JP2005228292A - 物品位置検出方法、無線タグ位置校正システムおよび物品位置検出装置 - Google Patents

物品位置検出方法、無線タグ位置校正システムおよび物品位置検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 家庭やオフィスなどの比較的小さな空間において、物品の位置検出を、簡易で安価なシステムによって、実現する。
【解決手段】 無線タグTGが散在している床面のような対象領域ARを、天井などに設置されたリーダ1によって走査する。リーダ1の検知結果を基にして、無線タグTG群の中から、特定の位置データをそれぞれ代表する位置ID PSを選択する。そして、複数の位置ID PSをリーダ2によって検知し、各位置ID PSの検知の有無を示す検知結果を基にして、物品OBの位置を検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、家庭やオフィスなどにおける物品の管理に関するものであり、特に、無線タグを利用して物品の位置検出を行う技術に関わる。
昨今、家庭やオフィスにおいて何かしようとするとき、そのために必要な物品を探すことに費やす時間が無視できなくなっている。すなわち、用途や趣味趣向の分化に伴い、生活環境はさまざまな物品で溢れており、これらの物品を有効利用するためには、利用する以前に、これらの物品をどのように管理するかということが大きな問題となる。
このような背景において、環境内の物品の把握を自動的に行うための技術として、無線タグが注目されている。例えば、多量多品種の物品を扱う小売業などでは、物品の識別のためにバーコードを用いてきた。ところがバーコードは、識別確認のためにバーコードリーダにかざす必要があり、人手の関与が必須であった。これに対して無線タグは、物品に無線タグを付することによって、遠隔から無線で物品の存在を確認することができる。この点で、より有効なシステムとして、活用されつつある。
無線タグシステムでは、リーダから無線送信される読み出し信号に、遠隔にある無線タグが応答することによって、検知範囲内にある無線タグの存在を確認することができる。ただし、難点として、読み出し信号の指向性が光ほどは強くない、という点が上げられる。これにより、無線タグシステムでは、遠隔から物品の存在は確認できるものの、その物品の位置を正確に特定することは困難である。
この問題に対して、例えば玉川大学の研究室では、人の位置を無線タグを用いて検知する「ナビ下駄」なるシステムを研究している。これは図16に示すように、人が履く下駄101の内部にリーダ103を設置し、一方、床の所定位置に予め無線タグ102を埋設しておく。そして、床の上を下駄101を履いた人が移動すると、リーダ103が下駄101に近接した無線タグ104を読み出し、これによって人の現在位置を特定する、というものである。
また、東京大学の先端科学技術センターでも、1300個のRFIDタグを1.2mピッチで埋設したバリアフリー空間において、リーダを装着した人の位置を検出する研究がなされている。
また、別の観点から見た従来技術として、無線レーダの技術を応用した位置検出システムの提案もすでになされている。例えば、図17は移動局の位置検出技術を示している(特許文献1を参照)。図17では、基地局201の無線ゾーン202が、扇状のセクタに区画されており、基地局201には、各セクタに対応した指向性を有する受信アンテナ205が設けられている。そして、受信信号に基づいて、最大受信電界強度が得られたセクタを判別し、これを移動局206が存在しているセクタとして特定する。一方、無線ゾーン202は、基地局201を中心としたリングゾーンにも区画されており、最大受信電界強度が、各リングゾーンに対応した受信電界強度代表値のいずれに最も近いかを判別する。これによって、移動局206が存在しているリングゾーンが特定される。特定されたセクタおよびリングゾーンから、移動局206の存在位置を検出することができる。
特開平9−74585号公報
ところが、従来の技術では、次のような問題がある。
まず、上述の玉川大学や東京大学先端科学技術センターにおける研究例では、位置データが既知の無線タグを、多数、予め敷設しておくことが前提となっている。すなわち、多数の無線タグを、決められた所定の位置に、予め敷設しておかなければならない。したがって、たとえ実用化されたとしても、実際に家庭やオフィスに導入しようとした場合には、大掛かりな工事が必要になり、また、コストも高くなる。
また、特許文献1に記載の技術は、数km以上におよぶ広範囲な領域内にある移動無線局の位置を大まかに特定するためのものである。この技術をそのまま規模を縮小して、家庭やオフィスのような狭い領域における無線タグの位置検出に利用しようとした場合、送信電波の強度やアンテナの走査を、リアルタイムで木目細かく制御することが必要になる。このため、実用上の効果を上げるためには、専用の送信機構やアンテナを必要とすることになり、したがって、システム価格が高価になり、またシステムの実装も大掛かりなものとなってしまう。
前記の課題に鑑み、本発明は、例えば家庭やオフィスなどのような比較的小さな空間において、物品の位置検出を、簡易で安価なシステムによって、実現可能にすることを課題とする。
本発明は、無線タグを利用した物品位置検出方法として、無線タグ群が散在する対象領域をリーダによって走査し、このリーダの検知結果を基にして、前記無線タグ群の中から、所定の位置情報をそれぞれ代表する複数の位置IDを選択する第1のステップと、前記第1のステップにおいて選択された前記複数の位置IDをリーダによって検知し、各位置IDの検知の有無を表す検知結果を基にして、前記対象領域内における物品の位置を検出する第2のステップとを備えたものである。
この発明によると、対象領域に散在された無線タグ群の中から、リーダの検知結果を基にして、特定の位置データをそれぞれ代表する複数の位置IDが、選択される。そして、選択された複数の位置IDの検知の有無によって、対象領域内における物品の位置が検出される。これにより、位置データが既知の無線タグを予め敷設しておく必要はなく、対象領域に無線タグを散在させておくだけで済む。しかも、既存のタグシステムと同様のリーダを用いて、位置検出を行うことができる。したがって、物品の位置検出を、簡易で安価なシステムによって、実現可能にすることができる。
また、位置検出の対象となる物品に対し、無線不透過部または無線反射部を設けてもよい。これにより、リーダからの質問電波を、確実に遮断したり、質問電波と無線タグとの共振状態を、確実に阻害または増幅したり、することができる。したがって、物体の有無による位置ID検出のスイッチングを、確実に実現させることができる。
また、本発明は、無線タグ位置校正システムとして、無線タグを検知可能であり、無線タグ群が散在する対象領域を走査可能に設置されたリーダと、前記リーダの検知範囲を移動させるリーダ走査部と、前記リーダの走査毎の検知結果を得て、この検知結果を基にして、前記無線タグ群の中から、特定の位置データをそれぞれ代表する複数の位置IDを選択する情報処理部とを備えたものである。
この発明によって、前記本発明に係る物品位置検出方法における第1のステップを、実行することができる。
また、本発明は、物品位置検出装置として、対象領域に配置されており、位置データが既知の無線タグである複数の位置IDと、無線タグを検知可能であり、前記対象領域を走査可能に設置されたリーダと、前記リーダによる,各位置IDの検知の有無を表す検知結果を得て、この検知結果を基にして、前記対象領域内における物品の位置を検出する情報処理部とを備えたものである。
この発明によって、前記本発明に係る物品位置検出方法における第2のステップを、実行することができる。
本発明によると、対象領域に無線タグを散在させておくだけで、物品位置を、容易に検出することができる。これにより、家庭やオフィスなどにおいて、簡易でかつ安価なシステムを導入するだけで、物品の位置検出を実現することができる。
本発明の第1態様では、物品位置検出方法として、無線タグ群が散在する対象領域をリーダによって走査し、このリーダの検知結果を基にして、前記無線タグ群の中から所定の位置情報をそれぞれ代表する複数の位置IDを選択する第1のステップと、 前記第1のステップにおいて選択された前記複数の位置IDをリーダによって検知し、各位置IDの検知の有無を表す検知結果を基にして、前記対象領域内における物品の位置を検出する第2のステップとを備えたものを提供する。
本発明の第2態様では、前記第1のステップにおいて、前記リーダによる走査を、検知範囲の中心が多角形の頂点を辿るように、複数回行う第1態様の物品位置検出方法を提供する。
本発明の第3態様では、前記第1のステップにおいて、前記リーダによる走査を、同一位置において、送信出力を遷移させつつ、複数回行う第1態様の物品位置検出方法を提供する。
本発明の第4態様では、前記第2のステップは、前記検知結果から、検知不能の位置IDが存在するか否かを判断するステップと、検知不能の位置IDが存在するとき、当該位置IDが代表する位置情報を、前記物品の位置として検出するステップとを有する第1態様の物品位置検出方法を提供する。
本発明の第5態様では、前記第2のステップは、前記検知結果から、検知可能な位置IDが存在するか否かを判断するステップと、検知可能な位置IDが存在するとき、当該位置IDが代表する位置情報を、前記物品の位置として検出するステップとを有する第1態様の物品位置検出方法を提供する。
本発明の第6態様では、前記第2のステップは、検出した前記物品の位置を、検出時刻とともに、物品位置履歴として蓄積するステップと、前記物品の位置検出ができないとき、蓄積された前記物品位置履歴を基にして、前記物品の位置を推定するステップとを有する第1態様の物品位置検出方法を提供する。
本発明の第7態様では、前記第1のステップは、前記位置IDとして選択した無線タグ以外の無線タグを、無効化するステップを含む第1態様の物品位置検出方法を提供する。
本発明の第8態様では、前記第2のステップは、前記物品の位置検出ができないとき、無効化された無線タグのうちの少なくとも一部を有効化するステップと、有効化不能の無線タグが存在するとき、当該無線タグの位置に前記物品が存在すると推定するステップとを含む第7態様の物品位置検出方法を提供する。
本発明の第9態様では、前記第2のステップにおいて、前記リーダは、前記無線タグ群が設けられた基体からみて物品が置かれる側に設けられたものであり、前記物品が電波を透過させるものであるとき、前記物品に対し、リーダからの送信電波を透過させない無線不透過部を設けるステップを含む第1態様の物品位置検出方法を提供する。
本発明の第10態様では、前記第2のステップにおいて、前記リーダは、前記無線タグ群が設けられた基体からみて物品が置かれる側と反対側に設けられたものであり、前記物品が電波を透過させるものであるとき、前記物品に対し、リーダからの送信電波を反射する無線反射部を設ける第1態様の物品位置検出方法を提供する。
本発明の第11態様では、前記無線タグ群は、前記基体の物品が置かれる側の表面に設けられており、前記無線反射部は、前記物品の前記基体と接する面に設けられる第10態様の物品位置検出方法を提供する。
本発明の第12態様では、前記無線反射部は、当該物品が前記基体表面に置かれたとき、前記無線タグ群の共振面から前記第2のステップで用いるリーダの送信電波の1/2波長に相当する長さだけ離れる位置に設けられる第10態様の物品位置検出方法を提供する。
本発明の第13態様では、無線タグ位置校正システムとして、無線タグを検知可能であり、無線タグ群が散在する対象領域を走査可能に設置されたリーダと、前記リーダの検知範囲を移動させるリーダ走査部と、前記リーダの走査毎の検知結果を得て、この検知結果を基にして、前記無線タグ群の中から、特定の位置データをそれぞれ代表する複数の位置IDを選択する情報処理部とを備えたものを提供する。
本発明の第14態様では、前記情報処理部は、前記リーダの走査毎の検知結果を格納する検知結果格納部と、前記検知結果格納部に格納された検知結果同士を対比することによって無線タグの位置を推定する位置推定部と、推定された無線タグの位置を位置情報として格納する無線タグ位置格納部とを備え、前記無線タグ位置格納部に格納された位置情報を基にして前記位置IDの選択を行うものである第13態様の無線タグ位置校正システムを提供する。
本発明の第15態様では、物品位置検出装置として、対象領域に配置されており、位置データが既知の無線タグである複数の位置IDと、無線タグを検知可能であり、前記対象領域を走査可能に設置されたリーダと、前記リーダによる,各位置IDの検知の有無を表す検知結果を得て、この検知結果を基にして、前記対象領域内における物品の位置を検出する情報処理部とを備えたものを提供する。
本発明の第16態様では、前記情報処理部は、前記検知結果を検知時刻とともに蓄積する検知結果蓄積部と、前記検知結果蓄積部から読み出した,検知時刻が異なる検知結果を対比して、検知の有無が変化した位置IDを特定し、特定した位置IDが代表する位置データを基にして、前記物品の位置を検出する物品位置検出部とを備えたものである第15態様の物品位置検出装置を提供する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明を概念的に説明するための図、図2は本発明に係る物品位置検出方法を示すフローチャートである。
図1(a)に示すように、いま、物品の位置検出を行うための対象領域ARに、無線タグTGが散在しているものとする。すなわち、多数の無線タグTGが、対象領域AR内に無作為に配置されている。この状態は例えば、家の床面に、小型の無線タグをばらまくことによって、実現される。
このとき、まず、対象領域ARを、例えば天井などに設置されたリーダ1によって走査する。そして、リーダ1の検知結果を基にして、無線タグTG群の中から、特定の位置データをそれぞれ代表する無線タグTGを選択する。本願明細書では、特定の位置データ(所定の位置情報)を代表するものとして選択された無線タグのことを、「位置ID」と呼ぶ。すなわち、図1(b)に示すように、複数の位置ID PSが、無線タグTG群の中から選択される(第1のステップS10)。
そして図1(c)に示すように、選択した位置ID PSを利用して、物品OBの位置検出を行う。すなわち、複数の位置ID PSを、例えば天井などに設置されたリーダ2(このリーダ2は、先のリーダ1と同じものでも異なるものでもよい)によって検知し、各位置ID PSの検知の有無を示す検知結果を基にして、対象領域AR内における物品OBの位置を検出する(第2のステップS20)。例えば図1(c)の例では、位置ID PS1のみが検知できなかったので、物品OBは位置ID PS1が代表する位置に存在するものと検出することができる。
以下、第1のステップS10および第2のステップS20について、その詳細を説明する。
<第1のステップS10>
図3は本実施形態に係る無線タグ位置校正システムの全体構成を示す図、図4は第1のステップS10のフローチャートである。本実施形態では、図3の構成によって、図4に示す第1のステップS10の処理が実行される。図3において、検知結果格納部12、位置推定部13、無線タグ位置格納部14および無線タグ選択部15によって、本発明の情報処理部16が構成されている。
図3に示すように、対象領域AR内の床には、予め無作為に無線タグTGが散在している。そして、無線タグTGを検知可能なリーダ1が、対象領域AR全体を走査可能なように、例えば対象領域ARを上方から俯瞰できる天井などに配置されている。リーダ走査部11はリーダ1の動作を制御し、その検知範囲を適宜移動させる。リーダ1による走査毎の検知結果は、検知結果格納部12に格納される(S11)。
リーダ1の走査が終了すると、位置推定部13が、検知結果格納部12に格納された検知結果を基にして、各無線タグTGの位置を推定する。ここでの位置推定の手法については、後述する。推定された無線タグTGの位置は、位置情報として、無線タグ位置格納部14に格納される。無線タグ位置格納部14は、外部I/Fからの要求に応じて、位置情報を提供する(S12)。
無線タグ選択部15は、無線タグ位置格納部14に格納された位置情報を基にして、上述の位置ID、すなわち、特定の位置データを代表する無線タグTGを選択する。そして、位置IDとして選択した無線タグ以外の無線タグに対してその機能を無効化する無効化コマンドCMD1を、リーダ走査部11に送る。コマンドCMD1を受けたリーダ走査部11は、リーダ1を制御して、位置IDとして選択した無線タグ以外の無線タグの機能を無効化する(S13)。
このような動作によって、無線タグTGが散在する対象領域ARを、位置データが既知の位置IDからなるいわゆる位置情報校正領域に、変成することができる。
また、位置IDとして選択した無線タグ以外の無線タグについて、その機能を無効化する必要は必ずしもないが、無効化することによって、次のような効果が得られる。すなわち、散在する無線タグTGを全て利用することは冗長であるだけでなく、多数の無線タグからのデータを一度に読み込んだ場合には、アンチコリジョン処理のために膨大な処理時間を要することになり、実用的ではない。すなわち、位置IDを選択するとともに、利用価値の少ない無線タグを無効化することによって、位置IDの検出を含めた物品位置検出に要する処理時間を大幅に短縮することができる。
ここで、無線タグTGの位置を推定する手法について、具体的に説明する。
図5は散在する無線タグTGとリーダ1の検知範囲との関係を示す図である。図5において、大きな円SCはリーダ1の検知範囲を示す。小さな円は無線タグである。リーダ1の検知範囲SCは、順次走査により、重複を持って移動する。一回の走査によって、検知範囲SC内の無線タグTGが検出される。
図5の例では、検知範囲SCの中心が、その半径よりも一辺の長さが長い正三角形の頂点を辿るように、走査が行われている。この場合、黒丸で示した無線タグTGa1,TGa2,TGa3はそれぞれ、1個の検知範囲SCのみにおいて検知され、複数の検知範囲SCで重複して検知されることはない。このため、これら無線タグTGa1,TGa2,TGa3は、検知された検知範囲SCの中心にある、と推定することができる。また、ハッチを付した無線タグTGb1,TGb2,TGb3はそれぞれ、3個の検知範囲SCで重複して検知される。このため、これら無線タグTGb1,TGb2,TGb3は、重複検知された3個の検知範囲SCの中心を頂点とする正三角形の重心近辺にある、と推定することができる。
なお、ここでは、リーダ1の検知範囲SCの中心が正三角形の頂点を辿るように走査するものとしたが、検知範囲SCの移動の仕方はこれに限られるものではなく、例えば正三角形以外の任意の多角形の頂点を辿るように、走査させてもよい。検知範囲SCは、リーダと床面の位置関係、走査方向および送信強度から、算定することができる。
また、無線タグの位置の推定精度は、走査パターンと、検知範囲すなわち送信強度とに依存する。無線タグ群から位置IDを選択する場合は、当該位置IDに代表させる特定の位置に、推定精度の高い重複領域を設定するのが好ましい。ここでいう重複領域とは、1個の検知範囲SCにのみ属する領域(図5のX)や、複数の検知範囲SCに重複して属する領域(図5のY)などを指す。なお、重複領域において、複数の無線タグが検知されたときは、それぞれの無線タグに同じ位置情報を付与するものとする。これはいわば、当該走査による推定精度の限界を超えている、ということになる。
なお、位置IDを確実に得るためには、初期条件として、床面に十分な個数の無線タグを散在させておき、リーダ1の走査パターンを豊富に準備しておけばよい。
また図6に示すような手法によって、好ましい規則的な配置の位置IDを、散在した無線タグ群から容易に選択することができる。いま、リーダ走査部11が、リーダ1の検知範囲を、図6に示すように順次シフトさせたものとする。すなわち、n〜n+2回目の走査において、検知範囲SC(n),SC(n+1),SC(n+2)をそれぞれ検知し、m〜m+3回目の走査において、検知範囲SC(m),SC(m+1),SC(m+2),SC(m+3)をそれぞれ検知し、k〜k+2回目の走査において、検知範囲SC(k),SC(k+1),SC(k+2)をそれぞれ検知する。
このとき、無線タグTGc1を含む重複領域は、次のように表すことができる。
SC(n)∩SC(n+1)∩SC(m+1)
同様に、無線タグTGc2を含む重複領域は、
SC(n+1)∩SC(n+2)∩SC(m+2)
となる。すなわち、n,mをインクリメントすることによって、重複領域を規則的に設定することができる。
また、無線タグTGd1を含む重複領域は、次のように表すことができる。
SC(m+1)∩ !(SC(m+1)以外の全検知範囲の和)
ただし、!(x)はx以外の領域を示す。
同様に、無線タグTGd2を含む重複領域は、
SC(m+2)∩ !(SC(m+2)以外の全検知範囲の和)
となる。すなわち、mをインクリメントすることによって、重複領域を規則的に設定することができる。
また、リーダ1による走査を、同一位置において、送信出力を遷移させつつ、複数回行うようにしてもよい。特に、図5および図6に示したような検知範囲の移動と併せて、送信出力を段階的に変化させることによって、無線IDの位置推定の精度をより向上させることができる。
例えば図7に示すように、リーダ1の送信出力を3段階に変化させるものとする。すなわち、標準時の検知範囲SCMに対して、送信出力を弱めた場合の検知範囲SCS、および送信出力を強めた場合の検出範囲SCLを設定する。この場合、標準時の検知範囲SCMの重複領域X1には無線タグTGが複数個存在するが、狭い検知範囲SCSの重複領域X2には、1個の無線タグTGe1のみが存在する。すなわち、送信出力を絞ることによって、当該位置を代表する無線タグを限定することができる。
また、標準時の検知範囲SCMの重複領域Y1にも無線タグTGが複数個存在するが、広い検知範囲SCLの重複領域Y2には、1個の無線タグTGe2のみが存在する。すなわち、この場合は、送信出力を強めることによって、当該位置を代表する無線タグを限定することができる。
このように、送信出力を変化させて検出動作を実行することによって、機構的な走査手順を複雑化することなく、無線IDの位置推定の精度を向上させることができる。
図8〜図10は図4の各ステップS11,S12,S13における処理の詳細を示すフローチャートである。図8に示すように、ステップS11では、リーダ1による走査を開始すると(S11a)、まずその検知範囲を初期設定する(S11b)。そして、設定された検知範囲において無線タグTGの検知を行い(S11c)、その検知結果を走査条件(例えば、検知方向と送信出力)と併せて検知結果格納部12に格納する(S11d)。
その後、リーダの送信出力すなわち検知範囲を変更してから(S11e,S11f)、再び無線タグTGの検知を行う(S11c)。ステップS11e,S11fは適宜省略してもかまわない。また、リーダの検知方向を変更してから(S11g)、再び無線タグTGの検知を行う。このような動作を、走査を終了するまで繰り返し実行する(S11h)。
図9に示すように、ステップS12では、位置推定部13が、まず、検知結果格納部12に格納された走査条件および検知結果を読み出す(S12a)。そして位置推定部13は、読み出した走査条件から、上述したような重複領域を特定し、その重複領域の位置情報を求める(S12b)とともに、その重複領域に属する無線タグを特定する(S12c)。そして、特定した無線タグに、先に求めた位置情報を対応付けて(S12d)、無線タグ位置格納部14に格納する(S12e)。
図10に示すように、ステップS13では、無線タグ選択部15が、まず、所定の位置情報としての理想的な位置ID情報列の先頭データを呼び出す(S13a)。そして、無線タグ位置格納部14を参照して、この位置ID情報に最も近い無線タグを抽出する(S13b)。そして抽出された無線タグが1個のときは(S13cでハイ)、その無線タグを位置IDとして選択する(S13d)。一方、複数の無線タグが抽出されたときは(S13cでイイエ)、その中から無作為に、位置IDとなる無線タグを選択する(S13e)。その後、選択した無線タグの識別子を、位置ID情報と対応付けて記憶し(S13f)、位置ID情報を更新する(S13g)。
同様の動作を、各位置ID情報に対して行い(S13h)、全ての位置ID情報に対して位置IDの選択を行った後、無線タグ選択部15はリーダ走査部11に対してコマンドCMD1を発行し、位置ID以外の無線タグTGを無効化させる(S13i)。
<第2のステップS20>
図11は本実施形態に係る物品位置検出装置の全体構成を示す図、図12は第2のステップS20のフローチャートである。本実施形態では、図11の構成によって、図12に示す第2のステップS20の処理が実行される。図11において、検知結果蓄積部21、物品位置検出部22、物品位置履歴蓄積部23および物品位置推定部24によって、本発明の情報処理部26が構成されている。
図11に示すように、対象領域ARには、位置ID PSが整然と配置されている。本実施形態では、この位置ID PSは、先の第1のステップS10において、散在していた無線タグTGから選択されたものである。そして、位置ID PS(無線タグTG)を検知可能なリーダ2が、対象領域AR全体を走査可能なように、例えば対象領域ARを上方から俯瞰できる天井などに配置されている。なお、ここでのリーダ2は、検知範囲が固定された固定型であってもよいし、検知範囲を移動可能な可動型であってもよい。また、先のリーダ1と兼用させてもかまわない。
リーダ2は、対象領域ARを検知する。そして、各位置IDの検知の有無を表す検知結果を、検知時刻とともに、検知結果蓄積部21に蓄積する。物品位置検出部22は、物品位置を知りたい時刻に蓄積された検知結果を検知結果蓄積部21から取得して、この検知結果を基にして、対象領域AR内における物品OBの位置を検出する(S21)。
例えば、物品OBが位置ID PS1に重なって存在しているとき、リーダ2の検知範囲内にある他の位置ID PS2は検知されるが、位置ID PS1は、リーダ2からの送信電波が物品OBによって妨害されるため、検知不能になる。この場合、検知不能である位置ID PS1の位置情報を、物品OBの位置として検出することができる。位置IDの位置情報は、上述の図3に示す無線タグ位置格納部14から取得することができる。
なお、物品OBに、物品識別のための物品IDを記憶する無線タグが付されている場合は、取得した位置情報と併せて、その物品IDを取得することができる。
また、現在の物品位置を検出する場合は、検知結果蓄積部21から読み出した検知結果ではなく、リーダ2から出力される検知結果を直接利用すればよい。
ここでは、物品が上に重なることによって検知不能になった位置IDの位置情報を用いて、物品の位置を検出している。このような位置検出を確実に行うためには、検出対象の物品が電波を透過させるものであるとき、リーダからの送信電波を、吸収・減衰または反射などによって透過させない無線不透過部25を設けるのが好ましい。これにより、物品位置検出に利用する,送信電波の遮断効果を、確実に得ることができる。また、物品自体に無線タグを付与したい場合は、その上部に無線タグを付すとともに、その底面に無線不透過部を設ければよい。
また、物品位置検出部22は、例えば検知不能な位置IDが検出できずに、物品OBの位置を見失ったとき、無効化されていた無線タグTGを有効化するコマンドCMD2をリーダ2に発行してもよい。リーダ2はコマンドCMD2を受けたとき、検知範囲内で無効化されていた無線タグTGの少なくとも一部に対し、有効化命令を送信する。そして、有効化命令を送信したにもかかわらず、検知できない無線タグTGが存在するとき、物品位置検出部22は、その無線タグTGの位置情報を無線タグ位置格納部14から読み出し、これを物品OBの位置として検出する(S22)。
また、物品位置検出部22によって検出された物品の位置は、検出時刻とともに、物品位置履歴蓄積部23に物品位置履歴として蓄積される。そして、物品位置検出部22は、物品OBの位置を見失ったとき、物品OBの位置を推定するコマンドCMD3を物品位置推定部24に発行してもよい。物品位置推定部24はコマンドCMD3を受けると、物品位置履歴蓄積部23に格納された物品位置履歴を基にして、物品OBの位置を推定する。例えば、検出位置と検出時刻の履歴から物品OBの移動速度を推定し、直前の検出位置と現在までの経過時間とを考慮することによって、物品OBの位置を推定する(S23)。
なお、図12のフローチャートでは、ステップS22において物品の位置検出ができなかったときにステップS23を実行するものとしているが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、ステップS23を優先して実行してもよいし、ステップS22,S23を組み合わせて実行してもよい。
例えば、先にステップS23で物品の位置を推定し、次にステップS22において、有効化する無線タグTGを、ステップS23で推定した位置の周辺に存在するものに限定し、物品位置の検出を行うようにしてもよい。このように、限定した無線IDのみを有効化することによって、位置推定の検証を容易に行うことができる。また、特に無線タグが非常に多く散在する場合、このように処理を組み合わせることによって、アンチコリジョン処理に必要な処理時間を大きく短縮することができる。
また、ステップS21を単独で実行してもよいが、ステップS22,S23を併せて実行することによって、位置検出の信頼性を向上させることができる。
図13〜図15は図12の各ステップS21,S22,S23における処理の詳細を示すフローチャートである。図13に示すように、ステップS21では、まず、リーダ2が無線タグの検出動作を開始し、検知範囲に存在する位置IDからの発信を受信する(S21a)。そして、物品位置検出部22が、リーダ2による検知結果から、検知不能の位置IDが存在するか否かを判断する。この判断は例えば、得られた検知結果を、物品が存在しない状態で予め検知した初期検知結果と比較することによって、行うことができる(S21b)。
検知不能の位置IDが見つかったときは、物品位置検出部22は、その位置IDの位置情報を無線タグ位置格納部14から取得し(S21c)、取得した位置情報を当該物品の位置として物品位置履歴蓄積部23に蓄積する(S21d)。また、この動作と並行して、外部からの要求に応じて、検出した物品位置を出力する。
一方、検知不能の位置IDが見つからなかったときは、ステップS22に進む。図14に示すように、ステップS22では、物品位置検出部22は、無線タグの有効化を指示するコマンドCMD2をリーダ2に対して発行する(S22a)。このとき、有効化の対象とするのは、リーダ2の検知範囲内の全ての無効化されている無線タグでもよいし、一部の無線タグに限定してもよい。限定する場合は、例えば、上述したように、物品位置推定部24によって推定された物品位置の周辺のものに限定してもよいし、あるいは、物品位置履歴蓄積部23に蓄積された最新の位置データの近傍のものに限定してもよい。
その後、再度、リーダ2から読み出し信号を送信し、検知範囲内の無線タグの読み出しを行う(S22b)。このとき、有効化された無線タグを含む検知結果が得られる。この検知結果から、有効化できなかった無線タグを特定し(S22c)、この有効化不能の無線タグの位置情報を無線タグ位置格納部14から取得し(S22d)、得られた位置情報を物品の位置として物品位置履歴蓄積部23に蓄積する(S22e)。また、この動作と並行して、外部からの要求に応じて、検出した物品位置を出力する。
一方、有効化不能の無線タグが見つからなかったときは、ステップS23に進む。図15に示すように、ステップS23では、物品位置検出部22からコマンドCMD3を受けた物品位置推定部24が、物品位置履歴蓄積部23を参照して、物品の位置を推定する。すなわち、物品位置推定部24はまず、物品位置履歴蓄積部23から最新の2検出分の物品位置履歴を読み出す(S23a)。そして、その位置履歴の経過時間および位置変化から物品の移動方向と速度を算出し、現在時刻と検出時刻との時間差を用いて、当該物品の現在位置を推定する(S23b)。
そして、推定した位置が検知範囲内であったときは(S23c)、その推定位置を物品の位置として、物品位置履歴蓄積部23に蓄積する(S23d)。このとき、外部からの要求に応じて、推定した位置を通知する。なお、推定した位置が検知範囲外のときは、蓄積しないものとし、また、外部から要求があったときは「物品不在」を通知する。
なお、ここでの説明では、物品位置の推定を、最新の2検出分の物品位置履歴を基にして行うものとしたが、本発明における物品位置推定の方法は、これに限られるものではない。例えば、位置履歴を遡ることによって物品の移動パターンを抽出できれば、より精度の高い位置推定が可能になる。例えば、ジグザグに移動している物品は、履歴を辿ることによって周期性が見出せるし、円運動している物品は、移動履歴からその移動軌跡を抽出することができる。
また、対象領域に物品が複数個存在する場合、物品を互いに区別することが必要となる場合がある。この場合、各物品に、物品識別用の無線タグを付しておくのが好ましい。物品に付された無線タグと、位置IDとなる無線タグとの区別は、無線タグ位置格納部14に格納された無線タグ情報を参照することによって、容易に行える。また、物品位置履歴蓄積部23において、物品位置履歴を物品毎に管理することは、容易である。
上述の説明では、物品の存在によりリーダからの質問電波が遮断されたために検知不能になった位置IDの位置情報を用いて、物品の位置を検出している。図18はこのような位置検出を確実に行うための構成図である。図18において、リーダ2は、位置ID PSおよび物品OBを俯瞰する位置に、設けられている。すなわち、無線タグ群が設けられた基体からみると、物品が置かれる側に、リーダ2は設けられている。このとき、検出対象の物品OBが電波を透過する物質で形成されているとき、リーダ2からの送信電波を透過させない無線不透過部25を設けるのが好ましい。これにより、物品OBの存在により、リーダ2からの送信電波は確実に遮断され、この結果、物品OB直下の位置ID PSの検出が不能になる。
これと異なり、図19に示すように、無線タグ群が設けられた基体からみて、物品OBが置かれる側と反対側に、リーダ3を設けるような構成も考えられる。この構成では、リーダ3からの送信電波は、物品OBによって遮断されない。したがって、他の手法を用いる必要がある。
そこで、図19に示すように、物品OBの底面に無線反射部としての金属面31を設けるものとする。この場合、ある位置ID PS(無線タグ)の上に物品OBが存在するとき、無線タグと物品OBの金属面31とが近接することによって、リーダ3からの質問電波による共振が阻害されることになり、したがって、当該位置ID PSの検出が不能になる。
図20は図19における物品OB周辺の縦断面図である。図20に示すように、基体32の表面には、電子回路部33およびアンテナ34を有する位置ID(無線タグ)35が、設けられている。一方、物品OBの底面すなわち基体32と接する面に、金属面31が設けられている。物品OBの存在によって、金属面31とアンテナ34とが近接し、アンテナ34が共振回路の役目を果たさなくなる。この結果、位置ID35は、検出不能になる。
さらに、図19の構成では、次のような位置検出も可能である。すなわち、図21に示すように、電子回路部33およびアンテナ34を有する位置ID35を、基体32の表面から、リーダ3の送信電波の1/2波長に相当する深さの位置に、埋設する。このとき、物品OBの存在によって、リーダ3からの送信電波が金属面31によって反射され、この結果、アンテナ34上で電波が増幅される。したがって、リーダ3からの送信電波を、物品OBが存在しない状態では無線タグを検知できない程度の強度に設定することによって、通常は検出不能である位置ID35が、物品OBの存在によって、検出可能になる。すなわち、この場合は、各位置IDの検知の有無を表す検知結果から、検知可能な位置IDが存在するか否かを判断し、検知可能な位置IDが存在するとき、当該位置IDが代表する位置情報を、物品の位置として、検出する。
なお、無線タグ群および無線反射部の位置は、図21の例に限られるものではなく、物品OBが基体32表面に置かれたとき、無線反射部31が、無線タグ群の共振面から、リーダ3の送信電波の1/2波長に相当する長さだけ離れる位置に、あればよい。例えば、無線タグ群が基体32表面に設けられているとき、無線反射部31のさらに外側に、リーダ3の送信電波の1/2波長に相当する厚みの部材を付せばよい。
なお、本実施形態では、無線タグから選択した位置IDを利用して、物品の位置検出を実行するものとしたが、位置データが既知の位置IDが予め配置されている対象領域についても、第2のステップS20と同様の処理を実行することによって、物品の位置検出を容易に実現することができる。
なお、リーダやリーダ走査部は、例えば、移動ロボットに搭載してあってもかまわない。この場合、ロボットの現在位置が取得できる構成であれば、リーダと各無線タグとの位置関係を算出することができるので、本実施形態と同様の動作を実現することができる。また、リーダは、1個である必要はなく、複数のリーダを用いてもかまわない。
また、無線タグは、当然のことながら、床面以外の場所に配置してもかまわない。例えば、検知領域の3次元地図を利用することによって、リーダと無線タグとの位置関係を求めることができるので、本実施形態と同様の動作を実現することができる。
本発明では、対象領域に無線タグを散在させておくだけで、物品位置を、容易に検出することができるので、家庭やオフィスなどにおいて利用される、簡易でかつ安価な物品位置検出システムを、提供することができる。
本発明を概念的に示す図である。 本発明に係る物品位置検出方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る無線タグ位置校正システムの全体構成を示す図である。 図2における第1のステップS10の処理を示すフローチャートである。 無線タグの位置を推定する手法を説明するための図である。 無線タグの位置を推定する手法を説明するための図である。 無線タグの位置を推定する手法を説明するための図である。 図4におけるステップS11の詳細を示すフローチャートである。 図4におけるステップS12の詳細を示すフローチャートである。 図4におけるステップS13の詳細を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る物品位置検出装置の全体構成を示す図である。 図2における第2のステップS20の処理を示すフローチャートである。 図12におけるステップS21の詳細を示すフローチャートである。 図12におけるステップS22の詳細を示すフローチャートである。 図12におけるステップS23の詳細を示すフローチャートである。 従来技術を示す図である。 従来技術を示す図である。 物品位置検出を、物品が置かれる側に設けられたリーダによって行う構成を示す図である。 物品位置検出を、物品が置かれる側と反対側に設けられたリーダによって行う構成を示す図である。 図19における物品周辺の縦断面図であり、電波の共振阻害を利用した構成を示す図である。 図19における物品周辺の縦断面図であり、電波の増幅を利用した構成を示す図である。
符号の説明
TG 無線タグ
AR 対象領域
PS 位置ID
OB 物品
SC 検知範囲
1,2,3 リーダ
11 リーダ走査部
12 検知結果格納部
13 位置推定部
14 無線タグ位置格納部
15 無線タグ選択部
16 情報処理部
21 検知結果蓄積部
22 物品位置検出部
23 物品位置履歴蓄積部
24 物品位置推定部
25 無線不透過部
26 情報処理部
31 金属面(無線反射部)
32 基体
33 電子回路部
34 アンテナ
35 位置ID

Claims (16)

  1. 無線タグ群が散在する対象領域をリーダによって走査し、このリーダの検知結果を基にして、前記無線タグ群の中から、所定の位置情報をそれぞれ代表する複数の位置IDを選択する第1のステップと、
    前記第1のステップにおいて選択された前記複数の位置IDをリーダによって検知し、各位置IDの検知の有無を表す検知結果を基にして、前記対象領域内における物品の位置を検出する第2のステップとを備えた
    ことを特徴とする物品位置検出方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1のステップにおいて、前記リーダによる走査を、検知範囲の中心が多角形の頂点を辿るように、複数回、行う
    ことを特徴とする物品位置検出方法。
  3. 請求項1において、
    前記第1のステップにおいて、前記リーダによる走査を、同一位置において、送信出力を遷移させつつ、複数回、行う
    ことを特徴とする物品位置検出方法。
  4. 請求項1において、
    前記第2のステップは、
    前記検知結果から、検知不能の位置IDが存在するか否かを判断するステップと、
    検知不能の位置IDが存在するとき、当該位置IDが代表する位置情報を、前記物品の位置として検出するステップとを有する
    ことを特徴とする物品位置検出方法。
  5. 請求項1において、
    前記第2のステップは、
    前記検知結果から、検知可能な位置IDが存在するか否かを判断するステップと、
    検知可能な位置IDが存在するとき、当該位置IDが代表する位置情報を、前記物品の位置として検出するステップとを有する
    ことを特徴とする物品位置検出方法。
  6. 請求項1において、
    前記第2のステップは、
    検出した前記物品の位置を、検出時刻とともに、物品位置履歴として蓄積するステップと、
    前記物品の位置検出ができないとき、蓄積された前記物品位置履歴を基にして、前記物品の位置を推定するステップとを有する
    ことを特徴とする物品位置検出方法。
  7. 請求項1において、
    前記第1のステップは、
    前記位置IDとして選択した無線タグ以外の無線タグを、無効化するステップを含む
    ことを特徴とする物品位置検出方法。
  8. 請求項7において、
    前記第2のステップは、
    前記物品の位置検出ができないとき、無効化された無線タグのうちの少なくとも一部を、有効化するステップと、
    有効化不能の無線タグが存在するとき、当該無線タグの位置に前記物品が存在すると推定するステップとを含む
    ことを特徴とする物品位置検出方法。
  9. 請求項1において、
    前記第2のステップにおいて、
    前記リーダは、前記無線タグ群が設けられた基体からみて、物品が置かれる側に、設けられたものであり、
    前記物品が電波を透過させるものであるとき、前記物品に対し、リーダからの送信電波を透過させない無線不透過部を設ける
    ことを特徴とした物品位置検出方法。
  10. 請求項1において、
    前記第2のステップにおいて、
    前記リーダは、前記無線タグ群が設けられた基体からみて、物品が置かれる側と反対側に、設けられたものであり、
    前記物品が電波を透過させるものであるとき、前記物品に対し、リーダからの送信電波を反射する無線反射部を設ける
    ことを特徴とする物品位置検出方法。
  11. 請求項10において、
    前記無線タグ群は、前記基体の,物品が置かれる側の表面に、設けられており、
    前記無線反射部は、前記物品の,前記基体と接する面に、設けられる
    ことを特徴とする物品位置検出方法。
  12. 請求項10において、
    前記無線反射部は、当該物品が前記基体表面に置かれたとき、前記無線タグ群の共振面から、前記第2のステップで用いるリーダの送信電波の1/2波長に相当する長さだけ離れる位置に、設けられる
    ことを特徴とする物品位置検出方法。
  13. 無線タグを検知可能であり、無線タグ群が散在する対象領域を走査可能に設置されたリーダと、
    前記リーダの検知範囲を、移動させるリーダ走査部と、
    前記リーダの走査毎の検知結果を得て、この検知結果を基にして、前記無線タグ群の中から、特定の位置データをそれぞれ代表する複数の位置IDを選択する情報処理部とを備えた
    ことを特徴とする無線タグ位置校正システム。
  14. 請求項13において、
    前記情報処理部は、
    前記リーダの走査毎の検知結果を、格納する検知結果格納部と、
    前記検知結果格納部に格納された検知結果同士を対比することによって、無線タグの位置を推定する位置推定部と、
    推定された無線タグの位置を位置情報として格納する無線タグ位置格納部とを備え、
    前記無線タグ位置格納部に格納された位置情報を基にして、前記位置IDの選択を行うものである
    ことを特徴とする無線タグ位置校正システム。
  15. 対象領域に配置されており、位置データが既知の無線タグである複数の位置IDと、
    無線タグを検知可能であり、前記対象領域を走査可能に設置されたリーダと、
    前記リーダによる,各位置IDの検知の有無を表す検知結果を得て、この検知結果を基にして、前記対象領域内における物品の位置を検出する情報処理部とを備えた
    ことを特徴とする物品位置検出装置。
  16. 請求項15において、
    前記情報処理部は、
    前記検知結果を、検知時刻とともに蓄積する検知結果蓄積部と、
    前記検知結果蓄積部から読み出した,検知時刻が異なる検知結果を対比して、検知の有無が変化した位置IDを特定し、特定した位置IDが代表する位置データを基にして、前記物品の位置を検出する物品位置検出部とを備えたものである
    ことを特徴とする物品位置検出装置。
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