JP2024050552A - ポリエチレン系樹脂多層フィルム、及びそれらを用いた蒸着フィルム、積層体、包装体 - Google Patents

ポリエチレン系樹脂多層フィルム、及びそれらを用いた蒸着フィルム、積層体、包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】長尺化、広幅化したポリエチレン系樹脂フィルムに大型蒸着機を用いて蒸着加工を施した場合であっても、蒸着フィルムの全長、全幅に渡って優れたガスバリア性を有するポリエチレン系樹脂多層フィルムを提供する。【解決手段】ポリエチレン系樹脂組成物からなるラミネート層とシール層とを少なくとも有し、前記シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物が下記1)~3)を満足し、かつ前記シール層表面が下記4)及び5)を満足するポリエチレン系樹脂多層フィルム。1)密度が900kg/m3以上935kg/m3以下である。2)ポリエチレン系樹脂からなる粒子を含む。3)有機系潤滑剤の含有量が0.05重量%以下である。4)三次元表面粗さSRaが0.05~0.2μmである。5)最大山高さSRmaxが2~8μmである。【選択図】なし

Description

本発明はポリエチレン系樹脂多層フィルム及び前記ポリエチレン系樹脂多層フィルムに蒸着層が蒸着された蒸着フィルム、並びにそれらからなる積層体、包装体に関する。
ポリエチレン系樹脂フィルムに蒸着層を設けた蒸着フィルムは食品包装、衣料包装などの包装材料、金銀糸、ラベル、ステッカー、反射シート等に広く利用されており、これまでにも蒸着用の基材として、ポリエチレン系樹脂多層フィルムがいくつか提案されている。
例えば、特許文献1には有機系潤滑剤を添加せず、粒径が2~5μmの無機系アンチブロッキング剤を使用することで滑り性を向上させているが、アンチブロッキング剤としてゼオライトを含む長尺フィルムに蒸着加工を施したフィルムを巻き取ってフィルムロールとしたときに蒸着フィルムのガスバリア性が低下しやすい。
昨今では蒸着機も大型化が進んでいるが、長尺化、広幅化したポリエチレン系樹脂フィルムに大型蒸着機を用いて蒸着加工を施す際に、冷却ドラムへの密着性を上げる為に張力を上げると、蒸着フィルムを巻き取ったフィルムロールは偏肉によって巻きが硬くなったりした箇所や、フィルムロールの巻芯部で巻きが硬くなったりしやすいため、ガスバリア性が低下しやすい。
特開2001-225409号公報
長尺化、広幅化したポリエチレン系樹脂フィルムに大型蒸着機を用いて蒸着加工を施した場合であっても、蒸着フィルムの全長、全幅に渡って優れたガスバリア性を有するポリエチレン系樹脂多層フィルムを提供することを課題として掲げる。また、上記ポリエチレン系樹脂多層フィルムを用いた蒸着フィルムを提供することを課題として掲げる。
本発明者らは鋭意検討した結果、密度が特定の範囲のポリエチレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる粒子を含有するポリエチレン系樹脂組成物からなるシール層の表面の突起高さ及び有機系潤滑剤含有量を制御することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を解決するに至った。
すなわち本発明は、ラミネート層とシール層とを少なくとも有し、前記シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物が下記1~3)を満足し、かつ前記シール層表面が下記4)及び5)を満足するポリエチレン系樹脂多層フィルムである。
1)密度が900kg/m以上935kg/m以下であるポリエチレン系樹脂を含む。
2)ポリエチレン系樹脂からなる粒子を含む。
3)有機系潤滑剤の含有量が0.05重量%以下である。
4)三次元表面粗さSRaが0.05~0.2μmである。
5)最大山高さSRmaxが2~8μmである。
また、別の態様は、ラミネート層とシール層とを少なくとも有し、前記シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物が下記1~3)を満足し、かつ前記シール層表面が下記4)及び5)を満足するポリエチレン系樹脂多層フィルムである。
1)密度が900kg/m以上935kg/m以下である。
2)ポリエチレン系樹脂からなる粒子を含む。
3)有機系潤滑剤の含有量が0.05重量%以下である。
4)三次元表面粗さSRaが0.05~0.2μmである。
5)最大山高さSRmaxが2~8μmである。
この場合において、上記シール層に用いられるポリエチレン系樹脂からなる粒子の粘度平均分子量が150万以上であることが好ましい。
また、この場合において、上記シール層中のポリエチレン系樹脂からなる粒子の平均粒径が5~20μmであることが好ましい。
さらにまた、この場合において、上記シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物中のポリエチレン系樹脂からなる粒子の含有量は0.4~2.0重量%であることが好ましい。
さらにまた、この場合において、前記ポリエチレン系樹脂からなる粒子の樹脂硬度がD70以下であることが好ましい。
さらにまた、この場合において、上記ラミネート層を構成するポリエチレン系樹脂組成物の密度が上記シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物の密度よりも高いことが好ましい。
さらにまた、この場合において、前記シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物中の有機系潤滑剤の含有率が0.02重量%以下であることが好ましい。
さらにまた、この場合において、前記シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物中の無機粒子の含有率が0.4重量%以下であることが好ましい。
さらにまた、本発明はポリエチレン系樹脂多層フィルム又はそのラミネート層表面に蒸着層が蒸着された蒸着フィルムと、熱可塑性樹脂組成物からなる基材フィルムを有する積層体、及びその積層体からなる包装体も包含する。
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムは、大型蒸着機を用いて高速で蒸着加工した場合であっても、得られた蒸着フィルムの全長、全幅に渡って優れたガスバリア性を有する。しかも、蒸着前のフィルムの取り扱い性や蒸着加工性にも優れる。
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムは、ポリエチレン系樹脂組成物からなるシール層とポリエチレン系樹脂組成物からなるラミネート層を有し、かつ前記シール層及び前記ラミネート層の間に介在する中間層を必要により有する。
(ポリエチレン系樹脂組成物からなるシール層)
本発明におけるシール層のポリエチレン系樹脂組成物はポリエチレン系樹脂を主に含有し、ポリエチレン系樹脂からなる粒子も含有する。ポリエチレン系樹脂組成物はポリエチレン系樹脂を50重量%以上含有することが好ましく、70重量%含有することがより好ましく、90重量%以上含有することがさらに好ましい。
(ポリエチレン系樹脂)
本発明におけるポリエチレン系樹脂にはエチレン単量体の単独重合体、またはエチレン単量体とα-オレフィンとの共重合体、並びにこれらの混合物のいずれかであり、α-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1、デセン-1等を例示することができる。
ポリエチレン系樹脂の密度範囲は900~935kg/mが好ましく、910~933kg/mがより好ましく、910~930kg/mがさらに好ましく、915~928kg/mが特に好ましく、915~925kg/mが特に好ましい。密度が900kg/mより小さいポリエチレン系樹脂は、耐ブロッキングが低下しやすい。
密度が935kg/m以下のポリエチレン系樹脂は、ヒートシール開始温度が高くなりすぎず、製袋加工が容易であり、透明性にも優れる。
さらに重要なことは、密度が935kg/m以下のポリエチレン系樹脂を使用した場合、ポリエチレン系樹脂からなる粒子によってシール層表面の三次元表面粗さSRaを0.05μm以上、最大山高さSRmaxを2μm上とするのが容易になり、滑り性と耐ブロッキング性を得やすくなるため、蒸着加工時にシワやコブが発生しにくいため、蒸着加工性に優れたフィルムとなることを本発明者らは見出した。 特に耐ブロッキング性は4回測定のそれぞれの測定値で変動しにくく、安定したものとなる。
また、密度が900kg/m以上のポリエチレン系樹脂を使用した場合は、ポリエチレン系樹脂からなる粒子の含有量の制御も行うことにより、シール層表面の三次元表面粗さSRaを0.2μm以下、最大山高さSRmaxを8μm以下にしやすいく、ガスバリア性を高めやすい。
ポリエチレン系樹脂としては、製膜性等の点から、メルトフローレート(以下、MFRと記すことがある。)は2.5~4.5g/分程度が好ましい。ここでMFRは、ASTM D1893-67に準拠して測定した。又該ポリエチレン系樹脂は、自体既知の方法で合成される。
ポリエチレン系樹脂のMFRが2.5g/10分以下のような低い樹脂を使用する場合は、耐ブロッキング性が悪化したり、ヒートシール開始温度が高くなる傾向が認められる為、押出条件には注意が必要である。大型のTダイの製膜機で高速製膜する場合はMFRは3~4g/10分程度が製膜性の為には特に好ましい。
ポリエチレン系樹脂としては、耐熱性等の点から、融点は85℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、特に110℃以上が好ましい。
ポリエチレン系樹脂は単一系であってもよいが、上記密度範囲の密度が異なるポリエチレン樹脂を2種以上配合することもでる。密度が異なるポリエチレン系樹脂を2種以上配合した場合、GPC測定や密度測定によりその平均密度、配合比を推測することができる。さらに下記で説明するポリエチレン系樹脂からなる粒子を配合することができる。
シール層に用いられるポリエチレン系樹脂としては、市販品を用いることも可能であり、例えば、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FC、0540F、3540FC、住友化学社製スミカセン(登録商標)E FV402、E FV405などが挙げられる。
(ポリエチレン系樹脂からなる粒子)
シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物にポリエチレン系樹脂からなる粒子を含むが、ポリエチレン系樹脂からなる粒子の平均粒子径の制御が可能になり、特定の密度のポリエチレン系樹脂と併用することで少なくとも片側の表面層のシール層表面の三次元表面粗さSRaが0.05~0.2μm、最大山高さSRmaxが2~8μmとすることができる。
その理由は、ポリエチレン系樹脂からなる粒子とポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂との分子量の差が非常大きいことから、これらを溶融混合しても、両者の分子が混ざり合わず、溶融混合し、押出して得たフィルム中においてもポリエチレン系樹脂からなる粒子の形状を維持することが容易で、またポリエチレン系樹脂からなる粒子同士の融着や接着等による凝集も起こりにくいため、シール層表面に無機粒子と同様に、その粒径に見合った突起をシール層表面に形成することができると推定している。
この場合ポリエチレン系樹脂からなる粒子はその粘度平均分子量が150万以上であることが好ましく、160万以上であることがより好ましく、170万以上がさらに好ましい。また、250万以下が好ましく、240万以下であることがより好ましく、230万以下であることがさらに好ましい。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子の粘度平均分子量が150万以上であると、溶融混合時の温度が融点ピークより高くても、熱やせん断による分解または融着凝集やベース樹脂との部分的な相溶による粒経形状の変化が発生しにくい為、無機粒子や有機架橋樹脂粒子を使用したときと同様にフィルム表面に突起を形成しやすくなり、アンチブロッキング剤としての機能が発揮されるだけでなく、透明性などの外観、フィルムの機械的強度、あるいはヒートシール性に影響が少ない。
さらに、これも驚くべきことであるが、粘度平均分子量が150万以上のポリエチレン系樹脂からなる粒子はポリエチレン系樹脂中では凝集しにくいという性質があるにもかかわらず、フィルム表面付近のポリエチレン系樹脂から脱落しにくいという、無機粒子や有機架橋樹脂粒子にはない特徴をもつことがわかった。
また、ポリエチレン系樹脂からなる粒子の粘度平均分子量が150万以上になると、ポリエチレン系樹脂からなる粒子自体に自己潤滑性が発生することにより従来の無機粒子よりも滑り性が向上しやすい。
粘度平均分子量が150万~250万であると、平均粒径を5~20μmとすることが容易になり、シール層原料を溶融混合し、押出ししフィルムを形成する時に、適したフィルム表面突起を形成するのが容易になる傾向がある。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子は、5~20μmの範囲の粒子径であれば無機粒子よりも柔らかく、蒸着フィルムがロールに巻き取られ、ラミネート層側に設けられた蒸着層に強く接触した場合でも、突起は蒸着層を簡単には貫通しなくなる。そのため、大きい突起に蒸着層が押し延ばされた部分にわずかに蒸着層の割れが生じることはあるが、上記突起により蒸着層に窪みができたとしても、上記割れが生じた箇所以外では蒸着層は残存し易い。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子の樹脂硬度はD70以下であることが好ましい。硬度が70以下であるとより蒸着層に欠損が生じにくくなり、ガスバリア性が低下しにくい。硬度はD68以下がより好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂からなる粒子の硬度がD60以上であると滑り性が向上し、蒸着時の熱を受けても滑り性が悪化しにくい。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子は、エチレン単量体の単独重合体、またはエチレン単量体とα-オレフィンとの共重合体、並びにこれらの混合物であり、α-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1、デセン-1等を例示することができる。
本発明における、ポリエチレン系樹脂からなる粒子の密度範囲は930~950kg/mが好ましく、935~945kg/mがより好ましく、937~942kg/mがさらに好ましい。密度が930kg/mより小さいポリエチレン樹脂からなる粒子は、粒子が軟らかく、且つ溶融押出時に粒子の形状維持がしにくく耐ブロッキング性が低下しやすい。また、密度が950kg/mより大きいポリエチレン樹脂からなる粒子は、粒子が硬く耐スクラッチ性が低下しやすくなるだけでなくベースとなるポリエチレン樹脂との親和性が下がる為、耐脱落性が低下する可能性がある。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子の平均粒子径は5μm以上が好ましく、6μm以上がより好ましく、7μm以上がさらに好ましい。また平均粒径が20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、14μm以下がさらに好ましく、13μm以下が特に好ましい。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子の平均粒径を5μm以上とすることによって、滑り性、耐ブロッキング性を向上させることができる。
また、平均粒径が20μm以下であると、三次元表面粗さSRaと最大突起高さSRmaxが大きくなりすぎず、しかも同じ重量のポリエチレン系樹脂からなる粒子を添加した場合で比較すると、突起数が増えることから、蒸着加工に十分な滑り性を得やすい。
さらにポリエチレン系樹脂からなる粒子はタルク、炭酸カルシウムなどの比較的軟らかい無機粒子よりも押出の練りによる破砕や凝集が起こりにくいため、その粒径が変わりにくく、押出前後での平均粒径の制御がしやすい。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子の平均粒径を5~20μmの範囲にすることで粗大粒子による突起がほぼなくなり、さらにフィルム表面の突起自体の硬度が無機粒子に比較して低い為、他方の面(ラミネート層)に設けられた蒸着層の割れなどの欠陥が抑制され、よりガスバリア性の低下が抑制される。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子は粒径が30μm以上の粒子の割合が10%以下であるのが好ましく、粒径が30μm以上の粒子を含まないことがより好ましい。そうすることで、シール層表面の最大山高さを8μm以下としやすい。
シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物中のポリエチレン系樹脂からなる粒子の添加量としては、シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物に対して0.4重量%以上であるのが好ましく、0.5重量%以上がより好ましく、0.6重量%以上がさらに好ましい。また、2重量%以下が好ましく、1.5重量%以下がより好ましく、1.0重量%以下がさらに好ましい。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子の含有量が0.4重量%以上であると粒子数が少なくなりやすく、シール層表面の最大山高さを指定面積(0.2mm)辺り2μm以上としやすく、耐ブロッキング性や滑り性が得られやすい。また、ポリエチレン系樹脂からなる粒子の含有量が2重量%以下であるとシール層表面の突起が多くなすぎず、透明性と低温シール性が優れやすい。また押出のスクリュー負荷が小さくなり高速製膜性に優れる。
シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物における有機系潤滑剤の含有率は0.05重量%以下であることが好ましい。有機系潤滑剤の含有率が0.05重量%以下であると、ラミネート層上に設けた蒸着層との密着性が経時によって低下しにくい。
有機系潤滑剤は、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等の不飽和脂肪酸アミドや高分子ワックスが挙げられる。
また、シール層において、有機系潤滑剤の含有率は0.03重量%以下であることがより好ましく、0.02重量%以下であることがさらに好ましく、0.01重量%以下であることが特に好ましく、滑り性が確保出来れば0重量%(すなわち、シール層には有機系潤滑剤が含有されていない。)であることが最も好ましい。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外に、滑り性を向上させる目的で無機粒子を併用しても良い。併用しても良い無機粒子としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、珪藻土などが挙げられ、モース硬度が低いものほど好ましく、モース硬度3以下が特に好ましい。
併用する無機粒子の平均粒径はポリエチレン系樹脂からなる粒子よりも小さく、且つ2~10μmであることが滑り性、ガスバリア性から特に好ましく、3~6μmがさらに好ましい。この場合無機粒子はポリエチレン系樹脂からなる粒子より安価に入手が可能であり、粒子径が小さいことにより、ポリエチレン系樹脂からなる粒子よりも蒸着層と接触距離が少なくなり、蒸着層の傷つきを抑制しながら、滑り性を向上することが可能である。
無機粒子のシール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物中の含有量は、蒸着層を設けた後のガスバリア性の観点から0.5重量%以下が好ましく、0.4重量%以下がより好ましく、0.3重量%以下がさらに好ましく、0.2重量%以下が特に好ましく、0重量%(すなわち、シール層には無機粒子が含有されていない。)であることが最も好ましい。
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムにおいては、シール層に有機架橋樹脂粒子を含有する場合は、蒸着後のガスバリア性の低下抑制、耐スクラッチ性、ダイスリップのメヤニ防止や粒子が脱落しないといったポリエチレン樹脂からなる粒子の添加の効果を妨げない範囲で含有するのが好ましい。ここでいう架橋有機粒子とはポリメチルアクリレート樹脂等に代表される有機架橋粒子であり、本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルム全体における架橋有機粒子の量の割合が0.2重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以下であることがより好ましく、0重量%(すなわち、シール層には有機架橋樹脂粒子が含有しない。)のがさらにも好ましい。
(ポリエチレン系樹脂組成物)
シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物の密度範囲は900~935kg/mが好ましく、910~933kg/mがより好ましく、910~930kg/mがさらに好ましく、915~928kg/mが特に好ましく、915~925kg/mが特に好ましい。密度が900kg/mより小さいポリエチレン系樹脂は、耐ブロッキングが低下しやすい。
密度が935kg/m以下のポリエチレン系樹脂組成物は、ヒートシール開始温度が高くなく、製袋加工が容易であり、透明性にも優れる。さらに重要なことは、密度が940kg/m以下のポリエチレン系樹脂を使用した場合、ポリエチレン系樹脂多層フィルムの安定した耐ブロッキング性あるいは安定した滑り性が得やすく、蒸着加工時にシワやコブが発生しにくい蒸着加工性に優れたフィルムとなる。
ポリエチレン系樹脂組成物としては、製膜性等の点から、メルトフローレート(以下、MFRと記すことがある。)は2.5~4.5g/分程度が好ましい。ここでMFRは、ASTM D1893-67に準拠して測定した。又該ポリエチレン系樹脂は、自体既知の方法で合成される。
(ラミネート層)
ラミネート層を構成するポリエチレン系樹脂組成物にはエチレン単量体の単独重合体、またはエチレン単量体とα-オレフィンとの共重合体、並びにこれらの混合物であり、α-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1、デセン-1等を使用することができる。
一方、ラミネート層に用いられるポリエチレン系樹脂の密度はシール層と異なる範囲から選択でき、具体的には910~950kg/mであることが好ましく、低分子量成分のブリードアウトを少なくする観点からは920~950kg/mであることがより好ましく、925~940kg/mであることがさらに好ましく、930~935kg/mであることが特に好ましい。密度が上記範囲外である場合、蒸着層の金属光沢性(以下、単に光沢性という)が低下したり、フィルムにカールが生じたりするおそれがある。また、ラミネート層に用いられるポリエチレンの密度はシール層に用いられるポリエチレンの密度よりも高いことが好ましく、ラミネート層に用いられるポリエチレンの密度はシール層に用いられるポリエチレンの密度よりも10kg/m以上高いことがより好ましい。
ラミネート層に用いられるポリエチレン系樹脂は、メルトフローレート(MFR)が1~10g/10minであることが好ましく、2~8g/10minであることがより好ましく、3.5~6g/10minであることがさらに好ましい。MFRが1g/10min未満であると、フィルム作製時における樹脂の押出性が悪く、製膜性が劣るおそれがある。また、MFRが10g/10minを超えると、フィルムの耐ブロッキング性が低下するおそれがある。
ラミネート層に用いられるポリエチレン系樹脂の融点は、110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。融点が110℃未満であると蒸着層を形成する際にラミネート層表面が軟化し、蒸着層の光沢性が低下するおそれがある。ポリエチレン系樹脂の融点の上限は特に限定されないが、例えば140℃以下であり、好ましくは130℃以下である。融点が140℃以下であるとフィルムの製膜性に優れる。なお、融点ピークが2つ以上ある場合は、最も高い温度を融点とする。
ラミネート層で用いられるポリエチレン系樹脂は、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレン(メタロセン触媒系ポリエチレン)であることが好ましい。メタロセン触媒系ポリエチレンは、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されたポリエチレンなどの他の製造方法で作製されたポリエチレンと比べて分子量分布が狭いため、低分子量成分のブリードアウトを少なくすることができる。なお、ポリエチレン系樹脂の定義はシール層と同じである。
ラミネート層を構成するポリエチレン系樹脂組成物におけるポリエチレン系樹脂からなる粒子及び無機粒子の含有率は、それぞれ0.1重量%以下であることが好ましい。ポリエチレン系樹脂からなる粒子及び無機粒子の含有率が0.1重量%以下であると、ラミネート層表面は平坦となりやすく、この上に設けた蒸着層が緻密な構造となり、酸素透過率・水蒸気透過率が小さくなりやすい。また、ラミネート層を構成するポリエチレン系樹脂組成物におけるポリエチレン系樹脂からなる粒子及び無機粒子の含有率はそれぞれ0.05重量%以下であることがより好ましく、蒸着層を設けた後のガスバリア性からは0重量%であることがさらに好ましい。
粒子の具体例は、シール層で述べたものと同様のポリエチレン系樹脂、無機粒子が挙げられる。
ラミネート層を構成するポリエチレン系樹脂組成物に架橋有機粒子を含有する場合は、蒸着後のガスバリア性の低下抑制、耐スクラッチ性、ダイスリップのメヤニ防止や粒子が脱落しないといった効果を妨げない範囲で含有するのが好ましい。ここでいう架橋有機粒子とはポリメチルアクリレート樹脂等に代表される有機架橋粒子であり、架橋有機粒子の含有率が0.1重量%以下であることが好ましく、0.05重量%以下であることがより好ましく、0重量%であるのが最も好ましい。
ラミネート層を構成するポリエチレン系樹脂組成物における有機系潤滑剤の含有率は0.02重量%以下であることが好ましく0重量%がさらに好ましい。有機系潤滑剤の含有率が0.02重量%以下であると、ラミネート層上に設けた蒸着層との密着性が経時によって低下しにくい。有機系潤滑剤は、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等の不飽和脂肪酸アミドや高分子ワックスが挙げられる。
ラミネート層を構成するポリエチレン系樹脂組成物の密度はシール層と異なる範囲から選択でき、具体的には910~950kg/mであることが好ましく、低分子量成分のブリードアウトを少なくする観点からは920~950kg/mであることがより好ましく、925~940kg/mであることがさらに好ましく、930~935kg/mであることが特に好ましい。密度が上記範囲外である場合、蒸着層の金属光沢性(以下、単に光沢性という)が低下したり、フィルムにカールが生じたりするおそれがある。
また、ラミネート層を構成するポリエチレン系樹脂組成物の密度はシール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物の密度よりも高いことが好ましく、ラミネート層を構成するポリエチレン系樹脂組成物の密度はシール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物の密度よりも10kg/m以上高いことがより好ましい。
(中間層)
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムは、ラミネート層とシール層との間に必要により中間層を有してもよく、中間層を1層以上有していることが好ましい。中間層に用いられる樹脂は、特に限定されないが、ポリエチレン系樹脂であることが好ましい。
中間層を構成するポリエチレン系樹脂組成物にはエチレン単量体の単独重合体、またはエチレン単量体とα-オレフィンとの共重合体、並びにこれらの混合物であり、α-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1、デセン-1等を使用することができる。
中間層に用いられるポリエチレン系樹脂の密度は940kg/m以下であることが好ましく、900~940kg/mであることがより好ましく、910~930kg/mであることがさらに好ましい。中間層のポリエチレン系樹脂のMFR、融点などは、シール層と同様の範囲で設定できる。
中間層に用いられるポリエチレン系樹脂は、メルトフローレート(MFR)が1~10g/10minであることが好ましく、2~8g/10minであることがより好ましく、3.5~6g/10minであることがさらに好ましい。MFRが1g/10min未満であると、フィルム作製時における樹脂の押出性が悪く、製膜性が劣るおそれがある。また、MFRが10g/10minを超えると、多層構成での製膜性に劣る場合がある。
中間層に用いられるポリエチレン系樹脂の融点は、110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。融点が110℃未満であると蒸着層を形成する際にラミネート層表面が軟化し、蒸着層の光沢性が低下するおそれがある。ポリエチレン系樹脂の融点の上限は特に限定されないが、例えば140℃以下であり、好ましくは130℃以下である。融点が140℃以下であるとフィルムの製膜性に優れる。なお、融点ピークが2つ以上ある場合は、最も高い温度を融点とする。
また、中間層を構成するポリエチレン系樹脂組成物における有機系潤滑剤及び無機粒子の含有率はそれぞれ0.1重量%未満であることが好ましい。有機系潤滑剤及び無機粒子の具体例は、シール層で述べたものと同様のものが挙げられる。また、中間層において、有機系潤滑剤及び無機粒子の含有率はそれぞれ0.05重量%以下であることがより好ましく、0重量%(中間層には有機系潤滑剤及び無機粒子が含有されていない)であることがさらに好ましい。
中間層を構成するポリエチレン系樹脂組成物の密度は940kg/m以下であることが好ましく、900~940kg/mであることがより好ましく、910~930kg/mであることがさらに好ましい。
(ポリエチレン系樹脂多層フィルム厚み)
ポリエチレン系樹脂多層フィルムの厚みは6~100μmの範囲が好適である。
シール層の厚みとしては3μm以上であることが好ましく、5μm以上がより好ましく、7μm以上が特に好ましい。シール層の厚みが3μm以上であると、滑り性や耐ブロッキング性が安定する為特に好ましい。7μm以上ではポリエチレン系樹脂からなる粒子の効果が十分得られ、耐ブロッキング性や滑り性の効果が有機系潤滑剤を添加しなくても出やすくなる。
シール層の厚みとしては50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がコストの面から特に好ましい。
ラミネート層の厚みとしては3μm以上であることが好ましく、5μm以上がより好ましく、7μm以上が特に好ましい。ラミネート層の厚みが3μm以上であると、耐ブロッキング性、蒸着時の光沢が安定する為特に好ましい。また3μm以上ではラミネート層の平滑性が保たれやすくなり、蒸着層を設けた場合にガスバリア性を発現しやすくなる。
ラミネート層の厚みとしては50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がコストやカールの面から特に好ましい。
(ポリエチレン系樹脂多層フィルムの製膜方法)
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムの製造方法としては、例えば、ポリエチレン系樹脂からなる粒子、及びポリエチレン系樹脂からなる粒子以外の特定の範囲の密度を有するポリエチレン系樹脂混合し、溶融混練する工程、溶融混練したポリエチレン系樹脂組成物を溶融押出しして溶融ポリエチレン系樹脂組成物からなるシール層とする工程、同様に溶融ポリエチレン系樹脂組成物からなるラミネート層とする工程、同様に溶融ポリエチレン系樹脂組成物からなる中間層とする工程、シール層、中間層、ラミネート層を合流させて3層溶融ポリエチレン系樹脂組成物積層シートを押出す工程、3層溶融ポリエチレン系樹脂組成物積層シートを冷却固化する工程を採用するのが好ましい。
(シール層原料混合工程)
ポリエチレン系樹脂からなる粒子と、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂を混合する場合、これらが均一に混合される方法であれば良く、マスターバッチを使用する場合であれば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等を用いて混合する方法等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂からなる粒子を直接添加する場合は添着剤をつけたポリエチレン系樹脂にポリエチレン系樹脂からなる粒子を付着させても良いし、サイドフィードなどで直接押出機に添加しても良い。
ポリエチレン系樹脂からなる粒子を高濃度で、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂と混合してなるマスターバッチ少量を、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂と混合して用いる方法は分散性もよく簡便である。ただし、ポリエチレン系樹脂からなる粒子をマスターバッチを使用せずに、直接直鎖状低密度ポリエチエン、エチレンの単独重合体、またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体と混合する場合でも添加方法によっては分散性が得られる為、コストを下げるためには押出機の入り口で合流するようなサイドフィード方式などによる直接添加するのが好ましい。ラミネート層、中間層も原料を変更して同様に行うことができる。
(シール層原料溶融混練工程)
まず、フィルム原料として、ポリエチレン系樹脂からなる粒子と、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂の水分率が1000ppm未満となるように、必要に応じて乾燥あるいは熱風乾燥する。次いで、各原料を計量、混合して押し出し機に供給し、溶融混練する。
ポリエチレン系樹脂組成物の溶融混合温度の下限は好ましくは200℃であり、より好ましくは210℃であり、さらに好ましくは220℃である。上記未満であると吐出が不安定となることがある。樹脂溶融温度の上限は好ましくは260℃である。上記を越えると樹脂の分解が進行し、再結合した結果として生成した架橋有機物、いわゆるゲルなどの異物の量が多くなってしまう。ポリエチレン系樹脂組成物に上述の酸化防止剤を含有する場合は、より高温での溶融押し出しが可能になるが、270℃以下にするのが好ましい。ラミネート層、中間層も原料を変更して同様に行うことができる。
本発明で使用するポリエチレン系樹脂からなる粒子の融点は150℃程度以下であり、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂と混合し、溶融混練時の温度よりも粒子の融点ははるかに低いにもかかわらず、驚くべきことにポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂に分子レベルで分散することなく、T型ダイスから押し出され、冷却工程を経て得られたポリエチレン系樹脂フィルムには、ポリエチレン系樹脂からなる粒子が、ポリエチレン系樹脂からなる粒子以外のポリエチレン系樹脂に添加前の粒経と形状をほぼ維持したまま存在する。
(シール層ろ過)
溶融混練工程では、溶融したポリエチレン系樹脂組成物中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行うことができる。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材は、特に限定はされないが、ステンレス焼結体の濾材の場合、いわゆるゲルなどの異物に加え、触媒などの添加物に由来するSi、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分とする凝集物の除去性能 に優れ好適である。また、その濾過精度は200μm以下であることが好ましい。ここでいう濾過精度とは、公称濾過精度であり、表示濾過精度以上の大きさの粒子(ここでは200μm以上)を60~98%程度捕捉する性能を意味する。ラミネート層、中間層も原料を変更して同様に行うことができる。
(シール層フィルター昇圧)
ポリエチレン系樹脂組成物を溶融混練する工程中の昇圧量は小さい方が好ましい。ラミネート層、中間層も原料を変更して同様に行うことができる。
昇圧量の測定方法は実施例記載の方法で行った。
(溶融積層工程)
シール層とラミネート層、必要に応じて中間層を積層する具体的な方法として、一般的な多層化装置(多層フィードブロック、スタティックミキサー、多層マルチマニホールドなど)を用いることができる。例えば、二台あるいは三台の押出機を用いて異なる流路から送り出された溶融ポリエチレン系樹脂組成物をフィールドブロックやスタティックミキサー、マルチマニホールドダイ等を用いて2層あるいは3層に積層する方法等を使用することができる。
(溶融押出し工程)
次に、溶融した3層のポリエチレン系樹脂組成物積層シートを、例えばT型ダイスから溶融押出しし、冷却ロール上にキャスティングし、冷却固化して未延伸シートを得る。このための具体的な方法としては、冷却ロール上へキャストすることが好ましい。
本発明で使用するポリエチレン系樹脂からなる粒子はもともと疎水性樹脂である為、溶融混練、押出工程を経てもその粒子の表面の疎水性が変わらず、表面を疎水化処理した無機粒子で見られるT型ダイスのリップでの熱劣化物、いわゆる目ヤニの堆積が極めて発生し難い。
溶融した3層のポリエチレン系樹脂組成物積層シートをTダイ法やインフレーション法で溶融押出ししてフィルムにする方法が挙げられるがポリエチレン系樹脂組成物の溶融温度を高くすることができる点でTダイ法が生産性から特に望ましい。
(リップ汚れ)
Tダイ法により3層のポリエチレン系樹脂組成物積層シートをT型ダイスから溶融押出しする際のT型ダイスのリップ口の汚れは少ない方が好ましい。リップ汚れの測定方法は以下の記載の方法で行った。
(冷却固化工程)
例えば、T型ダイスから溶融押出しした3層のポリエチレン系樹脂組成物積層シートを冷却ロール上にキャスティングし冷却を行うのが好ましい。冷却ロール温度の下限は好ましくは10℃である。10℃であると結晶化抑制の効果が十分であるだけでなく結露などの問題が発生し好ましくない。冷却ロール温度の上限は好ましくは70℃以下である。70℃以下であると結晶化が進みにくく透明性が悪くなりにくい為好ましい。また冷却ロールの温度を上記の範囲とする場合、結露防止のため冷却ロール付近の環境の湿度を下げておくことが好ましい。
キャスティングでは、表面に高温の樹脂が接触するため冷却ロール表面の温度が上昇する。通常、冷却ロールは内部に配管を通して冷却水を流して冷却するが、充分な冷却水量を確保する、配管の配置を工夫する、配管にスラッジが付着しないようメンテナンスを行う、などして、冷却ロール表面の幅方向の温度差を少なくする必要がある。
(ポリエチレン系樹脂多層フィルムの特性)
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムの特徴を以下に説明する。
(三次元表面粗さSRa)
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムのシール層の3次元表面粗さ(SRa)は、0.05μm以上であることが好ましい。SRaが0.05μm以上の場合は滑り性や耐ブロッキング性に優れる。SRaは0.07μm以上であることがより好ましく、0.1μm以上であることが特に好ましい。
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムのシール層の三次元表面粗さ(SRa)は、0.2μm以下であることが好ましい。SRaが0.2μm以下の場合、透明性が低下しにくい。SRaは0.18μm以下であることがより好ましく、0.16μm以下であることが特に好ましい。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
(最大山高さSRmax)
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムのシール層の最大山高さSRmaxが2μm以上であることが好ましい。最大山高さSRmaxが2μm以上であると滑り性と耐ブロッキング性が得られやすい。SRmaxは3μm以上であることがより好ましく、4μm以上であることさらに好ましい。
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムのシール層の最大山高さSRmaxが8μm以下であることが好ましい。最大山高さSRmaxが8μm以下であると、ラミネート層に蒸着層を設けた後、フィルロールに巻き取った後も、ガスガスバリア性が低下しにくく、またチラツキがないなどの外観不良を発生させず好ましい。SRmaxは7μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることがさらに好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
(ブロッキング強度)
本発明の蒸着基材用多層フィルムからなるフィルムロールは、耐ブロッキング性に優れ、しかも滑り性にも優れるため、フィルムを繰り出しやすく、蒸着加工がスムーズに行うことができ得られた蒸着フィルムにシワやコブが生じにくい。
ポリエチレン系樹脂多層フィルムのブロッキング強度の下限は低い程好ましく、最も好ましいのは0mN/20mmであり、ブロッキング強度の上限は好ましくは200mN/20mm以下であり、より好ましくは150mN/20mmであり、さらに好ましくは100mN/20mmである。上記を超えると、繰出し性が悪化することがある。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
(蒸着層)
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムのラミネート層表面に蒸着層を設けるのが、酸素透過率・水蒸気透過率を小さくする上で有効である。蒸着層を設けるには、無機の蒸着材料を蒸着する方法、例えば、連続式またはバッチ式真空蒸着機により、電熱加熱、スパッタリング、イオンプレーティング、イオンビーム等を挙げることができる。このようにして得られる蒸着フィルムの蒸着層の厚みは、接着性、耐久性、経済性の点から500~1200オングストロームの範囲が好ましく、または光学濃度(OD値)で2~4の範囲とするのが好ましい。
蒸着材料は金属であることが好ましい。金属は、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、クロム、チタン、セレン、ゲルマニウム、スズ等を挙げることができ、作業性、光沢性、安全性、コスト等の観点からアルミニウムであることが好ましい。
(蒸着加工性)
蒸着フィルムを用いて特定の巻条件で作製した500m巻のロールの巻き状態を観察したとき、シワ及びコブが発生しないのが好ましく、巻取り中の流れシワの発生もほぼないことが特に好ましい。
(蒸着フィルムの酸素透過度・水蒸気透過度)
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムのラミネート層の表面にガスバリア層を設けた蒸着フィルムがロールに巻き取られたとしても、本発明のシール層表面のポリエチレン系樹脂からなる粒子に起因する突起があるものの、その粒径が制御されており、かつポリエチレン系樹脂からなる粒子の硬度は蒸着層の硬度より低いので、蒸着層に欠損が生じにくく、ガスガスバリア性を維持しやすい。酸素透過度・水蒸気透過度は下記に記載の方法で行う。
酸素透過度は100ml/m・d・MPa以下が好ましく、80ml/m・d・MPa以下がより好ましく、60ml/m・d・MPa以下がさらに好ましく、40ml/m・d・MPa以下が特に好ましい。
水蒸気透過度は1.0g/m・d以下が好ましく、0.5g/m・d以下がより好ましく、0.3g/m・d以下がさらに好ましい。
(蒸着光沢度)
光沢計(日本電色社工業社製VG2000型)を用いて、JIS K5600-4-7に準拠して測定した、蒸着フィルムにおける蒸着層の金属光沢は700%以上が好ましく、1000%以上がより好ましい。
(ヒートシール強度)
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)と、蒸着層を設けたポリエチレン系樹脂多層フィルムをラミネートした積層体の160℃におけるヒートシール強度の下限は好ましくは30N/15mmであり、より好ましくは35N/15mmである。上記未満であると製袋後に袋が破れやすくなることがある。
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)と、蒸着層を設けたポリエチレン系樹脂フィルムをラミネートした積層体の160℃におけるヒートシール強度の上限は好ましくは70N/15mmであり、より好ましくは65N/15mmである。上記を越えると製袋後に袋が開封しにくくなることがある。測定方法は以下に記載の方法で行う。
(剥離強度)
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)と、蒸着層を設けたポリエチレン系樹脂多層フィルムをラミネートした積層体の剥離強度の下限は好ましくは0.7N/15mmであり、より好ましくは1.0N/15mmであり、さらに好ましくは1.2N/15mmである。上記以下であると製袋後にデラミが発生し袋が破れにくい。
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)と、蒸着層を設けたポリエチレン系樹脂多層フィルムをラミネートした積層体の剥離強度の上限は高いほど好ましくは2.5N/15mm以上が好ましい。上記以上であると製袋後にデラミの可能性が低くなり袋が開封しやすくなる。測定方法は以下に記載の方法で行う。
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)と、蒸着層を設けたポリエチレン系樹脂多層フィルムをラミネートした積層体の30℃の環境下で1ヶ月放置した直後の剥離強度の下限は好ましくは0.5N/15mmであり、より好ましくは1.0N/15mmであり、さらに好ましくは1.2N/15mmである。上記以上であると製袋後にデラミが発生し、袋が破れにくい。
二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)と、蒸着層を設けたポリエチレン系樹脂多層フィルムをラミネートした積層体の30℃の環境下で1ヶ月放置した直後の剥離強度の上限は高い程好ましく2.5N/15mm以上である。上記以上であると製袋後にデラミの可能性が低くなり袋が開封しやすくなる。測定方法は実施例に記載の方法で行う。
また、蒸着層上に、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリアミドフィルムなどの別のフィルムをラミネートすると、わずかに存在する可能性がある蒸着層の割れも塞がれるため、高いガスバリア性を維持しやすい。
(積層体)
本発明のポリエチレン系樹脂多層フィルムにさらに少なくとも1種の他の基材フィルムを積層した積層体の構成で、包装フィルムまたは包装シートとして使用することもできる。
基材フィルムとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、スチレン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルのフィルム、ナイロン6やナイロン6,6のようなポリアミドのフィルム、またはこれらの延伸フィルム、ポリオレフィンフィルムとポリアミドフィルムやエチレン-ビニルアルコール共重合体フィルムのようなガスバリア性のある樹脂フィルムとの積層フィルム、また必要に応じてアルミニウム等の金属箔、あるいはアルミニウムやシリカ等を蒸着させた蒸着フィルムや紙等が、積層体の使用目的に応じて適宜選択使用される。この基材フィルムは、1種類のみならず、2種類以上を組み合わせて積層して使用することもできる。
その場合、ポリエチレン系樹脂多層フィルムのラミネート層側に基材フィルムを隣接することが好ましい。
上記基材フィルムにポリエチレン系樹脂多層フィルムを積層する方法としては、基材フィルムとポリエチレン系樹脂多層フィルムとをドライラミネーションする方法を採用することができる。その場合は、ポリエチレン系樹脂多層フィルム/接着層/他の基材フィルムの構成にすることができる。接着層としては、ウレタン系やイソシアネート系接着剤のようなアンカーコート剤を用いたり、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンのような変性ポリオレフィンを接着性樹脂として用いると、隣接層を強固に接合することができる。
積層体の厚みに特に制限はないが、積層体を蓋材等のフィルムとして使用する場合は、好ましくは10~200μm、カップやトレー用シートとして使用する場合は好ましくは200~1000μmである。
(包装体)
前記した積層体のシーラント用フィルムのシール層面同士を向かい合わせ、あるいは積層体のシーラント用フィルム層のシール層面と他の基材フィルムとを向かい合わせ、その後、ラミネート層側から所望容器形状になるようにその周囲の少なくとも一部をヒートシールすることによって、容器を製造することができる。また周囲を全てヒートシールすることにより、密封された袋状容器を製造することができる。この袋状容器の成形加工を内容物の充填工程と組み合わせると、すなわち、袋状容器の底部および側部をヒートシールした後内容物を充填し、次いで上部をヒートシールすることで包装体を製造することができる。従って、この積層体は、スナック菓子等の固形物、粉体、あるいは液体材料の自動包装装置に利用することができる。
また、真空成形や圧空成形によりカップ状に成形した容器、射出成形やブロー成形で得られた容器、あるいは紙基材から形成された容器等に内容物を充填し、その後本発明の積層体を蓋材として被覆し、ヒートシールすることによっても、内容物を包装した容器が得られる。
以下、実施例、および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によって特に限定を受けるものではない。なお、本発明の詳細な説明および実施例中の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
<ポリエチレン系樹脂粒子の硬度>
ポリエチレン系樹脂からなる粒子の硬度としてポリエチレン系樹脂からなる粒子を溶融して作成した樹脂シートをASTM D2240に準拠してショア高度計 Dタイプで測定した。
<体積平均粒径>
使用前のポリエチレン樹脂からなる粒子の平均粒子径は下記のようにして測定した。高速攪拌機を使用して所定の回転速度(約5000rpm)で攪拌したイオン交換水中に粒子を分散させ、その分散液をイソトン(生理食塩水)に加えて超音波分散機で更に分散した後に、コールカウンター法によって粒度分布を求め体積平均粒子径として算出した。
<ポリエチレン系樹脂からなる粒子の粒度分布>
使用前のポリエチレン樹脂からなる粒子の各粒子径の粒子の重量割合はコールカウンター法で求めた粒度分布から算出した。
<モース硬度>
無機粒子として粉砕前の鉱物のモース硬度をモース硬度表から求めた。具体的には、粉砕前の鉱物に対し硬度の小さい標準物質から順番にこすり合わせ、測定物に傷がつくかつかないかを目視で確認し、測定物の硬度を判定した。
<無機粒子の樹脂組成物中の含有量(重量%)>
無機粒子の樹脂組成物中の含有量は加工前の原料樹脂組成物中の添加量から計算した。なお、フィルム成形した後でも、断面観察による層比率や焼却後の灰分率を測定することで推定も可能である。
<メルトフローレート:MFR(g/10分)>
ポリエチレン系樹脂のメルトフローレートは、JIS-K7210に準拠し、温度190℃で測定した。
<密度>
ポリエチレン系樹脂の密度は、JIS K 7112に準拠して測定した。
<融点>
ポリエチレン樹脂の融点は、SII製示差走査型熱量計(DSC)を用い、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分で測定した。ここで検知された融解吸熱ピーク温度を融点とした。
<フィルター昇圧(製膜加工性)>
シール層に使用する樹脂組成物をろ過精度120μmのナスロン焼結フィルターに230℃の樹脂温でトラウトン試験機を使用し、ろ過面積81π平方ミリに1kg/時間の吐出量で5時間放流した場合の昇圧量(ΔMPa)を基準(△)として、それぞれ下記◎、○、△、×に分類した。
◎:昇圧量が押出開始時の5%以下である。
○:昇圧量が押出開始時の10%以下である。
△:昇圧量が押出開始時の20%以下である。
×:昇圧量が押出開始時の30%以下である。
<リップ汚れ(製膜加工性)>
シール層に使用する樹脂組成物を20kg/時間の吐出量で5時間押出機でストランドダイ(5mmφで2穴)を利用し230℃で押出した場合のリップの汚れを目視で観察し、それを基準(△)として下記◎、○、△、×に分類した。
◎:ほとんどリップ汚れが確認出来ない。
○:リップ汚れがわずかにみられる。
△:リップ汚れが明らかに確認できる。
×:リップ汚れが成長しストランドに筋状のくぼみが生じた。
<三次元表面粗さSRa、最大山高さSRmax>
JIS B0601-1994に準拠し、三次元表面粗さ計(小坂研究所社製 Surfcorder ET4000A)を使用して、3cm×3cm四方のフィルム片から任意に測定面1mm×0.2mmの個所を、低域カットオフλs=0.08mm、1000μm長さ、2μmピッチで100本の測定を行った。
得られた断面曲線から三次元表面粗さ解析プログラムTDA-22を用い、JIS B0601-1994に準拠し、ポリエチレン系樹脂多層フィルムのシール層表面の三次元表面粗さSRa、最大山高さSRmaxを計算した。
上記方法においてn=3で測定を行い、三次元表面粗さSRaと最大山高さSRmaxの平均値を求めた。
<耐ブロッキング性>
12cm×10cmのサイズのポリエチレン系樹脂多層フィルムをシール層の表面とラミネート層の表面とで重ねた上に10cm×10cmの紙を乗せたものを1セットとし、5セット重ねた積層体を厚さ5mmのガラス板で挟みこんだ。このガラス板の上に50kgの荷重をかけ40℃で48時間放置した。常温に戻したあと上記積層体を25mm幅にカットした。島津製作所社製オートグラフ(登録商標)を用いて、上記カットした積層体を引張速度200mm/分で180°剥離した際の剥離強度(単位はN/25mm)を4回測定し、その平均をとった値を以下の基準により評価した。
◎:200mN/25mm以下
○:200mN/25mmより大きく0.5N/25mm以下
△:500mN/25mmより大きく1N/25mm以下
×:1000mN/25mmより大きい
<アルミニウム蒸着加工性>
各実施例、比較例ともに1m幅以上の真空蒸着装置にてOD3.0、真空度10-4torr以下の設定で幅1m×1000mのポリエチレン系樹脂多層フィルムのラミネート層表面にアルミニウム蒸着加工し、巻き取ったアルミニウム蒸着フィルムロールから下記の張力、接圧でスリットして蒸着加工性を評価した。
40μmのアルミニウム蒸着フィルムロールを用いて、一般のスリッターを用い60N/mの張力、20N/mの接圧でライン速度50m/分で500mm幅の500m巻のロールを作製した。得られたロールの状態を観察し、下記のようにアルミニウム蒸着加工性を評価した。
◎:シワ及びコブが巻取り中、検品後も発生していなかった
○:シワやコブのような物が巻取り中は見えたが巻返し検品では発生していなかった
△:シワやコブが検品結果で僅かに発生していた
×:シワやコブが発生していた
<アルミニウム蒸着層の光沢性>
光沢計(日本電色社工業社製VG2000型)を用いて、JIS K5600-4-7に準拠し、入射角及び測定角度を60°で、アルミニウム蒸着フィルムにおけるアルミニウム蒸着層の金属光沢度を測定して、以下の基準により評価した。
◎:1000重量%以上
○:700重量%以上1000重量%未満
△:500重量%以上700重量%未満
×:500重量%未満
<アルミニウム蒸着フィルムの酸素透過度>
アルミニウム蒸着フィルムを用いて、500m巻のロールを作製した。次にプロセク社製パロテスターを用いて、500m巻のロールの幅方向に2cmピッチでロール硬度を測定した。続いてロール硬度が600~650となる箇所からサンプルを取り出した。最後にJIS K7126-2A法に準じて、酸素透過度測定装置(MOCON社製OX-TRAN2/21)を用いて、温度23℃、湿度65%の条件にて、上記サンプルの酸素透過度の測定を行った。酸素透過度の測定の際、非蒸着面であるシール層を調湿側になるように装着した。
<アルミニウム蒸着フィルムの水蒸気透過度>
蒸着フィルムを用いて、500m巻のロールを作製した。次に、プロセク社製パロテスターを用いて、500m巻のロールの幅方向に2cmピッチでロール硬度を測定した。続いて、ロール硬度が600~650となる箇所からサンプルを取り出した。最後に、JIS K7129B法に準じて、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製PERMATRAN-W3/33)を用いて、温度40℃、湿度90重量%の条件にて蒸着フィルムの水蒸気透過度測定を行った。水蒸気透過度の測定の際、非蒸着面であるシール層を高湿度側になるように装着した。
<ラミネート後のシール強度>
ロール状のアルミニウム蒸着フィルムを40℃の環境下で1ヶ月時間放置後、東洋紡製2軸延伸ナイロンフィルム N1100 15μmと蒸着密着強度の測定と同様のラミネートを実施し、シール温度150℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1秒でヒートシールした後、15mm幅でカットしてオートグラフを用い速度200m/分でシール部の強度(単位;N/15mm)を測定した。
<ラミネートフィルムの剥離強度(蒸着層密着性)>
厚さ15μmのナイロンフィルム(東洋紡社製「N1100」)に東洋モートン社製の接着剤であるTM569/CAT10Lを固形分で3g/m3の厚みで塗布した。次に上記接着剤の上に蒸着フィルムの蒸着面を貼り合わせてラミネートフィルムとした後、40℃で48時間エージングした。引張試験機(島津製作所社製オートグラフ(登録商標)AGS-J 100NJ)で、上記エージングを行ったものを引張速度200mm/分の条件で、180°剥離した際の蒸着層とラミネート層との間の剥離強度(単位はN/15mm)を測定した。
<ラミネートフィルムの剥離強度(蒸着層密着性)経時後>
アルミニウム蒸着フィルムを用いて、500m巻のロールを作製し、その後、30℃の環境下で1ヶ月放置した。次に、厚さ15μmのナイロンフィルム(東洋紡社製「N1100」)に東洋モートン社製の接着剤であるTM569/CAT10Lを固形分で3g/m2の厚みで塗布した。続いて、上記接着剤の上に、1ヶ月放置した上記蒸着フィルムの蒸着面を貼り合わせてラミネートフィルムとした後、40℃で48時間エージングした。引張試験機(島津製作所社製オートグラフ(登録商標)AGS-J 100NJ)で、上記エージングを行ったものを引張速度200mm/分の条件で、180°剥離した際の蒸着層とラミネート層との間の剥離強度(単位はN/15mm)を測定した。
次に、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
実施例及び比較例では下記の原料を使用した。
(ポリエチレン系樹脂)
(1)住友化学社製エクセレン(登録商標)FX307(密度:890kg/m、MF
R:3.2g/10min、融点:83℃)
(2)宇部丸善ポリエチレン(株)社製ユメリット(登録商標)0540F(メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、密度904kg/m、MFR4.0g/10min、融点111℃)
(3)住友化学社製スミカセン(登録商標)E FV402(メタロセン触媒系LLDPE、密度:913kg/m、MFR:3.8g/10min、融点:115℃)
(4)宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FC(メタロセン触媒系LLDPE、密度:919kg/m、MFR:5.0g/10min、融点:117℃)
(5)住友化学社製スミカセン(登録商標)E FV405(メタロセン触媒系LLDP
E、密度:923kg/m、MFR:3.8g/10min、融点:118℃)
(6)宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)3540FC(メタロセン触媒系LLDPE、密度:931kg/m、MFR:3.6g/10min、融点:123℃)(7)宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)4040FC(密度:938kg/m、MFR:3.5g/10min、融点:126℃)
(8)宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)4540F(メタロセン触媒系LLDPE、密度:944kg/m、MFR:4.0g/10min、融点:128℃)
(ポリエチレン系樹脂からなる粒子)
(1)三井化学(株)社製、ミペロンPM200(平均粒径10μm、融点136℃、粘度平均分子量180万、30μmを超える粒径のものの割合が0%、樹脂硬度D65、密度940kg/m、超高分子量ポリエチレン粒子)
(2)三井化学(株)社製、ミペロンXM221U(平均粒径25μm、融点136、粘度平均分子量200万、30μmを超える粒径のものの割合が25%、樹脂硬度D65、密度940kg/m、超高分子量ポリエチレン粒子)
(3)三井化学(株)社製PM200と三井化学(株)社製XM221Uをそれぞれ3/1(重量比)比率で混合したもの(平均粒径12μm、30μmを超えるものの体積割合が6.3%、)
(無機粒子)
(1)丸尾カルシウム社製CUBE-50KAS(モース硬度3、平均粒径5μm、炭酸カルシウム粒子)
(2)天然ゼオライトをピンミルで粉砕加工して得た、モース硬度5、平均粒径5μmのゼオライト粒子
(3)珪藻土をピンミルで粉砕加工して得た、モース硬度7、平均粒径5μmの珪藻土粒子
(マスターバッチ)
(1)住友化学社製スミカセン(登録商標)E FV405にミペロンPM200)を混合して、ミペロンPM200が15重量%含有されたマスターバッチ(1)を作製した。
(2)住友化学社製スミカセン(登録商標)E FV405に、ミペロンPM200とミペロンXM221Uのブレンド品(2)を混合して、ブレンド品が15重量%含有されたマスターバッチ(2)を作製した。
(3)住友化学社製スミカセン(登録商標)E FV405に、ミペロンXM221Uを混合して、ミペロンXM221Uが15重量%含有されたマスターバッチ(3)を作製した。
(4)住友化学社製スミカセン(登録商標)E FV405に、丸尾カルシウム社製CUBE-50KASを混合して、丸尾カルシウム社製CUBE-50KASが15重量%含有されたマスターバッチ(4)を作製した。
(5)住友化学社製スミカセン(登録商標)E FV405に、天然ゼオライトをピンミルで粉砕加工して得た、モース硬度5平均粒径5μmのゼオライト粒子を混合して、ゼオライト粒子が15重量%含有されたマスターバッチ(5)を作製した。
(6)住友化学社製スミカセン(登録商標)E FV405に、珪藻土をピンミルで粉砕加工して得た、モース硬度7、平均粒径5μmの珪藻土粒子を混合して、珪藻土粒子が15重量%含有されたマスターバッチ(6)を作製した。
(7)住友化学製スミカセン(登録商標)E FV402に、エルカ酸アミドを混合して、エルカ酸アミドが4重量%含有されたマスターバッチ(7)を作製した。
(実施例1)
[シール層用組成物]
宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FCを90重量%と、マスターバッチ(1)を4重量%とを混合した組成物を用いてシール層用組成物を作製した。シール層用組成物100重量%中にポリエチレン粒子が0.6重量%含有されているが、シール層用組成物には有機系潤滑剤は添加しなかった。
[ラミネート層用組成物]
宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)3540FCのみを用いてラミネート層用組成物を作製した。なお、ラミネート層用組成物には無機粒子及び有機系潤滑剤は添加しなかった。
[中間層用組成物]
宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FCのみを用いて中間層用組成物を作製した。なお、中間層用組成物には無機粒子及び有機系潤滑剤は添加しなかった。
ラミネート層用組成物、中間層用組成物、及びシール層用組成物を、Tダイを有する押出し機を用いて、ラミネート層用組成物、中間層用組成物、及びシール層用組成物の順になるように、かつ、ラミネート層、中間層、シール層の厚み比率が1:2:1になるように240℃で溶融押出した。その後、ラミネート層表面にコロナ放電処理を施した。続いて、速度150m/分でロールに巻き取り、厚み40μm、処理面の濡れ張力が45mN/mのポリエチレン系樹脂多層フィルムを得た。
次に、得られたポリエチレン系樹脂多層フィルムのロールを真空蒸着機にセットし、10-4torr以下の真空度でポリエチレン系樹脂多層フィルムのコロナ処理面にアルミニウム蒸着を施して、ロールに巻き取り、アルミニウム蒸着層を備えた蒸着フィルムを得た。上記アルミニウム蒸着層は、光学濃度(OD値)で3になるように蒸着層の厚みを調整した。アルミニウムのモース硬度は2.75である。
このポリエチレン系樹脂多層フィルムの評価結果を表1に示した。三次元表面粗さSRaは0.10μm、最大高さSRmaxは4.9μmであった。
実施例1の蒸着フィルムは、巻き硬度が高い箇所(パロテスターで測定した硬度が600~650の箇所)でも無機粒子の転写による蒸着層の穴あきの増加(高輝度のLEDライトで表層や巻硬さの低い箇所と比較して欠損状況を調べた)が極めて少なく、ガスバリア性に優れていた。
また、実施例1の蒸着フィルムは、二軸延伸ナイロンフィルムにアルミニウムを蒸着したポリエチレン系樹脂多層フィルムの酸素ガスバリア性と同等レベルの値を示した。
さらに、実施例1の積層フィルムは、耐ブロッキング性に優れており、実施例1の蒸着フィルムは、蒸着加工性及び光沢性に優れていた。また、実施例1の蒸着フィルムを用いて作製されたラミネートフィルムは、密着性及び低温ヒートシール性に優れていた。
(実施例2)
シール層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FCを92重量%と、マスターバッチ(1)を8重量%とを混合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂多層フィルム及び蒸着フィルムを得た。
実施例1より滑り性、耐ブロッキング性に優れ、また、ガスバリア性、光沢性、密着性、及び低温ヒートシール性に優れていた。
(実施例3)
シール層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FCを94重量%と、マスターバッチ(2)を6重量%とを混合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂多層フィルム及び蒸着フィルムを得た。
実施例3においても、ガスバリア性、耐ブロッキング性、蒸着加工性、光沢性、密着性、及び低温ヒートシール性に優れていた。
(実施例4)
シール層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FCを94重量%と、マスターバッチ(1)を4重量%と、マスターバッチ(4)を2重量%とを混合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂多層フィルム及び蒸着フィルムを得た。
実施例4においても、ガスバリア性、耐ブロッキング性、蒸着加工性、光沢性、密着性、及び低温ヒートシール性に優れていた。
(実施例5)
シール層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)0540Fを96重量%と、マスターバッチ(1)を4重量%とを混合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂多層フィルム及び蒸着フィルムを得た。
実施例5においても、ガスバリア性、耐ブロッキング性、蒸着加工性、光沢性、密着性、及び低温ヒートシール性に優れていた。
(実施例6)
シール層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FCを95重量%と、マスターバッチ(1)を4重量%と、マスターバッチ(7)を1重量%とを混合し以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂多層フィルム、蒸着フィルムを得た。
実施例6においては、経時後のラミ強度に若干低下が見られたが滑り性が良好でガスバリア性、耐ブロッキング性、蒸着加工性、光沢性、及び低温ヒートシール性に優れていた。
(実施例7)
実施例1で得られたポリエチレン系樹脂多層フィルムに下記条件でアルミニウム蒸着過加工を行いアルミニウム蒸着フィルムを得た。
得られたポリエチレン系樹脂多層フィルムのロールを真空蒸着機にセットし、10-4torr以下の真空度でポリエチレン系樹脂多層フィルムのコロナ処理面にアルミニウム蒸着を施して、ロールに巻き取り、アルミニウム蒸着層を備えた蒸着フィルムを得た。上記アルミニウム蒸着層は、光学濃度(OD値)で3.2になるように蒸着層の厚みを調整した。アルミニウムのモース硬度は2.75である。
実施例7においても、ガスバリア性、耐ブロッキング性、蒸着加工性、光沢性、密着性、及び低温ヒートシール性に優れており、実施例1よりもガスバリア性及び密着性に優れていた。
(比較例1)
シール層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FCを90重量%と、マスターバッチ(5)を10重量%とを混合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂多層フィルム、蒸着フィルムを得た。
比較例1においては、三次元表面粗さSRa、最大高さSRmaxは実施例1と同等以下であったが、ロール硬度が600以上650以下である部分の蒸着フィルムのガスバリア性に大幅な低下が認められた。
(比較例2)
シール層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FCを90重量%と、マスターバッチ(6)を10重量%とを混合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂多層フィルム、蒸着フィルムを得た。
比較例2においては、三次元表面粗さSRa、最大高さSRmaxは実施例1と同等以下であったが、ロール硬度が600以上650以下である部分の蒸着フィルムのガスバリア性に大幅な低下が認められた。
(比較例3)
シール層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FCを93.3重量%と、マスターバッチ(3)を6.7重量%とを混合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂多層フィルム、蒸着フィルムを得た。
比較例3においては、ロール硬度が600以上650以下である部分の蒸着フィルムの酸素ガスバリア性や光沢に若干低下が見られた。また、蒸着時のシワも発生した。
(比較例4)
シール層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)2040FCを91重量%と、マスターバッチ(1)を4重量%と、マスターバッチ(7)を5重量%とを混合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂多層フィルム、蒸着フィルムを得た。
比較例4においては、滑り性は優れたが蒸着層の密着性(経時含む)が極端に低下した。
(比較例5)
シール層において、住友化学社製エクセレン(登録商標)FX307を96重量%と、マスターバッチ(1)を4重量%とを混合した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂多層フィルム、蒸着フィルムを得た。
比較例5においては、実施例1より光沢性が劣った。また、耐ブロッキング性、蒸着加工性に劣るものであった。
(比較例6)
シール層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)4540Fを96重量%と、マスターバッチ(1)を4重量%とを混合し、
ラミネート層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)4540Fのみを使用し、
中間層において、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット(登録商標)4040FCのみに変えた以外は実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂多層フィルム、蒸着フィルムを得た。
比較例6においては、 実施例1に比べ樹脂密度が高い為、低温シール性が劣るだけでなく製膜後のポリエチレン系樹脂の粒子の大きさにバラツキが生じ、蒸着加工時にシワが入る場合が発生した。また、耐ブロッキング性にもバラツキが生じることがあった。
実施例及び比較例の構成及び各種物性を表1及び表2に示す。

Claims (12)

  1. ポリエチレン系樹脂組成物からなるラミネート層とシール層とを少なくとも有し、前記シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物が下記1)~3)を満足し、かつ前記シール層表面が下記4)及び5)を満足するポリエチレン系樹脂多層シーラントフィルム。
    1)密度が900kg/m以上935kg/m以下である。
    2)ポリエチレン系樹脂からなる粒子を含む。
    3)有機系潤滑剤の含有量が0.05重量%以下である。
    4)三次元表面粗さSRaが0.05~0.2μmである。
    5)最大山高さSRmaxが2~8μmである。
  2. 上記シール層に用いられるポリエチレン系樹脂からなる粒子の粘度平均分子量が150万以上である請求項1に記載のポリエチレン系樹脂多層フィルム。
  3. 上記シール層中のポリエチレン系樹脂からなる粒子の平均粒径が5~20μmである請求項1~2のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂多層フィルム。
  4. 上記シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物中のポリエチレン系樹脂からなる粒子の含有量は0.4~2.0重量%である請求項1~3のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂多層フィルム。
  5. 前記ポリエチレン系樹脂からなる粒子の樹脂硬度がD70以下である請求項1~4のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂多層フィルム。
  6. 上記ラミネート層に用いられるポリエチレン系樹脂組成物の密度が上記シール層に用いられるポリエチレン系樹脂の密度よりも高い請求項1~5のいずれか1項に記載のポリエチレン系多層フィルム。
  7. ラミネート層を構成するポリエチレン系樹脂組成物中の有機系潤滑剤の含有率が0.02重量%以下である請求項1~6のいずれか記載のポリエチレン系樹脂多層フィルム。
  8. シール層を構成するポリエチレン系樹脂組成物中の無機粒子の含有率が0.4重量%以下である請求項1~7のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂多層フィルム。
  9. 請求項1~8のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂多層フィルムのラミネート層表面に蒸着層が設けられた蒸着フィルム。
  10. 請求項1~8のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂多層フィルム及び熱可塑性樹脂組成物からなる基材フィルムを有する積層体。
  11. 請求項9に記載の蒸着フィルム及び熱可塑性樹脂組成物からなる基材フィルムを有する積層体。
  12. 請求項10又は11に記載の積層体からなる包装体。
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