JP2011237351A - 衝撃検知装置及び梱包装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】物品の落下や転倒の履歴を自動的に認識させることができ、多数の物品に対しても容易に対処できるようにする。
【解決手段】ケース内に配置され、該ケースに付与された衝撃の付与方向と逆方向の移動方向に沿って移動する錘510,520,530と、前記ケース内に配置され前記錘の位置を初期位置及び移動位置で保持し、前記ケースに配置され、タグリーダライタからの電磁波を受けタグリーダライタと信号の授受を行うICタグ610、620、630、640とを備えてなり、前記ICタグ610、620、630、640は、前記錘510,520,530の初期位置又は移動位置に配置され、近接して配置された錘510,520,530によって前記タグリーダライタからの電磁波を受信できない状態となり、前記タグリーダにより前記錘の位置検出ができる位置に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は衝撃検知装置及び梱包装置に係り、特に外部から自動的に落下転倒履歴を認識することができる衝撃検知装置及び梱包装置に関する。
精密機器などの物品を輸送する場合、その輸送過程での荷扱いにより、物品が破損する可能性がある。このような場合、物品に作用する衝撃が一定値までであれば、梱包状態での事前評価により破損防止策を施すことで、物品の破損を事前に防止することが可能である。
また、輸送中の物品に衝撃を検知する衝撃検知装置を配置しておき、輸送中等における落下や転倒の衝撃の履歴を認識し、衝撃を受けた物品は破損した恐れがあるものとして分別し、衝撃検知装置で衝撃履歴がない物品を異常なしとして扱うことにより、個別の物品検査の手間を軽減することができる。また、衝撃が検知された物品は検査等の所定の処理が行われる。
特許文献1には、入射光を反射する平滑面を有する錘部と、錘部を支持する梁部とによって、落下等による衝撃を検知すると錘部が傾くことで衝撃を検知したことを視認できる衝撃検知部材が記載されている。
また、非特許文献1には、図19に示すような衝撃検知装置が記載されている。この衝撃検知装置は、前ケース1、後ケース2、板バネ3、板バネ固定部4、案内板5、錘6、窓穴7で構成されている。この衝撃検知装置は、縦方向の向きにして、検知対象物に貼り付けることで上下方向の衝撃を検知できる。具体的には、衝撃が加わっていない状態では、錘6は板バネ3によって壁部8との間に挟まれてケース中央部に保持されており、衝撃が加わると板バネ3を超えて錘6が下方へ移動することになる。錘6には色が施されているので、移動後の錘6が窓穴7のところに位置することで錘6が移動したことが視認できるようになっている。
しかしながら、上述した衝撃検知装置にあっては、衝撃付与の履歴は、錘の移動状態等を視認することにより一つ一つ識別しなければならず手間がかかるものである他、物品が多数ある場合には、各物品の落下履歴を識別する他、これらの履歴情報を管理する必要もあり煩雑な作業であった。
そこで、本発明は、物品の落下や転倒の履歴を自動的に認識させることができ、多数の物品に対しても容易に対処することができる衝撃検知装置及びこの衝撃検知装置を備えた梱包装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、衝撃検知装置において、ケース内に配置され、該ケースに付与された衝撃の付与方向とは逆の方向に沿って移動する錘と、前記ケース内に配置され前記錘を初期状態及び移動後において保持する保持手段と、前記ケースに配置され、読取書込手段からの電磁波を受け前記読取書込手段と信号の授受を行い、近接して配置された錘によって前記読取書込手段からの電磁波を受信できない状態となって前記錘の近接状態が検出可能な発信手段と、を備えることを特徴とする衝撃検知装置である。
請求項2の発明は、請求項1記載の衝撃検知装置において、前記発信手段はフィルムシート型RFIDタグであり、錘の初期位置又は移動後の位置に保持された錘で前記フィルムシート型RFIDタグの電波受信が阻害される位置に配置されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の衝撃検知装置において、前記発信手段は、前記保持された錘が前記発信手段の回路部に隣接する位置、又は前記ケースを間に介した位置に配置されることを特徴とする特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の衝撃検知装置において、前記錘は前記ケースの落下により移動することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の衝撃検知装置において、前記錘は前記ケースの転倒により移動することを特徴とする。
請求項6の発明は、被梱包物を梱包する梱包材の少なくとも一の面に、請求項1乃至5の何れか記載の衝撃検知装置を備えることを特徴とする梱包装置である。
本発明に係る衝撃検知装置及び梱包装置は、物品の落下や転倒の履歴をICタグの送信状態を検出することで自動的に認識させることができる他、多数の物品の履歴を一度の検知で容易に検出することができる。
実施例に係る衝撃検知装置を示す分解斜視図である。 衝撃検知装置へのICタグの配置状態を示す後ケースの平面図である。 衝撃検知装置の前ケースを示す斜視図である。 ICタグの構成を示すものであり(a)は錘が離間した状態のICタグの模式図、(b)は錘が近接したICタグを示す模式図である。 錘がICタグに与える影響を示すICタグの断面図である。 衝撃検知装置の作動を示す模式図である。 錘の移動とICタグの通信状態を示す表である。 実施例に係る梱包装置を示す模式図である。 第2の実施例に係る衝撃検知装置を示す模式図である。 第2の実施例及びその変形例を示す断面図である。 ICタグのアンテナの変形例を示す模式図である。 ICタグのアンテナの変形例を示す模式図である。 他の変形例に係るICタグを使用した衝撃検知装置を示す平面図である。 他の変形例に係るICタグを使用した衝撃検知装置を示す平面図である。 第3の実施例に係る衝撃検知装置の衝撃センサを示す斜視図である。 衝撃センサを示すものであり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 第3の実施例に係る衝撃検知装置を示すX−Z平面に沿う断面模式図である。 第3の実施例に係る衝撃検知装置を示すY−Z平面に沿う断面模式図である。 従来の衝撃検知装置を示すものであり、(A)は分解斜視図、(B)は作動状態を示す模式図である。
本発明に係る衝撃検知装置は、ケース内に配置され、該ケースに付与された衝撃の付与方向とは逆の方向に沿って移動する錘と、前記ケース内に配置され前記錘を初期状態及び移動後において保持する保持手段と、前記ケースに配置され、読取書込手段からの電磁波を受け前記読取書込手段と信号の授受を行い、近接して配置された錘によって前記読取書込手段からの電磁波を受信できない状態となって前記錘の近接状態が検出可能な発信手段と、を備えるものである。
また、本発明に係る衝撃検知装置において、前記発信手段はフィルムシート型RFIDタグであり、錘の初期位置又は移動後の位置に保持された錘で前記発信手段の電波受信が阻害される位置に配置される。
また、本発明に係る衝撃検知装置において、前記発信手段は、前記保持された錘が前記発信手段の回路部に隣接する位置、又は前記ケースを間に介した位置に配置される。
また、本発明に係る衝撃検知装置において、前記錘は前記ケースの落下により移動するものである。
更に本発明に係る衝撃検知装置において、前記錘は前記ケースの転倒により移動するものである。
そして、本発明に係る梱包装置は、被梱包物を梱包する梱包材の少なくとも一の面に、前記何れか記載の衝撃検知装置を備えてなるものである。
以下本発明に係る衝撃検知装置を図面に基づいて説明する。図1は実施例に係る衝撃検知装置を示す分解斜視図、は衝撃検知装置へのICタグの配置状態を示す後ケースの平面図、図3は前ケースを示す斜視図、図4はICタグの構成を示すものであり(a)は錘が離間した状態のICタグの模式図、(b)は錘が近接したICタグを示す模式図、図5は錘がICタグに与える影響を示すICタグの断面図である。
本実施例に係る衝撃検知装置100は、図1に示すように、後ケース200及びこの後ケース200の前側面を覆う前ケース400とからなるケース内に、衝撃検知装置100の転倒傾斜によりその位置が変わる3個の錘、即ち第1錘510、第2錘520、第3錘530を備えている。また、衝撃検知装置100は、図1及び図2に示すように、前記前ケース400の裏面側(反後ケース200側)に前記錘510,520,530の位置により検出可、検出不可の何れかの状態となる発信手段である4個のICタグ、即ち第1ICタグ610、第2ICタグ620、第3ICタグ630、第4ICタグ640を配置して構成されている。
本例では第1錘510の移動により鉛直方向の落下衝撃を、第2錘520の移動により鉛直方向に対して右側への傾斜を、第3錘530の移動で左側への傾斜の検知し、各錘510,520,530の位置を外部に配置された読取書込手段であるリーダライタで読み取った前記各ICタグ610、620、630、640の状態で落下転倒履歴を認識する。これにより、衝撃検知装置100が取り付けられた梱包装置、例えば画像形成装置が梱包された段ボール箱に加えられた落下、傾斜転倒の履歴を検出する。
本例では、ICタグに錘が近接配置されたときICタグがリーダライタからの電波を受信できにくくなることを利用して錘の位置を検出する。各ICタグ610、620、630、640は同一の構成を備えているので、図4及び図5に示したICタグ600及び錘500によりICタグの構成及び錘検出の原理を説明する。ICタグ600は、フィルムシート型RFIDタグであり、送受信回路、ID番号発生回路などを備えた回路部であるICチップ601と送受信用のアンテナ602,603とを2枚のラミネートフィルム605,606の間に挟まれて構成されている。このICタグ600は、リーダライタが送信する所定周波数(例えば952MHZ(Japan))の電波をアンテナ602,603で受信して電力を発生し、この電力を受けて駆動するICチップ601でID番号を発生し、アンテナ602,603から送信する。
ここで、ICチップ601の送受信回路及び前記アンテナ602,603は、使用する周波数が最大効率周波数となり高い受信送信効率を備えるよう調整されている。例えば、ICチップ601の送受信回路は、図5に示すように、所定の容量性リアクタンスC、誘導性リアクタンスL、電気抵抗Rを備え前記アンテナ602,603からの受信、送信効率が最良となるようにされている他、アンテナ602,603は前記周波数で高い効率を備えるよう長さや電気特性等が決定されている。
このようなICタグ600において、錘500が離間しているとき(図4(a)、図5中錘500が(A)にある場合)には、高い効率で送受信を行うことができる。しかし、前記金属製の錘500がICチップ601のアンテナ602,603接合部の近傍に配置されると(図4(b)、図5中錘500が(B)にある場合)、錘500が前記送受信回路やアンテナ602,603に影響を与え、その電気特性(L,C,R)を変化させてしまい、アンテナとのマッチングが崩れ、最大効率周波数が変化してしまい送受信効率が低下して正常な送受信が行えなくなる。尚、錘500は、ICタグ600の送受信に影響を与えるため、ICチップ601の近傍に配置される必要があり、アンテナだけに近接しているだけではICタグ600の送受信に影響を与えにくい。
尚、本例では、前記錘510,520,530の位置は前ケース400側から視認できるものとし、第1錘510の位置により鉛直方向の落下衝撃を、第2錘520の位置により鉛直方向に対して右側への傾斜を、第3錘530の移動で左側への傾斜を検出できるようにする。このように、錘510,520,530を目視で確認できるようにすれば、リーダライタが配置されていなくても落下転倒の履歴を確認できる他、衝撃検知装置100及びリーダライタの動作を確認することができる。
前記第1錘510は、右側板状部材310及び左側板状部材320により保持され、2回の落下衝撃の検知を行う。右側板状部材310及び左側板状部材320は、上側に配置された第1保持部材311,321と、下側に配置された第2保持部材312,322を折返部313,323で連結したそれぞれ1つの部材として形成されている。これらの右側板状部材310及び左側板状部材320は具体的にはステンレス鋼からなる1枚の弾性薄板を略コ字状に折り曲げて形成される。
前記第1錘510は、鉛直移動経路231の初期位置において、右側板状部材310及び左側板状部材320の第1保持部材311,321で両側から支持されており、最初の落下衝撃で第1錘510は第1保持部材311,321を押し広げて落下し、第2保持部材312,322で保持される。また、第2回の落下衝撃により、第1錘510は第2保持部材312,322を押し広げて落下し、下側錘保持部238に保持される。
本例では前記第1ICタグ610を第1錘510の初期位置に、前記第2ICタグ620を第2保持部材312,322に保持された錘の位置に配置して、前記リーダライタで前記第1ICタグ610及び第2ICタグ620を読み取り、第1錘510の位置情報を取得する。即ち、第1錘510が初期位置に配置された状態で、第1錘510は、第1ICタグ610のICチップに近接して配置されるため検出不可状態となる。一方第2ICタグ620には第1錘510が近接していないため検出可状態となる。また、第1錘510が最初の落下衝撃により第2保持部材312,322で保持された状態で、第1ICタグ610は検出可状態、第2ICタグ620は検出不可状態となる。更に、第1錘510が2回の落下衝撃を受け下側錘保持部238に保持された状態で、両ICタグ610,620共検出可状態となる。これらのICタグ610,620の動作状態をリーダライタで読み取ることにより、第1錘510の位置を取得できる。尚、これらの第1錘510及び第2錘520の移動状態は、表示窓431,第2表示窓432からも視認できる。
前記第2錘520及び第3錘530は、衝撃検知装置100の左右方向の傾斜により、前記第1保持部材311,321の上側を転動して右側移動経路232及び左側移動経路233を移動し右側錘保持部234及び左側錘保持部235に保持される。
本例では前記第3ICタグ630を前記第2錘520の初期位置に、前記第4ICタグ640を前記第3錘530の初期位置に配置して、各位置に配置された第2錘520及び第3錘530を検出するものとしている。この例では、各錘520,錘530が初期位置に配置された状態で、両ICタグ630,640は検出不可状態となる。また、衝撃検知装置100が転倒して第2錘520が右側錘保持部234に移動した状態で第3ICタグ630は検出可状態となり、また、第3錘530が左側錘保持部235に移動した状態で第4ICタグ640は検出可状態となる。尚、これら錘520,530の移動状態は、後述する表示窓433,第2表示窓434からも視認できる。
ここで、各ICタグ610、620、630、640は、錘510,520,530の移動を妨げることなく配置される必要がある。このため、ICタグ610、620、630、640は後ケース200の裏面側あるいは前ケース400の後ケース200側に配置することができる。また、ICタグ610、620、630、640を小型や薄型とでき、錘510,520,530の移動を妨げないようにできるのであれば、後ケース200の前ケース400側面に配置することができる。
ICタグの検出に際して、一般に使用される汎用のリーダライタでは複数のICタグを非接触で認識することができる。このため、このようなリーダライタでは読取範囲にある複数の衝撃検知装置100の履歴を読み取ることができる。また、ICタグの認識は前記汎用のリーダライタで行う他、転倒履歴認識用の専用装置で行うことができる。専用の装置としては多数の検出結果の処理を行うよう構成することができる。
以下衝撃検知装置100の他の部材について説明する。後ケース200は合成樹脂製の部材であり、図1及び図2に示すように、底板210とこの底板210の周縁に立設された立設縁部220とを備えて構成される。また、後ケース200には前記第1錘510が落下衝撃により移動する鉛直方向の前記鉛直移動経路231を備える他、この鉛直移動経路231の両側に前記第2錘520が移動する湾曲した右側移動経路232及び前記第3錘530が移動する湾曲した左側移動経路233を備えている(図2参照)。
右側移動経路232及び左側移動経路233の下端部には、右側錘保持部234及び左側錘保持部235が、また前記鉛直移動経路231の下端部には下側錘保持部238が形成されている。これらの錘保持部234,235は底板210に立設されたリブ部材236,237,239により形成される。
前記鉛直移動経路231の左右両側には、前記右側板状部材310及び左側板状部材320の折返部313,323が嵌挿され保持される所定の形状寸法をなす右側第1支持部241、左側第1支持部242が底板210から立設されている。また、底板210には、右側第1支持部241及び左側第1支持部242の外側上部に、前記右側板状部材310及び左側板状部材320を固定するための円弧部材267,268が立設されている。この円弧部材267,268は右側移動経路232及び左側移動経路233の内側のガイドにもなる。
また、前記右側第1支持部241及び左側第1支持部242の下方には、それぞれ右側第2支持部251及び左側第2支持部252が立設されている。この右側第2支持部251及び左側第2支持部252は、その直径寸法を前記右側第1支持部241及び左側第1支持部242より小径に構成されている。右側第2支持部251及び左側第2支持部252は前記右側板状部材310及び左側板状部材320の回り止めの作用をなすと共に、各板状部材310,320の下側をなす第2保持部材312,322の弾性変形の支点となる。
また、底板210には、前記鉛直移動経路231に沿って前記第1錘510に接触して第1錘510が鉛直移動経路231に沿って円滑移動するよう形成された2本の垂直方向錘案内レール261,262が形成されている。更に、底板210には、前記右側移動経路232及び左側移動経路233に沿って右側錘案内レール263,264及び左側錘案内レール265,266が形成されている。これらの錘案内レールは底板210と一体に形成され、錘との接触抵抗を軽減するため錘との接触側を断面弧状として形成される。
更に、底板210には、右側錘案内レール263,264及び左側錘案内レール265,266にそれぞれ2個所、錘の戻りを防止する逆戻防止突起271,272、273,274、275,276,277,278が形成されている。また、底板210には、第1錘510の跳ね上がり防止用の停止板291、第2錘520及び第3錘530の下側を指示する錘支持部材292,293、及び、第2保持部材312,322の上方向の位置を規制する位置規制部材294,295が立設形成されている。尚、本例では、立設縁部220のうち右側移動経路232及び左側移動経路233に隣接する部分には第2錘520及び第3錘530の跳ね上がりによる移動を防止する突起部221,222,223、224,225,226が形成されている。また、立設縁部220のうち停止板291の上部に配置された部分には停止板291に近接した水平部227が形成されている。
また、後ケース200は、下方に向け貨物への取り付け用のフランジ部240が延設されている。このフランジ部240は、前記底板210を延設した位置に形成される。以上のように、この後ケース200は、前記鉛直移動経路231に対して線対称の構成を備える。
次に前ケース400について説明する。前ケース400は、合成樹脂性の部材であり、図1及び図3に示すように、前記後ケース200の前側全面を覆う板部材410の周縁に位置決用の突起部420が形成されている他、4個所に錘確認用の表示窓、即ち第1回の落下検出を表示する第1表示窓431、第2回の落下検出を表示する第2表示窓432、右転倒検出を表示する第3表示窓434、左転倒検出を表示する第4表示窓433が形成されている。ここで、第1表示窓431は第2保持部材312,322による第1錘510の保持位置に,第2表示窓432は下側錘保持部238に、第3表示窓433は右側錘保持部234に,第4表示窓434は左側錘保持部235に対応して形成されている。また、第1表示窓431は三角形状の穴部が開設され形成され、他の表示窓432,433,434は同様の三角形状に他の部分より肉薄部として形成されていると共に、内部が視認できるよう表面が研磨されている。尚、錘の視認を前提とせず、リーダライタで錘の状態を認識する場合には各表示窓431,432,433,434を設ける必要はない。表示窓があるとリーダライタがなくとも転倒履歴を認識(目視)することができる他、リーダライタを使用して認識状態を確認することができる。
更に、板部材410の後ケース200側には、前記鉛直移動経路231に対応して2列の垂直錘案内レール451,452が、また、右側移動経路232及び左側移動経路233に対応してそれぞれ一列の右側錘案内レール453、左側錘案内レール454が形成されている。各錘案内レールは板部材410と一体に形成され、錘との接触抵抗を軽減するため錘との接触側を断面弧状として形成される。また、錘案内レール453,454には錘の逆戻防止突起455,456、457,458が形成されている。この逆戻防止突起455,456、457,458は前記後ケース200に形成された逆戻防止突起の設置位置に対応して配置される。
更に板部材410には、前記底板210に形成された前記円弧部材267,268に嵌合される円柱状の押部材461,462が形成されている。前ケース400が後ケース200に配置されると、押部材461,462が前記円弧部材267,268に挿入され、右側第1支持部241及び左側第1支持部242に取り付けられた右側板状部材310及び左側板状部材320をケース中央下方へ固定する。ここで、押部材461,462には傾斜部461a,462aが形成され、左右の板状部材310,320を取り付けた状態での前ケース400及び後ケース200の組み付け性を向上させている。
また、前ケース400には、後ケース200及び前ケース400の固定用ビス穴471,472が開設されている他、錘510,520,530固定用の固定具挿入用の挿入穴481,482が開設されている。錘の固定具は金属製線材を折曲加工して3つの脚部を形成した部材であり、衝撃検知装置100の非使用時に前記第1表示窓431及び前記挿入穴481,482から各脚部を挿入して、各脚部を第1錘510の下部、第2錘520及び第3錘530の上部に接触させ、衝撃検知装置100を非検知状態とするため各錘510,520,530を固定する。更に、板部材410には、シール部材740の位置決め用の穴部491,492、前ケース400製造時における逆戻防止突起455,456、457,458による引けを防止するための凹部493,494,495,496が形成されている。
次に、左右の板状部材310,320について説明する。本例では、右側板状部材310及び左側板状部材320はそれぞれ、同一幅寸法(例えば6mm)及び厚さ(例えば0.3mm)の1枚のステンレス鋼薄板材を折返部313,323の両端で屈曲形成して、その上側部分を第1保持部材311,321、下側部分を第2保持部材312,322としている。この例では、各板状部材310,320は第2保持部材312,322がそれぞれ第1支持部241,242の挟持固定部241a,242aに接触し、前ケース400の押部材461,462が円弧部材267,268に差し込まれて押さえられた状態で挟まれ、更に第1支持部241,242が当接固定部241b,242bに、第2支持部251,252が当接固定部241c,242cに接触し固定された状態となる。尚、板状部材310,320は、細かな反発調整を必要とする場合は、リン青銅で構成することができる他、長期保管のため発錆を確実に予防する必要があるときには樹脂(ナイロン等)で形成することができる。
次に、衝撃検知装置100の動作について説明する。図6は衝撃検知装置の作動を示す模式図、図7は図6に示した錘の移動状態に対応するICタグの通信状態(識別状態)を示す表である。図6(a)〜(h)に示した図は、図7に示した表の(a)欄〜(h)欄に対応している。尚、図7に示した表の(i)欄、(j)欄に対応する図は図6に示していない。
まず、落下も転倒もしていない初期状態では、図6(a)に示すように、第1錘510は第1保持部材311,321で保持され、第2錘520、第3錘530は、停止板291及び錘支持部材292,293で保持されている。この状態でリーダライタにより各ICタグ610、620、630、640を読み取ると、図7の表中(a)欄に示すように、第1ICタグ610、第3ICタグ630、第4ICタグ640とは通信不可で認識できず、第2ICタグ620だけが通信可であり認識できる。これにより落下転倒がなかったことが認識できる。
また、図6(a)の状態から第1回の落下があると、図6(b)に示すように、第1錘510は、第1保持部材311,321を押し広げ落下し、第2保持部材312,322上に停止して保持される。この状態で、リーダライタにより各ICタグ610、620、630、640を読み取ると、図7の表中(b)欄に示すように、第2ICタグ620、第3ICタグ630、第4ICタグ640とは通信不可で認識できず、第1ICタグ610だけが通信可であり認識できる。これにより、落下の履歴を認識することができる。
また、図6(a)の状態から右方向への転倒があると、図6(c)に示すように、第2錘520は、第1保持部材311の上面をガイドとして、右側移動経路232を経て右側錘保持部234に落下して保持される。この状態で、他の錘510,530は初期位置にある。この状態でリーダライタにより各ICタグ610、620、630、640を読み取ると、図7の表中(c)欄に示すように、第1ICタグ610、第4ICタグ640は通信不可で認識できず、第2ICタグ620、第3ICタグ630が通信可で認識できる。これにより、右転倒の履歴を認識することができる。
また、図6(a)の状態から左方向への転倒があると、図6(d)に示すように、第3錘530は、第1保持部材321の上面をガイドとして、左側移動経路233を経て左側錘保持部235に落下して保持される。この状態で、他の錘510,520は初期位置にある。この状態でリーダライタにより各ICタグ610、620、630、640を読み取ると、図7の表中(d)欄に示すように、第1ICタグ610、第3ICタグ630は通信不可で認識できず、第2ICタグ620、第4ICタグ640が通信可で認識できる。これにより、左転倒の履歴を認識することができる。
同様に、図6(a)の状態から1回の落下と右転倒があった場合は、図6(e)及び図7の表中(e)欄に示すように、第1錘510により第2ICタグ620が通信不可、第3錘530により第4ICタグ640が通信不可で認識できず、第1ICタグ610、第3ICタグ630が通信可で認識できる。これにより、1回の落下と右転倒の履歴を認識することができる。
更に、図6(a)の状態から1回の落下と左転倒があった場合は、図6(f)及び図7の表中(f)欄に示すように、第1錘510により第2ICタグ620が通信不可、第2錘520により第3ICタグ630が通信不可で認識できず、第1ICタグ610、第4ICタグ640が通信可で認識できる。これにより、1回の落下と左転倒の履歴を認識することができる。
また、図6(a)の状態から1回の落下と左右の転倒があった場合は、図6(g)及び図7の表中(g)欄に示すように、第1錘510により第2ICタグ620のみが通信不可で認識できず、第1ICタグ610、第3ICタグ630、第4ICタグ640が通信可で認識できる。これにより、1回の落下と左右転倒の履歴を認識することができる。
また、図6(a)の状態から2回の落下と左右の転倒があった場合は、図6(h)及び図7の表中(h)欄に示すように、すべてのICタグ610、620、630、640が通信可になる。これにより2回の落下と左右の転倒の履歴を認識することができる。
そして、図6(a)の状態から2回の落下だけがあった場合は、図7の表中(i)欄に示すように、第1ICタグ610と第2ICタグ620だけが通信可となり、図6(a)の状態から左右の転倒だけがあった場合は、図7の表中(j)に示すように第2ICタグ620、第3ICタグ630、第4ICタグ640だけが通信可となる。
以上のように、本例によれば、第1回、第2回の落下、左右の転倒の履歴をリーダライタでICタグ610、620、630、640の通信状態を判別することにより認識することができる。このような認識は衝撃検知装置100が目視できない状態であってもリーダライタで衝撃検知装置100を読み取ることでできる他、リーダライタの読取範囲にある複数の衝撃検知装置100について同時に落下転倒の履歴を認識することができる。更に、専用のリーダライタを使用することにより落下転倒の履歴を効率よく管理することができる。
尚、前記例では、ICタグ610、620、630、640は、錘510,520,530の初期位置及び錘510の第1回落下の保持位置に配置したが、ICタグの配置個所はこれらの個所に限らず、転倒落下時における各錘の保持位置に設ける他、任意の個所に設けることができる。
また、前記例では、前記ICタグを後ケース200の裏面等に配置するようにしたが、ICタグは後ケース200の底板210に対して起立した状態で後ケース200の貼り付け又は保持させることができる。このような場合、ICタグは、錘の外周の一部に沿ってICチップを錘が近接するようにして略U字状に折り曲げて配置する他、後ケース200の側壁に沿ってタグを折り曲げず且つICチップに錘が近接するような位置に貼り付けるようにする。ICタグはこのような配置状態で錘の初期位置や検知位置の何れにも配置できる。尚、ICタグを転倒検知用の錘520,530の初期位置に設ける場合は、落下検知用の板状部材310,320が検知・非検知に影響を及ぼさないようにタグを配置することが好ましい。例えば錘の初期位置や検知位置のスペースがICタグの幅よりも狭いとき、貼り付けることが難しくなるが、このような構成にすれば、ケース面における錘の初期位置や検知位置のスペースが狭くてもICタグを配置でき、錘の検知・非検知状態を認識することができる。
次に実施例に係る梱包装置について説明する。図8は衝撃検知装置を備えた梱包装置を示す模式図であり、(a)は梱包装置を示す斜視図、(b)は梱包装置への衝撃検知装置の取り付け状態を示す断面図である。本例に係る梱包装置700は、段ボール箱710の側面部720に衝撃検知装置100を配置している。衝撃検知装置100は、段ボール箱710の側面部720に開設した開口部730に嵌め込んで物品垂直面に水平に固定することができる。
段ボール箱710の側面部720に衝撃検知装置100を嵌め込むには、図8(b)に示すように衝撃検知装置100の後ケース200にフランジ部240を形成しておく他、前ケース400の張出部480と、下部突出部490を形成しておくことが好ましい。衝撃検知装置100下側を、フランジ部240と下部突出部490とで開口部730の下縁部を挟み込むように開口部730に差し込み、張出部480を側面部720の表面に密着させるようにする。その後、衝撃検知装置100を覆うようにシール部材740を貼付しておけば、衝撃検知装置100は梱包装置700に確実に取り付けられる他、段ボール箱710に衝撃を加えてしまったとき、衝撃検知装置100を取り外し、錘を初期状態に戻してしまう(改ざん)ことを防止できる。このとき、シール部材740の粘着面は、ラベルを剥がす際に貼り付け面の糊の一部が転移してケースに付着するような材質とすることが好ましく、こうすることで、改ざんのために開封したか否かを確認できるようになる。
尚、上記梱包装置700では、衝撃検知装置100を段ボール箱710の表側に嵌め込んで配置したが、衝撃検知装置100は段ボール箱710の外部に露出させず内部に配置することができる。このようにすれば衝撃検知装置100を外部から視認できなくとも、リーダライタで落下転倒履歴を認識することができる。
次に第2の実施例に係る衝撃検知装置について説明する。図9は第2の実施例に係る衝撃検知装置を示す模式図、図10は第2の実施例及びその変形例を示す断面図である。本例に係る衝撃検知装置800は、一方向の衝撃を検知するものである。衝撃検知装置800は、後ケース811と前ケース812とで構成されたケース810内に錘840を一方向に移動可能に配置している。また、ケース810内には前記錘を初期位置850に保持する保持部材820,830を備える。保持部材820,830は、弾性部材で構成され初期位置850に錘840を保持すると共に衝撃により錘840に力が加わったとき錘840に押されて拡開し錘840の検知位置860への移動を許容する。また、保持部材820,830は検知位置860から初期位置850への錘の移動を阻止する。尚、後ケース811及び前ケース812には、錘840の移動を円滑にするレール部871,872,881,882が形成されている。
そして、本例では、ケース810の初期位置850側には、前述したICタグ600が配置されており、このICタグ600は錘840が初期位置にあるときはリーダライタとの通信ができず、錘840が検知位置860に移動したときリーダライタとの通信が可能となる。
前記ICタグ600は、図10(a)に示すように、前ケース812の内側であって錘840の移動の邪魔にならないよう前記2つのレール部872,882に挟まれた位置に配置される。尚、ICタグ600は、前記前ケース812の内側の他、後ケース811の内側に配置することができる。また、図10(b)に示すように、前ケース812の外側、図10(c)に示すように後ケース811の外側に設けることができる。各ケース811,812の外側に設ける例ではICタグ600がレール部872,882、871,881の間隔寸法より大きくても錘の移動を妨げることがない。
本例によれば、衝撃検知装置800の錘の位置をリーダライタによりICタグ600を検出することにより衝撃検知の履歴を認識することができる。尚、衝撃検知装置の構成として、従来例で示した2方向に錘が移動できる形式のものを採用することができる。
次にICタグの変形例について説明する。図11及び図12はICタグのアンテナの変形例を示す模式図である。ICタグのアンテナは上述のように使用する電波の周波数に最適化する必要がある。例えば前記例で示した952MHZを使用する場合には、アンテナの長さとして例えば7.8cmが適当である。しかしアンテナを配置できる領域に制限がある場合、アンテナを変形させることができる。図11に示す例では、ICタグ650では、アンテナ602,603を基部602a、602aと延設部602c,603c(破線で示した)とからなる直線状とせず、基部602a、603aと屈曲部602b,603bを備えて構成した。同様に、図12に示したICタグ660では、アンテナ602,603を全体略M字形状とした。これらのICタグ650,660ではアンテナ602,603の形状を変形した他、錘500が覆う領域に、島領域611,612を形成して、錘500が近接することによりリアクタンスが大きく変化するようにし、錘の近接によるICタグ650,660の通信断が確実に行われるものとすることができる。
図13及び図14は変形例に係るICタグを使用した衝撃検知装置を示す平面図である。図13に示す例では、前記ICタグ660を第1の実施例に係る衝撃検知装置100に適用したものである。また、図14に示す例では、第1の実施例に係る衝撃検知装置100に配置したICタグ670は、ICチップ671からのアンテナ672を衝撃検知装置100の右側錘案内レール263,264及び左側錘案内レール265,266の間に配置し、他方側のアンテナ673を右側錘案内レール263及び左側錘案内レール265の側方に延設し、ICタグ670を後ケース200の表側に配置しても錘520,530の移動の妨げにならないようしている。
次に第3の実施例に係る衝撃検知装置について説明する。本例に係る衝撃検知装置900は錘として1つの金属球を使用し、この錘の移動で3方向の衝撃を検出するものである。図15は第3の実施例に係る衝撃検知装置の衝撃センサを示す斜視図、図16は衝撃センサを示すものであり、(a)は平面図、(b)は側面図である。本例に係る衝撃検知装置900はケース内に3方向の衝撃を検知する衝撃センサ910を備える。以下衝撃センサ910について説明する。本例に係る衝撃センサ910は錘901と、この錘901を所定方向に離脱可能に保持する保持部材902とで構成されている。
保持部材902は、1本の線材を以下のように折曲加工して形成されている。保持部材902は、図16(a)に示すように、錘901の輪郭部に略沿い、先端部902fで接続された湾曲部902a,902eで構成される第1接触部902A、先端部902jで接続された湾曲部902b,902iからなる第2接触部902Bを備えている。前記先端部902f,902jは、略U字状に形成されており、この先端部902f,902jは、錘901の中心Oに対して対称(θ1=θ2)の位置となるよう形成される。
更に、第1接触部902A、第2接触部902Bをなす線材のうち錘901の中心から−X側で錘901の周囲に巻きつけられている湾曲部902e,902iの端部には折曲部902c,902dが屈曲形成されている。そして、この折曲部902c,902dの先端には、ケースに取り付けられる取付部902g,902hが設けられている。
また、湾曲部902aと湾曲部902bとは連続して形成されており、それぞれの先端部902f,902jで折り返された湾曲部902e,902iの先端が、錘901の中心Oを通る半径の延長方向で合流し、その後、折曲部902c,902d、取付部902g,902hと連続して形成されている。ここで、図16に示すように、第1接触部902A及び第2接触部902Bがなす円の直径βは、錘901の径αよりやや小さいものとして、第1接触部902A、第2接触部902Bで錘901をY方向、−Y方向、−Z方向に保持し、Z方向、−X方向、X方向に離脱可能に保持する。
即ち、Z方向についてみると、錘901は、保持部材902の第1接触部902A及び第2接触部902Bで挟持されて保持されている。錘901がZ方向に移動すると、錘901は第1接触部902A及び第2接触部902Bを拡開するよう変形させ、先端部902f,902jの間隙から離脱可能である。このとき錘901は、角度θ3が大きくなるように第1接触部902A及び第2接触部902Bが広げながらZ方向に移動する。このため、θ3の値を大きくすれば(ただし180°よりも小)、錘901は、Z方向へ離脱しやすくなり、逆にθ3の値を小さくすれば離脱しにくくなる。尚、θ3の設定にあたっては、目標とする衝撃量に対して、保持部材902の許容応力と錘901の引き抜き力を考慮して決定される。尚、−Z方向に対して錘は移動しない。
更に、±X方向についてみると、錘901は、保持部材2の第1接触部902A及び第2接触部902Bで挟持されて保持されている。そして、錘がX方向及び−Xに移動すると、第1接触部902A及び第2接触部902Bを拡開するように変形させなければならない。このとき錘901の離脱のしやすさ、即ち第1接触部902A及び第2接触部902Bの変形のしやすさは、素材を同一とすれば、第1接触部902A及び第2接触部902Bの形状による。例えば第1接触部902Aの湾曲部902a,902e、第2接触部902Bの湾曲部902b,902jの間隔寸法(同L1+L2)を狭めると、第1接触部902A及び第2接触部902Bで構成される円の直径βと錘901の直径αとの差は小さくなり、第1接触部902A及び第2接触部902Bは変形しやすくなり錘901は離脱しやすくなる。
逆に接触部902Aの湾曲部902a,902e、第2接触部902Bの湾曲部902b,902jの間隔寸法(同L1+L2)を広げると、第1接触部902A及び第2接触部902Bで構成される円の直径βと錘901の直径αとの差が大きくなり、第1接触部902A及び第2接触部902Bは変形しにくくなり錘901は±X方向に離脱しにくくなる。尚、巻きつけ位置は、目的とする衝撃量に対して、保持部材902の許容応力と錘901の引き抜き力を考慮して決定される。尚、巻きつけ位置は、狙いとする衝撃量に対して、保持部材902の許容応力と錘901の引き抜き力を考慮して決定される。以上のように、錘901を各方向において所望の衝撃量で検知するには、保持部材902の形状を設定すればよい。
尚、この実施例では、保持部材902は、線細工ばねとして、ばね線材を折り曲げて形成したが、湾曲部902aと湾曲部902eとの間又は湾曲部902bと湾曲部902iに相当する個所を平面状の板ばねを用いて形成してもよい。
次に前記衝撃センサ910を使用した衝撃検知装置920について説明する。図17は第3の実施例に係る衝撃検知装置を示すX−Z平面に沿う断面模式図、図18は第3の実施例に係る衝撃検知装置を示すY−Z平面に沿う断面模式図である。衝撃検知装置920は、梱包箱の側面に図17の‐Y側が表面となるように取り付けられる。
衝撃検知装置920のケース930内には、衝撃センサ910が配置されている。またケース930には、移動後の錘901を保持する保持部921,922,923が形成され、この保持部921,922,923には、それぞれ第1ICタグ1010,第2ICタグ1020で,第3ICタグ1030が配置されるほか、錘901を視認するための開口が形成されている。本例では保持部921に配置されたに錘901が第1ICタグ1010で確認できればX方向に衝撃が加わったことが、保持部922の第2ICタグ1020で錘901が確認できれば−X方向に衝撃が加わったことが、保持部923で第3ICタグ1030により錘901が確認できればZ方向に衝撃が加わったことが認識される。また、本例では一方(Y方向)からの観察ですべて保持部921,922,923が視認できるよう、保持部921,922,923は、1つの−Y側面に配置され開口が設けられている。
また、ケース930には、衝撃センサ910の錘901を前記保持部921に導く案内部931、保持部922に導く案内部932、保持部923に導く案内部933が形成されている。
ここで、Z方向へ移動した後の錘901は、保持部材902の先端部902fと錘901の外周とが接しており、元の位置(−Z方向)に戻らない構成となっている。一方、±X方向へ移動した後の錘901は、元の位置に戻ることを規制する図示しない規制部がケース930に形成されている。
また、ケース930は、上部ケース935と下部ケース936とを嵌合して形成されており、上部ケース935と下部ケース936の間には、保持部材902の取付部902g,902hが嵌合され固定される固定部915が形成されている。尚、図中上部ケース935と下部ケース936の分割線937を二点鎖線で示している。固定部915に前記取付部902g,902hを固定することにより、この固定個所がばね作用の受け点となる。本例に係る衝撃検知装置920は、受け点から先端部902f,902jにかけての湾曲部902a,902e、902b,902jのばね応力だけで錘901を保持できるので、湾曲部の形状等を調整するだけで、検知する衝撃の大きさを設定することができ、信頼性の高い検知性能を提供することができる。
本例に係る衝撃検知装置900によれば、リーダライタでICタグ1010,1020,1030の状態を確認することにより3方向の衝撃履歴を検知することができる。尚、前記例では錘を1つ使用した衝撃検知装置について説明したが、錘を2つ用いることにより6方向の衝撃履歴を検知するものとできる。
100 衝撃検知装置
200 後ケース
210 底板
220 立設縁部
221,222,223、224,225,226 突起部
227 水平部
231 鉛直移動経路
232 右側移動経路
233 左側移動経路
234 右側錘保持部
235 左側錘保持部
236,237,239 リブ部材
238 下側錘保持部
240 フランジ部
241 右側第1支持部
242 左側第1支持部
251 右側第2支持部
252 左側第2支持部
261,262 垂直方向錘案内レール
263,264 右側錘案内レール
265,266 左側錘案内レール
267,268 円弧部材
291 停止板
292,293 錘支持部材
294,295 位置規制部材
310 右側板状部材
320 左側板状部材
311,321 第1保持部材
312,322 第2保持部材
313,323 折返部
400 前ケース
410 板部材
420 突起部
431 第1表示窓
432 第2表示窓
433 第3表示窓
451,452 垂直錘案内レール
453 右側錘案内レール
454 左側錘案内レール
455,456、457,458 逆戻防止突起
461,462 押部材
471,472 固定用ビス穴
480 張出部
481,482 挿入穴
490 下部突出部
491,492 穴部
493,494,495,496 凹部
500 錘
510 第1錘
520 第2錘
530 第3錘
600 ICタグ(発信手段)
601 ICチップ(回路部)
602,603 アンテナ
602a、602a 基部
602b,603b 屈曲部
605,606 ラミネートフィルム
610 第1ICタグ(発信手段)
611,612 島領域
620 第2ICタグ(発信手段)
630 第3ICタグ(発信手段)
640 第4ICタグ(発信手段)
650 ICタグ(発信手段)
660 ICタグ(発信手段)
650,660 ICタグ(発信手段)
670 ICタグ(発信手段)
671 ICチップ(回路部)
672 アンテナ
673 アンテナ
700 梱包装置
710 段ボール箱
720 側面部
730 開口部
740 シール部材
800 衝撃検知装置
810 ケース
811 後ケース
812 前ケース
820,830 保持部材
840 錘
850 初期位置
860 検知位置
871,872,881,882 レール部
900 衝撃検知装置
901 錘
902 保持部材
910 衝撃センサ
915 固定部
920 衝撃検知装置
921,922,923 保持部
930 ケース
931 案内部
932 案内部
933 案内部
935 上部ケース
936 下部ケース
937 分割線
1010 第1ICタグ(発信手段)
1020 第2ICタグ(発信手段)
1030 第3ICタグ(発信手段)
特開2001−108703号公報
日本化工機材株式会社カタログ「ドロップサイン」

Claims (6)

  1. ケース内に配置され、該ケースに付与された衝撃の付与方向とは逆の方向に沿って移動する錘と、
    前記ケース内に配置され前記錘を初期状態及び移動後において保持する保持手段と、
    前記ケースに配置され、読取書込手段からの電磁波を受け前記読取書込手段と信号の授受を行い、近接して配置された錘によって前記読取書込手段からの電磁波を受信できない状態となって前記錘の近接状態が検出可能な発信手段と、
    を備えることを特徴とする衝撃検知装置。
  2. 前記発信手段はフィルムシート型RFIDタグであり、錘の初期位置又は移動後の位置に保持された錘で前記フィルムシート型RFIDタグの電波受信が阻害される位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の衝撃検知装置。
  3. 前記発信手段は、前記保持された錘が前記発信手段の回路部に隣接する位置、又は前記ケースを間に介した位置に配置されることを特徴とする特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衝撃検知装置。
  4. 前記錘は前記ケースの落下により移動することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の衝撃検知装置。
  5. 前記錘は前記ケースの転倒により移動することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の衝撃検知装置。
  6. 被梱包物を梱包する梱包材の少なくとも一の面に、請求項1乃至5の何れか記載の衝撃検知装置を備えてなることを特徴とする梱包装置。
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