JP2010208178A - ポリプロピレン延伸多層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性、滑り性および耐傷付き性に優れ、欠点の少ないポリプロピレン延伸フィルムを提供すること。
【解決手段】融点が150℃以上のポリプロピレン、および前記ポリプロピレン100重量部に対し、下記要件a)〜c)を満足する二酸化珪素微粉末0.01〜1重量部含有する樹脂組成物からなり、厚みが0.1μm以上5μm以下である層を、少なくとも一方の最外層に積層されてなる延伸多層フィルム。
a)中心粒径が1.0μm以上3.5μm未満である
b)比表面積(CS)が2.0m2/cc以上3.0m2/cc未満である
c)嵩密度が0.16g/cm3以上0.20g/cm3未満である
【選択図】なし
【解決手段】融点が150℃以上のポリプロピレン、および前記ポリプロピレン100重量部に対し、下記要件a)〜c)を満足する二酸化珪素微粉末0.01〜1重量部含有する樹脂組成物からなり、厚みが0.1μm以上5μm以下である層を、少なくとも一方の最外層に積層されてなる延伸多層フィルム。
a)中心粒径が1.0μm以上3.5μm未満である
b)比表面積(CS)が2.0m2/cc以上3.0m2/cc未満である
c)嵩密度が0.16g/cm3以上0.20g/cm3未満である
【選択図】なし
Description
本発明は、透明性、滑り性および耐傷付き性に優れ、欠点の少ないポリプロピレン延伸多層フィルムに関する。
特定の平均粒子径分布を持つポリプロピレン100重量部に沈降法で合成された二酸化珪素微粉末0.01〜1重量部を含有する樹脂組成物からなる層を有するフィルムが知られている。
しかしながら、従来のフィルムは、透明性、滑り性、耐傷付き性および欠点の数において、不充分であった。本発明は、透明性、滑り性および耐傷付き性に優れ、欠点の少ないポリプロピレン延伸フィルムを提供することにある。
本発明は、融点が150℃以上のポリプロピレン、および前記ポリプロピレン100重量部に対し、下記要件a)〜c)を満足する二酸化珪素微粉末0.01〜1重量部を含有する樹脂組成物層を少なくとも一方の最外層に積層した延伸フィルムに係るものである。
a)中心粒径が1.0μm以上3.5μm未満である
b)比表面積(CS)が2.0m2/cc以上3.0m2/cc未満である
c)嵩密度が0.16g/cm3以上0.20g/cm3未満である
a)中心粒径が1.0μm以上3.5μm未満である
b)比表面積(CS)が2.0m2/cc以上3.0m2/cc未満である
c)嵩密度が0.16g/cm3以上0.20g/cm3未満である
本発明によれば、透明性、滑り性および耐傷付き性に優れ、欠点の少ないポリプロピレン延伸フィルムが提供される。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の延伸多層フィルムは、融点が150℃以上であるポリプロピレン100重量部に、下記要件a)〜c)を満足する二酸化珪素微粉末を0.01〜1重量部含有する樹脂組成物からなり、厚みが0.1μm以上5μm以下である層を、少なくとも一方の最外層に積層して得られる。
a)中心粒径が1.0μm以上3.5μm未満である
b)比表面積(CS)が2.0m2/cc以上3.0m2/cc未満である
c)嵩密度が0.16g/cm3以上0.20g/cm3未満である
ポリプロピレンは、アイソタクチックプロピレン系重合体が好ましく用いられ、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体が特に好ましい。α−オレフィンとしては、たとえば1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、1−ヘキセン等が挙げられ、特に1−ブテンが好ましい。共重合は延伸性などを制御する目的で行われ、プロピレン以外のモノマーの含有量としては、エチレンの場合は5重量%以下、好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。α−オレフィンの場合は、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。エチレンが5重量%を超えるか、α−オレフィンが10重量%を超えると結晶性が低下し、滑り性が損なわれる場合がある。
本発明の延伸多層フィルムは、融点が150℃以上であるポリプロピレン100重量部に、下記要件a)〜c)を満足する二酸化珪素微粉末を0.01〜1重量部含有する樹脂組成物からなり、厚みが0.1μm以上5μm以下である層を、少なくとも一方の最外層に積層して得られる。
a)中心粒径が1.0μm以上3.5μm未満である
b)比表面積(CS)が2.0m2/cc以上3.0m2/cc未満である
c)嵩密度が0.16g/cm3以上0.20g/cm3未満である
ポリプロピレンは、アイソタクチックプロピレン系重合体が好ましく用いられ、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体が特に好ましい。α−オレフィンとしては、たとえば1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、1−ヘキセン等が挙げられ、特に1−ブテンが好ましい。共重合は延伸性などを制御する目的で行われ、プロピレン以外のモノマーの含有量としては、エチレンの場合は5重量%以下、好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。α−オレフィンの場合は、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。エチレンが5重量%を超えるか、α−オレフィンが10重量%を超えると結晶性が低下し、滑り性が損なわれる場合がある。
ポリプロピレンの融点は、150℃以上であり、好ましくは155℃以上である。融点が150℃より低い場合には、製品の滑り性が損なわれる場合がある。
ポリプロピレンのMFRは、好ましくは0.1〜200g/10minであり、より好ましくは1〜150g/10minである。MFRが0.1g/10minより小さいと押出特性に劣ることがあり、200g/10minより大きいとうまく積層できないことがある。
ポリプロピレンの20℃キシレン可溶部量(CXS、単位:重量%)は、得られる延伸フィルムの滑り性の観点から、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下である。
ポリプロピレンの製造方法としては、公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造する方法が挙げられる。
公知の重合触媒としては、例えば、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて用いられる電子供与性化合物等の第3成分とからなる触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第IV族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、またはシクロペンタジエニル環を有する周期表第IV族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒系等が挙げられる。好ましくはマグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、電子供与性化合物からなる触媒系であり、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平1−319508号公報、特開平7−216017号公報等に記載されている触媒系である。
公知の重合触媒としては、例えば、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて用いられる電子供与性化合物等の第3成分とからなる触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第IV族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、またはシクロペンタジエニル環を有する周期表第IV族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒系等が挙げられる。好ましくはマグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、電子供与性化合物からなる触媒系であり、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平1−319508号公報、特開平7−216017号公報等に記載されている触媒系である。
公知の重合方法としては、例えば、不活性炭化水素溶媒によるスラリー重合法、溶媒重合法、無溶媒による液相重合法、気相重合法等が挙げられ、好ましくは気相重合法、あるいは、前記の重合法を組み合わせ、それらを連続的に行なう方法、例えば、液相−気相重合法等が挙げられる。
本発明で用いられる二酸化珪素微粉末の中心粒径は、1.0μm以上3.5μm未満であり、好ましくは1.5μm以上3.5μm未満であり、さらに好ましく2.5μm以上3.5μm未満である。1.0μm未満であるとフィルムの滑り性を損なうことがあり、3.5μm以上であると耐スクラッチ性を損なうことがある。
本発明で用いられる二酸化珪素微粉末の比表面積(CS)は、2.0m2/cc以上3.0m2/cc未満であり、好ましくは2.1m2/cc以上2.8m2/cc未満であり、さらに好ましくは2.1m2/cc以上2.7m2/cc未満である。比表面積が2.0m2/cc未満であったり、3.0m2/cc以上であると耐スクラッチ性を損なう場合がある。
本発明で用いられる二酸化珪素微粉末の中心粒径および比表面積は、試料をエタノール溶液に入れ、ホモジナイザで分散後、レーザー光線を照射しその回折(散乱)を測定し、求められる値である(屈折率1.446を用いた)。測定装置として、日機装(株)社製 マイクロトラック粒度分析計(MT−3000II)を用いた。
本発明で用いられる二酸化珪素微粉末の嵩密度は、0.16g/cm3以上0.20g/cm3未満であり、好ましくは0.16g/cm3以上0.18g/cm3未満である。嵩密度が0.16g/cm3未満であるとフィルムに発生する欠点が多くなる場合があり、0.20g/cm3以上であると耐スクラッチ性を損なう場合がある。
本発明で用いられる二酸化珪素微粉末の嵩密度は、JISR9301−2−3に従い、重装法で測定した。二酸化珪素微粉末の試料を乾燥後、所定の高さから落下させ、タッピングを平衡状態まで行い、容量と重量を測定した。
本発明で用いられる二酸化珪素微粉末の含有量はポリプロピレン100重量部に対して、0.01〜1重量部であり、好ましくは0.05〜0.4重量部である。二酸化珪素微粉末の含有量が0.01重量部未満であると滑り性の改良効果が不十分であり、1重量部を超えるとフィルムの透明性を損なう場合がある。
二酸化珪素微粉末をあらかじめマスターバッチ化してポリプロピレンに添加する場合、マスターバッチ化のベースに用いる樹脂パウダーは、プロピレンを主成分とする樹脂パウダーであり、該樹脂パウダーの重量平均粒子径は、500μm以上1200μm未満であることが好ましく、500μm以上800μm未満であることがより好ましい。また、該樹脂パウダーは、その重量平均粒子径が300μm以下である粒子の割合が1重量%以上10重量%未満であることが好ましく、3重量%以上8重量%未満である事がより好ましい。
マスターバッチ化に用いた樹脂パウダーの粒度分布は、Sympatec社製のレーザー回折式粒度分布測定装置 HELOS&RODOSを用いてGRADIS(乾式落下方式)にて測定を行った。
二酸化珪素微粉末を含有する樹脂組成物からなる層には、必要に応じて、ポリエチレン等のポリプロピレン以外の樹脂、添加剤を含有させても良い。添加剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤イオウ系酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ヒドロキシルアミン、可塑剤、難燃剤、造核剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、顔料、界面活性剤、加工助剤、発泡剤、乳化剤、光沢剤、ステアリン酸カルシウム、水酸化金属化合物、ハイドロタルサイト等の中和剤等が挙げられる。
二酸化珪素微粉末を含有する樹脂組成物からなる層(表層)の厚みは0.1μm以上5μm以下であり、好ましくは0.2μm以上4μm以下、より好ましくは0.3μm以上3μm以下である。該層の厚みが0.1μm以下の場合、二酸化珪素微粉末が脱落しやすくなることがあり、5μm以上の場合、フィルムの透明性が悪化することがある。
本発明の延伸多層フィルムにおける基材層に用いられる樹脂は、アイソタクチックプロピレン系重合体が好ましく用いられ、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体が特に好ましい。α−オレフィンとしては、たとえば1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、1−ヘキセン等が挙げられ、特に1−ブテンが好ましい。共重合は延伸性などを制御する目的で行われ、プロピレン以外のモノマーの含有量としては、エチレンの場合は5重量%以下、好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。α−オレフィンの場合は、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。エチレンが5重量%を超えるか、α−オレフィンが10重量%を超えると結晶性が低下し、滑り性が損なわれる場合がある。
本発明の延伸多層フィルムにおける基材層に用いられる樹脂のMFRは、通常0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分である。MFRが0.1より小さいと押出特性が劣ることがあり、100g/10分を超えると延伸性が悪化することがある。
本発明の延伸多層フィルムにおける基材層に用いられる樹脂の融点は、通常150℃以上であり、好ましくは150〜170℃さらに好ましくは153〜165℃である。融点が150℃より低いと得られるフィルムの剛性が劣ることがあり、170℃を超えると延伸性が悪化することがある。
基材層の厚みは、通常5〜100μm、好ましくは5〜70μmである。
基材層の厚みは、通常5〜100μm、好ましくは5〜70μmである。
本発明の延伸多層フィルムの多層化手法としては、押出機で溶融した樹脂同士を多層化する共押出法や、表層フィルムおよび基材層フィルムを作成した後に多層化を行う押出ラミネーション法、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法などがあり、共押出法で作成することが好ましい。
本発明の延伸多層フィルムの製膜方法、および、延伸加工方法としては、通常の方法が挙げられ、例えば、縦方向一軸延伸方式、横方向一軸延伸方式、逐次二軸延伸方式、同時二軸延伸方式、チューブラー二軸延伸方式等が挙げられる。なかでも、逐次二軸延伸方式が最もよく利用され、その際の縦延伸温度は通常120〜150℃であり、縦延伸倍率は通常4〜6倍である。横延伸温度については、通常150〜170℃であり、横延伸倍率は通常8〜10倍である。
以下、本発明について、実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)マスターバッチ用ポリプロピレンの平均粒子径および粒度分布
平均粒子径(累積50%粒子径)および粒子径が300μm以下の粒子割合を求めた。Sympatec社製(ドイツ)レーザー回折式粒度分布測定装置 HELOS&RODOSを用いて測定した。測定法はGRADIS(落下式・乾式分散)を用いた。
(2)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて、テトラリンを溶媒として用いて温度135℃で測定した。
(3)コモノマー含量(単位:重量%)
高分子分析ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページ以降に記載されている方法により、赤外分光法で測定を行い、求めた。
(4)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(5)融点(Tm、単位:℃)
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC)を用いて、試片約10mgを窒素雰囲気下220℃で溶融させた後、急速に150℃まで冷却した。150℃で1分間保持した後、5℃/分の降温速度で50℃まで降温した。
その後に50℃で1分保持した後、5℃/分で昇温させて、得られた融解吸熱カーブの最大ピークのピーク温度の小数位以下を四捨五入してTm(融点)とした。ピークが複数あるものは、高温側のピークを採用した。
なお、本測定器を用いて5℃/分の降温速度ならびに昇温速度で測定したインジウム(In)のTmは156.6℃であった。
(1)マスターバッチ用ポリプロピレンの平均粒子径および粒度分布
平均粒子径(累積50%粒子径)および粒子径が300μm以下の粒子割合を求めた。Sympatec社製(ドイツ)レーザー回折式粒度分布測定装置 HELOS&RODOSを用いて測定した。測定法はGRADIS(落下式・乾式分散)を用いた。
(2)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて、テトラリンを溶媒として用いて温度135℃で測定した。
(3)コモノマー含量(単位:重量%)
高分子分析ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページ以降に記載されている方法により、赤外分光法で測定を行い、求めた。
(4)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(5)融点(Tm、単位:℃)
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC)を用いて、試片約10mgを窒素雰囲気下220℃で溶融させた後、急速に150℃まで冷却した。150℃で1分間保持した後、5℃/分の降温速度で50℃まで降温した。
その後に50℃で1分保持した後、5℃/分で昇温させて、得られた融解吸熱カーブの最大ピークのピーク温度の小数位以下を四捨五入してTm(融点)とした。ピークが複数あるものは、高温側のピークを採用した。
なお、本測定器を用いて5℃/分の降温速度ならびに昇温速度で測定したインジウム(In)のTmは156.6℃であった。
(6)キシレン可溶成分量(CXS、単位:重量%)
10gのポリプロピレンを1000mlの沸騰キシレンに溶解した後、50℃まで徐冷し、次いで氷水に浸し攪拌しながら20℃まで冷却し、20℃で一晩放置した後、析出したポリマーを濾別し、濾液からキシレンを蒸発させ、60℃で減圧乾燥して20℃のキシレンに可溶なポリマーを回収し、回収されたポリマーの重量からCXSを算出した。
(7)Haze(単位:%)
JIS−K7136に従って測定した。
(8)静摩擦係数(μs)
室温23℃、湿度50%のもと、MD100mm×TD75mmのフィルムサンプル2枚の測定面同士を重ね合わせ、重量200gの錘を設置面積63.5mm×63.5mmで載せ、TOYOSEKI FRICTION TESTER TR−2型で移動速度15cm/分で測定した。
(9)耐スクラッチ性(ΔHaze, 単位:%)
5cm×5cmに切りだしたフィルム同士を重ね合わせ、親指と人差し指でこすり合わせた。耐スクラッチ性を下記式で評価した。
ΔHaze(%)=テスト後のフィルムのHaze(%)−テスト前のフィルムのHaze(%)
(10)欠点(単位:個/m2)
加熱炉の後に設置した(株)NIRECO社製フィルム欠陥検査装置MujiKenを用いて、二軸延伸フィルムの欠点数を測定した。
カメラ:一次元CCD、8,192画素
スキャンレート:最大約0.06msec/ライン(160MHz)
分解能:50μm/画素
10gのポリプロピレンを1000mlの沸騰キシレンに溶解した後、50℃まで徐冷し、次いで氷水に浸し攪拌しながら20℃まで冷却し、20℃で一晩放置した後、析出したポリマーを濾別し、濾液からキシレンを蒸発させ、60℃で減圧乾燥して20℃のキシレンに可溶なポリマーを回収し、回収されたポリマーの重量からCXSを算出した。
(7)Haze(単位:%)
JIS−K7136に従って測定した。
(8)静摩擦係数(μs)
室温23℃、湿度50%のもと、MD100mm×TD75mmのフィルムサンプル2枚の測定面同士を重ね合わせ、重量200gの錘を設置面積63.5mm×63.5mmで載せ、TOYOSEKI FRICTION TESTER TR−2型で移動速度15cm/分で測定した。
(9)耐スクラッチ性(ΔHaze, 単位:%)
5cm×5cmに切りだしたフィルム同士を重ね合わせ、親指と人差し指でこすり合わせた。耐スクラッチ性を下記式で評価した。
ΔHaze(%)=テスト後のフィルムのHaze(%)−テスト前のフィルムのHaze(%)
(10)欠点(単位:個/m2)
加熱炉の後に設置した(株)NIRECO社製フィルム欠陥検査装置MujiKenを用いて、二軸延伸フィルムの欠点数を測定した。
カメラ:一次元CCD、8,192画素
スキャンレート:最大約0.06msec/ライン(160MHz)
分解能:50μm/画素
実施例1
(表層用ポリプロピレンペレットの製造)
特開2008−208362号公報に記載の実施例1に従い、プロピレン、エチレン、水素の量を変化させて、第1段目でプロピレンホモポリマー成分10重量%、第2段目でエチレン含有量が0.6重量%のプロピレン/エチレン共重合体成分90重量%を重合した。得られたパウダーは、エチレン含有量=0.5重量%、融点=159℃、[η]=2.04dl/g、CXS=3.0重量%であった。
得られたポリプロピレンパウダー100重量部に、協和化学(株)社製 DHT−4Cを0.01重量部、チバスペシャルティーケミカルズ(株)社製 Irganox1010を0.15重量部、チバスペシャルティーケミカルズ(株)社製 Irganox168を0.15重量部加え、220℃で単軸押出機を用いて溶融混練し、MFRが2.5g/10minのペレットを得た。
(二酸化珪素微粉末マスターバッチの製造)
平均粒子径が735μmであり、粒子径が300μm以下である粒子の割合が5.2%であるプロピレン−エチレン共重合体(エチレン含有量=4重量%、融点=142℃、[η]=1.70dl/g)パウダー95重量部、二酸化珪素微粉末として水澤化学工業株式会社製 ミズカシルP731を5重量部、協和化学(株)社製 DHT−4Cを0.01重量部、チバスペシャルティーケミカルズ(株)社製 Irganox1010を0.15重量部、チバスペシャルティーケミカルズ(株)社製 Irganox168を0.1重量部加え、タンブラーミキサーで3分混合した後、ヘンシェルミキサーで30秒混合した。得られたパウダーを二軸混練機により230℃で溶融混練し、MFRが6.2g/10minの二酸化珪素微粉末マスターバッチを得た。
(二軸延伸多層フィルムの製造)
表層用ポリプロピレンペレットおよび上記の二酸化珪素微粉末マスターバッチを混合して樹脂組成物を製造した。該樹脂組成物において、ポリプロピレン100重量部に対して、二酸化珪素微粉末の含有量が0.2重量部であった。基材層用に住友ノーブレンFS2011DG3(融点159℃、MFR=2.5g/10分)を用いた。それぞれを230℃、260℃で別の押出機で溶融押出し、一基の共押出Tダイに供給した。このTダイから2種2層構成(反チルロール=FS2011DG3)で押出された樹脂を30℃の冷却ロールで冷却して厚み約1mmのキャストシートを得た。
得られたキャストシートを延伸温度145℃で縦延伸機のロール周速差により5倍に延伸し、引き続いて加熱炉にて延伸温度157℃で横方向に8倍に延伸し、表層厚みが1μm、基材層厚みが20μmの二軸延伸多層フィルムを作成した。
得られたフィルムの物性を表に示した。得られたフィルムは透明性、滑り性、耐傷付き性に優れ、欠点の少ないものであった。
(表層用ポリプロピレンペレットの製造)
特開2008−208362号公報に記載の実施例1に従い、プロピレン、エチレン、水素の量を変化させて、第1段目でプロピレンホモポリマー成分10重量%、第2段目でエチレン含有量が0.6重量%のプロピレン/エチレン共重合体成分90重量%を重合した。得られたパウダーは、エチレン含有量=0.5重量%、融点=159℃、[η]=2.04dl/g、CXS=3.0重量%であった。
得られたポリプロピレンパウダー100重量部に、協和化学(株)社製 DHT−4Cを0.01重量部、チバスペシャルティーケミカルズ(株)社製 Irganox1010を0.15重量部、チバスペシャルティーケミカルズ(株)社製 Irganox168を0.15重量部加え、220℃で単軸押出機を用いて溶融混練し、MFRが2.5g/10minのペレットを得た。
(二酸化珪素微粉末マスターバッチの製造)
平均粒子径が735μmであり、粒子径が300μm以下である粒子の割合が5.2%であるプロピレン−エチレン共重合体(エチレン含有量=4重量%、融点=142℃、[η]=1.70dl/g)パウダー95重量部、二酸化珪素微粉末として水澤化学工業株式会社製 ミズカシルP731を5重量部、協和化学(株)社製 DHT−4Cを0.01重量部、チバスペシャルティーケミカルズ(株)社製 Irganox1010を0.15重量部、チバスペシャルティーケミカルズ(株)社製 Irganox168を0.1重量部加え、タンブラーミキサーで3分混合した後、ヘンシェルミキサーで30秒混合した。得られたパウダーを二軸混練機により230℃で溶融混練し、MFRが6.2g/10minの二酸化珪素微粉末マスターバッチを得た。
(二軸延伸多層フィルムの製造)
表層用ポリプロピレンペレットおよび上記の二酸化珪素微粉末マスターバッチを混合して樹脂組成物を製造した。該樹脂組成物において、ポリプロピレン100重量部に対して、二酸化珪素微粉末の含有量が0.2重量部であった。基材層用に住友ノーブレンFS2011DG3(融点159℃、MFR=2.5g/10分)を用いた。それぞれを230℃、260℃で別の押出機で溶融押出し、一基の共押出Tダイに供給した。このTダイから2種2層構成(反チルロール=FS2011DG3)で押出された樹脂を30℃の冷却ロールで冷却して厚み約1mmのキャストシートを得た。
得られたキャストシートを延伸温度145℃で縦延伸機のロール周速差により5倍に延伸し、引き続いて加熱炉にて延伸温度157℃で横方向に8倍に延伸し、表層厚みが1μm、基材層厚みが20μmの二軸延伸多層フィルムを作成した。
得られたフィルムの物性を表に示した。得られたフィルムは透明性、滑り性、耐傷付き性に優れ、欠点の少ないものであった。
実施例2
二酸化珪素微粉末の含有量を0.3重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。得られたフィルムは透明性、滑り性、耐傷付き性に優れ、欠点の少ないものであった。
二酸化珪素微粉末の含有量を0.3重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。得られたフィルムは透明性、滑り性、耐傷付き性に優れ、欠点の少ないものであった。
実施例3
二酸化珪素微粉末の含有量を0.5重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。得られたフィルムは透明性、滑り性、耐傷付き性に優れ、欠点の少ないものであった。
二酸化珪素微粉末の含有量を0.5重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。得られたフィルムは透明性、滑り性、耐傷付き性に優れ、欠点の少ないものであった。
比較例1
二酸化珪素微粉末として富士シリシア化学株式会社製 サイリシア420を用いた以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。サイリシア420の物性は表1に示した。得られたフィルムは、耐スクラッチ性が悪く、欠点の多いフィルムであった。
二酸化珪素微粉末として富士シリシア化学株式会社製 サイリシア420を用いた以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。サイリシア420の物性は表1に示した。得られたフィルムは、耐スクラッチ性が悪く、欠点の多いフィルムであった。
比較例2
二酸化珪素微粉末として富士シリシア化学株式会社製 サイリシア430を用いた以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。サイリシア430の物性は表1に示した。得られたフィルムは、耐スクラッチ性が悪く、欠点の多いフィルムであった。
二酸化珪素微粉末として富士シリシア化学株式会社製 サイリシア430を用いた以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。サイリシア430の物性は表1に示した。得られたフィルムは、耐スクラッチ性が悪く、欠点の多いフィルムであった。
比較例3
二酸化珪素微粉末として富士シリシア化学株式会社製 サイリシア530を用いた以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。サイリシア530の物性は表1に示した。得られたフィルムは、耐スクラッチ性の悪いフィルムであった。
二酸化珪素微粉末として富士シリシア化学株式会社製 サイリシア530を用いた以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。サイリシア530の物性は表1に示した。得られたフィルムは、耐スクラッチ性の悪いフィルムであった。
比較例4
二酸化珪素微粉末として株式会社トクヤマ社製 ファインシールG80を用いた以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。ファインシールG80の物性は表1に示した。得られたフィルムは、耐スクラッチ性の悪いフィルムであった。
二酸化珪素微粉末として株式会社トクヤマ社製 ファインシールG80を用いた以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。ファインシールG80の物性は表1に示した。得られたフィルムは、耐スクラッチ性の悪いフィルムであった。
比較例5
二酸化珪素微粉末を含有した表層厚みを6μm、基材層厚みを15μmとした以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。得られたフィルムは、透明性の悪いフィルムであった。
二酸化珪素微粉末を含有した表層厚みを6μm、基材層厚みを15μmとした以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸多層フィルムを得た。得られたフィルムは、透明性の悪いフィルムであった。
本発明の延伸多層フィルムは、ラミネート用フィルム、バリア性フィルム、水性インキ印刷用フィルム、剥離シート用フィルム、表面保護フィルム、食品包装用フィルム等に利用することができる。
Claims (1)
- 融点が150℃以上のポリプロピレン、および前記ポリプロピレン100重量部に対し、下記要件a)〜c)を満足する二酸化珪素微粉末0.01〜1重量部含有する樹脂組成物からなり、厚みが0.1μm以上5μm以下である層を、少なくとも一方の最外層に積層されてなる延伸多層フィルム。
a)中心粒径が1.0μm以上3.5μm未満である
b)比表面積(CS)が2.0m2/cc以上3.0m2/cc未満である
c)嵩密度が0.16g/cm3以上0.20g/cm3未満である
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