JP4677230B2 - 耐腐食性かつ低い蛋白質結合性表面を有する多孔質膜基体 - Google Patents

耐腐食性かつ低い蛋白質結合性表面を有する多孔質膜基体 Download PDF

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Description

本発明はバルクマトリックス第1材料及び表面被膜第2材料を有する多孔質媒体(基体)に関する。表面被膜は内側ポリアクリルアミド第1層及び外側機能性第2層を有し、熱安定性、強アルカリ溶液耐性、低い非特異性生体分子結合性及び低い抽出物濃度等の優れた性質の組み合わせを有する。好ましくは、多孔質媒体は多孔質膜である。
多孔質媒体は、クロマトグラフィー等の多くの分離及び吸着技術で使用されている。ある種の多孔質媒体、多孔質膜は、種々の用途に使用されている。多孔質膜は、第1多孔質表面、第2多孔質表面、及び、第1表面から第2表面へ膜を通して伸びている連続的多孔質構造を有する。上記連続的多孔質構造として、バルク材料マトリックス及び孔の網目構造が挙げられる。細孔体積(部)からバルクマトリックスを隔てる境界面(即ち、内孔網目構造の表面)は、組織内(interstitial)表面として知られている。
多孔質膜は、膜の孔径に基づいて「微少孔」膜又は「限外ろ過」膜にクラス分けできる。一般的に、微少孔膜の孔径範囲は、約0.05ミクロン〜約10.0ミクロンであると考えられる一方、限外ろ過膜の孔径範囲は、約0.002ミクロン〜約0.05ミクロンであると考えられる。これら孔径は、円形又は約円形の孔の孔直径、又は非円形の孔の特徴的寸法を言う。
膜の孔径は、特定の分別経路上で膜を通過することのできない最小種(粒子又は分子)の大きさとして表されることができる。一般的な評価基準は10%以下の経路であり、90%カットオフ又は保持に対応する。走査型電子顕微鏡のイメージ分析で孔径分布特性を得るような他の方法も当業者に公知である。微少孔膜は通常、液体及びガスから微粒子を除去するために使用される。微少孔膜の重要な用途は、溶液中に存在する全ての細菌を除去するための医薬溶液の無菌ろ過である。微少孔膜も又無菌ガス通気孔として使用され、ガスを通すが、空中浮遊細菌がフィルターを通過することを防止する。限外ろ過膜は一般的により小さな種の保持が求められる用途で使用される。例えば、限外ろ過膜は、蛋白質の濃縮、及び塩及び低分子量種を蛋白質溶液から取り出すためのダイアフィルトレーション用途等の、バイオテクノロジー産業で使用される。限外ろ過膜及び微少孔膜のいずれも、シート、チューブ、及び中空繊維等の幾つかの形に製造できる。
多孔質膜は、種々の材料、最も一般的なポリマー等から構成される。多くの市販の膜は、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン等エンジニアリングプラスチックから構成され、その頑強な熱安定性、耐物理的特性、及び耐化学薬品性を利点とする。残念ながら、これら材料は疎水性であり、非常に生体分子を吸着する性質がある。
一般的に、水溶液で容易に湿る親水性膜は、水溶液のろ過に好ましい。反対に、疎水性膜では、低表面張力の予備湿潤用液体と接触させ水と交換することが、透過開始に必要である。これは追加の材料費用をプロセスへ導入するだけではなく、湿潤用液体はみな完全に洗い流される必要があるため、汚染の可能性、製造時間及び費用を増加させる。水溶液で湿らない疎水性膜は、有機溶液又はガスをろ過するために使用できる。
透過性及び保持性に加え、多孔質膜はその用途の性質により求められる他の条件が必要である。例えば、それらは操作圧力及び温度に耐えうる充分な耐物理的強度を有する必要がある。医薬又は超小型電子技術、水製造業等の清浄度が第一に求められる用途では、使用される膜から抽出される材料の量は非常に小さい必要がある。膜を生体分子と接触させる用途では、膜表面は、生体分子吸着に抵抗性を有する必要がある。「生体分子抵抗性表面」とは、蛋白質及び核酸等の生体分子と最小量で吸着又は結合する表面、(ここで記載されるIgG結合試験で測定して)膜面積の約30マイクログラム/平方センチ未満のIgGしか吸着しない表面である。表面吸着による汚れ又は孔閉塞から生じる透過減少を少なくし、不可逆的な吸着又は関連する生体分子変性による生産性減少を防止するために、膜表面の生体分子抵抗性は最大となることが非常に求められる。
多くの用途では、多孔質膜は、清浄化又は衛生操作中に高いアルカリ溶液と接触する。従って膜は、ろ過性、目的とする表面特性又は機械的性質の損失無しにこれら接触に耐えるのに充分な耐化学薬品性を有する必要がある。
多孔質媒体及び膜は、機能性表面と共に使用される。機能性表面は、媒体又は膜と接触している流体中の特定の種と反応、種を吸着又は吸収する化学性基又は成分を有する。これら基の例として、正又は負に荷電した基、抗体又は抗原等の親和性リガンド、金属親和性リガンド、及び疎水性相互作用基が挙げられる。
上記記載の性質を多孔質媒体又は膜へ付与するために、製造業者は、通常、多孔質媒体又は膜を構成するバルクマトリックス材料の膜表面(即ち、第1表面及び第2表面及び組織内表面)を修飾して、その表面を親水性、生体分子抵抗性又は疎水性とする。これは、種々の手順、バルクマトリックス材料の表面を、親水性ポリマー若しくは親水性基、又は疎水性ポリマー若しくは疎水性基で、塗布、結合又は他の被覆等、によりなされる。これら修飾は、バルクマトリックス材料表面の疎水性又は高度な生体分子結合に関する問題のいくつかを解消できる一方、更なる問題が発生する。例えば、これら修飾は、使用中に膜から抽出される可能性のある材料の量を増加させ、又、修飾材料はアルカリ溶液への曝露への耐性が低い。更に、多くの用途で、膜は、オートクレーブ又は蒸気滅菌中での湿式加熱、又は乾燥ステップ中での乾式加熱のいずれかで加熱される。これら加熱は親水性を減少させ、修飾した表面の生体分子抵抗性をある程度減少させ。その結果その目的のために膜が使用できなくなることが観察された。
先行技術のいくつかの膜は、架橋したヒドロキシアクリレートにより、予め成形された多孔質膜の表面を修飾して形成され、架橋モノマーは二機能性アクリレート(ケースA膜)である。これらの膜は生体分子吸着に対する優れた耐性、生体分子抵抗性の優れた熱安定性、及び許容可能な流量減少(即ち、非修飾膜に比較したフロー又は透過性の減少)を有する。しかし、これら膜は許容可能な清浄能力特性(即ち、残存する抽出物(抽出可能物)を洗浄することにより膜を清浄化する能力)を許容可能なレベルまで低下させる場合、抽出可能物をTOC(全有機炭素)試験(下記「方法」の項目中に記載する。)で測定して、約2マイクログラム/平方センチの、一定のレベル以下まで低下させるためには、非常に大規模の抽出レジメが必要であることが明らかになった。更に、これら膜は強アルカリ溶液に敏感であり、その中ではそれらは最初の透過特性及び低い抽出性特性を失ってしまう。
多くの先行技術は、ヒドロキシル含有モノマー、通常はカルボニルエステル含有アクリレートポリマー、を使用して、親水性及び蛋白質結合への高い抵抗性を有する表面修飾膜を製造すること記載している。しかし、これらモノマーからのポリマーは、強アルカリ溶液へ耐性を有さないことが知られている。例えば、1.0規定水酸化ナトリウム溶液は、カルボニル含有アクリレートポリマーをアクリル酸含有ポリマーへ加水分解する。これらアクリル酸含有ポリマーは、特定のpH条件下でイオン的に荷電され、反対に荷電された蛋白質又は生体分子をひきつけて結合し、その結果吸着及び膜汚染が増大する。更に、アクリル酸含有ポリマーは水中で膨潤して孔通過を阻害し、その結果、膜透過性及び処理性を減少させる。更に、ヒドロキシアクリレート等のヒドロキシル含有モノマーからのポリマーは、更に強アルカリ溶液中で反応し、可溶な低分子量断片へ劣化し、溶解されてその下にある基体多孔質媒体又は膜を露わにしてしまう。
修飾多孔質膜の種々の(製造)方法は当分野で公知である。例えば、米国特許番号第4618533号は、第1ポリマーで形成されている平均孔径約0.001〜10ミクロンを有する多孔質膜基体であり、その基体上にフリーラジカル開始剤で現位置重合されたモノマーから形成された架橋した第2のポリマーでその全表面を直接被覆された基体、を有する複合多孔質熱可塑性膜であり、複合多孔質膜は、膜基体として本質的な同一の多孔質構成を記載して権利を請求している。
米国特許番号第4944879号には、目的とする表面優先性を有する架橋したポリマーで被覆された目的とするバルク性質を有する複合多孔質膜が記載されている。架橋した表面ポリマーは、化学的重合開始剤なしに電子ビームからのエネルギーにより架橋可能なモノマー又はポリマーから製造される。
同様に修飾した多孔質媒体が米国特許番号第4906374号、4968533号、及び5019260号中に記載され、その中にはヒドロキシル含有高分子性材料が、ヒドロキシル基、及びヒドロキシ若しくはヒドロキシ−形成する置換されたアクリレート又はメタクリレートエステル等の1の重合可能な不飽和ユニットを有する特徴成分を含有するモノマーから得られることが記載されている。これらモノマーからのポリマーは、強アルカリ溶液による劣化への耐性に欠けることが知られている。
Chapmanら(J.Am.Chem.Soc.2000、122、8303−8304)は、蛋白質(吸着)抵抗性を目的として官能基を遮蔽するための自己形成性(self-assembled)単層(SAM)の使用を記載している。彼らは、N−置換されたアミド官能基等の幾つかの官能基が蛋白質抵抗性であることを報告した。
米国特許番号第4695592号及び4678813号には50%以上のジアセトンアクリルアミドモノマーから構成される架橋したポリマーで親水性化された多孔質ポリオレフィン膜の製造方法及びその生成物が記載されている。
Iwataら(J.Membrane Sci.1991、55、119−130)は、温度感応性(TRP)を有する、特定のポリアクリルアミド、及び特にポリ(N−イソプロピルアクリルアミド(ポリlPAA))膜のアクリルアミド被膜を報告した。Iwataらは、ポリlPAA及びコポリマーのホモポリマーとアクリルアミドとのグラフト重合によりPVDF膜の第1表面とすることを報告した。しかし、彼らはポリマーTRP(温度感応性)が阻害されるためポリマーを架橋しなかった。
Petersらの米国特許番号第5929214号には、ポリlPAAの非架橋コポリマー等のTRPポリマーで機能性化され及び/又はグラフトされた多孔質モノリスが記載されている。これら膜は生体分子を吸着するように設計されているが、Petersらの特許には蛋白質又は生体分子抵抗性表面の製造は記載されていない。
米国特許番号第5217802号及び5286382号には、高分子性膜の表面を疎水性に調製する方法が記載されている。
米国特許番号第4618533号 米国特許番号第4944879号 米国特許番号第4906374号 米国特許番号第4968533号 米国特許番号第5019260号 米国特許番号第4695592号 米国特許番号第4678813号 米国特許番号第5929214号 米国特許番号第5217802号 米国特許番号第5286382号
医薬及びバイオテクノロジー産業において、無菌ろ過及び他の用途のための最適化膜の開発を試みている医療関係者は大きな課題を解決する必要があることが明らかであった。費用、性能及び安全性の厳しい要求に対して、医療関係者は、材料を使用して、最適化された流量及び保持特性を有するのみならず、経済的に製造でき、清浄度評価を満たし、一般的に直面する種々の化学的環境に安定であり、生体分子吸着に非常に抵抗性を有する膜の製造方法を開発する必要があった。従って(本発明は)、熱安定性であり、アルカリ溶液による劣化に耐性があり、抽出可能材料が低レベルである、親水性・生体分子抵抗性表面を生じる膜修飾を得ること目的とする。本発明は又、例えば、ガスのろ過に使用するための、高度に疎水性表面膜の提供を目的とする。
本発明は、高分子性多孔質媒体、好ましくは多孔質膜の表面上に、架橋した高分子性ターポリマー第1被膜を現位置で形成し、次に官能基修飾した架橋したコポリマー又はターポリマーを含有する第2被膜を形成するか、第1被膜へ共有結合する、第1被膜への非高分子性表面修飾をすることにより修飾された、高分子性多孔質媒体、好ましくは多孔質膜を目的としている。被覆した多孔質媒体又は膜は好ましくは、非修飾の多孔質媒体又は膜と実質的に同一の多孔質性を有し、特定の機能性表面性を有し、第1被膜は熱安定性・生体分子抵抗性、強アルカリ溶液への化学的耐性、及び非常に低レベルの抽出物性を有する。2つの被膜を有する膜は、熱安定性を有する。修飾した多孔質媒体又は膜は、通常、温度に依存して孔径を実質的に変化させない。
従って、本発明は、多孔質基体並びに分離して形成された耐腐食性、熱安定性・生体分子抵抗性表面第1被膜及び熱安定性第2被膜を有する多孔質膜を提供する。
好ましくは、多孔質基体は膜、更に好ましくは微少孔膜である。
好ましくは、本発明は、(1)芳香族スルホンポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロ熱可塑性ポリマー、ポリオレフィンポリマー、超高分子量ポリエチレン、及び二フッ化ポリビニリデンの群から選ばれた少なくとも一種から好ましく形成される微少孔膜基体、及び(2)分離して形成された表面被膜であり、架橋したターポリマーを第1被膜として含有する熱安定性・生体分子抵抗性第1被膜を提供する。上記ターポリマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びN−ビニルピロリドンの群から選ばれる少なくとも2の単官能モノマー、及び多官能アクリルアミド、多官能メタクリルアミド及びジアクロイルピペラジンの群から選ばれる少なくとも1の多官能モノマーを含有する。第1被膜は次に、高分子性被膜、又は第1被膜へ共有結合している第1被膜への非高分子性表面修飾を含有する第2被膜で被覆されてもよい。(第2被膜に含まれる)高分子性被膜は、少なくとも1の親水性又は疎水性官能基で修飾された少なくとも1の多官能モノマーから形成される、コポリマー又はターポリマーでもよい。上記親水性モノマーは、多官能アクリルアミド、多官能メタクリルアミド及びジアクロイルピペラジンの群から選ばれる。好ましい官能基として、第4級アンモニウム塩、アミノ、エポキシ、ヒドロキシル、アクリロイルハライド、カルボジイミド、ウレタン、エステル、アルデヒド等が挙げられる。好ましい重合可能な及び架橋可能な疎水性モノマーとして、2−(N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド)エチルアクリレート、2−(N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド)エチルメタクリレート又はそのホモログ等のフルオロアクリレート;3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート又はそのホモログ;トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシラン又はそのホモログ等のフルオロアルキルシロキサン;ペンタフルオロスチレン、トリフルオロメチルスチレン又はそのホモログ等のフッ素化スチレン;パーフルオロブチルエチレン又はそのホモログ等のフルオロオレフィンが挙げられる。
疎水性表面の形成において;(1)エチレン性不飽和であり、少なくとも1のフルオロアルキル基を有する重合可能なモノマー(2)必要な場合、重合開始剤、及び(3)これら3つの構成成分用の溶剤中の架橋剤;から構成される第2被膜の溶液浴(reagent bath)へ、多孔質膜基体を、モノマーの重合及び重合で得られた架橋したポリマーを多孔質膜基体上へ配置することのできる条件下で接触させる。モノマーが二官能性又はそれ以上の官能性である場合、追加の架橋剤は使用する必要はない。
第1被膜及び第2被膜は一緒に混合されないで、分離して形成される場合、得られた表面修飾多孔質基体は、その機能性表面の優れた熱安定性及び生体分子吸着抵抗性;又は優れた熱安定性及び疎水性の特徴を有することが明らかになった。
更に好ましくは、本発明は、二フッ化ポリビニリデン微少孔膜基体及び熱安定性・生体分子抵抗性表面を有する、清浄・耐腐食性・多孔質膜を提供する。但し上記熱安定性・生体分子抵抗性表面は、分離して形成された表面被膜であり、第1被膜及び第2被膜を有し、第1被膜は架橋したターポリマーであり、上記架橋したターポリマーは下記いずれかから形成されたコポリマーである:
(ア)メチレン−ビス−アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、及びジアセトンアクリルアミド;又は
(イ)メチレン−ビス−アクリルアミド、ビニルピロリドン、及びジメチルアクリルアミド若しくはジアセトンアクリルアミドのいずれか。
又、第2の架橋した被膜は少なくとも1の単官能モノマー及び多官能架橋剤から形成され、それぞれのモノマーは、少なくとも1の親水性官能基で修飾されており、上記単官能モノマーは下記であってもよい:
(ウ)(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム塩酸塩、
(エ)3−アクリルアミドグリコール酸、
(オ)3−アクリルアミドプロピルスルホン酸、
(カ)N−ヒドロキシメタクリルアミド。
本発明は好ましくは、清浄・耐腐食性・多孔質膜の製造方法を提供し、上記膜は多孔質膜基体及び熱安定性・生体分子抵抗性表面被膜を有し、上記方法は下記ステップにより第1被膜を形成する:
(a)多孔質膜基体を用意するステップ;
(b)任意で、上記多孔質膜基体を湿潤用液体で洗浄し、その表面を湿らせるステップ;
(c)任意で、上記湿った多孔質膜基体を第2の湿潤用液体で洗浄して上記第1の湿潤用液体と交換し、上記多孔質膜基体を上記第2の液体で湿らせるステップ;
(d)上記多孔質膜基体の表面を下記を含有する反応溶液と接触させるステップ:
(i)アクリルアミド、メタクリルアミド、及びN−ビニルピロリドンの群から選ばれる少なくとも2の単官能モノマー;及び
(ii)多官能アクリルアミド、多官能メタクリルアミド及びジアクロイルピペラジンの群から選ばれる少なくとも1の多官能モノマー;
(上記溶液は任意で更に1以上の重合開始剤を含有してもよい。);
(e)溶液から膜基体を取り出すステップ;
(f)上記モノマーを重合して熱安定性・生体分子抵抗性表面を形成するステップ;
(g)上記膜を洗浄して、多孔質基体上に第1被膜を形成するステップ;
(h)ステップ(g)から得られる膜を、親水性官能基を有する、少なくとも1の単官能モノマー、多官能架橋剤及び光開始剤の水溶液と接触させるステップ;
(i)ステップ(h)から得られる多孔質膜を水溶液から取り出すステップ;
(j)ステップ(i)から得られる膜を紫外線光へ曝露するステップ;
(k)膜を洗浄するステップ;及び
(l)膜を乾燥するステップ。
又、本発明は、下記ステップを有する疎水性表面を有する膜の製造方法であり、下記ステップを含む製造方法を提供する:
上記記載の第1被膜を形成するステップ(a)〜(g)を行なう:
(h)少なくとも1のフルオロアルキル基を有する少なくとも1の単官能モノマー、多官能架橋剤及び光重合開始剤の非水溶液と接触させるステップ;
(i)ステップ(h)から得られる多孔質膜を非水溶液から取り出すステップ;
(j)ステップ(i)から得られる膜を紫外線光へ曝露するステップ;
(k)膜を非水溶媒中で洗浄するステップ;及び
(l)膜を乾燥するステップ。
好ましくは、ステップ(a)から(e)までを実施する前の多孔質基体の孔径は、ステップ(a)から(l)までを実施した後の上記孔径とあまり違わない。好ましくは、多孔質膜基体は微少孔膜である。
微少孔膜等の代表的な好ましい多孔質基体として、芳香族スルホンポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロ熱可塑性ポリマー、ポリオレフィンポリマー、超高分子量ポリエチレン、及び二フッ化ポリビニリデンの群から選ばれた少なくとも一種、更に好ましくは二フッ化ポリビニリデンから形成される基体が挙げられる。
本発明の方法及び膜で好ましくは、第1被膜を形成する架橋したターポリマーは、少なくとも1の単官能モノマーを含有し、それはアクリルアミドであり、上記アクリルアミドのアクリルアミド窒素は、少なくとも1のgem-ジアルキル置換された炭素で置換されており、第2被膜の架橋したポリマーは、第1被膜上で重合された場合、目的とする膜用途に使用するために必要な分子表面を提供するモノマー混合物を含有する。
本発明の方法及び膜で更に好ましくは、第1被膜を形成する架橋したターポリマーは、ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメチレン−ビス−アクリルアミドから形成されるコポリマーである。架橋したターポリマーは好ましくは、メチレン−ビス−アクリルアミド、ビニルピロリドン、及び、ジメチルアクリルアミド若しくはジアセトンアクリルアミドのいずれかから形成されるコポリマーであり、第2被膜の架橋したポリマーは、第1被膜上に重合された場合、目的とする膜用途に使用するために必要な分子表面を提供するモノマー混合物を含有する。
更に好ましい本発明の膜では、第1被膜を形成する膜の熱安定性・生体分子抵抗性表面は、架橋したターポリマーを含有する分離して形成された表面被膜であり;架橋したターポリマーは;多官能アクリルアミドモノマー、多官能メタクリルアミドモノマー、及びジアクロイルピペラジンの群から選ばれる少なくとも1の多官能モノマー;並びに、N−ビニルピロリドンモノマー及び下式を有するモノマーの群から選ばれる少なくとも2の異なる単官能モノマー;を含有する:
2C=C(R1)C(=O)N(R2)(R3
ここで、R1は−H又はCH3であり、
2はH又はC1〜C6(好ましくはC1〜C3)アルキルの直鎖状又は分岐状のいずれかであり、
3はH又はC1〜C6(好ましくはC1〜C3)アルキルの直鎖状又は分岐状のいずれか、又はC(CH32CH2C(=O)CH3、又は(P=O)((NCH322、又はC=ON(CH32、又はCH2−O−R4(ここでR4はC1〜C5アルキルの直鎖状又は分岐状のいずれかである。)、又は(CH2−CH2−O)n−R5(ここでR5は−H又は−CH3であり、n=2又は3である。)であり、R2及びR3は同時にHであることはない。
本発明の方法及び膜において例えば、本発明の膜の第1被膜の架橋したターポリマーは、更に、好ましくは単官能モノマーのいずれかよりも少ない量で存在する補助的性質修飾モノマーを含有してもよい。
好ましい補助的性質修飾モノマーは、正又は負に荷電したイオン含有モノマー、親和性基を有するモノマー、及び顕著な疎水性を有するモノマーの群から選ばれる。又、補助的性質修飾モノマーは、(3−(メタクリロイルアミノ)プロピル)トリメチルアンモニウム塩酸塩、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム塩酸塩、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸及びアミノプロピルメタクリルアミドの群から選ばれてもよい。
ターポリマーの2種の単官能モノマーは、一般的に重量比約1〜5重量%、更に好ましくは約1〜2重量%で存在してもよい。
第1被膜を形成するために存在する単官能モノマーの合計量は、通常約0.5〜約20重量%、好ましくは約2〜約10重量%、更に好ましくは約4〜約8重量%である。
単官能コモノマーの多官能架橋性モノマーへの合計量比は、通常約10〜約1好ましくは約6〜約2である。
例えば、第2被膜は、官能基を含有する1以上のモノマーからなる上記記載のターポリマーでもよい。
例えば、第2被膜は、官能基を含有する架橋したポリマーでもよい。
例えば、第2被膜は、第1被膜の非高分子性表面修飾でもよく、それは直接又は結合基アームにより官能基を第1被膜へ共有結合する。結合基アームは分子鎖であり、その一方の末端は第1被膜へ共有結合し、他方の末端は1又は複数の官能基を共有的に保持する。
本発明の膜の有する生体分子結合(部位)は、IgG結合試験で測定して約30マイクログラム/平方センチ未満、好ましくは約20/平方センチ未満である。
本発明の膜は、好ましくはNVR抽出性試験で測定して約2.0マイクログラム抽出物/膜平方センチ未満のTOC抽出性を有する。更に好ましくは、本発明の膜は、NVR抽出性試験で測定して約1.5未満、更に好ましくは約1.0マイクログラム未満の抽出物/膜平方センチを有する。
本発明の膜は、フロー時間測定試験で測定して約1.5未満、好ましくは約1.0未満の耐腐食性を有する。
本発明は又、目的としない細胞を有する溶液を用意するステップ;及び上記溶液を本発明の膜を通してろ過するステップを含有する、溶液からの細胞の除去方法を提供する。
本発明は又、非無菌溶液を用意するステップ;及び上記溶液を本発明の膜を通してろ過するステップを含有する、溶液滅菌方法を提供する。
本発明は、非特異的生体分子吸着への抵抗性(「低い生体分子親和性又は吸着性」又は「生体分子抵抗性」とも言う)、熱又は乾燥による機能性減少への耐性、及び非特異的生体分子吸着への熱安定性等の優れた目的とする性質の組み合わせを有する機能性表面を備えた多孔質膜を提供する。本発明によれば、高分子性多孔質媒体、好ましくはろ過又は診断用媒体に使用できる多孔質膜に、架橋した混合アクリルアミドターポリマー(MAM)を含有する第1被膜を現位置で形成し、次に第2高分子性被膜を含有する第1被膜の修飾をするか、MAM表面上への官能基の結合により修飾して、上記記載の性質を有する被覆膜を得ることが出来ることが明らかになった。
微少孔膜及び媒体の多くの用途で、媒体又は膜が機能性表面を有することを目的とされる。機能性表面は、膜又は媒体を透過又は接触する流体中の分子と反応、吸収又は吸着することのできる特定の化学的成分を有する表面である。機能性化・微少孔膜の使用の1つの欠点は、温度上昇又は乾燥を経た結果、機能性が失われてしまうことである。混合したアクリルアミドモノマーターポリマー(MAM)を使用して、熱安定性親水性、低い生体分子結合表面が微少孔膜上に形成されると、驚くべきことにMAM表面は、その上に熱安定性である官能基の修飾が形成できる基体として使用できることが分かった。これら修飾が被覆無しの膜又は媒体上に形成された場合、それらは熱安定性がない。
更に又、第1被膜のMAM基体は、低い生体分子結合(部位)を有する。多くの場合、本発明の使用者は、特定の蛋白質又は他の生体分子へ結合するためにMAM表面を修飾することにより、付与される(特異的)機能性を使用することを望むだろう。基体として低い生体分子結合表面を有すると、基体膜上の非特異的結合が防止されることにより修飾した表面の特定の官能基結合の特異性を強化する。
ここで使用される「生体分子」は、有機生命体の一部である有機分子又はそのアナログを意味するために使用される。従って、生体分子には、アミノ酸ポリマー、例えばペプチド及び蛋白質(抗体及び酵素等)、DNA又はRNA分子等のヌクレオチドポリマー並びにDNA及びRNAプローブが含まれる。又生体分子の定義範囲には炭水化物及び脂質も含まれる。又、上記それぞれの合成されたアナログも「生体分子」の定義に含まれる。
本発明の膜又は膜表面に適用される「非特異的生体分子抵抗性」は、(ここで記載するIgG結合試験で測定して)約50マイクログラム未満、好ましくは約30マイクログラム未満のIgG/膜平方センチを吸着する、膜又は膜表面を意味する。
「非特異性」は、多孔質膜がそれに反応又は吸収するために特別に修飾されていない、いずれの生体分子にも関する。修飾は、例えば、抗体、抗原、脂質、DNA、プラスミド、グリコシル化分子、金属親和性基又は疎水性相互作用基等の親和性リガンド等の特定の生体分子と反応又は吸収することを目的とすることができる。
ここで本発明の膜に関して使用される「非特異的生体分子抵抗性表面」へ適用される「熱安定性」は、例えば、ここで記載の熱へ曝された後の膜表面が、熱曝露前の同一の表面の(ここで記載するIgG試験で測定した)約2倍未満のIgG吸着を有する膜表面等の、非特異性生体分子抵抗性表面を意味する。
熱安定機能性表面は、ここで記載する熱暴露後、実質的に全てのそれらの機能性を保持する表面を意味する。
本発明は又、多孔質基体及び分離して形成された熱安定性・生体分子抵抗性表面を有する、清浄・耐腐食性・多孔質膜を提供する。多孔質基体は、好ましくは膜、更に好ましくは微少孔膜である。
ここで本発明の膜及び方法に使用される「清浄膜」は、製造された場合:
(a)(ここに記載されるNVR抽出性試験で測定して)約2マイクログラム未満の抽出物/膜平方センチ、好ましくは約1マイクログラム未満の抽出物/平方センチ、;又は
(b)(ここに記載されるTOC抽出性試験で測定して)約1マイクログラム未満の抽出物/膜平方センチ;
のいずれかを有する膜を意味する。
ここで使用される、本発明の膜に適用される「耐腐食性」とは、常温で2時間0.1NaOHへ曝露した後も、湿潤可能であり、(ここに記載されるフロー時間測定試験で測定した場合)曝露前に対する曝露後のフロー時間割合が約1.5未満である膜をいう。
広い種類の多孔質媒体が本発明の実施に使用できる。これら多孔質媒体の例として、セラミック、金属、炭素及びポリマーが挙げられる。好ましくは、多孔質媒体はポリマー膜である。本発明で使用出来る多孔質膜を製造するために使用されることができる代表的なポリマーとして、ポリスルホンポリマー、好ましくはポリスルホン及びポリエーテルスルホンポリマー等の芳香族スルホンポリマー、ポリテトラフルオロエチレン及び二フッ化ポリビニリデン等のパーフルオロ熱可塑性ポリマー、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィンポリマー、及びポリエチレンテレフタレート等のポリエステル並びにポリカーボネートが挙げられる。更に好ましくは、多孔質膜は二フッ化ポリビニリデン膜である。当業者は容易に本発明に適切な多孔質膜を形成するために使用できる他のポリマーも選択できる。
多孔質媒体又は膜は疎水性媒体又は疎水性膜でもよい。又、多孔質媒体又は膜は、親水性媒体又は親水性膜でもよい。例えば多孔質膜が親水性の場合、ポリアミド、酢酸セルロース及びセルロースが好ましい。
好ましくは、熱安定性・生体分子抵抗性表面が多孔質膜上に形成される。ここで使用される「多孔質膜」として、微少孔膜及び限外ろ過膜の両方が挙げられる。本発明の限外ろ過膜及び微少孔膜は、例えば、シート、チューブ、及び中空繊維等の数種の形状のいずれでもよい。
本発明の膜及び方法の表面被膜に使用される「表面」とは、多孔質媒体又は膜の全表面をいい、多孔質媒体又は膜の外側表面及び内側表面を含む。「外側表面」とは、例えば平面的な多孔質表面やシート膜のいずれか等の観察可能な表面をいう。「内側表面」とは、多孔質網目構造の内側表面、即ち、多孔質媒体又は膜の組織内領域を表すために使用されている。
一般的に、多孔質膜は被覆膜(skin)を有しても有さなくてもよい。被覆膜は、比較的薄く、高密度の,膜の基礎構造と一体となっている表面層である。被覆膜を有する膜では、主な膜通過流への抵抗は(被覆)薄膜に起因する。微少孔膜及び限外ろ過膜では共に、表面被覆膜(存在する場合)は外側表面から被覆膜の下の膜の連続的多孔質構造まで続く孔を有する。被覆膜を有する微少孔膜及び限外ろ過膜では、孔は外側表面領域の小部分を占める。反対に、被覆膜を有さない膜は外側表面の主な全体が多孔質である。膜の外側表面多孔性(即ち、例えば走査型電子顕微鏡「SEM」で観察されるような膜の外側表面の孔の配置)は、膜の外側表面上に比較的均一に分散された単孔、又は分離された多孔性領域、又はそれらの混合でもよい。ここで使用される、膜の外側表面へ適用される「表面多孔性」は、外側表面の孔開口部面積の、外側表面の合計表面積に対する割合を言う。
本発明の実施に使用できる微少孔膜は、膜の厚さ方向を通過する孔径、中空繊維の孔径、又は繊維の多孔質壁を通過する孔径の均一性に関して対称又は非対称に区分される。ここで使用される「対称膜」とは、膜断面を通して実質的に均一な孔径を有する膜を言う。「非対称膜」とは、膜断面を通して平均孔径が一定でない膜を言う。非対称膜では、例えば孔径は、膜断面を通過する位置の関数としてなめらかに又は非連続的に変化できる。好ましくは、一方の外側表面上の孔径の、反対側の外側表面上の孔径に対する割合が実質的に大きい膜が「非対称膜」の定義に含まれる。
ここで使用される「架橋したターポリマー」は3以上のモノマーから構成されるポリマーを言い、その中で、少なくとも1のモノマーは、重合反応に参加できるか、分離しているポリマー鎖を架橋できる2以上の反応性部位を有する。ターポリマーは、一般的には3種のモノマーから構成されていると考えられているが、本発明では、ターポリマーは3種のモノマーに限定されず、膜の目的とする性質を追加又は向上させるために1以上の追加のモノマーを使用することも好ましい。好ましくは、架橋したターポリマーは2の単官能モノマー及び1の二官能基モノマーから構成される。
第1被膜に含まれる架橋したターポリマーは、好ましくは多孔質媒体又は膜の全表面を覆う。架橋したターポリマーは、2以上の単官能モノマー及び1の架橋多官能モノマーの溶液(ここで「反応溶液」と言う。)から現位置で形成される。単官能モノマーは、単一の不飽和官能基を有するものである。多官能モノマーは、1を超える不飽和官能基を有する分子である。好ましくは、2以上の単官能モノマーは、モノ又はジ−N−置換されたアクリルアミド又はメタクリルアミドである。架橋モノマーは、好ましくは多官能アクリルアミド又はメタクリルアミドである。特に好ましくは、ジメチルアクリルアミド及びジアセトンアクリルアミドがメチレン−ビス−アクリルアミドと共に使用される。又、N−ビニルピロリドンで、モノ又はジ−N−置換されたアクリルアミド又はメタクリルアミド単官能モノマーの1つを置き換えてもよい。
好ましくは、少なくとも1の多官能モノマーは、多官能アクリルアミドモノマー、多官能メタクリルアミドモノマー、又はジアクロイルピペラジンであり、少なくとも2の異なる単官能モノマーはアクリルアミドモノマー、メタクリルアミドモノマー、及びN−ビニルピロリドンから選ばれてもよい。
第1被膜では好ましくは、少なくとも1の多官能モノマーは多官能アクリルアミドモノマー、多官能メタクリルアミドモノマー、又はジアクロイルピペラジンであり;少なくとも2の異なる単官能モノマーはN−ビニルピロリドンモノマー及び下式のいずれかを有するモノマーの群から選ばれる:
2C=C(R1)C(=O)N(R2)(R3
ここで、R1は−H又はCH3であり、
2はH又はC1〜C6(好ましくはC1〜C3)アルキルの直鎖状又は分岐状のいずれかであり、
3はH又はC1〜C6(好ましくはC1〜C3)アルキルの直鎖状又は分岐状のいずれか、又はC(CH32CH2C(=O)CH3、又は(P=O)((NCH322、又はC=ON(CH32、又はCH2−O−R4(ここでR4はC1〜C5アルキルの直鎖状又は分岐状のいずれかである。)、又は(CH2−CH2−O)n−R5(ここでR5は−H又は−CH3であり、n=2又は3である。)であり、R2及びR3は同時にHであることはない。
更に好ましくは、架橋したターポリマーは;
(ア)メチレン−ビス−アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、及びジアセトンアクリルアミド;又は
(イ)メチレン−ビス−アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、及び、ジメチルアクリルアミド若しくはジアセトンアクリルアミドのいずれかから形成されたポリマーである。
第2被膜は官能基を有する1以上のモノマーを有する上記記載のターポリマーでもよい。第2被膜は官能基を含有する架橋したポリマーでもよい。更に又、第2被膜は第1被膜の非高分子性表面修飾でもよく、それは直接又は結合基アームのいずれかにより官能基を第1被膜へ共有結合するものである。結合基アームは分子鎖であり、その一方の末端は第1被膜へ共有結合し、他方の末端は1又は複数の官能基を共有的に保持する。
又本発明は好ましくは、多孔質膜基体及び熱安定性・生体分子抵抗性表面被膜を有する清浄・耐腐食性・多孔質膜の製造方法であり、下記ステップを有する製造方法を提供する:
(a)多孔質膜基体を用意するステップ;
(b)任意で、上記多孔質膜基体を湿潤用液体で洗浄し、その表面を湿らせるステップ;
(c)任意で、上記湿った多孔質膜基体を第2の湿潤用液体で洗浄して上記第1の湿潤用液体と交換し、上記多孔質膜基体を上記第2の液体で湿らせるステップ;
(d)上記多孔質膜基体の表面を下記を含有する溶液と接触させるステップ:
(i)アクリルアミド、メタクリルアミド、及びN−ビニルピロリドンの群から選ばれる少なくとも2の単官能モノマー;及び
(ii)多官能アクリルアミド、多官能メタクリルアミド及びジアクロイルピペラジンの群から選ばれる少なくとも1の多官能モノマー;
(上記溶液は任意で更に1以上の重合開始剤を含有してもよい。);
(e)溶液から膜基体を取り出すステップ、
(f)上記モノマーを重合して熱安定性・生体分子抵抗性表面を形成するステップ;
(g)上記膜を洗浄して、多孔質基体上に第1被膜を形成するステップ、
(h)ステップ(f)から得られる膜を、親水性官能基を有する、少なくとも1の単官能モノマー、多官能架橋剤及び光開始剤の水溶液と接触させるステップ;
(i)ステップ(g)から得られる多孔質膜を水溶液から取り出すステップ;
(j)ステップ(i)から得られる膜を紫外線光へ曝露するステップ;
(k)膜を洗浄するステップ;及び
(l)膜を乾燥するステップ。
好ましくは、多孔質媒体又は膜の全表面は2つの被膜で被覆される。高分子性被膜が使用される場合の被膜方法は、第1及び第2被膜に対しては同じである。モノマーは異なってもよく、異なる割合でもよい。当業者は、それぞれの被膜に必要な(上記)記載事項を変更できる。第1被膜は、上記記載のターポリマーでなくてはならない場合、第2被膜は、又目的とする機能性を有する架橋したポリマーであってもよい。従って、反応溶液は、好ましくは多孔質媒体又は膜の全表面を湿らせる。好ましくは多孔質媒体又は膜を反応溶液と接触させる前に洗浄ステップを実施することにより第1被膜(の形成)が円滑になる。従って、第1被膜を形成するために好ましくは、多孔質媒体又は膜は最初に、全ての多孔質媒体又は膜表面を完全に湿らせる洗浄(湿潤用)液体で洗浄される。好ましくは、洗浄(湿潤用)液体は、多孔質媒体又は膜を膨潤又は溶解させず、又好ましくは反応溶液と交換されることができる。予備的洗浄ステップは第2被膜を形成するためには必要とされない。
第1被膜を形成するための反応溶液が水溶液の場合、湿潤用液体は、多孔質媒体又は膜を湿らせるために必要な表面張力よりも低い表面張力を有する有機−水混合液でもよい。好ましい湿潤用液体の例として、アルコール−水溶液、好ましくはメタノール−水、エタノール−水、又はイソプロパノール−水溶液が挙げられる。
洗浄ステップが第1被膜を形成するために使用された場合、第2の洗浄ステップを行うことが好ましい。例えば、湿潤用液体の1以上の成分が重合又は架橋反応を阻害する場合、第2の洗浄ステップが洗浄液を除去し、重合又は架橋反応を阻害しない第2の洗浄液で置き換えるために使用できる。例えば、ある反応水溶液が使用されるなら、湿った多孔質媒体又は基体は水で洗浄されて第1の湿潤用液体を除去し、水で充填された多孔質媒体又は膜を製造する。湿った多孔質媒体又は膜は、次に反応溶液と接触して(例えば、反応溶液中に浸漬することにより)多孔質媒体又は膜の孔中及びその外側表面上に目的とする反応組成物を製造する。好ましくは、必要な場合、第1及び第2の洗浄ステップは常温で、例えば20℃〜30℃で、好ましくは数秒〜数分間の間行われる。
第1被膜用の反応溶液が、その目的用の有機溶剤を含有するために多孔質媒体又は膜を充分に湿らせる場合、又は反応溶液中の反応物の濃度が溶液の表面張力を低くするために充分であり反応溶液で多孔質媒体又は膜が完全に湿潤する場合、その次のいずれの洗浄ステップも必要ではない。従って、反応溶液は、これら洗浄ステップを避けるのに充分なほど反応溶液の表面張力を低下させ、かつ次に続く重合反応を阻害しない、1以上の添加物を含有することができる。これら添加物の好ましい例として、エチルヘキシルジオール、プロピレンカーボネート、トリプロピレングリコールメチルエーテル及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールが挙げられる。適切に湿らせるために必要な、反応溶液への添加物の量は、使用されるモノマー及び開始剤の量及び種類に依存し、必要以上の実験なしに当業者が容易に決定できる。
第1被膜用反応溶液は、溶剤、単官能モノマー、少なくとも1の多官能架橋モノマー、及び、任意で1以上の開始剤を含有する。反応溶液用の溶剤の選択は、モノマー及び任意の開始剤の選択に依存する。溶剤は、好ましくは(イ)反応物、存在する場合は開始剤を溶解し;(ロ)重合反応を抑制又は阻害せず;(ハ)多孔質媒体又は膜と反応しない。特に好ましい溶剤は水である。
本発明で特に好ましくは、ターポリマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びN−ビニルピロリドンの群から選ばれる少なくとも2の単官能モノマー、並びに少なくとも1の多官能アクリルアミド又はメタクリルアミド架橋モノマーから形成される。しかし好ましくは、他のモノマーも使用できる。これら(他のモノマー)として、N−ビニルピロリドン及び他のモノ又はジ−N−置換されたアクリルアミド又はメタクリルアミドモノマー、例えば下式のいずれかを有するモノマーが挙げられる:
2C=C(R1)C(=O)N(R2)(R3
ここで、R1は−H又はCH3であり、
2はH又はC1〜C6(好ましくはC1〜C3)アルキルの直鎖状又は分岐状のいずれかであり、
3はH又はC1〜C6(好ましくはC1〜C3)アルキルの直鎖状又は分岐状のいずれか、又はC(CH 3 2CH2C(=O)CH3、又は(P=O)((NCH322、又はC=ON(CH32、又はCH2−O−R4(ここでR4はC1〜C5アルキルの直鎖状又は分岐状のいずれかである。)、又は(CH2−CH2−O)n−R5(ここでR5は−H又は−CH3であり、n=2又は3である。)であり、R2及びR3は同時にHであることはない。
第1単官能コモノマーの第2の単官能コモノマーに対する割合は、好ましくは約1〜5、更に好ましくは約1〜2である。コモノマーの合計量は、好ましくは約0.5〜約20%、更に好ましくは約2〜約10%、特に好ましくは約45〜約8%である。
ターポリマーは、上記1以上の単官能モノマーに加え、更に好ましくは上記2以上の単官能モノマーを含有してもよい。これら追加の単官能モノマーは、ターポリマーの特定の性質を追加又は修飾するために有利に使用できる。例えば、ターポリマーの親水性又はイオン荷電含有量を改質することを目的とする場合、他の2つの単官能モノマーとは異なる官能基を有する第3の単官能モノマーを含有させて、修飾することが好ましい。好ましくは、追加の1又は複数の単官能モノマーがターポリマー中に使用される場合、これら追加の1又は複数のモノマーは少量または単官能モノマーに匹敵する量で使用できる。代表的な追加型性質用改質モノマーとして、(3−(メタクリロイルアミノ)プロピル)−トリメチルアンモニウム塩酸塩、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム塩酸塩、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸及びアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。
本発明のターポリマーは、好ましくは少なくとも1の多官能架橋性モノマー(又は「架橋モノマー」)を含有する。特定の理論で本発明を限定するものではないが、架橋モノマーは、とりわけ、鎖重合反応への参加、及び単官能モノマーの重合鎖を架橋することの両方により多孔質基体又は膜への永続的修飾を促進すると考えられる。本発明で使用できる好ましい架橋モノマーとして、多官能アクリルアミド、多官能メタクリルアミド、及びジアクロイルピペラジン、更に好ましくは多官能アクリルアミド、及び多官能メタクリルアミドが挙げられる。エチレン−ビス−アクリルアミド及びメチレン−ビス−アクリルアミドが特に好ましい架橋モノマーであり、メチレン−ビス−アクリルアミドが最も好ましい。
本発明のターポリマー中に存在する架橋性モノマー量の単官能モノマーの合計量に対する割合は、好ましくは約1〜約10、更に好ましくは約2〜約6である。
ここでターポリマーのモノマー性成分として使用される「モノマー」及び「コモノマー」は区別せずに使用される。
本発明の単官能モノマー及び1若しくは複数の架橋コポリマーの重合は、フリーラジカルによる開始及び増殖を通して行うことができる。好ましくは、1以上のフリーラジカル開始剤が重合を容易にするためにモノマーを含有する反応溶液中に含まれても良い。当業者に公知の広い種類の開始剤のいずれでも本発明に適用できる。好ましくは1又は複数の開始剤は水に可溶である。又好ましくは、例えば湿潤反応溶液(wetting reactant solution)が使用された場合、水にやや難溶な開始剤が好ましい。
当業者は容易に目的の反応溶液用の適切な開始剤を決定することができる。適切な開始剤の例として、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、アゾビス(4−シアノ吉草酸)、商品名「Irgacure 2959」(チバ・ガイギー社製、Hawthorn、N.Y.)、2,2’−アゾビス(2−アミジノ−プロパン)塩酸塩等が挙げられる。好ましくは、1又は複数の開始剤は、全反応溶液を基準として約0.1〜約1重量%の範囲で使用される。
多孔質媒体又は膜の表面が反応溶液と接触(即ち、飽和)した後、外側表面をまだ溶液で湿らせた状態で、過剰の反応溶液が外側表面から除去される。小シートでは、例えば2枚のプラスチックフィルムの間に(溶液で)飽和したシートを設置し、過剰の液体を例えばハンドローラー(brayer)等のゴムロールで押し出すことにより、過剰の反応溶液が除去できる。多孔質媒体又は膜の連続的シートの製造において、過剰の液体の除去は、外側表面に対する直接気流を向けるエアナイフにより達成でき、その場合気流の力で過剰の反応溶液が吹き飛ばされる。好ましい技術の一つは、シートを圧力制御した2つのロール間に通すことであり、ロールの少なくとも1つはエラストマー被覆され、シートと同一の方向へ回転する。シート中に残される液体の量は、接触しているロールの圧力を調整して正確に調節できる。
過剰の反応溶液が除去された後、反応溶液の重合が、湿った多孔質媒体又は膜を、加熱、紫外線光、電子ビーム又はガンマ線放射等の一般的エネルギー源のいずれかへ曝露することにより開始される。熱で開始されるフリーラジカル重合は、一般的に飽和した媒体又は膜を少なくとも約60℃へ加熱し、その温度を約0.1〜約10分間、好ましくは約1〜約2分間維持することにより達成できる。沸騰又は早すぎる蒸発が重合反応へ悪影響を及ぼす温度までなら、使用される開始剤及びモノマーの組み合わせに依存して、より高い温度も使用できる。
紫外線光は、現位置重合反応を行うために好ましく使用できる。好ましくは、反応溶液(任意で1以上の開始剤を含有する。)で飽和した多孔質媒体又は膜は、製品名「Fusion Systems F600」(Rockville社製、MD)を「H」バルブ(光源)を使用した紫外線源で照射されてもよい。望まない損傷を修飾した多孔質媒体又は膜へ与える可能性のある好ましくない波長を減少又は除去するために、フィルターを使用してもよい。当業者にとっては、重合条件を最適化するために、曝露時間をランプ強度のUV光に対してバランスすることは、通常の実験操作である。600ワット源での曝露時間は、一般的に約2秒〜約10秒、好ましくは約3秒〜約5秒である。
電子ビーム技術は、例えば米国特許番号第4944879号(その開示内容はここで資料として使用する。)に記載されている方法で、重合の開始をするために好ましく使用される。一般的に、ウェブ又は個々のサンプルは電子ビーム発生器により発生したカーテン状の電子中を通る。発生器は、目的とする照射線量を約100kV〜約200kVで供給する。移動するウェブ又はサンプルは、カーテンの下で目的とする曝露時間を得るために適切な速度で移動する。照射線量と組み合わせた曝露時間は、線量率を決定する。一般的な曝露時間は約0.5秒〜約10秒である。線量率は一般的に0.05kGy(キログレイ)〜約5kGyである。
分子酸素の存在は、フリーラジカル重合反応へ悪影響を及ぼすことが知られている。従って、上記で記載された開始方法のそれぞれでは、反応域中の酸素量は、好ましくは約200ppm未満、更に好ましくは約50ppm未満の濃度に調節される。好ましくは、これらは反応域を窒素又はアルゴン等の不活性ガスで満たすか、又はシートを2層のプラスチックフィルムの間に挟んで空気を排除するかして達成される。
更に好ましくは、反応溶液のモノマーの重合は、ガンマ線放射でも開始される。一般的にこの方法では、モノマー飽和した多孔質膜を巻いたロールが照射される。ロールを、反応溶液中に通過させて巻き取っても、予め巻き取ったロールを反応溶液中に浸漬してもよい。好ましくは、反応溶液は脱気、即ち空気、特に酸素の溶液からの除去処理、をされる。好ましくは、脱気は、ヘリウム、窒素又はアルゴン等の不活性ガスで空気を置換することにより達成される。又好ましくは、脱気は例えば真空ポンプでモノマー溶液にかかる圧力を減圧することにより達成される。脱気されたモノマー溶液含浸ロールは、次に脱気状態を保持するためにシール材料でシールされ、次に所定の照射線量で照射される。これらシール材料は、好ましくは照射で劣化せず、顕著にガンマ線を妨害しない。例えば多くのプラスチック、及びホウケイ酸ガラス等の広い種類の材料がシール材料として使用できることが当分野で知られている。
一般的に、合計照射線量約0.02〜約1.0kGyが適切である。好ましくは約5〜約500キロラド/1時間、更に好ましくは約5〜約150キロラド/1時間の曝露が、一般的な照射時間約4〜約60時間で使用できる。当業者は、目的の合計照射線量となる線量率及び時間の適切なバランスを容易に決定できる。
多孔質媒体又は膜へ架橋したターポリマーがグラフトされる程度(即ち、ターポリマーが結合される程度)は、中でも、重合反応の開始方法の選択により調節できる。例えば、ガンマ線放射では、高分子性バルクマトリックスへのコポリマーのグラフト率は大きいが、熱誘起開始ではグラフト率は低くなる。当業者は容易に多孔質媒体又は膜へのターポリマーの、目的とするグラフト率を与える開始方法を選択することが出来る。
本発明の方法は、シート、チューブ及び中空繊維膜の製作に適用出来る。被膜方法は、本発明の製造方法へ適用できるテキスタイル繊維及びモノフィラメント産業で公知である。
本発明の記載の目的は、可能な全ての組み合わせ、置き換え又は変更を完全に提供するためではなく、当業者である医療関係者への教示のための代表的方法を提供するためである。代表的な実施例は、実施のために限定的に例示されており、本発明を限定するものではない。本発明者は、本件特許請求の範囲が作成された時点で知られた最も広い範囲での本発明の範囲の保護を求める。
方法
1.生体分子抵抗性
多孔質膜の吸着への生体分子抵抗性は、IgG蛋白質を使用した静置浸漬(static soak)試験で測定できる。蛋白質溶液を、Sigma Chemical Company社、St.Louis.Mo.(SigmaI-5523)から販売されているリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を使用して調製した。同様にSigma Chemical Company社(SigmaI-5523)から購入したヤギガンマグロブリンを濃度1mg/mlで使用した。125I−ヤギ抗(ウサギIgG)をNEN Life Science Products社、Boston、MA(NEX−155)から購入し、蛋白質溶液へ添加して最終濃度0.1μCi/mlとした。
1枚の13mm膜ディスクを16×100mm試験管内に入れ、ちょうど1mlの蛋白質溶液を微量メスピペットで添加した。全ての試験管を回転式シェーカー台上のラック中に入れ、2時間攪拌した。攪拌後、流体を試験管から吸引し、湿った膜を1mlPBSで3回洗浄した。洗浄した膜ディスクを清浄試験管中へ移し、ガンマ線計測器(製品名Minaxi Auto−ガンマ5000シリーズ、Packard Instrument Company社製、Downers Grove、IL.)中に入れて、それぞれのディスクへ照射される放射能を、カウント/分(cpm)ユニットで測定した。1mlの蛋白質溶液及び膜なしの対照用試験管のカウント/分(cpm)も又測定した。対照用試験管をベースとして、測定した放射能及び現実の蛋白質濃度の間の関係をそれぞれのディスク上の蛋白質量のために下記式により計算した。
対照用関係=合計平均cpm/mgIgG=合計平均cpm/1000μgIgG
それぞれのディスク上で観察された放射能を測定したため、それぞれのディスク上の蛋白質量が下記式により計算できる。
1枚の13mmディスクに結合している蛋白質=(cpm/1.33cm2)×(1000μgIgG/合計平均cpm)
この量は、正面の膜面積(13mmディスクは1.33cm2の面積を有する。)のμg/cm2ユニットに結合している蛋白質として記載された。それぞれの試験サンプルに対して少なくとも2回測定された。
商標「Durapore」膜等の市販の低結合性PVDF膜で測定された一般的な値は、15±4μg/cm2の範囲であった。対照的に、Pall Corporation社製、商標「Fluorodyne」膜等の比較用PVDF膜は、47±19μg/cm2の範囲であった。
2.生体分子抵抗性の熱安定性
膜の生体分子抵抗性の熱安定性を測定するため、膜サンプルを(1)135℃で2時間オーブン中で加熱するか;又は(2)121℃で、スチームオートクレーブ中1時間保持してから、上記記載の試験を行なった。
3.抽出物濃度測定用TOC(全有機炭素)方法
膜を3枚の47mmディスクへ切断し、予備清浄処理した40mlのTOCバイアル中に入れた。バイアルをGVX(疎水性PVDF)で被い、輪ゴムでとめた。次にバイアルをオートクレーブ中126℃で1時間保持した。冷却後、バイアルを取り出した。GVXを剥がし、40.0mlの新鮮な商標「MilliQ」水を添加し、バイアルを直ちに、予備清浄処理した、商標「テフロン」張りセプタムキャップで封をした。膜を一晩(最短で16時間)放置して抽出した。次に抽出物のTOC濃度をSievers社製、800 TOC分析機により分析した。同様にオートクレーブ処理及び一晩抽出処理をした空のバイアルである原材料のPPM結果をブランクとした。これらppmTOC結果は40mlを乗じて52.05cm2で除してμgC/cm2へ変換した。
4.製造スケール膜の抽出物濃度測定用TOC/NVR(全有機炭素/不揮発性残渣)法
約8フィート2の膜を巻いて、次にGVXで被った。次にサンプルをオートクレーブ中126℃で1時間保持した。冷却後、膜をGVXから取り出し、予備清浄処理した1Lメスシリンダー中の800mlの新鮮な商標「MilliQ」水中に、膜が完全に水没するように入れた。シリンダーをアルミホイル箔でキャップし、膜を一晩(最短で16時間)放置抽出した。次に膜を取り出した。抽出物のアリコートを次に一般的方法でTOC(40ml)及びNVR(200−600ml)分析した。ブランクに関する結果も得たところ、それぞれμgC/cm2及びmgNVR/7.5フィート2であった。
5.耐腐食性を決定するためのフロー時間測定
この試験では、修飾した膜のフロー時間を試験する、透過性測定法であり、0.1NaOHへ2時間、常温で曝露し、再度フロー時間を試験した。曝露前と後のフロー時間の割合は、膜の腐食性効果の指標である。高い割合は、大きな効果を示す。割合が1であることは、影響が無いことを示す。耐腐食性膜は、この曝露後も湿潤性を保持し、曝露前のものに対する曝露後のフロー時間の割合が約1.5未満である。
下記手順をこの試験で使用した。
(1)膜を数枚の47mmディスクに切断した。
(2)ディスクを水で湿らせ、水量を保持する貯水槽を備えて真空ポンプへ結合されているフィルターホルダー中に入れた。
(3)水を27.5インチHg圧力差で膜を透過させた。
(4)平衡が達成された後、500mlの水が膜を透過する時間を測定した。
MAM基体の修飾の包括的手順
反応剤溶液をMAM膜へ適用した。処理した膜をエネルギー源(例えば、熱、UV、及び電子ビームエネルギー供給源が挙げられる)へ曝露した。反応剤溶液は、MAM表面上で反応を起こした。膜から不必要な溶液及び副成物を除いて清浄化した。
MAM表面は水で湿潤可能なため、水溶液は膜を直接湿らせ、予め湿潤させる手順は不要であった。
MAM表面は下記のように調製した。
0.1ミクロンランクの疎水性PVDF膜(商標「Durapore」Millipore Corporation社製、Bedford、MA)を6枚の47mmディスクに切断し、それらの重量を測定した。それらを、メタノール中に入れた後に商標「MilliQ」水中に浸漬することにより、予め水により湿潤した。溶液はアクリルアミドモノマー、光開始剤、及び水を含有させて調製した。第1被膜を形成するこの溶液の組成を表1に示す。
Figure 0004677230
反応物を全て溶解した後、溶液を深皿中に置き、予め湿潤させた膜を溶液中に投入した。深皿に蓋をして、溶液中の膜をオービットシェーカー(LabLine Instruments、Melrose Park、IL)上で10分間旋回させた。膜を取り出しそれぞれ1ミリポリエチレンシート間に挟んだ。台上に平らに置いたポリエチレン/膜ディスク/ポリエチレンサンドイッチ上にゴムローラを転がすことにより、過剰の溶液を除去した。ポリエチレンサンドイッチは次に「H」バルブを有するFusion Systems社製、UV曝露ラボユニットを通した組み立てを伝送する輸送ユニットへテープで留めた。曝露時間は、UVユニット中を組み立て品が通過する速度により調節した。この実施例では、組み立て品は、UV照射室を20フィート/分で移動した。
UVユニットから出した後、膜をサンドイッチから取り出し、直ちにメタノール中に入れて15分間旋回して洗浄した。次に、それらを商標「MilliQ」水中で15分間洗浄した。この洗浄手順の後、それらを空気乾燥した。
実施例1(正に荷電する表面)
この実施例では、ポリアクリルアミド(MAM)表面を有するPVDF膜を更に修飾して、正に荷電する膜を得た。これは、MAM膜表面上にモノマーメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩酸塩(MAPTAC)の重合を行なって達成した。
尚、疎水性であるPVDF膜を中間層なしにMAPTACで修飾することも可能であった。しかし、そのためには、費用がかかり、かつ有機溶剤を使用する困難なプロセス操作を使用する必要があった。更に、これら操作で製造された膜は熱安定性がなかった。
反対に、MAM/PVDF膜は親水性であるため、MAPTACを含有するモノマー水溶液は、直接膜へ適用でき、現位置で重合され、熱安定性・正荷電性表面を製造できた。その方法のステップは下記の通りである。
(1)疎水性0.65μPVDFを、上記記載の手順で、DMAm、DACAm及びMBAmモノマーを使用してMAM/PVDF基体を得るため上記記載の通り修飾した。
(2)この親水性膜を下記により更に修飾した。
(イ)15%MAPTAC、2%MBAm、0.2%商標「Irgacure 2959」の溶液で、水中10分間、直接処理した。
(ロ)膜をUV光(lab Fusion社製ユニット、速度10フィート/分)で曝露した。
(ハ)洗浄及び空気乾燥した。
(3)得られた膜は、2.86%の重量増加を示した。この量は、処方及び曝露条件を変化させることにより増加できた。表面は、直ちに湿潤可能であった。
(4)得られた膜は、ポンソーS染色表面のマゼンタ(赤色)濃度により測定したところ、非常に高い正荷電を有していた。湿潤マゼンタ濃度は1.50であった。
(5)135℃のオーブン中で2時間後、処理後の膜は、直ちに湿潤可能であった。135℃のオーブン中で4時間処理後、膜は4秒で湿った。マゼンタ濃度は本質的に変化せずに保持された。
反対に、中間のMAM層なしに製造した膜は、上記ステップ5と同一の方法で加熱した場合、疎水性となり、湿潤可能ではなかった。
実施例2(負に荷電される表面)
(1)疎水性0.65μPVDFを、上記記載の手順で、DMAm、DACAm及びMBAmモノマーを使用してMAM/PVDF基体を得るため、Millipore社の特許出願番号MCA544の明細書に記載された通り修飾した。
(2)この親水性膜を下記溶液で処理して更に修飾した。
12.0グラムの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、
2.0グラムのジアクリロイルピペリジン、
0.3グラムの商標「Irgacure 2959」光開始剤、及び、
85.7グラムの水。
(3)処理膜を実施例1と同様にUV光で曝露して洗浄及び乾燥した後、膜は2.8%の重量増加を示した。
(4)膜表面は、非常に高い負荷電を有していたことを示すために、膜を正に荷電した染料であるメチレンブルー溶液で処理した。染色後、シアン光学濃度を測定したところ2.34であった。一方、出発材料のMAM/DVX基体はシアン濃度は0.35であった。
(5)膜を135℃のオーブン中に2時間入れた。処理後の膜は直ちに水で湿潤された。
実施例3(求核反応性親和性基)
エポキシド基は、求核反応性サイトを提供するために、しばしば化学親和性反応で使用される。エポキシド環は、例えば蛋白質及びペプチド中にあるアミン基と反応する。この実施例では、エポキシド基はMAM表面から外側へ伸びるように調製される。MAM表面は、そこからエポキシド環が伸びて、その親和性反応を行なう、低い非特異性結合基礎構造を提供する。
(1)疎水性0.65μPVDFを、上記記載の手順で、DMAm、DACAm及びMBAmモノマーを使用してMAM/PVDF基体を得るため、Millipore社の特許出願番号MCA544の明細書に記載された通り修飾した。
(2)この親水性膜を下記溶液で処理して更に修飾した。
5.0グラムのグリシジルメタクリレート(GMA)、
1.0グラムのメチレンビスアクリルアミド、
0.2グラムのジメトキシフェニルアセトフェノン光開始剤、及び
93.8グラムのtert−ブチルアルコール。
(3)処理膜を実施例1と同様にUV光で曝露して洗浄及び乾燥した後、膜は0.4%の重量増加を示した。
(4)上記ステップ3で得られた膜は、0.2M炭酸水素ナトリウム溶液15グラム中に2グラムのエチレンジアミンを含む溶液を満たした容器中に入れた。修飾していないMAM表面を有する対照用膜も又容器中に入れた。容器を50℃で4時間回転攪拌した。膜を洗浄し、実施例1と同様のポンソーSで染色した。GMA修飾した膜はマゼンタ濃度1.6を有する一方、対照用膜のマゼンタ濃度は0.2であった。
(5)膜を135℃のオーブン中で2時間加熱した後、上記4と同一の実験を行なった。マゼンタ濃度の減少は観察されなかった。
実施例4(親電子反応性親和性基)
(1)疎水性0.65μPVDFを、上記記載の手順で、DMAm、DACAm及びMBAmモノマーを使用してMAM/PVDF基体を得るため、Millipore社の特許出願番号MCA544の明細書に記載された通り修飾した。
(2)この親水性膜を下記溶液で処理して更に修飾した。
10.0グラムのヒドロキシメチルジアセトンアクリルアミド(HMDAA)の55%水溶液、
5.0グラムのメチレンビスアクリルアミド、
0.2グラムのジメトキシフェニルアセトフェノン光開始剤、及び
45グラムの水。
(3)処理膜を実施例1と同様にUV光で曝露して洗浄及び乾燥した後、膜は0.45%の重量増加を示した。
pH13−14の水性媒体中で、ヒドロキシル基はエポキシド基と反応して、ヒドロキシル酸素をエポキシドのメチレン炭素原子と結合する共有結合を形成する。エポキシド基が容易に検知可能な成分を有する分子の一部である場合、反応の完了が監視できる。
(4)H MDAA表面の反応は、上記例(1)及び(2)から得られた膜をグリシジルトリメチルアンモニウム塩酸塩(GTMAC)の0.2M NaOH溶液中へ16時間、室温で置くことにより行なうことが出来る。反応性ヒドロキシル基が存在する場合、エポキシドは正に荷電した4級アンモニウム基と反応し、結合する。
(5)膜を洗浄し、負に荷電した染料であるポンソーS溶液中へ入れた。存在する正の荷電量をマゼンタ光学濃度として測定した。マゼンタ濃度は1.14であった。
(6)得られた膜は2.86%の重量増加を示した。この量は、処方及び曝露条件を変化させることにより増加できた。その表面は直ちに湿潤可能であった。
(7)得られた膜は、ポンソーS染色表面のマゼンタ濃度により測定したところ、非常に高い正荷電を有していた。湿潤マゼンタ濃度は1.50であった。
(8)135℃のオーブン中で2時間後、得られた膜は、直ちに湿潤可能であった。135℃のオーブン中で4時間後、膜は4秒で湿った。マゼンタ濃度は本質的に変化せずに保持された。
実施例5(超疎水性表面)
この実施例では、ポリアクリルアミド(MAM)表面を有するPVDF膜を更に修飾して、超疎水性表面を得た。ここで、超疎水性とは、20℃で18.4dynes/cmの表面張力を有するヘキサンにより湿潤されないことをいう。これは、MAM膜表面上にフルオロアルキルモノマー2−(N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド)エチルアクリレートの重合を行なって達成した。
(1)疎水性0.65μPVDFを、上記記載の手順で、DMAm、DACAm及びMBAmモノマーを使用してMAM/PVDF基体を得るため上記実施例1と同様に修飾した。
(2)この親水性膜を下記溶液で膜処理して更に修飾した。
7%の2−(N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド)エチルアクリレート、1%のヘキサンジオールジアクリレート、0.2%のジメトキシフェニルアセトフェノン、及び91.8%のヘキサメチルジシロキサン。
(3)膜をUV光(lab Fusion社製ユニット、速度10フィート/分)で曝露した。
(4)イソプロピルアルコールで洗浄し、空気乾燥した。
(5)得られた膜は、6.5%の重量増加を示した。
(6)得られた膜はヘキサン中に置かれた場合、湿らなかった。

Claims (10)

  1. 多孔質基体及び多孔質基体上に分離して形成された熱安定性かつ生体分子抵抗性表面を有する多孔質膜であり、
    上記表面はIgG結合試験で測定して30マイクログラム/平方センチ未満の生体分子結合を有し、かつ、(1)135℃で2時間オーブン中で加熱するか、又は(2)121℃で、スチームオートクレーブ中1時間保持する、熱への曝露を行った後の表面が、熱曝露前の同一の表面の2倍未満のIgG吸着を示す熱安定性を有し、
    上記表面は高分子性第1被膜、及び、第1被膜上に形成された高分子性第2被膜からなり、第1被膜は架橋した親水性ターポリマーであり、第2被膜は、正又は負に荷電した官能基、親電子的な官能基、求核反応性官能基、又は、これらの官能基の組み合わせで修飾された第2ポリマーであり、
    上記架橋した親水性ターポリマーは、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びN,N’−メチレンビスアクリルアミドから形成されるポリマーであり;
    多孔質基体の孔径は、第1被膜及び第2被膜が形成された後の孔径が形成前の孔径と違わず、
    上記多孔質基体は微少孔膜であり、上記微少孔膜は、芳香族スルホンポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロ熱可塑性ポリマー、超高分子量ポリエチレン、及び二フッ化ポリビニリデンの群から選ばれた少なくとも一種から形成される多孔質膜。
  2. IgG結合試験で測定して20マイクログラム/平方センチ未満の生体分子結合を有する請求項1の膜。
  3. 上記多孔質基体は二フッ化ポリビニリデン微少孔膜である請求項1又は2の膜。
  4. 微少孔膜基体及び微少孔膜基体上に分離して形成された熱安定性かつ生体分子抵抗性表面を有する耐腐食性の多孔質膜であり、
    上記表面はIgG結合試験で測定して30マイクログラム/平方センチ未満の生体分子結合を有し、かつ、(1)135℃で2時間オーブン中で加熱するか、又は(2)121℃で、スチームオートクレーブ中1時間保持する、熱への曝露を行った後の表面が、熱曝露前の同一の表面の2倍未満のIgG吸着を示す熱安定性を有し、
    上記表面被膜は:
    N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びN,N’−メチレンビスアクリルアミドから形成された、第1の架橋したターポリマーを含有する第1被膜;並びに
    第1被膜上に形成され、親水性官能基及び疎水性官能基の群から選ばれる官能基で修飾された、第2の架橋したターポリマー又はコポリマーを含有する第2被膜;
    を有し、
    上記微少孔膜基体は、芳香族スルホンポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロ熱可塑性ポリマー、超高分子量ポリエチレン、及び二フッ化ポリビニリデンの群から選ばれた少なくとも一種から形成される膜。
  5. 上記第2の架橋したターポリマー又はコポリマーは、フルオロアルキル基で修飾されている請求項4の膜。
  6. 上記第2被膜は、(3−(メタクリロイルアミノ)プロピル)トリメチルアンモニウム塩酸塩、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム塩酸塩、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸及びアミノプロピルメタクリルアミドの群から選ばれるモノマーから形成されるポリマーである請求項4の膜。
  7. 上記親水性官能基は第4級アンモニウム塩である請求項の膜。
  8. 耐腐食性の多孔質膜の製造方法であり、上記膜は多孔質膜基体及び熱安定性かつ生体分子抵抗性表面被膜を有し、
    上記表面被膜はIgG結合試験で測定して30マイクログラム/平方センチ未満の生体分子結合を有し、かつ、(1)135℃で2時間オーブン中で加熱するか、又は(2)121℃で、スチームオートクレーブ中1時間保持する、熱への曝露を行った後の表面が、熱曝露前の同一の表面の2倍未満のIgG吸着を示す熱安定性を有し、
    上記多孔質基体は微少孔膜であり、上記微少孔膜は、芳香族スルホンポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロ熱可塑性ポリマー、超高分子量ポリエチレン、及び二フッ化ポリビニリデンの群から選ばれた少なくとも一種から形成され、
    下記ステップを有する製造方法であり、ステップ(a)から(l)までを実施する前の多孔質基体の孔径は、ステップ(a)から(l)までを実施した後の孔径と同一である方法:
    (a)多孔質膜基体を用意するステップ;
    (d)上記多孔質膜基体の表面をN,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びN,N’−メチレンビスアクリルアミドのモノマー含有する反応溶液と接触させるステップ
    (上記溶液は任意で更に1以上の重合開始剤を含有してもよい。);
    (e)過剰の反応溶液を膜基体外側表面から除去するステップ;
    (f)上記モノマーを重合して熱安定性かつ生体分子抵抗性表面を形成するステップ;
    (g)上記膜を洗浄して、多孔質基体上に第1被膜を形成するステップ;
    (h)ステップ(g)から得られる膜を、親水性官能基を有する、少なくとも1の単官能モノマー、多官能架橋剤及び光開始剤の水溶液と接触させるステップ;
    (i)過剰の水溶液を、ステップ(h)から得られる多孔質膜から除去するステップ;
    (j)ステップ(i)から得られる膜を紫外線光へ曝露するステップ;
    (k)膜を洗浄して多孔質膜上に第2被膜を形成するステップ;及び
    (l)膜を乾燥するステップ。
  9. 上記ステップ(a)の次に、(b)上記多孔質膜基体を湿潤用液体で洗浄し、その表面を湿らせるステップ;又はステップ(b)及び(c)上記湿った多孔質膜基体を第2の湿潤用液体で洗浄して上記第1の湿潤用液体と交換し、上記多孔質膜基体を上記第2の液体で湿らせるステップを有する請求項の方法。
  10. 上記多孔質膜基体は二フッ化ポリビニリデン微少孔膜である請求項の方法。
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