JP2005331580A - 光コネクタ組立工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一端にフェルール1を着脱自在に保持するフェルール保持部12が設けられたベース11と、フェルール保持部12に保持されたフェルール1の先端面5に当接することによりフェルール1の光ファイバ挿入穴に挿入された光ファイバ3の端面を位置決めする位置決め部材21と、位置決め部材21を保持してフェルール保持部12に向かう方向にスライド移動可能となるように前記ベース11に取り付けられたスライダ13と、ベース11に回動可能に取り付けられた光ファイバ挿入台31とを有し、光ファイバ挿入台31の上面32にはフェルール保持部12に向かって延びる光ファイバ案内溝33が延在形成されており、光ファイバ挿入台31の回動によってフェルール1に対する光ファイバ案内溝33の向きが可変になっている光コネクタ組立工具10を用いる。
【選択図】 図1
Description
フェルールの光ファイバ挿入穴に光ファイバを挿入するために用いられる光コネクタ組立工具としては、従来、フェルールを基台上に固定するフェルール固定部と、光ファイバを把持した光ファイバホルダと、フェルール固定部に向かって移動することで光ファイバホルダに把持された光ファイバの先端部を移動させるファイバ支持部と、フェルール固定部に向かって移動して該フェルール固定部に固定されたフェルールの先端面に当接することでフェルールの光ファイバ挿入穴内に位置する光ファイバの先端面を位置決めする位置決め部材(ヘッド)とを備えた光コネクタ組立工具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ファイバ押さえ部材が前記光ファイバ案内溝の延在方向に複数並べられており、これらファイバ押さえ部材のうち最もフェルール保持部の近くに配置されたファイバ押さえ部材は、前記光ファイバを押さえた状態のままで前記光ファイバ案内溝の延在方向に沿うスライドが許容されている構成を採用することも可能である。
また、前記ベースに対する前記光ファイバ挿入台の回動を停止させる回動停止機構が設けられている構成を採用することも可能である。
また、前記位置決め部材は、前記フェルール先端面と当接する先端面に開口した光ファイバ挿入穴を有するマスターフェルールであり、前記マスターフェルールは前記フェルールの先端面に開口したガイドピン穴に嵌合するガイドピンが前記マスターフェルールの先端面に突設されているとともに、前記フェルールとの前記突き合わせ方向に対する垂直方向へ浮動可能に設けられている構成を採用することも可能である。
また、前記フェルール保持部は、前記フェルールのガイドピン穴に前記フェルールの先端面に対向する後端面の側から挿入される取付ピンを有する構成を採用することも可能である。
光ファイバ挿入台が前記ベースに対して回動可能に取り付けられているので、フェルールの光ファイバ挿入穴に対して光ファイバ案内溝の向きを簡単に調整することができ、フェルールに対する光ファイバの挿入を容易かつ確実に行うことができる。
以上により、工具の構造を簡略化することができ、工具の小型化や低価格化なども実現できる。また、作業手順を簡略化することができ、作業性や能率を向上させることが可能となる。
図1は、本発明の光コネクタ組立工具の一例を示す(a)平面図、(b)部分切欠正面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。図3は、図1のIII−III線に沿う断面図である。図4は、図1のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、マスターフェルールの一例を示す部分切欠正面図である。図6は、フェルールの一例を示す断面図である。図7は、フェルールに光ファイバを挿入する様子を説明する概略図である。図8は、フェルールとマスターフェルールとの先端面同士を突き合わせた状態を示す部分切欠正面図である。
フェルール1の先端面5に対向する後端面6には、フェルール1の内部空間4に連通する挿入口6aが開口しており、この挿入口6aから光ファイバ3をフェルール1内に挿入できるようになっている。また、この挿入口6aには光ファイバ3を保護するブーツ6b(図8など参照)を装着することができる。
光ファイバ3としては、特に限定されるものではないが、例えばテープ心線等の多心光ファイバや単心光ファイバを用いることができる。光ファイバ心線の心数は、特に限定されるものではなく、単心、2心、4心、8心、10心、12心などが例示できる。
また、光ファイバ挿入穴2を介した両側には、一対のガイドピン穴(図示略)が形成されており、このガイドピン穴にはガイドピンを挿入及び嵌合できるようになっている。
フェルール1内には、窓4aと対向する内部空間4の底面に台部4bが突設されている。この台部4bには、光ファイバ挿入穴2の内部空間4側の端部から延長して延びる誘い溝4cが形成されている。誘い溝4cは窓4aを通してフェルール1外から目視可能である。誘い溝4cは、各光ファイバ挿入穴2ごとに設けられており、誘い溝4cに挿入された光ファイバ3を先端面5に向かって押し込むことにより、光ファイバ3を光ファイバ挿入穴2に円滑に案内することができる。誘い溝4cの断面形状は、特に限定されるものではなく、丸溝、U溝、V溝、角溝等が採用可能である。
フェルール保持部12は、取付ピン12aをフェルール1のガイドピン穴に該フェルール1の後端面6の側から挿入及び嵌合することによりフェルール1を着脱自在に保持することができるようになっている。両取付ピン12a同士の間隔は、フェルール1のガイドピン穴同士の間隔に一致されている。
マスターフェルール21の先端面25には1個または複数個の光ファイバ挿入穴22が配列状態(1列または複数列)に開口されている。また、光ファイバ挿入穴22を介した両側には、一対のガイドピン穴(図示略)が形成されており、このガイドピン穴にはガイドピン24が挿入及び嵌合されている。
光ファイバ挿入穴22のそれぞれには、光ファイバ23が挿通及び固定されている。この光ファイバ23の端面23aは、マスターフェルール21の先端面25から突出している。
マスターフェルール21の先端面25と対向する後端面26の側は、マスターフェルール21の側方に突出する鍔部27になっている。
マスター保持部16においてマスターフェルール21は、フェルール保持部12に保持されたフェルールと互いに向かい合う方向である突き合わせ方向が、レール14の延在方向となるように配置されている。
ハウジング17は、マスターフェルール21の鍔部27が抜け出さない程度の開口量を有する矩形状の窓17bを有し、この窓17bにマスターフェルール21が挿入されている。
なお、ハウジング17の窓17bの縁部17dの断面形状は、マスターフェルール21の浮動を許容できるものであれば、特に限定されるものではない。
これにより、マスターフェルール21は、窓17bの両側の縁部17dを中心として、ハウジング17の外部に露出された部分の変位が鍔部27の変位に対して逆向きとなる回転が可能なようにハウジング17の窓17bに回転可能に支持される。
両係合アーム18aはマスターフェルール21の突き合わせ方向前方に屈曲して延出されており、各係合アーム18aの先端には、それぞれベース本体15の上面15bに対向する向きに係合突起18cが突設されている。
係止レバー18は、係合突起18cがベース本体15のレール14を介した両側に形成された係合凹部15cに対応する位置に到達したときに係止レバー18を軸18b周りに回動させ、係合突起18cを係合凹部15cに係合させることにより、スライダ13がマスターフェルール21の突き合わせ方向後方に後退することを阻止できるようになっている。もちろん、係止レバー18を係合時とは逆方向に回動させて係合突起18cと係合凹部15cとの係合を解除することも可能であり、この状態では、スライダ13はレール14に沿って突き合わせ方向の前後両方にスライド可能である。
さらに、光ファイバ挿入台31の上面32には、光ファイバ案内溝33の延在方向に対して垂直に延びる突条34a,34b,34cが突設されている。これら突条34a,34b,34cは、光ファイバ案内溝33の箇所で中断している。
フェルール保持部12側に配置された一方の押さえ部材36は、仕切り38及びこれに通じる中央部の突条34bと光ファイバ挿入台31の一側の突条34aとの間に配置されている。また、他方の押さえ部材37は、仕切り38及びこれに通じる中間部の突条34bと光ファイバ挿入台31の他側の突条34cとの間に配置されている。
他方の押さえ部材37は、特に取付軸35に沿ってスライドするようにはなっておらず、その蓋部37bは、光ファイバ挿入台31の中間部の突条34bと他側の突条34cとの間に配置される。
これにより、押さえ部材37を光ファイバ挿入台31の上面32に向かい合わせたときに、磁石39による吸引力によって押さえ部材37と光ファイバ挿入台31の上面32との間に光ファイバを挟み込む押圧力が作用するようになっている。この押圧力は、光ファイバのスライド移動を阻害しない程度である。
ここで回動停止機構40は、図1,図8に示すように、光ファイバ挿入台31の上面32に対向する裏側に形成されたレバー収納溝41と、このレバー収納溝41内に収納された停止レバー42と、光ファイバ挿入台31に埋め込まれ前記停止レバー42を回動可能に軸支する支軸43と、レバー収納溝41の底面41aと停止レバー42の一端42aとにそれぞれ形成されたスプリング受け44a,44b(凹部)に装着されたスプリング44とを有する。
ここで停止レバー42は、正面視(図1(b)参照)両端42a,42bがレバー収納溝41の底面41aに向かうように略くの字形に屈曲しており、平面視(図1(a)参照)光ファイバ案内溝33の延在方向に延びている。
支軸43は、ほぼ前記連結軸31aと同方向に延びている。停止レバー42の一端42aは、支軸43を介してベース11と反対の側であり、他端42bは、支軸43よりもベース11に近い側に位置している。
スプリング44は、レバー収納溝41の底面41aに反力を取って停止レバー42の一端42aを前記底面41aから離間する方向(図1(b)の時計回り方向)に付勢している。
停止レバー42の他端42b側の端面42cは、停止レバー42の一端42aがレバー収納溝41の底面41aに当接するまで停止レバー42を押し込んだときに、光ファイバ案内溝33の延在方向と垂直になる方向に形成されており、前記端面42cがベース11の一端縁11bに面接触するように光ファイバ挿入台31の向きを調節すると、光ファイバ案内溝33の向きがフェルール保持部12に保持されたフェルール1の突き合わせ方向に真っ直ぐ向かうように調節できるようになっている。
まず、ファイバ押さえ部材36,37は、図4の二点鎖線に示すように、光ファイバ挿入台31の上面32に対して開いておく。また、フェルール1は、取付ピン12aを介してフェルール保持部12に取り付ける。
この際、図3に示すように、光ファイバ案内溝33がフェルール保持部12に保持されたフェルール1の突き合わせ方向(図3の左右方向)よりもやや上方を向くように、ベース11に対する光ファイバ挿入台31の向きを調節する(このときの光ファイバ挿入台31の位置を図3に二点鎖線で示す)。これにより、図5に示すように、光ファイバ3先端の裸光ファイバ3aがフェルール1内の誘い溝4cの上方に到達されるようになり、裸光ファイバ3aを誘い溝4cに載せる作業が容易になる。
裸光ファイバ3aが誘い溝4c上に到達したことは、裸光ファイバ3aをフェルール1の窓4aから目視することにより容易に確認できる。
光ファイバ3は、図7に示すように裸光ファイバ3aが光ファイバ挿入穴2を通ってさらにフェルール1の先端面5から突出するまで押し込まれる(突出量L)。光ファイバの挿入後、一方の押さえ部材36は光ファイバ挿入台31の上方に開いておく。光ファイバ3は突条34b,34c間に固定された他方の押さえ部材37によって保持される。
フェルール1の光ファイバ挿入穴2に挿入された裸光ファイバ3aは、マスターフェルール21の光ファイバ23に突き当たるまで押し込まれる。マスターフェルール21との当接により、裸光ファイバ3aの端面の位置がフェルール1の先端面5に対して位置決めされる。
なお、フェルール1がマスターフェルール21に押圧される前に、フェルール1と他方の押さえ部材37との間隔は、光ファイバ3のたわみ(曲がり)が過度とならない程度、確保する。他方の押さえ部材37は、マスターフェルール21の突き当りによって光ファイバ3が突き合わせ方向の後方に後退することを阻止するためのストッパーとして機能する。
フェルール1の窓4aから接着剤を注入し、フェルール1内で光ファイバ3を固定する。光ファイバ3の接着固定後、係止レバー18を操作して係合突起18cと係合凹部15cと係合を解除し、スライダ13をマスターフェルール21の突き合わせ方向後方に後退させてから、光ファイバ挿入台31の押さえ部材37を開け、フェルール1をフェルール保持部12の取付ピン12aから取り外す。フェルール保持部12の両支柱12b,12bの間は上方に空間が開けているので、先端にフェルール1が組み立てられた光ファイバ3を光ファイバ挿入台31から取り外すには、光ファイバ挿入台31の上方に持ち上げることで、容易に取り外すことができる。
以上のようにして、光ファイバ3の先端部にフェルール1を取り付け、光コネクタを組み立てることができる。
光ファイバ挿入台が前記ベースに対して回動可能に取り付けられているので、フェルールの光ファイバ挿入穴に対して光ファイバ案内溝の向きを簡単に調整することができ、フェルールに対する光ファイバの挿入を容易かつ確実に行うことができる。
以上により、工具の構造を簡略化することができ、工具の小型化や低価格化なども実現できる。また、作業手順を簡略化することができ、作業性や能率を向上させることが可能となる。
フェルール保持部側に配置された一方のファイバ押さえ部材が、光ファイバを押さえた状態のままで光ファイバ案内溝の延在方向に沿うスライドが許容されているので、光ファイバが光ファイバ挿入台の上面から浮き上がったり光ファイバ案内溝から外れたりすることがなく、光ファイバを光コネクタに向かう適切な向きに駆動することができる。さらに、挿入作業の間、他方の押さえ部材が光ファイバを押さえ続けているので、両方の押さえ部材によって光ファイバを確実に押さえることができ、光ファイバが光ファイバ挿入台の上面から浮き上がったり光ファイバ案内溝から外れたりすることがない。
例えば、ベース、フェルール保持部、スライダ、マスターフェルール、回動停止機構などの構成や構造などは、上記実施の形態に特に限定されるものではない。
フェルールの心数(光ファイバ挿入穴の個数)は、特に限定されるものではない。
Claims (6)
- 光コネクタのフェルール(1)の先端面(5)に開口した光ファイバ挿入穴(2)への光ファイバ(3)の挿入に用いられる光コネクタ組立工具であって、
一端にフェルールを着脱自在に保持するフェルール保持部(12)が設けられたベース(11)と、前記フェルール保持部に保持されたフェルールの先端面に当接することにより前記光ファイバ挿入穴に挿入された光ファイバの端面を位置決めする位置決め部材(21)と、前記位置決め部材を保持して前記フェルール保持部に向かう方向にスライド移動可能となるように前記ベースに取り付けられたスライダ(13)と、前記ベースに回動可能に取り付けられた光ファイバ挿入台(31)とを有し、前記光ファイバ挿入台の上面(32)にはフェルール保持部に向かって延びる光ファイバ案内溝(33)が延在形成されており、前記光ファイバ挿入台は、前記ベースに対する回動によってフェルール保持部に保持されたフェルールに対する光ファイバ案内溝の向きが可変になっていることを特徴とする光コネクタ組立工具(10)。 - 前記光ファイバ案内溝上に配置された光ファイバを押さえるためのファイバ押さえ部材(36,37)が前記光ファイバ挿入台に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ組立工具。
- 前記ファイバ押さえ部材が前記光ファイバ案内溝の延在方向に複数並べられており、これらファイバ押さえ部材のうち最もフェルール保持部の近くに配置されたファイバ押さえ部材(36)は、前記光ファイバを押さえた状態のままで前記光ファイバ案内溝の延在方向に沿うスライドが許容されていることを特徴とする請求項2に記載の光コネクタ組立工具。
- 前記ベースに対する前記光ファイバ挿入台の回動を停止させる回動停止機構(40)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光コネクタ組立工具。
- 前記位置決め部材は、前記フェルール先端面と当接する先端面(25)に開口した光ファイバ挿入穴(22)を有するマスターフェルールであり、
前記マスターフェルールは前記フェルールの先端面に開口したガイドピン穴に嵌合するガイドピン(24)が前記マスターフェルールの先端面に突設されているとともに、前記フェルールとの前記突き合わせ方向に対する垂直方向へ浮動可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光コネクタ組立工具。 - 前記フェルール保持部は、前記フェルールのガイドピン穴に前記フェルールの先端面に対向する後端面(6)の側から挿入される取付ピン(12a)を有することを特徴とする請求項5に記載の光コネクタ組立工具。
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