JP2005508398A - 架橋されたマルチポリマーコーティング - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
発明の分野
本発明は表面コーティングを有する製品に関する。この表面コーティングは熱安定性の生体分子抵抗性の吸着特性、強アルカリ性溶液に対する抵抗性および低レベルの抽出物を含む優れた特性の組み合わせを有する架橋されたマルチポリマーを含んでなる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
生物学的分子を含む溶液は、科学的および工業的状況において無数の応用に使用されている。そのような溶液を取り扱う際に遭遇する1つの問題は、生体分子の流体−接触面への吸着である。そのような吸着は液体の輸送ラインに汚れを、そして溶液の混入を導く可能性がある。さらにそのような吸着は大変望ましくない表面上の微生物の繁殖を導く可能性がある。
【0003】
医療用デバイスおよび研究用デバイスのような多くの応用で、生体分子の吸着量が最少となり、しかもまたデバイスが比較的苛酷な条件(例えばオートクレーブによる滅菌)に耐えることができれば大変望ましい。ポリマー性コーティングはそのような製品を覆い、そしてそれらの生体分子の吸着に耐える能力を向上させる。しかしそのようなコーティングは、オートクレーブ後にそれら能力を失う傾向があり、そしてまたそのような処理後のポリマー性表面から抽出分を浸出させる傾向がある。
【0004】
生体分子を含む溶液と接触するデバイス、そして特に医療用デバイスに使用する材料のさらに重要な特性は生物適合性、すなわち材料の界面で生物学的組織上に及ぼす悪い効果を最少とするか、またはそれに抵抗する能力である。そのような生物学的適合性の1つの重要な観点は、組織および血液、血漿および涙の流体のような生物学的溶液と接触した時、生体分子そして特にタンパク質が吸着に対して抵抗する能力である。そのような抵抗性は、タンパク質および他の生体分子の吸着を最少にすることが、そのようなデバイスの正しい機能に欠陥を与え得る細胞および細胞成分の接着を減らすので極めて重要であり、特に医療用具では重要である。
【0005】
したがって生体分子吸着に抵抗性であり、そしてオートクレーブに耐えて表面コーティングの有益な特性に及ぼす有害効果が少ない、生体分子を含む溶液または混合物と接触する製品に表面コーティングを有することは高度に望ましい。本発明はこれらのならびに他の重要な目的を対象とする。
【発明の開示】
【0006】
発明の要約
いくつかの態様では、本発明は表面コーティングを有する製品を提供し、該コーティングが架橋されたマルチポリマーを含んでなり、該架橋されたマルチポリマーが:
多官能価アクリルアミド、多官能価メタクリルアミドおよびジアクロイルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー;および
アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−ビニルピロリドンから成る群から選択される少なくとも2つの単官能価モノマーを含んでなる。
【0007】
また本発明に従い提供されるのは、生体分子抵抗性表面コーティングを有する製品の調製法であり、該方法は;
(a)表面を有する製品を提供し;
(b)場合により該製品の表面を湿潤液体と接触させて該表面を湿潤させ;
(c)場合により該湿潤液体を第2の湿潤液体に置き換え、該製品を該第2液体で湿潤させておき;
(d)該製品の該表面を:
(1)アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−ビニルピロリドンから成る群から選択される少なくとも2つの単官能価モノマー;および
(2)多官能価アクリルアミド、多官能価メタクリルアミドおよびジアクロイル ピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー、
を含む溶液と接触させ;該溶液は場合によりさらに1以上の重合開始剤を含んでなり;そして
(e)該モノマーを重合して該熱安定性の生体分子抵抗性表面を形成する、
工程を含んでなる。
【0008】
幾つかの態様では、架橋されたマルチポリマーはアクリルアミドである少なくとも1つの単官能価モノマーを含んでなり、該アクリルアミドのアクリルアミド窒素が少なくとも1つのgemジアルキルで置換された炭素で置換されている。
【0009】
さらなる態様では、架橋されたマルチポリマーはジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドおよびメチレン−ビス−アクリルアミドから形成されるコポリマーである。
【0010】
さらなる態様では、架橋されたマルチポリマーはメチレン−ビス−アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、およびジメチルアクリルアミドまたはジアセトン アクリルアミドのいずれかから形成されるコポリマーである。
【0011】
さらなる態様では、生体分子抵抗性ポリマーコーティングが表面コーティングとは別に形成され;該表面コーティングが架橋されたマルチポリマーを含んでなり;該架橋されたマルチポリマーが:
多官能価アクリルアミドモノマー、多官能価メタクリルアミドモノマーおよびジアクロイルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー;および
N−ビニルピロリドンモノマーおよび式I:
【0012】
【化1】
【0013】
式中、
R1はHまたはCH3であり、
R2はHまたは直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C6、好ましくはC1−C3アルキルであり、
R3はHまたは直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C6、好ましくはC1−C3アルキル、またはC(CH3)2CH2C(=O)CH3または(P=O)((NCH3)2)2、またはC=ON(CH3)2、またはCH2−O−R4であり、ここでR4は直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C5アルキル、または(CH2−CH2−O)n−R5であり、ここでR5は−Hまたは−CH3であり、そしてnは2または3であるが;ただしR2およびR3は同時にHではない、
を有するモノマーの群から選択される少なくとも2つの異なる単官能価モノマー
を含んでなる。
【0014】
さらなる態様では、架橋されたマルチポリマーがさらに追加特性修飾モノマーを含んでなり、これは(3−(メタクリロイルアミノ)プロピル)トリメチルアンモニウム クロライド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム クロライド、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸またはアミノプロピルメタクリルアミドであることができる。
【0015】
幾つかの態様では、単官能価モノマーの2つが約1〜約5の重量比、または約1〜約2のモル比で存在する。さらなる態様では、単官能価モノマーの総量が約0.5%〜約20重量%、または約2%〜約10%、または約4%〜約8重量%で存在する。
【0016】
幾つかの態様では、多官能価架橋モノマーに対する単官能価コモノマーの総量の重量比が約1〜約10または約2〜約6である。
【0017】
幾つかの態様では、ポリマーコーティングが親水性である、さらなる態様ではコーティングがヒドロゲルである。
【0018】
さらなる態様では、ポリマーコーティングが多孔質製品に関するIgG結合試験で測定して、平方センチメートルあたり約30マイクログラム未満、そして非孔質製品に関するIgG結合試験で測定して、平方センチメートルあたり約0.30マイクログラム未満の生体分子の結合を有する。
【0019】
さらなる態様では、ポリマーコーティングが多孔質製品に関するTOC抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約1マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分、または非孔質製品に関するTOC抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約0.01マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する。
【0020】
さらなる態様では、ポリマーコーティングが多孔質製品に関するNVR抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約2マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分、または多孔質製品に関するNVR抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約0.02マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する。
【0021】
幾つかの態様では、ポリマーコーティングは苛性アルカリ抵抗性である。さらに幾つかの態様では、ポリマーコーティングは、流れ時間測定試験で測定した時、約1.3未満の苛性アルカリ抵抗性を有する。
【0022】
幾つかの態様では、製品は実験器具、医療用具、飲料流体の容器または導管、海洋用品または配管用品である。
【0023】
幾つかの態様では、製品が実験器具である場合、該製品はキュベット、キュベットカップ、丸底、コニカルまたは円筒状フラスコ、ビーカー、遠心管、遠心ボトル、クロマトグラフィーカラム、シリンダー、メスシリンダー、インキューベーションチャンバー、発酵チャンバー、ピペット、交換可能なピペットチップ、マルチウェルプレート、秤量器、媒質フィルター、透析チューブ、実験用チューブ、ポンプチューブ、シリンジ、シリンジ針、バレット、電気泳動用管またはゲルの成形用品、電気泳動装置、ブロッター、シークエンサー、ゲル染色トレイ、フィルターユニット、漏斗、ハイブリダイゼーションチューブ、振盪フラスコ、細胞培養フラスコ、細胞培養管、培養容器、培養皿、クローニングシリンダー、媒質ビンまたは媒質ジャー、または生体分子を含む流体を導く導管である。
【0024】
さらなる態様では、製品は医療用具であり、これはバイオセンサー、インプラント、カテーテル、創傷用手当用品、コンタクトレンズ、移植可能なレンズまたは経皮パッチであることができる。
【0025】
さらなる態様では、製品は飲料流体の容器または導管、あるいは海洋用品、これは舟艇装備品(boating equipment)であることができる。
【0026】
さらなる態様では、製品は水槽、水槽用品または配管用品である。
【0027】
また本発明に従い提供されるのは、製品の生物学的適合性を上げる方法であって、該製品の少なくとも1つの表面をコーティングする工程を含んでなり、該コーティングは架橋されたマルチポリマーを含んでなり、該架橋されたマルチポリマーが:
多官能価アクリルアミド、多官能価メタクリルアミドおよびジアクロイルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー;および
アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−ビニルピロリドンから成る群から選択される少なくとも2つの単官能価モノマー、
を含んでなる。
詳細な説明
1つの観点では、本発明は表面コーティングを有する多孔質または非孔質製品を提供する。本発明の表面コーティングは生体分子吸着に対する抵抗性(「生体分子に関する低い親和性または吸着性」または「生体分子抵抗性」と呼ぶこともある)、そのような生体分子の吸着に対する熱安定性の抵抗性、製品を清浄化および/または衛生的にするために使用するような強アルカリ性溶液に対する化学的抵抗性、および大変低レベルの抽出物を有することを含む望ましい特性の優れた組み合わせを有する。
【0028】
本発明の1つの観点では、生体分子を含む流体(例えば溶液)と接触することになる製品がそれらの表面上のその場所で架橋されたマルチポリマーを形成することにより修飾されて、前述の特性を有するコート製品を得ることができるといることが見いだされた。
【0029】
すなわち幾つかの態様では、本発明は架橋されたマルチポリマー表面を有する製品を提供し、これは幾つかの態様では、製品の表面のその場所で形成され、そして優れた生体分子抵抗性を有する。
【0030】
本明細書で使用するように、用語「生体分子」は生きている生物の一部である有機分子またはそれらの同族体を意味するものとする。すなわち生体分子にはアミノ酸のポリマー、例えばペプチドおよびタンパク質(抗体および酵素を含む)、およびDNAおよびRNA分子のようなヌクレオチドのポリマー、および例えばDNAおよびRNAプローブを含むオリゴヌクレオチドを含む。また生体分子の定義内に含まれるのは、炭水化物および脂質である。合成的に生成された前述の各同族体も用語「生体分子」の定義に含み、ならびに前述の生体分子を含む細胞および細胞フラグメントも含むものとする。
【0031】
本明細書で使用するように、本発明のコーティング、コート製品表面または方法に適用するような用語「生体分子抵抗性の」または「生体分子抵抗性」とは、非孔質製品表面(例えば本発明のコーティングでコートされた滑らかな製品表面)について、そのような表面が本明細書に記載するIgG結合試験で測定した時、1平方センチメートルの表面積あたり約0.30マイクログラム未満のIgGを吸着することを意味する。多孔質表面(例えば本発明の表面コーティングを有する多孔質膜)について、生体分子抵抗性表面は明細書に記載するIgG結合試験で測定した時、1平方センチメートルの表面積あたり約30マイクログラム未満のIgGを吸着するものである。あるいは本発明のコーティング、コート製品表面または方法に適用するような用語「生体分子抵抗性の」または「生体分子抵抗性」とは、本明細書に記載するBSA−ポンソー試験で陰性を提供する表面または表面コーティングを意味する。
【0032】
本発明の表面コート製品は優れた生体分子抵抗性を有するので、本発明の製品は優れた生物学的適合性も保有する。特定の理論に拘束されることを望まないが、生物学的溶液および組織と接触するデバイスが汚れ、周囲の生物学的組織および溶液により変性または他の悪影響を受ける重要な初期のメカニズムの1つは、生体分子そして特にタンパク質の吸着であると考えられている。実際にタンパク質の吸着に耐える表面の能力は、一般に細菌および哺乳動物細胞の付着に耐える表面の能力に必須であると考えられる(例えばOstnni,E.et al.,Langmuir,2001,17,6336−6343を参照)。すなわち本発明のコーティングにより付与される生体分子の吸着に耐える能力は、本発明の製品に有意に増加した生物学的適合性を与えるとも期待される。
【0033】
幾つかの態様では、本発明の表面コーティングは熱安定性である生体分子抵抗性面を提供する。本発明のコーティング、コート製品表面または方法に適用するような本明細書中で使用する用語「熱安定性」とは、本明細書に記載するような熱に暴露された後、表面が本明細書に記載するIgG試験で測定した時、熱に暴露される前の同じ表面の約2倍未満のIgG吸着を有することを意味する。
【0034】
さらなる態様では、本発明の表面コーティングはアルカリ抵抗性でもある生体分子抵抗性表面を提供する。本明細書で使用するように、本発明のコーティング、コート製品表面のまたは方法に適用するような用語「苛性アルカリ抵抗性の」または「苛性アルカリ抵抗性」とは周囲温度で2時間、0.1 NaOHに暴露した後でも湿潤性のままである表面コーティングを意味する。さらに液体の流れが製品のコート表面に向けられる多孔質ポリマー膜のような製品について、「苛性アルカリ抵抗性」とは本明細書に記載する流れ時間測定試験で測定した時、約1.5未満のそのような暴露後対そのような暴露前の流れ時間の比を有することを意味する。
【0035】
さらなる態様では、本発明の表面コーティングは清浄でもある生体分子抵抗性表面を提供する。本発明の表面コーティング、コート製品および方法に関連して本明細書で使用するように、用語「清浄」または「清浄な製品表面コーティング」とは生産された時、非孔質表面について:
a.本明細書に記載するNVR抽出試験により測定した時、1平方センチメートルのコート表面あたり約0.02マイクログラム未満の抽出物、そして好ましくは1平方センチメートルあたり約0.01マイクログラム未満の抽出物;あるいは
b.本明細書に記載するTOC抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルの製品表面コーティングあたり約0.01マイクログラム未満の抽出物、
のいずれかを有する製品表面コーティングを意味する。
【0036】
あるいは多孔質表面について:
a.本明細書に記載するNVR抽出試験により測定した時、1平方センチメートルのコート表面あたり約2マイクログラム未満の抽出物、そして好ましくは1平方センチメートルあたり約1マイクログラム未満の抽出物;あるいは
b.本明細書に記載するTOC抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルの製品コーティングあたり約1マイクログラム未満の抽出物、
のいずれかを有する製品表面コーティングを意味する。
【0037】
幾つかの態様では、本発明の表面コーティングはその場所で別に形成され、そして上記の1以上の特性を有する。
【0038】
広範な種類の製品が本明細書に記載するように修飾されて、本発明の表面コーティングを含むことができる。そのような製品には限定するわではないが、実験器具、医療用具、飲料流体の容器または導管、海洋用品または配管用品を含む。そのような製品のさらなる例には、限定するわけではないがセラミック、金属、炭素、ポリマーおよびそれらの組み合わせからなるものを含む。幾つかの好適な態様では、本発明の製品はポリマーまたはセラミックからなる。本発明の表面コーティングで修飾することができる製品を製造するために使用することができる代表的なポリマーは、ポリスルホンポリマー、好ましくはポリスルホンおよびポリエーテルスルホンポリマーのような芳香族スルホンポリマー、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリビニリデン ジフルオリドを含む過フッ素化熱可塑性ポリマー、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンおよびポリプロピレンのようなポリオレフィンポリマー、およびポリエチレンテトラフタレート、ポリカーボネートのようなポリエステル、可塑化および非可塑化ポリビニルクロライド、および生物学的サンプルが含まれる、または輸送される応用に有用な他の熱可塑性ポリマーを含む。幾つかの特に好適な態様では、コートされる製品表面はPVDF、ポリオレフィンまたはナイロンおよび誘導体のポリマーである。当業者は本発明の表面コーティングで修飾することができる製品の形成に有用な他のポリマーを容易に確認することができるだろう。
【0039】
本発明の表面コーティングは限定するわけではないが、ヒドロゲルのような高度に水和される能力を有するポリマーコーティング、および水和される能力が限定されているかまたは無いコーティングを含む幾つかの形態の製品に適用することができると考えられる。例えば本発明に従いヒドロゲルを調製するためには、当該技術分野で知られている水に結合する高い能力を有するモノマーを選択する。例えば適当なヒドロゲルは7グラムのアクリルアミド、1グラムのメチレンビスアクリルアミド、0.2グラムのIrgacure2959および91.8グラムの水を合わせ、溶液をUVに暴露し、生成したゲルを洗浄し、そしてそれを水中に維持することにより調製することができる。例えばInd.Eng.Chem.Res.1996,35,第3180頁(引用により本明細書に編入する)を参照にされたい。
【0040】
多孔質および滑らかな両方の表面を有する製品を本発明の表面コーティングで修飾することができる。多孔質製品とは孔性が貫通しているので流体が膜または製品を横断できる製品を意味する。超孔質(ultraporous)(すなわちウルトラフィルター)および微孔質(microporous)(ミクロフィルター)ポリマー膜のような多孔質製品について、膜または他の同様な多孔質製品の表面コーティングに適用されるような用語「表面」は、本発明のコーティングでコートされるような製品の全表面を意味し、外面(すなわち膜の厚さ内ではない表面)および膜の厚さ内の間隙面を含む。滑らかな、または粗い表面を有するが、非孔質であり、したがって多孔質または他の多孔質製品が保有する間隙面が無い不透明フィルムのような非孔質製品については、本発明の表面コーティングでコートされた製品の表面コーティングに適用されるような用語「表面」は、製品を被覆するために使用する溶液が接近可能な製品の表面を意味する。そのような表面は開放して見える(例えば実験用の秤量容器)、および視界からは見えないがそれでも製品の「外側」である、例えばカテーテルの内腔、導管またはチューブの内部、または近付いて見ることができるかどうかにかかわらず製品の空洞(cavity)を含む。
【0041】
本明細書で使用する用語「架橋されたマルチポリマー」は3種以上のモノマーから作られたポリマーを意味し、その中の少なくとも1つのモノマーが重合反応に参加できる、または別個のポリマー鎖を架橋できる2以上の反応性部位を有する。本発明の内容において、マルチポリマーは少なくとも3種のモノマーを含み、そして表面コーティングの所望する特性を付与、または洗練させるためにさらなる1以上のモノマーを含むことができる。幾つかの態様では、架橋されたマルチポリマーは2つの単官能価モノマーおよび1つの二官能価モノマーから作られる。
【0042】
幾つかの態様では、架橋されたマルチポリマーはコートすべき製品の全表面を覆う。幾つかの態様では、架橋されたマルチポリマーは2以上の単官能価モノマーおよび架橋形成多官能価モノマーの溶液(本明細書では「反応物溶液」と呼ぶ)からその場で形成される。単官能価モノマーは1つの不飽和官能基を有するものである。多官能価モノマーは1より多くの不飽和官能基を有する分子である。幾つかの態様では、2以上の単官能価モノマーはモノ−またはジ−N−置換アクリルアミドまたはメタクリルアミドである。幾つかの態様では、架橋形成モノマーは多官能価アクリルアミドまたはメタクリルアミドである。1つの好適な態様では、ジメチルアクリルアミドおよびジアセトン アクリルアミドがメチレン−ビス−アクリルアミドと共に使用される。別の好適な態様では、N−ビニルピロリドンがモノ−またはジ−N−置換アクリルアミドまたはメタクリルアミド単官能価モノマーの1つに置き換えられる。
【0043】
幾つかの態様では、少なくとも1つの多官能価モノマーは多官能価アクリルアミドモノマー、多官能価メタクリルアミドモノマーまたはジアクロイルピペラジンであり、そして少なくとも2つの異なる単官能価モノマーはアクリルアミドモノマー、メタクリルアミドモノマーおよびN−ビニルピロリドンから選択される。
【0044】
さらなる態様では、少なくとも1つの多官能価モノマーが多官能価アクリルアミドモノマー、多官能価メタクリルアミドモノマーまたはジアクロイルピペラジンであり、そして少なくとも2つの異なる単官能価モノマーがN−ビニルピロリドンモノマーおよび一般式I:
【0045】
【化2】
【0046】
あるいはH2C=C(R1)C(=O)N(R2)(R3)と記載され、
式中、
R1は−HまたはCH3であり、
R2はHまたは直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C6、好ましくはC1−C3アルキルであり、
R3はHまたは直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C6、好ましくはC1−C3アルキル、またはC(CH3)2CH2C(=O)CH3または(P=O)((NCH3)2)2、またはC=ON(CH3)2、またはCH2−O−R4であり、ここでR4は直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C5アルキル、または(CH2−CH2−O)n−R5であり、ここでR5は−Hまたは−CH3であり、そしてnは2または3であるがただしR2およびR3は同時にHではない、
を有するモノマーから選択される。
【0047】
幾つかのより好適な態様では、架橋されたマルチポリマーは:
(a)メチレン−ビス−アクリルアミド、ジメチルアクリルアミドおよびジアセトンアクリルアミド;または
(b)メチレン−ビス−アクリルアミド、−ビニル ピロリドン、およびジメチルアクリルアミドまたはジアセトン アクリルアミドのいずれか
のいずれかから形成されるポリマーである。
【0048】
また本発明の幾つかの態様で提供されるのは、生体分子抵抗性表面コーティングを有する製品の調製法であり、該方法は;
(a)表面を有する製品を提供し;
(b)場合により該製品の該表面を湿潤液体と接触させてそれらの該表面を湿潤させ;
(c)場合により該湿潤液体を第2の湿潤液体と交換して、該製品を該第2液体で湿潤させておき;
(d)該製品の該表面を:
(1)アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−ビニルピロリドンから成る群から選択される少なくとも2つの単官能価モノマー;および
(2)多官能価アクリルアミド、多官能価メタクリルアミドおよびジアクロイル ピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー、
を含む溶液と接触させ;該溶液は場合によりさらに1以上の重合開始剤を含んでなり;そして
(e)該モノマーを重合して該熱安定性の生体分子抵抗性表面を形成する、
工程を含んでなる。
【0049】
幾つかの態様では、コートされるべき製品の全面がマルチポリマーでコートされる。すなわち反応物溶液は好ましくはコートされる全面を湿潤させるべきである。これは好ましくは製品の表面を反応物溶液と接触させる前に洗浄工程を行うことにより容易となる。すなわち幾つかの好適な態様では、製品の表面はコートする全面を完全に湿潤させる洗浄液体で最初に洗浄される。好ましくは洗浄液体は好ましくは反応物溶液と交換され得る。
【0050】
水性の反応物溶液が使用される幾つかの好適な態様では、湿潤液体は製品表面を湿潤させるために必要な表面張力よりも低い表面張力を有する有機−水組成物であり得る。適当な湿潤液体の例はアルコール−水溶液、好ましくはメタノール−水、エタノール−水またはイソプロパノール−水溶液である。
【0051】
洗浄工程が採用される幾つかの好適な態様では、第2洗浄工程を行うことが好ましい。例えば湿潤液体の1以上の成分が重合化または架橋形成反応を妨害し得る場合、第2洗浄工程を使用して洗浄液体を除去し、そしてそれを重合化または架橋形成反応を妨害しない第2の洗浄液体に置き換えることができる。例えば水性の反応物溶液が使用されるならば、湿潤製品面を水で洗浄して第1湿潤液体を除去し、そして水を満たした、または水で湿潤させた製品表面を生成する。次いで湿潤製品面を反応物溶液と接触させて(例えば反応物溶液に浸すことにより、または反応物溶液をコートされる表面に適用することにより)、製品面上に所望の反応物組成を生じる。好ましくは第1および第2洗浄工程(所望するならば)を周囲温度、例えば20℃〜30℃で、そして好ましくは数秒から数分間行う。
【0052】
反応物溶液が製品面を十分に湿潤させる場合、その目的に有機溶媒を含むことから、あるいは反応物溶液が製品面を完全に湿潤させるように、反応物溶液中の反応物濃度が溶液の表面張力を下げるために十分である場合、いずれの洗浄工程も必要ない。すなわち幾つかの好適な態様では、反応物溶液はそのような洗浄工程を避けるために十分に反応物溶液の表面張力を下げ、そして後の重合反応を妨害しない1以上の添加剤を含む。そのような添加剤の好適な例にはエチル ヘキシル ジオール、プロピレンカーボネート、トリプロピレングリコール メチル エーテルおよび2−メチル−2,4−ペンタンジオールを含む。適切な湿潤を達成するために必要な反応物溶液への添加剤の量は、使用するモノマーおよび開始剤の量および種類に依存し、そして当業者は実験を行うことなく容易に決定することができるだろう。
【0053】
幾つかの態様では、反応物溶液には溶媒、単官能価モノマー、少なくとも1つの多官能価架橋形成モノマーおよび場合により1以上の開始剤を含む。反応物溶液用の溶媒の選択は、モノマーおよび任意の開始剤の選択に依存する。溶媒は好ましくは(1)反応物、そして存在する場合は開始剤を溶解し;(2)重合反応を干渉または妨害せず;そして(3)製品表面を攻撃しない。特に好適な溶媒の1例は水である。
【0054】
本発明の幾つかの好適な態様では、マルチポリマーはアクリルアミド、メタクリルアミドまたはN−ビニルピロリドンから選択される少なくとも2つの単官能価モノマー、および少なくとも1つの多官能価アクリルアミドまたはメタクリルアミド架橋形成モノマーから形成される。しかし別の好適な態様では、他のモノマーを使用することもできる。これらにはN−ビニルピロリドンおよび他のモノ−またはジ−N−置換アクリルアミドまたはメタクリルアミドモノマー、例えば上記式Iを有するモノマーを含む。
【0055】
幾つかの態様では、第1の単官能価コモノマー対第2の単官能価コモノマーの比が約1〜5、より好ましくは約1〜2であることが好ましい。さらに好適な態様では、コモノマーの総量が約0.5%〜約20%、より好ましくは約2%〜約10%の間、そしてさらに一層好ましくは約45〜約8%である。
【0056】
幾つかの態様では、マルチポリマーはすでに記載した2つの単官能価モノマーに加えて1以上の単官能価モノマーを含むことができる。そのようなさらなる単官能価モノマーは、マルチポリマーの特別な特性を付与または修飾するために有利に使用することができる。例えばマルチポリマーの親水的性質またはイオン荷電含量を修飾することが望ましい幾つかの態様では、修飾を行うために他の2つの単官能価モノマーとは異なる官能性を有する第3の単官能価モノマーを含むことが好ましい。好ましくはさらなる単官能価モノマー(1つまたは複数)をマルチポリマーに使用する場合、そのようなさらなるモノマーは少量で、または単官能価モノマーに匹敵する量で使用される。含む代表的な追加特性を修飾するモノマーは、(3−(メタクリロイルアミノ)プロピル)トリメチルアンモニウム クロライド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム クロライド、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸およびアミノプロピルメタクリルアミドであることができる。
【0057】
本発明の幾つか好適な態様では、マルチポリマーは少なくとも1つの多官能価架橋モノマー(または「架橋形成モノマー」)を含む。特定の理論に拘束されることはのぞまないが、架橋形成モノマーは、とりわけ鎖重合反応に参加し、そして単官能価モノマーの重合した鎖を架橋することによる両方で製品表面に対する永久的修飾を容易にすると考えられている。本発明での使用に好適な架橋形成モノマーの例には、多官能価アクリルアミド、多官能価メタクリルアミドおよびジアクロイルピペラジンを含み、多官能価アクリルアミドおよび多官能価メタクリルアミドがより好適である。エチレン−ビス−アクリルアミドおよびメチレン−ビス−アクリルアミドは特に好適な架橋形成モノマーであり、メチレン−ビス−アクリルアミドが特に好適である。
【0058】
幾つかの好適な態様では、マルチポリマーに存在する単官能価モノマーの総量に対する架橋モノマーの量の比は、約1〜約10、より好ましくは約2〜約6である。
【0059】
本明細書においてマルチポリマーのモノマー性成分に関連して使用するように、用語「モノマー」および「コモノマー」は互換的に使用されるべきである。
【0060】
幾つかの好適な態様では、本発明の単官能価モノマーの重合およびコポリマー(1つまたは複数)の架橋形成は、遊離基の開始および伝搬を通して達成される。幾つかの好適な態様では、1以上の遊離基開始剤を、重合を促進するためにモノマーを含む反応物溶液に含むことができる。当該技術分野で既知の広い種々の開始剤が本発明に応用を見いだせる。幾つかの好適な態様では、開始剤(1つまたは複数)は水溶性である。別の好適な態様では、例えば浸潤反応物溶液が使用される時、わずかに水溶性の開始剤が好適である。
【0061】
当業者は上記反応物溶液に適する開始剤を容易に決定することができるだろう。適当な開始剤の例には例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、アゾビス(4−シアノ吉草酸、Irgacure2959(チバ−ガイギー(Ciba−geigy)、ホーソーン、ニューヨーク州)、2,2’−アゾビス(2−アミジノ−プロパン)ヒドロクロライド等を含む。好ましくは開始剤(1つまたは複数)は全反応物溶液に基づき約0.1%〜約1重量%の範囲で使用される。
【0062】
幾つかの態様では、コートされれる製品の表面を反応物溶液と接触(すなわち飽和させる)させた後、余分な反応物溶液を外面から除去し、同時にそのような外面を溶液で湿潤させておく。余分な反応物溶液を除去した後、次に反応物溶液の重合は湿潤製品面を加熱、紫外線、電子ビームまたはガンマ放射線のような任意の通常のエネルギー源に暴露することにより始まる。熱により開始される遊離基重合は、典型的には飽和した媒体または膜を少なくとも60℃に加熱し、そしてその温度を約0.1〜約10分間、好ましくは約1〜約2分間維持することにより達成される。使用する開始剤およびモノマーの組み合わせに依存して、沸騰または急激すぎる気化が重合反応に悪影響を及ぼす点まで、より高温を使用することができる。
【0063】
幾つかの態様では、紫外線光を使用してその場で重合反応を開始する。好ましくは反応物溶液(場合により1以上の開始剤を含む)で飽和した製品面を、“H”バルブを備えたFusion System F600(ロックビル、メリーランド州)のような紫外線光源を用いて照射する。フィルターは修飾される多孔質媒体または膜に望まない傷害を引き起こし得る望ましくない波長を減らすか、または除去するために使用することができる。当業者は重合条件を至適化するためにランプの強度でUV光に対する暴露時間のバランスをとることが日常的な実験の問題になると考えるだろう。一般に600ワットの供給源で、約2秒から約10秒、好ましくは約3秒から約5秒の暴露時間が適当となるだろう。
【0064】
幾つかの好適な態様では、例えば米国特許第4,944,879号明細書(この開示は引用により本明細書に編入する)に記載されている方法を容易に適合させることにより、電子ビーム技術を使用して重合を開始する。典型的には反応溶液で湿潤させた製品を電子ビームプロセッサーにより生成される電子のカーテンに通す。このプロセッサーは約100kV〜約200kVで所望する線量を送達する。製品はカーテン下で所望する暴露時間を与えるために適当な速度で移動させる。暴露時間は線量と組み合わせて線量率を決定する。典型的な暴露時間は約0.5秒〜約10秒である。線量率は一般に0.05kGy(キログレイ)〜約5kGyである。
【0065】
分子酸素の存在は遊離基重合反応に悪影響を及ぼすことが知られている。すなわちこれまでに記載した前述の各開始法では、反応ゾーン中の酸素の量を約200ppm未満、好ましくは約50ppm未満に制御することが好ましい。幾つかの好適な態様では、これは反応ゾーンに窒素またはアルゴンのような不活性ガスを流すことにより、または空気を排除するために周知な他の方法によりなされる。
【0066】
さらに好適な態様では、反応物溶液のモノマーの重合はガンマ放射線により開始することができる。この方法では典型的には、反応溶液で湿潤している製品を照射する。好ましくは反応物溶液を脱気し、すなわち空気、そして特に酸素を溶液から除去するように処理する。幾つかの好適な態様では、脱気は空気をヘリウム、窒素またはアルゴンのような不活性ガスに置き換えることによりなされる。別の好適な態様では、脱気は例えば真空ポンプによりモノマー溶液を減圧にすることによりなされる。脱気したモノマー溶液を付加した(laden)製品面は次いで脱気状態を維持するために密閉材料で封鎖され、そして所望の線量で照射される。好ましくは密閉材料は照射により分解せず、しかもガンマ線を有意に妨害しない。密閉材料として有用となる広い種々の材料、例えば多くのプラスチック、特にフェルムおよび平らな平面、硼珪酸ガラスが当該技術分野では知られている。
【0067】
典型的には約0.02〜約1.0kGyの全線量が適当である。1時間あたり約5〜約500キロラド、より好ましくは1時間あたり約5〜約150キロラドの典型的な暴露を使用することができ、典型的な照射時間は約4〜約60時間である。当業者は線量率と全線量が到達する時間との適当なバランスを容易に決定することができるだろう。
【0068】
架橋されたマルチポリマーが製品面にグラフト化される程度(すなわちマルチポリマーが結合する程度)は、とりわけ重合反応の開始法の選択により制御することができる。例えばガンマ放射線は、コポリマーの重合性製品面により大きな程度のグラフト化を与えると期待されるが、熱が誘導する開始はグラフト化の程度が少ない。当業者はマルチポリマーを製品面へ所望する程度でグラフト化を与える開始法を容易に選択することができるだろう。
【0069】
本発明の方法は平ら、丸、円錐および筒状等の面を含む広範な表面のトポロジーを有する製品の製造に応用することができる。コーティング法は繊維および単繊維工業から既知であり、これを本方法に適合させて製品のコーティングをし易くすることができる。
【0070】
一般に、本発明の表面コーティングは汚れた液体、特に生体分子を含む液体が製品の液体接触面を汚染するかまたは蓄積する可能性がある任意の製品の修飾に使用を見いだした。
【0071】
幾つかの態様では、本発明はコート製品の実験器具およびそのようなコート製品の調製法を提供する。本明細書で使用する実験用具の製品は、生体分子の含むサンプルと接触することになる実験室で使用する製品を指す。すなわち実験器具の製品には、キュベットおよびそれらのカップ、丸底、コニカルまたは円筒状フラスコ、ビーカー、遠心管およびボトル、クロマトグラフィーカラム、シリンダー、メスシリンダー、インキューベーションおよび発酵チャンバー、ピペット、交換可能なピペットチップ、例えばアッセイを含む広い様々な応用に使用するマルチウェルプレートを含む。また含まれるのは秤量器、媒質フィルター、透析チューブ、分配チューブ、実験用チューブ、ポンプチューブ、シリンジ、シリンジ針、バレット、電気泳動用管またはゲルの成形用品および電気泳動装置、ブロッター、シークエンサー、ゲル染色トレイ、フィルターユニット、漏斗、ハイブリダイゼーションチューブ、振盪フラスコ、細胞培養フラスコおよび管、培養容器、培養皿(例えばペトリ皿)および他の培養器具、クローニングシリンダーおよび組織培養媒体を含む。また含まれるのは、ボトル、バイアル、ジャー、キャニスター、箱入り大型ガラス瓶、および生体分子を含む保存溶液または混合物を保存するための容器、例えば媒質ビン、ジャー、およびチューブのような生体分子を含有するサンプルを輸送するために、研究室で使用されるすべての様式の液体導管等である。そのような実験器具は種々の材料からなることが知られており、それら材料には限定するわけではないがガラス、プラスチック、セラミックおよび金属を含み、そして各々が限定せずに用語実験器具の範囲内にある。さらなる実験器具は、ライフサイエンスリサーチに関する生化学品および試薬(Biochemicals and Reagent for LifeScience Research)、(シグマ社カタログ)2000−2001、フッシャー サイエンティフィック社(Fisher scientific Co.)カタログ2000/2001、およびVWRサイエンティフィックプロダクツカタログ2000/2001から当業者により容易に確認され得る(これらは引用により本明細書に編入する)。
【0072】
幾つかの態様では、本発明はコート医療用具およびそのようなコート製品の調製法を提供する。本明細書で使用する「医療用具」は、限定するわけではないがヒトのような動物の体内または上で、例えば手術、検査、薬剤の投与等を含む医療処置と関連して使用される医療用デバイスおよび代用品(fungible)を含むことを意図する。すなわち限定することなく医療用デバイスには補綴、バイオセンサーを含むセンサー、インプラント、カテーテル、創傷用手当用品、コンタクトレンズ、限定するわけではないが人工心臓のような人工臓器、例えば白内障を処置するための移植可能なレンズ、および限定するわけではないが薬剤を送達するための経皮パッチを含む薬剤送達デバイスを含む。
【0073】
さらなる態様では、本発明の表面コーティングを有するデバイスには調製用または診断用デバイスを含むバイオテクノロジー産業で有用なものを含む。そのようなデバイスの例には酵素結合免疫吸着アッセイを含む酵素アッセイ用の支持体、パターン化された細胞培養のシステム(例えばChen,C.S.,et al.,Science,1997,276,1425−1428を参照)、組織工学(例えばNiklason,L.E.,et al.,Science,1999,284,489−493を参照)、ミクロ流動的および分析システムに使用する材料(例えばMicrosystem Technology in Chemistry and Life Science,Manz.,A.and Becker編集、スプリンガー(Springer)出版、ベルリン−ヘルシンキ1998(Top.Curr.Chem.No.194)を参照)、およびタンパク質を使用した高処理量スクリーニングに関するシステム(例えばMacbeath,G.,et al.,Science,2000,289,1760−1603を参照)、および核酸および/または細胞(例えばWhitney.M.,et al.,Nat.Biotechnol.1998,16,1329−1333を参照)を含み、例えば遺伝子チップおよびセルソーティングシステム用の支持体を含む。本発明の表面コーティングを有利に包含することができるデバイスのさらなる例には、血液透析機、人工心臓を含む人工臓器、工業用および生物医学用バイオセンサー、および生物分離デバイスを含む。さらなる例は、生物材料科学 医学における材料への導入(Biomaterials Science An Introduction to Materials in Medicine)、Ranter,B.D.Schoen,F.J.and Lemon,J.E.編集、アカデミック(Academic)出版、1996に見いだすことができ、これらは引用により本明細書に編入する。
【0074】
幾つかの態様では、本発明はコートされた飲料流体容器および導管、およびそのようなコートされた容器および導管の調製法を提供する。用語「飲料流体容器および導管」とは、飲料、特にワイン、ビール、ソフトドリンク、ジュース工業における調製および保存のために飲料工業で使用される任意の様式の容器および流体導管を意味するものとする。そのような容器および液体導管の代表例には、ビールおよびワインを調製(例えば発酵)、保存および分配するための発酵チャンバーおよび導管を含む。さらなる例にはビール、ワインおよびそれらの前駆物質を含む。また含まれるのはソフトドリンク、ミルク、ジュースまたは他の飲料と接触することになるソフトドリンク、ミルク、ジュースおよび他の飲料の容器、および分配器のすべての部分を含む。
【0075】
さらなる態様では、本発明はコートされた海洋用品およびそのようなコート製品の調製法を提供する。本明細書で使用する用語「海洋用品」は海水または淡水(例えば湖、池、河川)と接触することになる製品を示し、それらには舟艇および舟艇装備品を含む。海洋用品にはまた淡水および海水水槽および水槽用品を含む。すなわち幾つかの態様では、本発明は本発明のコーティングで修飾された表面を有する舟艇を提供する。好ましくは本発明のコーティングは水と接触する舟艇の少なくとも一部に適用され、水線下の船体、キール、舵および存在する場合はプロペラおよび/またはセンターボードを含む。舟艇には限定するわけではないが大きさにかかわらず木製、ファイバーグラス、金属および他のポリマー船体の舟(water craft)を含む。舟艇装備品には舟艇に通常見いだされる製品、例えばオール、救命胴衣、帆等を含む。水槽用品には淡水および/または海水水槽に見いだされる製品を含み、装飾用の水性植物、装飾小物等、ならびに水槽に水を循環させるポンプの水を導く表面、およびそのようなポンプのフィルター媒体を含む。
【0076】
さらなる態様では、本発明はコートされた配管用品およびそのようなコート製品の調製法を提供する。配管用品には例えば、金属、ガラスまたはプラスチック製のパイプおよび付随するフィッティングおよび新鮮な水または廃水(例えば下水)の輸送するために使用する連結器を含む。
【0077】
本発明の考察では可能なすべての組み合わせ、置き換えまたは修飾を完全に提示することを意図しないが、熟練者の啓発に代表的な方法を提示する。代表的な実施例は実施の低減を示すために与え、そして本発明の範囲を限定するものとは解釈されない。発明者は特許請求の範囲を作成した時点で知られている最も広い様式で本発明の最も広い観点を網羅するように努める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
方法
1.生体分子抵抗性
吸着に対する生体分子抵抗性は、IgGタンパク質を使用した静的浸漬試験により測定することができる。タンパク質溶液はミズーリ州、セントルイスのシグマケミカルカンパニー(Sigma Chemical Company)(SigmaI−5523)から購入したリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で調製する。これもシグマ化学社(SigmaI−5523)から購入したヤギのガンマグロブリンを1mg/mlの濃度で使用する。125I−ヤギ抗(ウサギIgG)はマサチューセッツ州、ボストンのNENライフサイエンスプロダクツ(Life Science Products)(NEX−155)から購入し、そしてタンパク質溶液に加えて0.1μCi/mlの最終濃度とする。
【0079】
製品表面の10枚の13mm直径サンプルを16×100mmの試験管に入れ、そして正確に10mlのタンパク質溶液をカリブレートしたマイクロピペッターを用いて加える。すべての試験管をロータリーシェーカー台のラックに置き、そして2時間撹拌(agitation)する。撹拌後、液体を試験管から吸引し、そして湿潤膜を10mlのPBSで3回洗浄する。洗浄したサンプルは清浄な試験管に移し、そしてガンマカウンター(イリノイ州、ダウナーズ グローブのパッカード インスツルメントカンパニー(Packard Instrument Company)からのMinaxi Auto−gamma 5000シリーズ)に置いて各ディスクに結合した放射性を1分あたりのカウントの単位(cpm)で測定する。10mlのタンパク質溶液を含み、そして膜は含まない対照試験管に関する1分あたりのカウントも測定する。対照試験管に基づき、測定した放射性と実際のタンパク質濃度との間の関係は、以下の式:
対照関係=全平均cpm/mgIgG=全平均cpm/1000μgIgG
により各サンプル上のタンパク質の量について算出する。
【0080】
各ディスク上に見いだされる放射性を測定することにより、各サンプル上のタンパク質量を以下の式:
サンプルに結合したタンパク質=(cpm/1.33cm2)★(1000μgIgG/全平均cpm)
に従い算出することができる。
【0081】
この量を結合したタンパク質としてcm2の製品表面あたりμgの単位で報告する(13mmのディスクは1.33cm2の面積を有する)。試験する各サンプルについて少なくとも2連で行う。
【0082】
Durapore(商標)膜のような低結合の市販PVDF膜のような多孔質製品について見いだされた典型的な値は、15±4μg/cm2の範囲である。対照的にパールコーポレーション(Pall corporation)からのFluorodyne(商標)膜のような競合的PVDF膜は47±19μg/cm2の範囲である。
【0083】
あるいは生体分子抵抗性は以下の実施例7に記載するようなBSA−2%ポンソーS試験に従い決定することができる。
2.生体分子抵抗性の熱安定性
コート製品の生体分子抵抗性の熱安定性を決定するために、製品のサンプルを(1)オーブン中で135℃にて2時間加熱する;(2)121℃の蒸気オートクレーブ中で1時間維持する;または(3)100℃より高い温度で融解する材料に関しては、100℃で2時間、オーブン中で加熱するいずれかを行い、そして次いで上記のように試験した。
3.抽出分レベルを測定するためのTOC(全有機炭素)法
同じコート面の面積を有する3枚の製品サンプルを、前以て清浄化した40mlのTOVバイアルに入れる。このバイアルをGVX(疎水性PVDF膜)のような適当な疎水性の多孔質シートで覆い、そしてゴムバンドにより固定する。次いでこのバイアルを126℃で1時間オートクレーブにかける。冷却後、バイアルを取り出す。GVXを除去し、そして40.0mlの新たなMilliQ(商標)水を加え、そしてバイアルは予め清浄化したテフロンを裏打ちした隔壁キャップで即座に蓋をする。サンプルを一晩抽出する(最少16時間)。抽出物はSiever 800 TOC分析機によりTOCレベルについて分析する。生のPPM結果は、オートクレーブにかけ、そして一晩抽出した空のバイアルであるブランクについて補正する。これらのppm TOC結果は、40mlを掛け、そして52.05cm2で割ることによりμgC/cm2に変換する。
4.コート製品に関して抽出分レベルを決定するためのTOC/NVR(全有機炭素/非揮発性残渣)法
約8ft2のコート表面を有するコート製品のサンプルをGVXで包む。ついでサンプルを126℃で1時間オートクレーブにかける。冷却後、膜をGVXから取り出し、そして予め清浄化した1リットルのメスシリンダー中の800mlの新たなMilliQ(商標)水を膜が完全に沈むように加える。シリンダーは1層のアルミニウムホイルで蓋をし、そしてサンプルを一晩抽出する(最少16時間)。次いでサンプルを取り出す。抽出物のアリコートは標準法によりTOC(40ml)およびNVR(200〜600ml)について分析する。
5.苛性アルカリ抵抗性を決定するための流れ時間測定
液体流がコート表面を通過することを意図する製品、例えばコートされた多孔質膜について、そのような製品を流れ時間について試験することができ、これは透過性を測定するための方法であり、周囲温度で2時間、0.1NaOHに暴露し、そして流れ時間について再試験する。流れ時間試験は、測定した量の液体を1組の圧で膜に通し、そして完全に通過するまでの時間を測定することにより行う。暴露前に対する後の流れ時間の比は、製品に及ぼす苛性アルカリの効果の尺度である。より高比率がより効果的であることを示す。1の比率は効果が無いことを示す。苛性アルカリ抵抗性製品はこの暴露後でも湿潤性のままであり、そして約1.5未満の暴露前の流れ時間に対する暴露後の流れ時間の比率を有する製品である。
【0084】
以下の手順をこの試験に使用する:
1.表面コーティングの同じ面積を有する製品のサンプルを調製する。
2.サンプルを水で濡らし、そしてある容量の水を保持するためのリザーバーを備えたフィルターホルダーに置き、そして真空ポンプにつなぐ。
3.サンプルに水を27.5インチHgの差圧で流す。
4.平衡に達した後、500mlの水がサンプルを通って流れる時間を記録する。
5.この測定を周囲温度で0.1M NaOHに2時間暴露する前および後で行う。0.1M NaOHへの暴露はサンプルを大過剰の塩基中で旋回させることにより行い、そしてサンプルは流れ測定の前に中性まで水で洗浄する。
6.データは比率を最も近い整数の概数とする。
膜製品の例
本発明の方法の1つの応用は、コートされた多孔質膜の形成である。コートされた膜の調製法は2001年4月27日に出願した米国特許仮出願第60/287,172号明細書に開示し、その内容は引用により本明細書に編入する。以下の例は幾つかのそのような態様の調製および試験を具体的に説明する。
【実施例1】
【0085】
本発明の方法によるPVDF微孔質膜の修飾および評価
0.1ミクロン等級の疎水性PVDF膜(Durapore(商標)、ミリポア社(Millipore Cororation)、ベッドフォード、マサチューセッツ州)の6枚の47mmディスクを切断し、そしてそれらの重量を記録する。次いで膜はメタノール中に置き、そしてMilliQ(商標)水に浸漬することにより水で前もって湿潤させた。
【0086】
アクリルアミドモノマー、光開始剤および水を含む溶液を作成した。この溶液の組成を表1に示す:
【0087】
【表1】
【0088】
反応物の全溶解後、溶液を皿に入れ、そして前以て湿潤させた膜を溶液に入れる。皿を覆い、そして膜は軌道シェーカー(ラボライン インスツルメンツ(LabLine Instruments)、メルローズパーク、イリノイ州)で溶液中にて10分間旋回させる。膜を取り出し、そして個別に1milのポリエチレンシート間に置く。過剰な溶液は、卓上に平らに置いたポリエチレン/膜ディスク/ポリエチレンサンドイッチ上をゴム製ローラーを転がすことにより除去する。次いでポリエチレンサンドイッチは、“H”バルブを備えたFusion System UV暴露ラボユニットを通して集成物を運ぶ輸送ユニットにテープで付ける。暴露時間は集成物がどのくらい速くUVユニットを通って移動するかにより制御する。この実施例では、集成物はUVチャンバーを20フィート/分で移動する。
【0089】
UVユニットから出た後、膜をサンドイッチから取り出し、そして直ちにメタノールに入れ、ここで膜は15分間旋回させることにより洗浄される。次に膜をMilliQ(商標)水で15分間洗浄する。この洗浄手順後、膜を風乾する。
【0090】
膜の重量を再度測り、そして膜あたりに加えられた重量%は加わった重量を初期重量で割り、100を掛けて算出する。この実施例に関して、加わった重量は4.4%であった。
【0091】
表2は膜について行われた測定を示す:
【0092】
【表2】
【0093】
親和性のない支持体に関して、修飾した膜は25%の水流時間の上昇を示した。全有機炭素抽出分は0.646マイクログラム/平方センチメートルと測定された。湿潤時間およびタンパク質結合は以下の表3に与える:
【0094】
【表3】
【0095】
湿潤時間は47mmディスクを水平に水中に落とし、そしてディスク全面が完全に濡れた外観となる時間を測ることにより測定した。
【実施例2】
【0096】
DMAmおよびMBAmを含む異なるモノマーを使用したPVDF膜の修飾
PVDF膜は以下の表4に示すように、DMAmおよびMBAmを含む異なるモノマーを使用して実施例1に記載のように修飾した:
【0097】
【表4】
【実施例3】
【0098】
連続ロールの生産
表面を修飾した膜のロールは、疎水性の0.1μm孔サイズ膜を種々の濃度のN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAm)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBAm)、ジアセトンアクリルアミド(DACAm)およびトリ(プロピレングリコール)メチルエーテル(TPM、一定の20%)から成る水溶液を含む湿潤パンを種々の速度で順次に通し、ポリエチレンフィルム間に挟みながら4台のFusion UV System F600ランプを使用して両側からUV照射に暴露し、メタノールのタンク中、続いて水のタンク中ですすぎ、そして115℃の乾燥空気を当てながら真空ドラム上で乾燥させることにより調製した。種々の条件を使用し、そして結果を以下の表5に与える。1および2行の対照はモノマーの混合がタンパク質結合の熱安定性に及ぼす効果を示すために含める。
【0099】
【表5】
【実施例4】
【0100】
市販のPVDF膜および本発明の膜を用いた苛性アルカリ抵抗性試験の結果
0.1N NaOHに周囲温度で2時間、暴露する前および後の膜の流れ時間の比を以下の表6に示す。
【0101】
【表6】
【0102】
上記で検討したように、本発明の膜のような修飾した膜は容易かつ効率的に「清浄化」されることができ;すなわち後に濾過される製品中に抽出され得る材料を除去するために、反応後の洗浄および/または抽出工程の管理にかけることが大いにに好ましい。そのような低レベルに抽出分を減らすために、低分子量種および未反応モノマー、ならびに非結合オリゴマーおよびポリマー種を除去する洗浄法を有することが必要である。これはこのような材料を溶媒和する液体を用いた十分に徹底的な抽出により行うことができる。しかし抽出時間が増すほど支払う経済的犠牲もあり、したがって抽出時間を最少にすることが望ましい。さらに従来技術の修飾膜はそれらが続いてオートクレーブにかけられると、長い洗浄または浸漬にもかかわらず抽出分の減少を示さないことが観察された。特定の理論に拘束されることなく、これはオートクレーブから生じる修飾の加水分解的な分解産物によると考えられ、これが後で抽出される。熱、例えばオートクレーブに対して暴露した後に、あるいは高度にアルカリ性の液体に暴露した後に安定な抽出分レベルを有する修飾された膜または多孔質媒体を有することが望ましいと分かるだろう。これは大変低レベル、従来技術の膜よりも低いレベルの抽出分まで効果的に清浄化することができる本発明の膜の重要な特性である。
【0103】
図1は従来技術の膜と本発明の膜の抽出分レベルを比較するための試験に由来する結果を具体的に説明する。両膜の組は存在する有意な量の任意の抽出分を除去するために計画された条件で製造後の浸漬に供した。浸漬時間の増加が抽出分除去に及ぼす効果を測定するために、各種類のサブセットを様々な時間浸漬した。
【0104】
市販のPVDF微孔質膜(Durapore(商標)、ミリポアコーポレーション、ベッドホード、マサチューセッツ州)のサンプルを80℃の水に図1に示した時間浸漬した。各時間間隔の後、サンプルを取り出し、そして抽出分レベルを測定するためにTOC法で試験した。図1はTOC抽出分が1平方センチメートルあたり約2〜5マイクログラムであることを示す。抽出分のレベルは80℃の浸漬時間により影響を受けなかった。これはこれらの膜に関して任意の改善に対する限界を示す。
【0105】
本発明の膜をメタノールに図1に示す時間浸漬し、そしてTOC抽出分を上記のように測定した。黒色の四角はDurapore(商標)を示し、そして灰色の三角、逆三角および丸は本発明の同一の膜の独立した実験を示す。本発明の膜に関して、TOC抽出分は規模において約1次元低い約0.2〜0.4マイクログラム/平方センチメートルであることが分かる。これらの結果は本発明の膜が従来技術の膜よりも有意に清浄に作ることができ、そして徹底的な浸漬により従来技術の膜の抽出分レベルは本発明の膜が達成できるレベルにまで下がらないことを示す。
【0106】
上で検討したように、従来技術の膜の重要な問題はそれらの生体分子抵抗性が加熱した時に有意に低下することである;すなわちそれらの生体分子抵抗性は十分に熱安定性ではない。乾燥熱はさらに有害な効果を有し、そしてオートクレーブ中でのような湿潤熱はより低いが、それでも実質的な効果を及ぼす。膜は使用に応じて様々な熱管理にかけられるので、これらの効果は工業的開発に対する重大な欠点を提示する。
【0107】
驚くべきことに、本発明の架橋されたマルチポリマー、そして特にアクリルアミドの架橋されたポリマーはこの熱に対する感受性をもたないことが見いだされた。特にメタクリルアミドを含み、そしてN−ビニルピロリドンを含む架橋されたマルチポリマーは、生体分子吸着に対する高い抵抗性の熱安定性を共有する。
【0108】
実施例1の結果を具体的に示す図1は、本発明の有利な効果を明らかに表す。図2では、同じ基材の膜の3種の修飾からの結果を示す。1つのモノマー(1つの場合ではN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAm)、そして別の場合ではジアセトンアクリルアミド(DACAM))および架橋モノマー(メチレンビス−アクリルアミド(MBAm))からの架橋されたポリアクリルアミドを含む2組のサンプルの修飾は良好であり、すなわち作成時に低いタンパク質吸着である。これら修飾した膜のサンプルをオーブン中で135℃にて2時間加熱し、そして試験した時、タンパク質吸着は作成時の値の約4〜10倍まで顕著に高かった。各々の別のサンプルを121℃の蒸気オートクレーブ中で1時間保持し、そして次いでタンパク質吸着について試験した。DMAmサンプルは作成時の価より一層高く、一方DACAmサンプルはおよそ同じ値であった。はっきりした対照として、DMAmおよびDACAmモノマーの混合物で修飾した膜は、2時間の135℃の加熱またはオートクレーブ処理からは無視できる効果を示した。さらにマルチポリマーで修飾した膜の作成時のタンパク質吸着は、単一のモノマーで修飾した膜の吸着よりも低かった。熱安定性の生体分子抵抗性表面は、熱への暴露後に生体分子吸着に増加がないか、またはその増加が少ない膜である。より具体的には熱安定性の生体分子抵抗性表面は、本明細書に記載するIgG試験による測定した時に、本明細書に記載するような熱に対する暴露後に、熱への暴露前の同じ表面のIgG吸着の約2倍未満の吸着を有する膜である。
【0109】
熱への暴露後の生体分子吸着の減少は、変化が本来は小さい時に試験法における変動により見られるかもしれない。また減少効果を与える至適された組成もあるかもしれない。本発明の内容では、生体分子抵抗性はIgG試験で測定する。代表的な熱への暴露は135℃で2時間の乾式加熱、および124℃で1時間の湿式加熱で行う。熱安定性の生体分子抵抗性表面は、熱表面に対して非暴露の約2倍未満のIgG吸着を有するものである。
【0110】
当該技術分野の熟練者は一般に生体分子吸着に対する抵抗性を望む場合、表面の親水性を最大にするように努めると仮定すると、実施例2−1〜2−7において親水性のジメチルアクリルアミドモノマーを含む親水性が低いモノマーの使用が全体的な生体分子抵抗性の向上を与えることはさらに驚くべきである。以下の表7はPの値、本発明で使用する代表的モノマーに関するオクタノール−水分配係数を与える。Pは化合物をオクタノール−水の2相抽出にかけた時、水性相中の濃度に対するオクタノール相中の濃度の比率に等しい。より高いP値はより疎水性の化合物であることを示す。
【0111】
【表7】
【0112】
モノマーに関するP値はChemPlus●(商標)ソフトウェア(ハイパーキューブ社(HyperCube,Inc.、ウォータールー、オンタリオ州)を使用して算出した。次いでモノマーP値を使用して実施例1および3の架橋されたマルチポリマーに関する混合P値を算出した。混合P値はそのP値を設定した時のモノマーのマスフラクション(mass fraction)の和であった。混合P値は生成したポリマーの親水性の尺度であり、ポリマーはより高い値ほど親水性が低い。
【0113】
表8は混合P値、乾式加熱(135℃で2時間)およびオートクレーブ(124℃の蒸気に1時間)に暴露した後のタンパク質結合を表す。この表中のすべての実施例において、N,N−メチレン ビス−アクリルアミドが架橋形成モノマーである。
【0114】
【表8】
【0115】
これらの実施例は本発明を限定するために示すのではなく、乾燥または湿潤熱への暴露のいずれかの後のタンパク質結合によりここに示されるような生体分子吸着に対する抵抗性の熱安定性がより疎水性のモノマーを架橋されたマルチポリマーに包含することにより向上するという驚くべき考察を具体的に説明する。具体的にはこの結果はMBAmおよびDMAmを用いて作成したポリマーは、これらのモノマーおよびより親水性のモノマーを用いて作成した架橋されたマルチポリマーよりも多いタンパク質を結合することを示す。同様にNVPおよびMBAmからの架橋されたポリマーは、NVP、MBAmおよびDACAmを用いて作成した架橋されたマルチポリマーよりも熱暴露後により多い結合を有する。
【実施例5】
【0116】
比較例1
ザルトリウス(Sartorius)のHydrosart0.2μセルロース膜
Hydrosart0.2μセルロース膜をザルトコンスタック(Sartocon stack)から取り出した。エタノールをMilliQ(商標)水で洗い流した。過剰なMilliQ(商標)水で3回洗浄した後、膜サンプルを乾燥し、そして赤外線により分析した。IRおよび走査型電子顕微鏡は膜がセルロース紙の支持体上の再生したセルロースから成ることを示した。
【0117】
アルカリ安定性
洗浄し、しかし乾燥していない膜をアルカリ安定性試験に供した。塩基処理後 対 前の流れ時間の比は1.06であった。これはこの基準に従い、膜がアルカリ抵抗性であることを示す。
【0118】
タンパク質結合
膜は標準的なIgGプロトコールを使用してタンパク質結合について試験した。値は
Asは:183マイクログラム/cm2
135℃で2時間の乾式加熱:191マイクログラム/cm2
オートクレーブ:204マイクログラム/cm2
全有機炭素(TOC)
47mmディスクを30分間、MilliQ(商標)水で洗浄した。このMilliQ(商標)水を取り替え、そして膜をさらに24時間洗浄した。各個別のディスク全体に、約13ポンド/in2の圧力勾配下で全275ccのMilliQ(商標)水を流した。これらの膜をTOCについて試験した。これらの膜を一緒の群とし、そしてオートクレーブ無しでTOCについて試験し、そして3枚の膜を一緒の群とし、そしてオートクレーブ後のTOCについて試験した(本発明の膜はオートクレーブ後にTOCについて試験した)。実験を繰り返して結果を確認した:
【0119】
【表9】
【0120】
この実験ではHydrosart膜を低いTOC値まで流すことができるが、オートクレーブ操作が大量の抽出分を生成することを示す。本発明の膜はオートクレーブ後にこの規模の抽出分を生じない。
【実施例6】
【0121】
比較例#2
ザルトリウスのSartobran 0.2μ酢酸セルロース膜
SartobranP 0.2μセルロース膜をザルトコンスタックから取り出した。膜をMilliQ(商標)水で洗浄した。過剰なMilliQ(商標)水で3回洗浄した後、膜サンプルを乾燥し、そして赤外線により分析した。IRおよび走査型電子顕微鏡は膜がポリエチレンテレフタレートの支持体上の酢酸セルロースから成ることを示した。
【0122】
アルカリ安定性
洗浄し、しかし乾燥していない膜をアルカリ安定性試験に供した。塩基処理後 対 前の流れ時間の比は8.20であった。これはこの基準に従い、膜がアルカリ処理に対して安定ではないことを示す。
【0123】
タンパク質結合
膜は標準的なIgGプロトコールを使用してタンパク質結合について試験した。値は
Aは:62マイクログラム/cm2
135℃で2時間の乾式加熱:64マイクログラム/cm2
オートクレーブ:100マイクログラム/cm2
全有機炭素(TOC)
47mmディスクを30分間、MilliQ(商標)水で洗浄した。このMilliQ(商標)水を取り替え、そして膜をさらに24時間洗浄した。膜は標準的なオートクレーブ法を使用してTOCについて試験した。この試験は2.35マイクログラム/cm2の値を与えた。
【0124】
本発明は多孔質膜に関して具体的に説明してきたが、本発明の方法は本明細書に記載する苛性アルカリ抵抗性、熱安定性の生体分子抵抗性面を有する種々の製品の調製にも応用できる。すなわち幾つかの好適な態様では、本発明は本明細書に記載する苛性アルカリ抵抗性、熱安定性の生体分子抵抗性マルチポリマー面を有する製品の調製法を提供する。幾つかの態様では、この方法は製品の表面を:
(1)アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−ビニルピロリドンから成る群から選択される少なくとも2つの単官能価モノマー;および
(2)多官能価アクリルアミド、多官能価メタクリルアミドおよびジアクロイルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー
を含む反応物溶液と接触させ;該溶液は場合によりさらに1以上の重合開始剤を含んでなり;
該モノマーを重合して熱安定性の生体分子抵抗性表面を製品の表面上に形成し;そして場合により製品を洗浄する、
ことを含んでなる。
膜ではない例:
【実施例7】
【0125】
BSA−2%ポンソーS試験により測定した非孔質表面を有するコート製品の吸着
ナイロン66およびポリエチレンの不透明フィルム、および秤量器からのポリスチレンおよび1片のナイロン不織布材料を本発明の表面コーティングで修飾し、そしてそれらがウシ血清アルブミン(BSA)を吸着する特性を以下に記載するように測定した。様々な形状の多くの製品はこれらのポリマーから作ることができると思われ、そしてまた他のポリマーも当業者が同様に修飾できることは明らかである。
【0126】
ナイロン66およびポリエチレン(PE)の不透明フィルム(約3mil厚)を、水またはN,N−ジメチルアクルリアミド(DMAm)、ジアセトンアクリルアミド(DACAm)、およびメチレンビスアクリルアミド(MBAm)の溶液のいずれかで処理した。ポリスチレン秤量器は、切断して別の平らな約9mil厚のサンプルを提供し、そして1片の8mil厚のナイロン不織布と同じ様式で処理した。
【0127】
サンプルを別のPEフィルムで覆って薄いフィルムの水または溶液がナイロン、PEおよびポリスチレンサンプルを覆うようにした。次にサンプルをトレイに置き、そして5メガラドの線量で電子ビーム暴露システムに通した。この暴露により重合が始まり、そして生成したコポリマーをフィルムサンプルの表面へグラフト化する。次にサンプルを水で洗浄し、乾燥させた。サンプルを半分に切断し、そして1つを摂氏100度のオーブンに2時間置いた。
【0128】
BSA溶液をpH7.4のリン酸緩衝化生理食塩水中に調製した。非加熱および加熱したフィルムサンプルを対照サンプルと一緒にBSA溶液に16時間置いた。陽性対照は非修飾ポリビニリデンフルオリド(PVDF)膜であり、そして陰性対照はフィルムサンプルに使用したものと同じ溶液で修飾した同じ膜表面であった。
【0129】
BSA処理後、すべてのサンプルを水ですすぎ、そして膜上の血清タンパク質を染色するために使用するシグマケミカル社の製品である2%ポンソーSの溶液に30分間浸漬した。この染料は吸着したタンパク質を含む表面を赤色に染める。
【0130】
さらなる染料が除去できなくなるまでがサンプルに水を流した。すべてのアクリルアミド表面修飾サンプルは、非加熱および加熱の両方で染色されなかった(すなわち、BSA−ポンソー試験はタンパク質について陰性であった)。すべての非修飾サンプルはポンソーSの赤色である程度染まった。これは修飾したサンプルがタンパク質の吸着に耐え、そして表面が熱処理に安定であることを示す。
【0131】
本明細書で引用して挙げた参照とする研究、特許、特許出願および科学文献、ならびに他の印刷された出版物は全部、本明細書に編入する。
【0132】
当業者は本発明の精神から逸脱することなく、多くの変更および修飾を本発明の好適な態様に対して行うことができると考えるだろう。すべてのそのような変更は本発明の範囲に入るものとする。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】異なる浸漬時間後に、従来技術および本発明の膜について、全有機炭素として抽出物のレベルを示す。
【図2】本発明の膜の生体分子吸着に対する抵抗性に及ぼす熱の効果を具体的に説明する。
Claims (93)
- 架橋されたマルチポリマーを有するコーティングを含んでなる製品であって、該架橋されたマルチポリマーが:
多官能価アクリルアミド、多官能価メタクリルアミドおよびジアクロイルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー;および
アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−ビニルピロリドンから成る群から選択される少なくとも2つの単官能価モノマー、
を含んでなる上記製品。 - 上記コーティングが生体分子抵抗性である、請求項1に記載の製品。
- 上記コーティングがIgG結合試験で測定した時、生体分子抵抗性である請求項1に記載の製品。
- 上記コーティングがBSA−ポンソー試験で測定した時、生体分子抵抗性である請求項1に記載の製品。
- 上記コーティングが熱安定性である請求項1に記載の製品。
- 上記コーティングが苛性アルカリ抵抗性である請求項1に記載の製品。
- 上記コーティングが清浄なコーティングである請求項1に記載の製品。
- 上記コーティングがポリマーコーティングである請求項1に記載の製品。
- 上記コーティングがヒドロゲルである請求項1に記載の製品。
- 上記架橋されたマルチポリマーがアクリルアミドである少なくとも1つの単官能価モノマーを含んでなり、該アクリルアミドのアクリルアミド窒素が少なくとも1つのgemジアルキルで置換された炭素で置換されている請求項1に記載の製品。
- 上記の架橋されたマルチポリマーがジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドおよびメチレン−ビス−アクリルアミドから形成されるコポリマーである請求項1に記載の製品。
- 上記の架橋されたマルチポリマーがメチレン−ビス−アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、およびジメチルアクリルアミドまたはジアセトン アクリルアミドのいずれかから形成されるコポリマーである請求項1に記載の製品。
- 上記のコーティングが表面コーティングとは別に形成され;該表面コーティングが架橋されたマルチポリマーを含んでなり;該架橋されたマルチポリマーが:
多官能価アクリルアミドモノマー、多官能価メタクリルアミドモノマーおよびジアクロイルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー;および
N−ビニルピロリドンモノマーおよび式:
R1はHまたはCH3であり、
R2はHまたは直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C6、好ましくはC1−C3アルキルであり、
R3はHまたは直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C6、好ましくはC1−C3アルキル、またはC(CH3)2CH2C(=O)CH3または(P=O)((NCH3)2)2、またはC=ON(CH3)2、またはCH2−O−R4であり、ここでR4は直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C5アルキル、または(CH2−CH2−O)n−R5であり、ここでR5は−Hまたは−CH3であり、そしてnは2または3であるが;ただしR2およびR3は同時にHとはならない、
を有するモノマーの群から選択される少なくとも2つの異なる単官能価モノマー
を含んでなる請求項1に記載の製品。 - 上記架橋されたマルチポリマーがさらに追加特性修飾モノマーを含んでなる請求項1に記載の製品。
- 上記の追加特性修飾モノマーが(3−(メタクリロイルアミノ)プロピル)トリメチルアンモニウム クロライド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム クロライド、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸およびアミノプロピルメタクリルアミドからなる群から選択される請求項14に記載の製品。
- 上記の単官能価モノマーの2つが約1〜約5の重量比で存在する請求項13に記載の製品。
- 上記の単官能価モノマーの2つが約1〜約2のモル比で存在する請求項13に記載の製品。
- 上記の単官能価モノマーの総量が約0.5%〜約20重量%で存在する請求項13に記載の製品。
- 上記の単官能価モノマーの総量が約2%〜約10%で存在する請求項13に記載の製品。
- 上記の単官能価モノマーの総量が約4%〜約8重量%で存在する請求項13に記載の製品。
- 多官能価架橋モノマーに対する単官能価コモノマーの総量の重量比が約1〜約10である請求項13に記載の製品。
- 多官能価架橋モノマーに対する単官能価コモノマーの総量の重量比が約2〜約6である請求項13に記載の製品。
- 上記ポリマーコーティングが親水性である請求項1に記載の製品。
- 上記コーティングがヒドロゲルである請求項1に記載の製品。
- 上記の製品が多孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがIgG結合試験で測定して、平方センチメートルあたり約30マイクログラム未満の生体分子の結合を有する請求項1に記載の製品。
- 上記の製品が非孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがIgG結合試験で測定して、平方センチメートルあたり約0.30マイクログラム未満の生体分子の結合を有する請求項1に記載の製品。
- 上記の製品が非孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがBSA−ポンソー試験で陰性である請求項1に記載の製品。
- 上記製品が多孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがTOC抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約1マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項1に記載の製品。
- 上記製品が非孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがTOC抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約0.01マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項1に記載の製品。
- 上記製品が多孔質であり、そしてポリマーコーティングがNVR抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約2マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項1に記載の製品。
- 上記製品が非孔質であり、そしてポリマーコーティングがNVR抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約0.02マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項1に記載の製品。
- 上記コーティングが苛性アルカリ抵抗性である請求項1に記載の膜。
- 上記ポリマーコーティングが、流れ時間測定試験で測定した時、約1.3未満の苛性アルカリ抵抗性を有する請求項1に記載の製品。
- 上記製品が実験器具、医療用具、飲料流体の容器または導管、海洋用品または配管用品である請求項1に記載の製品。
- 上記製品が実験器具である請求項1に記載の製品。
- 上記実験器具がキュベット、キュベットカップ、丸底、コニカルまたは円筒状フラスコ、ビーカー、遠心管、遠心ボトル、クロマトグラフィーカラム、シリンダー、メスシリンダー、インキューベーションチャンバー、発酵チャンバー、ピペット、交換可能なピペットチップ、マルチウェルプレート、秤量器、媒質フィルター、透析チューブ、実験用チューブ、ポンプチューブ、シリンジ、シリンジ針、バレット、電気泳動用管またはゲルの成形用品、電気泳動装置、ブロッター、シークエンサー、ゲル染色トレイ、フィルターユニット、漏斗、ハイブリダイゼーションチューブ、振盪フラスコ、細胞培養フラスコ、細胞培養管、培養容器、培養皿、クローニングシリンダー、媒質ビンまたは媒質ジャーである請求項35に記載の製品。
- 製品が医療用具である請求項1に記載の製品。
- 上記医療用具がバイオセンサー、インプラント、カテーテル、創傷用手当用品、コンタクトレンズ、移植可能なレンズまたは経皮パッチである請求項37に記載の製品。
- 上記製品が飲料流体の容器または導管である請求項1に記載の製品。
- 上記製品が海洋用品である請求項1に記載の製品。
- 上記海洋用品が舟艇である請求項40に記載の製品。
- 上記海洋用品が舟艇装備品である請求項40に記載の製品。
- 上記製品が水槽、水槽用品または配管用品である請求項1に記載の製品。
- 上記架橋されたマルチポリマーがアクリルアミドである少なくとも1つの単官能価モノマーを含んでなり、該アクリルアミドのアクリルアミド窒素が少なくとも1つのgemジアルキルで置換された炭素で置換されている請求項34に記載の製品。
- 上記の架橋されたマルチポリマーがジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドおよびメチレン−ビス−アクリルアミドから形成されるコポリマーである請求項44に記載の製品。
- 上記の架橋されたマルチポリマーがメチレン−ビス−アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、およびジメチルアクリルアミドまたはジアセトン アクリルアミドのいずれかから形成されるコポリマーである請求項44記載の製品。
- 上記の熱安定性の生体分子抵抗性コーティングが表面コーティングとは別に形成され;該表面コーティングが架橋されたマルチポリマーを含んでなり;該架橋されたマルチポリマーが:
多官能価アクリルアミドモノマー、多官能価メタクリルアミドモノマーおよびジアクロイルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー;および
N−ビニルピロリドンモノマーおよび式:
R1は−HまたはCH3であり、
R2はHまたは直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C6、好ましくはC1−C3アルキルであり、
R3はHまたは直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C6、好ましくはC1−C3アルキル、またはC(CH3)2CH2C(=O)CH3または(P=O)((NCH3)2)2、またはC=ON(CH3)2、またはCH2−O−R4であり、ここでR4は直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C5アルキル、または(CH2−CH2−O)n−R5であり、ここでR5は−Hまたは−CH3であり、そしてnは2または3であるが;ただしR2およびR3は同時にHではない、
を有するモノマーの群から選択される少なくとも2つの異なる単官能価モノマー、
を含んでなる請求項34に記載の製品。 - 架橋されたマルチポリマーがさらに追加特性修飾モノマーを含んでなる請求項47に記載の製品。
- 上記の追加特性修飾モノマーが(3−(メタクリロイルアミノ)プロピル)トリメチルアンモニウム クロライド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム クロライド、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸およびアミノプロピルメタクリルアミドからなる群から選択される請求項48に記載の製品。
- 上記の単官能価モノマーの2つが約1〜約5の重量比で存在する請求項47に記載の製品。
- 上記の単官能価モノマーの2つが約1〜約2のモル比で存在する請求項47に記載の製品。
- 上記の単官能価モノマーの総量が約0.5%〜約20重量%で存在する請求項47に記載の製品。
- 上記の単官能価モノマーの総量が約2%〜約10%で存在する請求項47に記載の製品。
- 上記の単官能価モノマーの総量が約4%〜約8重量%で存在する請求項47に記載の製品。
- 多官能価架橋モノマーに対する単官能価コモノマーの総量の重量比が約1〜約10である請求項47に記載の製品。
- 多官能価架橋モノマーに対する単官能価コモノマーの総量の重量比が約2〜約6である請求項47に記載の製品。
- 上記ポリマーコーティングが親水性である請求項47に記載の製品。
- 上記コーティングがヒドロゲルである請求項47に記載の製品。
- 上記の製品が多孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがIgG結合試験で測定して、平方センチメートルあたり約30マイクログラム未満の生体分子の結合を有する請求項47に記載の製品。
- 上記の製品が非孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがIgG結合試験で測定して、平方センチメートルあたり約0.30マイクログラム未満の生体分子の結合を有する請求項47に記載の製品。
- 上記の製品が非孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがBSA−ポンソー試験で陰性である請求項47に記載の製品。
- 上記製品が多孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがTOC抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約1マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項47に記載の製品。
- 上記製品が非孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがTOC抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約0.01マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項47に記載の製品。
- 上記製品が多孔質であり、そしてポリマーコーティングがNVR抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約2マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項47に記載の製品。
- 上記製品が非孔質であり、そしてポリマーコーティングがNVR抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約0.02マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項47に記載の製品。
- 上記コーティングが苛性アルカリ抵抗性である請求項47に記載の膜。
- 上記ポリマーコーティングが、流れ時間測定試験で測定した時、約1.3未満の苛性アルカリ抵抗性を有する請求項47に記載の製品。
- 生体分子抵抗性表面コーティングを有する製品の調製法であって;
(a)表面を有する製品を提供し;
(b)場合により該製品の該表面を湿潤液体と接触させてそれらの該表面を湿潤させ;
(c)場合により該湿潤液体を第2の湿潤液体に置き換え、該製品を該第2液体で湿潤させておき;
(d)該製品の表面を:
(1)アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−ビニルピロリドンから成る群から選択される少なくとも2つの単官能価モノマー;および
(2)多官能価アクリルアミド、多官能価メタクリルアミドおよびジアクロイル ピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー
を含む溶液と接触させ;該溶液は場合によりさらに1以上の重合開始剤を含んでなり;そして
(e)該モノマーを重合して該熱安定性の生体分子抵抗性表面を形成する、
工程を含んでなる上記調製法。 - 上記架橋されたマルチポリマーがアクリルアミドである少なくとも1つの単官能化モノマーを含んでなり、該アクリルアミドのアクリルアミド窒素が少なくとも1つのgemジアルキルで置換された炭素で置換されている請求項68に記載の方法。
- 上記の架橋されたマルチポリマーがジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドおよびメチレン−ビス−アクリルアミドから形成されている、請求項68に記載の方法。
- 上記の架橋されたマルチポリマーがメチレン−ビス−アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、およびジメチルアクリルアミドまたはジアセトン アクリルアミドのいずれかから形成されているコポリマーである請求項68に記載の方法。
- 上記の熱安定性の生体分子抵抗性ポリマーコーティングが表面コーティングとは別に形成され;該表面コーティングが架橋されたマルチポリマーを含んでなり;該架橋されたマルチポリマーが:
多官能価アクリルアミドモノマー、多官能価メタクリルアミドモノマーおよびジアクロイルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー;および
N−ビニルピロリドンモノマーおよび式:
R1は−HまたはCH3であり、
R2はHまたは直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C6、好ましくはC1−C3アルキルであり、
R3はHまたは直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C6、好ましくはC1−C3アルキル、またはC(CH3)2CH2C(=O)CH3または(P=O)((NCH3)2)2、またはC=ON(CH3)2、またはCH2−O−R4であり、ここでR4は直鎖状または分枝状のいずれかのC1−C5アルキル、または(CH2−CH2−O)n−R5であり、ここでR5は−Hまたは−CH3であり、そしてnは2または3であるが;ただしR2およびR3は同時にHではない、
を有するモノマーの群から選択される少なくとも2つの異なる単官能価モノマー、
を含んでなる請求項68に記載の方法。 - 架橋されたマルチポリマーがさらに追加特性修飾モノマーを含んでなる請求項72に記載の方法。
- 上記の追加特性修飾モノマーが(3−(メタクリロイルアミノ)プロピル)トリメチルアンモニウム クロライド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム クロライド、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸およびアミノプロピルメタクリルアミドからなる群から選択される請求項73に記載の方法。
- 上記の単官能価モノマーの2つが約1〜約5の重量比で存在する請求項72に記載の方法。
- 上記の単官能価モノマーの2つが約1〜約2のモル比で存在する請求項72に記載の方法。
- 上記の単官能価モノマーの総量が約0.5%〜約20重量%で存在する請求項72に記載の方法。
- 上記の単官能価モノマーの総量が約2%〜約10%で存在する請求項72に記載の方法。
- 上記の単官能価モノマーの総量が約4%〜約8重量%で存在する請求項72に記載の方法。
- 多官能価架橋モノマーに対する単官能価コモノマーの総量の重量比が約1〜約10である請求項72に記載の方法。
- 多官能価架橋モノマーに対する単官能価コモノマーの総量の重量比が約2〜約6である請求項72に記載の方法。
- 上記ポリマーコーティングが親水性である請求項72に記載の方法。
- 上記コーティングがヒドロゲルである請求項72に記載の方法。
- 上記の製品が多孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがIgG結合試験で測定して、平方センチメートルあたり約30マイクログラム未満の生体分子の結合を有する請求項72に記載の方法。
- 上記の製品が非孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがIgG結合試験で測定して、平方センチメートルあたり約0.30マイクログラム未満の生体分子の結合を有する請求項72に記載の製品。
- 上記の製品が非孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがBSA−ポンソー試験で陰性である請求項72に記載の方法。
- 上記製品が多孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがTOC抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約1マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項72に記載の方法。
- 上記製品が非孔質であり、そして上記ポリマーコーティングがTOC抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約0.01マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項72に記載の方法。
- 上記製品が多孔質であり、そしてポリマーコーティングがNVR抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約2マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項72に記載の方法。
- 上記製品が非孔質であり、そしてポリマーコーティングがNVR抽出分試験で測定した時、1平方センチメートルのコーティングあたり約0.02マイクログラム未満の抽出物のTOC抽出分を有する請求項72に記載の方法。
- 上記コーティングが苛性アルカリ抵抗性である請求項72に記載の方法。
- 上記ポリマーコーティングが、流れ時間測定試験で測定した時、約1.3未満の苛性アルカリ抵抗性を有する請求項72に記載の方法。
- 製品の少なくとも1つの表面をコーティングする工程を含んでなる該製品の生物学的適合性を上げる方法であって、該コーティングが架橋されたマルチポリマーを含んでなり、該架橋されたマルチポリマーが:
多官能価アクリルアミド、多官能価メタクリルアミドおよびジアクロイルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1つの多官能価モノマー;および
アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−ビニルピロリドンから成る群から選択される少なくとも2つの単官能価モノマー、
を含んでなる上記方法。
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