JP7200943B2 - ポリエチレン系樹脂フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエチレン系樹脂フィルムに関する。更に詳しくは、ヒートシール性及び安定した耐ブロッキング性と安定した滑り性に優れ、しかも外観と耐スクラッチ性にも優れるポリエチレン系樹脂フィルムに関するものである。
近年、利便性、省資源、環境に対する負荷低減などによりフィルムを用いた包装または容器が広い分野で使用されてきている。フィルムは従来の成形容器、成形物に比べ、軽量、廃棄処理が容易、低コストが利点である。
シーラントフィルムは、通常、シーラントフィルムより低温熱接着性の劣る二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸エステルフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等の基材フィルムとラミネートして使用されるのが一般的である。これらの基材フィルムとラミネート加工後にロール状で保管すると、シーラントフィルムと基材フィルムとの間でブロッキングが生じて、製袋加工の前に、ラミネートフィルムを巻き戻しにくい場合があったり、製袋加工中の袋の内面となるシーラントフィルム同士でブロッキングが生じ、食品を充填しにくい場合があった。
そこで、でんぷん等の粉をシーラントフィルムの表面にふりかけることで、前述のようなシーラントフィルムと基材とのブロッキングやシーラントフィルム同士のブロッキングを回避する方策が知られている。
しかし、この方策ではフィルム加工装置周辺を汚染するばかりか、包装食品の外観を著しく悪化させる、あるいはシーラントフィルムに付着した粉末が食品とともに直接包装体内に混入したり、ヒートシール強度が低下するといった問題を生じていた。
そこでポリエチレン系樹脂にシリカなどの無機微粉末あるいは無機微粒子を用いたポリエチレン系フィルム報告されている。
しかし、この方策では、ポリエチレン系フィルムに添加されるアルミナやシリカなどの無機微粉末あるいは無機粒子を含むフィルム面同士を擦りあわせた時に傷が発生し易く、ラミネート機や製袋加工機などをシーラントフィルあるいは基材フィルムとの積層体が通過する際に、機械の一部との接触時に無機微粉末あるいは無機粒子が脱落しやすいという問題も有していた(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、アクリル系単量体とスチレン系単量体を主成分とする共重体からなる有機架橋粒子を用いたポリエチレン系樹脂フィルムが報告されている。(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この方策では、傷つき易さは無機粒子ほど悪くはないものの十分とは言えない。また、耐ブロッキングや粒子の脱落の問題もいまだ残っていた。
またさらに、ポリエチレン系樹脂フィルムの耐ブロッキング性を向上させるため、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂に高密度ポリエチレン樹脂を添加したものが報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながらこれらの方策では、引張強度などの機械強度特性や透明性が悪化するなど問題があった上に、耐ブロッキング性も劣るものであった。
またさらに、分子量が非常に高いポリエチレン樹脂からなる粒子を高密度ポリエチレン樹脂に添加した、ショッピングバッグに適したポリエチレン系樹脂インフレーションフィルムが報告されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、この方策では、引裂き強度が大きすぎたり、低温でのヒートシール特性、及び透明性に劣る上に、ポリエチレン樹脂からなる粒子を添加することにより、かえって滑り性が不安定になるという問題があった。
特開平10-86300号公報 特開平10-87909号公報 特開2008-88248号公報
本発明は、ヒートシール性、安定した耐ブロッキング性、安定した滑り性、外観、及び耐スクラッチ性に優れ、しかも粒子の脱落が少ないポリエチレン系樹脂フィルムを提供することを目的とする。また、このポリエチレン系樹脂フィルムを用いた積層体、さらに包装体を提供することを目的とする。
本発明者らはかかる実状に鑑み、鋭意検討した結果、密度が特定の範囲以下のポリエチレン系樹脂フィルム中にポリエチレン系樹脂からなる粒子を含有させ、そのフィルムの表表面の突起高さを制御することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を解決するに至った。
すなわち本発明は、ポリエチレン系樹脂からなる粒子と、密度が940kg/m以下であるポリエチレン系樹脂を含有し、無機粒子及び有機架橋粒子を実質的に含有しないポリエチレン系樹脂組成物からなり、少なくとも片側の表面の最大山高さが2μm以上、15μm以下であり、前記ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のことを特徴とするポリエチレン系樹脂フィルムである。
また、別の態様は、ポリエチレン系樹脂からなる粒子を含有し、無機粒子及び有機架橋粒子を実質的に含有せず、密度が940kg/m以下であるポリエチレン系樹脂組成物からなる層を少なくとも片側に有し、かつその層の表面の最大の最大山高さが2μm以上、15μm以下であることを特徴とするポリエチレン系樹脂フィルムである。
この場合において、前記ポリエチレン系樹脂からなる粒子の粘度平均分子量が150万以上あり、かつDSCによる融点ピーク温度が150℃以下であることが好適である。
また、この場合において、エルカ酸アミド及び又はエチレンビスオレイン酸アミドを含むことが好適である。
さらにまた、この場合において、前記最大山高さが2μm以上、15μm以下である表面層同士のブロッキング値が200mN/70mm以下であることが好適である。
前記のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂フィルムとその他のフィルムを含む積層体が好適である。
前記に記載の積層体を含む包装袋が好適である。
本発明は、ヒートシール性、安定した耐ブロッキング性及び安定した滑り性に優れ、しかも外観と耐スクラッチ性も優れるポリエチレン系樹脂フィルムを提供することができる。また、このポリエチレン系樹脂フィルムを用いた積層体、さらに包装体を提供することができる。
(ポリエチレン系樹脂フィルム)
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムは、ポリエチレン系樹脂組成物からなるが、ポリエチレン系樹脂を主に含有する。ポリエチレン系樹脂とは、エチレン単量体の単独重合体、またはエチレン単量体とα-オレフィンとの共重合体、並びにこれらの混合物であり、α-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1、デセン-1等を例示することができる。
本発明における、ポリエチレン系樹脂組成物の密度範囲は900~940kg/mが好ましく、910~940kg/mがより好ましく、910~935kg/mがさらに好ましく、915~935kg/mが特に好ましく、915~925kg/mが特に好ましい。密度が900kg/mより小さいポリエチレン樹脂組成物は、耐ブロッキングが低下しやすい。
密度が940kg/mより大きいポリエチレン系樹脂組成物は、ヒートシール開始温度が高く、製袋加工が困難であり、透明性にも劣る。さらに重要なことは、密度が940kg/mより大きいポリエチレン系樹脂組成物を使用した場合、ポリエチレン系樹脂フィルムの安定した耐ブロッキング性あるいは安定した滑り性が得にくいことを本発明者らは見出した。
耐ブロッキング性はフィルムの測定面同士を重ね合わせたサンプルを、ヒートプレス(テスター産業社製 形式:SA-303)において、大きさ7cm×7cm、温度50℃、圧力440kgf/cm、時間15分の加圧処理を行う。この加圧処理でブロッキングしたサンプルとバー(径6mm 材質:アルミ)をバーと剥離面は水平となるように、オートグラフ(島津製作所製 形式:UA-3122)へ装着し、バーが速度(100m/分)でブロッキング部を剥離する時の力を4回測定し、その平均をとった値を指標とするものであるが、密度が940kg/mより大きいポリエチレン系樹脂組成物を使用した場合は、4回測定のそれぞれの測定値で変動しやすいだけでなく、ヒートシール開始温度が高くなる傾向が認められた。4回測定のそれぞれの測定値の変動は無機粒子を使用した場合と同等のレベルであることが好ましい。
本発明における、ポリエチレン系樹脂組成物としては、製膜性等の点から、メルトフローレート(以下、MFRと記すことがある。)は2.5~4.5g/分程度が好ましい。ここでMFRは、ASTM D1893-67に準拠して測定した。又該ポリエチレン系樹脂は、自体既知の方法で合成される。
本発明における、ポリエチレン系樹脂組成物のMFRが2.5g/10分以下のような低い樹脂組成物を使用する場合は、密度での説明と同様に耐ブロッキング性が変動しやすいだけでなく、ヒートシール開始温度が高くなる傾向が認められる為、押出条件には注意が必要である。大型の製膜機で高速製膜する場合はMFRは3~4g/10分程度が製膜性の為には特に好ましい。
本発明における、ポリエチレン系樹脂組成物としては、耐熱性等の点から、融点は85℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、特に110℃以上が好ましい。
本発明おける、ポリエチレン系樹脂組成物は単一系であってもよいが、上記密度範囲の密度が異なるポリエチレン樹脂を2種以上配合することもでる。密度が異なるポリエチレン系樹脂を2種以上配合した場合、GPC測定や密度測定によりその平均密度、配合比を推測することができる。さらに下記で説明するポリエチレン系樹脂からなる粒子を配合することができる。
(ポリエチレン系樹脂からなる粒子)
本発明において、ポリエチレン系樹脂からなる粒子を使用するのが好ましく、この場合ポリエチレン系樹脂からなる粒子はその粘度平均分子量が150万以上であることが好ましく、160万以上であることがより好ましく、170万以上がさらに好ましい。また、250万以下が好ましく、240万以下であることがより好ましく、230万以下であることがさらに好ましい。
この範囲の粘度平均分子量であれば少なくとも片側の表面層の最大山高さを2μm以上、15μm以下とすることができる。その理由は定かではないが、ポリエチレン系樹脂からなる粒子とポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂との分子量の差が非常大きいことから分子が混ざり合わず、溶融混合し、押出して得たフィルム中においてもポリエチレン系樹脂からなる粒子の形状を維持することが容易で、またポリエチレン系樹脂からなる粒子同士の融着や接着等による凝集も起こりにくいため、フィルム表面に無機の粒子と同様に粒径に見合った突起を形成することができると推定している。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子の粘度平均分子量が150万未満であると、溶融混合時の温度が融点ピークより高い場合、熱やせん断による分解または融着凝集やベース樹脂との部分的な相溶による粒経形状の変化が発生する為、従来の無機粒子や有機架橋ポリマービーズのような突起形成が出来なくなり、アンチブロッキング剤としての機能が十分でなくなるだけでなく、透明性などの外観、フィルムの機械的強度、あるいはヒートシール性に影響を及ぼす。
また、粘度平均分子量が250万を超えると、溶融混合し、押出ししフィルムを形成する時に粒子形状を維持しやすくなるが、その場合は適したフィルム表面突起を形成するのが難しくなる傾向がある。
さらに、これも驚くべきことであるが、粘度平均分子量が150万以上のポリエチレン系樹脂からなる粒子は凝集しにくいという性質があるにもかかわらず、それと混合される他のポリエチレン樹脂からは無機粒子よりも脱落しにくいという特徴をもつことがわかった。
またポリエチレン系樹脂からなる粒子の粘度平均分子量が150万以上であると粒子自身が潤滑性を持ち、耐ブロッキングや滑り性の向上に寄与し、しかもポリエチレン系樹脂からなる粒子は軟らかいため、耐スクラッチ性も向上すると考えられる。
本発明において、ポリエチレン系樹脂からなる粒子は、エチレン単量体の単独重合体、またはエチレン単量体とα-オレフィンとの共重合体、並びにこれらの混合物であり、α-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1、デセン-1等を例示することができる。
本発明における、ポリエチレン系樹脂からなる粒子の密度範囲は930~950kg/mが好ましく、935~945kg/mがより好ましく、937~942kg/mがさらに好ましい。密度が930kg/mより小さいポリエチレン樹脂からなる粒子は、粒子が軟らかく、且つ溶融押出時に粒子の形状維持がしにくく耐ブロッキング性が低下しやすい。また、密度が950kg/mより大きいポリエチレン樹脂からなる粒子は、粒子が硬く耐スクラッチ性が低下しやすいだけでなくベースとなるポリエチレン樹脂との親和性が下がる為、耐脱落性が低下しやすい。
本発明で使用するポリエチレン系樹脂からなる粒子の平均粒子径が2μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましい。また平均粒径が20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。
それに加えて、粒径が25μm以上の粒子を含まないことが好ましい。平均粒径が20μm以下であっても、粒径が25μm以上の粒子が1%以上含むとフィルム表面の最大山高さが15μmを超えやすくなる、そうするとフィルム表面を目視すると、後述するチラツキが発生する。
また25μm以上の粒子は、欠点と同様となり品質が低下するという点でも好ましくない。
本発明のポリエチレン系樹脂からなる粒子の添加量としては、フィルム全体に対して0.1重量%以上であるのが好ましく、0.3重量%以上がより好ましく、0.4重量%以上がさらに好ましい。また、2重量%以下が好ましく、1.5重量%以下がより好ましく、1.0重量%以下がさらに好ましい。ポリエチレン系樹脂からなる粒子の添加量が0.1重量%未満であると少なくとも片側の表面層の最大山高さを指定面積(0.2mm)辺り2μm以上とすることが困難になり、アンチブロッキング性や滑り性が得られにくくなる。また、ポリエチレン系樹脂からなる粒子の添加量2重量%より多くなると表面の突起が多くなり、透明性が悪く、低温シール性も劣りやすい。
(ポリエチレン系樹脂)
本発明における、上述の「ポリエチレン系樹脂からなる粒子」以外のポリエチレン系樹脂とは、エチレン単量体の単独重合体、又はエチレン単量体とα-オレフィンとの共重合体、並びに及びこれらの混合物であり、α-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1、デセン-1等を例示することができる。
本発明における、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂の密度範囲は900~940kg/mが好ましく、910~940kg/mがより好ましく、920~940kg/mがさらに好ましく、920~935kg/mが特に好ましく、920~925kg/mがより特に好ましくい。密度が900kg/mより小さいポリエチレン系樹脂は、耐ブロッキングが低下しやすい。
密度が940kg/mより大きいポリエチレン系樹脂は、ヒートシール開始温度が高く、製袋加工が困難であり、透明性にも劣る。さらに重要なことは、密度が940kg/mより大きいポリエチレン系樹脂を使用した場合、ポリエチレン系樹脂フィルムの安定した耐ブロッキング性あるいは安定した滑り性が得にくいことを本発明者らは見出した。
耐ブロッキング性はフィルムの測定面同士を重ね合わせたサンプルを、ヒートプレス(テスター産業社製 形式:SA-303)において、大きさ7cm×7cm、温度50℃、圧力440kgf/cm、時間15分の加圧処理を行う。この加圧処理でブロッキングしたサンプルとバー(径6mm 材質:アルミ)をバーと剥離面は水平となるように、オートグラフ(島津製作所製 形式:UA-3122)へ装着し、バーが速度(100m/分)でブロッキング部を剥離する時の力を4回測定し、その平均をとった値を指標とするものであるが、密度が940kg/mより大きいポリエチレン系樹脂を使用した場合は、4回測定のそれぞれの測定値で変動しやすいだけでなく、ヒートシール開始温度が高くなる傾向が認められた。4回測定のそれぞれの測定値の変動は無機粒子を使用した場合と同等のレベルであることが好ましい。
測定サンプル毎に測定値が変動しやすい理由については現在のところ定かではないが、密度の高いポリエチレン系樹脂と混合すると、ポリエチレン系樹脂からなる粒子の粘度平均分子量低下やポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂との分子鎖の絡み合い等による粒径変化が生じ、その結果形成される表面の突起がより不均一なものになることによるものと推察している。
上述のような密度が900~940kg/mのポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂としては、透明で、柔軟性に富み、引裂き強度、引張強度に平均的に優れる 高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、ブテン-1・ヘキセン-1オクテン-1を少量共重合させ、分子鎖に短分子鎖を多く持ち、シール性能、物理的強度に優れた直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE)、非常にシャープな分子量分布を示し、コモノマーの分布も均一で、引裂・引張・突刺し強度・耐ピンホール特性に優れるメタロセン触媒直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE)をその用途に応じて選択することができる。
本発明における、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂としては、製膜性等の点から、メルトフローレート(以下、MFRと記すことがある。)は2.5~4.5g/分程度が好ましい。ここでMFRは、JIS-K7210に準拠して測定した。又該ポリエチレン系樹脂は、自体既知の方法で合成される。
本発明における、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂のMFRが2.5g/10分以下のような低い樹脂を使用する場合は、密度での説明と同様にポリエチレン系樹脂からなる粒子の粘度平均分子量低下やポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂との分子鎖の絡み合い等による粒径変化が起こりやすくなる為、押出条件には注意が必要である。大型の製膜機で高速製膜する場合はMFRは3~4g/10分程度が製膜性の為には特に好ましい。
本発明における、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂としては、耐熱性等の点から、融点は85℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、特に110℃以上が好ましい。
本発明おける、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂は単一系であってもよいが、上記密度範囲の密度が異なるポリエチレン樹脂を2種以上配合することもできる。密度が異なるポリエチレン系樹脂を2種以上配合した場合、GPC測定や密度測定によりその平均密度、配合比を推測することができる。
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムには、本発明の目的と効果を損なわない範囲において、公知の添加剤、例えば酸化防止剤、中和剤、有機滑剤、無滴剤、帯電防止剤を併用しても良い。これらの添加剤の配合は、ポリエチレン系樹脂組成物の各成分を配合、混合する時に適宜配合することができる。
本発明においては、有機系潤滑剤を添加することが好ましい。積層フィルムの滑性やブロッキング防止効果が向上し、フィルムの取り扱い性がよくなる。その理由として、有機滑剤がブリードアウトし、フィルム表面に存在することで、滑剤効果や離型効果が発現したものと考える。更に、有機系潤滑剤は常温以上の融点を持つものを添加することが好ましい。有機滑剤は、脂肪酸アミド、脂肪酸エステルが挙げられる。具体的にはオレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドなどである。これらは単独で用いても構わないが、2種類以上を併用することで過酷な環境下においても滑性やブロッキング防止効果を維持することができるので好ましい。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子を含む層における、有機系潤滑剤アミド濃度の下限は好ましくは200ppmであり、より好ましくは400ppmである。上記未満であると滑り性が悪化することがある。有機滑剤アミド濃度の上限は好ましくは2500ppmであり、より好ましくは2000ppmである。上記を超えると滑りすぎて好ましくない。
また、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体等も本発明の目的と効果を損なわない範囲において混合して使用してもよい。
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムにおいては、無機粒子を実質的に含有しないことが必要である。無機粒子を実質的に含有する場合は、耐スクラッチ性や粒子が脱落しないといったポリエチレン系樹脂からなる粒子の添加の効果が得られにくくなる。ここでいう無機粒子とはシリカ、タルク、炭酸カルシウム、珪藻土、ゼオライト等の一般的にアンチブロッキング剤として使用される無機物であり、実質的に含有しないとは本発明のポリエチレン系樹脂フィルム全体における無機粒子の量の割合が0.2重量%以下であることを意味する。より好ましくは0.1重量%以下である。
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムにおいては、架橋有機粒子を実質的に含有しないことが必要である。架橋有機粒子を実質的に含有する場合は、耐スクラッチ性や粒子が脱落しないといったポリエチレン樹脂からなる粒子の添加の効果が得られにくくなる。ここでいう架橋有機粒子とはポリメチルアクリレート樹脂等に代表される有機架橋粒子であり、実質的に含有しないとは本発明のポリエチレン系樹脂フィルム全体における架橋有機粒子の量の割合が0.2重量%以下であることを意味する。より好ましくは0.1重量%以下である。
(製膜方法)
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムの製造方法としては、例えば、ポリエチレン系樹脂からなる粒子、及びポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂として、従来から使用されているポリエチレン系樹脂の中でも特定のものを含むポリエチレン系樹脂組成物を溶融混練する工程、溶融混練した樹脂組成物を溶融押出しして溶融樹脂組成物シートとする工程、溶融樹脂組成物シートを冷却固化する工程を採用するのが好ましい。
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムは、単層でもよく、積層でもよい。積層の場合は、ポリエチレン系樹脂からなる粒子を含有し、少なくとも片側の表面層の最大山高さが2μm以上、15μm以下である層と異なる他の層を設けることができる。
単層の場合のフィルムの厚みとしては3μm以上であることが好ましく、10μm以上がより好ましく、15μm以上がさらに好ましく、20μm以上が特に好ましい。また、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下が特に好ましい。3μm未満ではポリエチレン系樹脂からなる粒子の効果が低下し、耐ブロッキング性や滑り性の効果が出にくい。
積層の場合のポリエチレン系樹脂からなる粒子を含有し、少なくとも片側の表面層の最大山高さが2μm以上、15μm以下である層の厚みとしては3μm以上であることが好ましく、10μm以上がより好ましく、15μm以上がさらに好ましく、20μm以上が特に好ましい。また、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下が特に好ましい。3μm未満ではポリエチレン系樹脂からなる粒子の効果が低下し、耐ブロッキング性や滑り性の効果が出にくい。
(原料混合工程)
ポリエチレン系樹脂からなる粒子と、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂を混合する場合、これらが均一に混合される方法であれば良く、マスターバッチを使用する場合であれば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等を用いて混合する方法等が挙げられる。直添であれば添着剤をつけたレジンにポリエチレン系樹脂からなる粒子を付着させても良いし、サイドフィードなどで直接押出機に添加しても良い。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子を高濃度で、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂と混合してなるマスターバッチ少量を、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂と混合して用いる方法は分散性もよく簡便である。ただし、ポリエチレン系樹脂からなる粒子をマスターバッチを使用せずに、直接直鎖状低密度ポリエチエン、エチレン単量体の単独重合体、またはエチレン単量体とα-オレフィンとの共重合体と混合する場合は高い分散性が得られる為、コスト的にはサイドフィード方式などによる直添が好ましい。
(溶融混練工程)
まず、フィルム原料として、ポリエチレン系樹脂からなる粒子と、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂の水分率が1000ppm未満となるように、乾燥あるいは熱風乾燥する。次いで、各原料を計量、混合して押し出し機に供給し、溶融混練する。
ポリエチレン系樹脂組成物の溶融混合温度の下限は好ましくは200℃であり、より好ましくは210℃であり、さらに好ましくは220℃である。上記未満であると吐出が不安定となることがある。樹脂溶融温度の上限は好ましくは260℃である。上記を越えると樹脂の分解が進行し、再結合した結果として生成した架橋有機物、いわゆるゲルなどの異物の量が多くなってしまう。
ポリエチレン系樹脂組成物に上述の酸化防止剤を含有する場合は、より高温での溶融押し出しが可能になるが、270℃以下にするのが好ましい。
本発明で使用するポリエチレン系樹脂からなる粒子の融点は150℃程度以下であり、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂と混合し、溶融混練時の温度よりもはるかに低いにもかかわらず、驚くべきことにポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂に分子レベルで分散することなく、Tダイスから押し出され、冷却工程を経て得られたポリエチレン系樹脂フィルムには、ポリエチレン系樹脂からなる粒子が、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂に添加前の粒経と形状を維持したまま存在する。
(ろ過)
溶融混練工程では、溶融したポリエチレン系樹脂組成物中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行うことができる。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材は、特に限定はされないが、ステンレス焼結体の濾材の場合、いわゆるゲルなどの異物に加え、触媒などの添加物に由来するSi、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分とする凝集物の除去性能に優れ好適である。また、その濾過精度は200μm以下であることが好ましい。
ここでいう濾過精度とは、下記を意味する。
公称濾過精度であり、表示濾過精度以上の大きさの粒子(ここでは200μm以上)を60~98%程度捕捉する性能。
(フィルター昇圧)
ポリエチレン系樹脂組成物を溶融混練中の昇圧量は小さい方が好ましい。昇圧量の測定方法は実施例記載の方法で行った。
(溶融押出し工程)
次に、溶融したポリエチレン系樹脂組成物シートを例えばT型ダイスから溶融押出しし、冷却ロール上にキャスティングし、冷却固化して未延伸シートを得る。このための具体的な方法としては、冷却ロール上へキャストすることが好ましい。
本発明で使用するポリエチレン系樹脂からなる粒子はもともと疎水性樹脂である為、溶融混練、押出工程を経てもその粒子の表面の疎水性が変わらず、表面を疎水化処理した無機粒子で見られるT型ダイスのリップでの熱劣化物、いわゆる目ヤニの堆積が極めて発生し難い。
溶融したポリエチレン系樹脂組成物シートを溶融押出しして物をTダイ法やインフレーション法でフィルムにする方法等が挙げられるが樹脂組成物の溶融温度を高くすることができる点でTダイ法が特に望ましい。
(リップ汚れ)
ポリエチレン系樹脂組成物をT型ダイスから溶融押出しする際のT型ダイスのリップ口の汚れは少ない方が好ましい。リップ汚れの測定方法は実施例記載の方法で行った。
(冷却固化工程)
例えば、T型ダイスから溶融押出ししたポリエチレン系樹脂組成物の溶融シートを冷却ロール上にキャスティングし冷却を行うのが好ましい。冷却ロール温度の下限は好ましくは10℃である。上記未満であると結晶化抑制の効果が飽和することがあるだけでなく結露などの問題が発生し好ましくない。冷却ロール温度の上限は好ましくは70℃以下である。上記を越えると結晶化が進み透明性が悪くなる為好ましくない。また冷却ロールの温度を上記の範囲とする場合、結露防止のため冷却ロール付近の環境の湿度を下げておくことが好ましい、
キャスティングでは、表面に高温の樹脂が接触するため冷却ロール表面の温度が上昇する。通常、冷却ロールは内部に配管を通して冷却水を流して冷却するが、充分な冷却水量を確保する、配管の配置を工夫する、配管にスラッジが付着しないようメンテナンスを行う、などして、冷却ロール表面の幅方向の温度差を少なくする必要がある。このとき、未延伸シートの厚みは3~200μmの範囲が好適である。
(多層構成)
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムは多層構成でもよい。多層の場合は、上述したポリエチレン系樹脂組成物からなり、表面の最大山高さが2μm以上、15μm以下である層に加えて、他の層を1層あるいは2層以上設けることができる。
このように多層化する具体的な方法として、一般的な多層化装置(多層フィードブロック、スタティックミキサー、多層マルチマニホールドなど)を用いることができる。
例えば、二台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された熱可塑性樹脂をフィールドブロックやスタティックミキサー、マルチマニホールドダイ等を用いて多層に積層する方法等を使用することができる。また、一台の押出機のみを用いて、押出機からT型ダイまでのメルトラインに上述の多層化装置を導入することも可能である。
3層構成の場合はポリエチレン系樹脂組成物からなり、表面の最大山高さが3μm以上、15μm以下である層をシール層(A層)とし、他の層をそれぞれ中間層(B層)、ラミネート層(C層)とし、この順序で含む構成とするのが良い。
最外層はそれぞれA層、C層である。
中間層(B層)、ラミネート層(C層)使用するポリエチレン系樹脂としては、例えばエチレン・α-オレフィン共重合体、高圧法ポリエチレンから選ばれる1種又は2種以上を混合したものが挙げられる。上記エチレン・α-オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数4~18のα-オレフィンとの共重合体であり、α-オレフィンとしてはブテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1、デセン-1等が挙げられる。
これらのポリエチレン系樹脂より得られるフィルムは、優れたヒートシール強度、ホットタック性、夾雑物シール性、耐衝撃性を有し、該ポリエチレン系樹脂は、これらの特性を阻害しない範囲で、他の樹脂、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体等を混合して使用してもよい。
このとき、中間層(B層)、ラミネート層(C層)に使用するポリエチレン系樹脂は同じでも良いし、異なっていてもよい。また、ポリエチレン系樹脂からなる粒子を添加しても良いし、添加しなくても良い。しかし、無機粒子及び有機架橋粒子を実質的に含有しない。実質的に含有しないとは本発明のポリエチレン系樹脂フィルム全体における架橋有機粒子の量の割合が0.2重量%以下であることを意味する。より好ましくは0.1重量%以下である。
この場合において、前記フィルムの各層のポリエチレン樹脂の平均密度がシーラント層(A層)≦中間層(B層)≦ラミネート層(C層)であることが好ましい。配合されている有機滑剤は密度の高い層へは移動しにくいため、ラミネート後のシーラント層の滑り性を維持するために効果的である。
このとき、中間層(B層)、及びラミネート層(C層)の密度の下限は好ましくは900kg/mであり、より好ましくは920kg/mであり、さらに好ましくは930kg/mである。
上記未満であると腰が弱く、加工しにくいことがある。
中間層(B層)、及びラミネート層(C層)の密度の上限は好ましくは960kg/mであり、より好ましくは940kg/mであり、さらに好ましくは935kg/mである。
本発明のフィルムの中間層(B層)に上述の有機滑剤を使用してもよく、有機滑剤の下限は好ましくは200ppmであり、より好ましくは400ppmである。上記未満であると滑り性が悪化することがある。
中間層(B層)のエルカ酸アミド濃度の上限は好ましくは2000ppmであり、より好ましくは1500ppmである。上記を越えると滑りすぎて巻きズレの原因となることがある。
本発明のフィルムの中間層(B層)に回収樹脂を10~30質量%配合してもよい。
本発明においては、以上に記述したポリエチレン系フィルムのラミネート層(C層)面にコロナ処理等の活性線処理を行うのが好ましい。該対応によりラミネート強度が向上する。
2層の場合はポリエチレン系樹脂からなる粒子を含有し、少なくとも片側の表面層の最大山高さが2μm以上、15μm以下である層をシール層(A層)とし、他の層をラミネート層(C層)とするのが良い。
(最大突起高さ)
本発明ポリエチレン系樹脂フィルムの少なくとも片側の表面層の最大山高さが2μm以上、15μm以下であることが必要である。最大山高さRzが15μmを超える場合は外観不良を発生させる為好ましくない。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
(15μ以上の突起の数)
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムは前記表面の最大山高さが2μm以上、15μm以下である表面層における15μmを超える突起の数(個/0.2mm)が0以下であるのが好ましい。この数が少ないほどチラツキ感やヘイズといった外観が劣る。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
(ヒートシール開始温度)
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)をラミネートしたポリエチレン系樹脂フィルムのヒートシール開始温度の上限は好ましくは130℃であり、より好ましくは120℃mである。上記を超えるとシール加工がしにくくなることがある。
(到達ヒートシール強度)
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)をラミネートしたポリエチレン系樹脂フィルムの120℃における到達ヒートシール強度の下限は好ましくは30N/15mmであり、より好ましくは35N/15mmである。上記未満であると製袋後に袋が破れやすくなることがある。
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)をラミネートしたポリエチレン系樹脂フィルムの120℃におけるヒートシール強度の上限は好ましくは70N/15mmであり、より好ましくは65N/15mmである。上記を越えると製袋後に袋が開封しにくくなることがある。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
(ブロッキング強度)
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)をラミネートしたポリエチレン系樹脂フィルムのブロッキング強度の下限は好ましくは0mN/20mmであり、より好ましくは10mN/20mmであり、さらに好ましくは15mN/20mmである。
ブロッキング強度の上限は好ましくは150mN/20mmであり、より好ましくは50mN/20mmであり、さらに好ましくは40mN/20mmである。上記を超えると、巻き出し直後の滑り性が悪化することがある。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
(摩擦係数)
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)をラミネートしたポリエチレン系樹脂フィルムのラミネート後の静摩擦係数の下限は好ましくは0.05であり、より好ましくは0.08である。上記未満であると巻取りの際にフィルムが滑りすぎて巻きズレの原因となることがある。
ラミネート後の静摩擦係数の上限は好ましくは0.50であり、より好ましくは0.4である。上記を越えると製袋後の口開き性が悪く、加工時のロスが増加することがある。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
(ヘイズ)
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムのヘイズの下限は好ましくは3%であり、より好ましくは4%であり、さらに好ましくは5%である。上記未満であるとアンチブロッキング剤が少ない恐れがあり、ブロッキングの原因となることがある。
ヘイズの上限は好ましくは15%であり、より好ましくは12%であり、さらに好ましくは10%である。上記を越えると内容物の視認がしにくいとなることがある。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
(チラツキ感)
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムは、ほとんどチラツキを感じないか、細かいチラツキはあるが均一で特に気にならないのが好ましい。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
従来のデンプンなどの粉をフィルム表面に振りかけずとも耐ブロッキング性を有する、いわゆるノンパウダータイプでは、従来は平均粒径が10μm程度の無機粒子を添加したものがあるが、チラツキ感が劣る。
(耐スクラッチ性)
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)をラミネートしたポリエチレン系樹脂フィルムは、そのシール面同士が重なるように指でつまんで10回こすった後も、傷がほとんどつかないか、細いスジ状の傷がつくが白化はしないのが好ましい。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
従来のデンプンなどの粉をフィルム表面に振りかけずとも耐ブロッキング性を有する、いわゆるノンパウダータイプでは、従来は平均粒径が10μm程度の無機粒子を添加したものがあるが、耐スクラッチ性が劣る。
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムのヤング率(MD)の下限は好ましくは100MPaであり、より好ましくは200MPaである。上記未満であると腰が弱すぎて加工しにくいことがある。ヤング率(MD)の上限は好ましくは800MPaであり、より好ましくは600MPaである。
(ヤング率)
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムのヤング率(TD)の下限は好ましくは100MPaであり、より好ましくは200MPaである。上記未満であると腰が弱すぎて加工しにくいことがある。ヤング率(TD)の上限は好ましくは1000MPaであり、より好ましくは600MPaである。
以下、実施例、および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によって特に限定を受けるものではない。なお、本発明の詳細な説明および実施例中の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
以下、本発明における実施の形態を詳細に説明する。
(1)ポリエチレン系樹脂からなる粒子の測定方法
ポリエチレン系樹脂からなる粒子は加工前の原料樹脂の各物性を測定した。
なお、フィルム成形したあとでも、デカンを溶媒として、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレンが完全に溶解する下限域の温度でフィルムを溶解させ、フィルターのろ過精度2μmのフィルターで残留物をろ過することや、デカン中で粒子を完全に溶融させた後、GPC等で分子量の高い部分を分離するなどの方法でポリエチレン系樹脂からなる粒子を分離し、測定することも可能である。
(2)ポリエチレン系樹脂からなる粒子の粘度平均分子量
ASTM-D4020に準拠して測定した。
(3)ポリエチレン系樹脂からなる粒子の平均粒径
使用前のポリエチレン樹脂からなる粒子の平均粒子径は下記のようにして測定した。
高速攪拌機を使用して所定の回転速度(約5000rpm)で攪拌したイオン交換水中に粒子を分散させ、その分散液をイソトン(生理食塩水)に加えて超音波分散機で更に分散した後に、コールカウンター法によって粒度分布を求め体積平均粒子径として算出した。
(4)ポリエチレン系樹脂からなる粒子の粒度分布
使用前のポリエチレン樹脂からなる粒子のうち25μm以上の粒子径のものの割合はコールカウンター法で求めた粒度分布から算出した。
(5)ポリエチレン系樹脂からなる粒子の融点
使用前のポリエチレン樹脂からなる粒子の融点はSII製示差走査型熱量計(DSC)を用い、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分で測定した。ここで検知された融解吸熱ピーク温度を融点とした。
(6)ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂の密度、MFR、融点
フィルム成形前の原料をそれぞれ下記の方法で測定した。
なお、ポリエチレン系樹脂からなる粒子を含む層を形成する、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂は単層であれば全層、積層であれば層構成を電子顕微鏡等で確認した後、表面を表面層未満の厚みで削り取り上記(1)で得られたろ過した溶液から溶媒を除去したもので同様に測定出来る。積層から削り取る場合はPETフィルムなどにラミネートした後にカミソリ等で削りとることで比較的容易に行なうことが出来る。
(密度)
JIS-K7112に従って密度勾配管法により測定した。
(メルトフローレート:MFR)(g/10分)
JIS-K7210に準拠し、温度190℃で測定した。
(融点)
SII製示差走査型熱量計(DSC)を用い、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分で測定した。ここで検知された融解吸熱ピーク温度を融点とした。
(7)無機粒子のフィルム中の含有量(重量%)
無機粒子のフィルム中の含有量は加工前の原料樹脂組成物中の添加量から計算した。
なお、フィルム成形したあとでも、デカンを溶媒として、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレンが完全に溶解する温度でフィルムを溶解させ、フィルターのろ過精度2μmのフィルターで残留物をろ過するなどの方法で無機粒子を分離し、測定することも可能である。
(8)フィルター昇圧(製膜加工性)
シール層に使用する樹脂組成物をろ過精度120μmのナスロン焼結フィルターに230℃の樹脂温でトラウトン試験機を使用し、ろ過面積81π平方ミリに1kg/時間の吐出量で5時間放流した場合の昇圧量(ΔMPa)を基準(△)として、それぞれ下記◎、○、△、×に分類した。
◎:昇圧量が比較例1の90%以下である。
○:昇圧量が比較例1の95%以下である。
△:昇圧量が比較例1と同等である。
×:昇圧量が比較例1より高い。
(9)リップ汚れ(製膜加工性)
シール層に使用する樹脂組成物を5時間押出機でストランドダイを利用し230℃で押出した場合のリップの汚れを目視で観察し、それを基準(△)として下記◎、○、△、×に分類した。
◎:ほとんどリップ汚れが確認出来ない。
○:リップ汚れがわずかにみられる。
△:リップ汚れが明らかに確認できる。
×:リップ汚れが成長しストランドに筋状のくぼみが生じた。
(10)最大突起高さ
三次元表面粗さSRaは接触式表面粗さ(小坂研究所製・型式ET4000A)を用い、3cm×3cm四方のフィルム片から任意に測定面1mm×0.2mmの個所の表面粗さを測定し最大山高さRzを求めた。上記方法で測定したRzをn=3で測定し平均値を求めた。
(11)15μm以上の突起数(個/0.2mm
15μm以上の突起数は接触式表面粗さ(小坂研究所製・型式ET4000A)を用い、3cm×3cm四方のフィルム片から任意に測定面1mm×0.2mmの個所の表面粗さを測定し最大山高さRzが15μm以上の突起をマーキングし求めた。Rzが15μm以上に相当する突起数カウントしn=3測定値の平均から求めた。
(12)ヒートシール開始温度(℃)
ナイロンフィルム(東洋紡製二軸延伸ナイロンフィルム:N1100、15μm)のコロナ面に東洋モートン製ドライラミネート用接着剤(TM569、CAT-10L)を固形分が3g/mになるように塗布し80℃のオーブンで溶剤を揮発除去した後、ポリエチレン系樹脂フィルムのコロナ面と接着剤の塗布面とを60℃の温調ロール上でニップしラミネートした。ラミネートした積層フィルムは40℃で2日間エージングした。作成した積層サンプルにシール圧力0.1MPa、シール時間0.5秒、シール温度を90~160℃で10℃ピッチで10mm幅のヒートシールを行った。
ヒートシールしたサンプルをヒートシール幅が15mmになるように短冊状にカットしてオートグラフ(島津製作所製 形式:UA-3122)にセットして200mm/分の速度でシール面を剥離した強度の最大値をn数3で測定し、各温度でのヒートシール強度とヒートシール温度をプロットした。各プロット間を直線で結んだグラフから4.9N/15mmとなるヒートシール温度を読み取りヒートシール開始温度とした。
(13)到達ヒートシール強度(N/15mm)
ナイロンフィルム(東洋紡製二軸延伸ナイロンフィルム:N1100、15μm)のコロナ面に東洋モートン製ドライラミネート用接着剤(TM569、CAT-10L)を固形分が3g/mになるように塗布し80℃のオーブンで溶剤を揮発除去した後、ポリエチレン系樹脂フィルムのコロナ面と接着剤の塗布面とを60℃の温調ロール上でニップしラミネートした。ラミネートした積層フィルムは40℃で2日間エージングした。作成した積層サンプルにシール圧力0.1MPa、シール時間0.5秒、シール温度を120~190℃で10℃ピッチで10mm幅のヒートシールを行った。
ヒートシールしたサンプルをヒートシール幅が15mmになるように短冊状にカットしてオートグラフ(島津製作所製 形式:UA-3122)にセットして200mm/分の速度でシール面を剥離した強度の最大値をn数3で測定し、最も平均値の高いヒートシール強度を到達シール強度とした。
(14)ブロッキング強度
ナイロンフィルム(東洋紡製二軸延伸ナイロンフィルム:N1100、15μm)との積層フィルムを下記のようにして作成した。
ナイロンフィルムのコロナ面に東洋モートン製ドライラミネート用接着剤(TM569、CAT-10L)を固形分が3g/mになるように塗布し80℃のオーブンで溶剤を揮発除去した後、ポリエチレン系樹脂フィルムのコロナ面と接着剤の塗布面とを60℃の温調ロール上でニップしラミネートした。ラミネートした積層フィルムは40℃で2日間エージングした。
測定面同士を重ね合わせたサンプル(10cm×15cm)を、ヒートプレス(テスター産業社製、形式:SA-303)において、サンプル幅(10cm)の中央で長さ方向(15cm)の内側1cmの位置に大きさ7cm×7cmのアルミ板(2mm厚)の端を合わせるように乗せ、温度50℃、圧力440kgf/cm、時間15分の加圧処理を行う。
この加圧処理でブロッキングしたサンプルとバー(径6mm 材質:アルミ)をオートグラフ(島津製作所製 形式:UA-3122)へ装着し、バーが速度(100m/分)でブロッキング部を剥離する時の力を測定した。
この場合、バーと剥離面は水平であることが前提である。同一サンプルにつき4回の測定をして平均値で表示した。
(15)静止摩擦係数 ナイロンフィルム(東洋紡製二軸延伸ナイロンフィルム:N1100、15μm)との積層フィルムを下記のようにして作成した。
ナイロンフィルムのコロナ面に東洋モートン製ドライラミネート用接着剤(TM569、CAT-10L)を固形分が3g/mなるように塗布し80℃のオーブンで溶剤を揮発除去した後、ポリエチレン系樹脂フィルムのコロナ面と接着剤の塗布面とを60℃の温調ロール上でニップしラミネートした。ラミネートした積層フィルムは40℃で2日間エージングした。作成した積層フィルムのポリエチレン系樹脂フィルム面同士の静止摩擦係数をJIS-K7125に準拠し、23℃65%RH環境下で測定した。
(16)ヘイズ
ポリエチレン系樹脂フィルムのみを(株)東洋精機製作所社製の直読ヘイズメーターを使用し、JIS-K7105に準拠し測定した。
ヘイズ(%)=〔Td(拡散透過率%)/Tt(全光線透過率%)〕x 100
(17)チラツキ感
ポリエチレン系樹脂フィルムのみを目視で観察し、チラツキ感を下記◎、○、△、×に分類した。
◎:ほとんど輝点を感じない。
○:細かい輝点はあるが均一で特に気にならない。
△:部分的に輝点があり異物感を感じる。
×:全面に輝点があり透明性が損なわれる。
(18)耐スクラッチ性
ナイロンフィルム(東洋紡製二軸延伸ナイロンフィルム:N1100、15μm)との積層フィルムを下記のようにして作成した。
ナイロンフィルムのコロナ面に東洋モートン製ドライラミネート用接着剤(TM569、CAT-10L)を固形分が3g/mになるように塗布し80℃のオーブンで溶剤を揮発除去した後、ポリエチレン系樹脂フィルムのコロナ面と接着剤の塗布面とを60℃の温調ロール上でニップしラミネートした。ラミネートした積層フィルムは40℃で2日間エージングした。作成した積層フィルムのポリエチレン系樹脂フィルム面同士が重なるように指でつまんで10回こすり、目視で観察し、傷のつきやすさを下記◎、○、△、×で分類した。
◎:傷がほとんどつかない。
○:細いスジ状の傷がつくが白化はしない。
△:細いスジ状の密集と部分的に白化が見られる。
×:こすった箇所がほぼ白化する。
次に、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
実施例及び比較例では下記の原料を使用した。
(ポリエチレン系樹脂)
(1)0540F(メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、宇部丸善ポリエチレン(株)社製、密度904kg/m、MFR4.0g/10min、融点111℃)
(2)FV402(メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、住友化学(株)社製、密度913kg/m、MFR3.8g/10min、融点115℃)
(3)FV405(メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、住友化学(株)社製、密度923kg/m、MFR3.8g/10min、融点118℃)
(4)FV407(メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、住友化学(株)社製、密度930kg/m、MFR3.2gg/10min/10min、融点124℃)
(5)3540F(メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、宇部丸善ポリエチレン(株)社製、密度931kg/m、MFR4.0g/10min、融点123℃)
(6)4540F(メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、宇部丸善ポリエチレン(株)社製、密度944kg/m、MFR4.0g/10min、融点128℃)
(7)リュブマーLS3000(高分子量ポリエチレン、三井化学(株)社製、密度969kg/m、MFR14g/10min、熱変形温度(4.6Kg/cm)80℃)
(ポリエチレン系樹脂からなる粒子)
(1)ミペロンXM220(超高分子量ポリエチレン粒子、三井化学(株)社製、密度940kg/m、融点136℃、粘度平均分子量200万、ショア硬度65D、体積平均粒径30μm、30μmを超える粒径の重量割合55%)
(2)ミペロンPM220改良品(超高分子量ポリエチレン粒子、三井化学(株)社製、密度940kg/m、融点135℃、粘度平均分子量180万、ショア硬度65D、体積平均粒径10μm、25μmを超える粒径の重量割合1%以下)
(無機粒子)
(1)KMP-130-10(球状シリカ粒子、信越シリコン社製、平均粒径10μm)(2)ダイカライトWF(珪藻土、Grefco.Inc.,製、ピンミル粉砕機で平均粒径5μmに加工して使用)
(有機滑剤)
(1)エチレンビスオレイン酸アミド(住友化学製エチレンビスオレイン酸アミド2%マスターバッチEMB11を使用した)
(2)エルカ酸アミド(住友化学製エルカ酸アミド4%マスターバッチEMB10を使用た)
(実施例1~5)
表1に示す樹脂、添加剤をシール層、ラミネート層、中間層用の原料として使用し、それぞれ3つの押し出し機を用いて、それぞれ240℃で溶融し、ろ過精度120μmの焼結フィルターでろ過した後、Tダイからシート状に共押し出しし、シール層、中間層、ラミネート層の厚み比率が1:3:1になるように溶融押出し、30℃の冷却ロールで冷却固化した後、得られたシートのラミネート層表面にコロナ放電処理を施した後、速度150m/分でロール状に巻取り、厚み50μm、ラミネート層表面の濡れ張力が45N/mのポリエチレン系樹脂フィルムを得た。
実施例1~5で得られたポリエチレン系樹脂フィルムは、ヒートシール性に優れ、耐ブロッキング性と摩擦係数は測定サンプル間の測定値の変動が小さく、安定した耐ブロッキング性及び滑り性を有し、しかも外観と耐スクラッチ性も優れるものであった。しかも製膜加工性にも優れるものであった。
(比較例1~6)
表2に示す樹脂、添加剤をシール層、ラミネート層、中間層用の原料として使用し、それぞれ3つの押し出し機を用いて、それぞれ240℃で溶融し、ろ過精度120μmの焼結フィルターでろ過した後、Tダイからシート状に共押し出しし、シール層、中間層、ラミネート層の厚み比率が1:3:1になるように溶融押出し、30℃の冷却ロールで冷却固化した後、得られたシートのラミネート層表面にコロナ放電処理を施した後、速度150m/分でロール状に巻取り、厚み50μm、ラミネート層表面の濡れ張力が45N/mのポリエチレン系樹脂フィルムを得た。
比較例1で得られたフィルムは耐ブロッキング性と滑り性は優れていたもの、若干チラツキ感があり、耐スクラッチ性や製膜加工性が劣るものであった。
(比較例2で得られたフィルムは耐ブロッキング性と滑り性は優れていたものの、チラツキ感があり、外観に劣るものであった。
比較例3で得られたフィルムは耐ブロッキング性と透明性は優れていたものの、チラツキ感があり、外観が著しく劣るものであった。
比較例4で得られたフィルムは表面に溶融ムラが発生し、チラツキ感もあり、外観が著しく劣るものであった。また、耐ブロッキング性、滑り性、耐スクラッチ性も劣るものであった。
比較例5で得られたフィルムは耐ブロッキング性と摩擦係数は測定サンプル間の測定値の変動が大きく、安定するものではなかった。ポリエチレン系樹脂からなる粒子の粒径が安定せず変化していることが理由と推定している。
比較例6で得られたフィルムは耐ブロッキング性は優れていたもののチラツキ感があり、外観が劣るものであった。また、耐スクラッチ性や製膜加工性が劣るものであった。
結果を表1、表2に示す。
Figure 0007200943000001
Figure 0007200943000002
以上、本発明のポリエチレン系樹脂フィルムについて、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明記載のポリエチレン系樹脂フィルムは、その特性に優れるため食品包装用等、広範囲な用途のフィルムに好適に使用できる。

Claims (9)

  1. ポリエチレン系樹脂からなる粒子(但し、架橋させた粒子を除く)と、密度が900~935kg/m あるポリエチレン系樹脂を含有し、無機粒子及び有機架橋粒子を実質的に含有しないポリエチレン系樹脂組成物からなり、少なくとも片側の表面の最大山高さが2μm以上、15μm以下であり、
    ポリエチレン系樹脂からなる前記粒子の粘度平均分子量が150万~250万であり、ポリエチレン系樹脂からなる前記粒子はフィルム全体に対して0.1~2重量%であることを特徴とするポリエチレン系樹脂フィルム。
  2. ポリエチレン系樹脂からなる粒子(但し、架橋させた粒子を除く)と、ポリエチレン系樹脂を含有し、無機粒子及び有機架橋粒子を実質的に含有せず、密度が900~935kg/m あるポリエチレン系樹脂組成物からなる層を少なくとも片側に有し、かつその層の表面の最大の最大山高さが2μm以上、15μm以下であり、
    ポリエチレン系樹脂からなる前記粒子は架橋されておらず、ポリエチレン系樹脂からなる前記粒子の粘度平均分子量が150万~250万であり、ポリエチレン系樹脂からなる前記粒子はフィルム全体に対して0.1~2重量%であることを特徴とするポリエチレン系樹脂フィルム。
  3. ポリエチレン系からなる粒子のDSCによる融点ピーク温度が150℃以下である請求項1又は2に記載のポリエチレン系樹脂フィルム。
  4. エルカ酸アミド及び又はエチレンビスオレイン酸アミドを含む請求項1~3のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂フィルム。
  5. 前記最大山高さが2μm以上、15μm以下である表面層同士のブロッキング値が200mN/70mm以下である請求項1~4のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂フィルム。
  6. ポリエチレン系樹脂からなる粒子の体積平均粒子径が2~20μmである請求項1~5のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂フィルム。
  7. ポリエチレン系樹脂からなる粒子における粒径が25μm以上の粒子の重量割合が1%未満である請求項1~6のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂フィルム。
  8. 請求項1~のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂フィルムとその他のフィルムを含む積層体。
  9. 請求項に記載の積層体を含む包装袋。
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