JP4361465B2 - 光コネクタ用工具、工具付き光コネクタ - Google Patents

光コネクタ用工具、工具付き光コネクタ Download PDF

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本発明は、突き合わせ接続した光ファイバの対をクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持する機構を具備する光コネクタに適用される光コネクタ用工具、工具付き光コネクタに関する。
近年、光ファイバ先端への組立作業を、工場以外の接続現場にて行うことができる光コネクタの一例として、予め光ファイバを内装固定して先端面に研磨を施したフェルールと、このフェルールの後部(先端面と対向する位置)に配置したクランプ部とを具備したものがある。この光コネクタでは、クランプ部においてフェルール側の光ファイバと、この光ファイバに突き当てた別の接続用の光ファイバとを、該クランプ部の半割りの素子にクランプすることで突き合わせ接続状態を維持し、短時間で光コネクタの組立を行うことができる。ここで、クランプ部はサイズが小さいため、素子の開閉操作を行う専用の工具(光コネクタ組立工具)が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特開2002−23006号公報 特開2002−55259号公報
しかしながら、上述した構造の光コネクタ組立工具では、光コネクタのクランプ部の操作を実現するために、サイズの小さい素子の間に、高精度に加工された楔を正確に挿脱できるように、精密に構成される必要があり、低コスト化が困難であるといった問題があった。また、上述のクランプ部では、素子にクランプ力を付与するバネのクランプ力によって、素子に対する楔の挿入、離脱(引き抜き)のいずれにも、比較的強い力を必要とする。前述の光コネクタ組立工具は、素子に対する楔の挿脱のために、使用者の手指によるレバー操作力を増力する増力機構(例えば、梃子を利用した増力機構等)を有しているが、従来、この増力機構は大掛かりなものしかなかった。これが、工具の大型化、コスト上昇の原因になっていた。また、小型化、低コスト化を実現できる具体的な提案も存在しない。サイズに関しては、前述の光コネクタ組立工具は、例えば装置筐体内などの狭隘な作業空間に挿入できないといったケースも生じていた。また、装置筐体の外に設置した光コネクタ組立工具にて、光ファイバ先端へのコネクタ付けを行う場合には、装置筐体から光ファイバを引き出すための引き出し余長が確保される必要があるといった不満があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、光ファイバ先端への光コネクタの組立作業を低コストで簡単に実現できる光コネクタ用工具、工具付き光コネクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
請求項1記載の発明は、突き合わせ接続した光ファイバの対を半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部を具備する光コネクタ用の工具であって、前記クランプ部の外側から前記素子の間に割り込ませることによって前記素子間を押し開いた状態に保ち、素子間への前記光ファイバの挿脱が可能な状態を維持する介挿部材と、前記クランプ部の素子間に割り込ませた介挿部材を前記クランプ部から引き抜くためのリング状の介挿部材駆動部と、この介挿部材駆動部の周方向の一部に形成され、前記光コネクタの前記クランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ部とを有し、前記介挿部材は、前記介挿部材駆動部において前記ストッパ部とは反対の側に位置する可動端部と連結された基端部から前記介挿部材駆動部を横切るように延在して、前記ストッパ部に形成されている介挿部材用窓に貫通され、前記ストッパ部よりも前記介挿部材駆動部の外側に突出された部分に前記素子間に挿入される先端部を有し、前記介挿部材駆動部は、介挿部材駆動部において前記ストッパ部とは反対の側に位置する可動端部と前記ストッパ部との間に位置する部分に対向する両側から作用させた側圧によって、前記ストッパ部と前記可動端部との間の距離が増大するように変形されることで、前記介挿部材を前記可動端部が牽引して該介挿部材駆動部の内側に引き込む方向に移動させるようになっており、しかも、前記介挿部材駆動部は、該介挿部材駆動部の軸方向に沿って配列されてそれぞれ前記ストッパ部に連結された複数の分割駆動部に分割され、複数の分割駆動部は、前記軸方向に位置をずらして設けられ、各分割駆動部にそれぞれ設けられた前記介挿部材の前記素子間に割り込ませる位置が前記クランプ部の軸方向に異なる光コネクタ用工具を提供する。
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記複数の分割駆動部は、素子間に介挿部材を割り込ませる位置が前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点から遠いもの程、前記クランプ部の軸方向に沿った方向の寸法が大きい光コネクタ用工具を提供する。
請求項3記載の発明は、突き合わせ接続した光ファイバの対を半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部を具備する光コネクタ用の工具であって、前記クランプ部の外側から前記素子の間に割り込ませることによって前記素子間を押し開いた状態に保ち、素子間への前記光ファイバの挿脱が可能な状態を維持する介挿部材と、前記クランプ部の素子間に割り込ませた介挿部材を前記クランプ部から引き抜くためのリング状の介挿部材駆動部と、この介挿部材駆動部の周方向の一部に設けられ、前記光コネクタの前記クランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ部とを有し、前記介挿部材は、前記介挿部材駆動部において前記ストッパ部とは反対の側に位置する可動端部と連結された基端部から前記介挿部材駆動部を横切るように延在して、前記ストッパ部に形成されている介挿部材用窓に貫通され、前記ストッパ部よりも前記介挿部材駆動部の外側に突出された部分に前記素子間に挿入される先端部を有し、前記介挿部材駆動部は、介挿部材駆動部において前記ストッパ部とは反対の側に位置する可動端部と前記ストッパ部との間に位置する部分に対向する両側から作用させた側圧によって、前記ストッパ部と前記可動端部との間の距離が増大するように変形されることで、前記光コネクタの前記素子間に割り込ませる位置が前記クランプ部の軸方向に異なるようにして位置をずらして複数設けられた前記介挿部材を、前記光コネクタにおける光ファイバ同士の接続点に最も近いものから、順次、前記接続点から遠いものを対象として、前記可動端部が牽引して該介挿部材駆動部の内側に引き込む方向に移動させる時差抜去機構を構成し、前記介挿部材駆動部の前記接続点に最も近い介挿部材を移動させる部分は、他の部分に対し独立に前記変形が可能とされており、前記介挿部材駆動部に側圧を加えたときに、前記他の部分に比べて先行して側圧による変形が与えられるように構成されている光コネクタ用工具を提供する。
請求項4記載の発明は、請求項3において、前記介挿部材駆動部は、該介挿部材駆動部の軸方向に沿って配列されてそれぞれ前記ストッパ部に連結された複数の分割駆動部に分割され、各分割駆動部には前記介挿部材が設けられ、複数の分割駆動部は、素子間に介挿部材を割り込ませる位置が前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点から遠いもの程、前記クランプ部の軸方向に沿った方向の寸法が大きい光コネクタ用工具を提供する。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記光コネクタが、フェルールと、このフェルールの突き合わせ接続用の先端面とは反対側の後端側に組み立てられた前記クランプ部とを具備し、前記クランプ部が、前記フェルールに内装固定された光ファイバと該光ファイバに対して突き合わせ接続された別の光ファイバとを半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するものである光コネクタ用工具を提供する。
請求項6記載の発明は、請求項1、2、4、5のいずれかにおいて、前記クランプ部の半割りの素子は、半割りの一方であるベース側素子と、半割りの他方を構成し前記ベース側素子との間に光ファイバを挟み込む複数の蓋側素子とで構成されており、前記クランプ部の軸方向に沿って配列された複数の蓋側素子に対応させるように、各分割駆動部の前記介挿部材の前記素子間に割り込ませる位置がずらされている光コネクタ用工具を提供する。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかにおいて、記ストッパ部には、前記光コネクタを前記ストッパ部に保持するためのリテーナを介挿部材駆動部の外側から係合させて装着するためのリテーナ係合部が設けられている光コネクタ用工具を提供する。
請求項8記載の発明は、突き合わせ接続した光ファイバの対を半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部を具備する光コネクタの外側に請求項1〜7のいずれかに記載の光コネクタ用工具が取り付けられ、前記クランプ部の素子の間に、前記光コネクタ用工具の介挿部材が割り込ませてある工具付き光コネクタを提供する。
本発明では、従来の専用工具に比べて、構成が極めて単純でかつ小型化できる光コネクタ用工具を利用して組み立てた工具付き光コネクタを用いることで、従来のような専用工具を用いることなく、クランプ部における光ファイバ同士の接続を実現できる。これにより、光ファイバ先端への光コネクタの組み立てを容易に実現できる。また、光コネクタ用工具は、構造が非常に簡単で、しかも、安価で製造できることから、従来構成の専用工具を用いる場合に比べて、大幅な低コスト化を実現できる。さらに、工具付き光コネクタ(現場等で、光コネクタに光コネクタ用工具を組み付けたものを含む)は、クランプ部に光ファイバを挿入した後、介挿部材駆動部を操作してクランプ部から介挿部材を抜き出すだけで、光ファイバ先端への光コネクタの組み立てを実現できるので、従来の専用工具を用いた場合に必要となる、ホルダ部に光コネクタを嵌め込むようにして精密に位置決め支持させる作業が不要になり、組み立て作業も非常に簡単になる。
また、本発明では、介挿部材駆動部の、可動端部とストッパ部との間に位置する部分(以下、側部。リング状の介挿部材駆動部には、可動端部とストッパ部との間に位置する側部が、一対存在する)に、対向する両側から側圧を作用させて、介挿部材駆動部を該介挿部材駆動部の両側の側部同士を接近させるように弾性変形することで、可動端部とストッパ部との間の距離が増大する。介挿部材駆動部は、介挿部材駆動部に作用する側圧を、増圧(増力)しかつ前記側圧とは直交する方向の力(つまり、介挿部材を素子間から引き抜く力)に変換するトグル機構としての機能を果たすため、直接、素子間から介挿部材を引き抜く場合に比べて、軽い力で、素子間からの介挿部材の引き抜きを楽に行える。また、介挿部材駆動部は、非常に簡単な構成であるので、光コネクタ用工具、及び、工具付き光コネクタは、小型に形成することができる。
さらに、本発明に係わる光コネクタ用工具及び工具付き光コネクタによれば、介挿部材駆動部を操作することで、素子間に割り込ませた介挿部材の内、前記接続点から最も近い介挿部材から、順次、時間差を以て、前記接続点からの距離が遠い側の介挿部材を、素子間から引き抜くことが可能である。これにより、光ファイバに無駄な撓みや応力等を与えることなく、クランプ部での光ファイバのクランプ固定を実現できる。この結果、クランプ部にクランプした光ファイバ自体の光学特性や、クランプ部内にて突き合わせ接続した光ファイバ間の接続損失等の特性の安定維持を図れ、長期信頼性も向上できる。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態による工具付き光コネクタ1及び光コネクタ用工具2を示す斜視図、図2は光コネクタ用工具2を示す斜視図、図3は工具付き光コネクタ1を一部断面視して示す正面図、図4は光コネクタ用工具2の2本の介挿部材21(21A、21B)と光コネクタ3(光コネクタプラグ)との位置関係を示す側断面図、図5は図1の光コネクタ用工具の構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は(a)のA−A線断面矢視図、図6は工具付き光コネクタ1にリテーナを取り付けた状態を示す正面図である。
図1〜図3に示すように、前記工具付き光コネクタ1は、光コネクタプラグである光コネクタ3の外側に光コネクタ用工具2を装着した構成のものである。図示例の光コネクタ3は、所謂SC2形光コネクタである。ここで、SC2形光コネクタとは、SC形光コネクタ(SC:Single fiber Coupling optical fiber connector。JIS C 5973に制定されるF04形光コネクタ(光コネクタプラグ)など)から、該SC形光コネクタのプラグフレーム33(図9、図13参照)の外側に装着されるつまみを省略したものである。なお、光コネクタ3としては、前述のSC2形光コネクタに限定されず、単心あるいは多心の各種の光コネクタプラグを採用可能である。
まず、光コネクタ3について説明する。
図9、図10は光コネクタ3の構造を示す図であり、図9は分解斜視図、図10は断面図である。図9、図10において、この光コネクタ3は、フェルール31と、このフェルール31の接合端面(符号31a。先端面)に対向する後端側に配置されたクランプ部32と、フェルール31を収納するようにしてその外側にフェルール31の軸回りの回転を規制して装着されるスリーブ状のプラグフレーム33と、プラグフレーム33の後端(図10右側)に係合して取付けられ、前記クランプ部32を収容するストップリング34と、このストップリング34内に内装されたスプリング35とを備えている。
なお、符号34a、34bは、光コネクタ用工具2の介挿部材21(図1、図3等参照)を差し込む差込口を示す。符号36は、ストップリング34の後端に装着されるブーツを示す。但し、ブーツ36は、光コネクタ3の後端側(図10右側)からクランプ部32に光ファイバ4を挿入する際に、光ファイバ4に予め通しておき、クランプ部32への光ファイバ4の挿入完了後にストップリング34に装着される。
クランプ部32は、フェルール31のフランジ部31bから光コネクタ3の後端側へ向かって延びる延出部31cに複数の部材を組み付けた構成であり、フェルール31と一体となっており、以下、クランプ部32が組み立てられているフェルール31を、「クランプ部付きフェルール37」と称して説明する場合がある。
クランプ部付きフェルール37のクランプ部32は、スリーブ状のストップリング34の軸方向に移動自在としてストップリング34に収納されている。スプリング35は、ストップリング34の後端部に反力を取ってクランプ部32を光コネクタ3の先端側(図10左側)に押圧することで、クランプ部付きフェルール37全体を光コネクタ3先端側に付勢するものである。このスプリング35は、例えば、光コネクタ3を光コネクタアダプタ等に挿入して別の光コネクタと接続する時に、フェルール31に、接続の相手側の光コネクタとの間の突き合わせ力を与える機能を果たす。
なお、クランプ部付きフェルール37は、フェルール31のフランジ部31bが、プラグフレーム33内に突設されているストッパ部33aに当接することで、ストップリング34に対する光コネクタ3先端側へのそれ以上の移動(ストップリング34に対する相対的な移動)が規制される。
図11は、クランプ部付きフェルール37を示す斜視図、図12は、クランプ部付きフェルール37のクランプ部32を構成する2つの蓋側素子321a、321b、及び、ベース側素子(延出部31c)の、合わせ面を示す図である。
図10〜図12に示すように、クランプ部32は、フェルール31のフランジ部31bから延びる延出部31cと、この延出部31cの合わせ面324a上に配置された蓋側素子321a、321bとを、断面C形のスリーブ状のバネ322(C形バネ)の内側に収容した構造になっている。延出部31cは、クランプ部32を構成する半割りの素子の一方(以下、素子31cと称する場合もある)、二つの蓋側素子321a、321bは、クランプ部32を構成する半割りの素子の他方(素子321)を構成している。クランプ部32は、一対の半割り素子31a、321の間で、光ファイバをクランプする構造になっている。二つの蓋側素子321a、321bは、一方(素子321a)が他方(素子321b)よりもフェルール31側となるようにして、光コネクタ3の前後方向(図10左右)に配列されている。バネ322は、二つの蓋側素子321a、321bの間の境界付近でバネ322に形成されているスリット322aによって、該バネ322の弾性を、二つの蓋側素子321a、321bに別個に作用させるようになっている。然るに、一方の蓋側素子321aと延出部31cの組、他方の蓋側素子321bと延出部31cの組は、それぞれ、独立のクランプ部としても機能し得る。
なお、バネ322の形状は、断面コ字形のものなど、各種採用可能である。
次に、光コネクタ用工具2を図1〜図5を参照して説明する。
図1〜図5に示すように、光コネクタ用工具2は、光コネクタ3の外側に組み付けられるコネクタホルダ部22と、このコネクタホルダ部22が周方向の一部に組み込まれたリング状の介挿部材駆動部23と、この介挿部材駆動部23において前記コネクタホルダ部22とは逆の側の端部である可動端部24から前記コネクタホルダ部に向けて突設された介挿部材21とを有している。
ここで、光コネクタ用工具2は合成樹脂製の一体成形品であるが、本発明においては、これに限定されず、複数部品によって形成されたものであっても構わない。例えば、介挿部材21が、介挿部材駆動部23とは別部材になっているものであっても良い。
前記コネクタホルダ部22は、断面コ字状に形成されており、その内側が、光コネクタ3を取り出し可能に収容する溝状の収容凹所22aとなっている。すなわち、コネクタホルダ部22は、底壁22eと、この底壁22e上に立設され収容凹所22aを介して両側に配置された側壁22b、22cとを有している。
工具付き光コネクタ1において、光コネクタ用工具2は、収容凹所22aに光コネクタ3を収容し、さらに、介挿部材21をクランプ部32の素子31c、321間に割り込ませた状態とすることで、光コネクタ3に組み付けられて、工具付き光コネクタ1の一部を構成する。
つまり、本発明に係る工具付き光コネクタ1では、介挿部材駆動部23の可動端部24から延びる介挿部材21の先端部21aが、コネクタホルダ部22(後述)の底壁22eに開口された介挿部材用窓(例えば、後述のスリット28)から、収容凹所22a内に突出されている。そして、この工具付き光コネクタ1では、光コネクタ用工具2の可動端部24から突出する2本の介挿部材21(21A、21B)の先端部21a(図1、図3等参照)を、光コネクタ3の外側からストップリング34の差込口34a、34bを介して、一対の素子31c、321の間(すなわち、延出部31cの素子321に対する合わせ面と、蓋側素子321、322の素子31cに対する合わせ面との間)に割り込ませてある。このため、工具付き光コネクタ1では、一対の素子31c、321の間が、介挿部材21によって、バネ322の弾性に抗して若干押し開かれた状態になっている。また、ストップリング34の2つの差込口34a、34bは、2つの蓋側素子321に対応する2つのクランプ部に対応する位置に開口されている。光コネクタ用工具2の2本の介挿部材21(21A、21B)は、ストップリング34の2つの差込口34a、34bを介して、素子31cと素子321aとの間、素子31cと素子321bとの間に、それぞれ挿入されている。
但し、光コネクタ用工具2は、光コネクタ3から分離した状態で現場等に供給して、必要に応じて光コネクタ3に組み付けて、光ファイバ先端への光コネクタ3の組み立てに利用することも可能である。また、光コネクタ用工具2は、すでに光ファイバ先端に組み立てられている光コネクタに組み付けて、光コネクタを光ファイバから離脱させる作業等にも利用できる。
介挿部材21の先端部21a(挿入先端)は、板状の介挿部材21の他の部分に比べて厚さを薄く形成されているが、本実施形態における介挿部材21の先端部は、図3等に示すように、湾曲面を有する形状に形成されている。介挿部材21の先端形状はこれに限定されず、介挿部材21を一対の素子31c、321の間に割り込ませることにより、一対の素子31c、321をバネ322の弾性に抗して若干押し開かれた状態に保持できれば良く、例えば、ピン状等、他の形状であってもよい。また、本実施形態における介挿部材21は、光コネクタ用工具2のリング状の介挿部材駆動部23(後述)の可動端部24から突出する板状の突起であるが、これに限定されず、例えば全体がピン状になっているもの等も採用可能である。介挿部材21の形状の他の例については、図14(a)、(b)を参照して後述する。
コネクタホルダ部22の前記底壁22eは、コネクタホルダ部22の長手方向(溝状の収容凹所22aの延在方向に沿った方向)に沿って延在するスリット28(図5(a)等参照)を介して2分されている。前記介挿部材21は、可動端部24と連結された基端部21bから前記底壁22eに向かって介挿部材駆動部23を横切るように延在して、前記底壁22eに形成されているスリット28に貫通され、前記底壁22eよりも前記介挿部材駆動部23の外側に突出された部分に前記素子間に挿入される先端部21aを有している。先端部21aは、スリット28を介して、収容凹所22aに突出されている。但し、介挿部材21を介挿部材駆動部23から収容凹所22aに突出させるための構成(介挿部材用窓)としては、底壁22eを2分するスリット28に限定されず、例えば、コネクタホルダ部22の両側壁22b、22c間を連結する構成の底壁22eに穿孔した小孔等であっても良い。介挿部材21は、介挿部材用窓を貫通して配置されているが、介挿部材用窓は、後述のように介挿部材駆動部23の変形に伴う介挿部材21の移動を妨げない。
前記底壁22eは、光コネクタ3のクランプ部32から介挿部材21を引き抜く際に前記光コネクタ3が押し当てられるストッパ壁として機能する。また、この底壁22eを具備するコネクタホルダ部22は、リング状の介挿部材駆動部23の周方向の一部に形成され、前記光コネクタ3の前記クランプ部23から介挿部材21を引き抜く際に前記光コネクタ3が押し当てられるストッパ部として機能する。底壁22eは「ストッパ部」と読み替えることができる。スリット28は「介挿部材用窓」と読み替えることができる。
本発明に係る「ストッパ部」は、介挿部材駆動部を操作(両側から側圧を作用させて、ストッパ部と前記可動端部との間の距離が増大するように変形させる)して光コネクタのクランプ部の素子間から介挿部材を引き抜く際に、光コネクタが介挿部材に追従して移動することを防いで、素子間からの介挿部材の円滑な引き抜きを実現する機能を果たすものである。
本発明に係る「コネクタホルダ部」は、光コネクタのクランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ壁を有する点で、上述のストッパ部と同様の機能を有するものである。本明細書において「ストッパ部」との語は、コネクタホルダ部も含むものとする。
前記介挿部材駆動部23は、コネクタホルダ部22の長手方向(溝状の収容凹所22aの延在方向に沿った方向)に沿って延在するスリーブ状に形成されている。この介挿部材駆動部23は、延在方向中央部に形成されたスリット23a(図4参照)によって、二つの分割駆動部23A、23Bに分断されている。すなわち、光コネクタ用工具2は、複数の分割駆動部23A、23Bが、前記コネクタホルダ部22の長手方向に沿った複数箇所に設けられている構造になっている。二つの分割駆動部23A、23Bは、コネクタホルダ部22を介して互いに連結されている。
なお、以下、符号23Aの分割駆動部を前側駆動部、符号23Bの分割駆動部を後側駆動部と称して説明する場合がある。
図4に示すように、スリット23aは、介挿部材駆動部23の延在方向において光コネクタ用工具2の前端側(図4左側。前側駆動部23Aの側)に偏った位置に形成されている。前側駆動部23Aは、後側駆動部23Bに比べて、介挿部材駆動部23の延在方向における寸法が小さく形成されている。また、分割駆動部23A、23Bは、それぞれ可動端部24を有している。介挿部材21は、各分割駆動部23A、23Bから突出する突起部として、分割駆動部23A、23Bにそれぞれ設けられている。
なお、図示例の光コネクタ用工具2では、コネクタホルダ部22の底壁22eも、リング状の介挿部材駆動部23の軸方向(換言すれば、延在方向。駆動用構造体の軸方向と言うこともできる)に沿った方向において、介挿部材駆動部23に形成されたスリット23aと対応する位置に形成されたスリット22fによって分断されているが、このスリット23fは省略することが可能である。
前側駆動部23Aに設けられている介挿部材21(21A)、及び、後側駆動部23Bに設けられている介挿部材21(21B)は、いずれも、可動端部24と連結された基端部21bから前記底壁22eに向かって介挿部材駆動部23を横切るように延在している。この介挿部材21(21A、21B)は、前記底壁22eに形成されているスリット28に貫通され、前記底壁22eよりも前記介挿部材駆動部23の外側に突出された部分に前記素子間に挿入される先端部21aを有している。複数の介挿部材21A、21Bは、介挿部材駆動部23の軸方向に配列されている。
二つの分割駆動部23A、23Bは断面構造(介挿部材駆動部23の延在方向に直交する断面形状)が同じであり、図中、分割駆動部23A、23Bの断面構造に共通の構成部分については共通の符号を付している。
分割駆動部23A、23Bは、具体的には、前記可動端部24と、この可動端部24と前記コネクタホルダ部22との間を連結する一対の側部25a、25b(以下、連結壁部)とを有して構成されている。連結壁部25a、25bは「く」字形であり、しかも、各連結壁部25a、25bは、「く」字の屈曲部の内角側が互いに対面する向き、すなわち、コネクタホルダ部22と可動端部24との間にて、前記屈曲部が両側(介挿部材駆動部23の外側)に張り出す向きで、コネクタホルダ部22と可動端部24との間を連結している。
一対の連結壁部25a、25bは、プレート状の可動端部24の両側から延出されており、可動端部24からの延出先端に、それぞれ、コネクタホルダ部22の側壁22b、22c及び底壁22eが形成されている。可動端部24は、一対の連結壁部25a、25bによって、コネクタホルダ部22のプレート状の底壁22eとほぼ平行となるように支持されている。
なお、図示例の光コネクタ用工具2では、コネクタホルダ部22の両側壁22b、22cは、一対の連結壁部25a、25bの可動端部24からの延出先端からリング状の介挿部材駆動部23の内側に延びる内側延出部221と、一対の連結壁部25a、25bの可動端部24からの延出先端からリング状の介挿部材駆動部23の外側に延びる外側延出部222とを有している。前記コネクタホルダ部22の底壁22eは、側壁22b、22cの前記内側延出部221の連結壁部25a、25bからの突出先端に突設された突片である。この底壁22eは、リング状の介挿部材駆動部23の内側に位置している。このことは、収容凹所22aに光コネクタ3を収容したときに、リング状の介挿部材駆動部23の外側への光コネクタ3の突出を出来るだけ小さく抑えることに有利である。例えば、光成端箱等の装置内や、建物の壁内等の狭隘な作業空間において、この工具付き光コネクタ(あるいは光コネクタ用工具)を用いて、光ファイバ先端への光コネクタ3の取り付け作業を行う場合に、工具付き光コネクタや光コネクタ用工具の作業空間への挿入、作業空間内での操作を効率良く行える等の利点がある。
介挿部材駆動部23(詳細には、分割駆動部23A、23B)と前記コネクタホルダ部22とは、リング状(詳細にはスリーブ状)の駆動用構造体を構成する。
ここで、分割駆動部23A、23Bは、コネクタホルダ部22から突出する概略C字形になっているが、本発明において、分割駆動部23A、23Bの形状を指す「リング状」とは、円形、楕円形、菱形、C字形等、コネクタホルダ部22から膨出した形状全般を指すものである。また、分割駆動部23A、23Bとコネクタホルダ部22(具体的には底壁22e)とによって構成される駆動用構造体としても、円形、楕円形、菱形、C字形等の「リング状」である。
但し、介挿部材駆動部(及び駆動用構造体)の構成としては、コネクタホルダ部22と可動端部24との間に、コネクタホルダ部22と可動端部24との間を連結する両側部(本実施形態における連結壁部)が、両側に張り出すように形成されており、対向する両側からの押圧力(側圧)により両側部(連結壁部)を互いに接近させることで、コネクタホルダ部22と可動端部24との間の距離が増大して、介挿部材21が、収容凹所22aへの突出寸法を減少(あるいは突出を解消)する方向、つまり、介挿部材21を内側に引き込む方向に移動させる構成を採用する。
コネクタホルダ部22は、リング状の駆動用構造体の周方向の一部に介在させるようにして設けられ、収容凹所22aの溝幅方向(図3左右)の両側に介挿部材駆動部23の周方向両端が連結されている。ここで、コネクタホルダ部22が「リング状の駆動用構造体の周方向の一部に介在させるようにして」設けられている構成とは、図示例のように、コネクタホルダ部と介挿部材駆動部とによってリング状の駆動用構造体が形成される構成を意味する。
本実施形態における介挿部材駆動部23は、図3等に示すように、介挿部材21を中心に左右対称に形成されている。介挿部材21の直線的な移動を安定に保つ点では、このように介挿部材駆動部23の両側部(連結壁部25a、25b)が、介挿部材21を挟む対称形になっていることが好ましい。但し、本発明において、介挿部材駆動部23は、必ずしも、介挿部材21を中心に左右対称に形成されていることに限定されないことは言うまでも無い。
なお、介挿部材駆動部23及び駆動用構造体としては、コネクタホルダ部22(詳細にはストッパ部として機能する底壁22e)と可動端部24との間を連結する両側部(本実施形態における連結壁部)に対向する両側から押圧力(側圧)を作用させて、両側部(連結壁部)を互いに接近させることで、コネクタホルダ部22と可動端部24との間の距離が増大して、介挿部材21が可動端部24に牽引されるようにして、収容凹所22aへの突出寸法(換言すれば、ストッパ部からの突出寸法)を減少(あるいは突出を解消)する方向、すなわち、介挿部材駆動部23の内側に引き込まれる方向に移動される構成であれば良い。この点、例えば、介挿部材21に沿って延びる細長い構造等であっても良く、必ずしも、図示例のように、コネクタホルダ部22(詳細にはストッパ部として機能する底壁22e)と可動端部24との間を連結する両側部が介挿部材21の両側に大きく張り出す構造である必要は無い。
また、ストッパ部及びストッパ壁としては、介挿部材駆動部に対向する両側から側圧を作用させて両側部(連結壁部)を互いに接近させて介挿部材21を移動させたときに、光コネクタ3(詳細にはクランプ部32)が介挿部材21に追従移動することを規制して、クランプ部32の素子間からの介挿部材21の離脱を実現するものであればよく、図示例の底壁22eに限定されず、例えば、ピン状の突起等であっても良い。
また、本発明では、駆動用構造体自体も介挿部材駆動部と見なせる。この場合、ストッパ部及びコネクタホルダ部は、介挿部材駆動部の一部を構成しているとも言うことができる。
分割駆動部23A、23Bを具体的に説明する。
分割駆動部23A、23Bは、4つの連結プレート部26a〜26dと、可動端部24とが一列に連結された構成になっている。4つの連結プレート部26a〜26dの内、符号26a、26bの連結プレートは一方の連結壁部25aを構成しており、符号26c、26dの連結プレートは他方の連結壁部25bを構成している。一列に連結された連結プレート部26a〜26d及び可動端部24の内、両端に位置する連結プレート26a、26dは、コネクタホルダ部22(詳細には底壁22e)の対向する両側に連結されている。これにより、介挿部材駆動部23と前記コネクタホルダ部22の底壁22eとによって、スリーブ状の駆動用構造体が構成されている。
連結プレート26a、26dとコネクタホルダ部22(詳細には底壁22e)との間、連結プレート26aと連結プレート26bとの間、連結プレート26cと連結プレート26dとの間、連結プレート26b、26cと可動端部24との間は、それぞれ、連結プレート26a〜26dや可動端部24に比べて薄いため変形容易な薄肉部27によって連結されている。このため、この薄肉部27が変形によってヒンジの如く機能(ヒンジ部として機能)することで、連結プレート26a、26dとコネクタホルダ部22(詳細には底壁22e)との間、連結プレート26aと連結プレート26bとの間、連結プレート26cと連結プレート26dとの間、連結プレート26b、26cと可動端部24との間の相対的な角度が可変になっている。
前述したように、工具付き光コネクタ1では、光コネクタ用工具2の複数の介挿部材21A、21Bを、クランプ部32の軸方向(調心溝323の調心軸線)において互いに異なる複数箇所にて延出部31cと蓋側素子321、322との間に割り込ませて、延出部31cと蓋側素子321、322との間が、バネ322の弾性に抗して若干押し開かれた状態になっている。クランプ部32には、素子31c、321間に介挿部材21を割り込ませるために、クランプ部32の側部から窪んだ形状の介挿部材挿入凹所325dが、クランプ部32の軸方向(調心溝323の調心軸線)において互いに異なる複数箇所(ここでは、2箇所)、具体的には、蓋側素子321に対応する位置と、蓋側素子322に対応する位置とに形成されている。各介挿部材挿入凹所325dに、光コネクタ3のストップリング34の差込口34a、34bに差し込まれた介挿部材21が挿入されている。
このように、素子31c、321間に介挿部材21が割り入れられた状態では、光コネクタ3後端側から、クランプ部32の一対の素子31c、321の間に対する光ファイバ4(図10、図11参照)の挿脱が可能である。ここでは、図11に例示したように、光ファイバ4として、単心の光ファイバ心線を採用している。クランプ部32の一対の素子31c、321の間には、フェルール31に内挿固定されている光ファイバ38(以下、フェルール側光ファイバとも言う)がフェルール31後端から突出した突出部38aが挿入されており、前記光ファイバ4を、クランプ部32の後端側から一対の素子31c、321の間に挿入すると、前記光ファイバ38(詳細には突出部38a)に対して突き合わせ接続することができる。
なお、光ファイバ38(フェルール側光ファイバ)としては、例えば石英系光ファイバが採用される。
また、光コネクタ3の後端側からクランプ部32の素子間に挿入する光ファイバ(別の光ファイバ)としては、光ファイバ心線に限定されず、例えば光ファイバ素線、光ファイバコード等も採用可能である。この光ファイバ(別の光ファイバ。詳細には裸光ファイバ4a)としては、例えば石英系光ファイバが採用される。
クランプ部32内で光ファイバ4、38同士を接続して光ファイバ4先端に光コネクタ3を取り付けるには、まず、光ファイバ4の裸光ファイバ4aが露出されている先端を、ストップリング34の後端部の開口部34cに挿入し、クランプ部32にその後端側から、クランプ部32の一対の素子31c、321の一方又は両方の合わせ面(ここでは、素子31cの合わせ面324aと、素子321bの合わせ面324bの両方。図10、図12等参照)に形成されている溝325a、325bに挿入していく。この溝325a、325bは、一対の素子31c、321の間で丁度対面する位置に形成されている。溝325a、325bは、光ファイバ4の被覆部分を収納し、かつ、クランプ部32から介挿部材21を離脱したときに、光ファイバ4の被覆部分をバネ322の弾性(クランプ力)によってしっかりとクランプ固定できる形状になっている(被覆収納溝を構成する)。
前記溝325a、325bは、クランプ部32の後端部に開口する開口部325cから、フェルール31に向かって延在するように形成されており、フェルール31側の端部が、クランプ部32の一対の素子31c、321の一方又は両方の合わせ面(ここでは、素子31cの合わせ面324aのみ)に形成されている調心溝323と連通されている。この調心溝323には、前記フェルール側光ファイバ38(ここでは裸光ファイバ)が収納されて精密に位置決め調心されている。溝325a、325bに押し込んだ光ファイバ4を、さらに、フェルール31側へ押し込んでいくと、光ファイバ4先端の裸光ファイバ4aを、溝325a、325bから調心溝323に挿入していくことができる。そして、調心溝323にて、フェルール側光ファイバ38(詳細には突出部38aの先端)に対して、調心溝323の調心精度によって精密に位置決め調心した状態で突き合わせ接続させることができる。前記調心溝は、ここではV溝であるが、例えば、U溝、丸溝(断面半円形の溝)等、各種構成が採用可能である。
光ファイバ4、38同士の突き合わせ接続が完了したら、介挿部材駆動部23を操作して光コネクタ3のクランプ部22の素子31c、321間から介挿部材21を引き抜き、光コネクタ用工具2を光コネクタ3から離脱させる。この離脱操作は、光コネクタ用工具2の両側壁22b、22cの間の収容凹所22aから光コネクタ3を取り出せば良い。
すなわち、介挿部材駆動部23は、前記可動端部24とコネクタホルダ部22との間に位置する部分に、対向する両側から押圧力(側圧)を作用させて、両側の連結壁部25a、25b間を接近させると、全体の変形によって、前記可動端部24とコネクタホルダ部22との間の距離が増大するようになっている(図3仮想線参照)。これにより、介挿部材21が可動端部24に牽引されて、底壁22eから収容凹所22a内への突出量を減少(あるいは、底壁22eからの突出を解消)する方向、つまり、介挿部材駆動部23の内側に引き込む方向に移動するため、素子間に入っている前記介挿部材21を素子間から抜き出せる。このとき、底壁22eが、光コネクタ3が介挿部材21と一緒に移動することを規制するストッパ部として機能することで、素子間からの介挿部材21の引き抜きが円滑に実現される。
また、光コネクタ3は、プラグフレーム33の後端部(図10、図13右側)に挿入されてプラグフレーム33に組み付けられたストップリング34のプラグフレーム33後端側に突出した部分の太さがプラグフレーム33よりも細くなっている。収容凹所22a内に収容される光コネクタ3は、ストップリング34のプラグフレーム33後端側に突出した部分が、光コネクタ用工具2の後端側(図4右側、図5(a)右側)にて、コネクタホルダ部22の底壁22e上に突設された受け座22d上に載置される。これにより、光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間からの介挿部材21の引き抜き作業において、クランプ部32の中心軸線(調心溝323の調心軸線。ここでは、フェルール31に貫通されている微細孔31d(光ファイバ38が内挿固定されている)と一致されている)がリング状の介挿部材駆動部23の延在方向に沿った光コネクタ3の姿勢(向き)が維持される。結果、クランプ部32からの介挿部材21の引き抜きに伴い光コネクタ3が傾動してしまうといった不都合を確実に防止できる。
ここで、各介挿部材駆動部23の両側の連結壁部25a、25bは、介挿部材駆動部23の内側の空間(内側空間S)を介して対称形である。このため、介挿部材駆動部23の対向する両側から側圧が加えられると、両側の連結壁部25a、25bは、複数の薄肉部27の機能(変形によってヒンジ部として機能)によって、4つの連結プレート部26a〜26dと可動端部24とが変位して、両側の連結壁部25a、25bが同じように変形(図3の「く」字状に屈曲した状態から、図3実線のように次第に直線状になっていく)していく。これにより、コネクタホルダ部22に保持されている光コネクタ3のクランプ部32に対して介挿部材21が直線的に移動して、素子31c、321間から引き抜かれるようになっている。結果、引き抜き途中での介挿部材21の傾斜等によってクランプ部32の素子31c、321を傷める心配が無い。
なお、介挿部材駆動部23は、両側から側圧が与えられたときに、薄肉部27が変形するが、連結プレート部26a〜26d及び可動端部24は変形しない。また、コネクタホルダ部22も変形しない。
クランプ部32に対する介挿部材21の移動は、一対の素子31c、321の境界の延長上での直線的な移動であるため、介挿部材21の引き抜き途中で、介挿部材21が一対の素子31c、321に変形力等を与えるといった不都合を生じにくい。さらに、一対の素子31c、321からの介挿部材21の引き抜き抵抗を無用に増大するといった不都合も生じにくいため、素子31c、321を傷めにくく、しかも、引き抜きを軽い力で円滑に行える。
また、図6に示すように、コネクタホルダ部22から介挿部材駆動部23の外側へ突出する一対の外側延出部222に着脱可能に取り付けたリテーナ50によって、光コネクタ3を底壁22eに押さえ込むことで、光コネクタ3の向きの安定を確保できる。この場合、光コネクタ3のクランプ部32からの介挿部材21の引き抜き途中での光コネクタ3の向きの変化で素子31c、321を傷めるといった不都合を、さらに確実に防止できる。
図7、図8に示すリテーナ50は、樹脂一体成形品である。このリテーナ50は、略矩形板状のリテーナ本体51と、リテーナ本体51の両側に突設された一対のアーム52とを備えている。各アーム52は、リテーナ本体51の一端部51a(図7左手前側、図8左側)の両側部から、前記一端部51aとは反対側の他端部51bの方向に向けて、リテーナ本体51の側部に沿って延在するように突出されている弾性片である。また、各アーム52の、リテーナ本体51からの突出基端部には、多数の小突起を集合形成した把持部53が設けられている。
リテーナ51の下面には、複数(図示の形態では3個)の突起54が形成されている。
前記リテーナ50を光コネクタ用工具2に組み付けるには、リテーナ50を、光コネクタ用工具2の前端側(図8左側)から押し込んで(図7、図8中、矢印Aの方向へ押し込む)、リテーナ本体51を光コネクタ用工具2の一対の側壁22b、22cの外側延出部222の間に挿入する。また、リテーナ本体51の両側のアーム52を各外側延出部222の外面側(一対の側壁22b、22cの間の収容凹所22aに臨む内面とは反対側の面)に形成されている係合溝223に差し入れ、リテーナ本体51の両側においてアーム52とリテーナ本体51との間に確保されているクリアランス55にそれぞれ外側延出部222を収納する。リテーナ50の一対のアーム52及び一対の外側延出部222の寸法は、アーム52の弾性変形を利用して、アーム52とリテーナ本体51との間に外側延出部222を挟み込んで、外側延出部222の係合溝223からアーム52が振動等によって容易には離脱しないように調整されている。
光コネクタ用工具2に組み付けたリテーナ50は、把持部53等を利用して光コネクタ用工具2から強制的に引き抜かない限り、光コネクタ用工具2から容易には離脱しない。
光コネクタ用工具2からのリテーナ50の引き抜きは、リテーナ50を、リテーナ本体51に形成されている離脱方向表示55(矢印)が示す方向、つまり、光コネクタ用工具2に対して図7、図8中、矢印Bの方向へ相対的に移動させる。
リテーナ50を光コネクタ用工具2に組み付けると、リテーナ51の下面に突設されている複数の突起54が、収容凹所22a内に収容されている光コネクタ3を底壁22eに向けて押さえ込むようになり、収容凹所22a内での光コネクタ3の収容状態が安定に維持され、クランプ部32からの介挿部材21の引き抜き作業を行っても、光コネクタ3の傾動等の変位が生じない。
外側延出部222は、リテーナ50を介挿部材駆動部の外側から係合させて装着するためのリテーナ係合部として機能する。
なお、リテーナ50の材質は、合成樹脂が好ましいがこれに限定はされない。また、リテーナは、必ずしも一体成形品である必要は無く、複数の部品によって組み立てられたものであっても良い。
また、リテーナ50は、工具付き光コネクタ1に組み付けておくことで、工具付き光コネクタ1の搬送中での光コネクタ用工具2からの光コネクタ3の脱落防止等の機能も果たす。
リテーナ50を介挿部材駆動部の外側から係合させて装着するためのリテーナ係合部としては、コネクタホルダ部22の両側の側壁22b、22cを介挿部材駆動部の外側に延長した部分である外側延出部222に限定されず、コネクタホルダ部において、側壁22b、22cとは別に介挿部材駆動部の外側に突出状態に形成された突起等であっても良い。また、本発明の光コネクタ用工具及び工具付き光コネクタは、コネクタホルダ部を有していない構成も含むが、コネクタホルダ部を有していない場合、リテーナ係合部として、ストッパ部から介挿部材駆動部の外側に突出状態に形成された突起等を採用できる。
介挿部材21がクランプ部32から離脱されると、光コネクタ用工具2の介挿部材21が、一対の素子31c、321の間から抜け出て、バネ322の弾性によって、一対の素子31c、321の間に光ファイバ4、38が挟み込まれるようにしてクランプ固定される。これにより、光ファイバ4、38同士の接続状態が安定に維持される。これにより、光ファイバ4先端に光コネクタ3が組み立てられる。
なお、介挿部材駆動部23としては、各種構成が採用可能であるが、前述のように、前記可動端部24とコネクタホルダ部22との間に位置する部分に、対向する両側から押圧力(側圧)を作用させて、両側の連結壁部25a、25b間を接近させたときに、両側の連結壁部25a、25bが均等に変形してゆき(両側の連結壁部の変形が同様(同程度)に進行していくこと)、コネクタホルダ部22に保持されている光コネクタ3のクランプ部32に対して介挿部材21が直線的に移動して、素子31c、321間から引き抜かれるようになっている構成であることが好ましい。また、介挿部材駆動部23は、両側の連結壁部25a、25b間の接近による離間距離の変動量(具体的には、例えば、両側の連結壁部25a、25bにおいて連結プレート間を連結している薄肉部27間の離間距離の変動量)に対して、コネクタホルダ部22に対する可動端部24の移動量の方が小さいため、結局、両側の連結壁部25a、25b同士を接近させる側圧を増力して、素子間から介挿部材21を引き抜く引き抜き力に変換する増力機構(トグル機構)として機能する。
ところで、前述したように、光コネクタ用工具2では、介挿部材駆動部23はスリット23aによって、それぞれ独立した介挿部材駆動部として機能する前側駆動部23Aと後側駆動部23Bとに分断されている。このため、光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間に介挿部材21を割り込ませてある工具付き光コネクタ1において、前側駆動部23A及び後側駆動部23Bの内の一方を選択して、対向する両側から側圧を作用させることで変形させることで、各分割駆動部23A、23Bに個別に設けられている介挿部材21の内、側圧を作用させた介挿部材駆動部に係る介挿部材21のみをクランプ部32から引き抜くといったことが可能である。
さらに、図示例の工具付き光コネクタ1及び光コネクタ用工具2では、前述したように、スリット23aの形成位置が光コネクタ用工具2の前端側に偏っており、前側駆動部23Aの介挿部材駆動部23の延在方向における寸法が後側駆動部23Bに比べて小さいため、前側駆動部23Aは後側駆動部23Bに比べて比較的軽い力で変形させることができるようになっている。
図示例の工具付き光コネクタ1及び光コネクタ用工具2は、図1に示したように、介挿部材駆動部23を両側から、使用者が片手の2本の指(例えば、親指と人差し指)で挟み込むようにして押圧して変形させることで、クランプ部32からの介挿部材21の引き抜きを実現できる。2本の指からの押圧力が前側駆動部23Aと後側駆動部23Bの両方に作用した場合、後側駆動部23Bよりも変形しやすい前側駆動部23Aが後側駆動部23Bに先行して変形を開始し、前側駆動部23Aに設けられている介挿部材21(区別のため、図中、符号21Aを付す)のクランプ部32からの引き抜きが後側駆動部23Bに設けられている介挿部材21(区別のため、図中、符号21Bを付す)のクランプ部32からの引き抜きに先行して実現される。これにより、クランプ部32の内、光ファイバ4、38同士の接続点5(図10参照)をクランプする素子31c、321a間が閉じた後に、素子321aよりも接続点5からの位置が遠い素子31c、321b間が閉じられる。介挿部材駆動部23及び駆動用構造体は時差抜去機構として機能する。
上述のように、クランプ部32の素子31c、321間が、介挿部材21の引き抜きによって、光ファイバ4、38同士の接続点5に近い側から閉じられることで、突き合わせ接続時の突き当て力によって一対の光ファイバ4、38の一方又は両方に生じた撓みが、介挿部材21の引き抜きによるクランプ部32での光ファイバ4、38のクランプに伴って、クランプ部32の外に逃がされて、クランプ部32内に残留することを防止できる。このため、クランプ部32内に残留した光ファイバの曲げや撓みが光ファイバ4、38の光伝送特性や、光ファイバ4、38間の接続損失等の光学特性に影響を与えるといった不都合を防止できる。また、クランプ部にクランプした光ファイバの光学特性の安定維持、接続損失等の特性安定を図れ、光コネクタ3の長期信頼性を向上できる。
なお、前側駆動部23Aを変形操作して、この前側駆動部23Aの可動端部24に突設されている介挿部材21をクランプ部32から引き抜いた後に、後側駆動部23Bを変形操作して、後側駆動部23Bの可動端部24に突設されている介挿部材21のクランプ部32からの引き抜きを行うといったことも可能である。
本発明に係る、工具付き光コネクタ1は、従来のような専用工具を用いることなく、光ファイバ4先端に光コネクタ3を組み立てることができる。また、光コネクタ用工具2は、構造が非常に簡単で、しかも、安価で製造できることから、専用工具を用いる場合に比べて、大幅な低コスト化を実現できる。さらに、光コネクタ用工具2を光コネクタ3に組み付けておき、クランプ部32に光ファイバ4を挿入した後、光コネクタ3から光コネクタ用工具2を離脱させるだけで、光ファイバ4先端への光コネクタ3の組み立てを実現できるので、従来の専用工具を用いた場合に必要となる、ホルダ部に光コネクタを嵌め込むようにして精密に位置決め支持させる作業が不要になり、光ファイバ先端への組み立て作業も非常に簡単になる。
ヒンジ部として採用した薄肉部27は、介挿部材駆動部23に作用された側圧によって弾性変形するようになっているため、側圧を解除し、コネクタホルダ部から光コネクタを取り出すと、薄肉部27の弾性によって、介挿部材駆動部23が側圧を作用させる前の形状、すなわち、図3実線に例示した形状に復帰する。したがい、再度、光コネクタをコネクタホルダ部に組み付けて、工具付き光コネクタを組み立てることに利用することも、容易である。
なお、本発明に係る光コネクタ用工具並びに工具付き光コネクタの具体的構成は、前述の実施形態に限定されず、各種変更が可能である。
ヒンジ部としては、前述の薄肉部27に限定されず、例えば、ピン等を利用した構成のものであっても良い。介挿部材駆動部としては、前述の実施形態に例示した工具付き光コネクタの一部としてコネクタホルダ部とともに樹脂で一体成形された構成以外、例えば、複数の板状部材と、この板状部材同士を枢着するピンとを含む複数の部材によってリング状に組み立てた構成等も採用できる。
一つの介挿部材駆動部の可動端部24に突設される介挿部材の本数は1本に限定されず、2本以上であっても良い。また、この場合、複数の介挿部材が、可動端部24から突設された板状の介挿部材本体の前記可動端部24からの突出先端に形成されたものである構成等も採用可能である。
また、前述の実施形態に例示した光コネクタ用工具では、2つの分割駆動部23A、23Bの介挿部材21A、21Bの先端位置(可動端部からの突出寸法)が同じに揃えられており、コネクタホルダ部に保持された光コネクタのクランプ部に対する挿入深さも同じになっているが、本発明ではこれに限定されず、複数の介挿部材の、可動端部からの突出寸法が異なっている構成も採用可能である。
また、光コネクタ用工具の複数の介挿部材は、光コネクタのクランプ部に挿入される部分(先端)の厚みが一定に揃えられている構成に限定されず、素子に挿入したときの素子の開度等に対応して異ならせている構成も採用可能である。素子に介挿部材を挿入したときの開度は、素子間に挿入される光ファイバの太さに対応させて、光ファイバの挿入が可能なように決める。例えば、前述の実施形態で例示した光ファイバ4の先端の被覆を除去して口出しした裸光ファイバ4aと、裸光ファイバ4aを口出ししていない部分(被覆部)とでは、光ファイバの太さが異なるため、複数の介挿部材について、光コネクタのクランプ部に挿入される部分(先端)の厚みを光ファイバの太さに対応して異ならせることで、光ファイバの部分的な太さの違いにも対応して素子の開度を決めることができる。
介挿部材先端の具体的形状は、図3等に例示したように、湾曲面を有する形状(素子を傷めにくくすることが目的)であっても良いが、例えば、図14(a)、(b)に例示するように、先端が尖った形状のもの(介挿部材211、212)や、先端から両側に対称に傾斜面が形成されている形状、先端から片側のみに傾斜面が形成されている形状等、各種採用可能である。
また、本発明に適用される光コネクタ3(光コネクタプラグ)としては、単心用のものに限定されず、多心用のものも採用可能である。多心用の場合、クランプ部の素子に形成される調心溝が複数本である構成が採用される。
本発明において、「光コネクタ」は、光ファイバ同士の突き合わせ接続(必ずしも、光ファイバ同士の端面同士を接触させる接続に限定されず、光ファイバ同士が微小な隙間を介して対面状態で光接続されることも含む)に用いられる光部品全般のことを指し、必ずしも、フェルールを用いたものに限定されない。そして、本発明に係る光コネクタは、さらに、突き合わせ接続した光ファイバをクランプして、接続状態を維持するクランプ部を有するものであり、このようなクランプ部を有するものであれば、本発明に係る「光コネクタ」と称することができる。
例えば、断面C形あるいはコ字形(図示例では断面コ字形)のスリーブ状のバネの内側に収容した半割りの素子の間に、対向する両側から光ファイバ心線等である光ファイバが挿入されて素子間にて突き合わせ接続され、突き合わせ接続した光ファイバの対をバネの弾性によって素子間にクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持する構成のメカニカルスプライス等も含まれる。
ここで、クランプ部は、突き合わせ接続した光ファイバの対を、断面C形あるいはコ字形のスリーブ状のバネの内側に収容した半割りの素子の間にてバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持する構成のものを指す。半割りの素子は、図9、図10に例示した光コネクタのように、半割りの素子の片方が複数に分割されている構成のものに限定されず、単純に、2部品からなる半割り構造のものであっても良い。但し、2部品からなる半割り構造の素子を有するクランプ部は、素子として素子自体の弾性変形(微小な撓み)が可能なもの(例えば樹脂製のもの)を採用して、クランプ部の軸方向において互いに異なる複数位置に割り込ませた介挿部材が順番に引き抜かれた際に(例えば、光ファイバ同士の接続点に近いものから、順次、遠いものが引き抜かれるようにする)、介挿部材が引き抜かれた箇所から順次素子間が閉じていく構成とする。
上述の実施形態では、2つの分割駆動部23A、23Bからなる介挿部材駆動部23を有する構成の光コネクタ用工具2を例示したが、本発明に係る光コネクタ用工具では、それぞれ独立して操作できる分割駆動部を3以上有する構成のものも採用可能である。但し、この場合も、介挿部材駆動部としては、クランプ部の軸方向において互いに異なる複数位置に割り込ませた複数の介挿部材を、光ファイバ同士の接続点に近いものから順に引き抜く時差抜去機構を構成するものとする。
本発明に係る時差抜去機構としては、光コネクタのクランプ部の軸方向に沿った方向の寸法の大きさが異なる複数の分割駆動部からなる介挿部材駆動部に限定されず、両側からの側圧の作用によってストッパ部と可動端部との間の距離が増大するように変形されることで、クランプ部の素子間に割り込ませた複数の介挿部材を、光ファイバ同士の接続点に近いものから順に引き抜くことができる構成であれば良く、様々な構成を採用できる。
例えば、リング状の介挿部材駆動部の、前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点に最も近い部分の両側(両側から側圧が作用される部分)に突部あるいは厚肉部が設けられて、他の部分に比べて、先行して側圧による変形が与えられるようにした構成や、リング状の介挿部材駆動部の前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点に最も近い部分を他の部分に比べて変形しやすく形成したもの(例えば、前述の実施形態に例示した合成樹脂製の介挿部材駆動部において、接続点に最も近い部分の、ヒンジ部の肉厚を薄くした構造など)等も採用できる。
光ファイバ先端への光コネクタのコネクタ付けを簡便かつ迅速に行うこと等を目的として、各種光コネクタに適用可能である。また、装置、機器に組み込まれた光コネクタ等に対しても、適用可能である。
本発明の一実施形態による工具付き光コネクタ及び光コネクタ用工具を示す斜視図である。 図1の光コネクタ用工具を示す斜視図である。 図1の工具付き光コネクタ及び光コネクタ用工具を示す部分破断正面図である。 図1の光コネクタ用工具の2本の介挿部材と光コネクタ(光コネクタプラグ)との位置関係を示す側断面図である。 図1の光コネクタ用工具の構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は(a)のA−A線断面矢視図である。 工具付き光コネクタにリテーナを取り付けた状態を示す部分破断正面図である。 図6のリテーナを示す斜視図である。 図6の工具付き光コネクタを示す平面図である。 図1の工具付き光コネクタを構成する光コネクタ(光コネクタプラグ)の分解斜視図である。 図9の光コネクタ(光コネクタプラグ)の断面図である。 図9の光コネクタに内蔵されているクランプ部付きフェルールを示す斜視図である。 図11のクランプ部付きフェルールのクランプ部を構成する各素子の合わせ面を示す図である。 図9の光コネクタを示す平面図である。 (a)、(b)は、介挿部材の先端形状の別態様を示す側面図である。
符号の説明
1…工具付き光コネクタ、2…光コネクタ用工具、3…光コネクタ、4…光ファイバ、5…接続点、21、21A、21B、211、212…介挿部材、21a…(介挿部材の)先端部、21b…(介挿部材の)基端部、22…ストッパ部(コネクタホルダ部)、22a…収容凹所、22e…底壁、23…介挿部材駆動部、23A、23B…介挿部材駆動部、分割駆動部、24…可動端部、25a、25b…側部(連結壁部)、27…ヒンジ部(薄肉部)、28…介挿部材用窓(スリット)、31…フェルール、31a…先端面(接合端面)、31c,321…素子、32…クランプ部、322…バネ、38…フェルール側光ファイバ、50…リテーナ、222…リテーナ係合部(コネクタホルダ部の側壁の外側延出部)。

Claims (8)

  1. 突き合わせ接続した光ファイバ(4、38)の対を半割りの素子(31c、321)の間にバネ(322)の弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部(32)を具備する光コネクタ(3)用の工具であって、
    前記クランプ部の外側から前記素子の間に割り込ませることによって前記素子間を押し開いた状態に保ち、素子間への前記光ファイバの挿脱が可能な状態を維持する介挿部材(21、21A、21B、211、212)と、
    前記クランプ部の素子間に割り込ませた介挿部材を前記クランプ部から引き抜くためのリング状の介挿部材駆動部(23、23A、23B)と、
    この介挿部材駆動部の周方向の一部に形成され、前記光コネクタの前記クランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ部(22)とを有し、
    前記介挿部材は、前記介挿部材駆動部において前記ストッパ部とは反対の側に位置する可動端部(24)と連結された基端部(21b)から前記介挿部材駆動部を横切るように延在して、前記ストッパ部に形成されている介挿部材用窓(28)に貫通され、前記ストッパ部よりも前記介挿部材駆動部の外側に突出された部分に前記素子間に挿入される先端部(21a)を有し、
    前記介挿部材駆動部は、介挿部材駆動部において前記ストッパ部とは反対の側に位置する可動端部と前記ストッパ部との間に位置する部分に対向する両側から作用させた側圧によって、前記ストッパ部と前記可動端部との間の距離が増大するように変形されることで、前記介挿部材を前記可動端部が牽引して該介挿部材駆動部の内側に引き込む方向に移動させるようになっており、
    しかも、前記介挿部材駆動部は、該介挿部材駆動部の軸方向に沿って配列されてそれぞれ前記ストッパ部に連結された複数の分割駆動部(23A、23B)に分割され、
    複数の分割駆動部は、前記軸方向に位置をずらして設けられ、各分割駆動部にそれぞれ設けられた前記介挿部材の前記素子間に割り込ませる位置が前記クランプ部の軸方向に異なることを特徴とする光コネクタ用工具(2)。
  2. 前記複数の分割駆動部は、素子間に介挿部材を割り込ませる位置が前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点(5)から遠いもの程、前記クランプ部の軸方向に沿った方向の寸法が大きいことを特徴とする請求項1記載の光コネクタ用工具。
  3. 突き合わせ接続した光ファイバ(4、38)の対を半割りの素子(31c、321)の間にバネ(322)の弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部(32)を具備する光コネクタ(3)用の工具であって、
    前記クランプ部の外側から前記素子の間に割り込ませることによって前記素子間を押し開いた状態に保ち、素子間への前記光ファイバの挿脱が可能な状態を維持する介挿部材(21、21A、21B、211、212)と、
    前記クランプ部の素子間に割り込ませた介挿部材を前記クランプ部から引き抜くためのリング状の介挿部材駆動部(23、23A、23B)と、
    この介挿部材駆動部の周方向の一部に設けられ、前記光コネクタの前記クランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ部(22)とを有し、
    前記介挿部材は、前記介挿部材駆動部において前記ストッパ部とは反対の側に位置する可動端部(24)と連結された基端部(21b)から前記介挿部材駆動部を横切るように延在して、前記ストッパ部に形成されている介挿部材用窓(28)に貫通され、前記ストッパ部よりも前記介挿部材駆動部の外側に突出された部分に前記素子間に挿入される先端部(21a)を有し、
    前記介挿部材駆動部は、介挿部材駆動部において前記ストッパ部とは反対の側に位置する可動端部と前記ストッパ部との間に位置する部分に対向する両側から作用させた側圧によって、前記ストッパ部と前記可動端部との間の距離が増大するように変形されることで、前記光コネクタの前記素子間に割り込ませる位置が前記クランプ部の軸方向に異なるようにして位置をずらして複数設けられた前記介挿部材を、前記光コネクタにおける光ファイバ同士の接続点(5)に最も近いものから、順次、前記接続点から遠いものを対象として、前記可動端部が牽引して該介挿部材駆動部の内側に引き込む方向に移動させる時差抜去機構を構成し、
    前記介挿部材駆動部の前記接続点に最も近い介挿部材を移動させる部分は、他の部分に対し独立に前記変形が可能とされており、前記介挿部材駆動部に側圧を加えたときに、前記他の部分に比べて先行して側圧による変形が与えられるように構成されていることを特徴とする光コネクタ用工具(2)。
  4. 前記介挿部材駆動部は、該介挿部材駆動部の軸方向に沿って配列されてそれぞれ前記ストッパ部に連結された複数の分割駆動部に分割され、
    各分割駆動部には前記介挿部材が設けられ、複数の分割駆動部は、素子間に介挿部材を割り込ませる位置が前記クランプ部における光ファイバ同士の接続点(5)から遠いもの程、前記クランプ部の軸方向に沿った方向の寸法が大きいことを特徴とする請求項3記載の光コネクタ用工具。
  5. 前記光コネクタが、フェルール(31)と、このフェルールの突き合わせ接続用の先端面(31a)とは反対側の後端側に組み立てられた前記クランプ部とを具備し、前記クランプ部が、前記フェルールに内装固定された光ファイバ(38)と該光ファイバに対して突き合わせ接続された別の光ファイバ(4)とを半割りの素子(31c、321)の間にバネ(322)の弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光コネクタ用工具。
  6. 前記クランプ部の半割りの素子は、半割りの一方であるベース側素子(31c)と、半割りの他方を構成し前記ベース側素子との間に光ファイバを挟み込む複数の蓋側素子(321a、321b)とで構成されており、
    前記クランプ部の軸方向に沿って配列された複数の蓋側素子に対応させるように、各分割駆動部の前記介挿部材の前記素子間に割り込ませる位置がずらされていることを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれかに記載の光コネクタ用工具。
  7. 前記ストッパ部には、前記光コネクタを前記ストッパ部に保持するためのリテーナ(50)を介挿部材駆動部の外側から係合させて装着するためのリテーナ係合部(222)が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光コネクタ用工具。
  8. 突き合わせ接続した光ファイバ(4、38)の対を半割りの素子(31c、321)の間にバネ(322)の弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部(32)を具備する光コネクタの外側に請求項1〜7のいずれかに記載の光コネクタ用工具が取り付けられ、前記クランプ部の素子の間に、前記光コネクタ用工具の介挿部材が割り込ませてあることを特徴とする工具付き光コネクタ(1)。
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