JP2007163249A - 移動物体の検知方法および検知システム - Google Patents

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Abstract


【課題】 ICタグ等の送信機から発生する電界強度の測定に基づいて物体の移動を検知することのできる、実装コストを抑えた、移動物体の検知方法および検知システムを提供する。
【解決手段】 検知対象空間に配置された複数の送信機から発生する電界強度を測定し、該電界強度と検知対象空間における物体の移動がない状態での電界強度の平均値との差を求め、該差が検知対象空間における物体の移動がない状態での電界強度の標準偏差に基づく閾値以上である場合に物体の移動を検知する。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、ICタグ等の送信機から発生する電界強度を測定することによって物体の移動を検知する移動物体の検知方法および検知システムに関するものである。
近年、位置に基づく通信による情報サービスを実現するため、RFID(Radio Frequency Identification)等の電波や光による近距離無線通信技術を利用したアプリケーションの研究開発が盛んに行われている(たとえば非特許文献1参照)。
このアプリケーションの一つとして、カードサイズの通信端末を利用した情報通信サービスが知られている(たとえば非特許文献2参照)。
この通信端末には、赤外線による空間光通信システムとアクティブ型無線ICタグシステムが搭載されている。前者は、音声情報をバッテリレスで取得することを実現している。後者は、ボタン電池駆動の電波源であり、展示会場などにおける人流解析を実現している。
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ところで、物品や人体といった物体の移動を把握するためにICタグを利用する場合、ICタグから発生する電波の周波数が30MHzを越えると、室内測定では周辺散乱の影響が無視出来なくなり(非特許文献3参照)、単純な遠方界に基づく方法論による波源の位置推定が困難になる。
すなわち、現在使用されることが多い300MHz程度の周波数帯を念頭に置いて、密閉空間における位置情報をICタグシステム単独で把握するためには、受信機で測定される電界強度や位相から波源を推定する一種の逆問題を解くことになる(非特許文献4参照)。
しかし、これを解く事は非常に困難であり、マクスウェルの方程式を周囲の構造物を考慮した境界条件のもとに解く過程が導入されると、リアルタイムでの位置情報の算出はほぼ不可能であると考えられる。
このため、情報サービスを提供する需要が大きいと考えられるイベントホールやデパートなどの屋内施設では、ICタグシステム単独での位置情報のリアルタイムでの把握は、位置精度に比例した数の受信アンテナを多数配置し、その受信領域へのICタグを付帯した移動物体の入退出を検知して推定するなど、検知環境の実装コストが大きく増大することになっていた。
たとえば、主にセキュリティーサービスにおいて、移動物体が存在すべきでないエリア、時間帯における空間擾乱の監視を行いたい場合には、物体の移動の把握というよりはむしろ、移動する物体が存在するか否かを判断することが重要となる。この目的のために、上記のような受信機を多数配置する方法は、実装コストが大きいばかりか、そもそも移動物体にICタグを付帯させることが不可能である場合もある。具体的には、閉店後の会社、デパート、金庫室、保管庫、軍事関連武器保管庫、留守中あるいは深夜の民家における侵入者の検知などである。
そこで、以上のとおりの事情に鑑み、本願発明は、ICタグ等の送信機から発生する電界強度の測定に基づいて物体の移動を検知することのできる、実装コストを抑えた、移動物体の検知方法および検知システムを提供することを課題としている。
本願発明の移動物体の検知方法は、上記の課題を解決するものとして、第1には、検知対象空間に配置された複数の送信機から発生する電界強度を測定し、該電界強度と検知対象空間における物体の移動がない状態での電界強度の平均値との差を求め、該差が検知対象空間における物体の移動がない状態での電界強度の標準偏差に基づく閾値以上である場合に物体の移動を検知することを特徴とする。
また、本願発明の移動物体の検知システムは、検知対象空間に配置された複数の送信機から発生する電界強度を測定する手段と、該電界強度と検知対象空間における物体の移動がない状態での電界強度の平均値との差を求め、該差が検知対象空間における物体の移動がない状態での電界強度の標準偏差に基づく閾値以上である場合に物体の移動を検知する手段とを備えたことを特徴とする。
上記第1および第2の本願発明によれば、電波を媒体として信号を発信するアクティブ型無線ICタグ等の送信機を、検知すべき移動物体には付帯させずに、検知対象空間にて予め固定して配置し、各信号機が発生する電界強度を検知対象空間に別途固定配置した1個または比較的少数のタグリーダ等の受信機により測定して、それら電界強度データをコンピュータにより集中管理するなどして、物体の移動が無い場合の一定期間内の電界強度の平均値と標準偏差を逐次算出しておき、物体が移動した時の電界強度の変化を観測し、平均値から標準偏差に基づく閾値以上の逸脱に着目することで、実装コストを抑えた、物体の移動検知を実現することができる。
これにより、室内や廊下のような、多重反射や干渉が原因で遠方界に基づく電界強度の数式が無効となって送信機位置の推定が不可能な環境下においても、間隔を空けて配置した複数の発信機が発生する電界強度の平均値と標準偏差をモニタリングするだけで、物体移動検知が実現される。すなわち、いかなる障害物が存在する密閉空間においても、受信機により電界強度が常時測定できる場所に発信機を配置することによって、物体の移動を検知することが可能になる。
本願発明は、位置に基づく情報サービスはもちろんのこと、セキュリティーサービスの分野においても多岐にわたる応用が考えられ、移動物体が存在すべきでないエリア、時間帯における空間擾乱の監視に係るサービスすべてに有効である。具体的には、閉店後の会社、デパート、金庫室、保管庫、軍事関連武器保管庫、留守中あるいは深夜の民家における侵入者の検知、原子力施設等の配管のずれ、地下通路、トンネルの異常検知などを安価に実現することが可能である。
ここでは、まず、複数の送信機を等間隔で固定配置し、物体の移動がある場合の電界強度の時間変化が物体の移動が、無い場合の電界強度の時間変化に比べて十分識別できるほど大きなものであることを説明する。
周辺散乱が無視できる状態では、アクティブ型無線ICタグ等の送信機とタグリーダ等の受信機との間の距離が波長に比べて十分に大きい場合、受信機で測定される電界強度は、遠方界に基づく以下の式で与えられる(安達三郎, 「電磁波工学」, コロナ社, p.39, 1983参照)。
Figure 2007163249
ここに、Eは電界強度、Rは送信機と受信機の間の距離、Cは送信電力および受信効率に関する定数である。
周辺散乱が無視できない状態では、数1に相当する電界強度と距離の関係式を求めるためには、マクスウェルの方程式を、周囲の構造物を考慮に入れた境界条件のもとに解く必要がある。
しかしながら、波源が移動する場合にはこのような関係式は時間に依存して変化するため、逐次マクスウェルの方程式を解いて、測定電界との比較を行い、波源の位置を推定してゆく方法も考えられるが、構造対象性のない閉鎖空間でこうした問題をリアルタイムで解くには、現在の一般的な計算機の性能では非常に困難である。
そこで、本願発明では、マクスウェルの方程式を逐次解くことなく物体の移動を検知するべく、物体の移動が無い状態における電界強度の平均値と標準偏差をモニターし、物体を移動させた時の電界強度の変化を観測し、標準偏差に基づく閾値以上の逸脱に着目することによって、物体の移動を検知する。
周辺散乱が大きな環境下において送信機n(=1, ... , N)を間隔を空けて複数個配置し、受信機にてそれぞれの電界強度を測定し続ける。送信機から供給されるエネルギーが定常的であるとすると、それぞれの受信機で測定される電界強度の時系列データは、物体の移動などの外乱がない限り、直近の過去m個の時系列データの平均値Eaverageから大きく逸脱せず、Eaverageを中心とした正規分布に類似した分布をなす。ここに正規分布
とは全データの99.7%が平均値±3標準偏差の範囲内に含まれるような分布であり、例えば、標準偏差の10倍をΔE(=閾値)とすると、受信機で測定される送信機nの電界強度Eはほぼ100%以下の範囲内に含まれる。
Figure 2007163249
なお、直近の過去m個の時系列データとは、物体の移動状態から静止状態になった時点から電界強度がほぼ一定値になるまでの時間より十分長い期間にわたって取得されるデータ数である。人体が歩いて移動する場合には、数秒間程度で界がほぼ一定値におさまるので、たとえば受信機の信号発生頻度を0.05秒とすればmは100個程度(5秒に相当)となる。
また、「標準偏差」とは、平均値Eaverageと各測定値の差を二乗し、それを平均した値の平方根として求められる値である。
このような環境下で物体が移動すると、その物体が送信機の電波の波長サイズに比べて大きな場合には、電界強度に影響を与え、基準となる値Eaverageから大きく逸脱する。この逸脱の度合いを利用して、物体の移動の検知を行う。すなわち、測定値Eと平均値Eaverageとの差を求め、この差が例えば標準偏差の10倍ΔEよりも大きいならば(つまり数2の不等式を満たさない)、物体が移動したと判断する。
なお、上記説明では標準偏差の10倍を閾値ΔEとしているが、特に10倍に限定されるわけではなく、検知対象空間の形状や大きさ、送受信機の種類や配置関係などの実際の環境に合わせて、十分な検知精度を実現できるように適宜設定すればよい。
以上の検知手法について、図1〜図4に例示した具体的な実施形態に基づいてさらに説明する。
まず、図1に例示したように三角形状の平面領域内にて送信機1〜52を等間隔で固定配置し、且つ送信機1〜52を囲むように三角領域の各頂点に受信機1〜3を固定配置した状態で、送信機1〜52が発生する電界強度を受信機1〜3により測定し続ける。
このとき、ある障害物が、図1に例示したように三角形状領域の北側(送信機1,2を結ぶラインと送信機3,4,5を結ぶラインの間)を横切ったとする。
かかる場合における、受信機1により測定される送信機n(=1,2)の電界強度は、障害物が横切っても電波が遮られることはないため、標準偏差に基づく値ΔEn,1程度の変化より小さな範囲内におさまっている。これに対し、受信機1により測定される送信機n(=3,4,5,...,52)の電界強度は、障害物が横切ると電波が遮られるため、ΔEn,1程度の変化から逸脱した電界強度を示す。具体的には、送信機4の電界強度E4,1、送信機12の電界強度E12,1、送信機24の電界強度E24,1は、図2に例示したように、障害物の横切りが無い状態では、ゆらぎ程度の変化のみで、上記数2の関係を保っているが、障害物が横切った時点では、ゆらぎ以上に電界強度が変化して、それぞれの標準偏差ΔE4,1,ΔE12,1,ΔE24,1から大きく外れた値となる。これは、障害物によって受信機1に届くはずの
電波が遮られ、電界強度の測定値に急峻な減少が生じたためである。
一方、受信機2により測定される送信機n(=1,2)の電界強度En,2もまた同様にΔEn,2以上の変化を示すが、送信機n(=3,4,5,...,52)の電界強度En,2については、障害物が送・受信機間の電波を遮蔽しないので、ΔEn,2以上の変化を示さない。受信機3についても同様である。
これら複数の受信機1〜3によって取得される送信機n(=1,2,...,52)の電界強度の時系列データを、ネットワークおよびコンピュータ等を通じて処理することによって、障害物により死角となる送信機を特定し、障害物がどこを移動したか、あるいはしているかを把握することが可能となる。
次に、ある障害物が、図3に例示したように平面領域内における送信機6,7,8,9を結ぶライン上の中央の地点に落ちてきたとする。
かかる場合の受信機1により測定される送信機n(= 1〜52)の電界強度は、障害物によって電波が遮られることがない場合は、標準偏差に基づく値ΔEn,1程度の変化より小さな範囲内におさまり、障害物によって電波が遮られる場合は、ΔEn,1程度の変化から逸脱した電界強度を示す。具体的には、各電界強度E4,1,E12,1,E24,1は、図4に例示したように、障害物の落下落下が無い状態では、ゆらぎ程度の変化のみで、上記数2の関係を保っているが、障害物が落下した時点で電波の一部が遮られて、それ以降標準偏差ΔE4,1,ΔE12,1,ΔE24,1から大きく外れた値を示す。時間が経過すると新たな定常値を示し、ゆらぎは再び標準偏差程度となる。
一方、受信機2では障害物によって電波が遮られる送信機(例えばn=5)の電界強度E5,2のみがΔE5,2を逸脱して低下し、受信機3では電波が遮られる送信機(例えばn=3)の電界強度E3,3のみがΔE3,3を逸脱して低下する。
これらの受信機1〜3で取得される電界強度の時系列データをネットワーク等を通じて総合的に処理することによって、障害物により死角となる送信機を特定し、物体がいつの時点、どこの地点に落下してきたかを推定することが可能となる。
[1.電界強度測定実験]
ここで、実際に電界強度を測定した実験について説明する。
本実験で用いた機器は、
受信機:タグリーダ LAS300R(株式会社キュービックアイディ製)
送信機:アクティブRFIDタグLA300T1(株式会社キュービックアイディ製)
である。
測定結果の解析には、LabVIEW(ナショナルインスツルメンツ製)で作成した解析プログラムを用い、これをコンピュータにインストールし、該コンピュータに入力させたタグリーダからの測定値に対して解析処理を実行した。
タグの電波の周波数は315MHz、波長は約1mであり、実験環境は周辺散乱の無視できない周波数領域になる(上記非特許文献3参照)。
なお、本願発明の検知システムを構築する上では、たとえば、電界強度の測定手段、および移動検知手段として、送信機に対応したタグリーダ等の受信機、および解析プログラムやこれをインストールしたコンピュータなどの装置を採用でき、この場合解析プログラムは、電界強度の平均値および標準偏差の解析だけでなく、そのモニタリングおよび閾値判断をも行う検知プログラムとしても機能する。
[2.電界強度の送・受信機間の距離依存性]
まず、上記数1で表される遠方解が屋内で有効であるかどうかを調べるために、タグリーダを1台設置し、そこから距離rだけ離れた場所にタグを1個配置して、電界強度の測定を行った。
図5は、人の往来のない廊下(幅2.4m、高さ2.7m)にてタグリーダによって測定されるタグの電界強度の距離依存性を示している。ここに、横軸はタグ/リーダ間の距離r[m]、縦軸は電界強度E[Arbitrary Unit]を示している。この図5からわかるように、電界強度の距離依存性は数1のようにはなっておらず、周囲の影響が無視できないことが確認できる。
[3.電界強度平均値の標準偏差からの逸脱を利用した移動物体の検知]
続いて、以下のとおりの移動物体検知について説明する。
[3.1 物体の移動がない場合(=定常状態)]
まず、図6(a)に示すように、リーダを1台設置し、3個のタグA5,A6,A7をタグリーダから順に4m間隔で配置して、物体の移動がない状況下での電界強度測定を行った。タグリーダ、タグ、解析(検知)プログラムは上述したものと同じである。
図6(b)は、電界強度の時間変化を示したものである。ここに、横軸は時間[秒]、縦軸は電界強度Eであり、下から順番にタグA5,A6,A7の任意単位[Arbitrary
Unit]の電界強度を示している。このときのタグA5,A6,A7の電界強度の平均値および標準偏差を表1に示す。
Figure 2007163249
この表1からわかるように、周辺散乱が無視できない環境下において、物体の移動が無い定常状態では、電界強度の時間的な変化は標準偏差が0.5%以下である。この傾向はタグ/リーダ間(送/受信機間)の距離に依存していない。
[3.2 物体の移動がある場合]
上記の事実をベースとして、移動物体の検知を考える。
図7(a)に示すように、タグリーダを1台設置し、3個のタグA5,A6,A7をタグリーダから順に6m間隔で配置して、タグの電波波長1mと同程度の大きさの物体が、20秒間隔で、以下の経路を数秒で直線的に移動する。タグリーダ、タグ、解析(検知)プログラムは上述したものと同じである。
(タグリーダの後方)→(タグリーダ/A5間)→(A5/A6間)→(A6/A7間)→(A7の前方)→(A7/A6間)→(A6/A5間)→(A5/タグリーダ間)→(タグリーダの後方)。
図7(b)は、電界強度の時間変化を示したものである。ここに、横軸は時間[秒]、縦軸は電界強度Eであり、下から順番にタグA5,A6,A7の任意単位[Arbitrary
Unit]の電界強度を示している。この図7(b)からわかるように、物体の移動が起こる20秒間隔で、電界強度の変化が定常時の平均値Eaverageから標準偏差の10倍であるΔE以上逸脱している。
より詳しく分析すると、図7(b)において、20秒の時点で、物体が移動を開始し、タグリーダ上を通過して、タグリーダとタグA5の間で静止する。このとき、電界強度の平均値Eaverageが、タグA5,A6,A7ともに、定常時の標準偏差の10倍であるΔE以上も低下している。これは、物体がタグA5,A6,A7からの電波を遮ることによる低下である。
40秒の時点では、物体がタグA5を通過して、タグA5とタグA6の間で静止する。このとき、タグA5の電界強度の平均値Eaverageが標準偏差の10倍であるΔE以上も上昇し、タグA6, A7はそれほど変化が無い。これは、物体がタグリーダとタグA5との間の電波を遮蔽しなくなったことを示している。
60秒の時点では、物体がタグA6を通過して、タグA6とタグA7の間で静止する。このとき、タグA6の電界強度の平均値Eaverageが標準偏差の10倍であるΔE以上も上昇している。これは、物体がタグリーダとタグA6との間の電波を遮蔽しなくなったことを示している。
80秒の時点では、物体がタグA7を通過して、タグA7の前方で静止する。このとき、タグA7の電界強度の平均値Eaverageが標準偏差の10倍であるΔEの以上も上昇している。これは、物体がタグリーダとタグA6との間の電波を遮蔽しなくなったことを示している。
100秒の時点では、物体がタグA7の前方から引き返してきて、タグA6とタグA7の間で静止する。このとき、タグA7の電界強度の平均値Eaverageが標準偏差の10倍であるΔE以上も低下している。これは、物体がタグリーダとタグA7との間の電波を再び遮蔽したことを示している。
同様にして、それ以後20秒おきの物体の移動による電界強度の変化を説明することができる。
以上から明らかなように、物体の移動が無い場合の電界強度の平均値Eaverageと標準偏差ΔE/10をモニターし、平均値EaverageからΔE以上の逸脱に着目することによって、物体の移動の検知が可能である。
この移動検知は、たとえば、閉店後のデパートや金庫室、原子力施設など、無人であることが通常の状態であるような密閉空間における異常事態の検知に有効である。
[ドア開閉の検知]
ここで、異常事態の検知に応用可能かどうかを確かめるべく、部屋のドアの開閉およびその部屋の移動物体の出入りの検知を行った。タグリーダ、タグ、解析(検知)プログラムは上述したものと同じである。
図8(a)および図9に示すように、タグリーダをドア前の廊下に設置し、タグを2m間隔で配置する。実験開始(図中「スタート」)から20秒後にドアを開放し、40秒後に物体が部屋の中から出てタグA7〜A9を通過し、60秒後に再びタグA7〜A9を通過して部屋に入り、80秒後にドアを閉じる。
図8(b)は電界強度の時間変化を示したものであり、上から順番にタグA5〜A9の任意単位[Arbitrary Unit]の電界強度Eを示している。ここに、横軸は時間[秒]、縦軸は電界強度Eである。
この図8(b)からわかるように、物体の移動が起こる20秒おきの時点付近にて、電界強度に大きな変化が起こっている。これらの変化は定常時の電界強度の変化の標準偏差の10倍の値ΔEをはるかに超越しており、物体の移動を検知する方法となり得る。また、20秒から80秒にかけてドアを開放しているが、タグリーダに近いタグA6, A7の電界強度の時間平均値Eaverageがその他のタグに比べて大きく上昇している。これにより、ドアの開閉状態を判定することが可能である。
以上の各実施例から明らかなように、送信機から発生する電界強度を測定することによって物体の移動を検知する本願発明によれば、検知すべき移動物体が送信機を付帯していなくても、その移動と位置を検知できる。
また、遠方界による送信機位置の推定が不可能な環境下において、送信機を等間隔に固定配置し、それぞれの電界強度を測定して一定期間内の平均値と標準偏差を逐次算出しておき、物体を移動させた時の電界強度の変化を観測し、平均値から標準偏差に基づく閾値以上の逸脱に着目することにより、物体の移動を検知することができる。
なお、送信機と受信機との配置関係については、特に限定されず、前述した図1,図3に例示したような配置や上記各実施例における配置など、実際の環境に合わせて適宜設定できることは言うまでもなく、送信機が発生する電解強度を受信機が常時測定できる配置関係とすれば良い。
以上のとおりの本願発明は、位置に基づく情報サービスだけでなく、セキュリティーサービスの分野において多岐にわたる応用が考えられ、移動物体が存在すべきでないエリアや時間帯における空間擾乱の監視に係るサービスすべてに有効である。具体的には、たとえば、閉店後の会社、デパート、金庫室、保管庫、軍事関連武器保管庫、留守中あるいは深夜の民家における侵入者の検知、原子力施設等の配管のずれ、地下通路、トンネルの異常検知などに適用可能であり、それらのサービスシステムを安価に構築することが可能である。
本願発明を説明するための図である。 図1の場合における電界強度の測定例を示した図である。 本願発明を説明するための図である。 図2の場合における電界強度の測定例を示した図である。 (a)(b)は、各々、本願発明の一実施例を示した図である。 (a)(b)は、各々、本願発明の一実施例を示した図である。 (a)(b)は、各々、本願発明の一実施例を示した図である。 (a)(b)は、各々、本願発明の一実施例を示した図である。 本願発明の一実施例を示した図である。

Claims (2)

  1. 検知対象空間に配置された複数の送信機から発生する電界強度を測定し、該電界強度と検知対象空間における物体の移動がない状態での電界強度の平均値との差を求め、該差が検知対象空間における物体の移動がない状態での電界強度の標準偏差に基づく閾値以上である場合に物体の移動を検知することを特徴とする移動物体の検知方法。
  2. 検知対象空間に配置された複数の送信機から発生する電界強度を測定する手段と、
    該電界強度と検知対象空間における物体の移動がない状態での電界強度の平均値との差を求め、該差が検知対象空間における物体の移動がない状態での電界強度の標準偏差に基づく閾値以上である場合に物体の移動を検知する手段とを備えたことを特徴とする移動物体の検知システム。
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