JP2005226351A - 二重床用支柱構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 部品点数の削減を図り組立工数並びに低コスト化を実現し得る二重床用支柱構造を提供する。
【解決手段】 先端部に雌ネジ部11を有し且つ外周面に雄ネジ部12を有した、ベース部6と一体化した脚部7を備えた支柱ベース1と、引掛部25を係合させるパネル載掛部19と、脚部7の雄ネジ部12と螺合して支柱ベース1に対する高さ位置を調整自在とする雌ネジ部35とを有したパネル受け部材2と、引掛部25をパネル載掛部19との間で挟持するパネル押圧部29と、脚部先端の雌ネジ部11と螺合して該パネル押圧部29の高さ位置を調整自在とする固定ボルト30とを有したパネル固定部材3と、脚部7の雄ネジ部12と螺合する雌ネジ部36を有した固定部37と、この固定部37に一体化されたレバー部38とを有し、固定部37をパネル受け部材2に当接させて前記支柱ベース1に対する該パネル受け部材2の高さ位置を固定する固定部材4とを備える。
【選択図】 図5

Description

本発明は、床面との間に床下空間を設けてフロアパネルを敷設してなる二重床フロアシステムに使用される二重床用支柱構造に関し、詳細には、部品点数及び組立工数並びに低コスト化が実現できる支柱構造に関する。
近年、ビルなどの建物におけるフロアー構造は、通信技術などの発達により床下にネットワークケーブルやその他各種ケーブルを配線するために、床面(床下)との間に空間を設けてフロアパネルを所定高さ位置に敷設した二重床構造とされることが多い。この二重床構造とするには、フロアパネルを床面から浮かせて支えるための支柱が必要になる(例えば、特許文献1、2など参照)。
図6から図9は、従来の二重床用支柱構造の一例を示す図である。この二重床用支柱構造は、床面100に載置されるベース部101と、このベース部101の略中央に下端部をかしめて取り付けられた円筒形状の脚部102と、この脚部102の内周面に形成された雌ネジ部103と螺合する雄ネジ部104を有し、当該脚部102に挿入されてその高さ位置を調整自在とするパネル支持ボルト105と、このパネル支持ボルト105の先端にかしめて取り付けられたパネル受け部材106と、このパネル受け部材106の上に載置させたフロアパネル107を当該パネル受け部材106に固定させるためのパネル固定部材108と、パネル受け部材106の高さ位置を固定する固定レバー109とから構成されている。
ベース部101は、略正方形とされた鋼板の表面にメッキを施したプレートとして形成されている。このベース部101には、二重床用支柱構造を床面100に安定して載置すべく底面(載置面)をフラット化するように、下方へ突出する略環状のリブ110を形成している。このベース部101では、脚部102から離れた位置に形成された略環状のリブ110と外周下端部とを床面100に接触させることにより、二重床用支柱構造を支持させている。
脚部102は、円筒形状とされた鋼板の表面にメッキを施した支柱として形成されている。この脚部102は、ベース部101の略中央に形成された孔部111に下端部102aを挿入させ、その下端部102aを当該孔部111の外周縁部にかしめることにより、前記ベース部101に対して立設固定されている。この脚部102の内面には、その軸方向に沿って雌ネジ部103が形成されている。なお、脚部102は、ベース部101に対して溶接によって固定されていてもよい。
パネル支持ボルト105は、前記脚部102に形成された雌ネジ部103と螺合する雄ネジ部104をその外周面に有し、それら雌ネジ部103と雄ネジ部104を螺合させることによって脚部102に対する高さ位置を調整自在としている。また、このパネル支持ボルト105は、パネル受け部材106の下面に形成された取付孔部112に先端部105aを挿入させ、その先端部105aを取付孔部112の外周縁部にかしめることにより、前記パネル受け部材106を固定させている。
パネル受け部材106は、フロアパネル107を載置させるパネル載掛部113を有した円盤形状の本体部114と、この本体部114の中央に上方へ突出する円筒形状の突出部115とから形成されている。このパネル固定部材106は、先のベース部101及び脚部102と同様に鋼板の表面にメッキを施して形成されている。
本体部114の上面には、フロアパネル107の下面に形成された位置決め孔116に挿入係合する高さの低い截頭円形状をなす係合突起部117が形成されている。パネル載掛部113は、係合突起部117を除く本体部114の上面とされ、フロアパネル下面を載置させることにより当該フロアパネル107を載置支持する。なお、このパネル受け部材106には、4枚のフロアパネル107を載置させることから前記係合突起部117を4箇所に形成している。
突出部115には、フロアパネル107の外周縁に形成された引掛部118を係合させる係合突起部119が形成されている。この係合突起部119は、円環状の突起として形成され、先端が下方へ折り曲がったフロアパネル107の引掛部118を係合させる。
パネル固定部材108は、フロアパネル107の引掛部118を前記係合突起部119とで挟持させて当該フロアパネル107を前記パネル受け部材106に固定させるためのパネル押圧部120と、パネル支持ボルト105の先端部に軸芯方向へ向かって形成された穴部の周面に設けられた雌ネジ部121と螺合する雄ネジ部122を外周面に形成した締め付けボルト123とからなる。
パネル押圧部120は、円盤形状をなし、その下端側外周面120aを引掛部118に当接させ、この引掛部118を前記係合突起部119とにより上下方向から挟み込むようになっている。締め付けボルト123は、パネル押圧部120の中心部に貫通して形成された孔部124に挿入され、その雄ネジ部122をパネル支持ボルト105の穴部周面に形成された雌ネジ部121と螺合させることにより、当該パネル支持ボルト105に対して着脱自在とされている。この締め付けボルト123の基端部には、ドライバーによってパネル押圧部120をパネル支持ボルト105の穴部にねじ込むためのネジ回し溝125が形成されている。
固定レバー109は、パネル支持ボルト105の外周面に形成された雄ネジ部104と螺合する雌ネジ部126を有した固定部127と、この固定部127から延在して形成されるスリット128を有したハンドル部129とからなる。この固定レバー109は、ハンドル部129を回して脚部102の上端面に固定部127を圧接させることにより、所定高さに仮位置決めされたパネル受け部材106の高さ位置を確実に固定させ、当該パネル受け部材106を回転不可能な状態とする。
なお、パネル固定部材108及び固定レバー109も同様に鋼板の表面にメッキを施すことによって形成されている。
二重床フロアー構造とするためには、先ず、上記のように構成された二重床用支柱構造を床面100に配置する。そして、フロアパネル107を床面100から所定高さH1となるようにパネル受け部材106を回転させる。パネル受け部材106を回転させることにより、パネル支持ボルト105と脚部102の雌ネジ部103と雄ネジ部104とが螺合して該パネル受け部材106の高さが調整される。
次に、このままでは、パネル受け部材106は、脚部102に対して回転してしまうため、ハンドル部129を回転させて当該パネル受け部材106を回転不可能な状態にロックする。ロックするに当たっては、図10に示すように、金槌130でハンドル部129を変形するまで叩く。これにより、パネル固定部材106は、確実にロックされることになる。
そして、パネル受け部材106が所定高さH1となったところで、フロアパネル107の引掛部118を係合突起部119に係合させると共に、該フロアパネル107の下面に形成された位置決め孔116を前記係合突起部117に挿入させる。すると、フロアパネル107は、パネル受け部材106のパネル載掛部113上に位置決めされて載置される。
次いで、ドライバーなどを用いてパネル固定部材108をパネル支持ボルト105にねじ込み、パネル押圧部120を引掛部118に押し当てる。すると、引掛部118は、係合突起部119とパネル押圧部120とで挟持されるため、前記フロアパネル107は位置ずれを生じることなく固定される。
以上の工程を順次行うことで、床面100との間に床下空間を持たせた二重床フロアーを構築することができる。
特開2000−87537号公報(第3頁および第4頁、第1図、第2図及び第9図) 特開平10−212817号公報(第3頁および第4頁、第1図、第6図及び第9図)
ところで、上述のように構成された二重床用支柱構造では、部品点数が多いため、各部品をかしめたり、溶接したりするなど、組立工数に相当の時間及び費用がかかる。また、各構成部品は、鋼板にメッキを施すことによって形成されるため、コスト増が避けられない。
また、メッキ仕上げをすることによって、ウィスカ(Sn、Znなどの低融点金属めっきから成長する針状の単結晶)の発生や六価クロム含有から避けることは困難となる。さらには、鋼板によって各構成部品を形成しているので、パネル・支柱組立状態の耐荷重性能試験では「全変形量=フロアパネルの変形量+支柱のたわみ量」となるから、支柱のたわみ量が大きい鋼材支柱の場合は全たわみ量が大きくなる傾向にある。
また、この二重床用支柱構造では、パネル受け部材106が緩まないように固定レバー109を使用し、その固定レバー109を金槌130で叩いて一定の締め付けトルクで締め付けるため、レバー締め付け作業時に大きな金属打音が発生し騒音の原因になる。
また、前記二重床用支柱構造では、図9に示すように、支柱軸芯から遠い位置(中心から距離L1)でフロアパネル107を受けているため、スラブによってはパネル間段差が大きくなる傾向にある。また、ベース部101に対して脚部102をかしめることにより固定させているため、ベース部101と脚部102の垂直度を確保することは難しく、脚部102が傾いている場合にはパネル間段差の原因になる。
また、この二重床用支柱構造では、ベース部101の下面に接着剤を塗布して床面100に固定させるが、ベース部101の下面に形成した環状のリブ110による凹部に接着剤が入り込んで当該接着剤の厚みが厚くなることから、本来薄く均一に塗布することにより接着力は高まるが、逆に接着力は弱まる傾向となっている。このため、有効接着面積が減少し、接着力をアップさせるべく接着面積を大きくしなければならなかった。
そこで、本発明は、部品点数の削減を図り組立工数並びに低コスト化を実現し、さらには、耐荷重性能の向上、及びウィスカフリー並びに六価クロムレスを実現し得る二重床用支柱構造を提供することを目的とする。
本発明の二重床用支柱構造は、床面に載置されるベース部と、このベース部に一体化されて立設し、先端部に第1螺合部を有すると共に外周面に第2螺合部を有した脚部と、を有した支柱ベースと、フロアパネルに形成された引掛部を係合させて該フロアパネルを支持するパネル載掛部と、前記脚部の第2螺合部と螺合して前記支柱ベースに対する高さ位置を調整自在とする第3螺合部と、を有したパネル受け部材と、前記引掛部を前記パネル載掛部との間で挟持するパネル押圧部と、前記第1螺合部と螺合して該パネル押圧部の高さ位置を調整自在とする第4螺合部と、を有したパネル固定部材と、前記脚部の第2螺合部と螺合する第5螺合部を有した固定部と、この固定部に一体化されたレバー部とを有し、前記固定部を前記パネル受け部材に当接させて前記支柱ベースに対する該パネル受け部材の高さ位置を固定させる固定部材とを備えたことを特徴とする。
本発明の二重床用支柱構造によれば、ベース部と脚部とを一体化した支柱ベースと、この支柱ベースに対してその高さ位置を調整自在とするパネル受け部材と、所望の高さ位置に設定されたパネル受け部材とでフロアパネルを挟持して固定するパネル固定部材と、その所望高さ位置にあるパネル受け部材の位置を固定する固定部材とからなる僅か4つの構成部品からなるので、大幅に部品点数を削減することができると共に組立工数も減らすことができ、低コスト化を実現できる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
『二重床用支柱構造の構成』
図1は本実施の形態の二重床用支柱構造の正面図、図2は本実施の形態の二重床用支柱構造を示し、(A)は平面図、(B)は底面図、図3は本実施の形態の二重床用支柱構造の縦断面図、図4は本実施の形態の二重床用支柱構造における支柱ベースを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、図5は本実施の形態の二重床用支柱構造でフロアパネルを支持したときの縦断面図である。
本実施の形態の二重床用支柱構造は、図1から図3に示すように、支柱ベース1と、この支柱ベース1に取り付けられるパネル受け部材2と、このパネル受け部材2にフロアパネルを固定させるパネル固定部材3と、支柱ベース1に対するパネル受け部材2の高さ位置を固定する固定部材4とから構成されている。
「支柱ベース」
支柱ベース1は、図3及び図4に示すように、床面5に載置されるベース部6と、このベース部6に一体化されて立設する脚部7とから構成されている。かかる支柱ベース1は、機械的強度の高いアルミダイキャストによって一体的に形成されている。
ベース部6は、図2(B)、図3及び図4(B)で示すように、床面5に対し安定して密着するように、底面6aを略平坦面とした正方形状としている。かかるベース部6の底面6aを平坦面とすれば、接着剤を薄く均一なものとすることができるから床面5に対する接着強度を大幅に向上させることができる。これに対して、鋼板からなる従来のベース部6では、底面6aに環状のリブを形成したことにより接着剤の塗布厚が厚くなって接着強度が低下するため、接着面積を確保すべくベース部6を大きくする必要があった。しかしながら、本実施の形態では、従来の大きさよりも小さなベースサイズで十分な接合強度を確保することができることからコストダウンを実現できる。
また、このベース部6は、機械的強度を高めるべく外周部から脚部7へと向かうに従ってその厚みを次第に厚くしている。さらに、このベース部6の各コーナー部分8は、角部を円弧形状に丸めたR形状としている。このため、フロアパネルを敷設する施工中に誤ってこの二重床用支柱構造を床面(スラブ)5に落下させてしまった場合でも、十分な厚みとコーナー部分8のR形状によって支柱ベース1が破壊するのが防止される。
また、ベース部6には、この二重床用支柱構造を床面5に対して確実に固定させるために、ボルトを挿通させるボルト挿通孔9が形成されている。ボルト挿通孔9は、ベース部6の各コーナー部分8の近傍部に円形孔として貫通形成されている。
脚部7は、図3及び図4に示すように、先端からベース部6へと向かうに従ってその直径を次第に大きくする略円筒形状をなし、該ベース部6に対し垂直に立設されている。この脚部7は、アルミダイキャストによってベース部6と一体的に形成されているので、従来のようなかしめや溶接などによって固定されるものではないから該ベース部6に対する立設角度は一定に保たれる。これにより、本実施の形態の二重床用支柱構造で支持載置させたフロアパネル間に発生する段差を大幅に減少させることができる。
そして、この脚部7には、その先端部にパネル固定部材3を挿入螺合させる孔部10が形成され、その孔部10の内周面に第1螺合部である雌ネジ部11が形成されている。また、この脚部7の先端側外周面には、パネル受け部材2と螺合して前記支柱ベース1に対する該パネル受け部材2の取り付け高さ位置を調整自在とするための第2螺合部である雄ネジ部12が形成されている。この雄ネジ部12の一部には、ネジ山が削り取られて平坦とされた平坦面13が形成されている。この平坦面13は、相対向する位置に2箇所形成されており、後述する固定部材4を回すときに支柱ベース1を工具で押さえる際の工具押さえ部として機能する。
そして、この支柱ベース1には、脚部7からベース部6にかけて補強用のリブ14が複数形成されている。かかるリブ14は、脚部7の略中央高さ位置からベース部6の表面6bへと傾斜する略三角形状の鍔部として当該脚部7を4等分する位置に設けられている。このリブ14を設けたことにより、支柱ベース1の機械的強度を大幅に高めることができる。
このようにアルミダイキャストによってベース部6と脚部7を一体的に形成した支柱ベース1では、例えば耐震入力加速度1Gに耐え得る程度の直径とした脚部7と、次第に厚みを厚く且つ接着強度を確保するのに必要最低限必要な面積を持ったベース部6とから構成されるので、支柱ベース1のたわみ量を従来の鋼板からなる支柱に対して大幅に減少させることができる。例えば、パネル・支柱組立状態での耐荷重性能を約30%向上させることができる。これにより、フロアパネルの板厚の薄板化が可能となり軽量化を実現することができる。
「パネル受け部材」
パネル受け部材2は、図5に示すように、支柱ベース1に螺合してその高さ位置を調整自在としフロアパネル15を床面5から所定高さHに載置支持するもので、フロアパネル15を載置させるフロアパネル載置部16と、このフロアパネル載置部16に一体化され支柱ベース1に螺合される取付螺合部17とからなる。このパネル受け部材2は、支柱ベース1と同様、機械的強度の高いアルミダイキャストによって一体的に形成されている。
フロアパネル載置部16は、図1及び図2に示すように、本体部18と、この本体部18の上面に突出する4箇所のパネル載掛部19と、これら各パネル載掛部19間に呈する前記本体部18の上面であるパネル補助受け部20とからなる。
本体部18は、外周面のうち4箇所を直線とした略円盤体として形成され、上面側にパネル載掛部19を形成し、下面側に取付螺合部17を形成している。
パネル載掛部19は、本体部18の外周面を直線とした4箇所の位置に対応して設けられ、略矩形状をなす突起部として形成されている。また、これら4つのパネル載掛部19は、前記した脚部7をパネル受け部材2の中心に形成した貫通孔21の周囲を取り囲む円環壁部22によって連結一体化されている。このパネル載掛部19は、前記円環壁部22よりも一段高い突起部とされ、平坦面とする上面をフロアパネル15のコーナー部分を載置させるパネル載置面23としている。
このパネル載置面23には、ゴムなどからなる緩衝部材であるクッションラバー24が取り付けられている。クッションラバー24は、フロアパネル15と二重床用支柱構造との間の緩衝材として機能すると共に、金属同士の接触音を防止し且つフロアパネル15上を歩行する歩行時に発生する反響音を緩和させる効果を奏する。また、このクッションラバー24は、亜鉛めっき鋼板からなるフロアパネル15とアルミダイキャストからなるパネル受け部材2との異種金属接触による腐食を防止する。
また、このパネル載掛部19の内側面19aは、フロアパネル15のコーナー部分の形状に応じて円弧形状とされると共に、パネル載置面23から円環壁部22の上面22aへと向かって傾斜する傾斜面とされている。このパネル載掛部19の内側面19aと円環壁部22の上面22aとで形成される空間部に、前記フロアパネル15のコーナー部分に下方へ折曲形成された引掛部25が配置される。この空間部に配置された引掛部25は、パネル載掛部19の段差形状とされた段差部28に係合されることになる。この段差部28は、フロアパネル15の引掛部25を載せ掛ける主たるパネル受け部として機能する。
また、このパネル載掛部19の内側面19aには、フロアパネル15が水平方向において位置ずれを生じないように防止するためのパネル位置ずれ防止突起部26が形成されている。かかるパネル位置ずれ防止突起部26は、パネル載置面23上に設けたクッションラバー24の高さよりも若干突出した高さに形成されており、フロアパネル15の引掛部25との接触により当該フロアパネル15の位置ずれを防止する。
なお、パネル載掛部19の外側面には、パネル載置面23から下方へ向かって前記本体部18との連結部手前の位置まで平面コ字状の縦溝27が形成されている。
パネル補助受け部20は、各パネル載掛部19間に呈する扇形状をなす本体部18の一部として形成されている。このパネル補助受け部20は、フロアパネル15のコーナー下面15aに対して若干の隙間S(図5参照)を持ち、終局荷重付近で該フロアパネル15のコーナー下面15aを支えるようになっている。このように、フロアパネル15を主として段差部28で引っ掛けてパネル載置面23に載置させると共に、パネル補助受け部20でフロアパネル15のコーナー下面15aを支える構造としているので、例えば台車の繰り返し走行などで負荷が局所的に掛かった場合でも、フロアパネル15のコーナー部分の破損を回避することができる。
また、フロアパネル15は、引掛部25を段差部28に引っ掛けるようにしてパネル載置面23に載せ、後述のパネル固定部材3とによってこの引掛部25を挟持して固定されるつば受け構造であるので、フロアパネル15を敷設する施工スピードを速めることができる。従来は、フロアパネル15の下面(底面)を支える底受け構造であったため、固定用レバーを所定トルクまで締め付ける必要があったが、本構造ではその必要が無くなる。
また、つば受け構造であるので、各パネル載掛部19に載掛けされる隣り合うパネル間段差は、フロアパネル15の板厚分の差しか発生しない。従来の底受け構造では、フロアパネル15全体の厚みがそのまま段差として発生する。特に、フロアパネル15の厚みはばらつき易いので、従来構造では段差が出やすかったが、本構造では段差が出難い。なお、板厚の異なる3000Nパネルと5000Nパネルが隣接する場合は、板厚差分のスペーサをパネル載置面23とクッションラバー24との間に挟み込むことで、これらパネル間を面一とすることが簡単にできる。
取付螺合部17は、パネル受け部材2の下面中央に円筒体として形成されている。この取付螺合部17の内面には、前記脚部7の外周面に形成された雄ネジ部12と螺合し前記支柱ベース1に対する高さ位置を調整自在とする第3螺合部である雌ネジ部35が形成されている。この取付螺合部17の雌ネジ部35と脚部7の雄ネジ部12とを螺合させることにより、パネル受け部材2を、支柱ベース1に対して所望の高さ位置に調整することができる。
「パネル固定部材」
パネル固定部材3は、図1から図5に示すように、フロアパネル15の引掛部25を前記パネル載掛部19の段差部28との間で挟持するパネル押圧部29と、脚部7の先端に形成された孔部10に挿入され雌ネジ部11と螺合してパネル押圧部29の高さ位置を調整自在とする第4螺合部である固定ボルト30とからなる。
パネル押圧部29は、前記フロアパネル15の引掛部25を押さえる引掛部押さえ面29aを下端部に有した円盤体として形成されている。このパネル押圧部29は、引掛部25を段差部28とにより上下方向から挟み込むことで、該引掛部25を挟持させる。そして、このパネル押圧部29の中心には、固定ボルト30を挿入させるための貫通孔31が形成されている。
固定ボルト30は、脚部7の先端に形成された孔部10に挿入され、その外周面に形成した雄ネジ部32を該孔部10の雌ネジ部11と螺合させている。この固定ボルト30を締め付ける方向に回すと、パネル固定部材3はパネル受け部材2側へとねじ込まれて行き、段差部28に載掛けされた引掛部25を、前記パネル押圧部29とによって挟持する。逆に、固定ボルト30を緩める方向に回すと、パネル固定部材3はパネル受け部材2と離れる方向に上昇し、前記引掛部25の挟持状態を開放する。なお、固定ボルト30の基端部には、例えばドライバーによって固定ボルト30をねじ込むための十字形状のネジ回し溝33が形成された皿状のネジ頭部34が設けられている。
このように、固定ボルト30を、アルミダイキャストによって一体化した支柱ベース1の先端部に形成した雌ネジ部11に螺合させれば、当該支柱ベース1がしっかりしていることからがたつきなく強固にフロアパネル15を固定させることができる。
「固定部材」
固定部材4は、図1及び図2に示すように、支柱ベース1に対するパネル受け部材2の高さ位置を固定するもので、脚部7の外周面に形成された雄ネジ部12と螺合する第5螺合部である雌ネジ部36を有した固定部37と、この固定部37から延在して形成されたレバー部38とからなる。
かかる固定部材4は、レバー部38を回して所定高さに仮保持されたパネル受け部材2の下端部に固定部37を圧接させることにより、当該パネル受け部材2を回転不可能なロック状態とする。これにより、パネル受け部材2を確実に所定高さ位置に保持させることができる。この固定部材4のレバー部38を回転させる操作は、専用工具を必要とすることなく簡単に手(指)で操作することができる。このため、施工時にレバー部38を金槌で叩く必要がないことから音を立てずに静かに施工することができる。したがって、現場作業者や現場近隣の人達にも迷惑を掛けなく済む。
『フロアパネルの敷設方法』
次に、上述のように構成された二重床用支柱構造を使用してフロアパネル15を敷設する施工方法について説明する。ここでの施工工程は一例であり、その手順に関しては以下の各工程の順番を多少入れ替えることもできる。
先ず、上述のように構成された二重床用支柱構造を床面5に置く。次に、パネル受け部材2を支柱ベース1に対して所定高さ位置となるように調整する。すなわち、パネル受け部材2を時計回り方向または反時計回り方向に回転させることにより、脚部7の外周面に形成された雄ネジ部12に取付螺合部17の内面に形成した雌ネジ部35を螺合させて、該パネル受け部材2の前記支柱ベース1に対する高さを上下に調整する。パネル受け部材2の支柱ベース1に対する高さ位置は、図5に示すように、床面5からフロアパネル15のコーナー下面15aまでの垂直距離(高さ)Hが所定寸法となるようにする。
パネル受け部材2の支柱ベース1に対する高さが決まったらベース部6の底面6aに接着剤を塗布した後、この二重床用支柱構造を床面5の所定位置に固定する。次に、パネル受け部材2の支柱ベース1に対する高さ位置が変動しないように、固定部材4によって当該パネル受け部材2を回転不可能にロックして前記所定高さ位置を保持させる。すなわち、この固定部材4のレバー部38を作業者が握り、該レバー部38を回転させて固定部37をパネル受け部材2の取付螺合部17の下端部に当接させる。これにより、パネル受け部材2は、この固定部材4によって支柱ベース1に対する高さ位置が位置決め固定されることになる。
次に、この二重床用支柱構造の床面5に対する固定を確実なものとするために、ベース部6に形成されたボルト挿通孔9にボルトを挿通させ床面5に打ち込む。これで、二重床用支柱構造が確実に床面5に対して固定される。
次に、位置決め固定された二重床用支柱構造に対してフロアパネル15を敷設する。フロアパネル15を敷設に際しては、フロアパネル15のコーナー部分に形成された引掛部25をパネル載掛部19の段差部28に係合させて、このフロアパネル15をパネル受け部材2の上に載せると。すると、フロアパネル15の引掛部25は、パネル載掛部19の段差部28に係合され、フロアパネル15のコーナー下面15aは、パネル補助受け部20に対して若干の隙間Sを有してパネル補助受け部20上に載置される。
次に、4枚のフロアパネル15を4箇所のパネル載掛部19にそれぞれ配置し終えたらパネル固定部材3で引掛部25を確実に固定する。すなわち、ドライバーを使用して固定ボルト30を脚部7の先端部に形成した孔部10の雌ネジ部11にねじ込み、パネル押圧部29の下面に形成した引掛部押さえ面29aを段差部28に係合された引掛部25に押し付け、該段差部28とパネル押圧部29とで引掛部25を挟持させる。これにより、フロアパネル15をパネル受け部材2にがたつき無く固定させることができる。
『本実施の形態の効果』
以上のように構成された二重床用支柱構造では、ベース部6と脚部7を一体化した支柱ベース1と、この支柱ベース1に対してその高さ位置を調整自在とするパネル受け部材2と、該パネル受け部材2とでフロアパネル15を挟持して固定するパネル固定部材3と、所望高さ位置にあるパネル受け部材2の位置を固定する固定部材4とからなる僅か4つの構成部品で構成しているので、従来構造に比べて部品点数を削減することができると共に組立工数も減らせることができ、低コスト化を実現できる。
また、本実施の形態の二重床用支柱構造では、ベース部6の底面6aを床面5と密着する略平坦面としているので、接着剤を薄く且つ均一に塗布することができ、床面5に対する接合強度を大幅に高めることができる。
また、本実施の形態の二重床用支柱構造では、ベース部6を外周部から脚部7へと向かうに従ってその厚みを次第に厚くしているので、地震などによる水平荷重に対する強度を高めることができ、フロアパネル15を支える支柱ベース1の機械的強度を向上させることができる。
また、本実施の形態の二重床用支柱構造では、脚部7を、先端からベース部6へと向かうに従ってその直径を次第に大きくした略円筒体としているので、座屈荷重に強く、座屈し難くなる。さらに、脚部7を中空構造としているので、調整代を長く確保することができる。
また、本実施の形態の二重床用支柱構造では、脚部7からベース部6にかけて補強用のリブ14を形成したことにより、支柱ベース1の機械的強度が大幅に向上し、耐荷重性能を向上させることができる。さらにこれに加えて、ベース部6と脚部7を一体化しているので、支柱ベース1の機械的強度をより一層向上させることができる。その結果、支柱ベース1の強度が向上することからフロアパネル15のパネル薄板化と軽量化を図ることが可能となる。
また、本実施の形態の二重床用支柱構造では、少なくとも支柱ベース1及びパネル受け部材2を、表面処理が必要無くしかも錆びの発生の無いアルミダイキャストで形成しているので、従来のような鋼板にメッキを施すことによって発生するウィスカや六価クロム含有を回避することができる。
また、本実施の形態の二重床用支柱構造では、フロアパネル15の引掛部25を段差部28に引っ掛けてパネル載置面23に載せ、パネル固定部材3のパネル押圧部29とでこの引掛部25を挟持して固定するつば受け構造であるので、従来構造のようにパネル底面を受けるものではないことからパネル段差は板厚分の差しか発生せず、パネル間段差を減少させることができる。
また、本実施の形態の二重床用支柱構造では、つば受け構造であるため、支柱軸芯からフロアパネル15を載掛する位置までの水平距離L(図5参照)を短くすることができ、支柱ベース1に掛かるモーメントを大幅に減少させることができる。これにより、パネル受けのがたつき抑制機構又は固定機構を別途用意することを防止できる。また、この水平距離Lを短くすることができることからパネル受け形状を小さく、軽量化することもできる。
また、本実施の形態の二重床用支柱構造では、固定部材4を金槌で叩かなくても簡単にレバー部38を握って該固定部材4を回転させることができるため、フロアパネル敷設時の金属打音を無くすことができる。
『その他の実施の形態』
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
例えば、フロアパネル15を敷設する工程手順を次のようにしてもよい。先ず、設置すべき床面5の上に、ベース部6の底面6aに接着剤を塗布して本実施の形態の二重床用支柱構造を固定する。次に、接着剤が乾燥した後、ベース部6に形成したボルト挿通孔9にボルトを挿通させて支柱ベース1を確実に床面5に固定する。
そして、支柱ベース1に対するパネル受け部材2の高さ位置を調整した後、レバー部38を回転させて該パネル受け部材2の高さを確実に位置決め固定する。次に、フロアパネル15の引掛部25をパネル載掛部19の段差部28に引っ掛け、固定ボルト30をねじ込んで当該引掛部25をこの段差部28とパネル押圧部29とで挟持させてフロアパネル15を載置支持させる。
本実施の形態の二重床用支柱構造の正面図である。 本実施の形態の二重床用支柱構造を示し、(A)は平面図、(B)は底面図である。 本実施の形態の二重床用支柱構造の縦断面図である。 本実施の形態の二重床用支柱構造における支柱ベースを示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。 本実施の形態の二重床用支柱構造でフロアパネルを支持したときの縦断面図である。 従来の二重床用支柱構造の正面図である。 従来の二重床用支柱構造を示し、(A)は平面図、(B)は底面図である。 従来の二重床用支柱構造の縦断面図である。 従来の二重床用支柱構造でフロアパネルを支持したときの縦断面図である。 従来の二重床用支柱構造において、固定レバーを金槌で叩いてパネル受け部材を所定高さに固定する工程図である。
符号の説明
1…支柱ベース
2…パネル受け部材
3…パネル固定部材
4…固定部材
5…床面
6…ベース部
7…脚部
11…雌ネジ部(第1螺合部)
12…雄ネジ部(第2螺合部)
14…リブ
15…フロアパネル
19…パネル載掛部
20…パネル補助受け部
25…フロアパネルの引掛部
29…パネル押圧部
30…固定ボルト(第4螺合部)
35…雌ネジ部(第3螺合部)
36…雌ネジ部(第5螺合部)
37…固定部
38…レバー部

Claims (6)

  1. 床面に載置されるベース部と、このベース部に一体化されて立設し、先端部に第1螺合部を有すると共に外周面に第2螺合部を有した脚部と、を有した支柱ベースと、
    フロアパネルに形成された引掛部を係合させて該フロアパネルを支持するパネル載掛部と、前記脚部の第2螺合部と螺合して前記支柱ベースに対する高さ位置を調整自在とする第3螺合部と、を有したパネル受け部材と、
    前記引掛部を前記パネル載掛部との間で挟持するパネル押圧部と、前記第1螺合部と螺合して該パネル押圧部の高さ位置を調整自在とする第4螺合部と、を有したパネル固定部材と、
    前記脚部の第2螺合部と螺合する第5螺合部を有した固定部と、この固定部に一体化されたレバー部とを有し、前記固定部を前記パネル受け部材に当接させて前記支柱ベースに対する該パネル受け部材の高さ位置を固定させる固定部材とを備えた
    ことを特徴とする二重床用支柱構造。
  2. 請求項1に記載の二重床用支柱構造であって、
    前記ベース部の底面は、前記床面と密着する略平坦面からなる
    ことを特徴とする二重床用支柱構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の二重床用支柱構造であって、
    前記ベース部は、外周部から前記脚部へと向かうに従ってその厚みを次第に厚くする
    ことを特徴とする二重床用支柱構造。
  4. 少なくとも請求項1から請求項3の何れか一つに記載される二重床用支柱構造であって、
    前記脚部は、先端から前記ベース部へと向かうに従ってその直径を次第に大きくした略円筒体である
    ことを特徴とする二重床用支柱構造。
  5. 少なくとも請求項1から請求項4の何れか一つに記載される二重床用支柱構造であって、
    前記支柱ベースには、前記脚部から前記ベース部にかけて補強用のリブが形成されている
    ことを特徴とする二重床用支柱構造。
  6. 少なくとも請求項1から請求項5の何れか一つに記載される二重床用支柱構造であって、
    少なくとも前記支柱ベース及び前記パネル受け部材をアルミダイキャストで形成した
    ことを特徴とする二重床用支柱構造。
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