、前記特性を満たすものであれば、その構造においては特に限定されるものではなく、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」という。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のオレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」という。)等が挙げられる。さらに、COP及びCOCの水素添加物は、特に好ましい。また、環状オレフィン系樹脂の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは7,000〜300,000である。環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tgは、用いる単量体の種類、共重合する場合に用いるその他の単量体の種類及び比率、並びに分子量等によって容易に調製可能である。
前記ノルボルネン系重合体の原料となるノルボルネン系単量体は、ノルボルネン環を有する脂環族系単量体である。このようなノルボルネン系単量体としては、例えば、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデテトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、ジメタノテトラヒドロフルオレン、フェニルノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、メトキシカルボニルテトラシクロドデセン等が挙げられる。これらのノルボルネン系単量体は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
前記ノルボルネン系共重合体は、前記ノルボルネン系単量体と共重合可能なオレフィンとを共重合したものであり、このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素原子数2〜20個を有するオレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、それぞれ単独でも、2種類以上を併用することもできる。
また、前記環状オレフィン系樹脂(a1)のガラス転移温度Tgは、得られる層(A)において、後述するプロピレン系樹脂(a2)との組み合わせにおいて、自発的に層状の相分離構造を形成する観点より、70〜160℃であることを必須としており、特に目的とする相分離構造を容易に形成できる観点から130℃以下であることが好ましい。尚、本発明におけるガラス転移温度Tgは、DSCにて測定して得られる値である。また、前記環状オレフィン系樹脂(a1)のメルトフローレートMFR(230℃、21.18N)は同じ理由により、5〜20g/10分であることを必須とし、5〜10g/分であることが好ましい。特にこのようなMFRのノルボルネン系重合体は、後述のプロピレン系樹脂(a2)との組み合わせにおいて、目的とする相分離構造が容易に発現することより、好ましいものである。
前記環状オレフィン系樹脂(a1)として用いることができる市販品として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、ポリプラスチックス社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。
前記環状オレフィン系樹脂(a1)と組み合わせて使用するプロピレン系樹脂(a2)は、メルトフローレートMFR(230℃、21.18N)が0.5〜4.0g/10分であることを必須とし、特に目的とする層状構造が容易に発現できる観点より、前記環状オレフィン系樹脂(a1)のMFR(230℃、21.18N)との差が、3g/10分以上であることが好ましい。両樹脂のMFRの差を設けることによって、自発的な相分離構造を発現させやすくなる。
前記プロピレン系樹脂(a2)としては、前記特性を満たすものであれば、プロピレンの単独重合体あるいはその他のオレフィンとの共重合体であってもよい。
前記プロピレン系樹脂(a2)としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、たとえばプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレンなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、併用してもよい。望ましくはプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体であり、特にメタロセン触媒を用いて重合されたプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が好ましい。これらのプロピレン系樹脂を用いた場合には、フィルムの耐熱性が向上し、軟化温度を高くすることができるため、100℃以下のボイル、あるいはホット充填、または100℃以上のレトルト殺菌等の蒸気・高圧加熱殺菌特性に優れた包装材としても用いることが出来る。
また、前記プロピレン系樹脂(a2)は、MFR(230℃)が0.5〜4.0g/10分で、融点が110〜165℃であるものが好ましく、より好ましくは、融点が115〜162℃のものである。MFR及び融点がこの範囲であれば、フィルムの成膜性が向上する。
本発明でのフィルム(I)における層(A)において、前記環状オレフィン系樹脂(a1)と前記プロピレン系樹脂(a2)の合計質量中に前記環状オレフィン系樹脂(a1)を10〜30質量%で含有する樹脂組成物からなるものであることが必須であり、特に20〜30質量%の範囲で含有することが、目的とする相分離構造を容易に発現できる観点より好ましい。
本発明において、前記環状オレフィン系樹脂(a1)と前記プロピレン系樹脂(a2)とが層状の相分離構造を形成しているかについては、フィルム(I)あるいは積層体となった状態のフィルムの断面を走査透過電子顕微鏡にて観測することによって確認することが可能である。前記環状オレフィン系樹脂(a1)がプロピレン系樹脂(a2)中で層状に分散している場合、その1つの層の厚みとしては、20〜100nm程度であり、このような極薄い層が複数積層してなることによって、積層体としたときのバリア性を発現するものと考えることができる。
本発明のミネラルオイルバリア性包装材におけるフィルムは、前述の特定の相分離構造を有する層(A)を少なくとも1層有する単層フィルムからなるフィルム(I)であってもよいが、包装材としての各種性能(剛性、シール性等)の観点から、層(A)を少なくとも1層有する多層フィルムであることが好ましく、特に、生産性、成膜性及びバリア性のバランスに優れる観点より、少なくとも3層の多層フィルムであって、前記層(A)の両面に、環状構造を有さないオレフィン系樹脂を主成分とする層を有する多層フィルムであることが好ましい。
この時層(A)の両面に積層する層を形成する樹脂としては、層(A)との層間接着性を保てるものであれば特に限定されるものではないが、後述する共押出成形法で当該多層フィルムを製造できる観点より、エチレン系樹脂、又はプロピレン系樹脂であることが好ましく、特にエチレンと少量の他のオレフィンとの共重合体である、所謂直鎖状低密度ポリエチレン又は、メタロセン系触媒で製造されたプロピレン系樹脂であることが好ましい。層(A)の両面に積層する層を形成する樹脂として、前記層(A)に用いるプロピレン系樹脂(a2)と、同一であっても、異なっていてもよく、又、2種以上のオレフィン系樹脂の混合樹脂であってもよい。
前記エチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が挙げられ、単独でも、2種以上を混合して使用しても良い。
LDPEとしては高圧ラジカル重合法で得られる分岐状低密度ポリエチレンであれば良く、好ましくは高圧ラジカル重合法によりエチレンを単独重合した分岐状低密度ポリエチレンである。
LLDPEとしては、シングルサイト触媒を用いた低圧ラジカル重合法により、エチレン単量体を主成分として、これにコモノマーとしてブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン等のα−オレフィンを共重合したものである。LLDPE中のコモノマー含有率としては、0.5〜20モル%の範囲であることが好ましく、1〜18モル%の範囲であることがより好ましい。
前記シングルサイト触媒としては、周期律表第IV又はV族遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せ等のメタロセン触媒系などの種々のシングルサイト触媒が挙げられる。また、シングルサイト触媒は活性点が均一であるため、活性点が不均一なマルチサイト触媒と比較して、得られる樹脂の分子量分布がシャープになるため、フィルムに成膜した際に低分子量成分の析出が少なく、シール強度の安定性や耐ブロッキング適性に優れた物性の樹脂が得られるので好ましい。
エチレン系樹脂の密度は0.880〜0.948g/cmであることが好ましい。密度がこの範囲であれば、適度な剛性を有し、ヒートシール強度や耐ピンホール性等の機械強度も優れ、フィルム成膜性、押出適性が向上する。また、融点は、一般的には60〜130℃の範囲であることが好ましく、70〜120℃がより好ましい。融点がこの範囲であれば、加工安定性や層(A)との共押出加工性が向上し、更に柔軟性もあることから、耐ピンホール性も良好となる。
本発明でのフィルム(I)は、層(A)からなる単層のフィルムである場合、その厚みとしては、前記のように0.5〜20μmの範囲である。前述のように多層のフィルムとする場合は、層(A)の厚みを薄くすることができ、コストの面からも有利である。この場合のフィルムの全厚としては、15〜150μmの範囲であることが、包装材としての使用しやすさの観点より好ましく、特に20〜100μmの範囲であることが、成膜が容易である点より好ましい。
又、包装材として使用する際に適正なシール強度が得られ、且つバリア性を効果的に発現できる観点からは、フィルム(I)を多層フィルムとした場合、前記層(A)の全厚に対する比率が10〜70%の範囲であることが好ましい。また、多層フィルムとしたときの内容物に接するシール層の厚みが3μm以上であることがシール性の観点から好ましい。
前記の層(A)及び必要により両面に積層されるオレフィン系樹脂からなる層には、本発明の効果を損なわない範囲で、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を添加することができる。特に、フィルム成形時の加工適性、充填機の包装適性を付与するため、シーラントフィルムの表面の摩擦係数は1.5以下、中でも1.0以下であることが好ましいので、多層フィルムとした場合の表層に相当する樹脂層には、滑剤やアンチブロッキング剤や帯電防止剤を適宜添加することが好ましい。
又、本発明で用いるフィルム(I)において、表層の樹脂層の表面(片面および/または両面)を処理し、表面の表面張力を35〜45mN/mとすることが好ましい。この様な処理方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等の表面酸化処理、あるいはサンドブラスト等の表面凹凸処理を挙げることができるが、好ましくはコロナ処理である。この様な表面処理を行なうことにより、当該フィルムに印刷や接着剤塗布等の後工程を施す場合の、インキや接着剤の塗工性が良好となり、インキや接着剤等との密着性に優れ、脱落やデラミ等の問題を回避することが容易となる。
本発明で用いるフィルム(I)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、多層フィルムの各層に用いる樹脂、あるいは樹脂混合物を、それぞれ別々の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れたフィルムが得られるので好ましい。また、本発明で用いる環状オレフィン系樹脂を含有する層(A)の両外面層にエチレン系樹脂を用いた場合には、両者間で融点とTgとの差が大きいため、共押出加工時にフィルム外観が劣化したり、均一な層構成形成が困難になったりする場合がある。このような劣化を抑制するためには、比較的高温で溶融押出を行うことができるTダイ・チルロール法が好ましい。
フィルム(I)の製造方法として、多層空冷インフレーション法を用いる場合、一般に市場で使用されている装置で構わない。一般的な空冷インフレーション装置は、押出機、環状ダイ、冷却リング、ブロワー、ガイド板、ピンチロール、コロナ処理装置、巻取装置等から構成されており、多層の場合、複数の押出機とスパイラル型の多層ダイが装備されている。多層インフレーション法による製造条件は、本発明の特徴を損なわない限り特に限定されないが、環状ダイから押し出した際のバブルの安定性を保持できる特性の樹脂を使用することが好ましい。層(A)の両面に層を形成する場合、前述したオレフィン系樹脂と同様な、エチレン系樹脂、或いはプロピレン系樹脂を用いることができるが、バブルの安定性の点で特定のMFRの樹脂を用いることが望ましい。エチレン系樹脂の場合、MFR(190℃、21.18N)は0.1〜5g/10分が好ましく、0.5〜4g/10分がより好ましい。プロピレン系樹脂の場合、MFR(230℃、21.18N)は0.1〜5g/10分が好ましく、0.5〜4g/10分がより好ましい。両表層に用いる樹脂のMFRがこの範囲であれば、環状オレフィン系樹脂(a1)は前述した特性の樹脂をそのまま使用しても、バブルが安定し、押出成形性が向上する。
又、3層構成の多層構成を前述の共押出積層法を用いて積層した後、高ヒートシール強度、ホットタック性や高速の包装スピードが必要な場合には、更にミネラルオイルを含有する層と反対の表面に、上記性能を満足する特殊なヒートシール性樹脂を塗工するか特殊なヒートシール性樹脂を有するフィルムをラミネートしヒートシール層を形成するか、特殊なヒートシール性樹脂を有するフィルムを押出ラミネートして、ヒートシール層を形成させても良い。
本発明のフィルム(I)は、少なくとも1軸方向に延伸されていてもよい。延伸方法としては、縦あるいは横方向の1軸延伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸、あるいはチューブラー法2軸延伸等の公知の方法を採用することができる。また、延伸工程はインラインでもあっても、オフラインであってもよい。1軸延伸の延伸方法としては、近接ロール延伸法でも圧延法でもよい。1軸延伸の延伸倍率としては、縦あるいは横方向に1.1〜10倍が好ましく、より好ましくは1.2〜6倍である。一方、2軸延伸の延伸倍率としては、面積比で1.2〜70倍が好ましく、より好ましくは縦4〜6倍、横5〜9倍、面積比で20〜54倍である。
また、縦あるいは横方向の延伸工程としては、必ずしも1段延伸に限らず、多段延伸であってもよい。特に、逐次2軸延伸における縦1軸ロール延伸、縦1軸圧延延伸等の縦1軸延伸においては、厚み、物性の均一性等の点で多段延伸とすることが好ましい。さらに近接ロール延伸においては、フラット法、クロス法のいずれでも構わないが、幅縮みの低減が図れる多段の近接クロス延伸がより好ましい。また、延伸工程前に予熱部、延伸工程後に熱固定部を適宜設けてもよい。予熱温度、延伸温度は、フィルム(I)の主原料の特性を目安に適宜安定した温度域を設定すれば良い。
前記で得られたフィルム(I)は、他の基材フィルム(II)と貼りあわせて使用してもよい。この時使用することができる他の基材フィルム(II)としては、特に限定されるものではないが、本発明の効果を容易に発現させる観点から、プラスチック基材、特には二軸延伸された樹脂フィルムを用いることが好ましい。また透明性を必要としない用途の場合はアルミ箔を単独あるいは組み合わせて使用することもできる。
延伸された樹脂フィルムとしては、例えば、二軸延伸ポリエステル(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリアミド(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)を中心層とした共押出二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコートした共押出二軸延伸ポリプロピレン等が挙げられる。これらは、単独あるいは複合化して使用しても良い。
食品包装に使用される紙製品は、木材から製造される新パルプ製品、及び古紙を全部又は一部使用して製造される再生紙(リサイクル紙)製品とに分けられるが、リサイクル紙は、菓子やパスタの箱、及びファーストフード店の容器等食品用途にも広く使用されている。リサイクル紙は離解工程でパルプを抽出した後、脱墨工程を経て異物や印刷インクを除去しているが、インクの有機成分、特にミネラルオイルが残留していることが多い。このため、ドイツ連邦リスク評価研究所からは、食品包装への適用に対し、推奨基準が示されており、使用に際しては十分な注意が必要となっている。また、国内でも厚生労働省から、食品包装における再生紙の使用に関するガイドラインが示されている。
本発明のミネラルオイルバリア性包装材は、上記の製造方法によって得られたフィルム(I)の表面層上にミネラルオイルを含有する層を設けたものである。ミネラルオイルを含有する層は、フィルム(I)の表面層上にあればよく、例えば、基材フィルム(II)を用いる場合、その一方の面に印刷層を積層させ、フィルム(I)の表面層上に接着層を介して前記基材フィルム(II)とフィルム(I)とを積層させたものであることが好ましく、特に基材フィルム(II)に印刷を施し、フィルム(I)の表面層上に設けた接着層を介して、基材フィルム(II)の印刷面と貼りあわせると、包装用体の見栄えもよくなり、好ましいものである。この時、印刷層や接着層にミネラルオイルの成分が含まれているものを用いるか、あるいは、前記のようなミネラルオイル成分を含むリサイクル紙を積層させることになる。
無延伸のポリエチレンフィルムや無延伸のポリプロピレンフィルム等の一般的なシーラントフィルムと、延伸された各種の基材フィルムを貼りあわせる方法としては、主に二つの加工方法が使用されている。一つは、基材フィルムの印刷面に必要に応じてアンカーコート剤を塗布し、加熱溶融されたポリマー膜(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)を、無延伸フィルムと基材フィルムの印刷面の間に薄膜状に押し出して圧着、積層させる、押出ラミネート法である。もう一つは、印刷面に接着剤を塗布した後、無延伸フィルムと基材フィルムを圧着、積層させるドライラミネート法である。
本発明において、フィルム(I)と、基材フィルム(II)を貼りあわせる場合、基材フィルム(II)の表面に、ミネラルオイルを含んでいてもよい印刷インキ等で印刷を施した後、印刷面にミネラルオイルを含んでいてもよい接着剤を塗布し、フィルム(I)の表面層(A)と圧着、積層するドライラミネート法が好ましい。
前記接着層は、接着剤を用いて形成されたものであってもよく、例えば、ポリエーテル−ポリウレタン系接着剤、ポリエステル−ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。また各種の粘着剤を使用することもできるが、感圧性粘着剤を用いることが好ましい。感圧性粘着剤としては、例えば、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、これらの混合物をベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンのような有機溶剤に溶解したゴム系粘着剤、或いは、これらゴム系粘着剤にアビエチレン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体、テルペン・インデン共重合体などの粘着付与剤を配合したもの、或いは、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸n−ブチル共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体などのガラス転移点が−20℃以下のアクリル系共重合体を有機溶剤で溶解したアクリル系粘着剤などを挙げることができる。
ラミネート用の接着剤は、ポリオール/イソシアネートによる硬化が一般的であり、レトルト用途等の高機能用途には多く利用されている。また従来、貼り合わせはアルミ箔と多層フィルムの組み合わせが一般的であった。ところが、透明蒸着技術の登場によりバリア性と透明性を兼備した各種の透明蒸着フィルムが市販されるようになっており、加えて内容物の視認性向上の要求から、透明蒸着フィルムと多層フィルムの貼り合わせが多くなっている。
そのために、これらフィルムと蒸着フィルムとの密着性を付与するために、接着剤にはエポキシシランやアミノシランシラン等のシランカップリング剤を添加することが一般的となっている。
しかしながら、密着性を保持するためにエポキシシランを増量すれば、エポキシシランの食品への溶出は増大する。さらに、同じ接着剤を蒸着のないフィルムのラミネートに使用するとシランカップリング剤の溶出は蒸着構成の場合より多くなり、構成により接着剤を交換する必要性が出てくる。
ラミネート用接着剤に用いられるポリオールとしては、例えば、後述するポリオールそのもの、或いはポリオールと後述するポリカルボン酸類とを反応させて得られるポリエステルポリオール、或いは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の活性水素原子を2個有する化合物類を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマー類を付加重合したポリエーテル類等が挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等のグリコール類、プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の活性水素原子を2個有する化合物類を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマー類を付加重合したポリエーテル類等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸類としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、イソシアネート基を分子内に少なくとも2つ有する有機化合物が挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート;これらのポリイソシアネートのアダクト体、これらのポリイソシアネートのビュレット体、または、これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体などのポリイソシアネートの誘導体(変性物)などが挙げられる。
また、前記イソシアネートと前記ポリオールとをイソシアネート基が過剰となる混合比で反応したものを用いてもよい。
接着剤において、前記ポリオールの水酸基当量と前記ポリイソシアネートのイソシアネート当量との当量比ポリオール/イソシアネートが0.5〜5.0であることが好ましい。
前記エポキシシランとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリルシラン系シランカップリング剤;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明のミネラルオイルバリア性包装材は、ミネラルオイルを含有する層を有する。このミネラルオイルを含有する層は、印刷層、接着層、あるいはリサイクル紙からなるものであってもよく、これらのうちミネラルオイルを含む層は複数あっても良い。
<欧州の規制について>
スイスでは、Swiss Ordinance SR817.023.21として、食品に接触しないインキやコーティング剤に関する溶出量を規制しており、現状では世界で唯一の食品非接触材料のポジティブリスト(PL)となっている。本PLでは、物質の毒性データが既知であるか、未知であるかで区分され、各々Specific Migration Limit(SML)が設けられている。
エポキシシランは毒性データが未知であり、SMLは10μg/kg−food未満とされている。また、印刷インキに含まれるモノマー、光重合開始剤についても、同様に毒性データが未知の場合、SMLは10μg/kg−food未満とされている。
また、ミネラルオイルに関しては、欧州食品安全機関(EFSA)において、C10〜C35のミネラルオイル類が対象とされており、C35を超えるものの吸収は無視できるとされている。Swiss Ordinance SR817.023.21では、ミネラルオイル類のSMLが0.6mg/kg−food未満とされている。またホワイトミネラルオイル類については、0.01mg/kg−food未満とされている。
本発明のミネラルオイルバリア性包装材は、各種包装材として好ましく用いることができる。前記包装材としては、食品、薬品、化粧品、サニタリー用品、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、容器、容器の蓋材等が挙げられる。特に、内容物への接着層、印刷層、積層したリサイクル紙等からの溶出を効果的に抑制でき、内容物への汚染を防止できる点から、食品や医薬品用等に好適に用いることができる。
前記包装材は、本発明のミネラルオイルバリア性包装材の内面(シール層)を重ねてヒートシール、あるいはシール層と印刷面、あるいは基材フィルムとを重ね合わせてヒートシールすることにより、内面を内側として形成した包装袋であることが好ましい。例えば当該積層体2枚を所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填しヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。さらには自動包装機によりロール状のフィルムを円筒(ピロー)形に端部をシールした後、上下をシールすることにより包装袋を形成することも可能である。
また、内面層とヒートシール可能な別のフィルム、シート、容器とヒートシールすることにより包装袋・容器・容器の蓋を形成することも可能である。その際、使用する別のフィルムとしては、比較的機械強度の弱いLDPE、EVA、ポリプロピレン等のフィルムやシートを用いることができる。
更にまた、印刷インキで印刷されたカートンボックスの内面に前記フィルム(I)がラミネートされた食品用バリア性外装材としての使用も可能である。
本発明のミネラルオイルバリア性包装材を用いた包装材には、初期の引き裂き強度を弱め、開封性を向上するために、シール部にVノッチ、Iノッチ、ミシン目、微多孔などの任意の引き裂き開始部を形成してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳しく説明する。
<接着剤>
調整例1〔主剤調製例〕
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコール10.0部、ネオペンチルグリコール21.1部、1,6−ヘキサンジオール10.0部、ツノダイム216を8.0部、イソフタル酸21.5部、テレフタル酸21.5部、アジピン酸23.4部及びチタン触媒0.006部を仕込み、精留管上部温度が100℃を越えないように徐々に加熱して内温を240℃に保持した。酸価2mgKOH/g以下になるまでさらに反応を続けた。10mmHg以下に減圧し、1.5時間保持してエステル化反応を終了し、水酸基価28の中間体ポリエステルポリオールを得た。得られた中間体ポリエステルポリオールの100部に対し、イソホロンジイソシアネートを8.9部加え120℃に加熱してNCO%が3.1になるまでウレタン化の反応を行ってポリエステルウレタンポリイソシアネートを得た。これを酢酸エチル111.9部で希釈した後に40℃まで温度を下げて、50℃で約1時間保持し、不揮発分60%のポリウレタンポリエステルポリオール樹脂溶液Uを得た。
調整例2〔添加剤〕
エポキシシランは3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−403)、アミノシランは3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−903)、燐酸は和光純薬工業社製85%リン酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA)は和光純薬工業社製Mw7,500の試薬を使用した。
実施例1
層(A)用樹脂として、融点162℃、MFR2.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン単独重合体(HOPP2)80質量%と、ガラス転移温度(Tg)78℃、MFR10g/10分(230℃、21.18N)のノルボルネン系モノマーの開環重合体(COC1)20質量%の樹脂混合物を用いた。層(A)の片側の表面層用樹脂として融点164℃、MFR8g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン単独重合体(HOPP1)を用いた。反対面のシール層用樹脂として、融点127℃、MFR7g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP1)を用いた。
これらの樹脂をそれぞれ、表面層用押出機(口径50mm)、層(A)用押出機(口径50mm)、シール層用押出機(口径50mm)に供給して200〜250℃で溶融し、その溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が、表面層/層(A)/シール層の3層構成で、各層の厚みが3/18/9μmの全厚30μmの多層フィルムを得た。また、オンラインで表面層の表面にコロナ処理を施した。
調整例1、2、芳香族ポリイソシアネート(DIC株式会社製KW−75)、及び飽和炭化水素(n−ペンタデカン、コレスタン)、芳香族炭化水素(ビフェニル、2,6−ジイソプロピルナフタレン)を表1に示す組成で配合し、固形分30%のミネラルオイルを含む接着剤配合物を調整した。得られた接着剤配合物に関しては、塗布量が2.2g/mとなるように厚みが12μmのアルミ箔に塗布し、フィルムの表面層とを貼り合せて積層体とし、ミネラルオイルの溶出試験を行った。また、同じ試料で同時にエポキシシランの溶出試験も行った。更に、得られたフィルムについて、流れ方向に垂直方向、及び水平方向の断面についてTEM観察を行い、分散状態を観察した。
実施例2
層(A)用樹脂として、融点140℃、MFR3.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP2)80質量%と、ガラス転移温度(Tg)78℃、MFR10g/10分(230℃、21.18N)のノルボルネン系モノマーの開環重合体(COC1)20質量%の樹脂混合物を用いた。表面層用樹脂として融点164℃、MFR8g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン単独重合体(HOPP1)を用いた。シール層用樹脂として融点127℃、MFR7g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP1)を用いた。実施例1と同様にして、各層の厚み比率、表面層/層(A)/シール層が3/18/9μmの全厚30μmの多層フィルムを得た。これを用いて、実施例1と同様に、ミネラルオイル溶出用試料、エポキシシラン溶出用試料、及びTEM観察用試料を得た。
実施例3
層(A)用樹脂として、融点162℃、MFR2.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン単独重合体(HOPP2)70質量%と、ガラス転移温度(Tg)70℃、MFR6g/10分(230℃、21.18N)のノルボルネン系モノマーの開環重合体(COC2)30質量%の樹脂混合物を用いた。表面層用樹脂として、融点164℃、MFR8g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン単独重合体(HOPP1)を用いた。シール層用樹脂として、融点127℃、MFR7g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP1)を用いた。実施例1と同様にして、各層の厚み比率、表面層/層(A)/シール層が20/2/8μmの全厚30μmの多層フィルムを得た。これを用いて、実施例1と同様に、ミネラルオイル溶出用試料、エポキシシラン溶出用試料、及びTEM観察用試料を得た。
実施例4
層(A)用樹脂として、融点140℃、MFR3.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP2)80質量%と、ガラス転移温度(Tg)78℃、MFR11g/10分(230℃、21.18N)のノルボルネン系モノマーの開環重合体(COC3)20質量%の樹脂混合物を用いた。表面層用樹脂として、融点164℃、MFR8g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン単独重合体(HOPP1)を用いた。シール層用樹脂として、融点127℃、MFR7g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP1)を用いた。実施例1と同様にして、各層の厚み比率、表面層/層(A)/シール層が3/18/9μmの全厚30μmの多層フィルムを得た。これを用いて、実施例1と同様に、ミネラルオイル溶出用試料、エポキシシラン溶出用試料、及びTEM観察用試料を得た。
実施例5
層(A)用樹脂として、融点142℃、MFR2.0g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP3)85質量%と、ガラス転移温度(Tg)78℃、MFR10g/10分(230℃、21.18N)のノルボルネン系モノマーの開環重合体(COC1)15質量%の樹脂混合物を用いた。表面層用樹脂として、融点162℃、MFR2.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン単独重合体(HOPP2)を用いた。シール層用樹脂として、融点140℃、MFR3.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP2)を用いた。実施例1と同様にして、各層の厚み比率、表面層/層(A)/シール層が3/18/9μmの全厚30μmの多層フィルムを得た。これを用いて、実施例1と同様に、ミネラルオイル溶出用試料、エポキシシラン溶出用試料、及びTEM観察用試料を得た。
実施例6
層(A)用樹脂として、融点140℃、MFR3.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP2)80質量%と、ガラス転移温度(Tg)78℃、MFR11g/10分(230℃、21.18N)のノルボルネン系モノマーの開環重合体(COC3)20質量%の樹脂混合物を用いた。表面層用樹脂として、密度0.942g/cm、MFR2.5g/10分(190℃、21.18N)のエチレン−αオレフィン共重合体(LLDPE1)を用いた。シール層用樹脂として密度0.918g/cm、MFR3.5g/10分(190℃、21.18N)のエチレン−αオレフィン共重合体(LLDPE2)を用いた。実施例1と同様にして、各層の厚み比率、表面層/層(A)/シール層が6/18/6μmの全厚30μmの多層フィルムを得た。これを用いて、調整例4で作成した紫外線硬化型インクジェットプリンター用インク2を用いた以外は、実施例1と同様に包装用印刷物を得た。また、これを用いて実施例1と同様にミネラルオイル溶出用試料、エポキシシラン溶出用試料、及びTEM観察用試料を得た。
実施例7
層(A)用樹脂として、融点162℃、MFR2.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン単独重合体(HOPP2)70質量%と、ガラス転移温度(Tg)78℃、MFR10g/10分(230℃、21.18N)のノルボルネン系モノマーの開環重合体(COC1)30質量%の樹脂混合物を用いた。表面層用樹脂として融点162℃、MFR2.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン単独重合体を用いた。表面層と層(A)の中間層用樹脂として融点140℃、MFR3.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP2)を用いた。シール層用樹脂として融点127℃、MFR7g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP1)を用いた。
これらの樹脂をそれぞれ、層(A)用押出機(口径40mm)、表面層用押出機(口径50mm)、シール層用押出機用押出機(口径50mm)、中間層用押出機(口径50mm)に供給して200〜250℃で溶融し、その溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が表面層/中間層/層(A)/シール層の4層構成で、各層の厚み比率が6/12/3/9μmの全厚30μmの多層フィルムを得た。また、オンラインで表面層の表面にコロナ処理を施した。これを用いて、実施例1と同様にミネラルオイル溶出用試料、エポキシシラン溶出用試料、及びTEM観察用試料を得た。
実施例8
層(A)用樹脂として、融点140℃、MFR3.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP2)80質量%と、ガラス転移温度(Tg)78℃、MFR1g/10分(230℃、21.18N)のノルボルネン系モノマーの開環重合体(COC1)20質量%の樹脂混合物を用いた。表面層用樹脂として融点162℃、MFR2.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン単独重合体(HOPP2)を用いた。シール層用樹脂として、融点140℃、MFR3.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP2)を用いた。
これらの樹脂をそれぞれ、表面層用押出機(口径50mm)、層(A)用押出機(口径50mm)、シール層用押出機(口径50mm)に供給して180〜210℃で溶融し、その溶融した樹脂を、直径200mm、リップ3mmのスパイラル型3層ダイを備えた空冷インフレーション法の共押出多層フィルム製造装置に供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が、表面層/層(A)/シール層の3層構成で、各層の厚みが、6/18/6μmの全厚30μmの多層フィルムを得た。また、オンラインで表面層の表面にコロナ処理を施した。これを用いて、実施例1と同様にミネラルオイル溶出用試料、エポキシシラン溶出用試料、及びTEM観察用試料を得た。
実施例9
層(A)用樹脂として、融点140℃、MFR3.5g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP2)80質量%と、ガラス転移温度(Tg)78℃以下、MFR11g/10分(230℃、21.18N)のノルボルネン系モノマーの開環重合体(COC3)20質量%の樹脂混合物を用いた。表面層用樹脂として密度0.942g/cm、MFR2.5g/10分(190℃、21.18N)のエチレン−αオレフィン共重合体(LLDPE1)90質量%と、密度0.920g/cm、MFR0.5g/10分(190℃、21.18N)の低密度ポリエチレン(LDPE)10質量%の樹脂混合物を用いた。層(C)用樹脂として、密度0.918g/cm、MFR3.5g/10分(190℃、21.18N)のエチレン−αオレフィン共重合体(LLDPE2)90質量%と、密度0.920g/cm、MFR0.5g/cm3の低密度ポリエチレン(LDPE)10質量%の混合樹脂を用いた。実施例8と同様にして、各層の厚み比率、表面層/層(A)/シール層が6/18/6μmの全厚30μmの多層フィルムを得た。これを用いて、実施例1と同様に、ミネラルオイル溶出用試料、エポキシシラン溶出用試料、及びTEM観察用試料を得た。
比較例1
表面層、中間層、シール層にそれぞれLLDPE1を用い、実施例1と同様にして厚み30μmの単層フィルムを得た。これを用い、実施例1と同様にしてミネラルオイル、エポキシシラン溶出用試料を得た。
比較例2
表面層と中間層に融点164℃、MFR8g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン単独重合体(HOPP1)を用い、シール層に融点127℃、MFR7g/10分(230℃、21.18N)のプロピレン−エチレン共重合体(COPP1)を用い、表面層/中間層/シール層=15/10/5μm(全厚30μm)の多層フィルムを実施例1と同様にして得た。これを用いて実施例1と同様にミネラルオイル、エポキシシラン溶出用試料を得た。
比較例3
表面層、及びシール層用樹脂として、LLDPE4を用いた。中間層用樹脂として、エチレン含有率32モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)を用いた。接着層(D1)、(D2)層用樹脂として、三菱化学(株)製酸変性ポリエチレン(M503)を用いた。これらの樹脂をそれぞれ、表面層、シール層用押出機(口径50mm)、接着層(D1)、(D2)用押出機(口径40mm)、中間層用押出機(口径40mm)に供給して200〜230℃で溶融し、その溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が表面層/接着層(D1)/中間層/接着層/シール層の5層構成で、各層の厚みが16/5/8/5/16μm(全厚50μm)の多層フィルムを得た。表面層の表面には、オンラインでコロナ処理を施した。これを用いて、実施例1と同様にミネラルオイル、エポキシシラン溶出用試料を得た。
比較例4
表面層、及びシール層用樹脂として、LLDPE4を用いた。中間層層用樹脂として、比重1.14のナイロン6を用いた。更に、接着層(D1)、(D2)層用樹脂として三菱化学(株)製酸変性ポリエチレン(M503)を用いて、比較例3と同様に多層フィルムを得た。得られた多層フィルムは、実施例1と同様にして、ミネラルオイル、エポキシシラン溶出用試料を得た。
試験方法
(1)ミネラルオイルの溶出 <EN13130準拠>
厚み12μmのアルミ箔と多層フィルムをラミネートした積層体を用いて、内容物との接触面積が200cmとなるようにパウチを作成し、95%エタノール100mlを充填、密封する。
充填、密封したパウチを60℃で10日保管後、95%エタノールを100mlから5mlに濃縮し、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC−MS)で定量する。評価は、モデル的に接着剤に配合した理論含有量に対する溶出割合で評価する。
GC-MS: 島津製作所製 GC2100A
(2)接着剤成分(エポキシシラン)の溶出抑制 <EN13130準拠>
・厚み12μmのアルミ箔と多層フィルムをラミネートした積層体を用いて、内容物との接触面積が200cmとなるようにパウチを作成し、95%エタノール100mlを充填、密封した。
・充填、密封したパウチを60℃で10日保管後、95%エタノールを100mlから5mlに濃縮し、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC−MS)でシラン化合物を定量する。
GC-MS: 島津製作所製 GC2100A
カラム:ポリジメチルシロキサン系
上記で評価した結果を以下にまとめる。

Claims (10)

  1. ガラス転移温度Tgが70〜160℃、メルトフローレートMFR(230℃、21.18N)が5〜20g/10分の環状オレフィン系樹脂(a1)10〜30質量%と、メルトフローレートMFR(230℃、21.18N)が0.5〜4.0g/10分のプロピレン系樹脂(a2)70〜90質量%との樹脂組成物からなる厚みが0.5〜20μmの範囲である層(A)を1層以上有するフィルムであって、且つ当該層(A)中、前記環状オレフィン系樹脂(a1)が前記プロピレン系樹脂(a2)中に層状に分散した相分離構造を形成しているフィルム(I)と、ミネラルオイルを含有する層を有することを特徴とするミネラルオイルバリア性包装材。
  2. 前記フィルム(I)が少なくとも3層の多層フィルムであって、前記層(A)の両面に、環状構造を有さないオレフィン系樹脂を主成分とする層を有する請求項1記載のミネラルオイルバリア性包装材。
  3. 前記フィルム(I)の全厚が15〜150μmであり、且つ前記層(A)の全厚に対する比率が10〜70%の範囲である請求項2記載のミネラルオイルバリア性包装材。
  4. 前記フィルム(I)の内容物に接するシール層の厚みが3μm以上である請求項2又は3記載のミネラルオイルバリア性包装材。
  5. 前記フィルム(I)が共押出積層法で積層されたものである請求項2〜4の何れか1項記載の包装用印刷物。
  6. ミネラルオイルを含有する層が接着層であり、前記フィルム(I)の表面層上に、前記接着層を設け、更に前記接着層上に基材フィルム(II)からなる層を積層したものである請求項1〜5の何れか1項記載のミネラルオイルバリア性包装材。
  7. Swiss Ordinance SR817.023.21の規制に基づく溶出試験において、ミネラルオイルに含まれる飽和炭化水素又は芳香族炭化水素の溶出が0.6mg/kg−food未満に抑制されるものである請求項1〜6の何れか1項記載のミネラルオイルバリア性包装材。
  8. 前記接着層がシラン化合物を含む接着剤を用いて形成されたものであって、且つSwiss Ordinance SR817.023.21の規制に基づく溶出試験において、シラン化合物の溶出が10μg/kg−food未満に抑制されるものである請求項6記載のミネラルオイルバリア性包装材。
  9. 請求項1〜8の何れか1項記載のミネラルオイルバリア性包装材を用いることを特徴とする包装体。
  10. 食品用又は医薬品用である請求項記載の包装体。
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