JP4684933B2 - 光コネクタ用工具、工具付き光コネクタ - Google Patents
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Description
この光コネクタでは、クランプ部の半割りの素子間に楔を割り込ませて開放した状態で、コネクタ後端側からクランプ部に光ファイバを挿入でき、クランプ部内でフェルール側の光ファイバと突き合わせ接続することができる。そして、クランプ部から楔を引き抜くと、クランプ部の半割りの素子間に、突き合わせ状態の光ファイバがクランプされて、突き合わせ接続状態が維持される。したがって、短時間で、簡単に、光ファイバの先端に光コネクタを組み立てることができる。
しかしながら、上述した光コネクタ組立工具は、コネクタ保持台と、楔を取り付けた楔支持台をコネクタ保持台に対して進退動可能に案内する工具ガイドとを基台上に取り付けた構造であり、楔を、前記コネクタ保持台に保持した光コネクタのクランプ部に正確に挿脱するために、コネクタ保持台、楔支持台、工具ガイドを高精度に形成する必要がある。また、構造が複雑かつ大掛かりであるため、小型化、低コスト化が困難であった。
この光コネクタ用工具は、リング状の介挿部材駆動部と、この介挿部材駆動部の外側に突設された一対の突壁の間に光コネクタ(現場付け光コネクタ)を収容するホルダ本体と、介挿部材駆動部において前記ホルダ本体とは反対の側(可動端部)からホルダ本体側に突出された楔状の介挿部材とを具備し、ホルダ本体の収容凹所内に介挿部材の先端が突出されている。そして、コネクタ収容部の収容凹所に収容した光コネクタのクランプ部の素子間に、介挿部材の先端を割り込ませた状態で、介挿部材駆動部を両側からの側圧によって変形させ、可動端部とホルダ本体との間の離隔距離を増大させることで、クランプ部から素子を引き抜くことができる。クランプ部の素子間に対する介挿部材の挿脱には、比較的強い力を要するが、この光コネクタ用工具によれば、側圧によって介挿部材駆動部を変形させることで、介挿部材の引き抜きを楽に行える。
また、介挿部材駆動部の外側に突設された一対の突壁の間に光コネクタ(現場付け光コネクタ)を収容するコネクタ収容部(コネクタホルダ部。特許文献3のホルダ本体)を設けた場合、例えば足場が悪い作業現場や、狭隘な作業スペースでの作業では、コネクタ収容部の一対の突壁の間に光コネクタを押し込む作業に手間が掛かることがあった。光コネクタは、クランプ部の素子間に介挿部材を割り込ませるまで、位置や向きが安定しないため、コネクタ収容部に光コネクタを収めた後、光コネクタを介挿部材に押し込む作業を行うまでに、光コネクタがコネクタ収容部から脱落してしまうことがあった。
第1の発明は、突き合わせ接続した光ファイバの対を半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして前記光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部を具備する光コネクタ用の工具であって、前記クランプ部の前記素子の間に割り込ませることによって前記素子間を押し開いた状態に保ち、素子間への前記光ファイバの挿脱が可能な状態を維持する介挿部材と、リング状に形成され、前記介挿部材が突設されている第1可動端部及び該第1可動端部とは反対の側に位置し前記介挿部材の先端側が貫通された第2可動端部を有する介挿部材駆動部と、前記第2可動端部から前記介挿部材駆動部の外側に突設された一対のコネクタ保持片の間に前記光コネクタを挟み込んで保持するコネクタホルダ部と、前記第2可動端部からヒンジ部を介して延出され、回転操作によって、前記コネクタホルダ部の前記介挿部材駆動部とは反対の側から押し当てるようにして、前記一対のコネクタ保持片の前記第2可動端部からの突出先端間に架設できる押し込み補助片、及び、前記一対のコネクタ保持片の前記第2可動端部からの突出先端同士の間に架設した前記押し込み補助片の先端が着脱可能に連結されることで、前記押し込み補助片を前記第2可動端部に引き留める補助片引留部を有してなる、コネクタカバー部とを備え、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の一方又は両方には、前記介挿部材を前記光コネクタのクランプ部の一対の素子間に割り込ませる際に前記光コネクタを前記介挿部材とは反対の側から押圧するための支圧部が突設され、前記介挿部材駆動部は、前記第1可動端部と前記第2可動端部との間に位置する部分に両側から作用させた側圧によって、前記第1可動端部と前記第2可動端部との間の距離が増大するように変形されることで、前記介挿部材の前記第2可動端部から外側への突出量を縮小するように構成され、前記クランプ部の素子間に割り込ませておいた前記介挿部材を前記クランプ部から引き抜くことができ、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片間に架設した前記押し込み補助片の先端を前記補助片引留部に連結して、前記コネクタカバー部を、前記一対のコネクタ保持片間に保持された光コネクタを取り囲む枠状体に組み立てた状態で、前記前記押し込み補助片と前記第1可動端部とを互いに接近させる圧縮力によって前記介挿部材駆動部を変形させることで、前記第2可動端部を貫通して前記介挿部材駆動部の外側に突出された前記介挿部材の先端部を、前記光コネクタのクランプ部の一対の素子間に割り込ませることができることを特徴とする光コネクタ用工具を提供する。
第2の発明は、第1の発明の発明において、前記押し込み補助片は、前記第2可動端部に介挿部材駆動部の外側に突出するように突設された補助片支持壁の前記第2可動端部からの突出先端から前記ヒンジ部を介して延出され、前記補助片引留部は、前記第2可動端部に介挿部材駆動部の外側に突出するように突設された補助片引留壁の前記第2可動端部からの突出先端に設けられ、前記押し込み補助片と前記補助片引留壁とは、前記第2可動端部において、前記介挿部材駆動部の周方向に離隔して、前記コネクタホルダ部を構成する一対のコネクタ保持片の両側に設けられていることを特徴とする光コネクタ用工具を提供する。
第3の発明は、第2の発明において、前記補助片引留部が、前記補助片引留壁の前記第2可動端部からの突出先端に形成され、前記押し込み補助片の前記第2可動端部からの突出先端部に突設された嵌合突起が圧入して嵌め込まれる嵌合凹部であり、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の間に架設した前記押し込み補助片の先端の前記嵌合突起を前記補助片引留壁の前記嵌合凹部に嵌め込むことで、前記押し込み補助片が前記第2可動端部に引き留められることを特徴とする光コネクタ用工具を提供する。
第4の発明は、第3の発明において、前記コネクタカバー部の前記補助片支持壁が、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の内の一方の一部であり、前記補助片引留壁が、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の内の他方の一部であることを特徴とする光コネクタ用工具を提供する。
第5の発明は、第3又は第4の発明において、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片は、前記第2可動端部において、前記介挿部材駆動部の周方向に離隔して設けられ、対向する両側からの側圧による前記介挿部材駆動部の変形に伴い第2可動端部が前記介挿部材駆動部の外側に膨らむように変形されることで、前記嵌合凹部に嵌め込まれていた前記押し込み補助片の嵌合突起が前記嵌合凹部から引き抜かれるとともに、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片が互いに離れる方向に移動して開放されることを特徴とする光コネクタ用工具を提供する。
第6の発明は、第5の発明において、前記第2可動端部は、前記介挿部材が通される介挿部材用窓によって2つの可動端部分割体に分割され、前記介挿部材駆動部の周方向において前記介挿部材用窓を介して両側の可動端部分割体が橋絡部を介して橋絡され、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片が、前記第2可動端部において、前記橋絡部を介して両側の可動端部分割体に振り分け配置され、前記コネクタカバー部の前記押し込み補助片と前記補助片引留壁とが、前記第2可動端部において、前記橋絡部を介して両側の可動端部分割体に振り分け配置されていることを特徴とする光コネクタ用工具を提供する。
第7の発明は、第5又は第6の発明において、前記光コネクタのクランプ部の一対の素子間に割り込ませておいた介挿部材が、両側からの側圧によって介挿部材駆動部が変形して前記一対の素子間から引き抜かれた後に、前記側圧による介挿部材駆動部の変形の継続によって、前記補助片引留壁の前記嵌合凹部に嵌め込まれていた前記押し込み補助片の嵌合突起が前記嵌合凹部から引き抜かれることを特徴とする光コネクタ用工具を提供する。
第8の発明は、第1〜第7のいずれかの発明において、前記光コネクタが、スリーブ状のハウジング本体と、このハウジング本体の一側部に突設されたラッチとを具備するものであり、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の間に、前記ハウジング本体を収納するハウジング本体収納溝と、該ハウジング本体収納溝から前記介挿部材駆動部の前記第2可動端部とは反対の側に延び、前記光コネクタの前記ラッチを収納する、前記ハウジング本体収納溝よりも狭幅に形成されたラッチ収納溝とを具備するコネクタ収納溝が確保され、前記コネクタ保持片の前記ハウジング本体収納溝を介して前記第2可動端部とは反対の側に位置する部分が前記支圧部として機能し、前記押し込み補助片は、前記コネクタ収納溝を介して両側のコネクタ保持片の間に架設されるようになっていることを特徴とする光コネクタ用工具を提供する。
第9の発明は、第1〜第8のいずれかの発明において、前記介挿部材駆動部と前記コネクタホルダ部とを、合成樹脂によって一体成形した1部品の工具成形本体を具備することを特徴とする光コネクタ用工具を提供する。
第10の発明は、突き合わせ接続した光ファイバの対を半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部を具備する光コネクタの外側に第1〜第9のいずれかの光コネクタ用工具が取り付けられ、前記クランプ部の素子の間に、前記光コネクタ用工具の介挿部材が割り込ませてあることを特徴とする工具付き光コネクタを提供する。
このとき、光コネクタには、コネクタホルダ部のコネクタ保持片に設けられた支圧部によって、介挿部材とは反対側から、介挿部材に向かって押圧する押圧力が与えられる。コネクタ保持片に設けられている支圧部が光コネクタを押圧するので、直接手指で光コネクタを押す場合に比べて光コネクタを押しやすく、光コネクタのクランプ部の一対の素子間に介挿部材を割り込ませる作業の作業性を向上できる。
また、本発明によれば、光コネクタ用工具の押し込み補助片を、コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の間への光コネクタの押し込み作業に用いることができる。このため、光コネクタの側面に直接手指で触れることなく押し込み作業を行え、押し込みの作業性を向上できる。
しかも、コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片間に架設した押し込み補助片は、コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の間からの光コネクタの脱落を防止する機能も果たす。このため、コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の間に光コネクタを収めた後、押し込み補助片を、コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の間に架設状態にしておけば、押し込み補助片によってコネクタホルダ部からの光コネクタの脱落を防止したまま、光コネクタのクランプ部の一対の素子間に介挿部材を割り込ませる作業に移行でき、光コネクタのクランプ部の一対の素子間に介挿部材を割り込ませる作業を効率良く行える。
図1は本発明の一実施形態による工具付き光コネクタ1及び光コネクタ用工具2を示す斜視図、図2は光コネクタ用工具2をコネクタホルダ部22側から見た斜視図、図3は光コネクタ用工具2を介挿部材駆動部23の第1可動端部241側から見た斜視図、図4(a)、(b)は光コネクタ用工具2を示す側面図、図5は工具付き光コネクタ1の光コネクタ3を断面視して示した図、図6は光コネクタ用工具2のコネクタホルダ部22のコネクタ収納溝22sに光コネクタ3を収納した状態(光コネクタ3のクランプ部32の一対の素子間に介挿部材21を割り込ませる前)を模式的に示す側断面図、図7は図1の工具付き光コネクタ1及び光コネクタ用工具2のコネクタホルダ部における光コネクタ3の収納状態(コネクタホルダ部のみ断面で図示)を示す図、図8は光コネクタ用工具2の2本の介挿部材21(21A、21B)と介挿部材駆動部23の介挿部材係合部との関係を示す側断面図、図9は光コネクタ用工具2の介挿部材21の構造を示す斜視図、図10(a)、(b)は介挿部材21の先端部の別態様を示す図、図11〜図15は工具付き光コネクタ1の介挿部材駆動部23の変形操作に伴う光コネクタ3のクランプ部32からの介挿部材21の引き抜きを説明する図である。
光コネクタ3としては、ここでは、ルーセントテクノロジー社が開発したものとして知られている所謂、LC形光コネクタを図面に例示している。
なお、光コネクタ3としては、LC形光コネクタに限定されず、単心あるいは多心の各種の光コネクタプラグを採用可能であり、例えば、SC2形光コネクタ等の光コネクタであっても良い。SC2形光コネクタとは、SC形光コネクタ(SC:Single fiber Coupling optical fiber connector。JIS C 5973に制定されるF04形光コネクタ(光コネクタプラグ)など)から、該SC形光コネクタのハウジングの外側に装着されるつまみを省略したものである。
但し、ここで用いる光コネクタ3(光コネクタプラグ)は、後述するクランプ部付きフェルールをハウジングに内蔵した構成の、現場付け光コネクタである。
図16、図17は光コネクタ3の構造を示す図であり、図16は分解斜視図、図17(a)は部分破断正面図、図17(b)は下面図(図17(a)において下側から見た図)である。
図示例において、この光コネクタ3は、スリーブ状のプラグフレーム33と、該プラグフレーム33の後端(図16紙面右奥側、図17(a)、(b)左側)に嵌合して取付けられるキャップ状のストップリング34とからなるハウジング39内に、クランプ部付きフェルール37と、スプリング35(コイルスプリング)とを収納した構造になっている。
クランプ部付きフェルール37は、フェルール31と、該フェルール31の接合端面(符号31a。先端面)に対向する後端側に組み立てられたクランプ部32とを具備してなるものであり、後で詳細を説明する。
ストップリング34は、全体がプラスチック製の一体成形品であり、スリーブ状のストップリング本体34aと、該ストップリング本体34aの側部から、当該ストップリング本体34aに嵌合されるプラグフレーム33(詳細にはフレーム本体33a)の側に斜めに傾斜して立ち上げられた弾性片34bとを具備している。
ラッチ39bは、プラグフレーム33の弾性片33bと、ストップリング34の弾性片34bとによって構成される。ストップリング34の弾性片34bのストップリング34からの突出先端34c(前端)は、プラグフレーム33の弾性片33bのプラグフレーム33からの突出先端33c(後端)の、ハウジング本体39aとは反対の側に、重なり合うように配置される。ラッチ39bは、ストップリング34の弾性片34bを、ハウジング本体39aに接近させるように押圧して変形(弾性変形。図17(a)仮想線)させる(押し倒すようにする)ことで、ストップリング34の弾性片34bによって押圧されたプラグフレーム33の弾性片33bがハウジング本体39aに接近するように変形(弾性変形。図17(a)仮想線)されるようになっている。
プラグフレーム33の弾性片33bには、光コネクタ3を光コネクタアダプタ等の位置決めハウジング(光コネクタ3を別の光コネクタに対して接続可能に位置決めするハウジング)に挿入したときに、位置決めハウジングの側壁部の係合凹所に位置決めハウジング内側から係脱可能に係合して、光コネクタ3の位置決めハウジングからの引き抜きを規制する係止突起33b1(図1参照)が突設されている。ストップリング34の弾性片34bは、プラグフレーム33の弾性片33bをハウジング本体39aに接近するように変形(弾性変形。図17(a)仮想線)させて、位置決めハウジングの係合凹所に入り込んでいる係止突起33b1を係合凹所から抜き出して、位置決めハウジングに対する係合を解除するための係合解除用ラッチとして機能する。
クランプ部付きフェルール37はプラグフレーム33のフレーム本体33aにその後端の開口部から挿入できる。スプリング35は、ストップリング34のストップリング本体34aの、プラグフレーム33のフレーム本体33aに嵌合される前端側開口部から挿入できる。
クランプ部付きフェルール37、スプリング35は、プラグフレーム33とストップリング34とを一体化してハウジング39を組み立てる際に、ハウジング39内に収納されるようにする。
スプリング35は、例えば、光コネクタ3を光コネクタアダプタ等に挿入して別の光コネクタと接続する時に、フェルール31に、接続の相手側の光コネクタとの間の突き合わせ力を与える機能を果たす。
クランプ部付きフェルール37は、ストップリング34に内装されてクランプ部付きフェルール37の後端側に配置されたスプリング35によって、ハウジング39の前端側に向けて付勢される。図17(a)、(b)において、符号34eは、スプリング35の抜け止め用のスプリング受け壁であり、ストップリング34の後端内面に突設されている。スプリング受け壁34eは、ストップリング34後端に開口されている光ファイバ挿入孔34fを取り囲むように、ストップリング34の後端内面に周設されたリブ状の小突起である。
但し、クランプ部付きフェルール37は、プラグフレーム33(詳細にはフレーム本体33a)の前端部内面に突設されているリブ状のストッパ突壁33eに、フェルール31後端部に突設されているフランジ部31bがプラグフレーム33後端側から当接することで、プラグフレーム33の前端側に抜け出さないように抜け止めされる。クランプ部付きフェルール37のフェルール31は、フレーム本体33a内面に周設されているストッパ突壁33eの内側のフェルール穴33fから、ハウジング39の前端側(プラグフレーム33の前端側)に突出されている。
ハウジング39内に収納されたクランプ部付きフェルール37は、ハウジング39の軸方向に沿って若干の移動が可能であり、スプリング35を押し縮めるようにして、ハウジング39後端側(図17(a)、(b)左側)に押し込むことができる。
符号36は、ストップリング34の後端に装着されるブーツを示す。但し、ブーツ36は、光コネクタ3の後端側(図17(a)、(b)左側)からクランプ部32に光ファイバ4を挿入する際に、光ファイバ4に予め通しておき、クランプ部32への光ファイバ4の挿入完了後にストップリング34に装着される。
図18〜図20に示すように、クランプ部付きフェルール37のクランプ部32は、フェルール31のフランジ部31bから光コネクタ3の後端側へ向かって延びる延出部31cに複数の部材を組み付けた構成になっている。
なお、バネ322の形状は、断面コ字形のものなど、各種採用可能である。
この溝325a、325bのフェルール31側の端部は、調心溝323と連通されている。図示例の光コネクタ3では、溝325a、325bは、素子31cの合わせ面324aと、素子321bの合わせ面324bの両方(図19等参照)に形成されている。この溝325a、325bは、一対の素子31c、321の間で丁度対面する位置(具体的には、素子31cと素子321bの丁度対面する位置)に形成されている。
なお、光ファイバ4は、裸光ファイバ4aの口出し長の設定によって、裸光ファイバ4aが調心溝323内でフェルール側光ファイバ38に突き当てられた際に、溝325a、325bのほぼ全長にわたって被覆部分が収納されるようにしておく。
介挿部材挿入口326は、素子部327の側面から窪んだ形状の凹所であり、一対の素子31c、321の合わせ目に位置し、一対の素子31c、321間に介挿部材21を割り込ませる作業を容易にするものである。
溝325a、325bは、光ファイバ4の被覆部分を収納し、かつ、バネ322の弾性(クランプ力)によってクランプ固定するための被覆収納溝を構成する。
また、光コネクタ3の後端側からクランプ部32の素子間に挿入する光ファイバ(別の光ファイバ。一例として、単心の光ファイバ心線である上述の光ファイバ4)としては、光ファイバ心線に限定されず、例えば光ファイバ素線、光ファイバコード等も採用可能である。この別の光ファイバ(詳細には裸光ファイバ4a)としては、例えば石英系光ファイバが採用される。
前記調心溝は、ここではV溝(図5参照)であるが、例えば、U溝、丸溝(断面半円形の溝)等、各種構成が採用可能である。
図1〜図7に示すように、光コネクタ用工具2は、光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間に介挿される先端部21aを有する介挿部材21と、素子31c、321間に割り込ませた介挿部材21をクランプ部32から引き抜くリング状の介挿部材駆動部23と、介挿部材駆動部23の周方向の一部に形成されたコネクタホルダ部22及びコネクタカバー部29とを備えている。
なお、以下の説明で、光コネクタ用工具2において、光コネクタ用工具2に組み付けた光コネクタ3の先端側(フェルール31の接合端面31a側)、すなわち、図1、図2の紙面右手前側、図3右奥側、図7、図8の右側を、「前」、反対側を「後」として説明することがある。また、図4(a)、(b)の左右、図5の左右を、「左右」として説明する場合がある。
板状突起212の中間ストッパブロック211からの突出先端(介挿部材21の先端)は、光コネクタ3のクランプ部32の一対の素子31c、321の間に割り込ませる先端部21a(挿入先端)となっている。
図示例の介挿部材21では、先端部21a(挿入先端)は、板状突起212に比べて厚さを薄く形成された楔状になっている。図5、図9に例示した先端部21aは、断面三角形状であるが鋭く尖った形状ではなく、先端の頂点付近は、湾曲面を有する形状(素子を傷めにくくすることが目的)になっている。
また、図示例の介挿部材21は、先端部21aも含めて全体が合成樹脂製の一体成形品であり、先端部21aが樹脂製であることも、クランプ部32の一対の素子31c、321を傷めにくくする点で有利である。
また、先端部21aの形状は図示例のものに限定されない。
介挿部材21の先端部21aは、例えば、単純な板状、ピン状等、他の形状であってもよい。
具体的には、弾性爪213は、中間ストッパブロック211から延出する細長弾性片213aと、この細長弾性片213aの中間ストッパブロック211からの突出方向先端部の側部に突設されている突起状の係合受け部213b(爪部)とで構成されている。各弾性爪213の係合受け部213bは、細長弾性片213aにおいて、中間ストッパブロック211から延びる一対の弾性爪213の間に確保された隙間213cとは反対の側の側部に突設されている。
介挿部材21は、具体的には、第1可動端部241から介挿部材駆動部23の内部空間S側に突出された介挿部材係合部243に穿設されている基端部収納穴244に、一対の弾性爪213からなる基端部21bが収納される。そして、基端部収納穴244に収納された一対の弾性爪213と介挿部材係合部243との係合によって、介挿部材係合部243から第2可動端部242側への引き抜きを規制して、第1可動端部241に取り付けられている。
なお、介挿部材係合部243は、樹脂成形によって、第1可動端部241のプレート状のベース壁部241aから突出する形状に形成されたブロック状の突起であり、第1可動端部241の一部である。
介挿部材21の先端部21aは、コネクタホルダ部22の一対のコネクタ保持片22b、22cのコネクタ収納用凹所22a内に収納して、一対のコネクタ保持片22b、22cの間に保持された光コネクタ3の前記素子31c、321間に割り込ませることができる。
介挿部材21は、介挿部材駆動部23に複数本(ここでは2本)設けられている。
各介挿部材21(21A、21B)の介挿部材駆動部23における設置位置は、リング状の介挿部材駆動部23の軸線方向(前後方向)にずらされている。
但し、本発明に係る光コネクタ用工具としては、必ずしも、工具成形本体2Aを具備する構成に限定されない。例えば、リング状の介挿部材駆動部23として、複数のプレート部を、枢着用ピンを介して連結した構成のものを採用したり、樹脂一体成形品の介挿部材駆動部23に、該介挿部材駆動部23とは別部材のコネクタホルダ部22、コネクタカバー部29を、嵌合あるいは係合によって組み付けた構成など、様々な構成が採用可能である。
介挿部材駆動部23は、具体的には、第1可動端部241と、内部空間Sを介して第1可動端部241の反対側に設けられた第2可動端部242と、これら可動端部241、242を連結する一対の側壁部25a、25b(以下、連結壁部)と、を有して構成されている。
橋絡部242bは、第2可動端部242の、介挿部材駆動部23の中心軸線に沿った方向の中央部に形成されている。
橋絡部242bは、第2可動端部242の一部であり、この橋絡部242bも、樹脂一体成形品である工具成形本体2Aの一部である。第2可動端部242は、換言すれば、介挿部材用窓28を介して両側の一対の板状の可動端部分割体242aが、介挿部材用窓28を形成していない、残りの部分である橋絡部242bを介して繋がった構造になっているものである。
この橋絡部242bは、介挿部材駆動部23を左右両側からの側圧によって変形させたときに、曲げ変形されるようになっていれば良く、細い梁状に限定されず、例えば薄板状など、様々な形状を採用できる。
一対の連結壁部25a、25bは、第1可動端部241のプレート状のベース壁部241aの両側から延出されており、第1可動端部241からの延出先端に、それぞれ、第2可動端部242の一対の可動端部分割体242aが形成されている。
各連結壁部25a、25bの一端部に位置する連結プレート部26aと第1可動端部241との間、及び、各連結壁部25a、25bの他端部に位置する連結プレート部26cと第2可動端部242との間も、ヒンジ部27で連結されている。
介挿部材駆動部23は、各連結壁部25a、25bを構成する合計6つの連結プレート部と、第1可動端部241と、スリット状の介挿部材用窓28によって2分された構造(但し、橋絡部242bによって連結されている)のプレート状の第2可動端部242とによって、8角形状に構成されている。
第1可動端部241のベース壁部241aは、一対の連結壁部25a、25bによって、介挿部材駆動部23の第2可動端部242を構成する一対の可動端部分割体242aと平行となるように支持されている。
ヒンジ部27のうち、連結プレート部26aと第1可動端部241、連結プレート部26cと第2可動端部242とを連結するヒンジ部27Aは、連結プレート部26cおよび第2可動端部242の厚さ方向の外方側に形成されている。
連結プレート部26a、26cと連結プレート部26bとを連結するヒンジ部27Bは、連結プレート部26a〜26cの厚さ方向の内方側に形成されている。
C字形は、すなわち、第2可動端部242に橋絡部242bが無く、第2可動端部242が介挿部材用窓28によって2分されている場合である。
図8、図9、図11(a)〜(c)から図14(a)〜(c)に示すように、第1可動端部241は、該第1可動端部241に設けられている介挿部材係合部243と介挿部材21との係合(詳細には引き抜き用係合部248と、後述の弾性爪213(より詳しくは係合受け部213b)との係合)によって、介挿部材21を牽引するようにして、介挿部材駆動部23外側への突出寸法を減少(あるいは突出を解消)する方向、つまり、介挿部材21を内側に引き込む方向に移動させる。
両側からの側圧による介挿部材駆動部23の変形によって「介挿部材を前記介挿部材用窓から該介挿部材駆動部の外側への突出寸法が減少する方向に移動させる」ことは、第1可動端部241の変位に伴う介挿部材21の移動と、第2可動端部242の介挿部材21に対する相対的な移動、の両方によって実現される。
介挿部材駆動部23が左右両側からの側圧によって変形していくと、介挿部材駆動部23の左右両側の側圧作用部25p同士が接近するに伴い、各連結壁部25a、25bの両端の連結プレート部26a、26cの傾斜角度が変化する(介挿部材駆動部23の上下方向に対する傾斜角度が次第に小さくなり、上下方向に沿って延在する介挿部材21に沿った直線状に次第に近くなる)。これにより、第1可動端部241と第2可動端部242との間の離間距離の増大となる。
但し、介挿部材駆動部23としては、光コネクタ3のクランプ部32の一対の素子31c、321間に割り込ませてある介挿部材21を素子31c、321間から引き抜くにあたり、左右両側からの側圧による左右方向寸法の縮小分に比べて、上下方向寸法の増加量が小さい、構造であることがより好ましい。この場合、介挿部材駆動部23が、両側から側圧を増力して、素子31c、321から介挿部材21を引き抜く引き抜き力に変換するトグル機構(増力機構)を構成することとなり、介挿部材21の引き抜きを、楽に、円滑に行えるようになる点で有利である。
介挿部材係合部243の基端部収納穴244に収納された各弾性爪213の側部の係合受け部213bは、前記基端部収納穴244の第2可動端部242とは反対側の端部を拡張した部分である拡張穴245に収納されている。弾性爪213と介挿部材係合部243との係合は、弾性爪213の係合受け部213bが、基端部収納穴244における前記拡張穴245と該拡張穴245以外の部分(弾性片収納孔247)との間の段差246に係合することにより実現される。前記段差246を形成する介挿部材係合部243の内壁、すなわち、拡張穴245よりも狭い弾性片収納孔247の内壁面を形成する壁部は、弾性爪213の係合受け部213bが係合される引き抜き用係合部248を形成している。引き抜き用係合部248には、弾性爪213の係合受け部213bが、第2可動端部242とは反対の側から係合される。これにより、基端部21bの介挿部材係合部243からの抜け出しが規制される。
介挿部材21A、21Bの細長弾性片213aの延出長、すなわち、中間ストッパブロック211(詳細には底面211a)から係合受け部213bまでの延出長L1、L2は、基端部収納穴244の長さ(軸方向寸法)よりも長い。但し、2本の介挿部材21A、21Bは、互いの中間ストッパブロック211からの延出長L1、L2が異ならせてある。
但し、前側の介挿部材21Aについては、クリアランスc1をゼロにしても良い。
介挿部材21のストッパ当接部(中間ストッパブロック211)が当接される介挿部材係合部243は、例えば、光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間に光コネクタ用工具2の介挿部材21の先端部21aを押し込むようにして割り込ませる際には、押し込み力を支圧する受圧部材としての機能を果たすことになり、割り込ませる作業を容易に行える、といった利点がある。
また、図示例の光コネクタ用工具2では、基端部収納穴244は、介挿部材係合部243を貫通する貫通穴であり、拡張穴245は介挿部材駆動部23の外周面側に開口しているが、これに限定されず、介挿部材駆動部23の外周面側に開口していない拡張穴245を採用することも可能である。但し、この場合、拡張穴245は、介挿部材21が押し込み限界位置にあるときでも、引き抜き用係合部248から第2可動端部242とは反対の側へ離隔された係合受け部213bを収納できる大きさが確保される必要があることは言うまでも無い。
また、介挿部材係合部としては、第1可動端部241から介挿部材駆動部23の内部空間S側に突出する突起状のものに限定されない。基端部収納穴としては、介挿部材係合部243の形成を省略した板状の第1可動端部241(すなわち、ベース壁部241a自体が第1可動端部241である場合)自体に開口された貫通穴であっても良く、第1可動端部自体が、介挿部材係合部として機能する構造も採用可能である。
また、図示例の光コネクタ用工具2では、一つの基端部収納穴243に基端部収納穴244が2つ形成されて、2本の介挿部材21A、21Bの取り付けに対応できるようになっているが、これに限定されず、基端部収納穴毎に独立した介挿部材係合部を第1可動端部に設けることも可能である。
ここで、一本の介挿部材21に突設されている複数本の弾性爪213は、弾性爪213同士が互いに接近するように弾性変形させた状態で、基端部収納穴244の弾性片収納孔247に押し込んで行く。そして、先端の係合受け部213bが拡張穴245に到達したところで、弾性爪213が弾性爪213同士間の間隔を開けるように弾性復帰して、係合受け部213bが、拡張穴245の引き抜き用係合部248の、第2可動端部242とは反対の側に入り込み、弾性爪213の拡張穴245からの離脱が防止されることで、介挿部材駆動部23の第1可動端部241に対する介挿部材21の取り付けが完了する。
つまり、この光コネクタ用工具2では、基端部収納穴244への基端部21bの押し込みだけで、介挿部材21を介挿部材駆動部23に組み付けて、簡単に組み立てることができる。また、光コネクタ3のクランプ部32の構造に対応して、適切なサイズや形状の介挿部材21を選択して、介挿部材駆動部23に組み付けるといったことも簡単に行うことができ、光コネクタ3の構造に対応する構成の光コネクタ用工具2を簡単に得ることができる。
なお、図示例の介挿部材21では、2本の弾性爪213からなる基端部21bを例示したが、基端部21bとしては、3本以上の弾性爪213からなる構造も採用可能である。
既述の通り、図示例の光コネクタ用工具2では、各介挿部材21A、21Bの中間ストッパブロック211が介挿部材係合部243に当接された状態において、介挿部材21Aの係合受け部213bと引き抜き用係合部248との間に確保されるクリアランスc1よりも、介挿部材21Bの係合受け部213bと引き抜き用係合部248との間のクリアランスc2の方が大きい。
介挿部材21Aは、接続点5に対応させて配置された介挿部材21であり、この介挿部材21Aに比べて、接続点5からの距離が遠い介挿部材21Bの方が、前記クリアランスが大きい、という関係になっている。
これにより、介挿部材駆動部23を両側からの側圧によって変形させたときに、光コネクタ3のクランプ部32の一対の素子31c、321間に割り込ませてあった介挿部材21の引き抜きが、接続点5に近い介挿部材21から、順に、接続点5から遠い介挿部材21について実現(時差抜き去り)されるようになっている。
図1〜図3に示すように、コネクタホルダ部22は、光コネクタ3を挟み込んで保持する一対のコネクタ保持片22b、22cを備えて構成されている。
コネクタ保持片22b、22cは、第2可動端部242から介挿部材駆動部23の外側に向けて突設された突壁である。また、2つのコネクタ保持片22b、22cは、第2可動端部242の一対の可動端部分割体242aに1つずつ突設されている。
図4(a)、(b)に示すように、コネクタ保持片22b、22cの互いに対面するコネクタ保持面側には、光コネクタ3(例えばハウジング本体39a)を収納するためのコネクタ収納用凹所22aが形成されている。
コネクタ収納溝22sは、光コネクタ3のハウジング本体39aを収納するハウジング本体収納溝22dと、光コネクタ3のラッチ39bを収納するラッチ収納溝22eとで構成されている。また、このコネクタ収納溝22sは、介挿部材駆動部23の中心軸線方向に沿ってコネクタホルダ部22を貫通する貫通溝になっている。
このハウジング本体収納溝22dは、コネクタ収納用凹所22aを含む。
つまり、光コネクタ3のハウジング本体39aの内、ラッチ39bが突設されている中央部を介して両側部分が、各コネクタ保持片22b、22cのコネクタ収納用凹所22aに収納され、ラッチ39bが、一対のコネクタ保持片22b、22cの間のラッチ収納溝22eに収納される。
このため、一対のコネクタ保持片22b、22cの間に挟み込む光コネクタ3は、ラッチ39bが、ハウジング本体39aから第2可動端部242とは反対の側となる姿勢でのみ、コネクタ保持片22b、22cのコネクタ収納用凹所22aに収納可能である。
光コネクタ3が、コネクタ収納溝22sに収納可能な姿勢であれば、光コネクタ3が一対のコネクタ保持片22b、22cに挟み込まれたときに、ハウジング本体39aの下面側(角筒状のハウジング本体39aの4面の側面の1つのみに形成されているラッチ39bとは反対の側)の介挿部材21用の差込口39cが、第2可動端部242側、つまり、光コネクタ用工具2の介挿部材21の側に向くことになる。
フレーム収納部22a1とストップリング収納部22a2とは、介挿部材駆動部23の中心軸線に沿った方向(前後方向)において位置をずらして設けられている。
なお、フレーム収納部22a1は、ストップリング収納部22a2よりも、光コネクタ用工具2における前側に位置している。
したがって、図7に示すように、コネクタ収納溝22sのハウジング本体収納溝22dも、フレーム収納部22a1に対応する部分(フレーム収納部22d1)と、ストップリング収納部22a2に対応する部分(ストップリング収納部22d2)とで、断面寸法が異なる。
光コネクタ3は、ハウジング本体39aの後端側にフランジ状に突設されているストッパ突起39d(ハウジング本体39aに外嵌めされたストップリング34の前端面34gよりもハウジング本体39a前端側に位置する)を、コネクタ収納用凹所22a内のフレーム収納部22a1とストップリング収納部22a2との間の段差面22a3(図7参照)に突き当てることで、光コネクタ用工具2の介挿部材21に対する位置決めを容易に実現できる。この突き当てによって、光コネクタ3のハウジング39の差込口39cを、介挿部材21に位置決めできる。
ストッパ突起39dは、コネクタ収納用凹所22a内の段差面22a3に当接することで、光コネクタ用工具2の前後方向に光コネクタ3を位置決めするための位置決め用当接部として機能するものである。但し、この位置決め用当接部としては、前述のフランジ状のストッパ突起39d以外にハウジング本体39aの側面に突設した突起であっても良い。また、ストッパ突起39dを省略して、ストップリング34の前端面34g自体を位置決め用当接部として機能させることも可能である。
また、ハウジング本体の側面に突出するラッチを具備していない光コネクタを保持するコネクタホルダ部の場合は、一対のコネクタ保持片の間にラッチ収納溝として機能し得る隙間が確保される必要が無いことは言うまでも無い。この場合は、例えば、互いに閉じ合わされた両コネクタ保持片22b、22cのコネクタ収納用凹所22aが合体してコネクタ収納穴が形成される構成も採用可能である。
図2等において、符号29は、コネクタカバー部を示す。
この光コネクタ用工具2において、コネクタカバー部29は、介挿部材駆動部23の周方向において前記コネクタホルダ部22を介して両側に配置され、それぞれ第2可動端部242から介挿部材駆動部23の外側に向けて突設された一対の突片291、292によって構成されている。
一対の突片291、292は、補助片側突片291(後述)と、補助片引留壁292とである。
補助片側突片291と補助片引留壁292とは、コネクタホルダ部22のホルダ収納溝22sを介して、コネクタホルダ部22の両側に配置されている。補助片側突片291と補助片引留壁292とは、第2可動端部242の一対の可動端部分割体242aに振り分け配置されている。
押し込み補助片294は、補助片支持壁293の第2可動端部242からの突出先端から、ヒンジ部295を介して、延出されている。この押し込み補助片294は、ヒンジ部295を中心として、介挿部材駆動部23の中心軸線に平行な回転軸線回りに回転可能である。
前記ヒンジ部295は、具体的には、押し込み補助片294と補助片支持壁293との間の成形樹脂を薄くして曲がりやすくした薄肉部であり、押し込み補助片294と補助片支持壁293とは、このヒンジ部295を介して一体に繋がっている。但し、ヒンジ部295としては、薄肉部に限定されず、例えば、ピン枢軸を介して、押し込み補助片294を補助片支持壁293に対して回転可能に連結する構造のものであっても良い。
また、この押し込み補助片294は、ヒンジ部295を中心とする回転によって、前記架設状態から、前記コネクタホルダ部22から離隔するように回転できる。
つまり、押し込み補助片294は、コネクタホルダ部22の第2可動端部242からの突出先端(一対のコネクタ保持片22b、22cの第2可動端部242からの突出先端)に対して開閉可能である。また、この開閉により、一対のコネクタ保持片22b、22cの間のコネクタ収納溝22sを開閉できる。
押し込み補助片294は、一対のコネクタ保持片22b、22c間に架設状態にしたときに、先端の嵌合突起294aを嵌合凹部292aに嵌め込むことで、補助片引留壁292の第2可動端部242からの突出先端に引き留められる。
これにより、コネクタカバー部29が、補助片支持壁293と、押し込み補助片294と、補助片引留壁292とからなる門形の枠状体に組み立てられる。
嵌合凹部292aは、押し込み補助片294の先端を第2可動端部242に引き留める補助片引留部として機能する。
また、補助片引留壁292自体も、補助片引留部として機能するものと言える。
嵌合凹部292aに嵌合突起294aを嵌め込んだ押し込み補助片294は、補助片引留壁292先端から離隔させる方向に強制的に回転させるなどして、嵌合凹部292aから嵌合突起294aを抜き出さない限り、架設状態が維持される。
つまり、第2可動端部242の一対の可動端部分割体242aの一方に突設されている補助片支持壁293とコネクタ保持片22bとは、橋絡部293aを介して繋がっており、一体化されている。
また、他方の可動端部分割体242aに突設されている補助片引留壁292とコネクタ保持片22cとは、橋絡部292bを介して繋がっており、一体化されている。
この光コネクタ用工具2では、補助片支持壁293はコネクタ保持片22bの一部、補助片引留壁292はコネクタ保持片22cの一部になっている。押し込み補助片294は、換言すれば、コネクタ保持片22bからヒンジ部295を介して延出されている。
補助片支持壁293がコネクタ保持片22bの一部、補助片引留壁292がコネクタ保持片22cの一部になっている光コネクタ用工具2の構成では、例えば、コネクタ収納溝22sへの光コネクタ3の挿脱時などに、一対のコネクタ保持片22b、22cの間を開閉するときには、補助片支持壁293及び補助片引留壁292も、一対のコネクタ保持片22b、22cと一体的に開閉される。
光コネクタ用工具2に光コネクタ3を組み付けて、工具付き光コネクタ1を組み立てるには、まず、コネクタホルダ部22のコネクタ収納溝22sに光コネクタ3を収納して、一対のコネクタ保持片22b、22cの間に保持させる。
このとき、光コネクタ3を一対のコネクタ保持片22b、22cの間に押し込む作業に、押し込み補助片294を利用できる。つまり、押し込み補助片294をコネクタ保持片22bに対して開放状態にしておき、光コネクタ3を、一対のコネクタ保持片22b,22cの間に配置した後、押し込み補助片294を、コネクタ保持片22b(詳細には補助片引留壁292)の第2可動端部242からの突出先端に向けて回転させ(ヒンジ部295を中心とする回転)ることで、押し込み補助片294によって、光コネクタ3をコネクタホルダ部22の一対のコネクタ保持片22b、22cの間に押し込むことができる。
このとき、光コネクタ用工具2の使用者は、光コネクタ3を直接手指で押圧する必要が無く、コネクタホルダ部22の一対のコネクタ保持片22b、22cの間への光コネクタ3の押し込み作業を効率良く行える。
これにより、工具付き光コネクタ1が組み立てられる。
次いで、図6矢印P2のように、押し込み補助片294と第1可動端部241とを互いに接近させるように、光コネクタ用工具2に圧縮力を作用させて介挿部材駆動部23を変形させ(図6想像線)、介挿部材21の先端部21aを光コネクタ3のクランプ部32の一対の素子31c、321間に割り込ませると、図5の状態となる。このとき、第1可動端部241と第2可動端部242との間の距離は、図6に比べて縮小することになる。
このとき、押し込み補助片294を介して光コネクタ3を押圧することになるので、光コネクタ用工具2の使用者が、手指で直接光コネクタ3を介挿部材21に向けて押し込む場合に比べて、格段に、光コネクタ3を押しやすいから、光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間に介挿部材21を割り込ませる作業を効率良く行える。
具体的には、前記両コネクタ保持片22b、22cの支圧部22fが、コネクタ収納溝22sに収納した光コネクタ3のハウジング本体39aに、第2可動端部242とは反対の側から当接されて、光コネクタ3が介挿部材21からの押圧力によって押し動かされることを規制するストッパとして機能する。これにより、押し込み補助片294と第1可動端部241とを互いに接近させる圧縮力が、支圧部22fと第1可動端部241との間で、光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間に介挿部材21を割り込ませる押し込み力として作用することになる。
枠状に組み立てたコネクタカバー部29の押し込み補助片294がラッチ39bに接触しない構成であれば、コネクタカバー部29によってラッチ39bを確実に保護できる、といった利点がある。手指等がラッチ39bに触れて、光コネクタ用工具2に対する光コネクタ3の位置ずれを生じてしまう、といった不都合も防止できる。
光コネクタ3のクランプ部32の素子31c、321間に介挿部材21を割り込ませるために、一対のコネクタ保持片22b、22c間に架設状態になっている押し込み補助片294と第1可動端部241とを互いに接近させるように前記圧縮力P2を作用させる際に、圧縮力P2をラッチ39bに作用させないので、ラッチ39bを傷める心配が無い。
図示例の光コネクタ用工具2、光コネクタ3について説明すると、光コネクタ3のハウジング本体39aの側部に突設されている位置決め用当接部(図示例の光コネクタ3ではストッパ突起39d)を、コネクタ収納用凹所22a内のフレーム収納部22a1とストップリング収納部22a2との間の段差面22a3(図7参照)に突き当てて、光コネクタ3を光コネクタ用工具2に対して位置決めすると、ラッチ39bの内、プラグフレーム33の弾性片33bのプラグフレーム33からの突出先端33cよりも突出基端側の部分が、コネクタカバー部29を枠状に組み立てたときに一対のコネクタ保持片22b、22c間に架設状態となる押し込み補助片294に対応する位置に配置される。コネクタカバー部29を枠状に組み立てると、プラグフレーム33の弾性片33bのプラグフレーム33からの突出先端33cよりも突出基端側の部分が、一対のコネクタ保持片22b、22c間に架設状態となる押し込み補助片294によって外側から覆われるようになる。但し、プラグフレーム33の弾性片33bのプラグフレーム33からの突出先端33cよりも突出基端側の部分と、一対のコネクタ保持片22b、22c間に架設状態とした押し込み補助片294との間にはクリアランスが確保され、押し込み補助片294は弾性片33bに接触しない。また、ラッチ39bの内、弾性片33bのプラグフレーム33からの突出先端33cよりも突出基端側の部分、以外は、一対のコネクタ保持片22b、22c間に架設状態とした押し込み補助片294によって覆われない位置にあり、コネクタカバー部29を枠状に組み立てても、ラッチ39bと、一対のコネクタ保持片22b、22c間に架設状態とした押し込み補助片294との接触部分は発生しない。
工具付き光コネクタ3を組み立てたら、光コネクタ3の後端側から、光コネクタ3のクランプ部32の一対の素子31c、321間の被覆収納用の溝325a、325bに光ファイバ4を挿入し、溝325a、325bから調心溝323に挿入した光ファイバ4先端の裸光ファイバ4aを、フェルール側光ファイバ38に突き合わせる。
これにより、介挿部材駆動部23の外側への介挿部材21の突出寸法(コネクタホルダ部22のコネクタ収納溝22sへの突出寸法)が減少していき、光コネクタ3のクランプ部32の一対の素子31c、321間に割り込ませてあった介挿部材21がクランプ部32から引き抜かれる。
これにより、光ファイバ4先端への光コネクタ3の取り付けが完了する。
光コネクタ用工具2は、すでに光ファイバ先端に組み立てられている光コネクタに組み付けて、光コネクタを光ファイバから離脱させる作業等にも利用できる。
現場等にて工具付き光コネクタ1から光コネクタを離脱して得た光コネクタ用工具2を、工具付き光コネクタ1の組み立てや、光コネクタを光ファイバから離脱させる作業に利用できることも言うまでも無い。
ところで、図15に示すように、図示例の工具付き光コネクタ1の場合、左右両側から側圧P1(図5参照)によって介挿部材駆動部23を変形していくことで、コネクタホルダ部22の一対のコネクタ保持片22b、22cを自動的に開放できる。
また、コネクタホルダ部22のコネクタ保持片22b(他方のコネクタ保持片)の嵌合凹部292aへの嵌合突起294aの嵌め込みによって、一対のコネクタ保持片22b、22c間に架設状態になっている押し込み補助片294の嵌合突起294aが、介挿部材駆動部23の変形によって、嵌合凹所293から抜き出されて、コネクタ保持片22bに対する押し込み補助片294の開放が自動的に実現される。
このため、コネクタカバー部29が枠状に組み立てられている状態の工具付き光コネクタ1の操作(左右両側から側圧によって介挿部材駆動部23を変形していくこと)によって、光ファイバ4先端への光コネクタ3の取り付け作業を行った場合に、取り付け作業の完了後の光コネクタ3の取り出しを簡単に行える。
しかし、第2可動端部242は、全体として、リング状の介挿部材駆動部23の外側に膨らむように撓み変形(曲げ変形)する。
詳細には、図15に示すように、一対の可動端部分割体242aの間を橋絡する橋絡部242bが、リング状の介挿部材駆動部23の外側に膨らむように湾曲変形し、この橋絡部242bの両側の一対の可動端部分割体242aが、該可動端部分割体242aと連結壁部25a、25bとの間に存在するヒンジ部27Aの側よりも橋絡部242b側が介挿部材駆動部23の外側となるように、向きが変わっていく。
但し、一対のコネクタ保持片22b、22cは、補助片引留壁292の嵌合凹部292aに嵌合突起294aを嵌め込んだ押し込み補助片294が、補助片引留壁292から離脱されて補助片引留壁292に対して開放されるまでは、前記押し込み補助片294によって、互いの離隔距離が変動しないように引き留められる。また、橋絡部242bは、コネクタ保持片22bに引き留められている押し込み補助片294が、補助片引留壁292から離脱するまでは、殆ど(あるいは全く)変形しない。
図15に示すように、左右両側からの側圧によって、「く」字状に屈曲した状態から直線状になった両側の連結壁部25a、25bの変形がさらに進行して、側圧作用部25pがリング状の介挿部材駆動部23の内側に入り込むようになると、両側からの側圧によって第2可動端部242(詳細には橋絡部242b)に曲げ応力が確実に与えられるようになり、押し込み補助片294がコネクタ保持片22bから確実に引き抜かれる。
光コネクタ3のクランプ部32の一対の素子31c、321間から介挿部材21が抜き去られた後に、押し込み補助片294がコネクタ保持片22bから引き抜かれるようにする、動作タイミングの調整は、例えば、補助片引留壁292の嵌合凹部292aに対する嵌合突起294aの引き抜き抵抗の設定等によって実現される。前記動作タイミングは、側圧作用部25pがリング状の介挿部材駆動部23の内側に入り込む前に、押し込み補助片294がコネクタ保持片22bから引き抜かれるようにしても良い。
コネクタ保持片22bに引き留められていた押し込み補助片294が、コネクタ保持片22bから引き抜かれたら、橋絡部242bに上述の撓み変形が生じ、一対のコネクタ保持片22b、22cの間(特に、第2可動端部242からの突出先端の間)が開く。
光コネクタ3のクランプ部32の一対の素子31c、321間から介挿部材21が抜き去られた後、介挿部材駆動部23を、敢えて、押し込み補助片294がコネクタ保持片22bから引き抜かれて枠状のコネクタカバー部29が開放されるまで変形させることで、はじめて、コネクタホルダ部22から光コネクタ3が取り出せるようになるので、光コネクタ3を不用意に落としてしまう、といった不都合を防止できる。
また、構造が非常に簡単であるため安価で製造できることから、専用工具を用いる場合に比べて、大幅な低コスト化を実現できる。小型化も容易であるため、例えば、機器内等の狭隘な作業スペースでの使用にも有利である。
ヒンジ部は、前述の薄肉部に限定されない。介挿部材駆動部としては、前述の実施形態に例示した工具付き光コネクタの一部としてコネクタホルダ部とともに樹脂で一体成形された構成でないもの、例えば、連結プレート部として機能する複数の板状部材と、この板状部材同士を枢着するピンとを含む複数の部材によってリング状に組み立てた構成等も採用できる。
また、一つの介挿部材駆動部に設けられる介挿部材の本数は2本に限定されず、3本以上であっても良い。
また、保持部の形状は、ハウジングの形状に応じて適宜変更できる。
例えば、断面C形あるいはコ字形のスリーブ状のバネの内側に、前記バネの弾性によって光ファイバをクランプする半割りの素子を収容した構成の、いわゆるメカニカルスプライス等も、光コネクタに含まれる。このメカニカルスプライスタイプの光コネクタとしては、半割りの素子の合わせ面に形成された位置決め溝を有し、両側から素子間に挿入された光ファイバ同士を、前記位置決め溝によって高精度に位置決めした状態で突き合わせ接続できる。また、突き合わせ接続した光ファイバの対は、バネの弾性によって素子間にクランプして接続状態を維持する。
このタイプの光コネクタとしては、例えば、図16、図17に例示したクランプ部付きフェルールからフェルールを省略したもの、すなわち、クランプ部32と同様の機構のものでも良い。
また、上述の実施形態では、コネクタホルダ部22の一対のコネクタ保持片22b、22cに、コネクタカバー部29の補助片支持壁293、補助片引留壁292が橋絡部293a、292bを介して連結され一体化されている構成を例示したが、本発明に係る補助片支持壁293、補助片引留壁292としては、コネクタホルダ部22の一対のコネクタ保持片22b、22c自体を、補助片支持壁、補助片引留壁として機能させた構成、すなわち、橋絡部293a、292b及び該橋絡部293a、292bを介してコネクタ保持片22b、22cと連結した補助片支持壁293、補助片引留壁292を省略し、一方のコネクタ保持壁から押し込み補助片を延出させ、他方のコネクタ保持片の第2可動端部からの突出先端に補助片引留部(例えば、押し込み片補助片先端の嵌合突起が嵌合される嵌合凹部)を形成した構成も採用可能である。
Claims (10)
- 突き合わせ接続した光ファイバ(4、38)の対を半割りの素子(31c、321)の間にバネ(322)の弾性によってクランプして前記光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部(32)を具備する光コネクタ(3)用の工具であって、
前記クランプ部の前記素子の間に割り込ませることによって前記素子間を押し開いた状態に保ち、素子間への前記光ファイバの挿脱が可能な状態を維持する介挿部材(21、21A、21B)と、
リング状に形成され、前記介挿部材が突設されている第1可動端部(241)及び該第1可動端部とは反対の側に位置し前記介挿部材の先端側が貫通された第2可動端部(242)を有する介挿部材駆動部(23)と、
前記第2可動端部から前記介挿部材駆動部の外側に突設された一対のコネクタ保持片(22b、22c)の間に前記光コネクタを挟み込んで保持するコネクタホルダ部(22)と、
前記第2可動端部からヒンジ部(295)を介して延出され、回転操作によって、前記コネクタホルダ部の前記介挿部材駆動部とは反対の側から押し当てるようにして、前記一対のコネクタ保持片の前記第2可動端部からの突出先端間に架設できる押し込み補助片(294)、及び、前記一対のコネクタ保持片の前記第2可動端部からの突出先端同士の間に架設した前記押し込み補助片の先端が着脱可能に連結されることで、前記押し込み補助片を前記第2可動端部に引き留める補助片引留部(292a)を有してなる、コネクタカバー部(29)とを備え、
前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の一方又は両方には、前記介挿部材を前記光コネクタのクランプ部の一対の素子間に割り込ませる際に前記光コネクタを前記介挿部材とは反対の側から押圧するための支圧部(22f)が突設され、
前記介挿部材駆動部は、前記第1可動端部と前記第2可動端部との間に位置する部分に両側から作用させた側圧によって、前記第1可動端部と前記第2可動端部との間の距離が増大するように変形されることで、前記介挿部材の前記第2可動端部から外側への突出量を縮小するように構成され、前記クランプ部の素子間に割り込ませておいた前記介挿部材を前記クランプ部から引き抜くことができ、
前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片間に架設した前記押し込み補助片の先端を前記補助片引留部に連結して、前記コネクタカバー部を、前記一対のコネクタ保持片間に保持された光コネクタを取り囲む枠状体に組み立てた状態で、前記前記押し込み補助片と前記第1可動端部とを互いに接近させる圧縮力によって前記介挿部材駆動部を変形させることで、前記第2可動端部を貫通して前記介挿部材駆動部の外側に突出された前記介挿部材の先端部(21a)を、前記光コネクタのクランプ部の一対の素子間に割り込ませることができることを特徴とする光コネクタ用工具(2)。 - 前記押し込み補助片は、前記第2可動端部に介挿部材駆動部の外側に突出するように突設された補助片支持壁(293)の前記第2可動端部からの突出先端から前記ヒンジ部を介して延出され、
前記補助片引留部は、前記第2可動端部に介挿部材駆動部の外側に突出するように突設された補助片引留壁(292)の前記第2可動端部からの突出先端に設けられ、
前記押し込み補助片と前記補助片引留壁とは、前記第2可動端部において、前記介挿部材駆動部の周方向に離隔して、前記コネクタホルダ部を構成する一対のコネクタ保持片の両側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ用工具。 - 前記補助片引留部が、前記補助片引留壁の前記第2可動端部からの突出先端に形成され、前記押し込み補助片の前記第2可動端部からの突出先端部に突設された嵌合突起(294a)が圧入して嵌め込まれる嵌合凹部(292a)であり、
前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の間に架設した前記押し込み補助片の先端の前記嵌合突起を前記補助片引留壁の前記嵌合凹部に嵌め込むことで、前記押し込み補助片が前記第2可動端部に引き留められることを特徴とする請求項2記載の光コネクタ用工具。 - 前記コネクタカバー部の前記補助片支持壁が、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の内の一方の一部であり、前記補助片引留壁が、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の内の他方の一部であることを特徴とする請求項3記載の光コネクタ用工具。
- 前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片は、前記第2可動端部において、前記介挿部材駆動部の周方向に離隔して設けられ、
対向する両側からの側圧による前記介挿部材駆動部の変形に伴い第2可動端部が前記介挿部材駆動部の外側に膨らむように変形されることで、前記嵌合凹部に嵌め込まれていた前記押し込み補助片の嵌合突起が前記嵌合凹部から引き抜かれるとともに、前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片が互いに離れる方向に移動して開放されることを特徴とする請求項3又は4記載の光コネクタ用工具。 - 前記第2可動端部は、前記介挿部材が通される介挿部材用窓(28)によって2つの可動端部分割体(242a)に分割され、前記介挿部材駆動部の周方向において前記介挿部材用窓を介して両側の可動端部分割体が橋絡部(242b)を介して橋絡され、
前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片が、前記第2可動端部において、前記橋絡部を介して両側の可動端部分割体に振り分け配置され、
前記コネクタカバー部の前記押し込み補助片と前記補助片引留壁とが、前記第2可動端部において、前記橋絡部を介して両側の可動端部分割体に振り分け配置されていることを特徴とする請求項5記載の光コネクタ用工具。 - 前記光コネクタのクランプ部の一対の素子間に割り込ませておいた介挿部材が、両側からの側圧によって介挿部材駆動部が変形して前記一対の素子間から引き抜かれた後に、
前記側圧による介挿部材駆動部の変形の継続によって、
前記補助片引留壁の前記嵌合凹部に嵌め込まれていた前記押し込み補助片の嵌合突起が前記嵌合凹部から引き抜かれることを特徴とする請求項5又は6記載の光コネクタ用工具。 - 前記光コネクタが、スリーブ状のハウジング本体(39a)と、このハウジング本体の一側部に突設されたラッチ(39b)とを具備するものであり、
前記コネクタホルダ部の一対のコネクタ保持片の間に、前記ハウジング本体を収納するハウジング本体収納溝(22d)と、該ハウジング本体収納溝から前記介挿部材駆動部の前記第2可動端部とは反対の側に延び、前記光コネクタの前記ラッチを収納する、前記ハウジング本体収納溝よりも狭幅に形成されたラッチ収納溝(22e)とを具備するコネクタ収納溝(22s)が確保され、前記コネクタ保持片の前記ハウジング本体収納溝を介して前記第2可動端部とは反対の側に位置する部分が前記支圧部として機能し、
前記押し込み補助片は、前記コネクタ収納溝を介して両側のコネクタ保持片の間に架設されるようになっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光コネクタ用工具。 - 前記介挿部材駆動部と前記コネクタホルダ部とを、合成樹脂によって一体成形した1部品の工具成形本体(2A)を具備することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光コネクタ用工具。
- 突き合わせ接続した光ファイバ(4、38)の対を半割りの素子(31c、321)の間にバネ(322)の弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部(32)を具備する光コネクタの外側に請求項1〜9のいずれかに記載の光コネクタ用工具が取り付けられ、前記クランプ部の素子の間に、前記光コネクタ用工具の介挿部材が割り込ませてあることを特徴とする工具付き光コネクタ(1)。
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